JP2013104052A - 後硬化テープ及び接合部材の接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間の加熱であっても発泡性に優れ、接着力及び耐水接着力に優れた後硬化テープを提供する。また、該後硬化テープを用いた接合部材の接合方法を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ樹脂と、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤と、膨張開始温度が135℃以上190℃以下の加熱発泡粒子とを含有する粘着剤層を有する後硬化テープ。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ樹脂と、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤と、膨張開始温度が135℃以上190℃以下の加熱発泡粒子とを含有する粘着剤層を有する後硬化テープ。
【選択図】なし
Description
本発明は、短時間の加熱であっても発泡性に優れ、接着力及び耐水接着力に優れた後硬化テープに関する。また、本発明は、該後硬化テープを用いた接合部材の接合方法に関する。
エポキシ樹脂接着剤は、エポキシ化合物と硬化剤とが加熱により反応して硬化する接着剤であり、例えば、一液型若しくは二液型の液状、又は、フィルム状の形態をとる。エポキシ樹脂接着剤は、その硬化物が優れた接着性、耐熱性、耐薬品性、電気的性質等を有することから、各分野で広く用いられている。
エポキシ樹脂接着剤として、エポキシ−アクリル系樹脂組成物からなるフィルム状接着剤が提案されている(例えば、特許文献1)。エポキシ−アクリル系樹脂組成物は、例えば、主成分として、エポキシ化合物、硬化剤、活性エネルギー線照射により重合することのできるアクリレート化合物及び光重合開始剤を含有する組成物であり、基材上に塗工された後、活性エネルギー線照射により、粘着性を有するフィルムに成形される。このようにして得られたフィルム状接着剤は、粘着性を有するフィルムに、エポキシ化合物、硬化剤等の硬化性成分が取り込まれた構造をしており、その粘着性を利用して接合部材表面に仮止めした後、加熱によって硬化性成分を硬化させることにより、強固な接着力を発揮することができる。
一方、建築物、車両等の用途においては、空隙部を充填してクッション性、制振性等の性能を付与するために、エポキシ樹脂接着剤に発泡剤を添加した発泡性のフィルム状接着剤が用いられている。発泡性のフィルム状接着剤は、空隙部の接合部材表面に貼り合わせた後、加熱によって発泡剤を発泡させるとともに硬化性成分を硬化させることにより、気泡を含む発泡体によって空隙部を充填することができる。
特許文献2には、(A)常温で液状のエポキシ樹脂、(B)エポキシ樹脂用硬化剤、(C)発泡剤、(D)フェノキシ樹脂と、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを反応させてなるフェノキシ樹脂架橋物、を含有するエポキシ樹脂組成物を用いて形成され、加熱により発泡硬化する空隙充填用発泡性シートが記載されている。特許文献2には、発泡剤としてオキシビスベンゼンスルホニルヒドラジッド(OBSH)、アゾジカルボンアミド(ADCA)等が挙げられている。
しかしながら、例えば誘導加熱(Inducing Heating、IH)等により短時間の加熱を行った場合には、特許文献2に記載のOBSH、ADCA等のようないわゆる化学発泡剤では、ガス発生が充分でなかったりガスが発生したとしてもシートから抜けてしまって気泡が形成されなかったりすることがあり、発泡性が不充分である。また、建築物、車両等の用途においては屋外でも使用されるため接着力に加えて耐水接着力も要求されるが、特許文献2に記載のシートでは充分な耐水接着力を有しているとはいえない。
本発明は、短時間の加熱であっても発泡性に優れ、接着力及び耐水接着力に優れた後硬化テープを提供することを目的とする。また、本発明は、該後硬化テープを用いた接合部材の接合方法を提供することを目的とする。
本発明は、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ樹脂と、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤と、膨張開始温度が135℃以上190℃以下の加熱発泡粒子とを含有する粘着剤層を有する後硬化テープである。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ樹脂と、エポキシ熱潜在性硬化剤とを含有する粘着剤層に発泡剤を添加することで、後硬化型の発泡性粘着テープを得ることを試みた。特に、誘導加熱(IH)等による短時間の加熱であっても高い発泡性を発現させることを目的として、化学発泡剤ではなく、加熱により膨張する加熱発泡粒子を用いることを検討した。しかしながら、本発明者は、短時間の加熱では、オーブン等による比較的長時間の加熱において適正な加熱発泡粒子組成では、加熱発泡粒子が発泡しすぎて接着強度が著しく低下してしまうという新たな課題を見出した。
一般的に、温度上昇に伴い粘着剤の粘度は速やかに低下するのに対して、熱硬化反応による粘度の増加には時間が必要である。本発明者は、短時間の加熱では、オーブン等による比較的長時間の加熱に比べて加熱発泡粒子が発泡する際の粘着剤全体の粘度がより低くなる傾向にあり、その結果、加熱発泡粒子が発泡しすぎてしまうこと、特定の膨張開始温度を有する加熱発泡粒子を用いることで、短時間の加熱であっても加熱発泡粒子が発泡しすぎることなく、良好な発泡性及び高い接着強度が得られることを見出した。
一般的に、温度上昇に伴い粘着剤の粘度は速やかに低下するのに対して、熱硬化反応による粘度の増加には時間が必要である。本発明者は、短時間の加熱では、オーブン等による比較的長時間の加熱に比べて加熱発泡粒子が発泡する際の粘着剤全体の粘度がより低くなる傾向にあり、その結果、加熱発泡粒子が発泡しすぎてしまうこと、特定の膨張開始温度を有する加熱発泡粒子を用いることで、短時間の加熱であっても加熱発泡粒子が発泡しすぎることなく、良好な発泡性及び高い接着強度が得られることを見出した。
