JP2013098104A - 蓄電デバイス材料の前駆体の製造方法、該前駆体を経て合成された蓄電デバイス材料を含む蓄電デバイス用電極、及び該蓄電デバイス用電極を含む蓄電デバイス - Google Patents

蓄電デバイス材料の前駆体の製造方法、該前駆体を経て合成された蓄電デバイス材料を含む蓄電デバイス用電極、及び該蓄電デバイス用電極を含む蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】炭素量を制限することができ、且つ純度の高いVPO成分の前駆体を安価に製造することのできる方法を提供すること。
【解決手段】原料としての五酸化バナジウムとリン酸塩化合物、及び添加物としての炭素材料を、水と炭素数が4以下のアルコールを含有させた混合溶媒を用いて湿式混合する混合工程と、前記混合工程により得られた混合物を焼成して固相反応によりVPOを生成させる焼成工程と、を有し、混合溶媒中の水の配合比が、五酸化バナジウムに対して、2モルから9モルの範囲内とする。混合段階において原料の五酸化バナジウムを略完全に消失させることができるので、焼成後における不純物の生成量を大幅に低下させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、VPO型の結晶構造を有する蓄電デバイス材料の前駆体の製造方法、該前駆体を経て合成された蓄電デバイス材料を含む蓄電デバイス用電極、及び該蓄電デバイス用電極を含む蓄電デバイスに関する。
近年、自動車や携帯型情報通信関連機器等の多岐の分野にわたり、リチウムイオン二次電池等の蓄電デバイスが使用されている。このような蓄電デバイスにおいて、正極活物質の前駆体としてVPO型の結晶構造を有する材料が用いられている。
特許文献1には、リチウムバッテリー用の電極材料としてリチウム−金属−フッ化リン酸塩物質を製造する方法が開示されている。この文献1に記載の方法では、第1段階において前駆体であるVPOを合成し、第2段階において合成したVPOとLiFを用いて活物質であるLiVPOFを合成する方法が開示されている。
特に、この方法では、前駆体製造のための第1段階において、原料物質であるVとNHPOとを水素雰囲気下で焼成する水素還元焼成法やVとNHPOに炭素を添加して焼成するカーボサーマル法が開示されている。
特開2009−18989号公報
しかし、上記特許文献1における水素還元焼成法では水素雰囲気を形成するために水素ガスが必要であるが、水素ガスを使用する際には設備の安全性確保に細心の注意を払わなければならず、設備にかかる多大な費用が必要となる。
一方で、カーボサーマル法では、以下の反応式に従い焼成反応が行われる。
Figure 2013098104
この反応式に従えば、理論上、反応を実行するために、0.5モルのVに対して炭素(C)が1モル必要である。しかし、焼成後の前駆体VPOの結晶構造を安定させるには、反応式における理論上の炭素量だけでは足りず、更に10%程度の余剰炭素を添加する必要がある。
ところが、このように炭素を余剰に添加すると、焼成後の前駆体VPO生成物中に炭素が不純物として残留することがあり、さらに、この前駆体VPOを用いて合成される活物質LiVPOFに容量に寄与しない炭素が残留し、結果としてLiVPOFを用いて形成される電極を使用する蓄電デバイスのエネルギー密度が低下する恐れがある。
また、上記カーボサーマル法では、原料物質であるVとNHPOに炭素を添加して焼成することで、目的の前駆体成分であるVPO以外にも種々のVO結合を有する化合物等の不純物が生じてしまい、高純度のVPOを得ることが難しいということが本発明者らの研究により分かっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭素量を制限することができ、且つ純度の高いVPO成分の前駆体を安全且つ安価に製造することのできる方法を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の蓄電デバイス用電極材料の前駆体の製造方法は、原料としての五酸化バナジウムとリン酸塩化合物、及び添加物としての炭素材料を、水と炭素数が4以下のアルコールを含有させた混合溶媒を用いて湿式混合する混合工程と、前記混合工程により得られた混合物を焼成して固相反応によりVPOを生成させる焼成工程と、を有し、前記混合溶媒中の水の配合比が、前記五酸化バナジウムに対して、2モルから9モルの範囲内であることを特徴とする。
