JP5997937B2 - タービン動翼およびタービンロータの製造方法 - Google Patents

タービン動翼およびタービンロータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、蒸気タービンのタービン動翼およびタービンロータの製造方法に関する。
蒸気タービンのロータには、蒸気流を回転力に変換するために、ロータシャフトに取り付けられたロータディスクの外周に複数枚のタービン動翼が連結され、固定されている。
この連結の方式や形状に関してはさまざまな構造が開発されている。その一つとして、逆クリスマスツリー型の嵌め合い形状をもつ連結方式がある。この方式は、ロータ側と翼側の嵌合部に対応する凹凸(ネック部およびフック部)を持つ溝を設け、それぞれを嵌め合わせる方式である。
この逆クリスマスツリー型の嵌め合い構造では、タービンの回転時に、回転による遠心力が動翼に作用し、その遠心力によってロータと動翼の、ある向かい合った平面同士、つまり動翼側翼溝凸部(翼フック部)の外径側の平面と、ロータ側翼溝凸部(ロータフック部)の内径側の平面が接触し、その領域にはロータ側にも翼側にも、遠心力に応じた面圧が作用する。この面圧により、ロータおよび動翼の翼溝の凹部(ネック部)には形状に依存する応力集中が起こり、その結果として大きなピーク応力が発生する。このピーク応力が大きいと、ロータ側翼溝や動翼嵌合部の過大変形や、タービンの起動停止サイクルに起因する低サイクル疲労による損傷を引き起こしかねない。
また、上記の通り逆クリスマスツリー型の嵌め合い構造では、タービン回転時にその遠心力によってロータと動翼の、ある向かい合った平面同士、つまり動翼側翼溝凸部(翼フック部)の外径側の平面と、ロータ側翼溝凸部(ロータフック部)の内径側の平面が互いに接触しており、高い面圧が作用する。このような接触部においては、タービンの起動・停止や振動に起因する荷重変動やすべりにより、接触部端部でフレッティング疲労が発生する可能性がある。
またこれらの損傷は、応力状態のみならず、表面状態にも影響を受けることが知られている。
このような損傷の可能性は、設計時に十分に考慮され低減されているものの、更にその可能性を低減する手段として、高応力発生部に圧縮残留応力を付与すること、そして表面粗さを小さく仕上げることが有効である。高応力発生部に対し、製造段階で圧縮残留応力を付与する方法として、ショットピーニングやウォータジェットピーニング、レーザーピーニング、バニシングなどがある。
特許文献1では、鞍型と呼ばれるロータと動翼の連結方式において、ロータ側の翼溝への圧縮残留応力付与方法としてショットピーニングを用いた方法が開示されている。
特許文献2では、ノッチへのハードローリングおよびバニシング加工による圧縮残留応力付与方法が開示されている。
特開昭61−34302号公報 特表平08−507969号公報
従来の公知の技術である、ショットピーニングによる圧縮残留応力付与方法では、付与できる圧縮残留応力がバニシング加工よりも一般的に小さく、その深さ方向の分布もバニシング加工よりも一般的に浅い傾向にある。このことは、著者らが行った実験でも同様の傾向が示されている。また、ショットピーニング後の表面状態は、ショット粒の衝突による不規則な塑性変形のためその凹凸が大きくなり、表面粗さが大きくなるという問題がある。特許文献1では、その問題を改善するために、ショットピーニング後、ショットピーニング加工表面層を研磨成形加工により除去することで表面性状の改善を図っている。しかしながらこの技術では、表面に形成した必要な圧縮残留応力層を除去するおそれがあること、加工工程・加工時間がさらに増加する、すなわち加工コストが増大する可能性がある。
他の公知の技術である、バニシング(ハードローリング、ディープローリングとも呼ばれる)については、ショットピーニングよりも付与可能な圧縮残留応力は大きく、かつ深さ方向にもより深く圧縮残留応力を付与することが可能である。また、加工パスに沿った規則的な塑性変形を伴い、その塑性変形量は小さい利点がある。しかし、バニシング加工に用いるバニシングロールまたはバニシングボールの曲率半径は、被加工物のノッチの曲率半径よりも小さく設定する必要があり、ノッチの全領域、さらにはその領域を超えて接触部までバニシング加工する際には、相当数のバニシング加工パスを要する。すなわち加工時間の増加につながる。
バニシング加工におけるその他の課題としては、塑性変形量の大きさである。ショットピーニングよりは塑性変形量が小さいものの、やはりある程度圧縮残留応力を大きく付与しようとすると、塑性変形が生じる。接触端を含む接触領域で、大きな塑性変形が生じるような条件でバニシング加工をすると、設計時に想定した各フックの荷重分担割合が変化し、他箇所へ悪影響を及ぼしかねない。
