以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」という)について、図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報管理システム1の構成例を示す図である。
図1には、複数の顧客環境201〜20n(以下総称する場合「顧客環境20」という)が、インターネットなどの外部ネットワークIを介して、メーカ環境10に接続されるシステム構成例が示されている。
顧客環境20とは、顧客側のネットワーク環境である。顧客環境20には、MFP(Multifunction Peripheral)やプロジェクタなどの電子機器2101〜210n(以下総称する場合「電子機器210」という)とログ管理装置200とが、LAN(Local Area Network)などの内部ネットワークNを介して接続されている。
電子機器210は、管理対象機器にあたる。ログ管理装置200は、ログ管理機能を有し、電子機器210から取得したログ情報を管理する。本実施形態に係るログ管理機能には、ログ情報の取得及び取得情報の外部通知(ログ送信)などがある。
メーカ環境10とは、メーカ側のネットワーク環境である。メーカ環境10には、レポート処理装置100、機器管理装置110、及び設置・撤去履歴管理装置120が、内部ネットワークNを介して接続されている。
機器管理装置110は、機器管理機能を有し、各顧客環境20のログ管理装置200からの取得情報(ログ情報)に基づき、電子機器210を管理する。本実施形態に係る機器管理機能には、ログ情報の記録・保持、ログ情報に基づく機器状態管理などがある。設置・撤去履歴管理装置120は、設置・撤去履歴管理機能を有し、電子機器210の設置・撤去履歴を管理する。本実施形態に係る設置・撤去履歴管理機能には、電子機器210の設置・撤去履歴の記憶・保持などがある。レポート処理装置100は、レポート処理機能を有し、機器管理装置110から取得したログ情報に基づき、電子機器210の利用に対するレポート処理を行う。本実施形態に係るレポート処理機能には、ログ情報に基づく電子機器210の利用状況の集計、集計結果に基づくレポート出力などがある。
これにより、本実施形態に係る情報管理サービス1では、次のようなサービスを実現している。
顧客環境20では、ログ管理装置200が、電子機器210からログ情報を取得する。その結果、ログ管理装置200では、ログ情報が記録され、ログの管理情報(以下「ログ管理情報」という)として保持される。
一方、メーカ環境10では、機器管理装置110が、各顧客環境20のログ管理装置200から機器情報を受信する。その結果、機器管理装置110では、機器情報が記録され、電子機器210の管理情報(以下「機器管理情報」という)として保持される。
また、メーカ環境10では、機器管理装置110において、管理者が所定の設定ツールを介して入力した電子機器210に関する情報(例えば「契約や所属に関する情報」)を受け付ける。その結果、機器管理装置110では、入力情報が管理情報に付加されて保持される。
また、メーカ環境10では、設置・撤去履歴管理装置120が、各顧客環境20のログ管理装置200から機器情報を受信する。その結果、設置・撤去履歴管理装置120では、機器情報の設置・撤去日時情報が記録され、電子機器210の設置・撤去履歴の管理情報(以下「設置・撤去履歴管理情報」という)として保持される。
この状態でメーカ環境10では、レポート処理装置100が、レポート出力要求を受け付けると、ログ管理装置200、機器管理装置110、及び設置・撤去履歴管理装置120にアクセスし、ログ管理情報、機器管理情報、及び設置・撤去履歴管理情報を参照し、電子機器210の利用状況を可視化した集計レポートを生成・出力する。
以上のように、本実施形態に係る情報管理システム1は、上記システム構成により、顧客環境20の電子機器210を統合管理し、顧客環境20における設置・撤去を反映した集計レポートを出力可能な情報管理サービスを提供することができる。
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態に係るレポート処理装置100(情報処理装置)のハードウェア構成例を示す図である。なお、上記情報管理システム1に含まれる機器管理装置110、設置・撤去履歴管理装置120、ログ管理装置200は、以下に示すレポート処理装置100と略同一の情報処理装置である。よって、レポート処理装置100のハードウェア構成を説明することで、上記各装置のハードウェア構成の説明を省略する。
図2に示すように、レポート処理装置100は、入力装置101、表示装置102、外部I/F103、RAM(Random Access Memory)104、ROM(Read Only Memory)105、CPU(Central Processing Unit)106、通信I/F107、及びHDD(Hard Disk Drive)108などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
入力装置101は、キーボードやマウスなどを含み、レポート処理装置100に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置102は、ディスプレイなどを含み、レポート処理装置100による処理結果を表示する。
通信I/F107は、レポート処理装置100をネットワークに接続するインタフェースである。これにより、レポート処理装置100は、通信I/F107を介して、他の機器(「機器管理装置」や「設置・撤去履歴管理装置」)とデータ通信を行うことができる。
HDD108は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、装置全体を制御する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。また、HDD108は、格納しているプログラムやデータを、所定のファイルシステム及び/又はDB(Data Base)により管理している。
外部I/F103は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体103aなどがある。これにより、レポート処理装置100は、外部I/F103を介して、記録媒体103aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体103aには、フロッピー(商標又は登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、及びDVD(Digital Versatile Disk)、ならびに、SDメモリカード(SD Memory card)やUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
ROM105は、電源を切っても内部データを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM105には、レポート処理装置100の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM104は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。CPU106は、上記記憶装置(例えば「HDD」や「ROM」など)から、プログラムやデータをRAM上に読み出し、処理を実行することで、装置全体の制御や搭載機能を実現する演算装置である。