このような製造方法を用いることで、混合段階において原料の五酸化バナジウムをほぼ完全に消失させることができるので、焼成後におけるVO結合を有する不純物の生成量を大幅に低下させることができる。従って、本発明にかかる前駆体を経て製造される生成物は、安定したVPOの結晶構造を備えることとなるので、原料への炭素材料の添加量を少なくしても、上述の炭素の過剰量投入による不純物の残留及びそれにより引き起こされる蓄電デバイスのエネルギー密度の低下を防止することができる。なお、リン酸塩化合物としては、リン酸ナトリウム化合物、リン酸カリウム化合物、及びリン酸アンモニウム化合物等の種々のリン酸塩を用いることが可能であるが、リン酸アンモニウム化合物であるNHPO及び(NHHPOを用いることが好ましく、(NHHPOを用いることが特に好ましい。
五酸化バナジウムに対する混合溶媒中の水の配合比(以下、符号Aを付す)は、2〜9モルの範囲内である。このように水の配合比Aを設定することで、焼成後の不純物V(PO)Oの残留が防止される。なお、水の配合比Aが2モルを下回ると、焼成工程で原料Vが完全に消失せずに、焼成工程の後に不純物Vが多量に残ってしまう。
一方で、水の配合比Aが9モルを上回ると、混合工程で既にVが完全に消失し、焼成工程後の不純物Vの生成を防止することはできる。しかし、この場合、混合時に原料(NHHPOがNHPOへと変化し、このNHPOの影響により焼成工程おいて不純物V(PO)Oが生じ、これが焼成工程後も残存する。
従って、上述のように水の配合比Aを2モルから9モルの範囲とすることで、いずれの不純物V及びV(PO)Oの生成も好適に防止することができる。
また、炭素材料がカーボンブラックであり、五酸化バナジウム1モルに対して、0.5から2.0モル含まれていることが好ましい。一般にVPOを主成分とする前駆体の合成においては、VPOの結晶構造を安定化させる目的で、炭素材料を2.0モルを越えて添加する。
しかし、この場合、上述のように、最終生成物LiVPOFにおける炭素が多量に残留し、LiVPOFを用いて製造される電極材料のエネルギー密度の低下が懸念される。本発明では、上述のように好適な範囲の水の配合比(A)をとることによって、前駆体に含まれる不純物の低減を達成し、また炭素材料を過剰に添加しなくとも、前駆体におけるVPOの結晶構造を安定化させることができる。これにより我々は、前記した(化1)の量論よりも少ない炭素量でVPOの合成が可能なことを見出した。
従って、添加する炭素材料の量を、2.0モル以下として最終生成物LiVPOFを用いて製造される電極のエネルギー密度の低下を防止することができる。一方で、炭素材料の添加量を0.5モル未満とすると、原料物質である五酸化バナジウムがリン酸塩化合物と十分に反応しなくなり、焼成後の前駆体に原料物質が未反応のまま残存し結晶構造が不安定になる恐れがある。従って、炭素材料の添加量は、0.5モル以上とすることが好ましい。
更に、原料物質である五酸化バナジウムと(V)とリン酸塩化合物は(NHHPOとのモル比が1:2であることが好適である。
なお、混合溶媒の一部として水と混合されるアルコールは、常温で液相の形態をとり親水性の高い低級アルコール(炭素数4以下、第一級から第三級アルコール)であれば任意のものを用いることができるが、プロパノール又はブタノールであることが好ましく、プロパノールであることがより好ましい。また、アルコールの級数の観点からは、第二級アルコールである2−プロパノール又は2−ブタノールが好ましい。よって、最も好ましいのは2−プロパノールである。なお、エタノールを用いた場合には、2−プロパノールを用いた場合ほど良好な結果が得られないことが本発明らの実験でわかった。
また、焼成工程は、不活性雰囲気下における200℃から400℃の熱処理を行う仮焼成工程と、不活性雰囲気下における800℃から900℃の熱処理を行う本焼成工程を含む。
更に、混合工程における混合溶媒の投入質量が、原料の質量に対して、100〜300%に設定される。これにより、焼成後において原料物質が好適に消失される。なお、この混合溶媒の投入質量は、上記水と混合するアルコールの量を調節することにより決定することができる。
そして、上記製造方法により合成された前駆体は、X線回折パターンから定量されるVO結合を有する生成不純物(例えば、V、V(PO)O、)その他不純物の割合が主成分であるVPOに比して5%未満となることが好ましい。このようにVO結合を有する不純物の割合の減少が実現されたことにより、該前駆体の最終生成物を含む蓄電デバイス用電極の容量特性及びエネルギー密度が向上される。
本発明にかかる製造方法により製造された前駆体を経て最終生成物である蓄電デバイス材料を合成し、この蓄電デバイス材料を含む蓄電デバイス用電極、及び該蓄電デバイス用電極を含む蓄電デバイスを使用することが好ましい。
本発明によれば、混合段階において原料の五酸化バナジウムをほぼ完全に消失させることができるので、焼成後におけるVO結合を有する不純物の生成量を大幅に低下させることができる。従って、本発明にかかる前駆体を経て製造される生成物は、安定したVPOの結晶構造を備えることとなるので、原料物質への炭素材料の添加量を少なくしても、上述の炭素の過剰量投入による不純物の残留及びそれにより引き起こされる蓄電デバイスのエネルギー密度の低下を防止することができる。
