JP2013104306A - インペラの製造方法、インペラの製造装置、インペラ及び過給機 - Google Patents

インペラの製造方法、インペラの製造装置、インペラ及び過給機 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性に優れたインペラを効率よく製造することができるインペラの製造方法、インペラの製造装置の提供、及び耐久性に優れたインペラ、過給機の提供。
【解決手段】回転軸が嵌合される孔部24を有するコンプレッサインペラ21の製造方法において、第1の押圧部材31によって孔部24の内側からコンプレッサインペラ21を径方向に押圧しつつ、第2の押圧部材32によってコンプレッサインペラ21を軸方向両側から押圧することにより、コンプレッサインペラ21に対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与するという手法を採用する。
【選択図】図4

Description

本発明は、インペラの製造方法、インペラの製造装置、インペラ及び過給機に関するものである。
下記特許文献1には、過給機におけるインペラについて、より耐久性に優れたインペラを製造するための手法が開示されている。
この手法では、本格的な実働稼働までに、インペラを、その使用回転速度を超える回転速度で高速回転させることによって、過剰な遠心力を加えて、インペラの応力分布のうち引張応力が高く作用する部分(例えば、最大外径の根元付近の領域)を塑性変形させる。
その後、回転を停止させ、インペラにかかっていた遠心力による引張応力を解除すると、復元力により径方向に縮もうとする外径側と、塑性変形し径方向の位置を維持しようとする内径側との関係で、インペラの内部に圧縮残留応力が生じる。この圧縮残留応力は、インペラの製造過程で生じた引張残留応力を低減・相殺し、さらには、実稼働回転時かかる引張応力を低減することで、インペラの耐久性を向上させる。
特開2003−193996号公報
しかしながら、特許文献1の手法では、インペラを、その使用回転速度を超える回転速度で高速回転させるために、例えば専用のスピン装置にセットしなければならず、その段取りに手間がかかる。
また、特許文献1の手法では、過剰な遠心力をインペラに加えるため、圧縮残留応力付与の前後でインペラの寸法が変化してしまう。したがって、先ず、インペラを粗く加工し、当該圧縮残留応力付与後、寸法精度を整えるための後加工を必要とする。
このように、特許文献1の手法を採用する場合、当該手法がインペラの加工工程内に位置してしまうことから、段取り及び後加工のための手間がかかり、製造効率の低下を招くという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れたインペラを効率よく製造することができるインペラの製造方法、インペラの製造装置の提供、及び耐久性に優れたインペラ、過給機の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、回転軸が嵌合される孔部を有するインペラの製造方法において、第1の押圧部材によって上記孔部の内側から上記インペラを径方向に押圧しつつ、第2の押圧部材によって上記インペラを軸方向両側から押圧することにより、上記インペラに対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、第1の押圧部材による孔部内側からの径方向の押圧によりインペラに塑性変形を与えつつ、第2の押圧部材によって軸方向両側から押圧することにより、第1の押圧部材の押圧位置を起点とした径方向のインペラの弾性変形をさらに与えることができる。これにより、第1の押圧部材及び第2の押圧部材による荷重を解除すると、復元力により径方向に縮もうとする外径側と、塑性変形し径方向の位置を維持しようとする内径側との関係で、インペラの内部に圧縮残留応力が生じる。このため、インペラを高速回転させることなく、当該高速回転と略同様の圧縮残留応力をインペラに付与することができる。
また、本発明においては、上記第1の押圧部材による押圧の大きさは上記インペラの塑性域であり、上記第2の押圧部材による押圧の大きさは上記インペラの弾性域であるという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、インペラの径方向には塑性変形を与えつつ、インペラの軸方向には塑性変形を与えないようにすることができる。
また、本発明においては、上記第1の押圧部材は、上記孔部の径よりも拡径可能な拡径機構を有しており、上記第1の押圧部材を上記孔部に挿入後、上記孔部の内側で拡径させることにより、上記インペラを径方向に押圧するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、第1の押圧部材として拡径機構を備える部材を用いることで、孔部の内側から径方向への押圧を強めることができる。
