JP2013108813A - 温度計測装置、露光装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

温度計測装置、露光装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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【課題】流体の温度情報を比較的小さいドリフトで、かつ比較的高い分解能又は速い応答速度で計測できるようにする。
【解決手段】温度計測ユニット64は、空気A5中に配置される測温抵抗体部51Aを有する温度センサ53Aと、空気A5中に配置される測温抵抗体部54Aを有し温度センサ53Aと異なる特性を持つ温度センサ56Aと、温度センサ53Aの出力の低周波成分を抽出するローパスフィルタ部57と、温度センサ56Aの出力の高周波成分を抽出するハイパスフィルタ部58と、ローパスフィルタ部57の出力とハイパスフィルタ部58の出力とを加算する加算部59と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、流体の温度情報を計測する温度計測装置、温度計測装置を備えた露光装置、及び露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
例えば半導体デバイス又は液晶表示パネル等の各種電子デバイス(マイクロデバイス)の製造工程の一つであるリソグラフィー工程で使用される露光装置において、高い露光精度で露光を行うためには、照明光学系の照明特性及び投影光学系の結像特性を所定の状態に維持し、かつレチクル、投影光学系、及びレジストが塗布された基板(半導体ウエハ等)の位置関係を所定の関係に維持する必要がある。そのため、従来より、露光装置の照明光学系の一部、レチクルステージ、投影光学系、及びウエハステージを含む露光本体部は、気密化されたチャンバ内に設置され、チャンバ内には、空調装置から、所定温度に制御されて、かつ防塵フィルタ等を通過した清浄な空気がダウンフロー方式で供給されている。
最近では、そのチャンバ内に設置される機構の中でも特に高い温度制御精度が要求される部分、例えばステージの位置計測を行うレーザ干渉計の計測用ビームの光路には、例えば送風口の近傍に設けられた温度センサの計測値に基づいて、高度に温度制御された空気をダウンフロー方式及び/又はサイドフロー方式で供給する局所的な温度制御も行われている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2006/028188号パンフレット
従来の空調装置では、一つ又は一種類の温度センサの計測値に基づいて温度制御を行っていた。また、従来の温度センサは、比較的ドリフトが小さいタイプでは比較的分解能が低いか又は応答速度が遅く、比較的分解能が高いか又は応答速度が速いタイプではドリフトが大きいという傾向がある。このため、従来の温度センサを用いて例えば気体の温度制御を行うときには、その気体の温度を目標値に小さいドリフトで正確に制御することと、雰囲気の温度が変化したときに広いダイナミックレンジで又は高い追従速度でその気体の温度を目標値に制御することとを両立させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑み、流体の温度情報を比較的小さいドリフトで、かつ比較的高い分解能又は速い応答速度で計測できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、温度制御対象部の周囲に供給される流体の温度を制御するためにその流体の温度情報を計測する温度計測装置が提供される。この温度計測装置は、その流体中に少なくとも一部が配置される第1の温度センサと、その流体中に少なくとも一部が配置されるその第1の温度センサと異なる特性を持つ第2の温度センサと、その第1の温度センサの出力の低周波成分を抽出するローパスフィルタ部と、その第2の温度センサの出力の高周波成分を抽出するハイパスフィルタ部と、そのローパスフィルタ部の出力とそのハイパスフィルタ部の出力とを加算してその流体の温度情報を求める加算部と、を備えるものである。
また、第2の態様によれば、露光光でパターンを照明し、その露光光でそのパターンを介して物体を露光する露光装置が提供される。この露光装置は、流体を取り込む流体取り込み部と、その流体取り込み部を介して取り込まれたその流体の温度を制御する温度制御部と、その温度制御部で温度制御されたその流体を温度制御対象部の周囲に供給する供給部と、その温度制御対象部の周囲に供給されるその流体の温度情報を計測するための第1の態様の温度計測装置と、その温度計測装置の計測結果に基づいてその温度制御部を制御する制御装置と、を備えるものである。
また、第3の態様によれば、第2の態様の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、第1の温度センサの出力の低周波成分と第2の温度センサの出力の高周波成分とを加算して流体の温度情報を求めているため、例えばその第1の温度センサとして比較的ドリフトの小さいセンサを使用し、その第2の温度センサとして比較的ドリフトは大きくとも分解能が高いか又は応答速度の速いセンサを使用することで、流体の温度情報を比較的小さいドリフトで、かつ比較的高い分解能又は速い応答速度で計測することが可能になる。