以上のように、本実施形態に係るレポート処理装置100は、上記ハードウェア構成により、レポート処理を含む各種情報処理サービスを提供することができる。
<レポート処理機能>
本実施形態に係るレポート処理機能について説明する。
本実施形態に係る情報管理システム1では、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去作業に基づき、電子機器210の設置・撤去履歴を記録する。情報管理システム1は、このように記録された設置・撤去履歴と電子機器210から取得したログとに基づき、設置状況に応じた集計レポートを生成・出力する。本実施形態に係る情報管理システム1は、このようなレポート処理機能を有している。
従来の方法では、顧客環境20において、電子機器210の設置・撤去が行われた場合、例えば、図3に示すような集計レポートが出力される。
図3は、従来のレポート出力例を示す図である。
図3には、顧客に対して、顧客環境20の電子機器210の出力枚数が月単位で集計された結果を、4ヶ月ごとに提供するレポート出力例が示されている。
図3(A)に示すように、顧客環境20では、顧客先に設置された3台のMFPのうち、MFP002が、2月から3月にかけて撤去され、電子機器210の機器構成が変更されている。
この場合、従来のレポート出力では、図3(A)に示す各MFPの出力枚数に基づき、図3(B)に示すようにデータ集計を行い、集計結果に基づき、図3(C)に示すような4ヶ月の集計レポートが出力される。
しかし、図3(B)に示すように、従来のレポート出力におけるデータ集計では、全ての月(1−4月)において、機器撤去後に基づく月単位のデータ集計が行われる。その結果、機器撤去後の3,4月については、正確なデータ集計が行われるが、機器撤去前の1,2月についても、MFP002が撤去されていたものとしてデータ集計が行われ(図3(B)の参照符号R1,2)、誤った集計結果となる(図3(C)の参照符号R1,2)。
このように、従来の方法では、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した正確な集計レポートを出力できなかった。
このような情報管理におけるレポート出力サービスの提供は、顧客との契約時に決められ、このときの契約には、レポート出力サービスが、予め決められたサービス品質の基準を満たさなかった場合に、メーカが顧客に対して違約金を支払う条項を含む場合がある。そのため、誤った集計結果に基づくレポート出力は、顧客やメーカの両者に対して、契約不履行による損失を与える結果となる。例えば、一定のサービス品質を満たしていない場合でも、顧客が違約金を受け取ることができなかったり、一定のサービス品質を満たしている場合でも、メーカが違約金を支払うことになったりする。
また、レポート出力サービスは、顧客環境20の改善提案で用いられる。そのため、誤った集計結果に基づくレポート出力は、誤った内容(適切でない内容)の提案につながる。
そこで、本実施形態に係るレポート処理装置100では、電子機器210の設置・撤去履歴と電子機器210から取得したログとに基づき、集計レポートを生成・出力する仕組みとした。
これにより、本実施形態に係るレポート処理装置100は、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した集計レポートを出力可能な環境を提供する。その結果、本実施形態に係る情報管理システム1では、品質の高い(正確な)レポート出力を含む情報管理サービスを提供できる。
以下に、本実施形態に係るレポート機能の構成とその動作について説明する。
図4は、本実施形態に係るレポート処理機能の構成例を示す図である。
図4に示すように、本実施形態に係るレポート処理機能は、ログ管理装置210、機器管理装置110、設置・撤去履歴管理装置120、及びレポート処理装置100が有する各機能部が連携動作することで実現される。各装置は、次のような機能部を有している。
ログ管理装置210は、ログ取得部21などを有している。機器管理装置110は、機器情報入力受付部11などを有している。設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報管理部121などを有している。レポート処理装置100は、レポート処理部30などを有している。
《ログ管理装置》
ログ取得部21は、電子機器210の利用状況を示すログ情報を取得する機能部である。ログ取得部21は、例えば、顧客環境20のネットワーク上に接続された電子機器210を検索し、発見した電子機器210に対して、情報取得要求し、出力枚数などの利用状況値を含むログ情報を取得する。なお、ログ取得部21は、検索結果として受信したネットワーク設定値(IPアドレス:Internet Protocol address)に基づき、電子機器210に対してログ情報の取得要求を行う。
ログ管理装置200では、電子機器210からログ情報を取得すると、ログ管理情報保持部90にアクセスし、取得したログ情報を記録し、ログ管理情報として格納・保持する。なお、ログ管理情報保持部90は、ログ管理装置200が備える記憶装置(HDD)の所定の記憶領域にあたる。
ここで、上記ログ管理情報について説明する。
図5は、本実施形態に係るログ管理情報90D1〜90Dn(以下総称する場合「ログ管理情報90D」という)のデータ例を示す図である。
図5に示すように、ログ管理情報90Dは、管理識別、機器識別、日時、及び利用状況などの情報項目が対応付けられた情報セットが、情報取得ごとに機器単位で管理される。よって、ログ管理情報保持部90は、1台の電子機器210から複数回にわたって情報を取得した場合、取得した複数のログ管理情報90Dを機器ごとに保持する。つまり、電子機器210ごとの利用状況が記録される。
[管理識別]項目は、ログを管理するための識別情報を保持する項目であり、項目値には、情報取得時にユニークに発行された管理識別子などがある。図中には、取得順に採番されたIDなどの管理識別子を示すデータ例が示されている。
[機器識別]項目は、電子機器210を識別する情報(以下「機器識別情報」という)を保持する項目であり、項目値には、電子機器210にユニークに割り当てられた機器識別子などがある。図中には、シリアルナンバー(機番)などの機器識別子を示すデータ例が示されている。
[日時]項目は、情報取得日時(情報記録日時)を示す情報(以下「日時情報」という)を保持する項目であり、項目値には、ログ情報の取得日時などがある。図中には、日付と時刻などの取得日時を示すデータ例が示されている。
図4の説明に戻る。ログ管理装置200では、ログ管理情報保持部90にアクセスし、取得したログ情報の各情報項目値を、新規のログ管理情報90Dの情報項目値として追加登録する(情報取得ごとに機器単位で追加する)。
《設置・撤去履歴管理装置》
履歴情報管理部121は、電子機器210の設置・撤去履歴に関する情報(以下単に「履歴情報」という)を管理する機能部である。
設置・撤去履歴管理装置120では、履歴情報管理部121により、ログ管理装置200(ログ取得部)から機器情報を受信すると、設定・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスし、受信した機器情報の設置・撤去日時情報を記録し、設置・撤去履歴管理情報として格納・保持する。なお、設置・撤去履歴管理情報保持部70は、設置・撤去履歴管理装置120が備える記憶装置(HDD)の所定の記憶領域にあたる。