本実施の形態にかかる各工程の流れを説明するフローチャートである。 本実施の形態にかかる蓄電デバイスの構成を説明する図である。 実施例1〜3、比較例1、2、及び4の前駆体についてのXRD測定結果を示す図である。 実施例1〜3における前駆体(I)〜(IV)、及び比較例3の前駆体についてのXRD測定結果を示す図である。 VPOに対する不純物の積分ピーク強度比を示す図である。
以下、本発明にかかる実施の形態について説明する。図1には、本実施の形態にかかる前駆体の製造方法の流れを示す。ステップS101において、先ず、原料として五酸化バナジウムとリン酸塩化合物、及び添加物としての炭素材料を、水と炭素数が4以下のアルコールを含有させた混合溶媒を用いて湿式混合する。
リン酸塩化合物は、リン酸ナトリウム化合物、リン酸カリウム化合物、及びリン酸アンモニウム化合物等の種々のリン酸塩を用いることが可能であるが、本実施の形態では、リン酸アンモニウム化合物の(NHHPOを用いる。
炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、及びケッチェンブラック等が使用可能である。特に、本実施の形態では、カーボンブラックを用いる。
本実施の形態では、五酸化バナジウムVとリン酸塩化合物(NHHPOの混合モル比は、1:2に調整され、カーボンブラックを、五酸化バナジウムV1モルに対して、0.5〜2.0モル含まれるように添加する。以下、この量を炭素添加量xと記す。
更に、炭素数が4以下のアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等で常温(5℃〜35℃)において液体であるものを使用可能である。本実施の形態では、2−プロパノールを用いる。
また、本実施の形態では、混合溶媒中の水の配合比Aが、原料V1モルに対して、2〜9モルの範囲内となるように調整されている。そして、特に、混合溶媒の投入量が、原料(V及び(NHHPO)の質量に対して100〜300%となるように投入が行われる。混合溶媒の投入量が原料の質量に対して100%を下回ると、原料が混合溶媒に十分に溶解しない。一方、混合溶媒の投入量が原料の質量に対して300%を超えると、溶媒過多となり焼成時に水分が消失しなくなり、不純物が残る原因にもなり得る。なお、混合溶媒の投入量の調整は、水と混合する2−プロパノールの量を調節することにより行われる。
次に、混合工程において得られた混合物を焼成し、固相反応によりVPOを合成する(焼成工程)。この反応は、上記化1の式にしたがう。
焼成工程には、不活性雰囲気下において200〜400℃の間の温度で熱処理される仮焼成工程(ステップS102)と、不活性雰囲気下において800℃〜900℃の間の温度で熱処理が行われる本焼成工程(ステップS103)が含まれる。不活性雰囲気とは、例えばヘリウム、アルゴン等の希ガス流や窒素等の不活性ガス流である。なお、仮焼成における熱処理は、2〜6時間の間行われ、本焼成における熱処理は約16時間の間行われる。
上記混合工程及び焼成工程を経てVPOを主成分とする前駆体が得られる。得られた前駆体は、V等のVO結合を有する不純物の含有量が極めて少ない。具体的には、製造された前駆体は、X線回折パターンから定量されるVO結合を有するVPO以外の生成物である生成不純物の割合が主成分であるVPOに比して5%未満となる。このようにVO結合を有する不純物の割合の減少が実現されたことにより、最終生成物LiVPOFを用いて製造される電極材料のエネルギー密度の低下が防止される。
そして、この前駆体VPOを、LiFと反応させることで最終生成物であるLiVPOFを生成する。具体的には、例えば、ボールミルを用いてLiFとVPOを適切な混合比で混合し、紛体混合物をペレット化し、このペレットを不活性雰囲気下において加熱する。その後、冷却した後、得られたペレットを紛体化する。これにより、LiVPOFの粉末が得られる。前駆体VPOから最終生成物LiVPOFを得る反応は、以下の化学式にしたがう。
Figure 2013098104
得られたLiVPOF粉末が、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を含むバインダーと、ケッチェンブラック等の導電性炭素材料と、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)等の溶媒を用いてスラリー化されることで、LiVPOFを活物質として含む蓄電デバイス用の電極として構成される。特に、LiVPOFは、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いられることが好適である。