実施形態の一例に係る露光装置を示す一部が切り欠かれた図である。 図1の露光装置の制御系を示すブロック図である。 図1中の第2局所空調装置43の構成を示す一部が切り欠かれた図である。 (A)は図3中の加熱装置50A用の温度計測ユニット64を示す図、(B)は温度計測ユニット64の伝達関数を示す図である。 (A)は図4(A)の出力信号SAの一例を示す図、(B)は出力信号SAの低周波成分SA1(温度換算値)を示す図、(C)は図4(A)の出力信号SBの一例を示す図、(D)は出力信号SBの高周波成分SB1を示す図、(E)は低周波成分SA1と高周波成分SB1とを加算して得られる出力信号SCを示す図である。 (A)は図4(A)のローパスフィルタ部の周波数特性の一例を示す図、(B)はハイパスフィルタ部の周波数特性の一例を示す図、(C)は図6(A)及び図6(B)の2つの周波数特性を示す図である。 図4(B)の温度計測ユニット64において温度センサの時定数を変化させた場合の出力信号の変化を示すボード線図である。 (A)は図4(B)の温度計測ユニット64において温度センサの時定数を変化させた場合のステップ応答の変化を示す図、(B)は図8(A)の縦軸を拡大した図である。 (A)は変形例の温度計測ユニットを示す図、(B)は図9(A)の温度計測ユニットの伝達関数を示す図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態の一例につき図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、一例としてスキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査露光型の露光装置(投影露光装置)である。図1において、露光装置EXの大部分は、例えば半導体デバイス製造工場のクリーンルーム内の床FL上に設置されている。露光装置EXは、露光光(露光用の照明光)ELを発生する光源部4と、露光光ELでレチクルR(マスク)を照明する照明光学系ILSと、レチクルRを保持して移動するレチクルステージRSTと、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)の表面に投影する投影光学系PLとを備えている。また、露光装置EXは、ウエハWを保持して移動するウエハステージWSTと、露光装置EXの動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置20を含む制御系(図2参照)と、その他の駆動機構、支持機構、及びセンサ類等とを備えている。さらに、露光装置EXは、照明光学系ILS、レチクルステージRST、投影光学系PL、及びウエハステージWSTを含む露光本体部10を収容する気密化された箱型のチャンバ2を備えている。
また、露光装置EXは、照明光学系ILSの照明特性(いわゆるσ値、照度均一性等)及び投影光学系の結像特性(解像度等)を所定の状態に維持し、かつレチクルR、投影光学系PL、及びウエハWの位置関係を所定関係に維持して高い露光精度(位置決め精度、重ね合わせ精度等)で露光を行うために、チャンバ2の内部全体の空調を行うための全体空調システムを備えている。この全体空調システムは、チャンバ2上部の多数の開口2aを通してチャンバ2内に温度制御されて防塵フィルタ(HEPAフィルタ、ULPAフィルタ等)を通過した清浄な空気(例えばドライエアー)をダウンフロー方式で供給する主空調装置8と、この動作を制御する主空調制御系35(図2参照)とを備えている。一例としてチャンバ2内を流れた空気は、チャンバ2の底面の床FLに設けられた多数の開口(不図示)を通して床下の配管(不図示)に流れ、その配管内の空気は、主空調装置8の気体回収部に戻されて再利用される。なお、主空調装置8等は、床FLの階下の機械室等に配置されていてもよい。
以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面(ほぼ水平面である)内で図1の紙面に垂直にX軸を、図1の紙面に平行にY軸を取って説明する。本実施形態では、走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向はY軸に平行な方向(Y方向)である。また、X軸、Y軸、Z軸の回りの回転方向をθx、θy、θz方向とも呼ぶ。
まず、チャンバ2の外側の床FL上に設置された光源部4は、露光光ELとしてArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)、又は固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波等を発生する露光光源と、その露光光ELを照明光学系ILSに導くビーム送光光学系とを備えている。
チャンバ2内の上部に配置された照明光学系ILSは、例えば特開2001−313250号公報(対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書)などに開示されるように、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、レチクルブラインド(いずれも不図示)、ミラーME、及びコンデンサレンズCL等の複数の光学部材を備えている。これらの光学部材は照明系鏡筒6内に支持されている。照明光学系ILSは、レチクルブラインドで規定されたレチクルRのパターン面のX方向に細長い照明領域を露光光ELによりほぼ均一な照度で照明する。
レチクルRに形成されたパターン領域のうち、照明領域内のパターンの像は、両側テレセントリックで投影倍率βが縮小倍率(例えば1/4、1/5等)の投影光学系PLを介してレジスト(感光材料)が塗布されたウエハWの表面に結像投影される。
また、図1のチャンバ2内の床FL上に、複数の台座11を介して下部フレーム12が設置され、下部フレーム12の中央部に平板状のベース部材13が固定され、ベース部材13の上面に例えば3箇所の防振台14を介して平板状のウエハベースWBが支持され、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介してウエハステージWSTがX方向、Y方向に移動可能に、かつθz方向に回転可能に載置されている。また、下部フレーム12の上端に、ウエハベースWBを囲むように配置された例えば3箇所の防振台15を介して光学系フレーム16が支持されている。光学系フレーム16の中央部の開口に投影光学系PLが配置され、光学系フレーム16の上面に投影光学系PLを囲むように上部フレーム17が固定されている。
また、光学系フレーム16の底面の+Y方向の端部にY軸のレーザ干渉計21WYが固定され、その底面の+X方向の端部にX軸のレーザ干渉計(不図示)が固定されている。これらの干渉計よりなるウエハ干渉計21W(図2参照)は、ウエハステージWSTの側面の反射面(又は移動鏡)に複数軸の計測用ビームを照射して、ウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置、及びθx、θy、θz方向の回転角を計測し、計測値を図2の主制御装置20を介してウエハステージ駆動系22Wに供給する。
