JP2013108360A - コモンレール減圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キースイッチオフ後、短時間にコモンレール内の燃料圧を減圧することができるコモンレール減圧制御装置を提供すること。
【解決手段】コモンレール2内の圧力を燃料を流出させることで減圧させる減圧弁7と、コモンレール2内の圧力を検出する圧力センサ6と、エンジン1を駆動、停止させるキースイッチ10と、キースイッチオフ後、該キースイッチオフ時に圧力センサ6が検出した圧力から初期の駆動デューティを決定するとともに、その後の時間経過に伴う駆動デューティを徐々に大きくする決定を行い、該決定した初期の駆動デューティを含む駆動デューティで減圧弁7を開にする減圧弁制御部9と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、キースイッチオフ後のコモンレール圧を減圧するコモンレール減圧制御装置に関する。
コモンレールシステムでは、供給ポンプで高圧化した燃料を、蓄圧室であるコモンレールに一旦貯めておき、電子制御システムで、インジェクタノズルの開閉をコントロールすることによって、エンジンの運転状況に応じ、必要な時期に必要な量の燃料を噴射することができる。コモンレールの適用により燃料の超高圧噴射と多段階噴射とが可能になり、超高圧噴射により、燃料が微粒化され空気とよく混ざり、排気ガス中のPM(粒子状物質)を生じにくくすることができ、多段階噴射により、排気ガス中のNO(窒素酸化物)を低減できるとともに騒音も低減できる。
特開平10−318028号公報
ところで、コモンレールシステムでは、エンジン停止後であってもコモンレール内に蓄積された燃料が高圧状態に保持されるため、コモンレールシステムのメンテナンス等を行う場合、コモンレール内の燃料が噴出する虞がある。このため、エンジン停止後にコモンレール内の燃料を抜いて減圧させるようにしている。
たとえば、特許文献1では、キースイッチがオフになると、インジェクタが無噴射領域となるように、インジェクタのソレノイドコイルを細かい周期で切り換え、インジェクタ内でコモンレール内の燃料圧をバックリークさせ、コモンレール内の圧力を減圧させるようにしている。
ここで、電子制御システムでは、キースイッチがオフされると、各種情報の保持等のため、一定時間、通電状態となる制御部通電時間がある。したがって、コモンレールの減圧処理を行う場合、キースイッチオフ後、制御部通電時間内に行う必要がある。さらに、近年のコモンレールは超高圧状態に維持されているため、減圧処理に時間がかかる。この結果、従来のインジェクタが無噴射領域を用いた減圧制御では、キースイッチオフ後に確実にコモンレール内の燃料圧を減圧することができない場合があるという問題点があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、キースイッチオフ後、短時間にコモンレール内の燃料圧を減圧することができるコモンレール減圧制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、コモンレール内の圧力を燃料を流出させることで減圧させる減圧弁と、コモンレール内の圧力を検出する圧力センサと、エンジンを駆動、停止させるキースイッチと、前記キースイッチオフ後、該キースイッチオフ時に前記圧力センサが検出した圧力から初期の駆動デューティを決定するとともに、その後の時間経過に伴う駆動デューティを徐々に大きくする決定を行い、該決定した初期の駆動デューティを含む駆動デューティで前記減圧弁を開にする制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、上記の発明において、前記制御部は、時間経過に伴う駆動デューティを、前記キースイッチオフから当該制御部の通電がオフとなるまでの制御部通電時間内で前記コモンレール内の圧力が所定減圧値となるように決定することを特徴とする。
また、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記キースイッチオフ時の圧力と1駆動周期当たりの最大許容吐出量と前記初期の駆動デューティとの関係を予め保持し、該保持する関係を参照して前記初期の駆動デューティを決定することを特徴とする。
また、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、上記の発明において、前記制御部は、時間経過に伴う駆動デューティを、前記減圧弁を開閉する駆動周期毎に、前記圧力センサが検出する圧力から決定することを特徴とする。
