JP2013110320A - 金属箔張基板製造用仮基板および金属箔張基板の製造方法 - Google Patents

金属箔張基板製造用仮基板および金属箔張基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属箔張基板を製造するのに用いられる仮基板であって、金属箔のシワの発生が抑制された高品質な金属箔張基板を製造可能な金属箔張基板製造用仮基板、および高品質な金属箔張基板を効率よく製造する方法を提供すること。
【解決手段】金属箔張基板製造用仮基板1は、プリプレグを硬化させてなる仮基板本体11と、仮基板本体11上に配置された下地層12と、下地層12を介して仮基板本体11上に設けられ、下地層12の平面視の大きさより大きな金属箔13と、を有し、金属箔13の一部をビルドアップ配線層9等の他の基板に移転させて配線基板(金属箔張基板)5を製造するのに用いられる仮基板であって、仮基板本体11は、経糸/緯糸の1インチ当たりの質量比が0.8〜1.35であり、かつ、単位面積当たりの質量が208〜260g/mであるガラス織布を含んでいる。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属箔張基板製造用仮基板および金属箔張基板の製造方法に関するものである。
特許文献1には、配線基板のような金属箔張基板の製造において仮基板を用いた方法が開示されている。具体的には、まず、プリプレグ上の配線形成領域に下地層を配置するとともに、この下地層の平面視の大きさより一回り大きな金属箔を、前記配線形成領域の外側に位置する外周部に接するように、下地層を介してプリプレグ上に配置する。そして、加熱・加圧によってプリプレグを硬化させることにより、プリプレグの前記外周部に対して金属箔の外周部が接着され、仮基板が得られる。この仮基板において、下地層とその上の金属箔との間は、単に接しているだけで接着されていない状態になっている。
次いで、仮基板の金属箔上にビルドアップ配線層を形成して構造体を得た後、この構造体のうち、金属箔の外周部に対応する部分を切断することにより、金属箔の外周部以外の部分、すなわち下地層と接していた部分をビルドアップ配線層側に移転させることができる。これにより、金属箔の上にビルドアップ配線層が形成された配線部材が得られる。
このような方法によれば、接着機能を有するプリプレグを備えた仮基板を用いることにより、特別な接着層を設けることなく、配線部材を簡単に製造することができる。このため、特にコア基板をもたない配線部材の製造コストの低減を図ることができる。
しかしながら、上記の配線部材の製造方法では、それに用いる仮基板を製造する際に、プリプレグに対して金属箔を仮固定した状態でプリプレグを硬化させる工程を経る。硬化に伴ってプリプレグは収縮するが、一方、金属箔はほとんど収縮しない。このため、硬化後のプリプレグに対して余分な金属箔が発生することとなり、この部分が仮基板において金属箔にシワを発生させる要因になっている。このような金属箔に発生するシワは、そのままビルドアップ配線層に移転され、配線部材(金属箔張基板)の不良原因となる。
特開2007−158174号公報
本発明の目的は、金属箔張基板を製造するのに用いられる仮基板であって、金属箔のシワの発生が抑制された高品質な金属箔張基板を製造可能な金属箔張基板製造用仮基板、および高品質な金属箔張基板を効率よく製造する方法を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(8)の本発明により達成される。
(1) プリプレグを硬化させてなる仮基板本体と、前記仮基板本体上に配置された下地層と、前記下地層を介して前記仮基板本体上に設けられ、前記下地層の平面視の大きさより大きな金属箔と、を有し、前記金属箔の一部を他の基板に移転させ金属箔張基板を製造するのに用いられる仮基板であって、
前記仮基板本体は、経糸/緯糸の1インチ当たりの質量比が0.8〜1.35であり、かつ、単位面積当たりの質量が208〜260g/mであるガラス織布を含んでいることを特徴とする金属箔張基板製造用仮基板。
(2) 前記ガラス織布は、経糸/緯糸の1インチ当たりの本数比が0.9〜2.5のものである上記(1)に記載の金属箔張基板製造用仮基板。
(3) 前記ガラス織布は、経糸と緯糸に、JIS R 3413に規定される糸の種類が互いに同じであるガラス繊維を用いたものである上記(1)または(2)に記載の金属箔張基板製造用仮基板。
(4) 前記ガラス織布は、平面視においてバスケットホールが占める面積の割合が20%以下のものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
(5) 前記ガラス織布を構成するガラス材料は、Eガラスである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
(6) 前記プリプレグは、前記硬化時における縦方向の寸法変化率の絶対値および横方向の寸法変化率の絶対値がそれぞれ0.3%以下のものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
(7) 前記プリプレグを硬化させてなる前記仮基板本体は、樹脂材料の含有率が20〜47質量%のものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