また、図1の光学系フレーム16の底面には、ウエハWのアライメントマークの位置を計測するアライメント系AL、及びウエハW表面の複数の計測点でZ位置を計測するための照射系25a及び受光系25bを含む斜入射方式で光学式のオートフォーカスセンサ(以下、AFセンサという)25が固定されている。アライメント系ALの検出信号を図2の信号処理系27で処理することによってウエハWのアライメントが行われる。また、AFセンサ25の検出信号を信号処理系26で処理して得られるZ位置の情報が、主制御装置20を介してウエハステージ駆動系22Wに供給される。
ウエハステージ駆動系22Wは、ウエハ干渉計21Wの計測値及び主制御装置20からの制御情報に基づいてリニアモータ24等を含む駆動機構を介してウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置及び速度等を制御するとともに、θz方向の回転角を制御する。さらにウエハステージ駆動系22Wは、AFセンサ25からのZ位置の情報に基づいて、ウエハステージWST内のZ駆動部を介してウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させる。ウエハステージWST内には、レチクルRのアライメントを行うための空間像計測系(不図示)も備えられている。
一方、上部フレーム17の+Y方向の上部に、照明光学系ILSの照明系鏡筒6が固定されている。さらに、上部フレーム17のXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して、レチクルステージRSTがY方向に定速移動可能に、かつX方向への移動及びθz方向の回転が可能に載置されている。
また、上部フレーム17の上面の+Y方向の端部にY軸のレーザ干渉計21RYが固定され、その上面の+X方向の端部にX軸のレーザ干渉計(不図示)が固定されている。これらの干渉計からレチクル干渉計21R(図2参照)が構成されている。Y軸のレーザ干渉計21RYは、レチクルステージRSTの+Y方向の端部の2箇所に配置された移動鏡21MY(又は反射面)に計測用ビームを照射し、X軸のレーザ干渉計は、レチクルステージRSTの+X方向の端部に固定されたロッド状の移動鏡(不図示)に複数軸の計測用ビームを照射する。レチクル干渉計21Rは、レチクルステージRSTのX方向、Y方向の位置、及びθz、θx、θy方向の回転角を計測し、計測値を図2の主制御装置20を介してレチクルステージ駆動系22Rに供給する。レチクルステージ駆動系22Rは、レチクル干渉計21Rの計測値及び主制御装置20からの制御情報に基づいてリニアモータ23等を含む駆動機構を介してレチクルステージRSTのY方向の速度及び位置、並びにX方向の位置及びθz方向の回転角等を制御する。
また、本実施形態の露光装置EXが液浸型である場合には、投影光学系PLの下端の光学部材の下面に例えばリング状のノズルヘッド(不図示)が配置され、図2の液体供給装置28から不図示の配管及びそのノズルヘッドを介してその光学部材とウエハWとの間の局所的な液浸領域に所定の液体(純水等)が供給される。その液浸領域の液体は不図示の配管を介して図2の液体回収装置29によって回収される。そのノズルヘッド、液体供給装置28、及び液体回収装置29を含む液浸機構としては、例えば欧州特許出願公開第1420298号明細書等に開示されている液浸機構を使用できる。なお、露光装置EXがドライ型である場合には、その液浸機構を備える必要はない。
また、図1のチャンバ2の例えば−Y方向の側面方向にレチクルローダ系(不図示)及びウエハローダ系(不図示)が配置されている。レチクルローダ系及びウエハローダ系はチャンバ2とは別に空調が行われているサブチャンバ(不図示)内に設置され、レチクルローダ系及びウエハローダ系はそれぞれチャンバ2の側面の開口(不図示)を通してレチクルR及びウエハWの交換を行う。
そして、図1の露光装置EXの露光時には、まずレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。その後、レチクルRへの露光光ELの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLを介した像をウエハWの一つのショット領域に投影しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを投影光学系PLの投影倍率βを速度比としてY方向に同期して移動(同期走査)する走査露光動作によって、そのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。その後、露光光ELの照射を停止して、ウエハステージWSTを介してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作と、上記の走査露光動作とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
次に、本実施形態の露光装置EXは、高い温度制御精度が要求される部分の温度を制御するための第1局所空調装置41及び第2局所空調装置43を含む局所空調システムと、液体温度制御装置70を含む局所温度制御システムとを備えている。
即ち、チャンバ2の例えば上部(又は床FLの階下の機械室等でもよい)に、ほぼ所定の温度範囲に制御されて、防塵フィルタ(HEPAフィルタ、ULAPフィルタ等)を通した空気である空調用空気(例えばドライエアー)が供給される空調空気供給管40と、ほぼ所定の温度範囲に制御されて圧縮された空気である圧縮空気(例えば圧縮されたドライエアー)が供給される圧縮空気供給管42とが配置されている。圧縮空気供給管42は、半導体デバイス製造工場等には一般に備えられている設備である。なお、空調空気供給管40及び/又は圧縮空気供給管42を使用することなく、主空調装置8内から分岐した空調用空気を使用してもよい。
また、第1局所空調装置41は、空調空気供給管40から取り込んだ空気の温度をより高精度に制御する。このように温度制御された清浄な空気AR及びAWは、第1ダクト18R及び第2ダクト18Wを介してそれぞれチャンバ2内の照明系鏡筒6の底面の送風部19R及び光学系フレーム16の底面の送風部19Wから、ダウンフロー方式でレチクルステージRST用のレーザ干渉計21RY等及びウエハステージWST用のレーザ干渉計21WY等の計測用ビームの光路に送風される。なお、空気AR,AWをサイドフロー方式で吹き出すことも可能である。この結果、レチクル干渉計21RY等及びウエハ干渉計21WY等によってレチクルステージRST及びウエハステージWSTの位置を高精度に計測できる。第1局所空調装置41の動作は図2の干渉光路空調制御系36によって制御される。
