JP2013103733A - 蓋材用フィルム及びこれを用いた薬剤収納容器 - Google Patents

蓋材用フィルム及びこれを用いた薬剤収納容器 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、収納部に収納した所定量の薬剤を正確に放出して供給することができる薬剤収納容器を形成することができる蓋材用フィルムを提供する。
【解決手段】 本発明の蓋材用フィルムは、薬剤を収納可能で且つ底部に応力を加えることによって放出口42が形成可能な収納部5を有する薬剤収納部材Bの収納部4の開口部が、閉止層1上に表面層2が剥離可能に積層されてなる蓋材用フィルムAによって閉止され且つ蓋材用フィルムAから表面層2を剥離、除去した後に閉止層1を押圧して収納部4内に圧力を加えることによって収納部4の底部に形成された放出口42を通じて収納部4内の薬剤を放出可能に構成されている薬剤収納容器Cに用いられる蓋材用フィルムAであって、上記蓋材用フィルムAは、ポリオレフィン系樹脂を含む閉止層1と、閉止層1上に剥離可能に積層一体化されてなる表面層2とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、蓋材用フィルム及びこれを用いた薬剤収納容器に関する。
従来から、マイクロ化された化学分析システムに関する研究が行われている。特許文献1には、外力を加えた際の変形によって内容物を移送又は封止することで化学反応を行わせる化学反応用カートリッジにおいて、外部からサンプルを受け入れるサンプル収容部と、カートリッジの変形に応じて、前記サンプル収容部に収容されたサンプルを複数経路に分離する分離部と、前記分離部で分離されたサンプルについて別々に化学反応を起こさせる反応部と、前記反応部での化学反応により生成されたそれぞれの反応産物について測定を行うための測定部と、を備えている化学反応用カートリッジが提案されている。
上記化学反応用カートリッジは、カートリッジ基板とこの基板上に配設された弾性部材から構成されており、注射針などを用いてサンプル収納部内に注入口を介してサンプルを注入した後、ローラをカートリッジに押しつけながら回転させることによって弾性部材を変形させて、サンプル収納部内に収容されたサンプルと、予め溶解液用ウエルに収容された溶解液とを流路を介して混合用ウエルに供給し、この混合用ウエルにて混合している。
しかしながら、上記化学反応用カートリッジは、上述のように、カートリッジ上にローラを押しつけることによって弾性部材を変形させ、サンプル収納部及び溶解液用ウエルを変形させてサンプル及び溶解液を混合用ウエルに供給しており、ローラによるカートリッジのサンプル収納部及び溶解液用ウエルの押圧、変形が不十分となり、所定量のサンプル及び溶解液を混合用ウエルに正確に供給することができないことがあるという問題点を有している。
特開2007−101200号公報
本発明は、収納部に収納した所定量の薬剤を正確に放出して供給することができる薬剤収納容器を形成することができる蓋材用フィルム及びこれを用いた薬剤収納容器を提供する。
本発明の蓋材用フィルムは、薬剤を収納可能で且つ底部に応力を加えることによって放出口が形成可能な収納部を有する薬剤収納部材の上記収納部の開口部が、閉止層上に表面層が剥離可能に積層されてなる蓋材用フィルムによって閉止され且つ上記蓋材用フィルムから上記表面層を剥離、除去した後に上記閉止層を押圧して上記収納部内に圧力を加えることによって上記収納部の底部に形成された放出口を通じて上記収納部内の薬剤を放出可能に構成されている薬剤収納容器に用いられる蓋材用フィルムであって、上記蓋材用フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含む上記閉止層と、上記閉止層上に剥離可能に積層一体化されてなる上記表面層とを有することを特徴とする。
本発明の薬剤収納容器は、薬剤を収納可能で且つ底部に応力を加えることによって放出口が形成可能な収納部を有する薬剤収納部材の上記収納部の開口部が、ポリオレフィン系樹脂を含む閉止層と、上記閉止層上に剥離可能に積層されてなる表面層とを有する蓋材用フィルムによって上記閉止層が上記収納部の開口部に対向した状態に閉止されてなり、上記表面層を剥離、除去した後に上記閉止層を押圧して上記収納部内に圧力を加えることによって上記収納部の底部に形成された放出口を通じて薬剤を放出可能に構成されていることを特徴とする。
本発明の蓋材用フィルムは、その閉止層がポリオレフィン系樹脂を含有していることから、収納部の開口部を閉止している閉止層部分を収納部内に向かって押圧すると、閉止層が収納部の内面に概ね沿った状態に変形し、収納部内に収納された薬剤の略全てが収納部外に放出される。従って、本発明の蓋材用フィルムによれば、薬剤収納部材における収納部内の薬剤の略全てを収納部外に確実に放出することができ、収納部内に収納された所定量の薬剤を正確に外部に放出、供給することができる。
