JP2015533973A - レーザピーニングされる部品の後処理 - Google Patents

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Abstract

レーザ再溶融層を除去するために、レーザピーニングされた部品を後処理する方法が提案される。後処理は、部品のグリットブラスト加工、化学エッチング、および機械仕上げを含む、一連のステップを含む。これにより、レーザピーニングによる機械的特性(すなわち、損傷許容度)の利点が部品の表面に回復されることを確実にする。

Description

(連邦支援の研究または開発に関する声明)
本発明は、米国空軍により授与された契約番号F33657−99−D−2051の下で政府の支援を受けて成された。米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
本出願は、レーザピーニングされた物品の後処理に関する。
レーザピーニングは、深い圧縮残留応力を誘起する表面処理である。圧縮は、金属材料の損傷許容度を増大させる。物品をレーザピーニングする1つの方法は、それを犠牲アブレーション層で覆うことによって、材料を準備することである。典型的に、このアブレーション層は、レーザピーニング中に部品の母材の損傷を回避するための、テープまたは塗料などの塗布媒体である。
典型的に水である媒体は、アブレーション層を覆い、レーザ照射後に発生するプラズマを閉じ込めるように作用する。レーザパルスは材料に向けられる。レーザが材料に当たるとき、膨張プラズマの爆発がアブレーション層と水層との間に形成される。このプラズマの爆発は、材料の外層を圧縮し外層に作用する衝撃波を発生させる。
材料をレーザピーニングする別の方法は、母材の表面自体をアブレーション媒体として使用することである。母材の一部は、続いて母材表面を損傷する衝撃波を生じさせるプラズマを発生させるために使用される。そのような損傷の例は、微小亀裂、および有害な引張残留応力である。この損傷した材料は、再溶融層(remelt layer)として公知である。
再溶融層を除去し、部品表面を仕上げるための後処理が提案されている。
主な実施形態では、レーザピーニング処理によって形成される部品のレーザ再溶融層の仕上げおよび除去方法が、a)再溶融層の表面をグリットブラスト加工するステップと、b)表面を化学的にエッチングするステップと、c)表面を機械仕上げするステップと、を含む。
先の実施形態に従う別の実施形態では、表面の化学的なエッチングは、再溶融層の表面をグリットブラスト加工した後に行われる。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、表面の機械仕上げは、表面を化学的にエッチングした後に行われる。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、ステップa)〜c)にかけて除去されるレーザ再溶融層の深度は、片面当たり1ミル(0.0254mm)未満である。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、レーザ再溶融層が、タービンエンジン部品の一部上にある。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はエアフォイルを含む。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はブレードである。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はベーンである。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はシャフトである。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はディスクである。
別の主な実施形態では、エアフォイルを有するガスタービン部品の製造方法が、a)部品の母材表面をレーザ衝撃ピーニングするステップと、b)次に、表面をグリットブラスト加工するステップと、c)次に、グリットブラスト加工後の表面を化学エッチングするステップと、次に、化学エッチング後の表面を機械仕上げするステップと、を含む。
先の実施形態に従う別の実施形態では、除去されるレーザ再溶融層の深度は、片面当たり1ミル(0.0254mm)未満である。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はベーンである。
先の実施形態のうちのいずれかに従う別の実施形態では、部品はブレードである。
本出願のこれらおよび他の特徴は、簡単な説明である以下の仕様および図面から最もよく理解されるであろう。
例示的なガスタービンエンジンを示す図である。 図1で示されるエンジンのタービンエアフォイルの実施形態の透視図である。 レーザピーニングされているタービンエアフォイルを示す図である。 グリットブラスト加工されているタービンエアフォイルを示す図である。 化学的にエッチングされているタービンエアフォイルを示す図である。 機械仕上げされているタービンエアフォイルを示す図である。 仕上げプロセスに対する流れ図である。 図2Cに示されるステップに先立つタービンエアフォイルの図である。 図4に示されるタービンエアフォイルの、ステップ2E後の概略図である。
図1は、ガスタービンエンジン20を概略的に解説する。ガスタービンエンジン20は、ファン部分22、圧縮機部分24、燃焼器部分26、およびタービン部分28を概して組み込む、2軸式ターボファンとして本明細書で開示される。代替的なエンジンは、他のシステムまたは特徴の中で、オグメンタ部分(図示せず)を含み得る。ファン部分22はバイパス流路Bに沿って空気を送り、一方で圧縮機部分24はコア流路Cに沿って、圧縮および連通のために燃焼機部分26に空気を送り、次にタービン部分28を通って膨張する。開示される非限定的な実施形態ではターボファンガスタービンエンジンとして示されるが、本明細書に記載の概念は、教示が3軸構成を含む他の型のタービンエンジンに適用されてもよいように、ターボファンでの使用に限定されないことが理解されるべきである。
エンジン20は、複数の軸受システム38を介した、エンジン静的構造36に対するエンジン長手方向中心軸Aの周りの回転のために取り付けられた、低速軸30および高速軸32を概して含む。様々な位置での様々な軸受システム38が代替的または追加的に提供されてもよいことが、理解されるべきである。
コア空気流は、低圧圧縮機44、次に高圧圧縮機52によって圧縮され、燃焼機56において燃料と混合されて燃焼され、次に、高圧タービン54および低圧タービン46上で膨張される。中間タービンフレーム57は、コア空気流路中にあるエアフォイル59を含む。タービン46、54は、膨張に応答して、それぞれの低速軸30および高速軸32を回転駆動する。
図2Aは、ガスタービンエンジン20で使用するためのエンジンブレードのエアフォイル21の母材表面25を概略的に示す。エアフォイル21は、タービンまたは圧縮機のブレードもしくはベーンであってもよい。表面25は、レーザピーニングシステム100を使用してレーザピーニングされている。母材表面25のレーザピーニングは、アブレーション媒体を用いて順番付けられていない。
図2Bは、レーザピーニングされたエンジンブレードのエアフォイル21を示す。レーザ再溶融層23は、レーザと直接接触する母材表面25の一部により、プラズマの発生に起因して生じる。再溶融層23は例示されるものよりも広い表面に亘って延在してもよいことが理解されるべきである。
図4は、レーザピーニング後のエンジンブレードのエアフォイル21のレーザ再溶融層23の拡大図を概略的に解説する。レーザ再溶融層23は損傷領域47を有する。この損傷領域47は、脆化している、および/または微小亀裂がある場合がある。
後述する通り、レーザ再溶融層23は、母材表面25の状態を改善するための、損傷領域47の除去および仕上げ方法を受ける。解説する通り、損傷領域47は、d1として示される小さい厚みにわたる。実際には、d1は1ミル(0.0254mm)未満であってもよい。
図2Cを参照すると、概略的に示されるグリットブラスト加工工具102は、再溶融層23をグリットブラスト加工するために使用される。これは、レーザ再溶融層23を除去し、化学エッチングのために表面25を準備するために使用される第1のステップである。公知のプロセス制御の使用によって、グリットブラスト加工工具102は、損傷領域の除去のために、エンジンブレードのエアフォイル21上の損傷領域47の特定の深さを狙うことができる。
図2Dに概略的に示される通り、エアフォイル21は次に化学的除去プロセス104を受ける。化学的除去プロセス104は、母材表面25をエッチングし、利用されるプロセスパラメータに応じて損傷領域47の一部または全てを除去する。
図2Eで概略的に示される通り、エアフォイル21の母材表面25は、その後、機械的除去操作106を使用して仕上げられる。機械的除去プロセスは、媒体仕上げ技術におけるものと同様であってもよい。中間仕上げ技術は当業者に公知である。仕上げのプロセスパラメータおよび制御は、化学エッチングプロセスから生じる可能性のあるいかなる表面への悪影響をも除去しながら、再溶融層23の完全な除去を確実にする。
一実施例では、ステップ2C〜2Eにかけて除去される損傷領域47の特定の深さは、母材表面25の片面につき合計1ミル(0.0254ミリメートル)未満である。
母材表面25の上述のものの後処理によって、損傷領域47を除去する。図5は、処理後の、図4に示されるものと同様の領域を概略的に示す。
本開示はエアフォイルを特に対象とするが、ベーン、ディスク、シャフトなどの他の部品が、本発明の恩恵を受けることができる。
本発明の一実施形態が開示されたが、当業者であれば、ある種の改変が本発明の範囲内に入るであろうことを認識するであろう。そのため、以下の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲および内容を決定するために考察されるべきである。加えて、ガスタービンエアフォイルが例示目的で使用されたが、本発明は本物品への適用に限定されるものではない。