(8) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板の前記金属箔に接するように前記他の基板を接着して積層体を得る工程と、
前記積層体のうち、前記金属箔の外周部に対応する部分を切断して除去することにより、前記金属箔の一部を前記他の基板側に移転させ金属箔張基板を得る工程と、を有することを特徴とする金属箔張基板の製造方法。
本発明によれば、金属箔のシワの発生が抑制された高品質な金属箔張基板を製造可能な金属箔張基板製造用仮基板を製造することができる。
また、本発明によれば、高品質な金属箔張基板を効率よく製造することができる。
本発明の金属箔張基板の製造方法の実施形態を示す断面図(一部、平面図を含む。)である。 本発明の金属箔張基板の製造方法の実施形態を示す断面図である。 本発明の金属箔張基板の製造方法の実施形態を示す断面図である。 本発明の金属箔張基板製造用仮基板の実施形態に含まれるガラス織布を示す平面図である。 本発明の金属箔張基板製造用仮基板の実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の金属箔張基板製造用仮基板および金属箔張基板の製造方法について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の金属箔張基板製造用仮基板(以下、省略して「仮基板」ともいう。)は、仮基板本体とその上に配置された下地層とさらにその上に配置された下地層より一回り大きい金属箔とを有するものであり、金属箔の一部を他の基板等に移転させて金属箔張基板を製造するのに用いられるものである。ここで、仮基板本体は、プリプレグを硬化させてなるものである。そして、プリプレグを硬化させる際に、プリプレグに対して下地層と金属箔とを接触させておくことにより、これらを接着させつつプリプレグを硬化させることができるので、特別な接着層を用いることなく、仮基板本体と下地層および金属箔とを接着し、仮基板を製造することができる。
このようにして得られた仮基板では、下地層とその上の金属箔との間は接着されていない。すなわち、金属箔は、下地層からはみ出た部分(外周部)のみが仮基板本体と接着されることによって固定されている。このため、金属箔上に絶縁層等の他の基板を形成した後、金属箔の外周部に対応した部分を一括して切断することにより、絶縁層等に金属箔が移転され、金属箔張基板が製造される。
このような本発明の仮基板における仮基板本体は、縦方向ガラスヤーン(経糸)/横方向ガラスヤーン(緯糸)の1インチ当たりの質量比が0.8〜1.35であり、かつ、単位面積当たりの質量が208〜260g/mであるガラス織布を含んでいる。これにより、仮基板本体は、ガラス織布の製造時に生じる異方性がプリプレグの硬化時の収縮に及ぼす影響を最小限に抑え得るものとなる。そして、このような仮基板を用いることにより、金属箔におけるシワの発生が確実に抑制された金属箔張基板を製造することができる。
<金属箔張基板の製造方法>
まず、本発明の金属箔張基板の製造方法の実施形態について説明する。
図1〜3は、本発明の金属箔張基板の製造方法の実施形態を示す断面図(一部、平面図を含む。)である。
図1〜3に示す金属箔張基板の製造方法は、[1]仮基板1の金属箔13に接するようにビルドアップ配線層9を形成して積層体2を得る積層工程と、[2]積層体2のうち、金属箔13の外周部132に対応する部分を切断して除去することにより、金属箔13の内周部131をビルドアップ配線層9側に移転させ、配線基板(金属箔張基板)5を得る切断工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]積層工程
[1−1]まず、積層工程に用いる仮基板1を製造する。仮基板1は、プリプレグ10を硬化させてなる仮基板本体11と、仮基板本体11上に配置された下地層12と、下地層12を介して仮基板本体11上に配置され、下地層12よりも平面視で一回り大きい金属箔13と、を有するものである。このような仮基板1は、プリプレグ10上に下地層12および金属箔13を配置した状態でプリプレグ10を硬化させることにより製造される。
プリプレグ10は、ガラス織布101に半硬化の樹脂材料102を含浸させたものである。半硬化とは、樹脂材料102中の硬化に寄与する官能基のうち、相当部分が未反応のままである状態のことをいい、Bステージとも呼ばれる。なお、このプリプレグ10および仮基板1については、後に詳述する。
プリプレグ10上に下地層12および金属箔13を配置する際には、プリプレグ10の一方の面上に配置してもよいが、図1(a)に示すように双方の面上に配置してもよい。これにより、1枚の仮基板1から2枚の配線基板5を製造することができるので、製造効率を高めることができる。
また、金属箔13を配置する際には、図1(c)に示すように、下地層12より一回り大きい金属箔13の外周部132が下地層12の外縁から確実にはみ出るように配置する。
このようにしてプリプレグ10、下地層12および金属箔13を重ねた後、これらを厚さ方向に加圧しつつ加熱する。これにより、プリプレグ10が硬化して仮基板本体11に転化するとともに、仮基板本体11に対して下地層12および金属箔13が接着される。なお、金属箔13については、図1(b)に示すように、プリプレグ10と接していた外周部132のみが仮基板本体11と接着される。一方、金属箔13の内周部131は、下地層12と接しているものの、下地層12にはプリプレグ10のような接着機能はないため、プリプレグ10硬化後も下地層12と単に接している状態を維持する。