上記蓋材用フィルムにおいて、ポリオレフィン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンを含む場合には、閉止層が収納部の内面に沿った状態により正確に変形することができる。従って、薬剤収納部材における収納部内に収納された薬剤をより確実に放出することができ、収納部内に収納された所定量の薬剤をより正確に外部に放出、供給することができる。
本発明の蓋材用フィルムを示した縦断面図である。 薬剤収納部材を示した底面図である。 薬剤収納容器を示した縦断面図である。 薬剤収納容器を示した斜視図である。 薬剤収納容器の使用要領を示した斜視図である。 薬剤収納容器の使用要領を示した斜視図である。 薬剤収納容器から蓋材用フィルムの表面層を剥離している途上を示した斜視図である 薬剤収納容器をマイクロチップ上に配設した状態を示した縦断面図である。 薬剤収納容器の収納部の底部に放出口が形成された状態を示した縦断面図である。 蓋材用フィルムの閉止層が収納部内に押し込まれて薬剤収納容器の収納部の内周面に沿って変形した状態を示した縦断面図である。
本発明の蓋材用フィルム及びこれを用いた薬剤収納容器を図面を参照しつつ説明する。本発明の蓋材用フィルムAは、図1に示したように、ポリオレフィン系樹脂を含む閉止層1と、この閉止層1上に剥離可能に積層されてなる表面層2とを有している。
蓋材用フィルムAの閉止層1を構成しているポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましく、ポリエチレン系樹脂が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などが挙げられ、直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、高いと、薬剤収納部材の収納部に沿って閉止層が変形しにくくなり、収納部内の薬剤を放出口から円滑に放出することができないことがあるので、0.915g/cm3以下が好ましく、0.895〜0.915g/cm3がより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの融点は、低いと、薬剤収納部材の収納部の開口部を蓋材用フィルムで閉止する際に閉止層が溶融し過ぎることで閉止層の厚みが薄くなり、収納部内の薬剤を放出口から放出する際に閉止層が破れることがあり、高いと、薬剤収納部材と閉止層とのシール性が低下することがあるので、114〜120℃が好ましく、115〜119℃がより好ましい。なお、直鎖状低密度ポリエチレンの融点は、DSC(示差走査熱量分析)によって測定された値をいう。
直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと少量のα−オレフィンとの共重合体であるが、α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられ、1−ヘキセンが好ましい。又、直鎖状低密度ポリエチレン中におけるα−オレフィンの含有量は、少ないと、薬剤収納部材と閉止層とのシール性が低下することがあり、多いと、薬剤収納部材の収納部の開口部を蓋材用フィルムで閉止する際に閉止層が溶融し過ぎることで閉止層の厚みが薄くなり、収納部内の薬剤を放出口から放出する際に閉止層が破れることがあるので、0.5〜50重量%が好ましく、8〜14重量%がより好ましい。
又、ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン成分を50重量%以上含有する、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。なお、ポリプロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられる。
上記閉止層1上には剥離可能に表面層2が積層されて蓋材用フィルムAが構成されている。この表面層2は、接着剤層3を介して閉止層1上に積層されていても、閉止層1上に直接、積層されていてもよいが、蓋材用フィルムの保存又は使用条件に応じて、閉止層と表面層との剥離強度を容易に調整することができるので、接着剤層3を介して閉止層1上に表面層2が剥離可能に積層されていることが好ましい。
上記接着剤層3を構成している接着剤としては、閉止層1上に表面層2を剥離可能に積層させることができれば、特に限定されず、例えば、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などの合成樹脂系接着剤などが挙げられ、ポリウレタン系接着剤が好ましく、ポリウレタン系樹脂及び燐酸エステルを含むポリウレタン系接着剤がより好ましい。
ポリウレタン系樹脂はポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られる。ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させてなるポリエステル系ポリウレタン系樹脂が用いられる。
ポリエステルポリオールは、公知のエステル化反応、すなわち、多塩基酸と多価アルコールとの縮合反応や、多塩基酸のアルキルエステルと多価アルコールとのエステル交換反応により得ることができる。