上記の問題に関係して、バニシング加工工具の寿命の問題も挙げられる。例えば、バニシング加工工具の押し付け力を大きくすると、付与可能な圧縮残留応力は大きくなる。
しかしながら、圧縮残留応力を大きく付与するためにバニシング加工工具の押し付け力を大きくし過ぎると、バニシング加工工具の寿命が低下することが容易に予想される。バニシング加工工具の寿命が低下すると、バニシング加工工具を多量に使用しなければならなくなるため、加工コストの増大を招く。
そこで、本発明の目的は、翼溝部の荷重分担を変化させること無く必要な強度を確保でき、かつ加工時間の短縮やバニシング加工工具の寿命低下防止により加工コストを抑えた翼溝加工方法を提供することにある。
本発明は、翼フック部と翼ネック部を有する逆クリスマスツリー型の翼嵌合部を備え、該翼嵌合部は前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域と該曲面領域に続く前記フック部の外径側接触部を含む平面領域を有するタービン動翼の製造方法であって、前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値が、前記フック部の外径側接触部を含む平面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値より大きくなるようにバニシング加工の加工条件を設定し、前記平面領域内におけるバニシング終了点を、ロータフック部との接触端を越えて接触領域内に設定することを特徴とする。
本発明は、ロータフック部とロータネック部を有してタービン動翼の逆クリスマスツリー型翼嵌合部と嵌合するロータ側翼溝を備え、該ロータ側翼溝は前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域と該曲面領域に続く前記ロータフック部の内径側接触部を含む平面領域を有するタービンロータの製造方法であって、前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値が、前記ロータフック部の内径側接触部を含む平面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値より大きくなるようにバニシング加工の加工条件を設定し、前記平面領域内におけるバニシング終了点を、フック部との接触端を越えて接触領域内に設定することを特徴とする。
本発明によれば、圧縮残留応力を付与する際に、大きなピーク応力が発生するネック部には大きな圧縮残留応力を、フレッティング疲労の可能性がある接触端を含む接触領域には塑性変形を極力小さく抑えることができる条件の中で最大の圧縮残留応力を付与することにより、荷重分担を変化させることなく必要な強度を確保し、かつ表面粗さを小さくすると同時に加工時間の短縮やバニシング加工工具の寿命低下防止による加工コストの低減を達成することが可能となる。
発電設備を示す概略図である。 タービン回転時の翼嵌合部を示す図である。 翼嵌合部の拡大図と、遠心力により発生するロータ側翼溝のミーゼス応力分布と実施例1適用時のバニシング加工パス間隔を示す図である。 実施例1適用時の翼溝内経路上の残留応力分布と変形量分布の模式図である。 実施例1を実現するバニシング加工装置を示す図である。 バニシング加工工具の先端を示す図である。 翼嵌合部の拡大図と、遠心力により発生するロータ側翼溝のミーゼス応力分布と実施例2適用時のバニシング加工パス間隔を示す図である。 実施例3適用時の翼溝軸方向バニシング加工領域を示す図である。 翼嵌合部の拡大図と、遠心力により発生する動翼側翼溝のミーゼス応力分布と実施例4適用時のバニシング加工工具押し付け応力を示す図である。
本発明は、翼溝部の荷重分担を変化させること無く必要な強度を確保するという目的に対し、バニシング加工条件およびバニシング加工領域を加工パス毎に、あるいは加工パス内で適切に設定することにより、上記の目的を達成し、かつ従来の単一条件によるバニシング加工より加工時間と加工コストを低減できる。
本発明は、逆クリスマスツリー型の翼連結部をもつ蒸気タービンの翼溝部を、バニシングにより圧縮残留応力を付与する際に、動翼側翼溝において、ネック部を構成する曲面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値が、平面から構成される接触端を含む接触領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値より大きくなるように加工条件を設定する。