加熱条件としては、好ましくは加熱温度が50〜300℃程度、加熱時間が0.5〜10時間程度とされ、より好ましくは加熱温度が170〜270℃程度、加熱時間が1〜5時間程度とされる。
また、加熱温度は途中で変更するようにしてもよい。例えば、当初は50〜100℃程度で0.5〜3時間程度加熱し、その後、200〜300℃程度で0.5〜3時間程度加熱するようにしてもよい。
また、加圧条件としては、好ましくは加圧力が0.1〜5MPa程度、より好ましくは加圧力が1〜4MPa程度とされる。
なお、プリプレグ10中の樹脂ワニスが光硬化性を有する場合には、波長200〜400nm程度の紫外線等を照射することにより樹脂ワニスを硬化させることができる。
付与される光エネルギー量(積算光量)は、5mJ/cm以上1000mJ/cm以下であるのが好ましく、10mJ/cm以上800mJ/cm以下であるのがより好ましい。積算光量が前記範囲内であれば、ムラなく均一に、かつ確実に硬化させることができる。
以上のようにして図1(b)、(c)に示す仮基板1が得られる。
[1−2]次に、仮基板1の金属箔13上にビルドアップ配線層9を形成する。これにより、積層体2を得る。
ビルドアップ配線層9は、例えばビルドアップ法により絶縁層を形成しつつ、セミアディティブ法により配線層を形成するプロセスを繰り返し行うことにより形成される。以下、このプロセスについて説明するが、ビルドアップ配線層9の形成には、その他にサブトラクティブ法等を用いるようにしてもよい。
まず、金属箔13上にレジスト膜を形成する。レジスト膜には、フォトリソグラフィー技術等により、所定の開口部を形成しておく。次いで、電解めっき処理等を施すことにより、開口部に導電層が形成する。その後、レジスト膜を除去する。これにより、金属箔13と導通する配線が形成される。導電層の構成材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ等が挙げられる。
次に、ポスト部等を覆うように絶縁層を形成する。絶縁層の形成には、樹脂フィルムの貼り付け、液状樹脂材料の塗布等の方法が用いられる。絶縁層の構成材料としては、例えば、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。また、絶縁層には、レーザー加工法、フォトリソグラフィー法等により開口部が形成される。次いで、無電解めっき処理またはスパッタリング処理等を施すことにより、開口部内および絶縁層上にシード層を形成する。シード層には、前述した導電層と同様の材料が用いられる。シード層上に所定の開口部を備えたレジスト膜を形成した後、電解めっき処理等を施すことにより、レジスト膜の開口部およびその周囲に導電層を形成する。その後、レジスト膜を除去するとともに、導電層をマスクにしてシード層を除去する。これにより、絶縁層上に配線を形成するとともに、絶縁層を貫通して配線同士を接続するポストを形成する。
以上のようなプロセスを仮基板1の両面においてそれぞれ繰り返すことにより、図2に示すように、各面にそれぞれ複数の絶縁層が積層されてなるビルドアップ配線層9を形成することができる。すなわち、ビルドアップ配線層9、仮基板1およびビルドアップ配線層9の3つが積層されてなる積層体2が得られる。
なお、ビルドアップ配線層9の形成にあたっては、特開2007−158174号公報に記載されたプロセスを適宜採用するようにしてもよい。
[2]切断工程
次に、積層体2のうち、金属箔13の外周部132に対応する部分を切断して除去する。切断にあたっては、外周部132が内周部131から分離するような位置において切断すればよく、切断線Cが図3(a)に示すように金属箔13の内周部131側に入り込んでいても差し支えない。切断には、各種ダイサー、各種レーザー加工機等を用いることができる。
切断線Cにおいて積層体2を切断すると、外周部132が切り落とされることとなり、下地層12と金属箔13との間には、図3(b)に示すように、単に接しているだけの界面が残る。
そして、この界面は、図3(c)に示すように分離することとなる。その結果、金属箔13とその上に形成されたビルドアップ配線層9とが積層された配線基板5が得られる。
その後、必要に応じて、配線基板5が含む金属箔13に対してパターニング処理を施し、所定の部分を除去するようにしてもよい。
以上のような方法によれば、特別な接着層を設けることなく配線基板5を効率よく製造することができるので、配線基板5の製造工程の簡略化および製造コストの削減を図ることができる。特に、コア基板を含まない配線基板5の製造において、本発明は有効に用いられる。その結果、薄型で軽量の配線基板5を短期間かつ低コストで製造することができる。
なお、ビルドアップ配線層9は、配線を含まない単なる絶縁層等で代替してもよい。すなわち、配線基板5は、絶縁層と銅箔とを接着してなる銅張基板(金属箔張基板)であってもよい。
<金属箔張基板製造用仮基板>
次に、上記製造方法に用いられる本発明の金属箔張基板製造用仮基板の実施形態について説明する。
図4は、本発明の金属箔張基板製造用仮基板の実施形態に含まれるガラス織布を示す平面図、図5は、本発明の金属箔張基板製造用仮基板の実施形態を示す断面図である。