ここで、上記設置・撤去履歴管理情報について説明する。
図6は、本実施形態に係る設置・撤去履歴管理情報70Dのデータ例を示す図である。
図6に示すように、設置・撤去履歴管理情報70Dは、管理識別、機器識別、設置日時、及び撤去日時などの情報項目が対応付けられた情報セットが、機器単位で管理される。よって、設置・撤去履歴管理情報保持部70は、履歴情報管理部121が機器情報を受信した場合、受信した機器情報の設置・撤去日時情報を機器ごとに保持する。つまり、電子機器210ごとの設置・撤去履歴が記録される。
[管理識別]項目は、設置・撤去履歴を管理するための識別情報を保持する項目であり、項目値には、情報受信時にユニークに発行された管理識別子などがある。図中には、受信順に採番されたIDなどの管理識別子を示すデータ例が示されている。
[機器識別]項目は、機器識別情報を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる電子機器210の機器識別子などである。よって、設置・撤去履歴管理装置120が保持する設置・撤去履歴管理情報70Dは、ログ管理装置200が保持するログ管理情報90Dと、機器識別情報により紐付けられる。
[設置日時]項目は、電子機器210の設置日時情報を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる日時などがある。図中には、日付と時刻などの日時を示すデータ例が示されている。
[撤去日時]項目は、電子機器210の撤去日時情報を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる日時などがある。図中には、日付と時刻などの日時を示すデータ例が示されている。
また、上記情報項目値は、ログ管理装置200が電子機器210からログ情報とともに取得した機器情報に含まれる。
図4の説明に戻る。設置・撤去履歴管理情報70Dの登録・更新は、ログ管理装置200と設置・撤去履歴管理装置120(履歴情報管理部)の連携動作により、次のように行われる。
例えば、ログ管理装置200は、機器管理装置110に未登録の電子機器210からログ情報を取得した場合に、該電子機器210の機器情報を設置・撤去履歴管理装置120に送信し、設置機器(設置された電子機器)の登録を要求する。これを受けて設置・撤去履歴管理装置120では、履歴情報管理部121により、設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスする。履歴情報管理部121は、受信した機器情報の情報項目値を、新規の設置・撤去履歴管理情報70Dの情報項目値として追加登録する(機器単位で[設置日時]項目値を追加する)。これにより、設置・撤去履歴管理情報70Dには、設置履歴が記録される。
また、ログ管理装置200は、機器管理装置110に登録済みの電子機器210からログ情報を取得した場合に、該電子機器210の機器情報を設置・撤去履歴管理装置120に送信し、撤去機器(撤去された電子機器)の確認・登録を要求する。これを受けて設置・撤去履歴管理装置120では、履歴情報管理部121により、設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスする。履歴情報管理部121は、受信した機器情報と設置・撤去履歴管理情報70D(機器識別情報の一致結果)に基づき、機器情報を受信した電子機器210の中に、設置機器として登録済みの電子機器210(設置履歴が記録された電子機器)の存在を確認する。その結果、履歴情報管理部121は、存在が確認できなかった電子機器210を撤去機器と判断すると、現在日時で設置・撤去履歴管理情報70Dの該当情報項目値を更新する(機器単位で[撤去日時]項目値を更新する)。これにより、設置・撤去履歴管理情報70Dには、撤去履歴が記録される。
《機器管理装置》
機器情報入力受付部11は、電子機器210に関する情報(以下単に「機器情報」という)の入力を受け付ける機能部である。機器情報入力受付部11は、例えば、GUI(Graphical User Interface)を備えた所定の入力画面を介して、機器情報の入力を受け付ける。情報入力は、例えば、メーカ担当者が、顧客環境20に電子機器210を設置した際などに行う。
機器管理装置110では、機器情報入力受付部11により機器情報の入力を受け付けると、機器管理情報保持部80にアクセスし、入力された機器情報を記録し、機器管理情報として格納・保持する。なお、機器管理情報保持部80は、機器管理装置110が備える記憶装置(HDD)の所定の記憶領域にあたる。
ここで、上記機器管理情報について説明する。
図7は、本実施形態に係る機器管理情報80Dのデータ例を示す図である。
図7に示すように、機器管理情報80Dは、管理識別、機器識別、ネットワーク関連、機器関連、搭載ソフトウェア関連、契約関連、及び所属関連などの情報項目が対応付けられた情報セットが、機器単位で管理される。よって、機器管理情報保持部80は、機器管理情報80Dを機器ごとに保持する。
また、上記情報項目のうち、機器識別、ネットワーク関連、機器関連、及び搭載ソフトウェア関連などの各情報項目値は、ログ管理装置200が電子機器210からログ情報とともに取得した機器情報に含まれる。よって、機器管理装置110は、ログ管理装置200(ログ取得部)から機器情報を受信すると、機器管理情報保持部80にアクセスし、受信した機器情報の情報項目値を、機器管理情報80Dの各情報項目値として登録する。これにより、これらの各情報項目値は、機器管理装置110とログ管理装置200との間で同期する。
[管理識別]項目は、電子機器210を管理するための識別情報を保持する項目であり、項目値には、情報登録時にユニークに発行された管理識別子などがある。図中には、登録順に採番されたIDなどの管理識別子を示すデータ例が示されている。
[機器識別]項目は、機器識別情報を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる電子機器210の機器識別子などである。よって、機器管理装置110が保持する機器管理情報80Dは、ログ管理装置200が保持するログ管理情報90Dと、機器識別情報により紐付けられる。
[ネットワーク関連]項目は、電子機器210のネットワーク設定に関する情報(以下「ネットワーク関連情報」という)を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる電子機器210に設定されたネットワーク設定値などがある。図中には、MACアドレス(Media Access Control address)とIPアドレス(Internet Protocol address)などのネットワーク設定値を示すデータ例が示されている。
[機器関連]項目は、電子機器210の機器設定に関する情報(以下「機器関連情報」という)を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる機器設置時に電子機器210に設定された機器設定値などがある。図中には、機器名'Host'、ベンダ名'Vendor'、及びモデル名'Model'などの機器設定値を示すデータ例が示されている。
[搭載ソフトウェア関連]項目は、電子機器210の搭載ソフトウェアに関する情報を保持する項目であり、項目値には、機器情報に含まれる電子機器210にインストールされたソフトウェア情報などがある。図中には、ソフトウェアバージョンを示すデータ例が示されている。