Claims (14)

  1. レーザピーニング処理によって形成される部品のレーザ再溶融層の仕上げおよび除去方法であって、
    a)再溶融層の表面をグリットブラスト加工することと、
    b)前記表面を化学的にエッチングすることと、
    c)前記表面を機械仕上げすることと、
    を備えた方法。
  2. ステップb)がステップa)の後に行われる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップc)がステップb)の後に行われる、請求項2に記載の方法。
  4. ステップa)〜c)にかけて除去される前記レーザ再溶融層の深度が、片面当たり1ミル(0.0254mm)未満である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記レーザ再溶融層が、タービンエンジン部品の一部上にある、請求項1に記載の方法。
  6. 前記部品がエアフォイルを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記部品がブレードである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記部品がベーンである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記部品がシャフトである、請求項5に記載の方法。
  10. 前記部品がディスクである、請求項5に記載の方法。
  11. エアフォイルを有するガスタービン部品の製造方法であって、
    a)前記部品の母材表面をレーザ衝撃ピーニングすることと、
    b)その後、前記表面をグリットブラスト加工することと、
    c)その後、前記グリットブラスト加工後の前記表面を化学エッチングすることと、
    d)その後、前記化学エッチング後の前記表面を機械仕上げすることと、
    を備えた方法。
  12. 除去された前記レーザ再溶融層の深度が、片面当たり1ミル(0.0254mm)未満である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記部品がベーンである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記部品がブレードである、請求項11に記載の方法。
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