以下、本実施の形態にかかる前駆体を用いて製造された正極活物質(LiVPOF)を含む蓄電デバイス(リチウムイオン蓄電デバイス)の構成について説明する。
図2は、リチウムイオン蓄電デバイス10の構造を説明する図である。本実施の形態にかかるリチウムイオン蓄電デバイス10は、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な上記正極活物質LiVPOFを含む正極18と、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な負極活物質を有する負極12と、正極18と負極12間を満たす非水電解液(図示せず)とを備え、正極18と負極12との間におけるリチウムイオンの移動により充放電を行い、放電時に電流を取り出すことができるデバイスである。
ここで、「ドープ」とは、吸蔵・挿入の他に吸着・担持等も含む概念であり、「脱ドープ」とはその逆の概念である。例えば、リチウムイオン蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池が含まれる。
非水電解液として、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを溶媒に溶解した電解液が使用される。なお、電解質や溶媒は特に制限されるものではないが、例えば、電解質としては、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、(CSONLi、(CFSONLi等やこれらの混合物を用いることができる。これらの電解質は単独使用しても、複数種類を併用してもよい。LiPFやLiBFが特に好ましい。さらに、非水電解液の溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(MEC)等の鎖状カーボネート、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート、アセトニトリル(AN)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、1,3-シオキソラン(DOXL)、ジメチルスホキシド(DMSO)、スルホラン(SL)、プロピオニトリル(PN)等の比較的分子量の小さい溶媒、又はこれらの混合物を使用することができる。鎖状カーボネートと環状カーボネートの混合物が特に好ましい。更には、2種類以上の鎖状カーボネートや2種類以上の環状カーボネートを用いた混合物であってもよい。また、必要に応じて溶媒にはフルオロエチレンカーボネート(FEC)等が添加される。
正極18と負極12とはフィルム状のセパレータ25を介して積層されており、セパレータ25には非水電解液が浸透している。正極と負極とが複数ある場合には、正極18と負極12とが交互に積層される。また、平板上に積層される積層型の電極ユニットや積層したものを捲回した捲回型の電極ユニットのいずれでも本実施の形態に適用できる。
負極12は、Cu箔等の金属基板からなり外部回路と接続のためのリード24が設けられた集電体14と、集電体14の片面または両面に設けられた負極活物質層16とから構成される。負極活物質層16は、負極活物質、バインダー、及び導電助剤をNMP等の溶媒を用いてスラリーにし、塗布・乾燥させて形成される。
負極活物質は、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な物質であって、金属材料、その他リチウムイオンを吸蔵可能な炭素材料や金属材料や合金材料や酸化物、又はこれらの混合物が用いられる。負極活物質の粒径は0.1〜30μmであることが好ましい。金属材料としては例えばシリコンやスズが挙げられる。合金材料としては例えばシリコン合金やスズ合金が挙げられる。酸化物としては例えば酸化シリコン、酸化スズ、酸化チタンが挙げられる。炭素材料としては例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素、ポリアセン系有機半導体等が挙げられる。これらの材料を混合して用いても良い。本発明では、シリコン元素やスズ元素等を含む合金系負極を有する蓄電デバイスに対し特に効果的である。
本実施形態において、正極18は、Al箔等の金属基板からなり外部回路と接続のためのリード26が設けられた集電体20と、集電体20の片面または両面に設けられた正極活物質層22とから構成される。正極活物質層22は、正極活物質LiVPOF、バインダー、及び導電助剤をNMP等の溶媒を用いてスラリーにし、塗布・乾燥させて形成される。
