JP2013103445A - セラミックグリーンシートの切断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数枚のセラミックグリーンシート間の積層ズレが少なく安価な積層体を作製するする際に用いることができるセラミックグリーンシートの切断装置を提供する。
【解決手段】積層体31を形成する際に用いるセラミックグリーンシートの切断装置10であって、セラミックグリーンシートの切断装置10は、ラミネート治具板14と、切断ユニット15とを有し、ラミネート治具板14は、平板16と、位置決めピン17とを備え、切断ユニット15は、上平板19、及び下平板20と、中間平板21、及び切断刃22と、固定側楔24、移動側楔25、及びダイヤルゲージ26と、バネ体27とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】積層体31を形成する際に用いるセラミックグリーンシートの切断装置10であって、セラミックグリーンシートの切断装置10は、ラミネート治具板14と、切断ユニット15とを有し、ラミネート治具板14は、平板16と、位置決めピン17とを備え、切断ユニット15は、上平板19、及び下平板20と、中間平板21、及び切断刃22と、固定側楔24、移動側楔25、及びダイヤルゲージ26と、バネ体27とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子装置として機能させるために半導体素子や水晶振動子等の電子部品を収納する多層構造からなるセラミックパッケージ等を複数枚のセラミックグリーンシートを積層して作成する際に用いられるセラミックグリーンシートの切断装置に関する。
従来から、ロール状から所望する大きさの矩形状に切断した複数枚のそれぞれのセラミックグリーンシートは、外周辺部であるダミー部のそれぞれ同じ位置となるところに位置合わせを行うための基準用の貫通孔を穿設している。そして、この貫通孔は、それぞれのセラミックグリーンシートのスクリーン印刷時に印刷台上に位置合わせ用として立設させた位置決めピンに挿通させることで印刷位置決めのための基準として用いたり、複数枚のセラミックグリーンシートの積層時の積層装置のラミネート治具板上に位置合わせ用として立設させた位置決めピンに順次挿通させることで複数枚を重ね合わせるための基準として用いている。
しかしながら、このセラミックグリーンシートは、スクリーン印刷時に繰り返される加熱乾燥や、印刷面平滑化のための加圧等によってセラミックグリーンシートに熱や、圧力が掛けられるので、セラミックグリーンシートに膨張と、収縮が発生してセラミックグリーンシートの寸法バラツキが大きくなっている。このようなセラミックグリーンシートは、積層時にラミネート治具板上に立設する位置決めピンに貫通孔を挿通させることができなくなってきている。
そこで、セラミックグリーンシートの仮積層装置には、矩形状のそれぞれのセラミックグリーンシートを金属板等からなる窓枠形状の枠体の内側に配置し、セラミックグリーンシートの縁部と枠体の内側面を対向させた状態で、例えば、接着テープ等を用いてセラミックグリーンシートの外縁を枠体に固定させ、セラミックグリーンシートを枠体に拘束させている。そして、それぞれのセラミックグリーンシートには、ダミー部に画像認識装置でのスクリーン印刷時の位置決め基準となる貫通孔を設け、これを基準としてスクリーン印刷を行っている。更に、スクリーン印刷時には、積層時における画像認識装置でのセラミックグリーンシートの重ね合わせのための基準となる複数枚の全てが同じ位置となる所にマーカーを設けている。そして、積層体を形成するための重ね合わせ時には、枠体に固定させた状態の最下層となるセラミックグリーンシート上に、枠体に固定させた状態のセラミックグリーンシートを吸着体で強固に保持した状態で外周部を下方から切断して枠体を取り外したセラミックグリーンシートを、吸着体で強固に保持した状態で上記のマーカーを画像認識装置で認識させて位置決めして重ね合わせ、数カ所をホットバーで接着させて仮固定した後、吸着体を取り外している。更に、上記のセラミックグリーンシートの外周部を切断して枠体を取り外したセラミックグリーンシート上には、上記と同じ動作を繰り返して複数枚の全ての枠体を取り外したセラミックグリーンシートを重ね合わせた後、温度と圧力をかけて接合し、最後に、枠体に固定させた状態の最下層となるセラミックグリーンシートから枠体を除去して積層体を形成する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前述したような従来のセラミックグリーンシートの切断装置には、次のような問題がある。