前述したように、本発明の仮基板1は、プリプレグ10を硬化させてなる仮基板本体11と、仮基板本体11上に配置された下地層12と、下地層12を介して仮基板本体11上に配置され、下地層12よりも平面視で一回り大きい金属箔13と、を有するものである。このうち、仮基板本体11は、図5に示すように、ガラス織布101に樹脂材料102を含浸させてなるものである。そして、ガラス織布101は、経糸/緯糸の1インチ当たりの質量比が0.8〜1.35であり、かつ、単位面積当たりの質量が208〜260g/mであるものである。このようなガラス織布101を含んだ仮基板1は、ガラス織布101の製造時に生じる異方性がプリプレグ10の硬化時の収縮に及ぼす影響を最小限に抑え得るものとなる。したがって、このようなガラス織布101を用いることで、仮基板1において金属箔13にシワが発生するのを抑制することができる。そして、この金属箔13のシワがビルドアップ配線層9に移転されるのを抑制することができる。
(ガラス織布)
図4に示すガラス織布101は、複数のガラス繊維(単繊維)を束ねたガラスヤーンを織った布である。このガラス織布101は、縦方向ガラスヤーン(経糸)101aおよび横方向ガラスヤーン(緯糸)101bで構成されており、縦方向ガラスヤーン101aと横方向ガラスヤーン101bとは略直交している。ガラス織布101の織組織としては、平織り等が挙げられる。
ここで、仮基板1は、プリプレグ10上に下地層12と金属箔13とを配置した状態でプリプレグ10を硬化させることにより製造される。硬化に伴ってプリプレグ10は収縮するが、一方、金属箔13はほとんど収縮しない。このため、従来の仮基板では、硬化後に得られる仮基板本体に対して金属箔には余分が発生し、この余分が金属箔にシワを発生させていた。そしてこのシワは、そのままビルドアップ配線層に移転されることとなり、配線基板に不良を発生させる要因になっていた。
このような課題に対し、本発明者は鋭意検討を重ね、仮基板本体11のうち、特にガラス織布101の構造がシワの発生に大きく関与しているという知見を得た。さらには、金属箔13にシワが発生するときには、ガラス織布101の織り方向のうち、一方向では大きく収縮するとともに、他方向では大きく伸長している傾向が高い(寸法変化の異方性が大きい)という知見も得た。
ところで、プリプレグ10全体の収縮量は、樹脂材料102の含有量および樹脂材料102の化学構造で決定される。樹脂材料102は本来、等方的に収縮するが、この樹脂材料102をガラス織布101に含浸させたことにより、プリプレグ10の収縮挙動には異方性が発現する。したがって、上述したように一方向では収縮し、他方向では伸長するような場合、一方向における収縮量が非常に大きくなり、それに伴ってシワが発生するものと考えられる。このことから、シワの発生を抑えるためには、収縮の異方性(寸法変化の異方性)を小さくすることが重要であると考えられる。
本発明者は、ガラス織布101の経糸と緯糸の質量比と、単位面積当たりの質量という2つの因子の双方を最適化することにより、収縮の異方性を最小化し、シワの発生を大幅に低減し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、ガラス織布101は、上述したように、縦方向ガラスヤーン(経糸)101a/横方向ガラスヤーン(緯糸)101bの1インチ当たりの質量比が0.8〜1.35の関係を満たし、かつ、単位面積当たりの質量が208〜260g/mの関係を満たすものである。ガラス織布101は、一定の張力で張られた縦方向ガラスヤーン101a同士の間に横方向ガラスヤーン101bを編み込むという方法で製造されるため、織り方向によって特性に異方性が生じることが避けられないものの、ガラス織布101が前記関係を満たすことにより、プリプレグ10の収縮の異方性を最小化することができる。
なお、縦方向ガラスヤーン(経糸)101a/横方向ガラスヤーン(緯糸)101bの1インチ当たりの質量比は、横方向ガラスヤーン101bの1インチ四方の質量と、縦方向ガラスヤーン101aの1インチ四方の質量とを算出したとき、前者の質量に対する後者の質量の比率として算出される。また、この質量比は0.9〜1.3であるのが好ましい。
一方、単位面積当たりの質量は、目付とも呼ばれ、ガラス織布101の質量を面積で割って算出される。この質量は好ましくは220〜250g/mとされる。
また、縦方向ガラスヤーン101aおよび横方向ガラスヤーン101bには、それぞれガラス繊維が10〜200本程度含まれているのが好ましく、20〜150本程度含まれているのがより好ましい。これにより、プリプレグ10の収縮の異方性をより低減することができる。
また、ガラス織布101は、なお、縦方向ガラスヤーン(経糸)101a/横方向ガラスヤーン(緯糸)101bの1インチ当たりの本数比が0.9〜2.5の関係を満たすことが好ましく、1.2〜2.2の関係を満たすことがより好ましい。これにより、仮基板本体11は、収縮の異方性がより小さいものとなり、金属箔13におけるシワの発生をより抑制し得るものとなる。
なお、縦方向ガラスヤーン(経糸)101a/横方向ガラスヤーン(緯糸)101bの1インチ当たりの本数比は、横方向ガラスヤーン101bの1インチ幅の本数と、縦方向ガラスヤーン101aの1インチ幅の本数とを算出したとき、前者の本数に対する後者の本数の比率として算出される。