また、契約関連や所属関連の情報項目値は、機器情報入力受付部11により入力を受け付けた機器情報に含まれる。よって、機器管理装置110は、機器情報入力受付部11により機器情報の入力を受け付けると、入力された機器情報に基づき、該当情報項目値を登録する。
[契約関連]項目は、電子機器210の契約に関する情報(以下「契約関連情報」という)を保持する項目であり、項目値には、入力情報に含まれる機器設置時の顧客とメーカとの間で交わされた契約内容などがある。図中には、機器設置日、リース期限日、及び初期導入費用などの契約内容を示すデータ例が示されている。
[所属関連]項目は、電子機器210の所属に関する情報(以下「所属関連情報」という)を保持する項目であり、項目値には、入力情報に含まれる顧客環境20における電子機器210の所属エリア(所属識別子)などがある。図中には、リージョン(地域)'Region'、カントリ(国)'Country'、サイト(大集合)'Site'、グループ(小集合)'Group'などの所属エリアを階層的に示すデータ例が示されている。
図4の説明に戻る。機器管理装置110では、機器管理情報80Dの更新を、次のように行う。機器管理装置110は、機器情報入力受付部11により機器情報の入力を受け付けると、機器管理情報保持部80にアクセスし、情報入力を受け付けた電子機器210に該当する機器管理情報80D(機器識別情報が一致する機器管理情報)が登録されているか否かを確認する。その結果、機器管理装置110は、該当する機器管理情報80Dが確認されると、入力された機器情報と該当機器管理情報80Dとの対応情報項目値を比較し、項目値が異なる場合に、機器情報の情報項目値で機器管理情報80Dの情報項目値を更新する。
また、機器管理情報80Dの更新は、ログ管理装置200からも行われる。
例えば、ログ管理装置200は、機器管理情報保持部80にアクセスし、機器情報に該当する機器管理情報80D(少なくとも1つの[ネットワーク関連]項目値、[機器関連]項目値、又は[搭載ソフトウェア関連]項目値が一致する機器管理情報)が登録されているか否かを確認する。その結果、ログ管理装置200は、該当する機器管理情報80Dが確認されると、機器情報と該当機器管理情報80Dとの対応情報項目値を比較し、項目値が異なる場合に、機器情報を機器管理装置110に送信することで機器管理情報80Dを更新する。これにより、機器管理装置110では、受信した機器情報の情報項目値で機器管理情報80Dの情報項目値を更新する。
《レポート処理装置》
レポート処理部30は、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した集計レポートを生成・出力する機能部である。レポート処理部30は、レポート出力要求を受け付けると、ログ管理情報90D、機器管理情報80D、及び設置・撤去履歴管理情報70Dを参照し、上記集計レポートを生成・出力する。そこで、レポート処理部30は、情報取得部31、レポート生成部32、及びレポート出力部33などの機能部を有している。
情報取得部31は、集計の元データにあたる各種情報(ログ管理情報、機器管理情報、及び設置・撤去履歴管理情報)を取得する機能部である。情報取得部31は、各種情報の取得を、次のように行う。
情報取得部31は、機器管理装置110にアクセスし、機器管理情報80Dを取得する。これにより、レポート処理部30は、取得した機器管理情報80D([機器識別]項目値と[機器関連]項目値)に基づき、電子機器210の指定画面を表示し、レポート対象機器の指定値(機器識別情報)を受け付ける。またこのとき、レポート処理部30は、レポート種別の指定画面を表示し、レポート期間・集計単位の各指定値(レポート期間情報及び集計単位情報)を受け付ける。なお、集計単位の指定値には、レポート対象機器の所属エリア(例えば「リージョン/カントリ/サイト/グループ」)の指定値や集計期間(例えば「月/年」)の指定値などが含まれる。
また、情報取得部31は、ログ管理情報保持部90にアクセスする。情報取得部31は、受け付けたレポート対象機器指定(機器識別情報)とレポート期間指定(集計期間情報)とに基づき、ログ管理情報90D([機器識別]項目値と[日時]項目値)を参照する。情報取得部31は、指定期間内における指定機器のログ管理情報90D(該当項目値を含むログ管理情報)を取得する。
また、情報取得部31は、設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスする。情報取得部31は、受け付けたレポート対象機器指定(機器識別情報)とレポート期間指定(集計期間情報)とに基づき、設置・撤去履歴管理情報70D([機器識別]項目値と[設置日時]・[撤去日時]項目値)を参照する。情報取得部31は、指定期間内における指定機器の設置・撤去履歴管理情報70D(該当項目値を含む設置・撤去履歴管理情報)を取得する。
レポート生成部32は、取得した各種情報の集計結果に基づき、所定の形式に従ったレポートデータを生成する機能部である。レポート生成部32は、レポート出力要求時に受け付けたレポート期間指定(集計期間情報)と集計単位指定(集計単位情報)とに従って、レポート対象機器(指定機器)のログに基づく利用状況の集計を行う。
レポート生成部32は、例えば、レポート出力要求時に、レポート期間[4ヶ月]と集計単位[月ごと]とが指定された場合、次のようにして利用状況を集計する。
まず、レポート生成部32は、取得した設置・撤去履歴管理情報70D(4ヶ月間の設置・撤去履歴の記録)を参照し、[機器識別]項目値、[設置日時]項目値、及び[撤去日時]項目値に基づき、4ヶ月間におけるレポート対象機器の設置状況を月ごとに確認する。
これを受けてレポート生成部32は、取得したログ管理情報90D(4ヶ月間の利用状況の記録)を参照し、[機器識別]項目値、[日時]項目値、及び[利用状況]項目値に基づき、4ヶ月間における設置状況が確認されたレポート対象機器の利用状況を月ごとに集計する。つまり、レポート生成部32は、設置機器の出力枚数を累積し月単位で集計する。
なお、ログ管理情報90Dの[利用状況]項目値には、該当機器が顧客環境20に設置されてからの累積出力枚数(利用状況の累積値)が記録されている。そのため、レポート生成部32は、月単位の累積出力枚数の差分を算出することで、レポート期間内における月ごとの利用状況を集計する。
これにより、本実施形態では、集計期間内に行われた顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した機器利用状況が集計できる。
レポート生成部32は、上記集計結果に基づき、要求に応じたレポート出力(例えば「印刷/表示/電子保存」)のデータ形式に従ってレポートデータを生成する。
レポート出力部33は、生成したレポートデータを出力する機能部である。レポート出力部33は、データ送信、データ表示、又はデータ保存などにより、要求に応じたレポート出力を行う。
以上のように、本実施形態に係る情報管理サービスにおけるレポート処理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。なお、上記各機能部は、システム1を構成する各機器に搭載(インストール)されるプログラム(レポート処理を含む情報管理サービスを実現するソフトウェア)が、演算装置(CPU)により、記憶装置(「HDD」や「ROM」)からメモリ(RAM)上に読み出され、各機器において、以下の処理が実行されることで実現される。