多塩基酸又はそのアルキルエステルとしては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸など、又はこれらのジアルキルエステル(例えば、炭素数1〜6アルキルエステルなど)若しくはこれらの無水フタル酸などの酸無水物、又はこれらの混合物などが挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3,3’−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、水添ダイマージオールなどの炭素数2〜40アルカン又は脂肪族低分子ジオールなど)、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリ(オキシアルキレン)グリコール又はアルキレンオキシドの共重合体など)、ビスフェノールA又は水添ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加体、3官能以上のポリオール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)、又は、それらの混合物などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物(XDI)、1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート若しくはその混合物(TMXDI)、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼンなどの芳香脂肪族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−、2,3−又は1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリイソシアネートのイソシアネート当量(アミン当量)は、100〜1500が好ましく、120〜1000であるのが好ましい。
ポリウレタン系接着剤に用いられる燐酸エステルとしては、モノステアリル燐酸エステル、ジオクチル燐酸エステル、トリラウリル燐酸エステル、及び下記式(1)で示される燐酸エステルなどが挙げられる。
Figure 2013103733

(式中、Rは炭素数8〜14のアルキル基を示し、mは1又は2である。)
ポリウレタン系接着剤中における燐酸エステルの含有量は、ポリウレタン系樹脂100重量部に対して、0.5〜1重量部が好ましく、0.5〜0.7重量部がより好ましい。燐酸エステルの含有量が0.5重量部未満であると接着剤の接着力が高すぎて、表面層を閉止層から容易に剥離することができない虞れがある。又、燐酸エステルの含有量が1重量部を超えると、接着剤の接着力が低下して表面層が閉止層から不測に剥離する虞れがある。
閉止層1と表面層2とを剥離可能に接着させている接着剤層3の厚さは、薄いと、表面層が閉止層から不測に剥離することがあり、厚いと、接着剤によって閉止層の柔軟性が低下し、表面層を剥離した後、閉止層を薬剤収納部材の収納部に向かって押圧したときに、閉止層を収納部内にその内面に十分に沿わせた状態とすることができず、収納部内に収納した薬剤を十分に外部に放出、供給することができないことがあるので、2〜3.5μmが好ましく、2.5〜3μmがより好ましい。
閉止層1上に接着剤層3を介して表面層2を剥離可能に積層させる方法としては、例えば、閉止層1上に接着剤層3を形成し、この接着剤層3上に表面層2を積層させる方法が挙げられる。閉止層1上に接着剤層3を形成するには、例えば、ポリウレタン系樹脂の原料となるポリオール及びポリイソシアネート、燐酸エステル、並びに有機溶剤を含む原料組成物を閉止層1上に塗工した後に乾燥させることにより原料組成物層を得、その後、この原料組成物層を硬化させることにより行われる。
有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ベンゼン、及びトルエンなどが挙げられる。原料組成物の塗工方法としては、グラビアシリンダーなどを用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法、エアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法などが用いられる。
閉止層1上に塗工した原料組成物に好ましくは60〜95℃、より好ましくは70〜90℃の温度の熱風を吹きつけることによって、上記原料組成物を乾燥させて有機溶剤を除去し、原料組成物層を得ることができる。熱風の吹きつけは、0.1〜0.5分間行えばよい。
また、原料組成物層の硬化は、閉止層1上に形成した原料組成物層を25〜60℃の温度環境下に24〜72時間放置することにより行われるのが好ましい。