更に、本発明者は、エポキシ熱潜在性硬化剤のなかでもアミン系エポキシ熱潜在性硬化剤を用いることにより、接着力に加えて耐水接着力にも優れた後硬化型の発泡性粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の後硬化テープは、(メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ樹脂と、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤と、膨張開始温度が135℃以上190℃以下の加熱発泡粒子とを含有する粘着剤層を有する。このような粘着剤層は、空隙部の接合部材へ貼り合わせた後、加熱によって加熱発泡粒子を発泡させるとともに硬化性成分を硬化させることにより、気泡を含む発泡体によって空隙部を充填することができる。
なお、本明細書中、粘着性を有し、かつ、エポキシ樹脂等の硬化性成分が取り込まれた構造を有する粘着剤層等が、その粘着性を利用して接合部材へ貼り合わせられた後、加熱によって硬化性成分が硬化して強固な接着力を発現することを「後硬化」という。
なお、本明細書中、粘着性を有し、かつ、エポキシ樹脂等の硬化性成分が取り込まれた構造を有する粘着剤層等が、その粘着性を利用して接合部材へ貼り合わせられた後、加熱によって硬化性成分が硬化して強固な接着力を発現することを「後硬化」という。
上記(メタ)アクリル系ポリマーは、得られる後硬化テープに粘着性を付与できれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリルモノマーを重合させることにより得られるポリマー等が挙げられる。
上記重合させる方法は特に限定されず、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合等が挙げられる。
上記重合させる方法における重合反応は特に限定されず、例えば、フリーラジカル重合反応、リビングラジカル重合反応、リビングアニオン重合反応等が挙げられる。上記重合反応は、例えば、熱、紫外線、電子線等のエネルギーを与えることにより開始させることができる。また、上記重合反応においては、重合させる際に反応開始剤を用いてもよい。
上記重合させる方法は特に限定されず、例えば、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合等が挙げられる。
上記重合させる方法における重合反応は特に限定されず、例えば、フリーラジカル重合反応、リビングラジカル重合反応、リビングアニオン重合反応等が挙げられる。上記重合反応は、例えば、熱、紫外線、電子線等のエネルギーを与えることにより開始させることができる。また、上記重合反応においては、重合させる際に反応開始剤を用いてもよい。
上記(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の1分子中に(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、エポキシ樹脂との相溶性に優れ、得られる後硬化テープの硬化物の接着力及び耐水接着力が向上することから、エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリレートが好ましい。
上記エポキシ樹脂は特に限定されず、一般的にエポキシ樹脂接着剤に用いられる従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。
上記エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキシド型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂として、例えば、ビスフェノールF型、ビスフェノールA型等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、シクロヘキセンオキシド型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂の市販品として、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシオリゴマー等のノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂(以上、いずれも東都化成社製)、エピコート基本固形タイプ、エピコートビスF固形タイプ(以上、いずれも三菱化学社製)、EHPE脂環式固形エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレートのホモポリマー、グリシジルメタクリレートのコポリマー(以上、いずれもダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
また、上記エポキシ樹脂の市販品として、例えば、jER828、jER834、jER806、jER807(以上、いずれも三菱化学社製)、EX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−201、EX−211、EX−212、EX−252、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−861、EX−911、EX−941、EX−920、EX−721、EX−221、EM−150、EM−101、EM−103(以上、いずれもナガセケムテックス社製、デナコールシリーズ)、YD−115、YD−115G、YD−115CA、YD−118T、YD−127(以上、いずれも東都化成社製)、40E、100E、200E、400E、70P、200P、400P、1500NP、1600、80MF、100MF、4000、3002、1500(以上、いずれも共栄社化学社製、エポライトシリーズ)等の液状エポキシ樹脂等も挙げられる。