上述のように、本実施の形態にかかる前駆体を用いて最終生成物であるLiVPOFを正極活物質として使用して正極材料を製造し、この正極を用いてリチウムイオン蓄電デバイスを構成したことによって、原料物質に対するカーボンブラックの添加量を抑えつつも、エネルギー密度を低下が防止される。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1.原料物質
・V:90.9g(0.5mol)
・(NHHPO:132.1g(1mol)
原料質量は、90.9g+132.1g=223g
この原料物質を4つ調製し、それぞれ原料(I)、原料(II)、原料(III)、及び原料(IV)とする。
2.炭素材料
・カーボンブラック(I):3.0g(炭素0.25mol、すなわちモル比x=0.5)
・カーボンブラック(II):6.0g(炭素0.5mol、すなわちx=1.0)
・カーボンブラック(III):9.0g(炭素0.75mol、すなわちx=1.5)
・カーボンブラック(IV):12.0g(炭素1.0mol、すなわちx=2.0)
3.混合溶媒
水:18.0g(1.0mol、すなわち、水の配合比A=2.0)及び2−プロパノール428gの混合溶媒。従って、この混合溶媒の全質量は、446gであり、原料の質量223gに対して200%である。
(a)上記原料(I)、(II)、(III)、及び(IV)に、それぞれカーボンブラック(I)、(II)、(III)、及び(IV)を添加して、上記水と2−プロパノールの混合溶媒を用いて3時間湿式混合した。
(b)得られた4つの混合物(I)、(II)、(III)、及び(IV)を
アルゴン雰囲気下において300℃〜350℃で4時間の間熱処理を行った(仮
焼成工程)。
(c)仮焼成後、混合物を同様にアルゴン雰囲気下において800℃〜825℃で16時間の間熱処理して固相反応させた(本焼成工程)。反応後、約145.9gの前駆体(I)、(II)、(III)、及び(IV)を生成した。
(d)得られた前駆体(I)、(II)、(III)、及び(IV)に対してXRD分析(X線回折分析)を行い、含有される結晶相の同定及び定量を行った。
(実施例2)
混合溶媒を、
水:52.3g(2.9mol、すなわち、水の配合比A=5.8)及び2−プロパノール393.7g(従って、混合溶媒の全質量は、446gであり、原料の質量223gに対して200%)とした点以外は、実施例1と同様の条件で同様の工程(a)〜(d)を行い、測定結果を得た。
(実施例3)
混合溶媒を、
水:73.0g(4.05mol、すなわち、水の配合比A=8.1)及び2−プロパノール373.0g(従って、混合溶媒の全質量は、446gであり、原料の質量223gに対して200%)とした点以外は、実施例1と同様の条件で同様の工程(a)〜(d)を行い、測定結果を得た。
次に比較例について説明する。
(比較例1)
1.原料
・V:90.9g(0.5mol)
・(NH)HPO4:132.1g
原料質量は、90.9g+132.1g=223g
この原料物質を4つ調製し、それぞれ原料(i)、原料(ii)、原料(iii)、及び原料(iv)とする。
2.炭素材料
・カーボンブラック(i):3.0g(炭素0.25mol、すなわちモル比x=0.5)
・カーボンブラック(ii):6.0g(炭素0.5mol、すなわちx=1.0)
・カーボンブラック(iii):9.0g(炭素0.75mol、すなわちx=1.5)
・カーボンブラック(iv):12.0g(炭素1.0mol、すなわちx=2.0)
3.混合溶媒
水:130.6g(7.25mol、すなわち、水の配合比A=14.5)及び2−プロパノール315.4gの混合溶媒。従って、この混合溶媒の全質量は、446gであり、原料の質量223gに対して200%である。
上記原料(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)に、それぞれカーボンブラック(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)を添加して、上記水と2−プロパノール混合溶媒を用いて3時間湿式混合した。
その後、得られた混合物(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)に対し実施例1と同様の熱処理を行い固相反応させた。反応後、それぞれ約145.9gの前駆体(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)を生成した。
得られた前駆体(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)に対してXRD分析を行い、含有される結晶相の同定及び定量を行った。
(比較例2)
1.原料
・V:90.9g(0.5mol)