上述の通りにして原料組成物層中に存在するポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリウレタン系樹脂を形成することにより原料組成物層を硬化させ、表面層2に対して適度な接着力を有する接着剤層3が得られ、この接着剤層3上に表面層2を重ね合わせることによって閉止層1上に接着剤層3を介して表面層2を剥離可能に積層させて蓋材用フィルムAを製造することができる。
表面層2の構成としては、薬剤収納部材の保存条件又は使用条件に応じて適宜、選択される。例えば、表面層2としては、金属シート21上に中間シート22及び表面シート23がこの順序で積層一体化されてなる積層シートが挙げられる。
金属シートとしては、特に限定されず、例えば、アルミニウム箔、銅箔などが挙げられ、アルミニウム箔が好ましい。表面層2中に金属シートを含むことによって表面層2にバリア性を付与することができ、後述する薬剤収納部材の収納部に収納している薬剤が保存中又は輸送中に空気中に含まれている酸素や水分によって変質するのを防止することができる。
金属シート21上には中間シート22が表面層2の機械的強度を向上させるために積層一体化されている。中間シート22としては、例えば、合成樹脂シートが挙げられる。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。合成樹脂シートは、未延伸であっても延伸されていてもよいが、延伸されていることが好ましく、二軸延伸されていることがより好ましい。
更に、中間シート22上には、保存中又は輸送中における表面層2の損傷を防止するために、表面シート23が積層一体化されている。表面シート23としては、例えば、合成樹脂シートが挙げられる。合成樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。合成樹脂シートは、未延伸であっても延伸されていてもよいが、延伸されていることが好ましく、二軸延伸されていることがより好ましい。
金属シート21と中間シート22との間、及び、中間シート22と表面シート23との間には接着剤層24、25が介在している。接着剤層24、25を構成している接着剤としては、汎用の接着剤を用いることができ、金属シート21と中間シート22、又は、中間シート22と表面シート23とを一体化させることができれば、特に限定されず、例えば、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などの合成樹脂系接着剤などが挙げられ、ポリウレタン系接着剤が好ましく、燐酸エステルを含有しない上述のポリウレタン系接着剤がより好ましい。なお、ポリウレタン系接着剤としては、燐酸エステルを含有していないこと以外は上述のポリウレタン系接着剤と同様であるのでその説明を省略する。
金属シート21上に中間シート22を積層一体化させる方法としては、例えば、金属シート21上に接着剤層24を形成し、この接着剤層24上に中間シート22を積層一体化させる方法が挙げられる。金属シート21上に接着剤層24を形成するには、例えば、ポリウレタン系樹脂の原料となるポリオール及びポリイソシアネート並びに有機溶剤を含む原料組成物を金属シート21上に塗工した後に乾燥させることにより原料組成物層を得、その後、この原料組成物層を硬化させることにより行われる。
有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ベンゼン、及びトルエンなどが挙げられる。原料組成物の塗工方法としては、グラビアシリンダーなどを用いたロールコーティング法、ドクターナイフ法、エアーナイフ・ノズルコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法などが用いられる。
金属シート21上に塗工した原料組成物に好ましくは60〜95℃、より好ましくは70〜90℃の温度の熱風を吹きつけることによって、上記原料組成物を乾燥させて有機溶剤を除去し、原料組成物層を得ることができる。熱風の吹きつけは、0.1〜0.5分間行えばよい。
また、原料組成物層の硬化は、金属シート21上に形成した原料組成物層を25〜60℃の温度環境下に24〜72時間放置することにより行われるのが好ましい。
上述の通りにして原料組成物層中に存在するポリオールとポリイソシアネートとを反応させてポリウレタン系樹脂を形成することにより原料組成物層を硬化させ、中間シート22に対して強固な接着力を有する接着剤層24が得られ、この接着剤層24上に中間シート22を重ね合わせることによって金属シート21上に接着剤層24を介して中間シート22を積層一体化させることができる。なお、原料組成物層上に中間シートを積層させた上で原料組成物層を硬化させて接着剤層とし、金属シート21と中間シート22とを接着剤層24を介して一体化させてもよい。
更に、中間シート22上に表面シート23を積層一体化させる方法としては、例えば、中間シート22上に、上述した接着剤層24を形成する要領と同様の要領で接着剤層25を形成し、この接着剤層25上に表面シート23を重ね合わせることによって中間シート22上に接着剤層25を介して表面シート23を積層一体化させて積層シートを製造することができる。なお、中間シート上に形成した原料組成物層上に表面シートを積層させた上で原料組成物層を硬化させて接着剤層とし、中間シート22と表面シート23とを接着剤層25を介して一体化させてもよい。