更に、上記エポキシ樹脂の市販品として、例えば、セロキサイド2021、セロキサイド2080、セロキサイド3000、エポリードGT300、エポリードGT400、エポリードD−100ET、エポリードD−100OT、エポリードD−100DT、エポリードD−100ST、エポリードD−200HD、エポリードD−200E、エポリードD−204P、エポリードD−210P、エポリードPB3600、エポリードPB4700(以上、いずれもダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ化合物)等の液状エポキシ樹脂等も挙げられる。
上記エポキシ樹脂の配合量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が100重量部である。上記エポキシ樹脂の配合量が5重量部未満であると、得られる後硬化テープの硬化物の接着力又は耐水接着力が低下することがある。上記エポキシ樹脂の配合量が100重量部を超えると、得られる後硬化テープの初期接着力が低下することがあり、また、硬化物が硬くなりすぎて応力分散性が低下し、例えば、ガラス等の接合部材を接合した場合、接合部に応力が加わるとヒビ又は割れが発生することがある。上記エポキシ樹脂の配合量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本明細書中、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤とは、エポキシ樹脂の熱潜在性硬化剤であって、アミンのアダクト体、アミンの変性物等のアミン系化合物を主成分とする熱潜在性硬化剤をいう。また、本明細書中、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤には、イミダゾール系化合物は含まれない。
上記粘着剤層が上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤を含有することで、本発明の後硬化テープは、短時間の加熱で硬化して、優れた接着力を発現することができ、水中に浸漬されても優れた接着力を維持することができる。上記粘着剤層が上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の代わりにイミダゾール系化合物を含有する場合には、得られる後硬化テープの硬化物の接着力又は耐水接着力が低下する。この理由は、以下のように推測される。
上記粘着剤層が上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の代わりにイミダゾール系化合物を含有する場合、イミダゾール系化合物は触媒的に働くため、後硬化テープの硬化物に窒素原子は取り込まれない。これに対し、上記粘着剤層が上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤を含有することで、本発明の後硬化テープの硬化物には窒素原子が取り込まれる。このため、窒素原子と接合部材との間の強固な相互作用により、水分子の存在によっても上記粘着剤層の硬化物と接合部材とが強固に接合されたままであると推測される。
上記粘着剤層が上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の代わりにイミダゾール系化合物を含有する場合、イミダゾール系化合物は触媒的に働くため、後硬化テープの硬化物に窒素原子は取り込まれない。これに対し、上記粘着剤層が上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤を含有することで、本発明の後硬化テープの硬化物には窒素原子が取り込まれる。このため、窒素原子と接合部材との間の強固な相互作用により、水分子の存在によっても上記粘着剤層の硬化物と接合部材とが強固に接合されたままであると推測される。
上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の市販品として、例えば、アミキュアPN−23、PN−31、PN−H、PN−40、PN−50、MY−24、VDH、UDH、AH−123、AH−203(以上、いずれも味の素ファインテクノ社製)、フジキュアーFXR−1020、FXR−1030、FXR−1081、FXR−1121(以上、いずれも富士化成工業社製)等が挙げられる。なかでも、得られる後硬化テープの硬化物がより優れた耐水接着力を発現できることから、フジキュアーFXR−1020、FXR−1030、FXR−1081が好ましい。
上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹脂100重量部に対する好ましい下限が10重量部、好ましい上限が120重量部である。上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の配合量が10重量部未満であると、得られる後硬化テープの硬化時間が長くなり、短時間の加熱では硬化物の充分な接着力及び耐水接着力が得られないことがある。上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の配合量が120重量部を超えると、得られる後硬化テープの初期接着力が低下したり、硬化不良が生じたり、硬化物の接着力又は耐水接着力が低下したりすることがある。上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤の配合量のより好ましい下限は15重量部、更に好ましい下限は20重量部であり、より好ましい上限は110重量部、更に好ましい上限は100重量部である。
本明細書中、加熱発泡粒子とは、加熱により膨張する粒子(又はマイクロスフェアー)をいう。
上記加熱発泡粒子の膨張開始温度は、135℃以上190℃以下である。上記粘着剤層がこのような膨張開始温度を有する加熱発泡粒子を含有することで、本発明の後硬化テープは、短時間の加熱であっても加熱発泡粒子が発泡しすぎることなく、良好な発泡性及び高い接着強度を発現することができる。また、本発明の後硬化テープは発泡性に優れ、凹凸面のある接合部材に対しても空隙部に対しても充填密着性が高いことから、優れた接着力を発現することができる。膨張開始温度が135℃未満であると、短時間の加熱では加熱発泡粒子が発泡しすぎて、得られる後硬化テープの接着強度が低下してしまう。膨張開始温度が190℃を超えると、得られる後硬化テープの発泡性が不充分になり、充填密着性が劣ってしまう。膨張開始温度の好ましい下限は140℃、好ましい上限は170℃である。