または、逆クリスマスツリー型の翼連結部をもつ蒸気タービンの翼溝部を、バニシングにより圧縮残留応力を付与する際に、ロータ側翼溝において、ネック部へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値が、接触端を含む接触領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値より大きくなるように加工条件を設定する。
本発明によれば、圧縮残留応力を付与する際に、大きなピーク応力が発生するネック部には大きな圧縮残留応力を、フレッティング疲労の可能性がある接触端を含む接触領域には塑性変形を極力小さく抑えることができる条件の中で最大の圧縮残留応力を付与することにより、荷重分担を変化させることなく必要な強度を確保し、かつ表面粗さを小さくすると同時に、加工時間の短縮やバニシング加工工具の寿命低下防止による加工コストの低減を達成することが可能となる。
すなわち、ネック部ではバニシング加工に応じて塑性変形が生じ、その形状から決定されるピーク応力が発生するも、荷重分担へ影響しないため、大きな圧縮残留応力を付与することを優先させる。
一方、接触端を含む接触領域に関しては、ネック部と比較して、発生するピーク応力は小さいため、接触端を含む接触領域に付与する圧縮残留応力はネック部より小さくて構わない。しかしながらネック部とは異なり、圧縮残留応力付与時の塑性変形量が大きいと荷重分担状況が設計値から変化し、他部位に設計とは異なる荷重が作用しかねないために、接触領域における塑性変形を極力抑える条件の中で最大の圧縮残留応力を付与することで、荷重分担を変化させることなく、翼溝内の位置に応じて必要な強度を確保することができる。
上記の効果、すなわち圧縮残留応力の大小は、バニシング加工パス間隔の疎密や、バニシング加工工具の押し付け力の大小、バニシング加工工具の送り速度の大小、といった加工条件により制御することが可能である。単一条件でのバニシング加工は、例えば、バニシング加工パスの間隔を密にして、ネック部および接触部についてバニシング加工を実施した場合、ネック部にはその位置に適した大きな圧縮残留応力が付与できる。一方の接触領域には、大きな残留応力が付与できる反面、塑性変形が大きくなり、荷重分担の変化を招く。さらには加工領域が大きいために加工時間が大きい。逆に、塑性変形を極力抑える条件すなわちバニシング加工パス間隔を疎にして、ネック部と接触部についてバニシング加工を実施すると、塑性変形は小さくでき、加工時間も加工パスを密に設定した場合より短縮可能であるが、付与した圧縮残留応力は、ネック部において必要とする圧縮残留応力には届かない。これらの条件を、バニシング加工を実施する領域内で積極的に変化させることで、被加工物に付与する圧縮残留応力の大小を制御し、加工時間の短縮を図ることができる。
以下、本発明の実施例を図面を用いて適宜説明する。
本発明の第1の実施例を図1から図3に基づいて説明する。なお、既述の図と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する。
図1は本発明の実施形態に係る蒸気タービン設備の一例を示した図であり、蒸気タービンのタービンロータ付近の概略図である。図1に示す蒸気タービン設備は、蒸気タービンを利用して電力を発生させるもので、蒸気によって回転される蒸気タービンロータを備えている。このタービンロータは、ロータシャフト1と、ロータシャフト1の軸方向に複数取り付けられたロータディスク2と、ロータディスク2の周方向に複数固定されたタービン動翼3を備えている。本発明は動翼とロータの連結部として逆クリスマスツリー型を採用している翼嵌合部に適用される。
図2はタービン回転時のロータディスク2とタービン動翼3の連結部の状態を、ロータ軸方向から見た図である。タービン動翼3は、翼部30と動翼側嵌合部31を備えている。動翼側嵌合部31は前述のとおり、逆クリスマスツリー型に形成されている。図のように、動翼側嵌合部31にはタービンロータの外径方向に向かって、翼ネック部(凹部)32a〜32dと翼フック部(凸部)33a〜33dが交互に複数段存在する。
これらと嵌め合わさりロータと動翼を連結するために、ロータ側にもロータ軸方向にロータ側翼溝21が形成されている。これらの溝は、ロータディスク2の外周に周方向に所定の間隔で複数設けられている。動翼側嵌合部31に対応してロータ側翼溝21にも、タービンロータの外径方向に向かって、ロータネック部(凹部)22a〜22dとロータフック部(凸部)23a〜23dが交互に複数段存在する。すなわち、ロータネック部(凹部)22a〜22dは翼フック部(凸部)33a〜33dと、ロータフック部(凸部)23a〜23dは翼ネック部(凹部)32a〜32dとそれぞれ係合し、ロータ側翼溝21と動翼側嵌合部31が嵌め合わさることで動翼はロータに連結され、同時に固定される。
なお、図2ではネック部とフック部がそれぞれ4段ずつ設けられているが、本発明では段数は特に限定されるものではない。