(1)特開2009−18555号公報で開示されるセラミックグリーンシートの仮積層装置は、枠体に固定させた状態のセラミックグリーンシートを吸着体で強固に保持した状態で下方から切断刃で外周部を切断して枠体を取り外し、吸着体で保持した状態のセラミックグリーンシートを吸着体に設ける覗き孔を介して吸着体の上方側から画像認識装置で認識させて位置決めして重ね合わせ、吸着体で保持した状態のセラミックグリーンシートをホットバーで接着させて仮固定したりさせた後、吸着体を取り除く一連作業をさせる装置設備が複雑で高価であり、しかも、維持管理が難しくなっている。また、このセラミックグリーンシートの仮積層装置におけるセラミックグリーンシートの切断設備は、セラミックグリーンシートを切断して枠体を取り除いた後に、下層側のセラミックグリーンシートに重ね合わせる必要があり、重ね合わせて仮積層するまでは吸着体で強固にセラミックグリーンシートを保持する必要があり、作業が複雑で手間が掛かると共に、上記のように設備も高価なものであるので、作製される積層体が高価なものとなっている。
(2)また、上記のセラミックグリーンシートの仮積層装置は、セラミックグリーンシートを切断して枠体を取り除いたセラミックグリーンシートをホットバーで順次接着させて仮固定させたとしても、それぞれのセラミックグリーンシートの仮固定させる位置が同じ位置であるので、上層側のホットバーでの仮固定によって、下層側の仮固定部分を軟化させる影響を及ぼし、固定位置がズレて積層ズレの少ない高精度の積層体を作製することが難しくなっている。
(1)特開2009−18555号公報で開示されるセラミックグリーンシートの仮積層装置は、枠体に固定させた状態のセラミックグリーンシートを吸着体で強固に保持した状態で下方から切断刃で外周部を切断して枠体を取り外し、吸着体で保持した状態のセラミックグリーンシートを吸着体に設ける覗き孔を介して吸着体の上方側から画像認識装置で認識させて位置決めして重ね合わせ、吸着体で保持した状態のセラミックグリーンシートをホットバーで接着させて仮固定したりさせた後、吸着体を取り除く一連作業をさせる装置設備が複雑で高価であり、しかも、維持管理が難しくなっている。また、このセラミックグリーンシートの仮積層装置におけるセラミックグリーンシートの切断設備は、セラミックグリーンシートを切断して枠体を取り除いた後に、下層側のセラミックグリーンシートに重ね合わせる必要があり、重ね合わせて仮積層するまでは吸着体で強固にセラミックグリーンシートを保持する必要があり、作業が複雑で手間が掛かると共に、上記のように設備も高価なものであるので、作製される積層体が高価なものとなっている。
(2)また、上記のセラミックグリーンシートの仮積層装置は、セラミックグリーンシートを切断して枠体を取り除いたセラミックグリーンシートをホットバーで順次接着させて仮固定させたとしても、それぞれのセラミックグリーンシートの仮固定させる位置が同じ位置であるので、上層側のホットバーでの仮固定によって、下層側の仮固定部分を軟化させる影響を及ぼし、固定位置がズレて積層ズレの少ない高精度の積層体を作製することが難しくなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数枚のセラミックグリーンシート間の積層ズレが少なく安価な積層体を作製するする際に用いることができるセラミックグリーンシートの切断装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るセラミックグリーンシートの切断装置は、複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせ温度と圧力をかけて接合して積層体を形成する際に用いるセラミックグリーンシートの切断装置であって、セラミックグリーンシートの切断装置は、窓枠状の枠体に固定させた状態のそれぞれのセラミックグリーンシートのダミー部に設ける挿通孔に嵌合させて位置決めし、複数枚を重ね合わせるためのラミネート治具板と、ラミネート治具板上に載置された下層側のセラミックグリーンシート上に載置する枠体に固定させた状態の上層側のセラミックグリーンシートの外周部を上方から四角形状に切断して上層側のセラミックグリーンシートから枠体を除去するための切断ユニットとを有し、ラミネート治具板は、平板と、平板上に垂直に立設し、セラミックグリーンシートに設けられた挿通孔の位置と同じ位置になるように固定させる複数本の位置決めピンとを備え、切断ユニットは、4本のポールで平行間隔を維持して支持される上平板、及び下平板と、上平板と下平板間にポールを介して摺動して上下方向動可能で下平板より大きい外形寸法の中間平板、及び中間平板の外周4側面に片刃の刃面を外方側にして刃先を下平板の下面から垂直に所定長さ突出させて支持される切断刃と、上平板と中間平板間に上平板に固定された固定側楔、固定側楔の傾斜面に沿って横方向動可能とされる移動側楔、及び移動側楔の移動量を制御するダイヤルゲージと、中間平板と下平板間にダイヤルゲージによる移動側楔の移動量によって切断刃の下平板の下面からの突出量を制御するバネ体とを備えている。