また、質量比等が前記範囲内であれば、縦方向ガラスヤーン101aや横方向ガラスヤーン101bを構成するガラス繊維の種類は特に限定されない。したがって、縦方向ガラスヤーン101aを構成する複数本のガラス繊維は、互いに同じ種類のものでも、互いに異なる種類のものでもよい。これは、横方向ガラスヤーン101bにおいても同様である。
しかしながら、とりわけ高い効果を得るためには、縦方向ガラスヤーン101aと横方向ガラスヤーン101bに、JIS R 3413に規定する糸の種類が互いに同じであるガラス繊維を用いることが好ましい。このようなガラス繊維を用いることで、プリプレグ10の収縮の異方性が特に小さくなり、金属箔13におけるシワの発生を特に抑制し得る仮基板本体11が得られる。
ところで、ガラス織布101は、縦方向ガラスヤーン101aと横方向ガラスヤーン101bとを織って形成されるが、これらが交差する交差部付近には少なからず隙間が生じる。この隙間はバスケットホールと呼ばれ、ガラス織布101の特性に影響を及ぼすことがある。図4に示すガラス織布101にはバスケットホール101cを図示している。
本発明では、ガラス織布101の平面視において、このバスケットホール101cが占める面積の割合を好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下としている。バスケットホール101cの面積比を前記範囲内にすることにより、ガラス織布101の平滑度を高め、金属箔13の平滑度も高めることができるので、シワの発生がより抑えられる。また、バスケットホール101cの面積比を前記範囲内にすることにより、ガラス織布101の質量比等を最適化したことによる効果がバスケットホール101cによって損なわれることが防止される。すなわち、バスケットホール101cの面積比が著しく高い場合、そこに樹脂材料が多量に入り込むため、ガラス織布101のある部分は収縮が小さく、樹脂材料が多量にある部分は収縮が大きくなり、均一に収縮しなくなる。これにより、プリプレグ10の収縮の異方性を最小化することができなくなるおそれがあるが、前記範囲内にすることでそれが防止される。
なお、縦方向ガラスヤーン101aおよび横方向ガラスヤーン101bには、それぞれ、あらかじめ開繊処理が施されているのが好ましい。開繊処理により、ガラスヤーンが拡幅され、その断面は扁平状に成形される。また、バスケットホール101cも小さくなる。その結果、ガラス織布101の平滑性がより高くなり、金属箔13の平滑度も高めることができるので、シワの発生がより抑えられる。開繊処理としては、例えば、ウォータージェットを噴射する処理、エアージェットを噴射する処理、ニードルパンチングを施す処理等が挙げられる。
ガラス繊維を構成する無機系ガラス材料としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラス等が挙げられ、中でもアルカリ金属などのイオン性不純物が少なく入手の容易なEガラス、Sガラス、Tガラス、NEガラスが好ましく用いられ、特にEガラスがより好ましく用いられる。Eガラスは繊維化が容易であることからEガラスで構成されたガラスヤーンは平滑度等が高く、かつ機械的な特性に優れることから、大型でかつ薄い仮基板1の実現に寄与する。
ガラス繊維の平均径は、特に限定されないが、2〜15μm程度であるのが好ましく、3〜12μm程度であるのがより好ましく、3〜10μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、ガラス織布101の平滑度等が高くなるとともに、ガラス織布101の構成を最適化して、仮基板1の金属箔13に発生するシワを特に抑えることができる。なお、ガラス繊維の平均径は、JIS R 3420に規定される試験方法に基づいて測定される。
一方、ガラス織布101の平均厚さは、特に限定されないが10〜200μm程度であるのが好ましく、20〜120μm程度であるのがより好ましい。ガラス織布101の平均厚さを前記範囲内にすることにより、仮基板1の剛性が、金属箔張基板の製造において必要かつ十分なものとなる。
なお、ガラス繊維の表面には、必要に応じてカップリング剤を付与するようにしてもよい。カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等が挙げられるが、シラン系カップリング剤が特に好ましく用いられる。シランカップリング剤には、官能基としてエポキシ基、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、アミド基等を含むものが好ましく用いられる。
このようなカップリング剤の付与率は、ガラス織布100質量部に対して0.01〜5質量部程度であるのが好ましく、0.02〜1質量部程度であるのがより好ましく、0.02〜0.5質量部程度であるのがさらに好ましい。
(樹脂材料)
本発明に用いられる樹脂材料102には、例えば、ポリイミド系樹脂、フェノ−ル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂のような熱硬化性樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂のような熱可塑性樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、特に熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