そして、上記閉止層1上に上述の要領で上記接着剤層3を介して表面層2として上記積層シートを金属シート21が接着剤層3に対向した状態に剥離可能に積層させることによって蓋材用フィルムAを製造することができる。
なお、上記では、蓋材用フィルムAの表面層2が、金属シート21、接着剤層24、中間シート22、接着剤層25及び表面シート23をこの順序で積層一体化させて構成されている場合を説明したが、この積層構成に限定されるものではなく、適宜、変更されてもよい。
例えば、蓋材用フィルムAの機械的強度が、中間シート22がなくても十分である場合には中間シート22はなくてもよい。この場合、接着剤層24、25の何れか一方は必要なく、金属シート21と表面シート23との間に介在している接着剤層24は、金属シート21と表面シート23とを一体化することができればよく、汎用の接着剤を用いることができる。
又、蓋材用フィルムAのガスバリア性を維持しつつ、蓋材用フィルムAを通じて収納部内に収納した薬剤の視認性を確保したい場合には、金属シート21の代わりに、合成樹脂シートに金属薄膜を蒸着してなる透明な金属蒸着シートを用いて蓋材用フィルムAを構成してもよい。なお、蓋材用フィルムAの中間シート22及び表面シート23も蓋材用フィルムAを通じて収納部内に収納した薬剤の視認性を確保するために透明性を有している必要がある。
金属蒸着シートを構成している合成樹脂シートとしては、特に限定されず、例えば、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12などのポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられ、ポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。金属薄膜を構成している金属としては、例えば、酸化アルミニウム、二酸化珪素などが挙げられる。金属蒸着シートは、スパッタリング法やイオンプレーティング法などの汎用の方法で製造することができる。
蓋材用フィルムAにおいて、金属シート21の代わりに、ガスバリア性を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体シートであってもよい。又、蓋材用フィルムAにガスバリア性を要求しない場合には金属シート21はなくてもよい。この場合、金属シート21と中間シート22とを一体化させている接着剤層24は必要ない。
次に、薬剤収納部材Bについて説明する。図2〜4に示したように、薬剤収納部材Bは、合成樹脂シートの一部を下方に向かって膨出させることによって薬剤を収納可能な収納部4、4・・・が複数個、形成されて構成されている。薬剤収納部材を構成している合成樹脂シートは、蓋材用フィルムAの閉止層1と熱融着性を有している必要があり、ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が挙げられ、ポリエチレン系樹脂を含むことが好ましく、ポリエチレン系樹脂が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などが挙げられ、直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。なお、ポリエチレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン成分を50重量%以上含有する、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。なお、ポリプロピレン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられる。
薬剤収納部材Bの収納部4の底部外周面には、例えば、截頭四角錐状の凸部41が形成され、この凸部41の一の基端縁41aを除く基端外周縁に沿って弱体部41bが形成されており、凸部41を収納部4に向かって押し込むと、凸部41の基端に形成された弱体部41bにおいて亀裂が生じ、凸部41が一の基端縁41aを支点として収納部4内に押し込まれて傾倒した状態となって、収納部4の底部に放出口42が形成されるように構成されている。更に、薬剤収納部材Bの収納部4の底部外周面には、凸部41を包囲するように平面円形状の二つの周状突起43、43が同心円状に突設されている。
そして、薬剤収納部材Bの収納部4内に薬剤を収納した上で上記蓋材用フィルムAをその閉止層1が収納部4に対向した状態に薬剤収納部材Bの上面に重ね合わせて加熱することによって薬剤収納部材Bと閉止層1とを熱融着一体化することによって、薬剤収納部材Bの収納部4を蓋材用フィルムAによって閉止して収納部4を密封することによって薬剤収納容器Cを構成することができ、収納部4内に収納した薬剤を所定期間に亘って安定的に保存しておくことができる。