ここで、上記のセラミックグリーンシートの積層装置において、切断刃は、これがそれぞれ支持される中間平板の側面長さより長く、それぞれの長さ方向の少なくともいずれか一方の同一方向の端面に設ける垂直面を隣接する切断刃の側面に当接させるようにして中間平板の外周4側面を取り巻くように支持されているのがよい。
上記のセラミックグリーンシートの切断装置は、複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせ温度と圧力をかけて接合して積層体を形成する際に用いるセラミックグリーンシートの切断装置であって、セラミックグリーンシートの切断装置は、窓枠状の枠体に固定させた状態のそれぞれのセラミックグリーンシートのダミー部に設ける挿通孔に嵌合させて位置決めし、複数枚を重ね合わせるためのラミネート治具板と、ラミネート治具板上に載置された下層側のセラミックグリーンシート上に載置する枠体に固定させた状態の上層側のセラミックグリーンシートの外周部を上方から四角形状に切断して上層側のセラミックグリーンシートから枠体を除去するための切断ユニットとを有し、ラミネート治具板は、平板と、平板上に垂直に立設し、セラミックグリーンシートに設けられた挿通孔の位置と同じ位置になるように固定させる複数本の位置決めピンとを備え、切断ユニットは、4本のポールで平行間隔を維持して支持される上平板、及び下平板と、上平板と下平板間にポールを介して摺動して上下方向動可能で下平板より大きい外形寸法の中間平板、及び中間平板の外周4側面に片刃の刃面を外方側にして刃先を下平板の下面から垂直に所定長さ突出させて支持される切断刃と、上平板と中間平板間に上平板に固定された固定側楔、固定側楔の傾斜面に沿って横方向動可能とされる移動側楔、及び移動側楔の移動量を制御するダイヤルゲージと、中間平板と下平板間にダイヤルゲージによる移動側楔の移動量によって切断刃の下平板の下面からの突出量を制御するバネ体とを備えているので、ラミネート治具板と、切断ユニットによって、重ね合わせたセラミックグリーンシートを上方から下層側のセラミックグリーンシートに切り込みを発生させることなく、上層側のセラミックグリーンシートのみを精度よく切断することがでると共に、装置設備自体が簡単で維持管理が容易で安価であり、作製される積層体を安価にすることができる。また、それぞれのセラミックグリーンシートは、窓枠状の枠体を付けた状態でスクリーン印刷時に繰り返される加熱乾燥や、印刷面平滑化のための加圧等による熱や、圧力でのセラミックグリーンシートの膨張、及び収縮を防止してセラミックグリーンシートの寸法バラツキを小さくし、ダミー部に設ける挿通孔をラミネート治具板の位置決めピンに精度よく容易に嵌合させて載置させた後に上層側のセラミックグリーンシートを切断して枠体を除去することができ、これを繰り返してセラミックグリーンシートを重ね合わせ、上、下方向から加熱しながら加圧するだけで積層ズレの少ない高精度の積層体を安価に作製することができるセラミックグリーンシートの切断装置を提供することができる。
特に、上記のセラミックグリーンシートの切断装置において、切断刃は、これがそれぞれ支持される中間平板の側面長さより長く、それぞれの長さ方向の少なくともいずれか一方の同一方向の端面に設ける垂直面を隣接する切断刃の側面に当接させるようにして中間平板の外周4側面を取り巻くように支持されているので、セラミックグリーンシートの4角に切断残りを発生させることなく4辺を1度に切断させることができ、切断精度がよく、作業能率のよい安価な積層体を容易に作製することができるセラミックグリーンシートの切断装置を提供することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミックグリーンシートの切断装置10は、複数枚のセラミックグリーンシート11を重ね合わせ、温度と圧力をかけて接合して積層体31(図3(D)参照)を形成する際にセラミックグリーンシート11を1枚毎切断するために用いる装置である。なお、このセラミックグリーンシート11には、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)等の高温焼成セラミックや、ガラスセラミック等の低温焼成セラミック等を用いることができる。