JP5381921B2 - センターボルト - Google Patents

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Description

本発明は、バルブタイミング可変機構の可動部材のカムシャフトへの取り付けに用いられるセンターボルトに関するものである。
従来、自動車等の車両に搭載される内燃機関として、燃費改善や出力向上等を意図して、吸気バルブや排気バルブといった機関バルブの開閉時期(バルブタイミング)を可変とするためのバルブタイミング可変機構を設けた内燃機関が知られている。こうした内燃機関では、バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排を通じてカムシャフトの端部に固定された同機構の可動部材を動作させ、それによってカムシャフトのクランクシャフトに対する相対回転位相を変更するようにしている。このようにしてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更することにより、内燃機関においてバルブタイミングが可変とされる。
バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排は、同機構とオイルポンプとを繋ぐ油圧回路に設けられたオイルコントロールバルブの駆動を通じて制御される。このオイルコントロールバルブは、油圧回路におけるオイルポンプおよび排出通路とバルブタイミング可変機構との間におけるオイルの給排の経路を切り換えるためのスプールを備えている。そして、オイルコントロールバルブのスプールをその軸線方向についての任意の位置に移動させると、そのスプールによって同バルブに形成された各種ポートのオイルポンプおよび排出通路に対する接続状態が切り換えられるとともに各種ポートの開度調整が行われる。これにより、バルブタイミング可変機構に対するオイルの給排の経路が切り換えられるとともに、同機構へのオイルの供給量および同機構からのオイルの排出量が調整される。そして、こうしたオイルの給排の経路の切り換えや、オイルの供給量および排出量の調整を通じて、バルブタイミング可変機構の可動部材が動作してクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相が変更される。
ところで、バルブタイミング可変機構においては、同機構を作動させる際の応答性を向上させることや、同機構とオイルコントロールバルブとの間におけるオイルの給排の経路でのオイル漏れを抑制することが要求される。こうした要求に応えるためには、油圧回路におけるオイルコントロールバルブとバルブタイミング可変機構との間の部分におけるオイルの給排の経路の長さを短くすることが望ましい。そして、上記経路を短くするための具体的な手法としては、例えば特許文献1に示されるように、バルブタイミング可変機構の可動部材をカムシャフトに固定するためのセンターボルトに対して、オイルコントロールバルブの機能を付加することが考えられる。
特許文献1に記載のセンターボルトは、カムシャフトの端部にねじ締結されることで上記可動部材をカムシャフトに固定する円筒形状のハウジングを備えており、そのハウジング内に上記スプールが軸線方向に往復移動可能に収容された構造となっている。こうしたセンターボルトのハウジングには、バルブタイミング可変機構に対してオイルの給排を行うための各種ポートが形成されている。そして、上記ハウジング内のスプールをその軸線方向における任意の位置に移動させることで、そのスプールによってハウジングに形成された各種ポートのオイルポンプおよび排出通路に対する接続状態が切り換えられるとともに各種ポートの開度調整が行われる。これにより、バルブタイミング可変機構における可動部材を動作させるための同機構に対するオイルの給排の経路の切り換え、並びに、そのオイルの供給量および排出量の調整が行われる。
一般的なオイルコントロールバルブでは、そのハウジングの内面に、油圧回路の一部を構成する溝が形成される。そうした溝を形成するための加工(例えば切削加工)は難易度が高いために、その加工にかかる時間が長くなり易く、また加工精度が低くなり易い。この点をふまえて特許文献1に記載の装置では、上記ハウジングの内部にスリーブを装設するようにしている。このスリーブは全体が円筒形状に形成されるとともに、その周壁に貫通孔が形成されている。こうしたスリーブがハウジングの内部に差し込まれて取り付けられることにより、同スリーブに形成された貫通孔がハウジング内面の溝、すなわち油圧回路の一部として機能するようになる。このように特許文献1に記載の装置では、ハウジング内面に直接溝を形成するのではなく、予め貫通孔が形成された円筒形状の部材をハウジングの内部に配設することによって溝が形成されるために、内面に溝が形成されたハウジングを容易に形成することができるようになる。
特表2009−515090号公報
ここで、特許文献1の装置において、センターボルトの形成に際して単にハウジング内にスリーブを挿入するようにすると、機関運転に伴う振動などによってハウジングの内部においてスリーブが不要に移動するおそれがある。これはオイルコントロールバルブによる各種ポートの開度調整にかかる調整精度を低下させる一因となるため好ましくない。
