JP2012017713A - インペラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸となるシャフトが嵌合される嵌合孔を有するインペラの製造方法であって、嵌合孔に差し込んだ冶具10によって嵌合孔の内部からインペラを押圧することにより、インペラに対して、圧縮応力が作用する強化領域を形成する。
【選択図】図2
Description
このインペラは、通常、回転軸となるシャフトに嵌合され、シャフトと共に回転駆動する。
より詳細には、インペラは、シャフトが嵌合するための嵌合孔を備えており、この嵌合孔にシャフトが嵌合されることによってシャフトと連結されている。
この引張応力が過剰に大きくなった場合には、インペラが破壊に至ることが知られている。このため、インペラの回転数は、回転時においてインペラに作用する引張応力に依存してその上限が設定されることとなる。
そして、特許文献1においては、インペラを装置に組み込まれた際の実用最大回転数の120%程度で回転させ、上述の最大外形の根元領域に大きな引張応力を意図的に作用させることによって、当該根元領域に圧縮応力を抽入する方法が提案されている。
例えば、具体的には、このような装置としては、一般的にスピン試験装置が用いられるが、スピン試験装置を用いる場合には、インペラの破損等に対して十分な安全を確保すべく、床部に大きな穴を形成し、この穴の内部でインペラを回転させている。このため、容易に持ち運びができない大掛かりな装置となる。
このため、本発明によれば、インペラを回転させることなく、インペラに対して圧縮応力を抽入することができる。
したがって、本発明によれば、従来のようにインペラに対して圧縮応力を抽入するために、インペラを高速回転させる必要がなく、スピン試験装置等の大掛かりな装置を用いる必要がない。
そして、本発明においては、嵌合孔に差し込む冶具によってインペラに対して圧縮応力が抽入されるため、上述のスピン試験装置等の大掛かりな装置に比べれば、遥かに簡易にインペラに対して圧縮応力を抽入することができる。例えば、本発明によれば、インペラが組み込まれる装置の組立て現場において、インペラに対して圧縮応力を抽入することができる。
よって、本発明によれば、インペラに対して圧縮応力を抽入するにあたり、その都度、スピン試験装置等の大掛かりな装置を用いる必要がないため、短時間で容易に圧縮応力を抽入することが可能となる。
このラジアルインペラ1は、図1に示す回転軸Lを中心として回転駆動されることによって、回転軸L方向から取込まれた流体を圧縮して半径方向に吐出するものである。
より詳細には、ベース部2は、先端が回転軸Lに向けて窄まり、周面が回転軸Lに向けて凹む湾曲形状を有している。
そして、ベース部2は、嵌合孔4に嵌合される不図示のシャフトの回転によって回転軸Lを中心として回転する。
これらのコンプレッサ翼3は、ベース部2の回転によって回転軸Lを中心として回転され、回転軸L方向のリーディングエッジ側から流れ込んだ流体を叩いて圧縮した後、トレーディングエッジ側から圧縮した流体を吐出する。
この嵌合孔4は、回転軸Lに重ねて設けられており、回転軸Lに沿ってベース部2を貫通して設けられている。
強化領域Rは、ラジアルインペラ1に対して遠心力が作用していない場合(すなわちラジアルインペラ1が停止している場合)に圧縮応力が作用している領域である。
つまり、ラジアルインペラ1が回転駆動した際の強化領域Rの強度が実質的に増加することとなる。
この冶具10は、図2に示すように、挿入部11と固定部12とを備えている。
根元部11bは、嵌合孔4の内部からラジアルインペラ1を押圧することにより、ラジアルインペラ1に対して強化領域Rを形成する部位である。この根元部11bは、挿入部11を嵌合孔4に対して完全に差し込んだ際に、強化領域Rを形成すべき領域(最大外形の根元領域)まで到達する長さを有している。
このため、本発明によれば、インペラを回転させることなく、インペラに対して圧縮応力を抽入することができる。
したがって、本実施形態のラジアルインペラ1の製造方法によれば、従来のようにラジアルインペラに対して圧縮応力を抽入するために、ラジアルインペラを高速回転させる必要がなく、スピン試験装置等の大掛かりな装置を用いる必要がない。
そして、本実施形態のラジアルインペラ1の製造方法においては、嵌合孔4に差し込む冶具10によってラジアルインペラに対して圧縮応力が抽入されるため、上述のスピン試験装置等の大掛かりな装置に比べれば、遥かに簡易にラジアルインペラに対して圧縮応力を抽入することができる。例えば、本実施形態のラジアルインペラ1の製造方法によれば、ラジアルインペラが組み込まれる装置の組立て現場において、ラジアルインペラに対して圧縮応力を抽入することができる。
よって、本実施形態のラジアルインペラ1の製造方法によれば、ラジアルインペラ1に対して圧縮応力を抽入するにあたり、その都度、スピン試験装置等の大掛かりな装置を用いる必要がないため、短時間で容易に圧縮応力を抽入することが可能となる。
ラジアルインペラ1の最大外形部分の根元領域は、ラジアルインペラ1が回転駆動した際に遠心力による引張応力の影響を最も受けやすい領域である。そして、この根元領域を強化領域Rとすることにより、効率的にラジアルインペラ1の実質的な強度を向上させることができる。
つまり、本実施形態のラジアルインペラ1の製造方法においては、冶具10を嵌合孔4に圧入するのみで強化領域Rを形成することができ、容易に強化領域Rを形成することが可能となる。
このような本実施形態のラジアルインペラ1の製造方法によれば、短時間で容易に圧縮応力が抽入されたコンプレッサインペラを製造することができる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、軸流インペラの製造方法に適用することもできる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、タービンインペラ等の他のインペラの製造方法に適用することもできる。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、コレットを有する冶具を用いて嵌合孔4の内部からラジアルインペラ1を押圧するようにしても良い。
このような場合には、嵌合孔4に沿う任意の根元領域に任意の分布で強化領域を形成することが可能となる。
また、上記実施形態においては、ラジアルインペラ1の最大外形部分の根元領域のみを強化領域Rとする構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、嵌合孔4周りの全領域を強化領域Rとしても良い。
Claims (4)
- 回転軸となるシャフトが嵌合される嵌合孔を有するインペラの製造方法であって、
前記嵌合孔に差し込んだ冶具によって前記嵌合孔の内部から前記インペラを押圧することにより、前記インペラに対して、圧縮応力が作用する強化領域を形成することを特徴とするインペラの製造方法。 - 前記インペラの最大外形部分の根元領域に前記強化領域を形成することを特徴とする請求項1記載のインペラの製造方法。
- 前記嵌合孔よりも大径の部位を有する前記冶具を前記嵌合孔に圧入することにより、前記嵌合孔の内部から前記インペラを押圧することを特徴とする請求項1または2記載のインペラの製造方法。
- 前記インペラは、コンプレッサインペラであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のインペラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010156677A JP2012017713A (ja) | 2010-07-09 | 2010-07-09 | インペラの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104847686A (zh) * | 2015-04-27 | 2015-08-19 | 江苏金通灵流体机械科技股份有限公司 | 一种高转速风机叶轮与主轴的扭矩传递结构 |
EP3756786A1 (en) * | 2019-06-24 | 2020-12-30 | Garrett Transportation I Inc. | Treatment process for a central bore through a centrifugal compressor wheel to create a zone of compressive residual hoop stress on a fractional portion of the bore length, and compressor wheel resulting therefrom |
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-
2010
- 2010-07-09 JP JP2010156677A patent/JP2012017713A/ja active Pending
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