・(NH)HPO4:132.1g
原料質量は、90.9g+132.1g=223g
この原料物質を4つ調製し、それぞれ原料(i)、原料(ii)、原料(iii)、及び原料(iv)とする。
2.炭素材料
・カーボンブラック(i):3.0g(炭素0.25mol、すなわちモル比x=0.5)
・カーボンブラック(ii):6.0g(炭素0.5mol、すなわちx=1.0)
・カーボンブラック(iii):9.0g(炭素0.75mol、すなわちx=1.5)
・カーボンブラック(iv):12.0g(炭素1.0mol、すなわちx=2.0)
3.溶媒
単一の溶媒である2−プロパノール446g、すなわち、水の配合比A=0
上記原料(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)に、それぞれカーボンブラック(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)を添加して、上記2−プロパノール溶媒を用いて3時間湿式混合した。
その後、得られた混合物(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)に対し実施例1と同様の熱処理を行い固相反応させた。反応後、それぞれ約145.9gの前駆体(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)を生成した。
得られた前駆体(i)、(ii)、(iii)、及び(iv)に対してXRD分析を行い、含有される結晶相の同定及び定量を行った。
(比較例3)
1.原料物質
・V:90.9g(0.5mol)
・(NH)HPO4:132.1g
原料質量は、90.9g+132.1g=223g
2.炭素材料
・カーボンブラックの添加なし
3.溶媒
単一の溶媒である2−プロパノール446g
上記原料物質を2−プロパノール溶媒を用いて3時間湿式混合した。その後、得られた混合物に対し実施例1と同様の熱処理を行い固相反応させた。反応後、約145.9gの前駆体を生成した。得られた前駆体に対してXRD分析を行い、含有される結晶相の同定及び定量を行った。
(比較例4)
1.原料物質
・V:90.9g(0.5mol)
・(NH)HPO4:132.1g
原料質量は、90.9g+132.1g=223g
2.炭素材料
・カーボンブラック:12.0g(炭素1.0mol、すなわちx=2.0)
3.溶媒
・なし
上記原料物質をカーボンブラックとともに、ボールミルを用いて3時間混合した。混合物をペレット化した。得られた混合物ペレットをアルゴン雰囲気下において300℃で4時間の間熱処理を行い、その後、2℃/分で室温に冷却した。その後、得られた混合物ペレットを更に、アルゴン雰囲気下において850℃で16時間の間熱処理を行い、その後、2℃/分で室温に冷却して約145.9gの前駆体を生成した。そして、得られた前駆体に対してXRD分析(X線回折分析)を行い、前駆体に含まれるk不純物結晶相の同定及び定量を行った。
(比較例5)
1.原料物質
・V:90.9g(0.5mol)
・(NH)HPO4:132.1g
原料質量は、90.9g+132.1g=223g
2.炭素材料
・カーボンブラック:12.0g(炭素1.0mol、すなわちx=2.0)
3.溶媒
単一の溶媒である水556.7g(128.6mol、すなわち、水の配合比A=61.8)
上記原料物質を上記の水溶媒を用いて3時間湿式混合した。その後、得られた混合物に対し実施例1と同様の熱処理を行い固相反応させた。反応後、約145.9gの前駆体を生成した。得られた前駆体に対してXRD分析を行い、含有される結晶相の同定及び定量を行った。
図3は、実施例1〜3と比較例1,2,4,5における炭素1.0molの場合の前駆体のXRD測定結果を示している。A=0.0は比較例2の前駆体(ii)、A=2.0は実施例1の前駆体(II)、A=5.8は実施例2の前駆体(II)、A=8.1は実施例3の前駆体(II)、A=14.5は比較例1の前駆体(i)、A=61.8は比較例5の前駆体、「乾式」は比較例4の前駆体にそれぞれ対応する。いずれの前駆体も主たる結晶相が2θ=35°付近にメインピークを有するVPOであることが分かる。
図3に示された測定結果を参照すると、混合溶媒における水の配合比Aが14.5以上の場合(比較例1、及び5)、すなわち、混合溶媒における水の量が過多である場合には、特に不純物V(PO)Oの発生が目立っている(2θ=27°付近を参照)。また、湿式混合時におけるVに対する水の配合比A=0、すなわち、単一溶媒2−プロパノールにより混合を行った場合(比較例2)では不純物Vが多く発生していることがわかる(2θ=33°付近を参照)。更に、乾式混合により製造された前駆体の場合(比較例4)では、不純物、V(PO)O、V、及びその他不純物の発生が目立っている(2θ=、27°、33°、24°付近を参照)。