ハウジングの内部にスリーブを圧入固定することにより、そうしたハウジング内部におけるスリーブの不要な移動が抑えられるようになる。しかしながら、この場合にはカムシャフトにセンターボルトを締結固定する際に、同センターボルトに作用する捩り力がその内部に設けられたスリーブにも伝達されるようになってしまう。そのため場合によっては、スリーブに生じる内部応力が大きい状態になってしまい、これが同スリーブの耐久性能を低下させる一因になるおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハウジング内に配設されるスリーブの耐久性能の向上を図ることのできるセンターボルトを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、オイルの給排により可動部材を動作させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構を備えた内燃機関に適用されて、前記可動部材を前記カムシャフトに固定すべく同カムシャフトの端部にねじ締結される円筒形状のハウジングと、前記ハウジングと同一の中心軸の円筒形状をなして同ハウジング内に装入されてなるとともにオイルの給排経路をなす貫通孔がその周壁に形成されてなるスリーブと、を備えるセンターボルトにおいて、前記スリーブは、その周壁が途切れた形状をなす分断部が軸線方向における前記周壁の一端から他端まで延設されてなり、前記スリーブの外周面と前記ハウジングの内周面との接触面圧によって、前記ハウジング内における前記スリーブの移動が制限され、且つ前記カムシャフトへの前記センターボルトの締結固定に際して同センターボルトが捩られた場合には前記スリーブと前記ハウジングとの相対移動が許容されることをその要旨とする。
また、請求項2に記載の発明は、オイルの給排により可動部材を動作させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構を備えた内燃機関に適用されて、前記可動部材を前記カムシャフトに固定すべく同カムシャフトの端部にねじ締結される円筒形状のハウジングと、前記ハウジングと同一の中心軸の円筒形状をなして同ハウジング内に装入されてなるとともにオイルの給排経路をなす貫通孔がその周壁に形成されてなるスリーブと、を備えるセンターボルトにおいて、前記スリーブは、その外周面と前記ハウジングの内周面との接触面圧が最も高い部分に、前記貫通孔とは別に、その周壁が途切れた形状をなす分断部が軸線方向に延びる形状で形成されてなり、前記スリーブの外周面と前記ハウジングの内周面との接触面圧によって、前記ハウジング内における前記スリーブの移動が制限され、且つ前記カムシャフトへの前記センターボルトの締結固定に際して同センターボルトが捩られた場合には前記スリーブと前記ハウジングとの相対移動が許容されることをその要旨とする。
仮にハウジングおよびスリーブの接触部分においてその接触面圧が最も高い部分、すなわちハウジングに対してスリーブが支持される部分が断面円環形状に形成されたスリーブを採用すると、同部分の接触面圧がほぼハウジングの内径とスリーブの外径との関係のみによって定まるために、その設定の自由度が低く、上記接触面圧の調節が難しい。
この点、請求項1または請求項2に記載の発明の構成によれば、スリーブの周壁に分断部を形成することにより、同分断部が形成されないものと比較して、スリーブにおける上記接触面圧が最も大きい部分を変形し易い構造にすることができる。これにより、上記接触面圧を定めるパラメータとして、ハウジングの内径とスリーブの外径との関係に加えて、同スリーブの弾性力、言い換えれば同スリーブの外周面によってハウジングの内周面が押圧される押圧力を用いることができるようになり、上記接触面圧を格段に高い自由度で設定することができるようになる。そのため上記接触面圧を適正な圧力、すなわちハウジング内においてスリーブが不要に移動しない程度に高い圧力であり、且つカムシャフトへのセンターボルトの締結固定に際して同センターボルトが捩られた場合にスリーブとハウジングとの相対移動が許容される程度に低い圧力に容易に設定することができるようになる。したがって、ハウジングとスリーブとの不要な相対移動を抑えつつ同スリーブにおける内部応力の発生を抑えることができるようになり、ハウジング内に配設されるスリーブの耐久性能の向上を図ることができるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のセンターボルトにおいて、前記スリーブは、その分断部が前記貫通孔を避けて延びる形状に形成されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、分断部を介して、複数の貫通孔の間においてオイルが漏れることや、貫通孔からスリーブの外部にオイルが漏れることを抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンターボルトにおいて、前記分断部は、非直線状に延設されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、分断部が直線状に延設されるものと比較して、分断部の内部をオイルが流れた場合における流路抵抗を大きくすることができる。そのため、分断部を介したオイル漏れを好適に抑えることができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のセンターボルトにおいて、前記分断部は、その対向面が互いに咬み合う凹凸形状に形成されてなり、該凹凸形状の凸部が先端に向かうほど先細のテーパ形状に形成されてなるとともに、前記凹凸形状の凹部が底部に向かうほど幅狭のテーパ形状に形成されてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、分断部を切り返して曲がる形状に延設することができ、同分断部の内部をオイルが流れた場合における流路抵抗を大きくすることができる。