なお、膨張開始温度とは、加熱発泡粒子を常温から加熱しながらその径を測定したときに、加熱発泡粒子の変位がプラスの値となったときの温度を意味し、機械熱分析(TMA)により測定することができる。
上記加熱発泡粒子の膨張開始温度は、135℃以上190℃以下である。上記粘着剤層がこのような膨張開始温度を有する加熱発泡粒子を含有することで、本発明の後硬化テープは、短時間の加熱であっても加熱発泡粒子が発泡しすぎることなく、良好な発泡性及び高い接着強度を発現することができる。また、本発明の後硬化テープは発泡性に優れ、凹凸面のある接合部材に対しても空隙部に対しても充填密着性が高いことから、優れた接着力を発現することができる。膨張開始温度が135℃未満であると、短時間の加熱では加熱発泡粒子が発泡しすぎて、得られる後硬化テープの接着強度が低下してしまう。膨張開始温度が190℃を超えると、得られる後硬化テープの発泡性が不充分になり、充填密着性が劣ってしまう。膨張開始温度の好ましい下限は140℃、好ましい上限は170℃である。
なお、膨張開始温度とは、加熱発泡粒子を常温から加熱しながらその径を測定したときに、加熱発泡粒子の変位がプラスの値となったときの温度を意味し、機械熱分析(TMA)により測定することができる。
上記加熱発泡粒子の最大膨張温度は特に限定されないが、好ましい下限は165℃、好ましい上限は240℃である。最大膨張温度が165℃未満であると、短時間の加熱では加熱発泡粒子が発泡しすぎて、得られる後硬化テープの接着強度が低下することがある。最大膨張温度が240℃を超えると、得られる後硬化テープの発泡性が不充分になり、充填密着性が劣ることがある。最大膨張温度のより好ましい下限は175℃、より好ましい上限は220℃である。
なお、最大発泡温度とは、加熱発泡粒子を常温から加熱しながらその径を測定したときに、加熱発泡粒子が最大発泡変位に達したときの温度を意味し、機械熱分析(TMA)により測定することができる。
なお、最大発泡温度とは、加熱発泡粒子を常温から加熱しながらその径を測定したときに、加熱発泡粒子が最大発泡変位に達したときの温度を意味し、機械熱分析(TMA)により測定することができる。
上記加熱発泡粒子の平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限は1μm、好ましい上限は100μmである。平均粒子径が1μm未満であると、得られる後硬化テープによってクッション性、制振性等の性能を充分に付与できないことがある。また、加熱発泡粒子の分散が不均一になって、得られる後硬化テープの発泡後の接着強度がばらつくことがある。平均粒子径が100μmを超えると、得られる後硬化テープの接着強度が低下することがある。平均粒子径のより好ましい下限は10μm、より好ましい上限は50μmである。
上記加熱発泡粒子は、特に熱膨張性に優れ、膨張開始温度を上述した範囲内に調整しやすいことから、熱可塑性ポリマーセル内に低沸点炭化水素を内包した粒子(又はマイクロスフェアー)であることが好ましい。セルを構成する熱可塑性ポリマー、及び、低沸点炭化水素の組成を調整することで、膨張開始温度を上述した範囲内に調整することができる。
上記熱可塑性ポリマーとして、例えば、(メタ)アクリロニトリルを含有するモノマーを重合させることにより得られる(メタ)アクリロニトリル系共重合体、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとを含有するモノマーを重合させることにより得られる塩化ビニリデン−(メタ)アクリロニトリル系共重合体等が好ましい。
上記熱可塑性ポリマーとして、例えば、(メタ)アクリロニトリルを含有するモノマーを重合させることにより得られる(メタ)アクリロニトリル系共重合体、塩化ビニリデンと(メタ)アクリロニトリルとを含有するモノマーを重合させることにより得られる塩化ビニリデン−(メタ)アクリロニトリル系共重合体等が好ましい。
上記低沸点炭化水素として、例えば、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、オクタン、イソオクタン等が好ましい。
上記加熱発泡粒子の市販品として、例えば、アドバンセルEHM303(膨張開始温度135℃)、EHM401(膨張開始温度145℃)、EM403(膨張開始温度160℃)、EM501(膨張開始温度170℃)(以上、積水化学工業社製)、マツモトマイクロスフェアーF−230D(膨張開始温度185℃)(松本油脂製薬社製)等が挙げられる。
上記加熱発泡粒子の配合量は、上記粘着剤層中の好ましい下限が0.1重量%、好ましい上限が10重量%である。上記加熱発泡粒子の配合量が0.1重量%未満であると、得られる後硬化テープの発泡性が不充分になり、充填密着性が劣ることがある。上記加熱発泡粒子の配合量が10重量%を超えると、得られる後硬化テープの初期接着力が低下したり、接着強度が低下したりすることがある。上記加熱発泡粒子の配合量のより好ましい下限は0.2重量%、より好ましい上限は5重量%である。
上記粘着剤層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、フィラーを含有してもよい。
上記フィラーは特に限定されず、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリスチレン等の有機物、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等の無機物等が挙げられる。
上記フィラーは特に限定されず、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリスチレン等の有機物、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム等の無機物等が挙げられる。
上記フィラーは、5μm以上の平均粒子径を有し、かつ、上記エポキシ樹脂と反応する部分を有しないことが好ましい。