図2に示されるように、タービン回転時には、タービン動翼3に回転による遠心力が作用し、この遠心力はタービン動翼3をタービンロータの外径方向に移動させる。このときに、翼フック部33の外径方向を向いた面である動翼側嵌合部接触部を含む平面領域34の一部分とロータフック部23の内径方向を向いた面であるロータ側翼溝接触部を含む平面領域24の一部分とが面状に接触する。
図3を用いて本発明の実施例を説明する。バニシング加工パス間隔の疎密により圧縮残留応力の大小を制御した例を以下に述べる。図3は、ロータ側翼溝と翼側翼溝の嵌合状態を拡大した図であり、本発明をロータ側翼溝へ適用している。図3(a)はロータ側翼溝21の、ロータネック部22とロータ側翼溝接触部を含む平面領域24を拡大した図であり、ロータ翼溝断面に沿って経路を定義し、ロータネック部円弧入口をp1(つまり曲面領域入口)、ロータネック部円弧出口(つまり平面領域入口)をp2、平面領域内の動翼フック部との接触端をp3、接触領域内のバニシング終了点をp4とする。図3(b)は図3(a)に示したロータ側翼溝断面経路上の、遠心力により発生するミーゼス応力σmsの分布、フレッティング疲労による損傷の可能性(これをフレッティングポテンシャルfとする)の分布と、バニシング加工パス間隔を示すそれぞれ模式図である。
ロータ側翼溝接触部を含む平面領域24のうち、バニシング加工を実施する領域を平面領域内バニシング領域25とする。平面領域内バニシング領域25は、ロータ側翼溝接触部を含む。すなわち、本発明では、バニシング終了点p4が必ず動翼フック部との接触端p3を超えて接触領域内に存在することが特徴である。
図3(a)に示すロータ側翼溝21の、遠心力により発生するミーゼス応力σmsの分布を図3経路上の分布を図3(b)上図に示す。この図より、ロータネック部22の凹部を構成する曲面領域である円弧部p1とp2間に、大きなミーゼス応力σmsが発生している。この領域には、大きな圧縮残留応力の付与が望まれる。そこで、ロータネック部22を構成する円弧部p1とp2間のバニシング加工パスを密、つまり加工パス間隔を小に設定する。また、接触端p3付近ではフレッティングポテンシャルが高いため、やはり圧縮残留応力の付与が望まれるが、圧縮残留応力が大きすぎると、塑性変形が大きくなり荷重分担が変化する可能性がある。そのため、塑性変形量を小さく抑える条件内で、圧縮残留応力を付与する。つまり、ロータネック部22のp1とp2間の曲面領域のバニシング加工パスよりも、平面領域内バニシング領域25のバニシング加工パスを疎、つまり加工パス間隔を大に設定している。
バニシング加工パスの疎密は、発生する圧縮残留応力の大きさと深さ方向への分布に影響を与える。図3中に示したロータ側ネック部の入口p1からロータ側翼溝接触部を含む平面領域内のバニシング終了点p4までの経路上の付与圧縮残留応力分布と加工工具押し付け方向のロータ翼溝の塑性変形量について図4に示す。この図の残留応力分布から分かるように、バニシングによる圧縮残留応力付与領域内において、ロータネック部の圧縮残留応力の絶対値が、接触端を含む接触領域の圧縮残留応力の絶対値よりも大きいことと、接触端付近のフレッティングポテンシャルが高い領域への塑性変形を極力抑えた圧縮残留応力付与が本発明の特徴である。本実施例では、バニシング加工領域内で、ロータネック部から接触領域にかけて圧縮残留応力が滑らかに小さくなるように加工される。なお、バニシング加工領域内は、バニシング加工未実施の領域、またはバニシング加工前の残留応力より、圧縮残留応力の絶対値が大きくなるよう加工されている。なお、以降の説明において圧縮残留応力の大小関係は、符号に関らず絶対値で比較するものとする。
また、図4の塑性変形量と残留応力を照らし合わせてみると、圧縮残留応力を大きく発生させると、塑性変形量も大きくなることがわかる。ネック部は変形すると応力集中が変化し、その結果ピーク応力値が変化する。この応力集中は、形状により予測可能であり、また荷重分担が変化するなどの他の部分への影響を伴わない。一方、接触端を含む接触領域に関しては、圧縮残留応力付与に大きな塑性変形を伴うと、設計時の接触面積から減少することから、荷重分担の割合が変化し、予期しない荷重分担となりかねない。そこで塑性変形を小さく抑える条件内で、圧縮残留応力が最大になる条件でバニシング加工する。
付与する圧縮残留応力の大きさは、バニシング加工パス間隔の疎密にて制御することができる。圧縮残留応力を大きく発生させたいネック部では、バニシング加工パス間隔を密に設定する。一方、圧縮残留応力を大きく発生させるよりも塑性変形量を小さく抑えたい接触領域では、バニシング加工パス間隔を疎に設定する。