しかも、分断部の対向面に形成された凹凸がテーパ形状に形成されているために、ハウジング内へのスリーブの取り付けに際して、分断部の一方の端部に形成された凸部を他方の端部に形成された凹部によって好適に案内することができる。そのため、分断部の各対向面の一方に形成された凸部の先端と他方に形成された凸部の先端とが互いに突き当たることによってスリーブの円滑な取り付けが妨げられるといった不都合の発生を抑えることができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかるセンターボルトが適用される内燃機関の概略構成を示す略図。 ロック機構およびその周辺の断面構造を示す断面図。 バルブタイミング可変機構およびその周辺の断面構造を示す断面図。 スリーブの斜視構造を示す斜視図。 スリーブの(a)側面図および(b)正面図。 スリーブの分断部を拡大して示す側面図。 他の実施の形態にかかるスリーブの側面構造を示す側面図。 その他の実施の形態にかかるスリーブの側面構造を示す側面図。
以下、本発明を具体化した一実施の形態にかかるセンターボルトについて説明する。
図1に、本実施の形態のセンターボルトが適用される内燃機関の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10には機関バルブ(例えば吸気バルブ)の開閉時期(バルブタイミング)を変更するためのバルブタイミング可変機構20が設けられている。
このバルブタイミング可変機構20は、内燃機関10のカムシャフト11(例えば吸気カムシャフト)にボルトによって固定されて同カムシャフト11ともども回転する可動部材21を備えている。またバルブタイミング可変機構20は、上記可動部材21を囲むように設けられて上記内燃機関10のクランクシャフト(図示略)の回転が伝達されるケース22を備えている。
このケース22は、上記可動部材21と同一の回転軸で回転するように配設されている。またケース22の内周面には、カムシャフト11の軸線L1に向かって突出する突部23が周方向において所定の間隔をおいて複数(本実施の形態では、四つ)形成されている。一方、可動部材21の外周面には、カムシャフト11の軸線L1から離間する方向に突出する複数(本実施の形態では、四つ)のベーン24がそれぞれ上記各突部23の間に位置するように形成されている。これにより、ケース22内における各突部23の間に位置する部分が、ベーン24によって進角側油圧室25と遅角側油圧室26とに区画されている。
そして、進角側油圧室25にオイルを供給するとともに遅角側油圧室26からオイルを排出すると、可動部材21がケース22に対して一方向(図1における右回転方向)に回転してカムシャフト11のクランクシャフトに対する相対回転位相が進角側(回転方向前側)に変化する。これにより、カムシャフト11によって開閉駆動される機関バルブのバルブタイミングが進角側に変化するようになる。また、遅角側油圧室26にオイルを供給するとともに進角側油圧室25からオイルを排出すると、可動部材21がケース22に対して一方向(図1における左回転方向)に回転してカムシャフト11のクランクシャフトに対する相対回転位相が遅角側(回転方向後側)に変化する。それによって機関バルブのバルブタイミングが遅角側に変化するようになる。
バルブタイミング可変機構20には、内燃機関10の始動時など油圧が低いときにおいてカムシャフト11の相対回転を規制するロック機構30が設けられている。以下、このロック機構30について図2を併せ参照しつつ説明する。
図1および図2に示すように、前記可動部材21のベーン24の一つには、カムシャフト11の軸線と平行に延びる段付きの収容孔31が形成されている。この収容孔31の内部にはロックピン32が出没可能に配設されている。ロックピン32は、その段部32aの外周面が上記収容孔31の内周面に摺接した状態でカムシャフト11の軸線方向に移動可能になっている。またロックピン32は、その先端部分が収容孔31から脱出する方向(図2にける右側)にコイルばね33によって付勢されている。ロックピン32の端部には拡径された形状の上記段部32aが形成されており、この段部32aと上記収容孔31の段部31aとの間には環状の空間である解除用圧力室34が形成されている。解除用圧力室34にオイルを供給すると、同オイルの圧力によって付勢されることにより、ロックピン32がコイルばね33の付勢力に抗して収容孔31内に没入する方向(図2における右側)に移動するようになる。また、解除用圧力室34内のオイルを排出すると、コイルばね33の付勢力によってロックピン32が収容孔31から脱出する方向に移動するようになる。
一方、ケース22には、ロックピン32の先端部分を挿入可能な凹部としてのロック穴35が形成されている。ロック穴35の形成位置は、クランクシャフトに対するカムシャフト11の相対回転位相がその制御可能範囲における最も進角側の位相と最も遅角側の位相との間の中間位相である所定のロック位相になったときにおいてロックピン32の先端部分が挿入可能になる位置に設定されている。そして、このロック穴35の内部にロックピン32の先端部分が挿入されることにより、バルブタイミング可変機構20のベーン24がケース22に機械的に締結される。これにより、内燃機関10のクランクシャフトに対するカムシャフト11の相対回転位相が上記ロック位相で固定(ロック)されるようになる。