また、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記所定減圧値から終期の駆動デューティを決定し、前記制御部通電時間内における駆動デューティを時間経過に対して直線近似した駆動デューティとして前記駆動デューティを大きくすることを特徴とする。
また、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記減圧弁を開閉する駆動周期を一定とすることを特徴とする。
また、この発明にかかるコモンレール減圧制御装置は、上記の発明において、前記制御部は、前記減圧弁を開閉する駆動周期を、前記キースイッチオフ時の圧力に応じて決定することを特徴とする。
この発明によれば、制御部が、キースイッチオフ後、該キースイッチオフ時に圧力センサが検出した圧力をもとに減圧弁からの燃料の吐出量が1駆動周期当たりの最大許容吐出量となるように初期の駆動デューティを決定するとともに、その後の時間経過に伴う駆動デューティを前記1駆動周期当たりの最大許容吐出量以下で時間経過に伴って該駆動デューティを大きくする決定を行い、該決定した初期の駆動デューティを含む駆動デューティで前記減圧弁を開にするようにしているので、キースイッチオフ後、短時間にコモンレール内の燃料圧を減圧することができる。
図1は、この発明の実施の形態にかかるコモンレール減圧制御装置の概要構成を示す模式図である。 図2は、図1に示した減圧弁制御部による減圧弁制御処理手順を示すフローチャートである。 図3は、時間経過に伴う駆動デューティの開時間を説明するタイムチャートである。 図4は、キースイッチオフ後、制御部通電時間T0内での減圧弁の駆動デューティの時間変化を示すタイムチャートである。 図5は、コモンレール圧力Pの入力によって開時間tを出力するフローを示す図である。 図6は、コモンレール圧力と減圧弁の開時間との関係を示す図である。 図7は、変形例1の減圧弁制御部による減圧弁制御処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
図1は、この発明の実施の形態にかかるコモンレール減圧制御装置の概要構成を示す模式図である。図1において、このコモンレール減圧制御装置は、エンジン1と、コモンレール2と、燃料タンク3と、燃料タンク3からコモンレール2内に燃料を供給してコモンレール2内の燃料圧を高圧にする供給ポンプ4と、複数のインジェクタからコモンレール2内の高圧燃料を噴射するインジェクタ群5と、コモンレール2内の圧力を検出する圧力センサ6と、燃料を流出させることでコモンレール2内の圧力を減圧する減圧弁7と、エンジン1、インジェクタ群5、供給ポンプ4などを制御するコントローラ8と、エンジン1を駆動、停止させるキースイッチ10とを備える。コントローラ8は、キースイッチ10のオフ後、圧力センサ6が検出するコモンレール2内の圧力をもとに、減圧弁7を制御してコモンレール2内の圧力を減圧させる減圧弁制御部9を有する。なお、減圧弁7は、コモンレール2に近接配置してもよいし、コモンレール2と燃料タンク3との配管途中に設けてもよい。
コントローラ8は、エンジン1の状態を監視し、供給ポンプ4を駆動してコモンレール2内の圧力を所望の高圧に維持し、インジェクタ群5によって燃料の超高圧噴射および多段階噴射を行ってエンジン1の駆動制御を行う。
減圧弁制御部9は、図2に示すフローチャートにしたがって減圧弁制御処理を行う。減圧弁制御部9は、まず、キースイッチ10がオフされたか否かを判断し(ステップS101)、オフされた場合(ステップS101,Yes)、圧力センサ6が検出したコモンレール圧力Pに対応する初期の駆動デューティを決定する(ステップS102)。駆動デューティは、減圧弁制御部9から、減圧弁7を開にする指令を減圧弁7に送る周期である駆動周期Tに対する減圧弁7の開時間tの比率であり、駆動周期Tが一定の場合、減圧弁7の開時間tに対応する。したがって、初期の駆動デューティは、図4に示すように、減圧弁7の初期の開時間t1とする場合、t1/Tである。この初期の駆動デューティは、後述するように、1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxとコモンレール圧力Pとによって決定される。この初期の駆動デューティ(開時間t)と1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxとコモンレール圧力Pとの関係は、予め決定されており、関数あるいはマップなどで保存されている。したがって、この関係をもとに、圧力センサ6が検出したコモンレール圧力Pに対応する初期の駆動デューティ(開時間t)が一意に決定される。なお、駆動デューティは、駆動周期が同一であれば、開時間tと等価であるため、以降、駆動デューティに替えて開時間tで説明する。