本実施形態に係るレポート処理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下には、上述した各種情報(ログ管理情報、機器管理情報、及び設置・撤去履歴管理情報)の管理処理と各種情報に基づくレポート出力処理とについて順に説明する。
《情報管理処理》
図8は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例(その1)を示すフローチャートである。図8には、ログ管理装置200で実行されるログ管理情報90Dの自動登録処理、機器管理情報80Dの自動登録・更新処理、及び設置・撤去履歴管理情報70Dの自動登録(設置機器の自動登録)処理の例が示されている。
図8に示すように、ログ管理装置200は、ログ取得部21により、顧客環境20のネットワーク上に接続された電子機器210を検索(ブロードキャスト)し、発見された電子機器210(ブロードキャストの応答機器)からログ情報を取得する(ステップS101)。なおこのとき、ログ取得部21は、ログ情報とともに機器識別情報、ネットワーク関連情報、機器関連情報、及び設置日時情報などを含む機器情報も取得する。
次に、ログ管理装置200は、自機のログ管理情報保持部90にアクセスし(ステップS102)、取得したログ情報を新規のログ管理情報90Dとして追加登録する(ステップS103)。これにより、ログ管理装置200は、電子機器210の利用状況が記録される。
次に、ログ管理装置200は、機器管理装置110の機器管理情報保持部80にアクセスし、機器管理情報80Dを参照し(ステップS104)、取得した機器情報に該当する機器管理情報80Dが存在するか否かを判定する(ステップS105)。このとき、ログ管理装置200は、機器情報の機器識別情報と一致する[機器識別]項目値を含む機器管理情報80Dが存在するか否かを判定する。これにより、ログ管理装置200は、情報を取得した電子機器210が、機器管理装置110に登録済みの機器か否かを判定する。
その結果、ログ管理装置200は、該当機器管理情報80Dが存在すると判定した場合[登録済み機器の場合](ステップS105:YES)、取得した機器情報で該当機器管理情報80Dを更新する(ステップS106)。このとき、ログ管理装置200は、ログ取得部21により、機器情報を機器管理装置110に送信することで、機器管理情報80Dの更新を要求する。その結果、機器管理装置110では、情報更新処理が行われる。
また、ログ管理装置200は、機器管理情報80Dを更新すると、取得した機器情報に基づく撤去機器の確認・登録処理を行う(ステップS107)。このとき、ログ管理装置200は、ログ取得部21により、機器情報を設置・撤去履歴管理装置120に送信することで、撤去機器の確認・登録を要求する。なおこのとき行われる設置・撤去履歴管理装置120の詳細処理については、図10を用いて後述する。
一方、ログ管理装置200は、該当機器管理情報80Dが存在しないと判定した場合[未登録機器の場合](ステップS105:NO)、取得した機器情報を新規の機器管理情報90Dとして登録する(ステップS108)。このとき、ログ管理装置200は、ログ取得部21により、機器情報を機器管理装置110に送信することで、機器管理情報80Dの登録を要求する。その結果、機器管理装置110では、情報登録処理が行われる。
また、ログ管理装置200は、新規の機器管理情報90Dを登録すると、取得した機器情報を新規の設置・撤去履歴管理情報70Dとして登録する(ステップS109)。このとき、ログ管理装置200は、ログ取得部21により、機器情報を設置・撤去履歴管理装置120に送信することで、設置・撤去履歴管理情報70Dの登録(設置機器の登録)を要求する。その結果、設置・撤去履歴管理装置120では、履歴情報管理部121により、機器情報に含まれる日時に基づき、設置・撤去履歴管理情報70Dの[設置日時]項目値(設置日時情報)の登録処理が行われ、電子機器210の設置履歴が記録される。
図9は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例(その2)を示すフローチャートである。図9には、機器管理装置110で実行される機器管理情報80Dの登録・更新処理の例が示されている。
図9に示すように、機器管理装置110は、機器情報入力受付部11により、機器識別情報、契約関連情報、及び所属関連情報などを含む機器情報の入力を受け付ける(ステップS201)。
次に、機器管理装置110は、自機の機器管理情報保持部80にアクセスし、機器管理情報80Dを参照し(ステップS202)、入力された機器情報に該当する機器管理情報80Dが存在するか否かを判定する(ステップS203)。このとき、機器管理装置110は、機器情報の機器識別情報と一致する[機器識別]項目値を含む機器管理情報80Dが存在するか否かを判定する。これにより、機器管理装置110は、情報入力を受け付けた電子機器210が、登録済みの機器か否かを判定する。
その結果、機器管理装置110は、該当機器管理情報80Dが存在しないと判定した場合[未登録機器の場合](ステップS203:NO)、入力された機器情報を新規の機器管理情報80Dとして登録する(ステップS204)。
一方、機器管理装置110は、該当機器管理情報80Dが存在すると判定した場合[登録済み機器の場合](ステップS203:YES)、入力された機器情報と該当機器管理情報80Dとの対応情報項目値(契約関連情報及び/又は所属関連情報の各項目値)を比較する(ステップS205)。
次に、機器管理装置110は、比較結果として、1つ以上の情報項目値が異なる結果を得たか否かを判定する(ステップS206)。これにより、機器管理装置110は、比較結果から、機器管理情報80Dの更新有無を決定する。
機器管理装置110は、1つ以上の情報項目値が異なる比較結果を得た場合(ステップS206:YES)、入力された機器情報で該当機器管理情報80Dを更新する(ステップS207)。このとき、機器管理装置110は、異なる情報項目値のみを更新する。
なお、機器管理装置110は、すべての情報項目値が同一の比較結果を得た場合(ステップS206:NO)、機器管理情報80Dの更新を行わない。
図10は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例(その3)を示すフローチャートである。図10には、上記図8のステップS107の処理例が示されている。具体的には、設置・撤去履歴管理装置120で実行される設置・撤去履歴管理情報70Dの自動更新(撤去機器の自動登録)及び機器管理情報80Dの自動更新処理の例が示されている。
図10に示すように、設置・撤去履歴管理装置120は、ログ管理装置200から機器情報を受信し、撤去機器の確認・登録要求を受け付ける(ステップS301)。
次に、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報管理部121により、自機の設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスし、設置・撤去履歴管理情報70Dを参照し(ステップS302)、機器情報を取得した検索機器の中に、設置履歴が記録されている設置機器が存在しないか否かを判定する(ステップS303)。このとき、履歴情報管理部121は、撤去履歴管理情報70Dの[機器識別]項目値と一致する機器識別情報を含む機器情報が存在するか否かを判定する。これにより、設置・撤去履歴管理装置120は、受信した機器情報の中に該当する機器情報がなかった場合に、検索機器の中に設置機器が存在しないと判定し、判定結果に基づき、撤去機器を確認する。