また、本発明においては、上記回転軸周りに上記インペラを回転させたときの当該インペラの変形に基づいて、上記第1の押圧部材による押圧の大きさ及び第2の押圧部材による押圧の大きさを調整するという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、インペラを高速回転させたときと略同様の変形を第1の押圧部材及び第2の押圧部材によってインペラに与え、圧縮残留応力を付与することができる。
また、本発明においては、上記インペラは、コンプレッサインペラであるという手法を採用する。
この手法を採用することによって、本発明では、耐久性に優れたコンプレッサインペラを効率よく製造することができる。
また、本発明においては、回転軸が嵌合される孔部を有するインペラの製造装置において、第1の押圧部材によって上記孔部の内側から上記インペラを径方向に押圧する第1の押圧装置と、前記押圧をしつつ、第2の押圧部材によって上記インペラを軸方向両側から押圧することにより、上記インペラに対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与する第2の押圧装置と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、耐久性に優れたインペラを効率よく製造することができる。
また、本発明においては、回転軸が嵌合される孔部を有するインペラにおいて、第1の押圧部材によって上記孔部の内側から径方向に押圧されながら、第2の押圧部材によって軸方向両側から押圧されることにより、圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与されて製造されたという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、耐久性に優れたインペラを得ることができる。
また、本発明においては、先に記載のインペラを有する過給機を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、耐久性に優れた過給機を得ることができる。
本発明によれば、回転軸が嵌合される孔部を有するインペラの製造方法において、第1の押圧部材によって上記孔部の内側から上記インペラを径方向に押圧しつつ、第2の押圧部材によって上記インペラを軸方向両側から押圧することにより、上記インペラに対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与するという手法を採用することによって、インペラを高速回転させることなく、当該高速回転と略同様の圧縮残留応力をインペラに付与することができる。このため、インペラの加工工程を一貫して行えるようになり、また段取り時間を短縮することができる。
したがって、本発明では、耐久性に優れたインペラを効率よく製造することができる。また、本発明では、耐久性に優れたインペラ及びそのインペラを備え耐久性に優れた過給機を得ることができる。
本発明の実施形態における製造方法で製造されたインペラを備える過給機を示す断面図である。 本発明の実施形態における製造方法で製造されたコンプレッサインペラの例を示す断面図である。 本発明の実施形態におけるコンプレッサインペラの製造工程を経時的に示す図である。 本発明の実施形態におけるコンプレッサインペラの製造工程において用いられる押圧部材を示す図である。 応力状態の解析フェーズを説明するための図である。 スピンによる手法におけるフェーズ2の周方向応力及びフェーズ3の最大主応力の解析結果を示す図である。 アーバ1による手法におけるフェーズ2の周方向応力及びフェーズ3の最大主応力の解析結果を示す図である。 アーバ2による手法におけるフェーズ2の周方向応力及びフェーズ3の最大主応力の解析結果を示す図である。 各手法におけるフェーズ3の最大主応力と軸方向の位置とを示すグラフ及びそのグラフの最大値部分を拡大したグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の実施形態における製造方法で製造されたインペラを備える過給機1を示す断面図である。
過給機1は、不図示の内燃機関から供給される排気ガスに含まれる流動エネルギーを回転動力として回収するタービン10と、空気を圧縮して当該不図示の内燃機関に圧送するコンプレッサ20と、を有する。
タービン10のハウジング10aの内部には、排気ガスの流動によって軸周りに回転するタービンインペラ11が設けられ、コンプレッサ20のハウジング20aの内部には、空気を圧縮するコンプレッサインペラ21が設けられている。タービンインペラ11とコンプレッサインペラ21とは、軸受ハウジング2aの内部に設けられたインペラ軸(回転軸)2によって同軸で一体的に連結されている。