本加工方法により荷重分担を変化させること無く、必要な強度を確保した翼溝部の加工が可能になる。また、圧縮残留応力を大きく付与する、バニシング加工パス間隔を密とした単一条件でネック部および接触領域を加工した場合に比べて、加工時間を短縮することができる、すなわち、加工コストを低減することが可能となる。
上記事柄を整理すると、圧縮残留応力を付与する際に、ネック部ではタービン回転時に発生するピーク応力が大きいため、大きな圧縮残留応力を必要とする。ネック部の場合は、塑性変形が存在しても、荷重分担には影響を及ぼさないため、その部位における圧縮残留応力を大きくして、発生するピーク応力低減を優先させる。一方、接触端を含む接触領域では、ネック部と比較して発生するピーク応力は小さいためネック部ほど圧縮残留応力を必要とせず、また、ネック部と比較して塑性変形による荷重分担変化への感度が高いために、その部位の圧縮残留応力をネック部よりも小さくなるよう付与し、塑性変形を極力低減しその範囲内で最大の圧縮残留応力を付与する。このように荷重分担に影響を与えずに必要な強度を確保できる。
翼溝断面方向の圧縮残留応力分布は、図4に示したように凹部から接触端およびその先の接触領域にかけて滑らかに低下する場合に限定されるものではなく、2段平行部をもつ分布やさらに多段の分布形状であっても本発明と同様の効果が得られる。
バニシング加工で加工パス間隔の疎密により本発明の圧縮残留応力分布を実現する方法について以下に述べる。
バニシング加工装置は、図5に示すように、ロータ支持台41、ロータ回転装置42、工具支持台移動ステージ43、バニシング工具44、工具支持台45、工具位置およびロータ回転角度制御盤46で構成される。バニシング工具の一形状例を図6に示す。バニシング工具先端はバニシングローラ47またはバニシングボール48になっており、ローラ円周部は曲率をもった形状になっている。この曲率半径ρは、施工対象、この場合はロータ翼溝内のロータネック部の曲率半径Rよりも小さいことが望ましい。施工対象部の曲率半径Rに対して、ρ=0.1〜0.8Rが望ましい。使用するバニシング加工工具の形状は、図6のみに限定されるものではない。
バニシング工具44は、工具支持台45に取り付けられ、工具支持台45は工具位置およびロータ回転角度制御盤46の指示値により3軸方向(xyz方向)へ移動することが可能である。バニシング加工時にバニシング工具44をy方向に動かす距離(これを加工パス間隔pと呼ぶ)を制御することにより所定の圧縮残留応力分布を得ることができる。
すなわち、本発明内容であるロータネック部の圧縮残留応力を接触端および接触領域よりも大きく付与するには、ロータネック部の加工パス間隔pnを接触領域の加工パス間隔pcよりも密にするとよい。加工パス間隔pはバニシング加工工具のローラ部の曲率半径ρに対して、0.03ρ〜0.20ρであるのが望ましい。
目標とする圧縮残留応力分布及び塑性変形量を得るためには、加工条件(工具押し付け力や工具送り速度、加工パス間隔など)と施工結果(圧縮残留応力や塑性変形量など)に相関があるのであらかじめ予備試験によりこれらの相関データを取得しておけば、そのデータを用いて高精度に施工が可能となる。
このように加工パス間隔を制御することで高精度に圧縮残留応力分布と塑性変形量を制御することができる。このことは、同じ面積をバニシング加工する際に、単一のバニシング加工パス間隔で加工を実施する場合よりも、加工パス間隔の疎密を制御することで、加工ライン数を小さくすることができる、すなわち加工時間の短縮を図ることができるので、加工コスト低減へ効果がある。
蒸気タービンの動翼とロータの翼溝部の発生応力に応じて、効率的に目標の圧縮残留応力を付与し、かつ表面粗さを低減するという目的に対し、バニシング加工条件をバニシング加工領域内で、加工パス毎に、あるいは加工パス内で、適切に設定することにより、上記の目的を達成し、かつ従来の単一条件によるバニシング加工より加工時間の短縮を図ることができ、それが加工コストの低減につながる。
また本実施例はタービンロータ側で説明したが、タービン動翼側の翼溝部においても同様に適用できる。
次に本発明を、ロータネック部を構成する円弧が2円弧であるロータ側翼溝部に適用した実施例について説明する。図7は、ロータ側翼溝と翼側翼溝の嵌合状態を拡大した図であり、本発明をロータ側翼溝へ適用している。図7(a)はロータ軸方向から見たロータ側翼溝21のロータネック部を構成する2円弧26、27とロータ側翼溝接触部を含む平面領域24を拡大した図であり、ロータ翼溝断面に沿って経路を定義し、ロータネック部を構成する第1円弧入口をp1、第1円弧と第2円弧の接続点をp2、第2円弧出口(つまり平面領域入口)をp2′、平面領域内の動翼フック部との接触端をp3、接触領域内のバニシング終了点をp4とする。図7(b)はロータ側翼溝断面経路上の、遠心力により発生するミーゼス応力σmsの分布と、バニシング加工パス間隔を示すそれぞれ模式図である。本実施例では、ロータネック部22の曲面領域が2円弧から構成されており、この実施例では、ロータネック部22を構成する内径側の第1円弧26の半径をR1、外径側の第2円弧27の半径をR2とすると、R1<R2である。ロータ側翼溝接触部を含む平面領域24のうち、バニシング加工を実施する領域を平面領域内バニシング領域25とする。平面領域内バニシング領域25は、ロータ側翼溝接触部を含む。本発明では、バニシング終了点p4が必ず動翼フック部との接触端p3を超えて接触領域内に存在することが特徴である。