例えば、セラミックグリーンシート11がアルミナからなる場合には、アルミナ粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオキシルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー及び、トルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混連した後、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって例えば、厚さ0.25mmのロール状のシートを作成し、所望する適当なサイズにカットして複数枚のセラミックグリーンシート11を作製している。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るセラミックグリーンシートの切断装置10は、複数枚のセラミックグリーンシート11を重ね合わせ、温度と圧力をかけて接合して積層体31(図3(D)参照)を形成する際にセラミックグリーンシート11を1枚毎切断するために用いる装置である。なお、このセラミックグリーンシート11には、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)等の高温焼成セラミックや、ガラスセラミック等の低温焼成セラミック等を用いることができる。例えば、セラミックグリーンシート11がアルミナからなる場合には、アルミナ粉末にマグネシア、シリカ、カルシア等の焼結助剤を適当量加えた粉末に、ジオキシルフタレート等の可塑剤と、アクリル樹脂等のバインダー及び、トルエン、キシレン、アルコール類等の溶剤を加え、十分に混連した後、脱泡して粘度2000〜40000cpsのスラリーを作製し、ドクターブレード法等によって例えば、厚さ0.25mmのロール状のシートを作成し、所望する適当なサイズにカットして複数枚のセラミックグリーンシート11を作製している。
上記のセラミックグリーンシートの切断装置10は、窓枠状の枠体12に固定された状態のそれぞれのセラミックグリーンシート11の外周部であるダミー部に設ける挿通孔13に嵌合させて位置決めし、複数枚を精度よく重ね合わせるためのラミネート治具板14を有している。ここで用いられる枠体12は、アルミニウムや、ステンレス等の金属板からなり、内周側面にセラミックグリーンシート11の外周端面が対向するようにして互いを接着テープ等でブリッジ状に繋ぎ止め、枠体12にセラミックグリーンシート11を固定させている。また、挿通孔13は、枠体12に固定する前のそれぞれのセラミックグリーンシート11に孔開け装置で穿設して形成している。なお、それぞれのセラミックグリーンシート11には、図示していないが、上記の挿通孔13以外にスルーホール導体や、ビア導体用の貫通孔、あるいは、導体パターン形成のための画像認識でのスクリーン印刷位置合わせ用の貫通孔等を穿設して形成している。
上記のセラミックグリーンシートの切断装置10は、ラミネート治具板14上に載置された枠体12に固定された状態の下層側のセラミックグリーンシート11上には、枠体12に固定された状態の上層側のセラミックグリーンシート11が載置されるようになっている。そして、このセラミックグリーンシートの切断装置10は、下層側のセラミックグリーンシート11上に載置された上層側のセラミックグリーンシート11の外周部のみを上方から四角形状に切断して上層側のセラミックグリーンシート11からこれに取り付けられていた枠体12のみを除去するための切断ユニット15を有している。
上記のセラミックグリーンシートの切断装置10のラミネート治具板14は、アルミニウムや、ステンレス等の金属板からなる平板16と、この平板16上に垂直に立設し、セラミックグリーンシート11に設けられた挿通孔13の位置と同じ位置になるように固定させる複数本の位置決めピン17とを備えている。この位置決めピン17は、耐磨耗性に高いタングステンカーバイト(WC)等からなり、ラミネート治具板14上に載置されるセラミックグリーンシート11の挿通孔13を嵌合させて挿通させることができるようになっている。