カムシャフト11の相対回転位相がロック位相になった状態で解除用圧力室34内のオイルを排出することにより、ロックピン32の先端部分がロック穴35に挿入されてロック機構30がロック状態になる。一方、そうしたロック状態において解除用圧力室34にオイルを供給することにより、ロックピン32がロック穴35から脱出してロック機構30が解除状態になる。
図1に示すように、内燃機関10には、バルブタイミング可変機構20およびロック機構30にオイルを圧送するためのオイルポンプ13が設けられている。バルブタイミング可変機構20やロック機構30とオイルポンプ13とを繋ぐ油圧回路にはオイルコントロールバルブ(詳しくは、同オイルコントロールバルブの機能を有するセンターボルト12)が設けられている。そして、このオイルコントロールバルブの作動制御を通じて、バルブタイミング可変機構20の進角側油圧室25および遅角側油圧室26やロック機構30の解除用圧力室34へのオイルの給排態様が制御される。
オイルコントロールバルブは、オイルを貯留するためのオイルパン14に供給通路41を介して接続されている。この供給通路41の途中には上記オイルポンプ13が設けられている。そして、このオイルポンプ13によって圧送されたオイルが供給通路41を通じてオイルコントロールバルブに供給されるようになっている。また、オイルコントロールバルブは、排出通路42を介してオイルパン14に接続されている。この排出通路42を通じてオイルコントロールバルブ内のオイルをオイルパン14に戻すことが可能になっている。
一方、オイルコントロールバルブは、進角側油路43を介してバルブタイミング可変機構20の進角側油圧室25に接続されるとともに、遅角側油路44を介して同機構20の遅角側油圧室26に接続されている。また、オイルコントロールバルブはロック油路45を介してロック機構30の解除用圧力室34に接続されている。
図3に、バルブタイミング可変機構20およびその周辺の断面構造を示す。
同図3に示すように、本実施の形態では、バルブタイミング可変機構20の可動部材21がセンターボルト12ともどもカムシャフト11に締結固定されている。そして、このセンターボルト12としては、バルブタイミング可変機構20の作動応答性の向上や同機構20とオイルコントロールバルブとの間の経路におけるオイル漏れの抑制などを図るために、上記オイルコントロールバルブの機能が付与されたものが採用されている。
以下、センターボルト12の具体構成について詳細に説明する。
センターボルト12は円筒形状のハウジング51を備えている。このハウジング51には、その内部と外部とを連通する複数の貫通孔51aが形成されている。これら貫通孔51aは、センターボルト12がカムシャフト11に固定されたときに、バルブタイミング可変機構20の供給通路41、進角側油路43、遅角側油路44、およびロック油路45(いずれも図1参照)のいずれかに接続される位置にそれぞれ形成されている。
このハウジング51の内部には、同ハウジング51と同様に円筒形状に形成されたスリーブ52が配設されている。このスリーブ52の周壁には複数(本実施の形態では六つ)の貫通孔52aが形成されている。スリーブ52は上記ハウジング51と同一の中心軸になる状態で同ハウジング51の内部に差し込まれて取り付けられている。スリーブ52の各貫通孔52aとしてはそれぞれ円周方向に延びる長穴が形成されている。ちなみに、それら貫通孔52aのうちの一つは、ハウジング51の内部にスリーブ52が装入されたときに同ハウジング51の各貫通孔51aのいずれとも連通しない位置に形成されている。また各貫通孔52aの残りは、ハウジング51内にスリーブ52が装入された状態でハウジング51の各貫通孔51aのいずれかに連通されるようになる位置にそれぞれ形成されている。これにより、スリーブ52に形成された各貫通孔52aは、いずれもセンターボルト12の内周面の溝になってオイルの給排経路として機能するようになる。
スリーブ52はその軸線方向(図3における左右方向)における一方の端部(同右側の端部)がハウジング51の内壁に突き当たる位置まで差し込まれた状態で取り付けられている。また、ハウジング51の内部には、スリーブ52の軸線方向における一方の端部(図3における左側の端部)と当接する位置にCリング53が取り付けられている。このCリング53によってスリーブ52の軸線方向への不要な移動が抑えられる構造になっている。
センターボルト12(詳しくは、スリーブ52)の内部には、バルブタイミング可変機構20に対するオイルの給排態様の切り替えを行うためのスプール54が設けられている。このスプール54は、スリーブ52の内部においてその軸線方向に移動可能な状態で配設されている。スプール54の内部には内部通路54aが形成されている。この内部通路54aはスプール54の一方(図3における左側)の端部において開口されるとともに、その開口を通じて前記排出通路42(図1参照)に連通されている。また、スプール54にはその内部(内部通路54a)と外部とを連通する貫通孔54bが形成されている。このスプール54は、上記内部通路54aおよび貫通孔54bを介して、センターボルト12内の特定部分のオイルを排出通路42に排出することの可能な構造になっている。そして、このスプール54の軸線方向における移動位置の調整を通じて、進角側油路43、遅角側油路44並びにロック油路45(いずれも図1参照)に対する供給通路41や排出通路42の接続態様の切り替えと、接続した経路の通路断面積の調節(開度調節)とを行うことのできる構造になっている。