上記構成の過給機1によれば、不図示の内燃機関から供給される排気ガスに含まれる流動エネルギーを、タービンインペラ11の回転動力としてタービン10側で回収すると共に、当該回収した回転動力によってコンプレッサインペラ21を駆動させて、コンプレッサ20側で空気を圧縮し、当該不図示の内燃機関に圧送することができる。
図2は、本発明の実施形態における製造方法で製造されたコンプレッサインペラ21の例を示す断面図である。
本実施形態のコンプレッサインペラ21は、ラジアルインペラであり、ハブ22に複数のブレード23が設けられている。ブレード23の翼形状は、不図示の3次元的ねじれを含む所定の形状を有しており、このブレード23は、ハブ22の周方向に間隔をあけて複数設けられている。
コンプレッサインペラ21のハブ22の中央部には、インペラ軸2が嵌合される孔部24が形成されている。
孔部24の内面には、径方向外側に窪んだ溝部25が形成されている。溝部25は、軸方向における所定部位において、孔部24の内面に沿って周方向に形成されている。溝部25の頂点(最深部)25aは、軸方向において、ハブ22の最大外径に対応する位置から、所定距離だけリーディングエッジ23a側にずれた位置に形成されている。
溝部25は、コンプレッサインペラ21の内部に強化領域Aを形成する際に形成される窪みである。
なお、図2において、強化領域Aを概略的に図示する。強化領域Aは、後述する製造方法によって圧縮残留応力が付与される領域である。
強化領域Aを形成することにより、コンプレッサインペラ21に遠心力が作用していないとき(すなわちコンプレッサインペラ21が停止しているとき)に、常に圧縮応力がかかるようにすることができる。
このように、上記構成のコンプレッサインペラ21によれば、強化領域Aを有することにより、実稼働回転時かかる引張応力を、実質的に低減させることができるため、耐久性が向上することとなる。
なお、強化領域Aを形成した後は、必要に応じて溝部25を仕上げ加工により除去し、孔部24の内径を軸方向において一定(平行)にしてもよい。
続いて、上記構成のコンプレッサインペラ21を製造する方法及び装置について図3及び図4を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態におけるコンプレッサインペラ21の製造工程を経時的に示す図である。図4は、本発明の実施形態におけるコンプレッサインペラ21の製造工程において用いられる押圧部材を示す図である。
本手法では、先ず、図3(a)に示すように、溝部25が形成されていない孔部24を有するコンプレッサインペラ21を形成する。このコンプレッサインペラ21は、周知の手法、例えば、鋳造や機械加工等によって形成することができる。鋳造を用いる場合は、金属の熱収縮に起因するヒケ等により、コンプレッサインペラ21の内部に引張残留応力が生じ易い。一方、機械加工を用いる場合は、コンプレッサインペラ21の内部に引張残留応力が生じ難くなるが、所定の3次元的形状を形成するために、複雑な加工装置、例えば多軸マシニングセンタ等を必要とする。
次に、本手法では、図3(b)に示すように、このコンプレッサインペラ21に対して、圧縮残留応力を生じさせるための荷重を付与するべく、図4に示す製造装置(インペラの製造装置)40を用いる。この製造装置40は、第1の押圧部材31を備える第1の押圧装置41と、第2の押圧部材32を備える第2の押圧装置42と、を有する。
第1の押圧装置41は、第1の押圧部材31によって、孔部24の内側からコンプレッサインペラ21を径方向に押圧する構成となっている。また、第2の押圧装置42は、第2の押圧部材32によって、コンプレッサインペラ21を軸方向両側から押圧する構成となっている。
第1の押圧部材31としては、孔部24に挿入後、孔部24の内側で拡径可能な拡径機構を備えるものを採用することが好ましく、例えば、油圧式のマンドレルチャックを採用することができる。当該マンドレルチャックの周面に、上述した溝部25と相似形のマンドレルシェル31aを被せ、不図示の油圧装置により、マンドレルシェル31aを孔部24の径よりも大きく膨らませることにより、孔部24の内側からコンプレッサインペラ21を径方向に押圧することができる。マンドレルシェル31aとしては、孔部24の内側からコンプレッサインペラ21を径方向に押圧することができれば、金属材の他に、ゴムのような弾性材や、金属と弾性材の複合材等を採用することも可能である。
第1の押圧装置41は、第1の押圧部材31による径方向の押圧の大きさを、コンプレッサインペラ21の塑性域に設定している。これにより、コンプレッサインペラ21の最大外径の根元付近の領域である内径側を塑性変形させることができる。