その結果、設置・撤去履歴管理装置120は、検索機器の中に設置機器が存在しないと判定した場合(ステップS303:YES)、該当する電子機器210の撤去が確認されたとして、履歴情報管理部121により、現在日時に基づき、該当設置・撤去履歴管理情報70Dの[撤去日時]項目値(撤去日時情報)を登録する(ステップS304)。これにより、設置・撤去履歴管理装置120では、電子機器210の撤去履歴が記録される。
なお、設置・撤去履歴管理装置120は、検索機器の中に設置機器が存在すると判定した場合(ステップS303:NO)、検索機器の設置が確認されたとして、処理を終了する。
《レポート出力処理》
図11は、本実施形態に係るレポート出力の処理手順例を示すフローチャートである。図11には、レポート処理装置100が有するレポート処理部30による処理例が示されている。
図11に示すように、レポート処理部30は、レポート出力要求を受け付けると、情報取得部31により、機器管理装置110の機器管理情報保持部80にアクセスし、登録された機器管理情報80Dを取得する(ステップS401)。これにより、レポート処理装置100では、取得した機器管理情報80Dに基づくレポート対象機器(登録機器内からのレポート対象機器)やレポート期間と集計単位とを含むレポート種別などの指定画面が表示される。
レポート処理部30は、画面を介して、レポート対象機器指定・レポート期間指定・集計単位指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS402)。なお、レポート処理部30は、画面表示後に、上記指定の受け付け待ち状態となり(ステップS402:NO)、レポート対象機器の指定値である機器識別情報、レポート期間の指定値であるレポート期間情報、及び集計単位の指定値である集計単位情報を得ることで、上記指定を受け付ける。
レポート処理部30は、上記指定を受け付けた(機器識別・レポート期間・集計単位の各情報を得た)と判定した場合(ステップS402:YES)、情報取得部31により、ログ管理装置200のログ管理情報保持部90にアクセスし、指定されたレポート期間におけるレポート対象機器のログ管理情報90Dを取得する(ステップS403)。このとき、情報取得部31は、ログ管理情報90Dの[日時]項目値を参照し、レポート期間情報に基づき、レポート期間に該当するログ管理情報90Dを特定する。次に、情報取得部31は、特定したログ管理情報90Dの[機器識別]項目値を参照し、機器識別情報に基づき、レポート対象機器に該当するログ管理情報90Dを特定する。これにより、レポート処理装置100では、指定されたレポート期間におけるレポート対象機器のログ管理情報90Dが取得される。
次に、レポート処理部30は、情報取得部31により、設置・撤去履歴管理装置120の設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスし、指定されたレポート期間におけるレポート対象機器の設置・撤去履歴管理情報70Dを取得する(ステップS404)。このとき、情報取得部31は、設置・撤去履歴管理情報70Dの[設置日時]・[撤去日時]項目値を参照し、レポート期間情報に基づき、レポート期間に該当する設置・撤去履歴管理情報70Dを特定する。次に、情報取得部31は、特定した設置・撤去履歴管理情報70Dの[機器識別]項目値を参照し、機器識別情報に基づき、レポート対象機器に該当する設置・撤去履歴管理情報70Dを特定する。これにより、レポート処理装置100では、指定されたレポート期間におけるレポート対象機器の設置・撤去履歴管理情報70Dが取得される。
その結果、レポート処理部30は、レポート生成部32により、取得したログ管理情報90Dと設置・撤去履歴管理情報70Dとに基づき、レポート対象機器の利用状況を集計する(ステップS405)。このとき、レポート生成部32は、次のような集計処理を行う。なお、以下の説明では、レポート対象機器に、3台のMFP(MFP001,MFP002,MFP003)が指定され、レポート期間に、4ヶ月(1−4月)が指定され、集計単位に、月(月ごと)が指定された場合の例である。また、取得したログ管理情報90Dの[利用状況]項目値には、図3(A)に示した月ごとの出力枚数が記録されており、取得した設置・撤去履歴管理情報70Dの[設置日時]・[撤去日時]項目値には、同図(A)に示した月ごとの設置・撤去履歴が記録されているものとする。
図12は、本実施形態に係るレポート出力例を示す図である。図12には、上述した場合のデータ集計例と該集計結果に基づくレポート出力例が示されている。
まず、レポート生成部32は、取得した設置・撤去履歴管理情報70Dの[機器識別]項目値、[設置日時]・[撤去日時]項目値から、4ヶ月間におけるレポート対象機器の設置状況を月ごとに確認する。
これにより、レポート処理装置100では、例えば、図12(A)の参照符号R1,R2に示すように、1,2月にMFP001,MFP002,MFP003が設置されていたこと(1,2月の設置状況)が確認される。一方、レポート処理装置100では、例えば、図12(A)の参照符号R3,R4に示すように、3,4月にMFP002が撤去され、MFP001,MFP003が設置されていたこと(3,4月の設置状況)が確認される。
このように、レポート生成部32では、2月から3月に行われた電子機器210の撤去(MFP002の撤去)に従って、集計単位ごとのレポート対象機器の設置状況が確認される。
次に、レポート生成部32は、取得したログ管理情報90Dの[機器識別]項目値、[日時]項目値、及び[利用状況]項目値から、4ヶ月間における設置状況が確認されたレポート対象機器の出力枚数を累積し、月単位で集計する。
これにより、レポート処理装置100では、例えば、図12(A)の参照符号R1に示すように、MFP001の出力枚数[100]、MFP002の出力枚数[200]、及びMFP003の出力枚数[50]の加算値[350]が、1月に設置状況が確認されたレポート対象機器の集計値として算出される。
また、レポート処理装置100では、例えば、図12(A)の参照符号R2に示すように、MFP001の出力枚数[50]、MFP002の出力枚数[150]、MFP003の出力枚数[150]の加算値[350]が、2月に設置状況が確認されたレポート対象機器の集計値として算出される。
なお、ログ管理情報90Dの[利用状況]項目値には、該当する電子機器210が顧客環境20に設置されてからの累積出力枚数(利用状況の累積値)が記録されている。そのため、レポート生成部32は、月単位の累積出力枚数の差分を算出することで、レポート期間内における月ごとの利用状況を集計する。具体的には、図12(A)の参照符号R2に示すように、MFP001,MFP002,MFP003の2月の利用状況を集計する場合には、次のように集計される。MFP001については、2月(今月)の累積出力枚数[150]から1月(先月)の累積出力枚数[100]を減算した値[50]が算出される。MFP002については、2月の累積出力枚数[350]から1月の累積出力枚数[200]を減算した値[150]が算出される。MFP003については、2月の累積出力枚数[200]から1月の累積出力枚数[50]を減算した値[150]が算出される。最後にこれらの算出値を加算した値[350]を算出し、集計値とする。