このようなフィラーを含有することにより、得られる後硬化テープの接合部に応力が加わった場合に、フィラーの周りにボイドが発生して応力を分散吸収し、接合界面への応力集中を低減させて、硬化物の接着力及び耐水接着力を向上させることができる。上記フィラーの平均粒子径が5μm未満であると、後硬化テープの硬化物の接着力又は耐水接着力を向上させる効果が得られないことがある。上記フィラーの平均粒子径の上限は特に限定されないが、上記粘着剤層の厚みより平均粒子径が大きい場合には上記フィラーが上記粘着剤層から露出して密着性が低下することから、上記粘着剤層の厚みより小さいことが好ましい。
このようなフィラーを含有することにより、得られる後硬化テープの接合部に応力が加わった場合に、フィラーの周りにボイドが発生して応力を分散吸収し、接合界面への応力集中を低減させて、硬化物の接着力及び耐水接着力を向上させることができる。上記フィラーの平均粒子径が5μm未満であると、後硬化テープの硬化物の接着力又は耐水接着力を向上させる効果が得られないことがある。上記フィラーの平均粒子径の上限は特に限定されないが、上記粘着剤層の厚みより平均粒子径が大きい場合には上記フィラーが上記粘着剤層から露出して密着性が低下することから、上記粘着剤層の厚みより小さいことが好ましい。
上記フィラーの配合量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル系ポリマー、上記エポキシ樹脂、上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤及び上記加熱発泡粒子の合計100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記フィラーの配合量が1重量部未満であると、得られる後硬化テープの硬化物における応力分散が不足し、硬化物の接着力又は耐水接着力が充分に向上しないことがある。上記フィラーの配合量が30重量部を超えると、得られる後硬化テープは、接合界面での有効接着成分が不足して、硬化物の接着力又は耐水接着力が低下することがある。上記フィラーの配合量のより好ましい下限は3重量部、より好ましい上限は20重量部である。
上記粘着剤層は、更に、ロジン系樹脂、変性ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、C5系又はC9系の石油系樹脂、クマロン樹脂等を含有してもよい。
特に、得られる後硬化テープを貼り合わせる接合部材がポリオレフィンからなる場合には、硬化物の接着力及び耐水接着力を高められることから、上記粘着剤層がロジン系樹脂又は石油系樹脂を含有することが好ましい。
特に、得られる後硬化テープを貼り合わせる接合部材がポリオレフィンからなる場合には、硬化物の接着力及び耐水接着力を高められることから、上記粘着剤層がロジン系樹脂又は石油系樹脂を含有することが好ましい。
上記粘着剤層は、更に、シランカップリング剤を含有してもよい。
上記シランカップリング剤を含有することにより、得られる後硬化テープの硬化物の界面接着力を向上させることができる。
上記シランカップリング剤を含有することにより、得られる後硬化テープの硬化物の界面接着力を向上させることができる。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は25μm、好ましい上限は1000μmである。上記厚みが25μm未満であると、得られる後硬化テープの接合部材への密着性が低下することがある。上記厚みが1000μmを超えると、得られる後硬化テープの熱伝導が遅くなり硬化が遅くなることがある。上記厚みのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は800μmである。
上記粘着剤層の加熱による厚み方向の膨らみ度合い(以下、発泡倍率と称する)は、好ましい下限が1.2倍、好ましい上限が3倍である。発泡倍率が1.2倍未満であると、得られる後硬化テープが充填密着性に劣ることがある。発泡倍率が3倍を超えると、得られる粘着剤層の凝集力が低下することにより、接着強度が低下することがある。発泡倍率のより好ましい下限は1.3倍、より好ましい上限は2.5倍である。
本発明の後硬化テープは、基材を有さず上記粘着剤層のみからなるノンサポートテープであってもよく、基材の片面又は両面に上記粘着剤層を形成したサポートテープであってもよい。
上記基材は特に限定されず、従来公知の基材を用いることができるが、高周波誘導加熱により発熱する発熱シート(以下、単に「発熱シート」ともいう)であることが好ましい。上記基材として発熱シートを有することにより、得られる後硬化テープは高周波誘導加熱装置によって容易に誘導加熱(IH)され、短時間の加熱で硬化して、優れた接着力及び耐水接着力を発現することができる。
なお、本明細書中、誘導加熱とは、磁界によって発生する渦電流に基づく加熱をいう。また、「高周波誘導加熱により発熱する」とは、コイルに高周波数の交流を流すことにより交流磁界を発生させ、交流磁界中に置いた導電性物質中を通る磁束線により導電性物質中に渦電流を発生させて、発生した渦電流に基づくジュール熱により、導電性物質が発熱することをいう。
なお、本明細書中、誘導加熱とは、磁界によって発生する渦電流に基づく加熱をいう。また、「高周波誘導加熱により発熱する」とは、コイルに高周波数の交流を流すことにより交流磁界を発生させ、交流磁界中に置いた導電性物質中を通る磁束線により導電性物質中に渦電流を発生させて、発生した渦電流に基づくジュール熱により、導電性物質が発熱することをいう。
上記発熱シートは、高周波誘導加熱によって発熱するシート、即ち、交流磁界中に置かれた場合、発生する渦電流に基づくジュール熱によって発熱するシートであれば特に限定されず、例えば、導電性を有する金属シート等が挙げられる。
上記導電性を有する金属シートは特に限定されず、例えば、アルミ、鉄、ステンレス鋼、銅、真鍮等からなるシート等が挙げられる。なかでも、比較的柔軟で取り扱いやすく、高価でないことから、アルミからなるシートが好ましい。
上記導電性を有する金属シートは特に限定されず、例えば、アルミ、鉄、ステンレス鋼、銅、真鍮等からなるシート等が挙げられる。なかでも、比較的柔軟で取り扱いやすく、高価でないことから、アルミからなるシートが好ましい。