また、第2局所空調装置43は、一例として圧縮空気供給管42から取り込んだ圧縮空気から高精度に温度制御された清浄な複数の空気A5及びA6等を生成する。第2局所空調装置43から配管44Bを介して照明光学系ILSの照明系鏡筒6の内部に空気A6が供給され、照明系鏡筒6内を流れた空気は、例えば不図示の排気ダクトを介して主空調装置8の気体回収部に回収される。
また、照明系鏡筒6のコンデンサレンズCLの下方に、次第に開口径が小さくなる円筒部材61が取り付けられ、レチクルステージRSTの上面にレチクルRを囲むように次第に広がるようにフード部62が固定されている。円筒部材61は、露光光ELの光路を囲むように配置され、フード部62の4隅には、内部の空気を外部に流すための開口(不図示)が設けられている。第2局所空調装置43から配管44Aを介して、円筒部材61の内部に高精度に温度制御された空気A5が供給される。空気A5は、ダウンフロー方式で円筒部材61の内部からレチクルRの上面のフード部62に流れる。その後、空気A5は、フード部62の周囲の開口から外側に流出し、床FL側に流れた後、主空調装置8の気体回収部に回収される。
チャンバ2内に主空調装置8からダウンフローで供給される空気の設定温度(例えば20〜30℃の範囲内の目標温度(例えば23℃))に対して、空気A5及びA6の設定温度(目標温度)は例えば同じ温度に設定されている。ただし、主空調装置8からダウンフローで供給される空気の温度の設定温度に対する許容範囲(制御精度)に対して、空気A5及びA6の温度の許容範囲はより狭く設定されている。これによって、露光光ELの光路の温度が高精度に設定範囲に維持されるとともに、レチクルRの上面の微小な異物が空気A5とともに除去される。第2局所空調装置43の動作は図2の局所空調制御系37によって制御される。
以下、第2局所空調装置43の構成につき図3を参照して詳細に説明する。図3において、第2局所空調装置43は、圧縮空気供給管42に配管47Aを介して連結されて、圧縮空気供給管42から供給される圧縮空気A1の温度を下げるとともにその気圧を或る程度下げて(ただし、図1のチャンバ2内の気圧(或る程度陽圧)よりも高く設定されている)排気する熱交換器45と、熱交換器45に配管47Bを介して連結されて、熱交換器45から排気される空気A2を複数(ここでは4個)の分岐管49a,49b,49c,49dに分けて排気する分配器49とを備えている。
配管47Aの途中に圧力平滑化用のレギュレータ48R及び流量制御バルブ48Fが設置され、局所空調制御系37が流量制御バルブ48Fの流量を制御する。熱交換器45は、螺旋状に巻回された熱伝導率の良好な金属製の冷却管45bと、冷却管45bの排気口に連結されたHEPAフィルタ又はULPAフィルタよりなる防塵フィルタ65と、冷却管45b及び防塵フィルタ65を収納する気密化された容器45aとを備えている。冷却管45bの一端(給気口)が配管47Aに接続され、冷却管45bの他端の防塵フィルタ65が配管47Bに接続されている。また、冷却水温調機46が備えられ、冷却水温調機46は配管46aを介して熱交換器45の容器45a内に温度制御された冷却水Coを供給し、容器45a内を流れた冷却水Coを配管46bを介して回収する。
さらに、熱交換器45の給気口に近い配管47A及び熱交換器45の排気口に近い配管47B内にそれぞれ温度センサ58A及び58B(より正確には温度センサの測温抵抗体)が設置され、温度センサ58A,58Bで計測される空気の温度が局所空調制御系37に供給されている。局所空調制御系37は、その温度に基づいて冷却水温調機46から容器45a内に供給される冷却水Coの温度を制御する。この場合、熱交換器45から防塵フィルタ65を介して微小なパーティクルが除去されて排気される清浄な空気A2の温度は、第2局所空調装置43から温度制御された空気が供給されるチャンバ2内の複数の局所的な領域(温度制御対象領域)の設定温度TTi(i=1,2,…)のうちの最低値Tmin よりも低い設定温度Tset に設定される。ただし、本実施形態では、設定温度TTiは互いに等しい温度である。
また、第2局所空調装置43は、分岐管49a〜49dに連結されて、それぞれ対応する分岐管から供給される空気の温度を独立に設定温度TTiまで上昇させて排気する加熱装置50A,50B,50C,50Dと、加熱装置50A〜50Dに連結された配管44A,44B,44C,44D(給気ダクト)と、配管44A〜44D内の排気口の近くに設置された互いに同じ構成の測温抵抗体部51A,51B,51C,51Dと、配管44A〜44D内の排気口の測温抵抗体部51A〜51Dに近接して配置された互いに同じ構成の測温抵抗体部54A,54B,54C,54Dと、を備えている。配管44A〜44Dは、断熱性が高く、発塵の少ない材料であるフッ素樹脂(例えばPTFE(四フッ化エチレン樹脂))から形成され、或る程度の可撓性を有する。
測温抵抗体部51A〜51Dを有する白金測温抵抗体式の温度センサ53A〜53D及び測温抵抗体部54A〜54Dを有するサーミスタ方式の温度センサ56A〜56Dを含んで、それぞれ配管44A〜44D内を通過する空気の温度情報を計測する4個の温度計測ユニット64(図4(A)参照)が構成されている。これらの4個の温度計測ユニット64の出力信号は局所空調制御系37内の温度制御部37aに供給され、温度制御部37aは配管44A〜44D内の空気の温度情報に対応する出力信号が目標値SH(図4(A)参照)になるように対応する加熱装置50A〜50Dの単位時間当たりの加熱量等を制御する。
配管44A及び44Bを通過した空気A5及びA6は、それぞれ図1のチャンバ2内の円筒部材61内及び照明系鏡筒6内に供給される。また、配管44C及び44Dを通過した空気A7及びA8は、一例として図1のレチクルRの底面と投影光学系PLとの間の空間、及び図2のウエハステージ駆動系22W等の発熱源が収納された制御ボックス(不図示)の周囲に供給される。