図7(b)の上図より、本実施例では、第1円弧内の、第1円弧と第2円弧の接続点p2付近において、遠心力により発生するミーゼス応力が最大となる。この領域に、最大の圧縮残留応力を付与することが望ましい。また、第1円弧と第2円弧の接続点p2から、第2円弧出口p2′にかけても大きなミーゼス応力が発生する。この領域には、前述の最大圧縮残留応力ほどではないが、大きく圧縮残留応力を付与することが望ましい。そして、動翼フック部との接触端p3付近において、フレッティングポテンシャルが最大となるため、この領域にも圧縮残留応力を付与することが望ましい。
そこで、図7(b)下図に示すように、ロータネック部22の第2円弧27を含む曲面領域のバニシング加工パス間隔を密(つまり加工パス間隔を小)に、ロータネック部22の第1円弧26を含む曲面領域のバニシング加工パス間隔をさらに密(つまり加工パス間隔を最小)に、ロータ側翼溝接触部を含む平面領域内バニシング領域25のバニシング加工パス間隔を曲面領域よりも疎(つまり加工パス間隔を大)に設定する。これにより、バニシングによる荷重分担変化を起こさずに、翼溝位置内で適切な圧縮残留応力の付与が可能となる。
先に有限要素モデルによる解析を実施し、応力分布を鑑み変化させうるバニシング加工条件として加工パス間隔を調整することにより、加工時間を低減し、結果として加工コストを抑えることにもつながり、かつ高応力発生部に効果的に圧縮残留応力を付与された信頼性の高い蒸気タービンを提供することが可能となる。
また、本発明の別の実施例について説明する。図8は、本発明を適用した、4段のロータネック部22およびロータフック部23からなるロータ側翼溝21の翼背側の軸方向形状を示す図である。図中のl1からl4は軸方向バニシング加工範囲5を示す。ロータ側翼溝21断面からみたバニシング加工領域は、ロータネック部22のみでも、ロータネック部22とロータ側翼溝接触部24でも、任意に選択できる。その軸方向のバニシング加工範囲について、一番内径側にあるロータネック部付近のバニシング加工範囲をl1、外径方向にロータネックの段数を数えて、本実施例では一番外径側のロータネック部は4段目にあたりこのロータネック部付近のバニシング加工範囲をl4とする。有限要素モデルによる弾性解析結果では、ロータネック部の最大ミーゼス応力がある規定応力σ以上になる範囲を調べると、内径側が一番軸方向の範囲が小さく、外径方向に段が進むにつれてその範囲が大きくなることが分かった。つまり、l1≧l2≧l3≧l4を満たす範囲に絞ってバニシング加工することで、より一層の加工時間短縮につながり、加工コストの低減を図ることができる。
なお、本実施例は、実施例2と組み合わせて使用することもできる。また本実施例はタービンロータ側で説明したが、タービン動翼の翼嵌合部側も同様に適用できる。
以上は、加工パス間隔の調整と、軸方向の加工範囲の調整により、加工時間の低減をはかる実施例である。この他の加工中に変化させうる加工条件としては、バニシングローラまたはバニシングボールの押し付け力やバニシング加工工具の軸方向送り速度などが挙げられる。これらの加工条件を併せて、あるいは単独で変化させバニシング加工を行っても、目的とする圧縮残留応力の付与と加工時間短縮を同時に達成できる。加工条件から付与される圧縮残留応力の大きさやその深さ方向の分布、表面粗さ、元の形状からの変形量は、FEM解析および要素試験などから傾向が把握できるので、それらを基に加工条件を選択するのが望ましい。
翼溝内位置により異なる目的の圧縮残留応力付与を達成する他の方法として、バニシング加工工具の押し付け力を変化させた例を以下に述べる。
図9は、ロータ側翼溝と翼側翼溝の嵌合状態を拡大した図であり、本発明を動翼側翼溝へ適用している。図9(a)は動翼側嵌合部31の、翼ネック部32と動翼側翼溝接触部を含む平面領域34を拡大した図であり、動翼側翼溝断面に沿って経路を定義し、翼ネック部円弧入口をp1、翼ネック部円弧出口(つまり平面領域入口)をp2、平面領域内のロータフック部との接触端をp3、接触領域内のバニシング終了点をp4とする。図9(b)は図9(a)に示した動翼側翼溝断面経路上の、遠心力により発生するミーゼス応力σmsの分布と、バニシング加工パス間隔を示すそれぞれ模式図である。図9(a)は動翼側嵌合部31の、翼ネック部32と動翼側翼溝接触部を含む平面領域34を拡大した図である。動翼側翼溝接触部を含む平面領域34のうち、バニシング加工を実施する領域を平面領域内バニシング領域35とする。平面領域内バニシング領域35は、動翼側翼溝接触部を含む。本発明では、バニシング終了点p4が必ずロータフック部との接触端p3を超えて接触領域内に存在することが特徴である。