一方、上記のセラミックグリーンシートの切断装置10の切断ユニット15は、4本の円柱状のポール18で平行間隔を維持して支持される上平板19、及び下平板20を備えている。このポール18と、上平板19、及び下平板20とでは、ダイセット型のような形状を呈し、それぞれ強固な金属製で形成されている。また、この切断ユニット15は、上平板19と下平板20との間に、ポール18を介して摺動して上下方向に自在に可動可能で下平板20の外形寸法より大きい外形寸法からなる中間平板21、及びこの中間平板21の外周4側面に片刃からなる切断刃22を備えている。この切断刃22は、耐磨耗性に高いタングステンカーバイト(WC)等からなり、片刃の刃先角度が10〜15°程度の鋭利な形状を有し、中間平板21の外周4側面に片刃の刃面を外方側にして刃先を下平板20の下面から垂直に所定長さ突出させて支持されている。なお、ポール18を介して摺動する中間平板21には、通常、ポール18との間にボールブッシュ23が挟み込まれており、このボールブッシュ23のベアリングによって滑らかに摺動させることができるようになっている。
また、上記の切断ユニット15は、上平板19と中間平板21との間に、上平板1に固定された固定側楔24と、この固定側楔24の傾斜面に沿って横方向に自在に往復可動可能とされる移動側楔25と、この移動側楔25の移動量を制御するダイヤルゲージ26を備えている。固定側楔24と移動側楔25は、互いの傾斜面同士が摺動できると共に、固定側楔24の上面と移動側楔25の下面間が平行となっている。固定側楔24と移動側楔25の総厚みは、ダイヤルゲージ26の押し込み側回転で移動側楔25が前進して総厚みが大きくなり、逆に、ダイヤルゲージ26の引き込み側回転で移動側楔25が後退して総厚みが小さくなるようになっている。
更には、切断ユニット15は、中間平板21と下平板20との間に、ダイヤルゲージ26による移動側楔25の移動量によって切断刃22の下平板20の下面からの突出量αを制御するバネ体27を備えている。この突出量αは、中間平板21と上平板19間が、バネ体27でポール18を介して上方に押圧する中間平板21と、固定側楔24と移動側楔25の平行な上下面とによる平行間隔を維持しての増減であるので、中間平板21の外周4側面の突出量αを略同量とすることができる。
上記のセラミックグリーンシートの切断装置10における切断刃22は、これがそれぞれ支持される中間平板21の側面長さよりそれぞれ長く形成されている。また、それぞれの切断刃22には、長さ方向の少なくともいずれか一方のそれそれの切断刃22が同一方向となる端面に垂直面を設けている。そして、それぞれの切断刃22は、垂直面を隣接する切断刃22の側面に当接させるようにして中間平板21の外周4側面を取り巻くように支持されるようにしている。
次いで、図2(A)〜(C)、図3(A)〜(D)を参照しながら、セラミックグリーンシートの切断装置10を用いて積層体を形成する際の形成方法を説明する。
図2(A)に示すように、窓枠状の枠体12に固定された状態の最下層となるセラミックグリーンシート11は、セラミックグリーンシート11の外周部であるダミー部に設けた挿通孔13をラミネート治具板14に立設させた位置決めピン17に嵌合させて位置決めしながら、ラミネート治具板14上に載置している。上記の枠体12は、取り扱い中の変形を防ぐために、厚みが厚く、通常、セラミックグリーンシート11の厚みより厚いものとなっている。そして、枠体12とセラミックグリーンシート11は、それぞれ上面同士を接着テープ等でブリッジ状に繋ぎ止めているので、可撓性のあるセラミックグリーンシート11をラミネート治具板14の平板16上に載置したときにセラミックグリーンシート11が枠体12との近傍部で垂れ下がるようにして平板16の上面に倣うように当接し、枠体12の上面がセラミックグリーンシート11の上面より突出しているようになっている。次に、ラミネート治具板14の平板16上に載置した枠体12に固定された状態の最下層となるセラミックグリーンシート11の上には、枠体12に固定された状態の下から2層目となる上層側のセラミックグリーンシート11を上記と同様にしてそれぞれの枠体12同士が当接し、上層側のセラミックグリーンシート11が最下層となるセラミックグリーンシート11上に倣うようにして載置している。
図2(A)に示すように、窓枠状の枠体12に固定された状態の最下層となるセラミックグリーンシート11は、セラミックグリーンシート11の外周部であるダミー部に設けた挿通孔13をラミネート治具板14に立設させた位置決めピン17に嵌合させて位置決めしながら、ラミネート治具板14上に載置している。上記の枠体12は、取り扱い中の変形を防ぐために、厚みが厚く、通常、セラミックグリーンシート11の厚みより厚いものとなっている。そして、枠体12とセラミックグリーンシート11は、それぞれ上面同士を接着テープ等でブリッジ状に繋ぎ止めているので、可撓性のあるセラミックグリーンシート11をラミネート治具板14の平板16上に載置したときにセラミックグリーンシート11が枠体12との近傍部で垂れ下がるようにして平板16の上面に倣うように当接し、枠体12の上面がセラミックグリーンシート11の上面より突出しているようになっている。次に、ラミネート治具板14の平板16上に載置した枠体12に固定された状態の最下層となるセラミックグリーンシート11の上には、枠体12に固定された状態の下から2層目となる上層側のセラミックグリーンシート11を上記と同様にしてそれぞれの枠体12同士が当接し、上層側のセラミックグリーンシート11が最下層となるセラミックグリーンシート11上に倣うようにして載置している。