また、本実施形態では、圧縮空気供給管42から熱交換器45を介して分配器49に供給される空気の気圧は、チャンバ2内の気圧よりも高く維持されている。従って、分配器49に供給された空気は、分岐管49a〜49dから配管44A〜44Dまでの流路を経て温度制御された状態でチャンバ2内に供給される。従って、別途送風ファンを設ける必要が無く、空調装置の構成が簡素化できる。
以下、代表的に図3の配管44A内を流れる空気A5の温度情報を計測する温度計測ユニット64につき図4(A)〜図8(B)を参照して説明する。この温度計測ユニット64は、図1の第1局所空調装置41から送風される空気の温度を計測する装置としても使用できる。
図4(A)に示すように、温度計測ユニット64は、配管44A内を流れる空気A5中に配置された白金の測温抵抗体部51Aと信号処理部52Aとを有し、空気A5の温度に対応する出力信号SAを出力する温度センサ53Aと、配管44A内の空気A5中に配置されたサーミスタの測温抵抗体部54Aと信号処理部55Aとを有し、空気A5の温度に対応する出力信号SBを出力する温度センサ56Aとを有する。測温抵抗体部51A,54Aはそれぞれ白金及びサーミスタ(セラミックス半導体等)の抵抗体を樹脂等の熱伝導性の良い保護部材で覆ったものである。本実施形態では、温度センサ53Aは、温度センサ56Aに比べて出力信号SA(計測値)のドリフトが小さく、温度を絶対値又は基準値として高精度に計測できるが、測温抵抗体部51Aの抵抗値が小さいために計測値の分解能が低い。一方、温度センサ56Aは、温度センサ53Aに比べて出力信号SBのドリフトが大きいが、測温抵抗体部54Aの抵抗値が大きいために印加する電圧を大きくすることが可能で計測値の分解能を高くできる。
また、温度計測ユニット64は、温度センサ53Aの出力信号SAから低周波成分SA1を抽出して出力するローパスフィルタ部57と、温度センサ56Aの出力信号SBから高周波成分SB1を抽出して出力するハイパスフィルタ部58と、その低周波成分SA1と高周波成分SB1とを加算して空気A5の温度に対応した出力信号SCを生成する加算部59とを有する。出力信号SCが温度制御部37aに供給される。出力信号SAの分解能は出力信号SBよりも低いが、出力信号SA及びSBの大きさは同じ温度に対して同じ値になるように調整されている。出力信号SCは、周波数が低い領域ではほぼ温度センサ53Aの出力信号SA(ただし、局所的には平均化されている)となり、周波数が高い領域ではほぼ温度センサ56Aの出力信号SBとなる。信号処理部52A,55A、ローパスフィルタ部57、ハイパスフィルタ部58、及び加算部59は、図3の局所空調制御系37の一部である。また、ローパスフィルタ部57、ハイパスフィルタ部58、及び加算部59は、ハードウェアで構成してもよいが、これらの部材はコンピュータのソフトウェアの機能で実現してもよい。
本実施形態の出力信号SCは、周波数が低い領域では白金測温抵抗体式の低ドリフトの温度センサ53Aの出力信号SAが支配的となり、周波数が高い領域ではサーミスタ方式の高分解能の温度センサ56Aの出力信号SBが支配的となっている。このため、出力信号SCはドリフトが温度センサ56Aの出力信号SBよりも低いとともに、分解能は温度センサ53Aの出力信号SAよりも高くなり、温度センサ53A,56Aの長所を有することになる。従って、配管44A中の空気A5の温度情報を低ドリフトでかつ高い分解能で高精度に計測できる。
また、本実施形態では、第1の使用方法としてローパスフィルタ部57のカットオフ周波数fc1と、ハイパスフィルタ部58のカットオフ周波数fc2とは等しく設定される。
また、第2の使用方法として、図5(A)及び(B)の周波数特性に示すように、ローパスフィルタ部57のカットオフ周波数fc1に対して、ハイパスフィルタ部58のカットオフ周波数fc2は高く設定される。一例として、カットオフ周波数fc1は0.01Hz、カットオフ周波数fc2はその10倍の0.1Hzに設定されている。この条件では、図5(C)の出力信号SCの周波数特性に示すように、ローパスフィルタ部57のカットオフ周波数fc1より低い周波数領域FA1では、白金測温抵抗体式の温度センサ53Aの出力信号SAが支配的となり、ハイパスフィルタ部58のカットオフ周波数fc2より高い周波数領域FA2では、サーミスタ方式の温度センサ56Aの出力信号SBが支配的となる。そして、2つのカットオフ周波数fc1,fc2の間の領域FA3では、出力信号SCは実質的に2つの温度センサ53A,56Aの出力信号を合わせた信号(ハイブリッド信号とも呼ぶことができる)となる。
具体的にその第2の使用方法を用いた場合の出力信号SCの一例につき説明する。この例では、図4(A)の温度計測ユニット64の温度センサ53Aの出力信号SAの平均値(温度換算値)を23℃、温度センサ56Aの出力信号SBの平均値(温度換算値)を23℃に対して1℃のオフセット(ドリフト)を持つ24℃とする。また、ローパスフィルタ部57及びハイパスフィルタ部58は、図4(B)の伝達関数で表される一次フィルタであるとする。ただし、ここではローパスフィルタ部57のカットオフ周波数fc1に対してハイパスフィルタ部58のカットオフ周波数fc2は高く設定されている。
そして、温度センサ53A,56Aの出力信号SA,SBに同じパワースペクトルのホワイトノイズ(広帯域のノイズ)を印加したとき、出力信号SA及びSBはそれぞれ図6(A)及び(C)のように変化する。図6(A)〜(E)の横軸は時間t(sec)であり、縦軸は各信号の温度換算値である。このとき、図4(A)の低周波成分SA1及び高周波成分SB1はそれぞれ図6(B)及び(D)のように変化し、低周波成分SA1及び高周波成分SB1を加算して得られる出力信号SCは図6(E)のように変化する。図6(E)の出力信号SCからは、サーミスタ方式の温度センサ56Aの出力信号SBに現れていたオフセット(ドリフト)が除去されており、正確に計測対象の空気の温度が計測できることが分かる。
次に、図4(A)の温度計測ユニット64において温度センサ53A,56Aの時定数にばらつきがある場合の出力信号SCの安定性について、図4(B)の温度計測ユニット64の伝達関数を用いて検討する。この伝達関数において、変数S(=iω)は、ラプラース変換の変数(iは虚数単位、ωは角周波数)であり、計測対象の空気A5の実際の温度をTR、温度計測ユニット64の出力信号SCに対応する温度の計測値をTMとする。また、図4(B)の例では、温度センサ53Aの時定数Aと温度センサ56Aの時定数Bとは異なっていてもよいとして、ローパスフィルタ部57及びハイパスフィルタ部58の時定数Cは共通であると仮定している。このとき、温度計測ユニット64の実際の温度TRから温度の計測値TMまでの全体の伝達関数G1は、図4(B)に示すように複雑な関数となる。
