JP2013100768A - ボルト一体型オイルコントロールバルブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジング16の大径部38に対するスリーブ23の圧入部23bの圧入は、その圧入を行うべく同スリーブ23を軸線方向に押圧する押圧器具がハウジング16に形成された基準面41に突き当てられることにより終了される。更に、そのときにスリーブ23が軸線方向について適正な位置に位置決めされる。このように、スリーブ23の軸線方向についての位置決めが、ハウジング16の端面等へのスリーブ23の突き当てによって行われることはない。従って、上記端面へのスリーブ23の突き当てに起因してスリーブ23の挿入部23aがハウジング16の軸線に対し傾くことはなく、その傾きに起因して挿入部23aがハウジング16の内周面に強く押し当てられることもない。
【選択図】図1
Description
図1に示されるように、内燃機関のバルブタイミング可変機構1は、同機関のカムシャフト2(例えば吸気カムシャフト)に対しボルトにより固定された可動部材3と、カムシャフト2と同一軸線上に上記可動部材3を囲むように設けられて内燃機関のクランクシャフトの回転が伝達されるケース4とを備えている。このケース4の内周面には、カムシャフト2の軸線に向かって突出する突部5が周方向について所定の間隔をおいて複数形成されている。また、可動部材3の外周面には、カムシャフト2の軸線から離れる方向に突出する複数のベーン6がそれぞれ上記各突部5の間に位置するように形成されている。これにより、ケース4内における各突部5の間に位置する部分が、ベーン6により進角側油圧室7と遅角側油圧室8とに区画されている。
同図に示されるように、ボルト一体型オイルコントロールバルブ10のハウジング16は、バルブタイミング可変機構1の可動部材3を貫通する胴部16bを備えている。ハウジング16において、上記胴部16bよりも同ハウジング16の一端側(図中右側)には、カムシャフト2の端部にねじ締結されるねじ部16aが形成されている。また、ハウジング16において、上記胴部16bよりも同ハウジング16の他端側(図中左側)には、ねじ部16aがカムシャフト2の端部にねじ締結されたときに同カムシャフト2の端面との間に可動部材3を挟み込んで固定するフランジ部16cが形成されている。
ハウジング16の内周面には、スプール17の外周面との間でスリーブ23を厚さ方向に挟む小径部37(第1内径部)と、その小径部37よりも大径となる大径部38(第2内径部)とが形成されている。これら小径部37及び大径部38の境界付近を図3に拡大して示す。また、スリーブ23は、ハウジング16の内周面の上記小径部37に挿入される挿入部23aと、その挿入部23aよりも大径であってハウジング16の内周面の上記大径部38に圧入される圧入部23bと、それら挿入部23a及び圧入部23bを繋ぐように形成された段差部23cとを備えている。スリーブ23の挿入部23aには、上記長孔34〜36(図3には長孔35のみ図示)が形成されている。こうしたスリーブ23は、例えばプレス加工によって形成することが考えられる。この場合、スリーブ23の挿入部23a、圧入部23b、及び段差部23cは、スリーブ23の素材をプレス加工によってスリーブ23とする際に形成される。そして、ハウジング16における上記小径部37と上記大径部38との間の段差に形成された端面39と、スリーブ23の段差部23cとの間にはクリアランスCが設けられている。
仮に、ハウジングへのスリーブの圧入時、同スリーブの軸線方向についての位置を適正な位置に定めるために、そのスリーブの一部をハウジングに形成された所定の端面に突き当てたとする。例えば、図4に示すように、スリーブ23の一部をハウジング16の端面39に突き当てることで、同スリーブ23の軸線方向についての位置決めを行った場合、[発明が解決しようとする課題]の欄にも記載した次のような問題が生じる。すなわち、ハウジング16における上記端面39の形成精度が悪いと、その端面39に対しスリーブ23の一部を突き当てたとき、上記端面39からスリーブ23に作用する力の方向がスリーブ23の軸線方向に対し傾き、それに起因してスリーブ23の挿入部23aがハウジング16の軸線に対し傾くおそれがある。このようにスリーブ23の挿入部23aが傾くことにより、同挿入部23aがハウジング16の内周面に強く押し当てられると、その挿入部23aが軸線方向において湾曲(変形)して同挿入部23a内をスプールが軸線方向に移動することが困難になる。その結果、スプールの軸線方向移動によるバルブタイミング可変機構に対するオイルの給排を適切に行うことができなくなるという問題が生じる。