上記発熱シートの厚みは特に限定されないが、好ましい下限が30μm、好ましい上限が300μmである。上記厚みが30μm未満であると、発熱シートの発熱が不充分となり、得られる後硬化テープは、硬化に時間がかかったり、硬化不足のために硬化物の接着力又は耐水接着力が低下したりすることがある。上記厚みが300μmを超えると、発熱シートのシート腰が強すぎて、得られる後硬化テープの追従性が低下することがある。また、上記厚みが300μmを超えると、発熱シートの断面で手を切りやすく、安全面からも好ましくない。上記厚みのより好ましい下限は50μm、より好ましい上限は200μmである。
上記発熱シートは、粘着剤層との密着性を向上させるために、予めプライマー処理されていることが好ましい。上記プライマー処理に用いられるプライマーは特に限定されず、例えば、ポリメントNK−350、ポリメントNK−380(いずれも日本触媒社製)等が挙げられる。
本発明の後硬化テープを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記(メタ)アクリル系ポリマー、上記エポキシ樹脂、上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤、上記加熱発泡粒子、及び、必要に応じて他の成分を、溶剤を用いて溶解混合し、塗工して乾燥させた後で上記基材上に積層する方法、上記基材上に直接塗工して乾燥する方法等が挙げられる。
また、本発明の後硬化テープを製造する方法として、例えば、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するアクリルモノマー、上記エポキシ樹脂、上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤、上記加熱発泡粒子、及び、必要に応じて光ラジカル重合開始剤等の他の成分を、溶剤を用いることなく混合した後、シート状にキャストし、紫外線を照射することにより上記アクリルモノマーを重合させて、上記基材に積層する方法も挙げられる。この方法によれば、溶剤を用いる必要がないため乾燥等の加熱を伴う工程において硬化反応が進行してしまう可能性が低く、また、厚膜の後硬化テープを製造することができる。
また、本発明の後硬化テープを製造する方法として、例えば、上記(メタ)アクリル系ポリマーを構成するアクリルモノマー、上記エポキシ樹脂、上記アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤、上記加熱発泡粒子、及び、必要に応じて光ラジカル重合開始剤等の他の成分を、溶剤を用いることなく混合した後、シート状にキャストし、紫外線を照射することにより上記アクリルモノマーを重合させて、上記基材に積層する方法も挙げられる。この方法によれば、溶剤を用いる必要がないため乾燥等の加熱を伴う工程において硬化反応が進行してしまう可能性が低く、また、厚膜の後硬化テープを製造することができる。
本発明の後硬化テープの用途は特に限定されず、例えば、本発明の後硬化テープを用いて接合部材同士を接合することができる。
本発明の後硬化テープを用いて接合部材を接合する場合には、本発明の後硬化テープと接合部材とを貼り合わせて集成体を得た後、得られた集成体を加熱する方法が好ましい。上記集成体を加熱する方法は特に限定されないが、例えば、高周波誘導加熱が好ましい。高周波誘導加熱によれば、本発明の後硬化テープを短時間で硬化させることができ、生産性が向上する。
本発明の後硬化テープを用いて接合部材を接合する場合には、本発明の後硬化テープと接合部材とを貼り合わせて集成体を得た後、得られた集成体を加熱する方法が好ましい。上記集成体を加熱する方法は特に限定されないが、例えば、高周波誘導加熱が好ましい。高周波誘導加熱によれば、本発明の後硬化テープを短時間で硬化させることができ、生産性が向上する。
本発明の後硬化テープを用いた接合部材の接合方法であって、本発明の後硬化テープと前記接合部材とを貼り合わせて集成体を得る工程と、高周波誘導加熱装置を用いて高周波印加することにより、前記集成体を加熱する工程とを有する接合部材の接合方法もまた、本発明の1つである。
なお、高周波誘導加熱装置としては、例えば、EASY WELDER SEW−2110(SMART CORPORATION社製)、MU−1700(SKメディカル電子社製)等が用いられる。
なお、高周波誘導加熱装置としては、例えば、EASY WELDER SEW−2110(SMART CORPORATION社製)、MU−1700(SKメディカル電子社製)等が用いられる。
高周波誘導加熱装置を用いて高周波印加する時間は特に限定されないが、好ましい下限は3秒、好ましい上限は150秒である。上記高周波印加する時間が3秒未満であると、後硬化テープの硬化が不充分となり、硬化物の接着力又は耐水接着力が低下することがある。上記高周波印加する時間が150秒を超えると、上記集成体が加熱されすぎて、上記接合部材又は後硬化テープの粘着剤層の劣化により、硬化物の接着力又は耐水接着力が低下することがある。上記高周波印加する時間のより好ましい下限は10秒、より好ましい上限は120秒である。
高周波誘導加熱装置を用いて高周波印加する温度は特に限定されないが、好ましい下限が130℃、好ましい上限が180℃である。上記高周波印加する温度が130℃未満であると、後硬化テープの硬化が不充分となり、硬化物の接着力又は耐水接着力が低下することがある。上記高周波印加する温度が180℃を超えると、上記集成体が加熱されすぎて、上記接合部材又は後硬化テープの粘着剤層の劣化により、硬化物の接着力又は耐水接着力が低下することがある。
本発明によれば、短時間の加熱であっても発泡性に優れ、接着力及び耐水接着力に優れた後硬化テープを提供することができる。また、本発明によれば、該後硬化テープを用いた接合部材の接合方法を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1〜13及び比較例1〜8)