熱硬化性樹脂としては、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型ノボラック樹脂のようなノボラック型フェノール樹脂、未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油等で変性した油変性レゾールフェノール樹脂のようなレゾール型フェノール樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂のようなビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂のようなノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂(BT樹脂)、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
また、樹脂材料102の含有率は、プリプレグ10を硬化してなる仮基板本体11において20〜47質量%であるのが好ましく、25〜38質量%であるのがより好ましい。これにより、仮基板本体11の機械的特性を十分に確保しつつ、プリプレグ10の収縮を確実に抑えることができる。その結果、プリプレグ10の収縮の異方性を最小化するとともに、寸法変化率も特に低下させることができる。そして、金属箔13のシワの発生が特に抑制された仮基板1が得られる。
なお、プリプレグ10は、前述したガラス織布101に樹脂ワニスを含浸させることで製造される。樹脂ワニスは、樹脂材料102の未硬化物の他、フィラー、有機溶剤、硬化剤、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、発泡剤、イオン捕捉剤等を含んでいてもよい。
このうち、フィラーとしては、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスのようなケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカのような酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトのような炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムのような硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素のような窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムのようなチタン酸塩等の無機フィラーが用いられる。
フィラーの添加量は、樹脂ワニス全体の5〜80質量%程度であるのが好ましく、10〜75質量%程度であるのがより好ましい。
かかる硬化剤としては、酸無水物、脂肪族アミン等の架橋剤、カチオン系硬化剤、アニオン系硬化剤等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物が用いられる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が用いられるが、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
なお、樹脂ワニスは、その特性を損なわない範囲で必要に応じて、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のオリゴマーやモノマー剤等を含んでいてもよい。
また、樹脂ワニスをガラス織布101に含浸させるには、例えば、樹脂ワニス中にガラス織布101を浸漬する方法、ガラス織布101に樹脂ワニスを塗布する方法等が用いられる。また、樹脂ワニスをガラス織布101に含浸させた後、樹脂ワニスが未硬化の状態または硬化させた後に、その上からさらに樹脂ワニスを塗布するようにしてもよい。
また、樹脂ワニスを層状に成形する際には、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられる。そして、樹脂ワニスを含浸させたガラス織布101を挟むように両側からフィルムを押し当てることにより、樹脂ワニスの表面を平滑化、平坦化することができる。
その後、必要に応じて樹脂ワニスに脱泡処理を施す。さらには、必要に応じて樹脂ワニスを乾燥させ、加熱してもよい。
(プリプレグ)
ガラス織布101に樹脂ワニスを含浸させ、樹脂ワニスを半硬化させることによりプリプレグ10が得られる。得られたプリプレグ10は本硬化により硬化するが、その際の縦方向の寸法変化率の絶対値および横方向の寸法変化率の絶対値がそれぞれ0.3%以下であるのが好ましく、0.2%以下であるのがより好ましい。このようなプリプレグ10は、金属箔13におけるシワの発生を確実に抑え得る仮基板1の実現に寄与する。
(金属箔)
金属箔13は、ビルドアップ配線層9(他の基板)側に移転されるものであるので、移転後の用途に応じてその組成が適宜選択される。
金属箔13の構成材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、スズ等の金属またはこれらを含む合金等が挙げられる。