このような算出方法により、レポート処理装置100では、例えば、図12(A)の参照符号R3に示すように、MFP001の出力枚数[150(300−150)]及びMFP003の出力枚数[100(300−200)]を加算した値[250]が、3月に設置状況が確認されたレポート対象機器の集計値として算出される。
また、レポート処理装置100では、例えば、図12(A)の参照符号R4に示すように、MFP001の出力枚数[150(450−300)]及びMFP003の出力枚数[150(450−300)]を加算した値[300]が、4月に設置状況が確認されたレポート対象機器の集計値として算出される。
このように、レポート処理装置100では、集計期間内に行われた顧客環境20における設置・撤去を反映した機器利用状況が集計される。
図11の説明に戻る。レポート処理部30は、レポート生成部32により、上記集計結果に基づき、要求に応じたレポート出力のデータ形式に従ってレポートデータを生成する(ステップS406)。このとき、レポート生成部32は、例えば、図12(B)に示すようなレポートデータを生成する。なお、図12(B)には、1−4月の4ヶ月間における、設置状況が確認されたレポート対象機器の累積出力枚数を月単位で集計した結果が、棒グラフ(同図の参照符号R1からR4)により表現されたデータ例が示されている。
その結果、レポート処理部30は、レポート出力部33により、生成したレポートデータを出力する(ステップS407)。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る情報管理システム1によれば、設置・撤去履歴管理装置120が、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去作業に基づき、電子機器210の設置・撤去履歴を記録する。情報管理システム1は、レポート処理装置100が、設置・撤去履歴管理装置120に記録された設置・撤去履歴とログ管理装置200が電子機器210から取得したログとに基づき、設置状況に応じた集計レポートを生成・出力する。
これによって、本実施形態に係る情報管理システム1では、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した集計レポートを出力可能な環境を提供することができる。その結果、本実施形態に係る情報管理システム1では、品質の高い(正確な)レポート出力を含む情報管理サービスを提供できる。
[第2の実施形態]
上記実施形態では、ログ管理装置200が電子機器210から取得した機器情報を設置・撤去履歴管理装置120に送信し、設置・撤去履歴管理装置120が、受信した機器情報に基づき、電子機器210の設置・撤去履歴を動的に記録する構成であった。
しかし、電源オフ時やネットワークからの一時的な離脱など、電子機器210から機器情報が取得できない場合が考えられる。
そこで、本実施形態では、電子機器210の設置・撤去履歴の手動入力を受け付ける技術を提案する。
これにより、本実施形態では、ログ管理装置200が電子機器210から機器情報を取得できない場合であっても、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した集計レポートを出力可能な環境を提供できる。
なお、以降には、上記実施形態と異なる事項についてのみ説明し、同一事項については、同一参照符号を付し、その説明を省略する。
<レポート処理機能>
図13は、本実施形態に係るレポート処理機能の構成例を示す図である。
図13に示すように、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報管理部121に加えて、履歴情報入力受付部122を有している。
履歴情報入力受付部122は、設置・撤去の履歴情報の入力を受け付ける機能部である。履歴情報入力受付部122は、例えば、GUIを備えた所定の入力画面を介して、履歴情報の入力を受け付ける。情報入力は、例えば、メーカ担当者が、顧客環境20で電子機器210の設置・撤去を行った際(設置・撤去作業完了時)などに行う。
設置・撤去履歴管理装置120では、履歴情報入力受付部122により履歴情報の入力を受け付けると、設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスし、入力された履歴情報を記録し、設置・撤去履歴管理情報70Dとして格納・保持する。
設置・撤去履歴管理装置120では、設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスする。設置・撤去履歴管理装置120では、入力された履歴情報の機器識別情報と一致する[機器識別]項目値を含む設置・撤去履歴管理情報70Dが存在しない場合に、履歴情報の情報項目値を、新規の設置・撤去履歴管理情報70Dの情報項目値として追加登録する。
また、設置・撤去履歴管理装置120では、入力された履歴情報の機器識別情報と一致する[機器識別]項目値を含む設置・撤去履歴管理情報70Dが存在する場合に、履歴情報の情報項目値で、該当する設置・撤去履歴管理情報70Dの情報項目値を更新する。
これにより、設置・撤去履歴管理装置120では、手動入力であっても、電子機器210の設置・撤去履歴が記録される。
また、設置・撤去履歴管理装置120は、機器管理情報保持部80にアクセスし、履歴情報に該当する機器管理情報80D(少なくもと1つの[契約関連]項目値が一致する機器管理情報)が登録されているか否かを確認する。その結果、設置・撤去履歴管理装置120は、該当する機器管理情報80Dが確認されると、履歴情報と該当機器管理情報80Dとの契約関連情報との対応情報項目値を比較し、項目値が異なる場合に、履歴情報を機器管理装置110に送信することで機器管理情報80Dの契約関連情報を更新する。これにより、機器管理装置110では、受信した履歴情報の情報項目値で機器管理情報80Dの[契約関連]項目値を更新する。
以上のように、本実施形態に係る情報管理サービスにおけるレポート処理機能は、上記各機能部が連携動作することにより実現される。
本実施形態に係るレポート処理機能の詳細な動作(機能部群の連携動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下には、上述した各種情報(機器管理情報及び設置・撤去履歴管理情報)の管理処理についてのみ説明する。
《情報管理処理》
図14は、本実施形態に係る情報管理の処理手順例を示すフローチャートである。図14には、設置・撤去履歴管理装置120で実行される設置・撤去履歴管理情報70Dの登録・更新処理及び機器管理情報80Dの自動更新処理の例が示されている。
図14に示すように、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報入力受付部122により、機器識別情報や設置/撤去日時情報などを含む履歴情報の入力を受け付ける(ステップS501)。
次に、設置・撤去履歴管理装置120は、自機の設置・撤去履歴管理情報保持部70にアクセスし(ステップS502)、入力された履歴情報に該当する設置・撤去履歴管理情報70Dが存在するか否かを判定する(ステップS503)。このとき、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報の機器識別情報と一致する[機器識別]項目値を含む設置・撤去履歴管理情報70Dが存在するか否かを判定する。これにより、設置・撤去履歴管理装置120は、情報入力を受け付けた電子機器210が、登録済みの機器か否かを判定する。