スプール54の軸線方向における移動は、ハウジング51内に設けられて同スプール54を軸線方向(詳しくは、図3における左側)に付勢するコイルスプリング55aと、同コイルスプリング55aの付勢力に抗してスプール54を軸線方向(詳しくは、図3における右側)に押圧するアクチュエータ55とによって実現される。すなわち、アクチュエータ55によるスプール54への押圧力を調整することにより、その押圧力とコイルスプリング55aの付勢力とが釣り合う位置までスプール54が軸線方向に移動するようになり、同スプール54の軸線方向における位置が調整される。詳しくは、アクチュエータ55の押圧力を大きくするとスプール54が一方向(図3における右方向)に変位するようになり、アクチュエータ55の押圧力を小さくするとスプール54が他方向(図3における左方向)に変位するようになる。
そして、こうしたスプール54の軸線方向における位置の調整を通じて、内燃機関のバルブタイミングが任意のタイミングとなるように可動部材21のケース22に対する相対回転位置を定めることが可能になるとともに、ロック機構30(図2参照)のロック状態と解除状態とを切り替えることが可能になる。なお、上記アクチュエータ55の作動制御は、マイクロコンピュータを備えて構成される電子制御装置16により、吸入空気量や機関回転速度などの内燃機関10の運転状態に応じたかたちで実行される。これにより、機関バルブのバルブタイミングが機関運転状態に見合うタイミングに調節されるようになり、さらにはロック機構30の作動状態が機関運転状態に見合う態様で切り替えられるようになる。
センターボルト12のハウジング51は、バルブタイミング可変機構20の可動部材21を貫通するように取り付けられる。このハウジング51において、カムシャフト11側(図3における右側)の端部には、同カムシャフト11の端部にねじ締結されるボルト部56が形成されている。また、ハウジング51において、カムシャフト11から離間する側(図3における左側)の端部近傍には、ボルト部56がカムシャフト11の端部にねじ締結されたときに同カムシャフト11の端面との間に可動部材21を挟み込んで固定するフランジ部57が形成されている。
なお、センターボルト12のボルト部56がカムシャフト11の端部にねじ締結された状態にあって、そのカムシャフト11の端面とセンターボルト12のフランジ部57との間には、上記可動部材21の他にフロントブッシュ27、リヤブッシュ28、および支持体29が設けられている。これらフロントブッシュ27、リヤブッシュ28、および支持体29のうち、フロントブッシュ27は可動部材21とフランジ部57との間に設けられており、リヤブッシュ28および支持体29は可動部材21とカムシャフト11の端面との間に設けられている。そして、可動部材21、フロントブッシュ27、リヤブッシュ28、および支持体29にはそれぞれ孔21a,27a,28a,29aが形成されており、それら孔21a,27a,28a,29aをセンターボルト12のハウジング51が貫通している。上記可動部材21、フロントブッシュ27、リヤブッシュ28、および支持体29は、センターボルト12のボルト部56がカムシャフト11の端部にねじ締結されたとき、カムシャフト11の端面とセンターボルト12のフランジ部57との間に挟み込まれる。これにより、上記可動部材21、フロントブッシュ27、リヤブッシュ28、および支持体29は、カムシャフト11に対して一体回転可能に固定されるとともに、カムシャフト11の軸線方向において固定される。
上記支持体29は、内燃機関10のクランクシャフトからの回転伝達を受けるスプロケット15をカムシャフト11に対して相対回転可能な状態で支持している。また、上記スプロケット15にはバルブタイミング可変機構20のケース22が固定されている。そして、内燃機関10のクランクシャフトの回転がスプロケット15に伝達されると、同スプロケット15およびケース22がカムシャフト11の軸線L1を中心に回転する。こうしたスプロケット15およびケース22の回転は、そのケース22内のオイルを介して可動部材21に伝達され、その後にカムシャフト11に伝達されるようになる。したがって、バルブタイミング可変機構20の可動部材21をケース22に対して相対回転させると、クランクシャフトに対するカムシャフト11の相対回転位相が変化し、これに伴って内燃機関10のバルブタイミングが変化するようになる。
ここで、センターボルト12のハウジング51内にスリーブ52を配設する際に同スリーブ52を単に挿入するようにすると、内燃機関10の運転に伴う振動などによってハウジング51の内部においてスリーブ52が不要に移動してしまうおそれがある。これはハウジング51の貫通孔51aとスリーブ52の貫通孔52aとの位置ずれを発生せるために、オイルの給排経路の通路断面積を不要に変化させる等して、バルブタイミング可変機構20やロック機構30に対するオイルの供給量や排出量の調節精度を低下させる一因となってしまう。
ハウジング51の内部にスリーブ52を圧入固定することにより、ハウジング51内におけるスリーブ52の不要な移動が抑えられるようになる。しかしながら、この場合にはカムシャフト11にセンターボルト12を締結固定する際に、同センターボルト12に作用する捩り力がその内部に設けられたスリーブ52にも伝達されるようになる。そのため場合によっては、スリーブ52に生じる内部応力が大きい状態になってしまい、これが同スリーブ52の耐久性能を低下させるおそれがある。
図4に本実施の形態にかかるスリーブ52の斜視構造を示す。また図5(a)にスリーブ52の側面構造を示し、同図(b)にスリーブ52の正面構造を示す。