また、第1の押圧部材31による径方向の押圧の大きさは、後述する従来手法の高速回転、すなわち、回転軸周りにコンプレッサインペラ21を回転させたときの当該インペラの変形に基づいて設定されている。
一方、第2の押圧部材32としては、コンプレッサインペラ21を軸方向両側から押圧可能なもの、例えば、万力等の工具あるいはプレス機等を採用することができる。
第2の押圧装置42は、第2の押圧部材32による軸方向の押圧の大きさを、コンプレッサインペラ21の弾性域に設定している。これにより、コンプレッサインペラ21の軸方向には塑性変形を与えないようにすることができる。
また、同様に、第2の押圧部材32による径方向の押圧の大きさは、後述する従来手法の高速回転、すなわち、回転軸周りにコンプレッサインペラ21を回転させたときの当該インペラの変形に基づいて設定されている。
図3(b)に戻り、このような第1の押圧部材31によって、孔部24内側からの径方向の押圧によりコンプレッサインペラ21に局部的な塑性変形を与えつつ、第2の押圧部材32によって軸方向両側からの押圧を加える。
そして、図3(c)に示すように、第1の押圧部材31及び第2の押圧部材32による押圧を解除すると、復元力により径方向に縮もうとする外径側と、塑性変形し径方向の位置を維持しようとする内径側との関係で、コンプレッサインペラ21の内部に、圧縮残留応力を生じさせる力が付与される強化領域Aが形成される。
このように、本手法によれば、コンプレッサインペラ21を高速回転させることなく、コンプレッサインペラ21を高速回転させる手法と略同様の変形によって、圧縮残留応力をコンプレッサインペラ21に付与することができる。また、本手法によれば、コンプレッサインペラ21を高速回転させることなく、圧縮残留応力をコンプレッサインペラ21に付与することができるため、コンプレッサインペラ21の加工工程を一貫して行えるようになり、段取り時間を短縮することができる。
したがって、本手法によれば、耐久性に優れたコンプレッサインペラ21を効率よく製造することができる。
以下、解析結果の比較により、本発明の効果をより明らかにする。
具体的には、従来の高速回転手法(以下、スピンと称する場合がある)と、第1の押圧部材31による荷重のみの手法、すなわち、スピン時の径方向の変形を模擬した強制変位のみを与える手法(以下、アーバ1と称する場合がある)と、本手法、すなわち、アーバ1に加えてスピン時の軸方向の変形を模擬した強制変位を加えた手法(以下、アーバ2と称する場合がある)と、の応力状態の解析結果を比較する。
上記3つの手法の応力状態を、3段階で確認した。
スピン手法を例に挙げると、図5(a)に示す圧縮残留応力付与時であるスピン時(以下、フェーズ1と称する場合がある)、図5(b)に示す圧縮残留応力付与後であるスピン後(以下、フェーズ2と称する場合がある)、図5(c)に示す圧縮残留応力付与後の最高回転時の3段階(以下、フェーズ3と称する場合がある)で、上記3つの手法の応力状態を確認した。
図6(a)は、スピンによる手法におけるフェーズ2の周方向応力の解析結果を示し、図6(b)は、スピンによる手法におけるフェーズ3の最大主応力の解析結果を示す。
図7(a)は、アーバ1による手法におけるフェーズ2の周方向応力の解析結果を示し、図7(b)は、アーバ1による手法におけるフェーズ3の最大主応力の解析結果を示す。
図8(a)は、アーバ2による手法におけるフェーズ2の周方向応力の解析結果を示し、図8(b)は、アーバ2による手法におけるフェーズ3の最大主応力の解析結果を示す。
図9(a)は、各手法におけるフェーズ3の最大主応力と軸方向の位置とを示すグラフであり、図9(b)は、インペラ内径根元付近における図9(a)で示す最大値部分を拡大したグラフである。
なお、図9に示す縦軸(σ1)は応力(MPa)を示し、横軸(Z)は軸方向の位置(mm)を示す。また、横軸(Z)における基準0は、ハブ22の最大外径に対応する位置に設定されており、−側がリーディングエッジ23a側である。
図7(a)に示すように、アーバ1による手法では、強制変位後に表面層には圧縮残留応力が入るが、コンプレッサインペラ21の表面層よりも外周側に引張残留応力が付与される領域Bが確認された。これは、スピン時の径方向の変形を模擬した強制変位のみでは、スピン時のような復元力により径方向に縮もうとする外径側の作用が働かず、塑性変形した内径側が元の位置に復元しようとした結果と考えられる。この引張残留応力があるため、最大回転時の応力抑制効果が半減し、スピンによる手法ほどには効果が得られなかった(図7(b)参照)。
一方、図8(a)に示ように、本手法、すなわち、アーバ1に加えてスピン時の軸方向の変形を模擬した強制変位を加えた手法では、アーバ1と比較して引張残留応力が付与される領域Bの減少が確認された。これは、径方向に加えて軸方向の強制変位を加えることにより、スピン時のような復元力により径方向に縮もうとする外径側の作用が働いた結果と考えられる。このように、本手法はアーバ1とは異なる特徴的な応力分布を有しており、最大回転時の応力抑制効果は、スピンによる手法と同等、またはそれ以上期待できる(図8(b)参照)。