この場合、初期条件では、一例として、温度センサ53Aの時定数A及び温度センサ56Aの時定数Bを共通に8secとして、ローパスフィルタ部57及びハイパスフィルタ部58の時定数Cを150secとする。時定数τとカットオフ周波数fcとの間には次の関係があるため、カットオフ周波数fcの周期をTc(=1/fc)とすると、周期Tcは時定数τの2π倍となる。
fc=1/(2π・τ)=1/Tc …(1)
このため、時定数A(B)の8secに対応するカットオフ周波数の周期Tcは50sec、時定数Cの150secに対応するカットオフ周波数の周期Tcは1000secとなる。
そして、図7は、温度センサ53A,56Aの時定数A及びBにそれぞれ±20%の誤差があるとした場合の、伝達関数G1によって表される出力信号SCの振幅及び位相を示す。図7において、横軸は周波数(Hz)であり、曲線C1,D1は上述の初期条件での出力信号SCの振幅及び位相の特性を示す。また、曲線C2,D2及びC3,D3はそれぞれ初期条件に対して温度センサ56Aの時定数Bに+20%及び−20%の誤差がある場合の出力信号SCの振幅及び位相の特性を示す。さらに、曲線C4,D4及びC5,DDはそれぞれ初期条件に対して温度センサ53Aの時定数Aに+20%及び−20%の誤差がある場合の出力信号SCの振幅及び位相の特性を示す。
図7の振幅及び位相の特性より、ローパスフィルタ部57及びハイパスフィルタ部58の時定数Cが150sec程度の場合には、温度センサ53A,56Aの時定数A,Bに±20%程度の誤差があっても、安定した出力信号SCが得られることが分かる。
また、図8(A)は、温度センサ53A,56Aの時定数A及びBにそれぞれ±20%の誤差があるとした場合の、伝達関数G1によって表される出力信号SCのステップ応答を示す。図8(B)は、図8(A)の縦軸を拡大したものである。図8(A)及び(B)において、横軸は時間t(sec)であり、曲線C11は上述の初期条件での出力信号SCを示す。また、曲線C12及びC13はそれぞれ初期条件に対して温度センサ56Aの時定数Bに+20%及び−20%の誤差がある場合の出力信号SCであり、曲線C14及びC15はそれぞれ初期条件に対して温度センサ53Aの時定数Aに+20%及び−20%の誤差がある場合の出力信号SCである。
ここで、実際の温度TRが階段状に変化したとき、温度の計測値TM(出力信号SC)がその温度TRに対して1/100℃以内の誤差で収束するまでの時間を整定時間とする。図8のステップ応答の特性より、初期条件での整定時間はほぼ36secであり、時定数A,Bに±20%の誤差があるときの整定時間はほぼ31sec〜51secであり、温度センサ53A,56Aの時定数A,Bに±20%程度の誤差があっても、整定時間が短く温度の追従性が良好であることが分かる。
次に、図1の液体温度制御装置70を含む局所温度制御システムにつき説明する。この局所温度制御システムは、投影光学系PLの側面に巻回され、内部をチャンバ2内の空気の温度程度まで冷却された純水等の冷媒が下方に流れる金属製の冷却用配管72と、液体温度制御装置70から冷却用配管72に冷媒を供給する配管71と、冷却用配管72を流れた冷媒を液体温度制御装置70に回収するための配管73と、冷却用配管72の排出口の近傍で配管73に装着された温度センサの測温抵抗体部80A,83Aとを有する。図2に示すように、測温抵抗体部80A及び信号処理部81Aから白金測温抵抗体式の温度センサ82Aが構成され、温抵抗体部83A及び信号処理部84Aからサーミスタ方式の温度センサ85Aが構成されている。温度センサ82A,85Aの出力信号から図4(A)の温度計測ユニット64と同様に出力信号を求める温度計測ユニット(不図示)が設けられている。
図1において、配管71,73は配管44Aと同様の材料から形成されている。また、冷却用配管72は、アライメント系ALの放熱板(不図示)の表面も通過しており、アライメント系ALの冷却も行われている。液体温度制御装置70内には、配管73を介して回収された冷媒を冷却する冷却装置78A(図2参照)と、その冷媒を配管71側に供給するポンプ(不図示)とが設けられている。図2の液体温度制御系77は、温度センサ82A及び85Aを含む温度計測ユニットの出力信号(温度の計測値)が所定の目標値になるように、冷却装置78Aを制御する。温度センサ82A及び85Aを含む温度計測ユニットの出力信号はドリフトが小さく、かつ高い分解能が得られるため、冷却用配管72内を流れる冷媒の温度、ひいては投影光学系PLの温度を高精度に制御できる。
また、図1の局所温度制御システムは、ウエハステージWSTの内部のリニアモータの可動子の近傍を通るように、ウエハステージWST内に配置されて、内部をチャンバ2内の空気の温度程度まで冷却された純水等の冷媒が流れる金属製の冷却用配管75と、液体温度制御装置70から冷却用配管75に冷媒を供給する大きい可撓性を有する配管74と、冷却用配管75を流れた冷媒を液体温度制御装置70に回収するための大きい可撓性を有する配管76と、冷却用配管75の排出口の近傍で配管76に装着された温度センサの測温抵抗体部80B,83Bとを有する。図2に示すように、測温抵抗体部80B及び信号処理部81Bから白金測温抵抗体式の温度センサ82Bが構成され、温抵抗体部83B及び信号処理部84Bからサーミスタ方式の温度センサ85Bが構成されている。温度センサ82B,85Bの出力信号から図4(A)の温度計測ユニット64と同様に出力信号を求める温度計測ユニット(不図示)が設けられている。