また、金属箔13の平均厚さは、特に限定されないが8〜70μm程度であるのが好ましく、12〜35μm程度であるのがより好ましい。本発明によれば、このような薄い金属箔13を備えた仮基板1を実現することができる。すなわち、薄い金属箔13を移転可能な仮基板1が得られる。
(下地層)
仮基板本体11の両面には、それぞれ図1に示すように下地層12が配置されている。下地層12は、仮基板本体11と接着されている一方、金属箔13とは接着していない。すなわち、下地層12は、金属材料に対して剥離性を有する材料で構成される。下地層12の構成材料としては、例えば、金属箔13を構成する金属材料の他、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステルといった樹脂材料、ダイヤモンドライクカーボンのような炭素材料等が挙げられる。
また、下地層12は、樹脂材料からなる層に離型処理を施したものであってもよい。離型処理としては、例えば、フッ素樹脂を付与する処理、シリコーン樹脂を付与する処理等が挙げられる。
ところで、下地層12の平面視の大きさは、図1に示すように、仮基板本体11より一回り小さくなるよう設定されている。一方、金属箔13の平面視の大きさは、下地層12より一回り大きく、かつ、仮基板本体11と同等かそれより小さくなるよう設定されている。このような大小関係を満たすことにより、下地層12はその全面が仮基板本体11と接着され、金属箔13はその外周部132のみが仮基板本体11と接着されることとなる。
なお、下地層12と金属箔13とを重ねたとき、金属箔13の外周部132は、図1に示すような枠状となる。この枠状の外周部132の幅は、特に限定されないものの2〜50mm程度であるのが好ましく、3〜30mm程度であるのがより好ましい。外周部132の幅を前記範囲内に設定することで、仮基板本体11に対して金属箔13を確実に固定しつつ、切断され除去される金属箔13の割合を最小化して金属箔13を有効利用することができる。
また、仮基板1は、30℃〜150℃における平均線膨張係数が40ppm以下であることが好ましく、より好ましくは20ppm以下、さらに好ましくは10ppm以下である。このような仮基板1は、硬化後においても金属箔13のシワの発生を確実に抑制し得るものとなる。
以上、本発明について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば金属箔張基板製造用仮基板には任意の構成物が付加されていてもよく、金属箔張基板の製造方法には任意の工程が追加されてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.金属箔張基板の製造
(実施例1)
(1)プリプレグの製造
まず、以下のようにして樹脂ワニスを調製した。
具体的には、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC製 エピクロン1123 エポキシ当量550、臭素化率23%)82.9重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC製 エピクロンN−690 エポキシ当量210)14.6重量部、ジシアンジアミド(DEGUSA製)2.3部、2−フェニルイミダゾール(四国化成製 2PZ)0.1部を、それぞれジメチルホルムアミドに溶解した。そして、高速攪拌装置を用いて溶解液を30分間攪拌し、樹脂ワニスを調製した。得られた樹脂ワニスの不揮発分は60%であった。
一方、ガラス織布を用意した。このガラス織布は、Eガラスからなるガラス繊維を用い、表1に示す縦方向ガラスヤーンと横方向ガラスヤーンとを平織りして形成されたものである。なお、表1に記載した糸種類とは、JIS R 3413に規定されたものである。
そして、ガラス織布に、上記で調製した樹脂ワニスを含浸させ、180℃で3分間加熱することにより、プリプレグを得た。
(2)金属箔張基板製造用仮基板の製造
次に、プリプレグの両面に、それぞれ、平均厚さ18μmの銅箔で構成された下地層と、それより一回り大きい金属箔として平均厚さ35μmの銅箔と、を重ねた。そして、これらを圧力4MPaで加圧しつつ、温度200℃で2時間加熱した。これにより、下地層および銅箔が仮基板本体の両面にそれぞれ接着されてなる仮基板を得た。なお、仮基板の形状は、500mm四方の正方形とした。また、仮基板における樹脂材料の含有率等の各種製造条件を表1に示した。
(3)ビルドアップ配線層の製造
次に、製造した仮基板の各銅箔上にそれぞれ3層の絶縁層を積層したビルドアップ配線層を形成した。これにより、2つのビルドアップ配線層とその間にある仮基板とからなる積層体を得た。ビルドアップ配線層は、ビルドアップ法による絶縁層の形成とセミアディティブ法による配線の形成とを交互に繰り返すことにより形成した。
(4)積層体の切断
次に、積層体のうち、金属箔と仮基板本体とが接着されている部分が切り落とされるように、金属箔の外周部に対応する部分を切断した。その結果、ビルドアップ配線層と仮基板とは、金属箔と下地層との間で分離し、金属箔は各ビルドアップ配線層側に移転された。以上のようにしてビルドアップ配線層に金属箔が接着されてなる配線基板(金属箔張基板)を製造した。
(実施例2〜11)
ガラス織布として表1に示すものを用いるようにした以外は、実施例1と同様にして仮基板を得るとともに、この仮基板を用いて配線基板(金属箔張基板)を製造した。
(比較例1〜9)