上記薬剤収納容器Cの使用要領について説明する。先ず、薬剤収納容器Cを用いるための装置Dの概略を説明する。装置Dは、図5に示したように、装置本体5とマイクロチップ6とから構成されている。
装置本体5は、マイクロチップ6を載置するための水平な載置台51と、この載置台51上に基端部が回動自在に枢着されてなる押え板52とを有している。押え板52は、その基端部を中心にして載置台51方向に回動させて載置台51と水平な状態とすると、押え板52と載置台51との対向面間にマイクロチップ6が配設可能な隙間が形成され、この隙間にマイクロチップ6を配設した状態で押え板52の先端部に配設された固定螺子(図示せず)を載置台51上に形成した螺子孔(図示せず)内に螺進させることによって、押え板52と載置台51との対向面間にマイクロチップ6を安定的に固定できるように構成されている。
更に、押え板52におけるマイクロチップ6に対向する面には、後述するように、載置台51と押え板52との間に薬剤収納容器Cを配設したマイクロチップ6を挟持、固定した状態において、薬剤収納容器Cにおける薬剤収納部材Bの収納部4の各開口端面に蓋材用フィルムAを介して当接するOリング52a、52a・・・が一体的に設けられている。そして、押え板52には、この両面間に貫通し且つOリング52a、52a・・・の各貫通孔内に開口する空気供給口52b、52b・・・が形成されている。
一方、図6に示したように、マイクロチップ6は、その上面に薬剤収納部材Bの収納部4を収納するための収納凹部61が複数個、形成されており、マイクロチップ6の各収納凹部61内に薬剤収納部材Bの各収納部4を収納した状態にして、マイクロチップ6の上面に薬剤収納部材Bを載置可能に構成されている。なお、マイクロチップ6の上面は弾性部材によって構成されている。
更に、マイクロチップ6内には、薬剤収納部材Bの収納部4の底部に形成された放出口42から放出された薬剤を所定の場所まで供給するための薬液流路62が収納凹部61の底部の内底面に開口した状態に形成されている。
上記装置Dを用いて薬剤収納容器Cの収納部4内に収納されている薬剤を使用する方法を説明する。先ず、図7に示したように、薬剤収納容器Cにおける蓋材用フィルムAの表面層2を剥離する。この際、蓋材用フィルムAの閉止層1と表面層2とを接着させていた接着剤層3は、表面層2と共に全面的に又は一部が剥離、除去されてもよいし、閉止層1上に残存した状態であってもよい。
次に、図8に示したように、表面層2が剥離、除去された薬剤収納容器Cをマイクロチップ6の上面に、薬剤収納容器Cの収納部4のそれぞれがマイクロチップ6の各収納凹部61内に収納された状態に配設する。なお、マイクロチップ6の上面に薬剤収納容器Cを配設した後に、蓋材用フィルムAの表面層2を剥離、除去してもよい。
しかる後、装置Dの押え板52をその基端を中心にして載置台51方向に回動させてマイクロチップ6上に載置した状態とし、この状態から、押え板52の先端部に配設された固定螺子(図示せず)を載置台51上に形成した螺子孔(図示せず)内に螺進させることによって、押え板52と載置台51との対向面間によってマイクロチップ6を挟持して載置台51上に安定的に固定させる(図9参照)。
この時、押え板52におけるマイクロチップ6に対向する面にはOリング52a、52a・・・が一体的に配設されており、これらのOリング52a、52a・・・がそれぞれ、薬剤収納容器Cの収納部4の開口端面に閉止層1を介して載置され且つOリング52a、52a・・・が薬剤収納容器Cを載置台51方向に押圧した状態となっている。
すると、マイクロチップ6の上面は弾性部材から形成されていることから、薬剤収納容器Cの周状突起43、43がマイクロチップ6の上面にめり込んだ状態となって、薬剤収納容器Cの収納部4における底部外面に突設された凸部41、41・・・が、マイクロチップの収納凹部61の内底面61aによって押え板52方向に向かって押圧され、凸部41、41・・・は、その基端縁41aを支点として収納部4内に押し込まれ、その結果、凸部41、41・・・の基端に形成された弱体部41bに亀裂が生じ、この亀裂を通じて収納部4の内外を連通状態とする放出口42が形成される(図9参照)。
しかる後、押え板52の空気供給口52bを通じて空気を薬剤収納容器Cの閉止層1に向かって吹き付ける。すると、空気の圧力によって薬剤収納容器Cの閉止層1が収納部4内に向かって押圧され、収納部4内に収納された薬剤が放出口42を通じて外部に放出されて、マイクロチップ6内に形成された薬液流路62を通じてマイクロチップ6内の所定箇所に供給されて所定の用途に用いられる(図10参照)。例えば、薬液流路62を通じてマイクロチップ6内の所定箇所に供給された薬剤は、マイクロチップ6に別途設けられた供給口から供給された生体高分子などのサンプルと混合されて化学反応を生じ、PCR法、LAMP法、NASBA法、RCA法、ICAN法、リアルタイムPCR法などの汎用の方法を用いてDNAの解析などを行うことができる。