図4および図5に示すように、本実施の形態では、スリーブ52の周壁に同周壁が途切れた形状をなす分断部58が形成されている。この分断部58は、スリーブ52の周壁において同スリーブ52の軸線方向における一端から他端まで延びる形状に形成されている。なお、スリーブ52の形成は、板状の金属材料をプレス加工したものを曲げ加工によって円筒形状に成形するといったように行われる。また、スリーブ52をハウジング51(図3参照)の内部に装入する際には、スリーブ52の半径が小さくなるように弾性変形させた状態で同スリーブ52がハウジング51の内部に差し込まれる。これにより、スリーブ52の外周面がハウジング51の内周面に押し付けられた状態で同スリーブ52が取り付けられるようになる。
以下、こうした分断部58が形成されたスリーブ52を採用することによる作用について説明する。
分断部58が形成されないスリーブは、その断面形状が円環形状になる部分が多いために、剛性が高くなり易く弾性変形し難い構造になる。そのため、仮にそうしたスリーブを採用すると、スリーブの外周面とハウジング51の内周面との接触面圧に影響を与える因子として同スリーブの外径とハウジング51の内径との関係が占める比重がごく大きくなるために、上記接触面圧の設定の自由度がごく低くなってしまう。しかも、ハウジング51の内径やスリーブの外径には製造公差などによる個体差があるために、上記接触面圧の管理が困難になるといった不都合も生じる。なお、この不都合はハウジング51やスリーブとして個体差の小さいものを採用することにより解消することができるが、その場合にはコストアップが避けられない。
これに対して、本実施の形態では、スリーブ52の周壁に分断部58が形成されているために、同分断部58が形成されないものと比較して、スリーブ52の全体が弾性変形し易い構造になる。そのため、上記接触面圧を定めるパラメータとして、ハウジング51の内径とスリーブ52の外径との関係に加えて、スリーブ52の弾性力、言い換えれば同スリーブ52の外周面がハウジング51の内周面を押圧する押圧力を用いることができるようになる。したがって、本実施の形態によれば、スリーブ52に分断部58を形成するといった簡素な構成によって、上記接触面圧を高い自由度で調節することができるようになる。
本実施の形態では、上記接触面圧がハウジング51内においてスリーブ52が不要に移動しない程度に高い圧力であり、且つカムシャフト11へのセンターボルト12のねじ締結に際して同センターボルト12が捩られた場合にスリーブ52とハウジング51との相対移動が許容される程度に低い圧力になるように、スリーブ52の形状および形成材料が設定される。これにより、内燃機関10の運転時におけるハウジング51とスリーブ52との不要な相対移動が抑えられるようになる。しかも、ねじ締結に際してセンターボルト12が捩れたときにそのハウジング51とスリーブ52との相対移動が許容されるようになるために、ハウジング51内に設けられたスリーブ52に生じる内部応力を小さく抑えて、同スリーブ52の耐久性能の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態では、センターボルト12にロック機構30の解除用圧力室34へのオイルの給排を行うための貫通孔(詳しくは、ハウジング51の貫通孔51a、およびスリーブ52の貫通孔52a)が形成されているために、そうした貫通孔が形成されないものと比較して、センターボルト12の軸線方向の長さが長くなり易い。そのため、カムシャフト11へのセンターボルト12のねじ締結時における同センターボルト12の捻れ量が大きくなり易く、センターボルト12のねじ締結に伴い発生するスリーブ52の内部応力も大きくなり易いと云える。本実施の形態によれば、そうした構造のセンターボルト12においてスリーブ52の耐久性能を好適に向上させることができる。
また本実施の形態のスリーブ52では、分断部58が貫通孔52aを避けて延びる形状に形成されている。すなわち、分断部58と貫通孔52aとが繋がらないように同分断部58が延設されている。そのため、分断部58を介して、複数の貫通孔52aの間においてオイルが漏れることや、貫通孔52aからスリーブ52の外部にオイルが漏れることが的確に抑えられる。
さらに本実施の形態のスリーブ52では分断部58が非直線状に延設されている。図6にスリーブ52の分断部58を拡大して示すように、分断部58はその対向面が互いに咬み合う凹凸形状に形成されている。また、分断部58の各対向面における凹凸形状の凸部58aがその先端に向かうほど先細のテーパ形状に形成されるとともに、その凹凸形状の凹部58bがその底部に向かうほど先細のテーパ形状に形成されている。
このように本実施の形態では、分断部58が繰り返し折れ曲がる形状で延設される。そのため、分断部が直線状に延設されるものと比較して、同分断部58の内部をオイルが流れた場合における流路抵抗を大きくすることができるようになり、分断部58を介したオイル漏れを好適に抑えることができるようになる。
しかも、分断部58の各対向面に形成された凹部58bと凸部58aとが共にテーパ形状に形成されているために、ハウジング51内にスリーブ52を取り付けるべく同スリーブ52を縮径方向に弾性変形させる際に、分断部58の一方の端部に形成された凸部58aが他方の端部に形成された凹部58bによって正しい位置に案内されるようになる。そのため、分断部58の各対向面の一方に形成された凸部58aの先端と他方に形成された凸部58aの先端とが互いに突き当たることによってスリーブ52の弾性変形が妨げられることが回避されるようになり、同スリーブ52を円滑に取り付けることができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)スリーブ52の周壁が途切れた形状をなす分断部58を同スリーブ52の軸線方向における該周壁の一端から他端まで延びる形状に形成した。そのため、ハウジング51とスリーブ52との不要な相対移動を抑えつつ同スリーブ52における内部応力の発生を抑えることができ、ハウジング51内に配設されるスリーブ52の耐久性能の向上を図ることができる。