次に、図2(B)に示すように、予め切断刃22の突出量αを調整し、ラミネート治具板14上に位置する切断ユニット15は、下降を開始して、切断刃22を上層側のセラミックグリーンシート11に挿入させながら下平板20の下面が上層側のセラミックグリーンシート11の上面に当接するまで下降させている。この切断ユニット15の下降は、切断刃22の突出量αが4側面で略同等となっているので、上層側のセラミックグリーンシート11に切断残りや、最下層のセラミックグリーンシート11に切り込みを発生させることなく、上層側のセラミックグリーンシート11を1度で切断溝28を形成することができる。なお、下平板20の下面には、切断ユニット15の下降によって、下平板20の下面にラミネート治具板14の平板16上に立設させた位置決めピン17が衝突しないように逃げ穴29が設けられている。
次に、図2(C)に示すように、上記の切断溝28の形成で枠体12に固定された状態の上層側のセラミックグリーンシート11から切り離しが可能となった枠体12部分は、切断ユニット15が上昇した後、取り除いている。そして、ラミネート治具板14の平板16上には、枠体12に固定された状態の最下層となるセラミックグリーンシート11と、その上に枠体12部分を取り除いた上層側のセラミックグリーンシート11からなる重ね合わせ体30を形成している。
次に、更に、セラミックグリーンシート11の積層数を増加させる必要数がある場合には、図3(A)に示すように、枠体12部分を取り除いた2層目となる上層側のセラミックグリーンシート11上に、枠体12に固定された状態の下から3層目となる更に上層側のセラミックグリーンシート11を載置している。そして、3層目となる更に上層側のセラミックグリーンシート11には、上記と同様な方法で切断溝28を形成している。そして、図3(B)に示すように、3層目のセラミックグリーンシート11に形成した切断溝28から枠体12部分を取り除いた後のラミネート治具板14の平板16上には、枠体12に固定された状態の最下層となるセラミックグリーンシート11、この上に枠体12部分を取り除いた2層目の上層側のセラミックグリーンシート11、更にこの上に枠体12部分を取り除いた3層目の更に上層側のセラミックグリーンシート11からなる重ね合わせ体30を形成している。なお、更に、セラミックグリーンシート11の積層数を増加させる必要数がある場合には、上記と同様にして更なる上層側のセラミックグリーンシート11を重ね合わせた重ね合わせ体30を形成している。
次に、図3(C)に示すように、ラミネート治具板14の平板16上に所望の層数を重ね合わせた重ね合わせ体30は、ラミネート治具板14を含めた状態で上、下方向から加熱しながら加圧できる積層装置(図示せず)で接合させている。そして、図3(D)に示すように、所望の層数を接合させた重ね合わせ体30は、ラミネート治具板14から取り外した後、最下層のセラミックグリーンシート11に取り付けられている枠体12部分を取り除くことで所望の層数からなるセラミックグリーンシート11の積層体31を形成している。
なお、この積層体31からは、セラミックパッケージが形成されるようになっているが、積層体31は、個片体のセラミックパッケージが多数個配列する集合体として形成されている。従って、積層体31には、例えば、個片体のセラミックパッケージを多数個形成するためのV字状や、U字状等からなる分割溝を形成している。そして、積層体31は、例えば、セラミックがアルミナからなる場合には還元雰囲気中で約1600℃程度の高温で導体配線パターンを形成している高融点金属と同時焼成して複数個のセラミックパッケージの集合体からなる焼成体を形成している。そして、焼成体には、必要に応じて導体金属上にNiめっき被膜を形成した後、KV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等からなる金属リング等がAg−Cuろう等の高温ろう材で接合され、更に、外部に露出する金属表面にNiめっき被膜及びAuめっき被膜が形成され、上記の分割溝で個片体に分割してセラミックパッケージにしている。