表1又は2の配合に従って、光重合により(メタ)アクリル系ポリマーとなるアクリルモノマー、エポキシ樹脂、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤、イミダゾール系エポキシ熱潜在性硬化剤、加熱発泡粒子、化学発泡剤、シランカップリング剤、及び、光ラジカル重合開始剤を均一に混合して塗液を得た。得られた塗液に窒素を吹き込んで酸素を追い出した後、38μmのシリコン離型処理PETフィルム2枚に、各々の離型処理面が塗液に接し、かつ、アクリルモノマー重合後の塗液の厚みが表1又は2に示す厚みとなるように塗液を挟み、主波長365nmの蛍光ランプで2mWの紫外線を5分間照射してアクリルモノマーを重合し、表1又は2に示す厚みの基材を有さない粘着剤テープを得た。
表1又は2の配合に従って、光重合により(メタ)アクリル系ポリマーとなるアクリルモノマー、エポキシ樹脂、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤、イミダゾール系エポキシ熱潜在性硬化剤、加熱発泡粒子、化学発泡剤、シランカップリング剤、及び、光ラジカル重合開始剤を均一に混合して塗液を得た。得られた塗液に窒素を吹き込んで酸素を追い出した後、38μmのシリコン離型処理PETフィルム2枚に、各々の離型処理面が塗液に接し、かつ、アクリルモノマー重合後の塗液の厚みが表1又は2に示す厚みとなるように塗液を挟み、主波長365nmの蛍光ランプで2mWの紫外線を5分間照射してアクリルモノマーを重合し、表1又は2に示す厚みの基材を有さない粘着剤テープを得た。
発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、得られた粘着剤テープの一方の面のシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、粘着剤テープ同士をラミネートして、基材を有さないノンサポートタイプの後硬化テープを得た。
一方、発熱シートを含む実施例10〜13では、得られた粘着剤テープの一方の面のシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、これを表1又は2に示す材質及び厚みを有する発熱シートの両面に、露出した粘着剤層面が発熱シートに対向するように貼り合わせて、後硬化テープを得た。なお、発熱シートの両面には予めプライマー(日本触媒社製、ポリメントNK−380)を塗布しておいた。
一方、発熱シートを含む実施例10〜13では、得られた粘着剤テープの一方の面のシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、これを表1又は2に示す材質及び厚みを有する発熱シートの両面に、露出した粘着剤層面が発熱シートに対向するように貼り合わせて、後硬化テープを得た。なお、発熱シートの両面には予めプライマー(日本触媒社製、ポリメントNK−380)を塗布しておいた。
<評価>
実施例及び比較例で得られた後硬化テープについて、下記のように評価した。結果を表1又は2に示した。
実施例及び比較例で得られた後硬化テープについて、下記のように評価した。結果を表1又は2に示した。
(1)初期せん断接着力の評価
後硬化テープを15mm×15mmの平面形状を有するようにカットした。発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、カットした後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がアルミダイキャスト板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したアルミダイキャスト板(20mm×50mm×2mm)に後硬化テープを貼り合わせた。次いで、後硬化テープの反対面も同様にしてガラス板(20mm×50mm×7mm)に貼り合わせ、試験片を得た。
一方、発熱シートを含む実施例10〜13では、カットした後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がガラス板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したガラス板(15mm×50mm×7mm)に後硬化テープを貼り合わせた。次いで、後硬化テープの反対面も同様にしてガラス板(20mm×50mm×7mm)に貼り合わせ、試験片を得た。
後硬化テープを15mm×15mmの平面形状を有するようにカットした。発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、カットした後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がアルミダイキャスト板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したアルミダイキャスト板(20mm×50mm×2mm)に後硬化テープを貼り合わせた。次いで、後硬化テープの反対面も同様にしてガラス板(20mm×50mm×7mm)に貼り合わせ、試験片を得た。
一方、発熱シートを含む実施例10〜13では、カットした後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がガラス板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したガラス板(15mm×50mm×7mm)に後硬化テープを貼り合わせた。次いで、後硬化テープの反対面も同様にしてガラス板(20mm×50mm×7mm)に貼り合わせ、試験片を得た。
得られた試験片を23℃で20分間養生した後、引張り試験機を用いて、23℃及びクロスヘッドスピード50mm/分の条件で、せん断引っ張り試験を行った。最大破壊強度をせん断接着力として評価した。
(2)充填接着力の評価
厚み0.5mmの後硬化テープを、隙間0.58mmを保持した2つの被着体の隙間を埋めるようにして片方の被着体に貼り合わせ、粘着剤層を発泡硬化させて0.08mmの隙間を充填させた後のせん断接着力を評価することにより、充填接着力の評価を行った。