このように、アーバ2による手法では、スピンによる手法を用いることなく、スピンによる手法と略同様の応力抑制効果が得られ、最高回転時でコンプレッサインペラ21を回したときの引張応力が低減されることが分かる。
したがって、上述の本実施形態によれば、回転軸が嵌合される孔部24を有するコンプレッサインペラ21の製造方法において、第1の押圧部材31によって孔部24の内側からコンプレッサインペラ21を径方向に押圧しつつ、第2の押圧部材32によってコンプレッサインペラ21を軸方向両側から押圧することにより、コンプレッサインペラ21に対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与するという手法を採用することによって、スピンさせることなく、当該スピンによる手法と略同様の圧縮残留応力を付与でき、耐久性に優れたコンプレッサインペラ21を効率よく製造することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、第1の押圧部材31を孔部24に挿入後、孔部24の内側で拡径させることにより、コンプレッサインペラ21を径方向に押圧すると説明したが、本発明はこの手法に限定されるものでなく、例えば、孔部24の径よりも太い径を有する圧入部材を、孔部24に圧入することにより、コンプレッサインペラ21を径方向に押圧する手法を採用してもよい。
また、例えば、上記実施形態では、本発明におけるインペラが、コンプレッサインペラ21である場合の製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、タービンインペラ11の製造方法に適用することもできる。また、ラジアルインペラに限らず、例えば、軸流インペラ等の製造方法にも本発明を適用することもできる。
1…過給機、2…インペラ軸(回転軸)、21…コンプレッサインペラ(インペラ)、24…孔部、31…第1の押圧部材、32…第2の押圧部材、40…製造装置(インペラの製造装置)、41…第1の押圧装置、42…第2の押圧装置

Claims (8)

  1. 回転軸が嵌合される孔部を有するインペラの製造方法において、
    第1の押圧部材によって前記孔部の内側から前記インペラを径方向に押圧しつつ、第2の押圧部材によって前記インペラを軸方向両側から押圧することにより、前記インペラに対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与することを特徴とするインペラの製造方法。
  2. 前記第1の押圧部材による押圧の大きさは前記インペラの塑性域であり、前記第2の押圧部材による押圧の大きさは前記インペラの弾性域であることを特徴とする請求項1に記載のインペラの製造方法。
  3. 前記第1の押圧部材は、前記孔部の径よりも拡径可能な拡径機構を有しており、
    前記第1の押圧部材を前記孔部に挿入後、前記孔部の内側で拡径させることにより、前記インペラを径方向に押圧することを特徴とする請求項1または2に記載のインペラの製造方法。
  4. 前記回転軸周りに前記インペラを回転させたときの当該インペラの変形に基づいて、前記第1の押圧部材による押圧の大きさ及び第2の押圧部材による押圧の大きさを調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインペラの製造方法。
  5. 前記インペラは、コンプレッサインペラであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインペラの製造方法。
  6. 回転軸が嵌合される孔部を有するインペラの製造装置において、
    第1の押圧部材によって前記孔部の内側から前記インペラを径方向に押圧する第1の押圧装置と、
    前記押圧をしつつ、前記第2の押圧部材によって前記インペラを軸方向両側から押圧することにより、前記インペラに対して圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与する第2の押圧装置と、を有することを特徴とするインペラの製造装置。
  7. 回転軸が嵌合される孔部を有するインペラにおいて、
    第1の押圧部材によって前記孔部の内側から径方向に押圧されながら、第2の押圧部材によって軸方向両側から押圧されることにより、圧縮残留応力を生じさせる荷重を付与されて製造されたことを特徴とするインペラ。
  8. 請求項7に記載のインペラを有することを特徴とする過給機。
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