(1)ハウジング16の大径部38に対しスリーブ23の圧入部23bを圧入しつつ同スリーブ23を軸線方向について位置決めする際、そのスリーブ23の挿入部23aが湾曲(変形)することを防止でき、その湾曲によって同挿入部23a内をスプール17が軸線方向に移動することが困難になることを抑制できる。
・図5に示すように、スリーブ23の圧入部23bを、同スリーブ23の軸線方向において円弧状に湾曲し、且つ、その湾曲により同スリーブ23の軸線から離れる方向に膨らんだ状態となるようにしてもよい。この場合、スリーブ23の圧入部23bをハウジング16の大径部38に圧入するとき、同スリーブ23がハウジング16の軸線に対し多少傾いたとしても、その傾きを許容して圧入することができ、無理な圧入状態となることはない。従って、その圧入後にスリーブ23の挿入部23aがハウジング16の軸線に対し傾いていたとしても、その傾きをなくすように修正するという対応、詳しくは上記挿入部23aを上記圧入部23bに対し上記傾きをなくすように変形させるという対応をとることができる。具体的には、ハウジング16を固定した状態で、同ハウジングの軸線と同一軸線上に延びる棒状の圧入具42を上記スリーブ23の挿入部23aに圧入する。これにより、スリーブ23の挿入部23aが変形して同挿入部23aの圧入部23bに対する上記傾きが修正される。
Claims (4)
- オイルの給排により可動部材を動作させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構を備える内燃機関に適用され、前記可動部材を前記カムシャフトに固定すべく同シャフトの端部にねじ締結される円筒状のハウジングと、そのハウジング内に同ハウジングと同一軸線上に延びた状態で固定される円筒状のスリーブと、前記バルブタイミング可変機構に対する前記オイルの給排を行うために前記スリーブ内で軸線方向に移動可能なスプールとを備えるボルト一体型オイルコントロールバルブにおいて、
前記ハウジングの内周面には、前記スプールの外周面との間で前記スリーブを厚さ方向に挟む第1内径部と、その第1内径部とは異なる径を有するの第2内径部とが形成されており、
前記スリーブは、前記ハウジングの内周面の前記第1内径部に挿入される挿入部と、その挿入部とは異なる径に形成されて前記ハウジングの内周面の前記第2内径部に圧入される圧入部と、それら挿入部及び圧入部を繋ぐように形成された段差部とを備えており、
前記ハウジングにおける前記第1内径部と前記第2内径部との間の段差に形成された端面と、前記スリーブの段差部との間にクリアランスが設けられている
ことを特徴とするボルト一体型オイルコントロールバルブ。 - 前記スリーブの圧入部は、押圧器具による同スリーブの前記ハウジングの軸線方向についての押圧により、前記ハウジングの前記第2内径部に対し圧入されるものであり、
前記ハウジングは、前記スリーブの圧入部を前記ハウジングの第2内径部に対し圧入する際、前記押圧器具の突き当てを受ける基準面を備えている
請求項1記載のボルト一体型オイルコントロールバルブ。 - 前記スリーブの挿入部、圧入部、及び段差部は、同スリーブの素材をプレス加工することによって形成されている
請求項1または2記載のボルト一体型オイルコントロールバルブ。 - 前記スリーブの圧入部は、同スリーブの軸線方向において円弧状に湾曲しており、且つ、その湾曲により同スリーブの軸線から離れる方向に膨らんだ状態となる
請求項3記載のボルト一体型オイルコントロールバルブ。
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