図9(b)の上図より、本実施例では、翼ネック部32を構成する円弧部p1とp2間に、大きなミーゼス応力σmsが発生している。この領域には、大きな圧縮残留応力の付与が望まれる。また、ロータフック部との接触端p3付近において、フレッティングポテンシャルが最大となるため、この領域にも圧縮残留応力を付与することが望ましい。
そこで図9(b)の下図に示すようにバニシング加工工具押し付け応力を設定する。ここでバニシング加工工具押し付け応力σpとは、バニシング加工工具押し付け力をバニシングローラまたはバニシングボールの曲率半径ρから算出する面積A=πρ2で除した値として定義する。この値は応力の単位を持つ。
翼ネック部32を構成する円弧領域p1とp2間のバニシング加工工具押し付け応力を大きく、かつ、フレッティングポテンシャルが大きい接触端p3付近の領域については、塑性変形を小さく抑える条件内で最大の圧縮残留応力を付与できるバニシング加工工具押し付け応力を選択する。つまり、翼ネック部のバニシング加工区間をバニシング加工する際のバニシング加工工具押し付け応力を、バニシング加工区間をバニシング加工する際のバニシング加工工具押し付け応力よりも大きくしている。バニシング加工工具押し付け応力の大小は、発生する圧縮残留応力の大きさと深さ方向への分布に影響を与える。より大きな圧縮残留応力の付与を目的とする翼ネック部32を構成する円弧部p1とp2間については、バニシング加工工具押し付け応力を大にすることで、動翼側翼溝接触部を含む平面領域内バニシング領域25よりも大きな圧縮残留応力を付与することが可能である。このように目的とする圧縮残留応力の大きさに応じてバニシング加工工具押し付け応力を選択することにより、翼溝内位置により異なる目的の圧縮残留応力付与を達成可能となり、かつ単一バニシング加工工具押し付け応力で加工するよりも加工工具の寿命低下を防止でき、加工コストの低減が可能となった。
上記実施例に関して、低サイクル疲労寿命の長寿命化に効果のあるバニシング加工工具押し付け応力には上限があることが、著者らの実験により判明している。バニシング加工工具押し付け応力を、40〜50MPaと設定した場合には、低サイクル疲労寿命の長寿命化の効果が大きかった。一方、バニシング加工工具押し付け応力を、70〜75MPaと大きくしても、低サイクル疲労寿命の長寿命化の効果は得られなかった。
上記の実施例は、実施例1で示すような、加工パス間隔制御による圧縮残留応力制御の方法と組み合わせて実施することももちろん可能であることは言うまでもない。
本実施例はタービン動翼側で説明したが、タービンロータ側においても同様に適用できる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は、蒸気タービンの他、逆クリスマスツリー型の嵌め合い構造を連結部に採用するガスタービン等にも適用することが可能である。
1 ロータシャフト
2 ロータディスク
3 タービン動翼
4 バニシング加工パス
5 軸方向バニシング加工範囲
21 ロータ側翼溝
22a〜22d ロータネック部
23a〜23d ロータフック部
24、34 平面領域
25、35 平面領域内バニシング領域
26 第1円弧
27 第2円弧
30 翼部
31 動翼側嵌合部
32 翼ネック部
33 翼フック部
41 ロータ支持台
42 ロータ回転装置
43 工具支持台移動ステージ
44 バニシング工具
45 工具支持台
46 工具位置およびロータ回転角度制御盤
47 バニシングローラ
48 バニシングボール
p1 ネック部を構成する円弧入口
p2 ネック部を構成する円弧出口
p2′ ネック部を構成する第2円弧出口
p3 接触端
p4 接触領域内のバニシング終了点

Claims (12)

  1. 翼フック部と翼ネック部を有する逆クリスマスツリー型の翼嵌合部を備え、該翼嵌合部は前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域と該曲面領域に続く前記フック部の外径側接触部を含む平面領域を有するタービン動翼の製造方法であって、
    前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値が、前記フック部の外径側接触部を含む平面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値より大きくなるようにバニシング加工の加工条件を設定し、