(2)スリーブ52の分断部58を、貫通孔52aを避けて延びる形状に形成するようにした。そのため、分断部58を介して、複数の貫通孔52aの間においてオイルが漏れることや、貫通孔52aからスリーブ52の外部にオイルが漏れることが的確に抑えることができる。
(3)スリーブ52の分断部58を非直線状に延設するようにしたために、分断部が直線状に延設されるものと比較して、分断部58の内部をオイルが流れた場合における流路抵抗を大きくすることができ、同分断部58を介したオイル漏れを好適に抑えることができる。
(4)分断部58の各対向面を互いに咬み合う凹凸形状に形成し、それら対向面における凹凸形状の凸部58aを先端に向かうほど先細のテーパ形状に形成するとともに、その凹凸形状の凹部58bを底部に向かうほど幅狭のテーパ形状に形成した。そのため、分断部58を繰り返し折れ曲がる形状に延設することができ、同分断部58の内部をオイルが流れた場合における流路抵抗を大きくすることができるようになる。しかも、ハウジング51内へのスリーブ52の取り付けに際して、分断部58の一方の端部に形成された凸部58aを他方の端部に形成された凹部58bによって案内することができる。そのため、分断部58の各対向面の一方に形成された凸部58aの先端と他方に形成された凸部58aの先端とが互いに突き当たることによってスリーブ52の円滑な取り付けが妨げられるといった不都合の発生を回避することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・スリーブ52の軸線方向における一方の端部と当接する位置に、例えば円環形状の部材やC字形状の部材を固定するなど、Cリング53以外の部材を取り付けるようにしてもよい。要は、スリーブ52の軸線方向への不要な移動を抑えることのできる規制部材であれば、Cリング53以外のものを採用することができる。
・スリーブ52の軸線方向における一方の端部とハウジング51の内壁面との間に、同スリーブ52を上記規制部材に押し付ける方向に付勢するばね部材(例えばコイルスプリング)を配設してもよい。また、スリーブ52の軸線方向における一方の端部と上記規制部材との間に、同スリーブ52を規制部材から離間する方向に付勢するばね部材を配設することもできる。これら構成によれば、ハウジング51内壁または規制部材(Cリング53を含む)に押し付けられた状態でスリーブ52を配設することができ、同スリーブ52の軸線方向における不要な移動を好適に抑えることができる。
・スリーブ52の取り付けに際して分断部58の各対向面の一方に形成された凸部58aの先端と他方に形成された凸部58aの先端とが互いに突き当たることが回避されるのであれば、同分断部58の各対向面における凹凸形状の凸部58aおよび凹部58bは、テーパ形状に形成することに限らず、任意の形状に形成することができる。例えばハウジング51内に取り付ける前の状態で分断部58の各対向面の一方に形成された凹部58b内に他方に形成された凸部58aの先端が配置される形状でスリーブ52を形成することにより、分断部58の各対向面の一方に形成された凸部58aの先端と他方に形成された凸部58aの先端とが互いに突き当たることを回避することができる。
・スリーブ52の分断部58の延設形状は、図7に示す例や図8に示す例のように、任意の形状に変更することができる。図7に示す例では、スリーブ62の分断部68が、同スリーブ62の貫通孔52aを避けるように、数カ所(同図に示す例では、八カ所)においてのみ折れ曲がる形状で延設されている。また図8に示す例では、スリーブ72の分断部78が、貫通孔52aを避けるように、数カ所(同図に示す例では、六カ所)において湾曲する形状で延設されている。図7示す例や図8に示す例のように、分断部をスリーブの軸線方向における一端から他端まで延びる形状に形成することにより、スリーブにおいて断面円環形状に形成される部分を無くしてその剛性を低下させることができ、ハウジング51とスリーブとの不要な相対移動を抑えつつ同スリーブにおける内部応力の発生を抑えることができる。
・スリーブの分断部を、貫通孔52aに繋がる態様で延設するようにしてもよい。
・スリーブの分断部を、直線状に延びる形状で形成するようにしてもよい。
・スリーブの分断部を、同スリーブの軸線方向における一端から他端まで延びる形状に形成することに限らず、次の[形状イ]〜[形状ハ]に記載するように形成してもよい。[形状イ]スリーブの分断部を断続的に延びる形状で形成する。[形状ロ]スリーブの分断部を、その軸線方向における一端を始点とするとともに、その軸線方向における一端と他端との間の中間部位を終点として延びる形状で形成する。[形状ハ]スリーブの分断部を、その軸線方向における一端と他端との間の中間部位にのみ形成する。
こうした構成が採用される場合には、スリーブの外周面とハウジング51の内周面との接触面圧が高い部分に同スリーブの軸線方向に延びる形状の分断部を形成することにより、以下のような作用効果を得ることができる。