ガラス織布として表1に示すものを用いるようにした以外は、実施例1と同様にして仮基板を得るとともに、この仮基板を用いて配線基板(金属箔張基板)を製造した。
2.金属箔張基板製造用仮基板の評価
2.1 寸法変化の評価
各実施例および各比較例で得られた仮基板中の仮基板本体について、プリプレグを硬化したことに伴って寸法が変化した際の変化率を算出した。変化率は、プリプレグにおける規定の長さに対する、硬化に伴う寸法変化の割合とした。そして、プリプレグの硬化に伴って寸法が小さくなった場合は変化率を負の値とし、寸法が大きくなった場合は変化率を正の値とした。
なお、規定の長さは400mmとし、ガラス織布の織り方向にしたがって縦方向および横方向のそれぞれについて変化率を測定した。また、この測定はサンプル1枚当たり2か所について行い、これを10枚のサンプルについて行った。これにより、縦方向および横方向のそれぞれについて20個の測定値を得た。
2.2 外観の評価
各実施例および各比較例で得られた仮基板について、金属箔の外観を以下の評価基準にしたがって評価した。
<仮基板の外観評価基準>
◎:シワが全く認められない
○:外周部にわずかなシワが認められる
△:内周部にもわずかなシワが認められる
×:内周部に大きなシワが認められる
3.金属箔張基板の評価
各実施例および各比較例で得られた配線基板(金属箔張基板)について、金属箔の外観を以下の評価基準にしたがって評価した。
<仮基板の外観評価基準>
○:シワが全く認められない
△:わずかなシワが認められる
×:大きなシワが認められる
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2013110320
表1から明らかなように、各実施例で得られた仮基板には、金属箔の内周部においてシワが認められなかった。そして、このような仮基板を用いて製造された配線基板(金属箔張基板)にも金属箔のシワは認められなかった。
一方、各比較例で得られた仮基板には、金属箔の内周部においてシワが認められた。そして、このような仮基板を用いて製造された配線基板にも金属箔のシワが認められた。
なお、表には示していないが、実施例1で用いたガラス織布に代えて、そのバスケットホールの面積率を1.5%、2.5%にそれぞれ変更したガラス織布を用いた以外、実施例1と同様にして仮基板を製造したが、金属箔にはシワが認められなかった。
また、実施例1で用いたガラス織布に代えて、Tガラスからなるガラス繊維を平織してなるガラス織布を用いた以外、実施例1と同様にして仮基板を製造したが、金属箔にはシワが認められなかった。
1 金属箔張基板製造用仮基板
10 プリプレグ
101 ガラス織布
101a 縦方向ガラスヤーン(経糸)
101b 横方向ガラスヤーン(緯糸)
101c バスケットホール
102 樹脂材料
11 仮基板本体
12 下地層
13 金属箔
131 内周部
132 外周部
2 積層体
5 配線基板(金属箔張基板)
9 ビルドアップ配線層(他の基板)
C 切断線

Claims (8)

  1. プリプレグを硬化させてなる仮基板本体と、前記仮基板本体上に配置された下地層と、前記下地層を介して前記仮基板本体上に設けられ、前記下地層の平面視の大きさより大きな金属箔と、を有し、前記金属箔の一部を他の基板に移転させ金属箔張基板を製造するのに用いられる仮基板であって、
    前記仮基板本体は、経糸/緯糸の1インチ当たりの質量比が0.8〜1.35であり、かつ、単位面積当たりの質量が208〜260g/mであるガラス織布を含んでいることを特徴とする金属箔張基板製造用仮基板。
  2. 前記ガラス織布は、経糸/緯糸の1インチ当たりの本数比が0.9〜2.5のものである請求項1に記載の金属箔張基板製造用仮基板。
  3. 前記ガラス織布は、経糸と緯糸に、JIS R 3413に規定される糸の種類が互いに同じであるガラス繊維を用いたものである請求項1または2に記載の金属箔張基板製造用仮基板。
  4. 前記ガラス織布は、平面視においてバスケットホールが占める面積の割合が20%以下のものである請求項1ないし3のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
  5. 前記ガラス織布を構成するガラス材料は、Eガラスである請求項1ないし4のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
  6. 前記プリプレグは、前記硬化時における縦方向の寸法変化率の絶対値および横方向の寸法変化率の絶対値がそれぞれ0.3%以下のものである請求項1ないし5のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
  7. 前記プリプレグを硬化させてなる前記仮基板本体は、樹脂材料の含有率が20〜47質量%のものである請求項1ないし6のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の金属箔張基板製造用仮基板の前記金属箔に接するように前記他の基板を接着して積層体を得る工程と、
    前記積層体のうち、前記金属箔の外周部に対応する部分を切断して除去することにより、前記金属箔の一部を前記他の基板側に移転させ金属箔張基板を得る工程と、を有することを特徴とする金属箔張基板の製造方法。
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