初期の開時間t1が決定されると、この初期の開時間t1と、予め決定されている、制御部通電時間T0の終期の開時間tnとから、直線近似によって、初期の開時間t1と終期の開時間tnとの間に挟まれた、時間経過に伴う開時間tを決定する(ステップS103)。その後、これら決定した開時間tで減圧弁7を開にする駆動制御を行い(ステップS104)、本処理を終了する。
すなわち、図3に示すように、初期の開時間tがt1である場合、予め決定されている、制御部通電時間T0の終了の時点Tbにおける所望の減圧値に対応する開時間tnと、決定された開時間t1とを直線L1によって結び、時間に関して直線近似(直線補間)し、時間経過に伴う開時間tを簡易に求めるようにしている。したがって、開時間tは、直線的に単調増加したものとなる。なお、キースイッチオフ後のコモンレール2の圧力が低く、初期の開時間tがt3である場合、図3に示すように、開時間tnと開時間t3とを直線L3で近似し、時間経過に伴う開時間tを簡易に求める。なお、直線近似に限らず、単調増加するものであれば、どのような近似であっても適用することができる。
なお、図4は、キースイッチオフ後、制御部通電時間T0内での減圧弁7を開にする駆動デューティ(減圧弁の開時間)の時間変化を示すタイムチャートである。図4に示すように、減圧弁7は、駆動周期Tで駆動され、初期の駆動デューティt1/Tが決定されると、図3でも示したように、その後、時間経過とともに、駆動デューティが徐々に大きくなるように決定する。したがって、時間経過とともに、減圧弁7の開時間t1〜tnは、t1<t2<t3<t4<…<tnとなる関係をもつ。
ここで、上述した初期の開時間t1と1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxとコモンレール圧力Pとの関係について説明する。ステップS102では、コモンレール圧力Pが入力されると、初期の開時間t1が決定されるものであったが、この決定過程は、図5に示すフローにしたがって決定される。
図5に示すように、まず、コモンレール圧力Pは、減圧弁7の安全特性を示すマップM1に入力される。マップM1は、1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxのコモンレール圧力P依存性を示しており、特性曲線Laで示される。すなわち、Qmax=La(P)である。1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxは、コモンレール圧力Pが大きくなればなるほど、小さくなるという、減圧弁7の機械的使用や熱的使用などによって決定される。したがって、マップM1にコモンレール圧力P=P1が入力されると、特性曲線Laによって1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmax=Qmax(P1)が決定される。
この安全特性をクリアして決定されたQmax(P1)と入力されたP1は、減圧弁7の一般的な吐出性能を示すマップM2に入力される。マップM2は、初期の開時間tに対する1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxとコモンレール圧力Pとの依存性を示しており、特性曲面Saで示される。数式で表すと、t=Sa(Qmax,P)となる。ここで、マップM2には、Qmax(P1)とP1とが入力されるため、初期の開時間tが一意に決定される。すなわち、t1=Sa(Qmax(P1),P1)として決定されて、出力される。
図6はキースイッチオフ後の経過時間と、それに対応する減圧弁7の開時間tおよびコモンレール圧力Pの変化の関係を示した図である。図6に示すように、開時間tは、時間の経過とともに、大きくなり、これに伴って、コモンレール圧力Pも、P1から徐々に減少し、制御部通電時間T0が終了する時点Tb前の時点で所望の減圧値PLになる。
この実施の形態では、キースイッチオフ後、初期のコモンレール圧力Pに対応した1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxを満足する初期の駆動デューティ(初期の開時間t1)を決定し、この初期の駆動デューティ(開時間t1)と終期の駆動デューティ(開時間tn)とから直線近似で時間経過に伴う駆動デューティを簡易に決定しているので、短時間にコモンレール圧力Pを簡易かつ確実に減圧することができる。換言すれば、この実施の形態では、時間経過に伴う駆動デューティを直線近似によって大きくなるようにし、時間が経過しても減圧弁7からの流量を極力大きくしているので、短時間にコモンレール圧力Pを減圧することができる。
(変形例1)