図1において、配管74,76は、脱塵が少なく可撓性の大きい材料、例えば比較的薄いフッ素樹脂又は合成ゴム等から形成されている。液体温度制御装置70内には、配管76を介して回収された冷媒を冷却する冷却装置78B(図2参照)と、その冷媒を配管74側に供給するポンプ(不図示)とが設けられている。液体温度制御系77は、温度センサ82B及び85Bを含む温度計測ユニットの出力信号(温度の計測値)が所定の目標値になるように、冷却装置78Bを制御する。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の露光装置EXは、露光装置EXの構成部材(温度制御対象部)の周囲に供給される空気A5の温度を制御するために空気A5の温度情報を計測する温度計測ユニット64を備えている。温度計測ユニット64は、空気A5中に配置される測温抵抗体部51Aを有する白金測温体式の温度センサ53Aと、空気A5中に配置される測温抵抗体部54Aを有し温度センサ53Aと異なる特性を持つサーミスタ方式の温度センサ56Aと、温度センサ53Aの出力信号の低周波成分を抽出するローパスフィルタ部57と、温度センサ56Aの出力信号の高周波成分を抽出するハイパスフィルタ部58と、ローパスフィルタ部57の出力信号とハイパスフィルタ部58の出力信号とを加算して空気A5の温度情報を持つ出力信号を求める加算部59と、を備えている。
この場合、サーミスタ方式の温度センサ56Aは、白金測温体式の温度センサ53Aと比べて計測値のドリフトは大きいが、抵抗体に印加する電圧を大きくすることによって計測値の分解能を大きくできる点で特性が異なっている。本実施形態によれば、温度センサ53Aの出力の低周波成分と温度センサ56Aの出力の高周波成分とを加算して空気A5の温度情報を求めており、温度センサ53Aは比較的ドリフトが小さく、かつ温度センサ56Aは比較的ドリフトは大きくとも分解能が高いため、空気A5の温度情報を比較的小さいドリフトで、かつ比較的高い分解能で高精度に計測することが可能になる。
また、本実施形態の露光装置EXは、露光光ELでレチクルRのパターンを照明し、露光光ELでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハW(物体)を露光する露光装置である。そして、露光装置EXは、空気を取り込む圧縮空気供給管42(流体取り込み部)と、圧縮空気供給管42を介して取り込まれた空気の温度を制御する熱交換器45及び加熱装置50A(温度制御部)と、加熱装置50Aを通過して温度制御された空気を温度制御対象部の周囲に供給する配管44A(供給部)と、その温度制御対象部の周囲に供給される空気A5の温度情報を計測するための温度計測ユニット64と、温度計測ユニット64の計測結果に基づいて加熱装置50Aを制御する温度制御部37aとを備えている。
露光装置EXによれば、温度計測ユニット64によって配管44A内の空気A5の温度情報を高精度に計測できるため、この計測結果に基づいてその空気A5の温度を目標値に対して高精度に制御できる。従って、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハWに露光できる。
なお、上記の実施形態では、以下のような変形が可能である。
まず、2つの特性の異なる温度センサ53A,56Aの時定数が比較的大きく異なる場合には、図9(A)の変形例の温度計測ユニット64Aで示すように、一方の温度センサ53Aの出力信号SAの位相特性を補正する位相補正部60を設けてもよい。なお、図9(A)及び(B)において図4(A)及び(B)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9(A)において、温度センサ53Aとローパスフィルタ部57との間に、温度センサ53Aの出力信号SAを補正して出力信号SA2としてローパスフィルタ部57に供給する位相補正部60が設けられている。この他の構成は図4(A)の温度計測ユニット64と同様であり、加算部59は、ローパスフィルタ部57から出力される低周波成分SA3とハイパスフィルタ部58から出力される高周波成分SB1とを加算して出力信号SC1を求める。図9(B)は、図9(A)の温度計測ユニット64Aの伝達関数を表している。図9(B)に示すように、温度センサ53Aの時定数をA、温度センサ56Aの時定数をBとすると、位相補正部60は、次の伝達関数で表される特性を有する。
伝達関数=(A・S+1)/(B・S+1) …(2)
温度センサ53A,53Bの時定数A,Bは、測温抵抗体部51A,54A及びこれを覆う保護部材の熱容量で変化する。一例として、白金抵抗体式の温度センサ53Aの時定数Aを約30sec、サーミスタ方式の温度センサ56Aの時定数Bを約3secとすると、後者の温度センサ56Aは前者の温度センサ53Aに対して応答速度がほぼ10倍となる。
また、位相補正部60の伝達関数が式(2)で表されるとき、図9(B)の実際の空気A5の温度TRから温度の計測値TM(出力信号SC1に対応する温度)までの伝達関数G2は、1/(B・S+1)という温度センサ56Aの伝達関数と同じ関数になる。これは、出力信号SC1は温度センサ53Aの出力信号と同様にドリフトが小さく、かつその応答速度は温度センサ56Aの出力信号と同様に速いことを意味している。従って、温度計測ユニット64Aを用いることで、空気A5の温度情報を高精度にかつ高い追従速度で計測できる。
なお、図9(A)の変形例に関して、温度センサ53Aの出力信号をそのままローパスフィルタ部57に供給して、位相補正部60を温度センサ56Aとハイパスフィルタ部58との間に設けることも可能である。この場合には、位相補正部60の伝達関数を次のように設定することで、全体の伝達関数G2を温度センサ53Aの伝達関数と同じ関数に設定できる。
伝達関数=(B・S+1)/(A・S+1) …(3)
また、上記の実施形態及びその変形例では、温度センサ53Aは白金測温抵抗体式であり、温度センサ56Aはサーミスタ方式である。これに対して、温度センサ53Aの代わりに例えば熱電対方式の温度センサを使用する場合にも、温度計測ユニット64,64Aと同様の温度計測ユニットを構成することで、上記の実施形態及びその変形例と同様の効果が得られる。また、温度センサ56Aの代わりに例えばIC(Integrated Circuit)方式の温度センサを使用する場合にも、温度計測ユニット64,64Aと同様の温度計測ユニットを構成することで、上記の実施形態及びその変形例と同様の効果が得られる。言い替えると、ドリフト特性、分解能、及び/又は応答速度等のいずれかの特性が異なる2つの任意の温度センサを用いる場合に、温度計測ユニット64,64Aと同様の温度計測ユニットを構成することで、上記の実施形態及びその変形例と同様の効果が得られる。
また、上記の実施形態では、空調用の気体として空気(例えばドライエアー)が使用されているが、その代わりに窒素ガス若しくは希ガス(ヘリウム、ネオン等)、又はこれらの気体の混合気体等(流体)を使用してもよく、これらの気体の温度を温度計測ユニット64,64Aと同様の温度計測ユニットで計測してもよい。