    前記平面領域内におけるバニシング終了点を、ロータフック部との接触端を越えて接触領域内に設定することを特徴とするタービン動翼の製造方法。
  2. 請求項1に記載のタービン動翼の製造方法において、
    前記加工条件は、バニシング加工パス間の間隔であることを特徴とするタービン動翼の製造方法。
  3. 請求項2に記載のタービン動翼の製造方法において、
    前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工パス間の間隔を前記翼フック部の外径側接触面領域のバニシング加工パス間の間隔よりも小さくすることを特徴とするタービン動翼の製造方法。
  4. 請求項1に記載のタービン動翼の製造方法において、
    前記加工条件は、バニシング加工工具の押し付け力であることを特徴とするタービン動翼の製造方法。
  5. 請求項4に記載のタービン動翼の製造方法において、
    前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工工具の押し付け力を前記翼フック部の外径側接触部を含む平面領域のバニシング加工工具の押し付け力よりも大きくすることを特徴とするタービン動翼の製造方法。
  6. 請求項5に記載のタービン動翼の製造方法において、
    前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工工具の押し付け力をバニシングロールまたはボールの曲率半径ρより算出する面積A=ρ2πで除した値が70MPaを超えない値となるように、前記翼ネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工工具の押し付け力、およびバニシングロールまたはボールの曲率半径ρを設定することを特
    徴とするタービン動翼の製造方法。
  7. ロータフック部とロータネック部を有してタービン動翼の逆クリスマスツリー型翼嵌合部と嵌合するロータ側翼溝を備え、該ロータ側翼溝は前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域と該曲面領域に続く前記ロータフック部の内径側接触部を含む平面領域を有するタービンロータの製造方法であって、
    前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値が、前記ロータフック部の内径側接触部を含む平面領域へ付与する半径方向圧縮残留応力の絶対値より大きくなるようにバニシング加工の加工条件を設定し、
    前記平面領域内におけるバニシング終了点を、フック部との接触端を越えて接触領域内に設定することを特徴とするタービンロータの製造方法。
  8. 請求項7に記載のタービンロータの製造方法において、
    前記加工条件は、バニシング加工パス間の間隔であることを特徴とするタービンロータの製造方法。
  9. 請求項8に記載のタービンロータの製造方法において、
    前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工パス間の間隔を前記ロータフック部の内径側接触部を含む平面領域のバニシング加工パス間の間隔よりも小さくすることを特徴とするタービンロータの製造方法。
  10. 請求項7に記載のタービンロータの製造方法において、
    前記加工条件は、バニシング加工工具の押し付け力であることを特徴とするタービンロータの製造方法。
  11. 請求項10に記載のタービンロータの製造方法において、
    前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工工具の押し付け力を前記ロータフック部の内径側接触部を含む平面領域のバニシング加工工具の押し付け力よりも大きくすることを特徴とするタービンロータの製造方法。
  12. 請求項11に記載のタービンロータの製造方法において、
    前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工工具の押し付け力をバニシングロールまたはバニシングボールの曲率半径ρより算出する面積A=ρ2πで除した値が70MPaを超えない値となるように、前記ロータネック部の凹部を構成する曲面領域のバニシング加工工具の押し付け力、およびバニシングロールまたはバニシングボール
    の曲率半径ρを設定することを特徴とするタービンロータの製造方法。
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