上述のように、押え板52の空気供給口52bを通じて供給された空気の圧力によって、薬剤収納容器Cの閉止層1は収納部4に向かって押し込まれるが、蓋材用フィルムAの閉止層1はポリオレフィン系樹脂を含み、柔軟性及び伸長性に優れているので、閉止層1は、収納部4の内面に沿って円滑に伸長しながら変形し、収納部4内に収納している薬剤の略全てを収納部4に形成された放出口42から放出させることができる。
よって、薬剤収納容器Cの収納部4内に収納された所定量の薬剤を確実に所望箇所に供給することができ、例えば、DNA解析においては、生体高分子の分析をより正確に行うことができる。
又、薬剤収納容器Cの収納部4内に収納した薬剤は、収納部4の開口部を閉止している閉止層1を破ることなく、収納部4外に放出することが可能であり、薬剤に不純物を混入させることなく、収納部4内に収納している薬剤を放出することができる。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚みが12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート(東洋紡社製 商品名「エステルフィルムE5102」)を用意した。又、2液硬化型ポリウレタン接着剤の主剤としてポリオール(三井化学社製 商品名「タケラックA616」)と、硬化剤としてポリイソシアネート(三井化学社製 商品名「タケネートA65」)とを重量比(ポリオール:ポリイソシアネート)が16:1となるように混合し、この混合液に酢酸エチルを添加して固形分が25重量%である原料組成物Aを得た。
上記二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート上に上記原料組成物Aを溶剤型ドライラミネート法グラビアロール方式によって10g/m2にて塗布した後、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートを加熱炉に供給して70〜90℃の熱風を0.1分間に亘って吹きつけることによって、原料組成物Aを乾燥させて酢酸エチルを除去し、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート上に第一原料組成物層を2.3g/m2にて形成した。
次に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート上に形成された第一原料組成物層上に厚みが25μmの二軸延伸ポリアミドシート(東洋紡社製 商品名「ハーデンフィルムN1202」)を重ね合わせた。
更に、上記二軸延伸ポリアミドシート上に上記原料組成物Aを溶剤型ドライラミネート法グラビアロール方式によって10g/m2にて塗布した後、二軸延伸ポリアミドシートを加熱炉に供給して70〜90℃の熱風を0.1分間に亘って吹きつけることによって、原料組成物Aを乾燥させて酢酸エチルを除去し、二軸延伸ポリアミドシート上に第二原料組成物層を2.3g/m2にて形成した。
続いて、二軸延伸ポリアミドシート上に形成された第二原料組成物層上に厚みが7μmのアルミニウム箔(日本製箔社製 商品名「1N30」)を重ね合わせて積層シートを作製した。
上記積層シートを45℃にて72時間に亘って加熱することによって第一、第二原料組成物層を硬化させて、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、二軸延伸ポリアミドシート及びアルミニウム箔がこの順序で且つそれぞれが接着剤層を介して積層一体化してなる表面層用シートを作製した。
一方、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「ウルトゼックス1520L」、密度:0.914g/cm3、融点:115℃、1−ヘキセン成分:11重量%)を押出機に供給して溶融混練して押出機の先端に取り付けたTダイから押出して厚みが30μmの直鎖状低密度ポリエチレンシートを得た。この直鎖状低密度ポリエチレンシートの片面にコロナ放電処理を施して、コロナ放電処理面の表面張力が38dyne/cm以上となるように処理した。
固形分が50重量%である2液硬化型ポリウレタン接着剤の主剤としてポリオール(三井化学株式会社製 商品名「タケラックA616」)と、イソシアネート系硬化剤として固形分100%のポリイソシアネート(三井化学社製 商品名「タケネートA65」)とを重量比(ポリオール:ポリイソシアネート)16:1にて混合して十分に撹拌した後、得られた混合物に燐酸エステル(デュポン株式会社製 商品名「ゼレックUN」)をポリオール及びポリイソシアネートの総量に対して1重量%となるように添加して原料組成物Bを得た。
表面層用シートのアルミニウム箔上に上記原料組成物Bを溶剤型ドライラミネート法グラビアロール方式によって10g/m2にて塗布した後、表面層用シートを加熱炉に供給して70〜90℃の熱風を0.1分間に亘って吹きつけることによって、原料組成物Bを乾燥させて酢酸エチルを除去し、表面層用シートのアルミニウム箔上に第三原料組成物層を2.3g/m2にて形成した。