詳細には、まず、上記(1)と同様にして後硬化テープの片面にアルミダイキャスト板(A)を貼り合わせた。次いで、発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、アルミダイキャスト板(B)を、アルミダイキャスト板(A)との距離が0.58mm、後硬化テープ表面との隙間が0.08mmとなるように保持した状態で固定した試験片を作製した。発熱シートを含む実施例10〜13では、アルミダイキャスト板(B)の代わりにガラス板を用いて、同様の試験片を作製した。MU−1700(SKメディカル電子社製)を用いて高周波印加することにより、これらの試験片を加熱して粘着剤層を発泡硬化させた。硬化に際しては、アルミ板に熱電対を貼り付け、温度を測定しながらフィードバック制御を行い、所定の温度になるように制御した。高周波加熱温度及び時間(累計時間)を表1又は2に示した。得られた試験片を、更に、23℃にて3日養生してから、上記(1)と同様にしてせん断接着力を評価した。
なお、発泡が不充分であった場合には、後硬化テープと、アルミダイキャスト板(B)又はガラス板とが接着せず、固定をはずすと自然脱落した。この場合には、充填接着力を0MPaと評価した。
厚み0.5mmの後硬化テープを、隙間0.58mmを保持した2つの被着体の隙間を埋めるようにして片方の被着体に貼り合わせ、粘着剤層を発泡硬化させて0.08mmの隙間を充填させた後のせん断接着力を評価することにより、充填接着力の評価を行った。
詳細には、まず、上記(1)と同様にして後硬化テープの片面にアルミダイキャスト板(A)を貼り合わせた。次いで、発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、アルミダイキャスト板(B)を、アルミダイキャスト板(A)との距離が0.58mm、後硬化テープ表面との隙間が0.08mmとなるように保持した状態で固定した試験片を作製した。発熱シートを含む実施例10〜13では、アルミダイキャスト板(B)の代わりにガラス板を用いて、同様の試験片を作製した。MU−1700(SKメディカル電子社製)を用いて高周波印加することにより、これらの試験片を加熱して粘着剤層を発泡硬化させた。硬化に際しては、アルミ板に熱電対を貼り付け、温度を測定しながらフィードバック制御を行い、所定の温度になるように制御した。高周波加熱温度及び時間(累計時間)を表1又は2に示した。得られた試験片を、更に、23℃にて3日養生してから、上記(1)と同様にしてせん断接着力を評価した。
なお、発泡が不充分であった場合には、後硬化テープと、アルミダイキャスト板(B)又はガラス板とが接着せず、固定をはずすと自然脱落した。この場合には、充填接着力を0MPaと評価した。
(3)耐水せん断接着力の評価
上記(2)と同様にして試験片を加熱して粘着剤層を硬化させ、60℃の水中に2日間浸漬した後、上記(2)と同様にしてせん断接着力を評価した。
上記(2)と同様にして試験片を加熱して粘着剤層を硬化させ、60℃の水中に2日間浸漬した後、上記(2)と同様にしてせん断接着力を評価した。
(4)発泡倍率の評価
発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がアルミダイキャスト板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したアルミダイキャスト板に後硬化テープを貼り合わせ、片面接着試験片を得た。
一方、発熱シートを含む実施例10〜13では、後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がガラス板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したガラス板に後硬化テープを貼り合わせ、片面接着試験片を得た。
上記(2)と同様にして試験片を加熱して粘着剤層を硬化させ、下記式から発泡倍率(倍)を算出した。
(発泡倍率)=(加熱後の試験片のテープ厚み)/(加熱前の試験片のテープ厚み)
発熱シートを含まない実施例1〜9及び比較例1〜8では、後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がアルミダイキャスト板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したアルミダイキャスト板に後硬化テープを貼り合わせ、片面接着試験片を得た。
一方、発熱シートを含む実施例10〜13では、後硬化テープのシリコン離型処理PETフィルムを剥がし、露出した粘着剤層面がガラス板に対向するようにして、表面の埃及び油脂をアルコール洗浄により除去したガラス板に後硬化テープを貼り合わせ、片面接着試験片を得た。
上記(2)と同様にして試験片を加熱して粘着剤層を硬化させ、下記式から発泡倍率(倍)を算出した。
(発泡倍率)=(加熱後の試験片のテープ厚み)/(加熱前の試験片のテープ厚み)
本発明によれば、短時間の加熱であっても発泡性に優れ、接着力及び耐水接着力に優れた後硬化テープを提供することができる。また、本発明によれば、該後硬化テープを用いた接合部材の接合方法を提供することができる。
Claims (3)
- (メタ)アクリル系ポリマーと、エポキシ樹脂と、アミン系エポキシ熱潜在性硬化剤と、膨張開始温度が135℃以上190℃以下の加熱発泡粒子とを含有する粘着剤層を有することを特徴とする後硬化テープ。
- 基材として、高周波誘導加熱により発熱する発熱シートを有することを特徴とする請求項1記載の後硬化テープ。
- 請求項1又は2記載の後硬化テープを用いた接合部材の接合方法であって、
前記後硬化テープと前記接合部材とを貼り合わせて集成体を得る工程と、
高周波誘導加熱装置を用いて高周波印加することにより、前記集成体を加熱する工程とを有する
ことを特徴とする接合部材の接合方法。
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-
2011
- 2011-11-16 JP JP2011250976A patent/JP2013104052A/ja active Pending
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