その結果、設置・撤去履歴管理装置120は、該当設置・撤去履歴管理情報70Dが存在しないと判定した場合[未登録機器の場合](ステップS503:NO)、入力された履歴情報を新規の設置・撤去履歴管理情報70Dとして追加登録する(ステップS504)。これにより、設置・撤去履歴管理装置120は、電子機器210の設置・撤去履歴を記録する。
一方、設置・撤去履歴管理装置120は、該当設置・撤去履歴管理情報70Dが存在すると判定した場合[登録済み機器の場合](ステップS503:YES)、入力された履歴情報の[設置日時]/[撤去日時]項目値で該当設置・撤去履歴管理情報70Dの[設置日時]/[撤去日時]項目値を更新する(ステップS504)。
次に、設置・撤去履歴管理装置120は、機器管理装置110の機器管理情報保持部80にアクセスし、機器管理情報80Dを参照し(ステップS506)、入力された履歴情報に該当する機器管理情報80Dが存在するか否かを判定する(ステップS507)。このとき、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報の機器識別情報と一致する[機器識別]項目値を含む機器管理情報80Dが存在するか否かを判定する。これにより、設置・撤去履歴管理装置120は、情報入力を受け付けた電子機器210が、登録済みの機器か否かを判定する。
その結果、設置・撤去履歴管理装置120は、該当機器管理情報80Dが存在しないと判定した場合[未登録機器の場合](ステップS507:NO)、入力された履歴情報を新規の機器管理情報80Dとして登録する(ステップS508)。このとき、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報入力受付部122により、履歴情報を機器管理装置110に送信することで、機器管理情報80Dの登録を要求する。その結果、機器管理装置110では、情報登録処理が行われる。
一方、設置・撤去履歴管理装置120は、該当機器管理情報80Dが存在すると判定した場合[登録済み機器の場合](ステップS507:YES)、入力された履歴情報の[設置日時]項目値と該当機器管理情報80Dとの[契約関連]項目値を比較する(ステップS509)。
次に、設置・撤去履歴管理装置120は、比較結果として、[契約関連]項目値が異なる結果を得たか否かを判定する(ステップS510)。これにより、設置・撤去履歴管理装置120は、比較結果から、機器管理情報80Dの[契約関連]項目の更新有無を決定する。
設置・撤去履歴管理装置120は、[契約関連]項目値が異なる比較結果を得た場合(ステップS510:YES)、入力された履歴情報の[設置日時]項目値で該当機器管理情報80Dの[契約関連]項目値を更新する(ステップS511)。このとき、設置・撤去履歴管理装置120は、履歴情報入力受付部122により、履歴情報を機器管理装置110に送信することで、機器管理情報80Dの[契約関連]項目値の更新を要求する。その結果、機器管理装置110では、情報更新処理が行われる。
なお、設置・撤去履歴管理装置120は、[契約関連]項目値が同一の比較結果を得た場合(ステップS510:NO)、該当機器管理情報80Dの[契約関連]項目値の更新を行わない。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る情報管理システム1によれば、設置・撤去履歴管理装置120が、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去作業に基づく設置・撤去日時の入力を受け付けて、電子機器210の設置・撤去履歴を記録する。情報管理システム1は、レポート処理装置100が、設置・撤去履歴管理装置120に記録された設置・撤去履歴とログ管理装置200が電子機器210から取得したログとに基づき、設置状況に応じた集計レポートを生成・出力する。
これによって、本実施形態に係る情報管理システム1では、ログ管理装置200が電子機器210から機器情報を取得できない場合であっても、顧客環境20における電子機器210の設置・撤去を反映した集計レポートを出力可能な環境を提供することができる。その結果、本実施形態に係る情報管理システム1では、品質の高い(正確な)レポート出力を含む情報管理サービスを提供できる。
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る「レポート処理機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、レポート処理装置100が備える演算装置(CPU)により実行されることで実現される。
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体103aに格納することができる。これにより、例えば、上記プログラムは、外部I/F103を介して、レポート処理装置100にインストールすることができる。また、レポート処理装置100は、通信I/F107を備えていることから、電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。
[変形例]
また、上記実施形態では、図1に示すような情報管理システム1の構成例を示したが、この限りでない。例えば、図15又は図16に示すようなシステム構成であってもよい。
図15,16は、本変形例に係る情報管理システム1(その1,2)の構成例を示す図である。
図15には、ログ管理装置200が、メーカ環境10の内部ネットワークNに接続されるシステム構成例が示されている。電子機器210が接続される顧客環境20の内部ネットワークNは、ファイアフォールFWを介して、外部ネットワークIに接続され、ログ管理装置200は、外部ネットワークIを介して、電子機器210からログ情報や機器情報を取得する。なお、ログ管理装置200と、レポート処理装置100、機器管理装置110、及び設置・撤去履歴管理装置120との機器連携については、上記実施形態と同様である。
図16には、ログ管理機能、機器管理機能、及び設置・撤去履歴管理機能を有するレポート処理装置100が、外部ネットワークIに接続されているシステム構成例が示されている。つまり、ログ管理装置200、機器管理装置110、及び設置・撤去履歴管理装置120の機能を、レポート処理装置100に集約して実装した場合の例が示されている。レポート処理装置100は、ログ管理機能及び機器管理機能により、外部ネットワークIを介して、電子機器210からログ情報や機器情報を取得し、取得情報を管理する。なお、レポート処理機能と、ログ管理機能、機器管理機能、及び設置・撤去履歴管理機能との機能連携については、上記実施形態に示す機器連携と同様である。
また、機能集約されたレポート処理装置100では、機器情報入力受付部11や履歴情報入力受付部122が有する入力機能を一元化することができる。すなわち、1つの入力受付部により実現することができる。レポート処理装置100では、ログ管理情報保持部90、機器管理情報保持部80、及び設置・撤去履歴管理情報保持部70が有する情報記憶機能を一元化することができる。すなわち、1つの記憶装置により実現することができる。なお、この場合でも、各情報は、同一記憶装置の異なる記憶領域ごとに保持し、情報種別ごとに管理する。
情報管理システム1は、例えば、メーカと顧客との間で交わされた契約内容やメーカ環境10と顧客環境20との間のネットワーク環境などに応じて、適切なシステム構成を提供すればよい。
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。