上述した実施の形態では、時間経過に伴う開時間tを初期の開時間t1と終期の開時間tnとの直線近似によって決定するようにしていたが、この変形例1では、2番目以降の開時間tも、その都度、初期の開時間t1と同様な決定によって求めている。
図7は、変形例1の減圧弁制御部による減圧弁制御処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、減圧弁制御部9は、キースイッチ10がオフされたか否かを判断する(ステップS201)。キースイッチがオフの場合(ステップS201)、圧力センサ6が検出するコモンレール圧力を取得し(ステップS202)、このコモンレール圧力に対応した1駆動周期当たりの最大許容吐出量Qmaxを満足する駆動デューティ(開時間t)を決定する(ステップS203)。そして、この決定した駆動デューティ(開時間t)で減圧弁7を開にする駆動制御を行う(ステップS204)。その後、制御部通電時間T0内であるか否かを判断する(ステップS205)。制御部通電時間T0内である場合(ステップS205,Yes)には、さらに次の駆動周期Tでの駆動デューティを決定するために、上述したステップS202〜S204の処理を繰り返し、制御部通電時間T0内でない場合(ステップS205,No)には、本処理を終了する。
この変形例1では、各駆動周期毎にコモンレール圧力を検出して駆動デューティを決定しているので、精度の高い、駆動デューティの決定および減圧弁7の駆動制御を行うことができるとともに、短時間にコモンレール圧力を減圧することができる。
なお、上述した実施の形態および変形例1では、駆動周期Tを一定として駆動デューティを決定していたが、これに限らず、たとえば、高い繰り返し数のときにオンオフ切換損失や、電磁弁などの連続通電に伴う熱発生等を考慮し、駆動周期Tを、キースイッチオフ後のコモンレール圧力をもとにその都度、変更するようにしてもよい。
また、この実施の形態および変形例1では、減圧弁7をインジェクタ群5から独立して設けているので、インジェクタ機能に影響を与えずに、減圧弁7の能力である1駆動周期当たりの最大許容吐出量を自由に設定することができる。
1 エンジン
2 コモンレール
3 燃料タンク
4 供給ポンプ
5 インジェクタ群
6 圧力センサ
7 減圧弁
8 コントローラ
9 減圧弁制御部
10 キースイッチ

Claims (7)

  1. コモンレール内の圧力を燃料を流出させることで減圧させる減圧弁と、
    コモンレール内の圧力を検出する圧力センサと、
    エンジンを駆動、停止させるキースイッチと、
    前記キースイッチオフ後、該キースイッチオフ時に前記圧力センサが検出した圧力から初期の駆動デューティを決定するとともに、その後の時間経過に伴う駆動デューティを徐々に大きくする決定を行い、該決定した初期の駆動デューティを含む駆動デューティで前記減圧弁を開にする制御部と、
    を備えたことを特徴とするコモンレール減圧制御装置。
  2. 前記制御部は、時間経過に伴う駆動デューティを、前記キースイッチオフから当該制御部の通電がオフとなるまでの制御部通電時間内で前記コモンレール内の圧力が所定減圧値となるように決定することを特徴とする請求項1に記載のコモンレール減圧制御装置。
  3. 前記制御部は、前記キースイッチオフ時の圧力と1駆動周期当たりの最大許容吐出量と前記初期の駆動デューティとの関係を予め保持し、該保持する関係を参照して前記初期の駆動デューティを決定することを特徴とする請求項1または2に記載のコモンレール減圧制御装置。
  4. 前記制御部は、時間経過に伴う駆動デューティを、前記減圧弁を開閉する駆動周期毎に、前記圧力センサが検出する圧力から決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のコモンレール減圧制御装置。
  5. 前記制御部は、前記所定減圧値から終期の駆動デューティを決定し、前記制御部通電時間内における駆動デューティを時間経過に対して直線近似した駆動デューティとして前記駆動デューティを大きくすることを特徴とする請求項2または3に記載のコモンレール減圧制御装置。
  6. 前記制御部は、前記減圧弁を開閉する駆動周期を一定とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のコモンレール減圧制御装置。
  7. 前記制御部は、前記減圧弁を開閉する駆動周期を、前記キースイッチオフ時の圧力に応じて決定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のコモンレール減圧制御装置。
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