次に、表面層用シート上に形成された第三原料組成物層上に直鎖状低密度ポリエチレンシートをそのコロナ放電処理面が第三原料組成物層に対向した状態となるように重ね合わせた後、第三原料組成物層を45℃にて72時間に亘って加熱することによって第三原料組成物層を硬化させて、直鎖状低密度ポリエチレンから構成された閉止層上に、厚みが2.5μmの接着剤層を介して、表面層用シートから構成された表面層が剥離可能に積層されてなる蓋材用フィルムAを得た。
一方、図2〜4に示した薬剤収納部材を用意した。薬剤収納部材Bはポリエチレン製であった。薬剤収納部材Bの収納部4は、その内径が0.7cm、深さが0.26cmの円柱状に形成されていた。
この薬剤収納部材Bの収納部内に水を収納した後、薬剤収納部材Bの上面に蓋材用フィルムAをその閉止層が対向した状態に重ね合わせて160℃に加熱することによって、蓋材用フィルムAを薬剤収納部材Bの上面に融着一体化させて、蓋材用フィルムAによって薬剤収納部材Bの収納部4の上端開口部を全面的に閉止して薬剤収納容器Cを得た。
(実施例2)
直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「ウルトゼックス1020L」、密度:0.909g/cm3、融点:115℃、1−ヘキセン成分:12重量%)を押出機に供給して溶融混練してインフレーション成形法によって厚みが35μmの直鎖状低密度ポリエチレンシートを得た。この直鎖状低密度ポリエチレンシートを用いたこと以外は実施例1と同様の要領で蓋材用フィルムを製造し、この蓋材用フィルムを用いて薬剤収納容器Cを得た。
(追従性)
実施例で得られた薬剤収納容器Cについて、蓋材用フィルムAの表面層2を剥離除去した。薬剤収納容器Cの収納部4の上端開口部は閉止層1によって閉止された状態であり、閉止層1上には接着剤層3が残存した状態となっていた。
次に、薬剤収納容器Cの収納部4の底部外面に形成された凸部41を人手で収納部4内に押し込んで、凸部41の基端に形成された弱体部41bに亀裂を生じさせて、この亀裂を通じて収納部4の内外を連通状態とする放出口42を形成した。
しかる後、薬剤収納容器Cの収納部4の上端開口部を閉止している閉止層1部分の中央部に収納部4方向に向かって150kPaの圧力で空気を吹き付けて閉止層1を収納部4内に押し込んで収納部4内に収納した薬剤を収納部4の放出口42から放出した。
実施例1、2の蓋材用フィルムの閉止層1は、収納部4の内面に略沿った状態に変形しながら収納部4内に押し込まれ、収納部4内に収納した薬剤は、収納部4内に押し込まれた閉止層1によって略全面的に収納部4外に放出口42を通じて放出された。
1 閉止層
2 表面層
21 金属シート
22 中間シート
23 表面シート
24 接着剤層
25 接着剤層
3 接着剤層
4 収納部
41 凸部
41a 基端縁
41b 弱体部
42 放出口
43 周状突起
5 装置本体
51 載置台
52 押え板
52a Oリング
52b 空気供給口
6 マイクロチップ
61 収納凹部
61a 内底面
62 薬液流路
A 蓋材用フィルム
B 薬剤収納部材
C 薬剤収納容器
D 装置

Claims (5)

  1. 薬剤を収納可能で且つ底部に応力を加えることによって放出口が形成可能な収納部を有する薬剤収納部材の上記収納部の開口部が、閉止層上に表面層が剥離可能に積層されてなる蓋材用フィルムによって閉止され且つ上記蓋材用フィルムから上記表面層を剥離、除去した後に上記閉止層を押圧して上記収納部内に圧力を加えることによって上記収納部の底部に形成された放出口を通じて上記収納部内の薬剤を放出可能に構成されている薬剤収納容器に用いられる蓋材用フィルムであって、上記蓋材用フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を含む上記閉止層と、上記閉止層上に剥離可能に積層一体化されてなる上記表面層とを有することを特徴とする蓋材用フィルム。
  2. ポリオレフィン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項1に記載の蓋材用フィルム。
  3. 直鎖状低密度ポリエチレンは、その密度が0.915g/cm3以下であり且つ融点が114〜120℃であることを特徴とする請求項2に記載の蓋材用フィルム。
  4. 薬剤を収納可能で且つ底部に応力を加えることによって放出口が形成可能な収納部を有する薬剤収納部材の上記収納部の開口部が、ポリオレフィン系樹脂を含む閉止層と、上記閉止層上に剥離可能に積層されてなる表面層とを有する蓋材用フィルムによって上記閉止層が上記収納部の開口部に対向した状態に閉止されてなり、上記表面層を剥離、除去した後に上記閉止層を押圧して上記収納部内に圧力を加えることによって上記収納部の底部に形成された放出口を通じて薬剤を放出可能に構成されていることを特徴とする薬剤収納容器。
  5. ポリオレフィン系樹脂が直鎖状低密度ポリエチレンを含むことを特徴とする請求項4に記載の薬剤収納容器。
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