また、熱交換器45及び液体温度制御装置70においては、冷却水Co及び冷媒Co1としての水の代わりにフッ素系不活性液体(例えばフロリナート(登録商標))等の他の冷媒(液体としての流体)を使用してもよく、これらの液体の温度を温度計測ユニット64,64Aと同様の温度計測ユニットで計測してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置EXを用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図10に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板(感応基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
従って、このデバイス製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。その露光装置又は露光方法によれば、複数の位置で局所的な温度制御を高精度に行うことができるため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、走査露光型の投影露光装置のみならず、一括露光型(ステッパー型)の投影露光装置を用いて露光する場合にも適用することが可能である。また、本発明は、投影光学系を使用しないプロキシミティ方式やコンタクト方式の露光装置等で露光を行う際にも適用できる。
また、本発明は、半導体デバイスの製造プロセスへの適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置の製造プロセスや、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスの製造プロセスにも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、製造工程にも適用することができる。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
EX…露光装置、R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、2…チャンバ、10…露光本体部、37…局所空調制御系、37a…温度制御部、42…圧縮空気供給管、43…第2局所空調装置、44A〜44D…配管(供給ダクト)、45…熱交換器、50A〜50D…加熱装置、53A,53D…白金測温抵抗体式の温度センサ、56A,56D…サーミスタ方式の温度センサ、57…ローパスフィルタ部、58…ハイパスフィルタ部、59…加算部、60…位相補正部、64,64A…温度計測ユニット

Claims (10)

  1. 温度制御対象部の周囲に供給される流体の温度を制御するために前記流体の温度情報を計測する温度計測装置において、
    前記流体中に少なくとも一部が配置される第1の温度センサと、
    前記流体中に少なくとも一部が配置される前記第1の温度センサと異なる特性を持つ第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサの出力の低周波成分を抽出するローパスフィルタ部と、
    前記第2の温度センサの出力の高周波成分を抽出するハイパスフィルタ部と、
    前記ローパスフィルタ部の出力と前記ハイパスフィルタ部の出力とを加算して前記流体の温度情報を求める加算部と、
    を備えることを特徴とする温度計測装置。
  2. 前記第1及び第2の温度センサの互いに異なる特性は出力の時定数であり、
    前記第1の温度センサの出力と前記第2の温度センサの出力との位相特性を合わせる位相補正部を備えることを特徴とする請求項1に記載の温度計測装置。
  3. 前記第1及び第2の温度センサの互いに異なる特性は、出力のドリフト及び分解能の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の温度計測精度。
  4. 前記ローパスフィルタ部及び前記ハイパスフィルタ部は互いにカットオフ周波数が同じことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度計測装置。
  5. 前記ローパスフィルタ部のカットオフ周波数は前記ハイパスフィルタ部のカットオフ周波数より低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度計測装置。
  6. 前記第1の温度センサは白金抵抗体を有し、前記第2の温度センサはサーミスタを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の温度計測装置。
  7. 露光光でパターンを照明し、前記露光光で前記パターンを介して物体を露光する露光装置において、
    流体を取り込む流体取り込み部と、
    前記流体取り込み部を介して取り込まれた前記流体の温度を制御する温度制御部と、
    前記温度制御部で温度制御された前記流体を温度制御対象部の周囲に供給する供給部と、
    前記温度制御対象部の周囲に供給される前記流体の温度情報を計測するための請求項1〜6のいずれか一項に記載の温度計測装置と、
    前記温度計測装置の計測結果に基づいて前記温度制御部を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする露光装置。
  8. 前記露光装置の少なくとも一部の部材を収容するチャンバを備え、
    前記流体は前記チャンバ内に送風される気体であることを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記パターンの像を前記物体に形成する投影光学系と、
    前記流体としての液体を前記投影光学系の周囲に流す配管と、を備え、
    前記温度計測装置は、前記液体の温度情報を計測することを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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