先ず、仮に上記接触面圧が他の部分と比較して高い部分が断面円環形状に形成されたスリーブを採用すると、同部分の接触面圧がほぼハウジング51の内径とスリーブの外径との関係のみによって定まるようになるため、該接触面圧の設定の自由度が低くなってその調節が難しくなる。この点、上記構成によれば、そうした接触面圧が高い部分に分断部が形成されるために、分断部が形成されないものと比較して、スリーブにおける上記接触面圧の高い部分が変形し易い構造になる。これにより、同部分における接触面圧を高い自由度で設定することができるようになるために、同接触面圧を適正な圧力に設定することにより、ハウジング51とスリーブとの不要な相対移動を抑えつつ同スリーブにおける内部応力の発生を抑えることができるようになる。こうした作用効果は、分断部を少なくとも上記接触面圧が最も高い部分、すなわちハウジング51に対してスリーブが支持される部分に形成することによって適正に発揮されるようになる。
・スリーブを、プレス加工および曲げ加工を通じて形成することに限らず、ダイカストなどの鋳造加工を通じて形成するようにしてもよい。
・スリーブの形成に用いる材料としては、所定の弾性と耐熱性とを有する材料であれば、樹脂材料などの金属材料以外の材料を用いることができる。
・上記実施の形態にかかるセンターボルト12は、ロック機構30の解除用圧力室34へのオイルの給排を行うための貫通孔51a,52aが形成されないセンターボルトにも、その構成を適宜変更したうえで適用することができる。また、ロック機構30が設けられない内燃機関にも、上記実施の形態にかかるセンターボルト12は適用可能である。
10…内燃機関、11…カムシャフト、12…センターボルト、13…オイルポンプ、14…オイルパン、15…スプロケット、16…電子制御装置、20…バルブタイミング可変機構、21…可動部材、21a…孔、22…ケース、23…突部、24…ベーン、25…進角側油圧室、26…遅角側油圧室、27…フロントブッシュ、27a…孔、28…リヤブッシュ、28a…孔、29…支持体、29a…孔、30…ロック機構、31…収容孔、31a…段部、32…ロックピン、32a…段部、33…コイルばね、34…解除用圧力室、35…ロック穴、41…供給通路、42…排出通路、43…進角側油路、44…遅角側油路、45…ロック油路、51…ハウジング、51a…貫通孔、52,62,72…スリーブ、52a…貫通孔、53…Cリング、54…スプール、54a…内部通路、54b…貫通孔、55…アクチュエータ、55a…コイルスプリング、56…ボルト部、57…フランジ部、58,68,78…分断部、58a…凸部、58b…凹部。

Claims (5)

  1. オイルの給排により可動部材を動作させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構を備えた内燃機関に適用されて、前記可動部材を前記カムシャフトに固定すべく同カムシャフトの端部にねじ締結される円筒形状のハウジングと、前記ハウジングと同一の中心軸の円筒形状をなして同ハウジング内に装入されてなるとともにオイルの給排経路をなす貫通孔がその周壁に形成されてなるスリーブと、を備えるセンターボルトにおいて、
    前記スリーブは、その周壁が途切れた形状をなす分断部が軸線方向における前記周壁の一端から他端まで延設されてなり、
    前記スリーブの外周面と前記ハウジングの内周面との接触面圧によって、前記ハウジング内における前記スリーブの移動が制限され、且つ前記カムシャフトへの前記センターボルトの締結固定に際して同センターボルトが捩られた場合には前記スリーブと前記ハウジングとの相対移動が許容される
    ことを特徴とするセンターボルト。
  2. オイルの給排により可動部材を動作させてクランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構を備えた内燃機関に適用されて、前記可動部材を前記カムシャフトに固定すべく同カムシャフトの端部にねじ締結される円筒形状のハウジングと、前記ハウジングと同一の中心軸の円筒形状をなして同ハウジング内に装入されてなるとともにオイルの給排経路をなす貫通孔がその周壁に形成されてなるスリーブと、を備えるセンターボルトにおいて、
    前記スリーブは、その外周面と前記ハウジングの内周面との接触面圧が最も高い部分に、前記貫通孔とは別に、その周壁が途切れた形状をなす分断部が軸線方向に延びる形状で形成されてなり、
    前記スリーブの外周面と前記ハウジングの内周面との接触面圧によって、前記ハウジング内における前記スリーブの移動が制限され、且つ前記カムシャフトへの前記センターボルトの締結固定に際して同センターボルトが捩られた場合には前記スリーブと前記ハウジングとの相対移動が許容される
    ことを特徴とするセンターボルト。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンターボルトにおいて、
    前記スリーブは、その分断部が前記貫通孔を避けて延びる形状に形成されてなる
    ことを特徴とするセンターボルト。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンターボルトにおいて、
    前記分断部は、非直線状に延設されてなる
    ことを特徴とするセンターボルト。
  5. 請求項4に記載のセンターボルトにおいて、
    前記分断部は、その対向面が互いに咬み合う凹凸形状に形成されてなり、該凹凸形状の凸部が先端に向かうほど先細のテーパ形状に形成されてなるとともに、前記凹凸形状の凹部が底部に向かうほど幅狭のテーパ形状に形成されてなる
    ことを特徴とするセンターボルト。
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