本発明は、小型で、高信頼性が要求される、例えば、携帯電話や、ノートブック型のパソコン等の電子装置に組み込むために用いられる半導体素子や、水晶振動子や、圧電素子等の電子部品を実装させるセラミックパッケージ等をセラミックグリーンシートを積層して作成する際に用いられるセラミックグリーンシートの切断装置として用いることができる。
10:セラミックグリーンシートの切断装置、11:セラミックグリーンシート、12:枠体、13:挿通孔、14:ラミネート治具板、15:切断ユニット、16:平板、17:位置決めピン、18:ポール、19:上平板、20:下平板、21:中間平板、22:切断刃、23:ボールブッシュ、24:固定側楔、25:移動側楔、26:ダイヤルゲージ、27:バネ体、28:切断溝、29:逃げ穴、30:重ね合わせ体、31:積層体
Claims (2)
- 複数枚のセラミックグリーンシートを重ね合わせ温度と圧力をかけて接合して積層体を形成する際に用いるセラミックグリーンシートの切断装置であって、
前記セラミックグリーンシートの切断装置は、窓枠状の枠体に固定させた状態のそれぞれの前記セラミックグリーンシートのダミー部に設ける挿通孔に嵌合させて位置決めし、複数枚を重ね合わせるためのラミネート治具板と、該ラミネート治具板上に載置された下層側の前記セラミックグリーンシート上に載置する前記枠体に固定させた状態の上層側の前記セラミックグリーンシートの外周部を上方から四角形状に切断して前記上層側の前記セラミックグリーンシートから前記枠体を除去するための切断ユニットとを有し、
前記ラミネート治具板は、平板と、該平板上に垂直に立設し、前記セラミックグリーンシートに設けられた前記挿通孔の位置と同じ位置になるように固定させる複数本の位置決めピンとを備え、
前記切断ユニットは、4本のポールで平行間隔を維持して支持される上平板、及び下平板と、前記上平板と前記下平板間に前記ポールを介して摺動して上下方向動可能で前記下平板より大きい外形寸法の中間平板、及び該中間平板の外周4側面に片刃の刃面を外方側にして刃先を前記下平板の下面から垂直に所定長さ突出させて支持される切断刃と、前記上平板と前記中間平板間に前記上平板に固定された固定側楔、該固定側楔の傾斜面に沿って横方向動可能とされる移動側楔、及び該移動側楔の移動量を制御するダイヤルゲージと、前記中間平板と前記下平板間に前記ダイヤルゲージによる前記移動側楔の前記移動量によって前記切断刃の前記下平板の下面からの突出量を制御するバネ体とを備えていることを特徴とするセラミックグリーンシートの切断装置。 - 請求項1記載のセラミックグリーンシートの切断装置において、前記切断刃は、これがそれぞれ支持される前記中間平板の側面長さより長く、それぞれの長さ方向の少なくともいずれか一方の同一方向の端面に設ける垂直面を隣接する前記切断刃の側面に当接させるようにして前記中間平板の前記外周4側面を取り巻くように支持されていることを特徴とするセラミックグリーンシートの切断装置。
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JP2011249864A JP2013103445A (ja) | 2011-11-15 | 2011-11-15 | セラミックグリーンシートの切断装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017065059A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | 日本特殊陶業株式会社 | セラミック積層体の製造方法及び切断装置 |
CN106584663A (zh) * | 2016-11-24 | 2017-04-26 | 重庆市泰日建材有限公司 | 加气砖坯料蒸养装置 |
KR101766228B1 (ko) | 2015-07-20 | 2017-08-09 | 주식회사 애드비 | 현수막용 프레임 및 이를 체결하는 체결장치 |
JP2019175990A (ja) * | 2018-03-28 | 2019-10-10 | 株式会社東京精密 | 焼成前セラミックス積層体の切断方法およびそれに用いる装置 |
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2011
- 2011-11-15 JP JP2011249864A patent/JP2013103445A/ja active Pending
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