これに対して、実施例1(水の配合比A=2.0)、実施例2(水の配合比A=5.8)、及び実施例3(水の配合比A=8.1)の場合には、いずれの不純物の発生も少ないことが理解される。
なお、図3には、実施例1〜3の前駆体(I)、(III)、(IV)、比較例1,2の前駆体(i)、(iii)、(iv)は図示していないが、それらの測定結果はいずれも炭素1.0molの場合とほとんど変わらなかったため、各測定結果の記載は省略した。炭素量が異なっても測定結果がほぼ同一であったことから、少なくとも炭素が0.25〜1.0molの範囲においては、不純物の生成は、炭素量によらず、もっぱら水の配合比に影響するということが理解される。
図4は、実施例1の前駆体(I)〜(IV)と比較例3の前駆体のXRD測定結果を示している。なお、実施例2、3の前駆体(I)〜(IV)のXRD測定結果は図示していないが、実施例1とほぼ同様の結果が得られたため図示を省略した。
図4に示された測定結果を参照すると、カーボンブラックの添加量が0である場合(比較例3)、2θ=20°〜24°、2θ=28°付近などに前駆体の結晶構造であるVPO以外の成分のものと考えられるピークが複数存在する。従って、この場合、複数種の不純物が生じているものと考えられる。また、前駆体の主成分であるVPOのピークも小さいことから、VPOの結晶構造も不安定であるものと考えられる。
これに対して、実施例1(或いは実施例2,3)においてカーボンブラックの添加量x=0.5〜2.0の場合には、VPOに対応するピーク以外の部分の不純物のピークは、生じておらず、VPOのピークも大きい。従って、前駆体VPOの結晶が十分に形成されており安定しているものと考えられる。
図5は、水の配合比Aと、前駆体におけるVPOに対する不純物の積分強度比Iと、の関係を示すグラフである。積分強度比Iは各結晶相のメインピークの積分強度比から求めた。すなわち、VPO4は2θ=35°、V2O3は2θ=33°、V2(PO4)Oは2θ=27°、その他不純物は2θ=24°にそれぞれ存在するピークを用いた。
なお、当図はカーボンブラックの添加量xが2.0の前駆体から求めたデータである。
図示のように、湿式混合時におけるVに対する水の配合比Aが、2.0である場合(実施例1)には、不純物Vの積分強度比Iは、0.9%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、1.7%であり、その他不純物の積分強度比Iは、0.1%であった。また、水の配合比Aが、5.8である場合(実施例2)には、不純物Vの積分強度比Iは、0.01%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、1.9%であり、その他不純物の積分強度比Iは、0.9%であった。更に、水の配合比Aが、8.1(実施例3)である場合には、不純物Vの積分強度比Iは、0.01%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、2.4%であり、その他不純物の積分強度比Iは、1.8%であった。
そして、なお、水の配合比Aが、0である場合(比較例2)には、不純物Vの積分強度比Iは、4.2%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、10.0%であり、その他不純物の積分強度比Iは、6.2%であった。また、水の配合比Aが、14.5である場合(比較例1)には、不純物Vの積分強度比Iは、0.5%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、5.8%であり、その他不純物の積分強度比Iは、0.5%であった。更に、乾式混合の場合(比較例4)には、不純物Vの積分強度比Iは、4.0%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、3.3%であり、その他不純物の積分強度比Iは、6.0%であった。
そして特に、水の配合比Aが、61.8である場合(単一の水の溶媒として示した比較例5)には、不純物Vの積分強度比Iは、0.0%であり、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、17.5%であり、その他不純物の積分強度比Iは、1.3%であった。
以上の結果により、湿式混合時におけるVに対する水の配合比Aが、2.0(実施例1)、5.8(実施例2)、及び8.1(実施例3)の場合には、VO結合を含む不純物の合計、すなわち、不純物V、不純物V(PO)O、及びその他不純物の合計の割合が、VPOに対して5%未満となることが理解される。つまり、前駆体VPOに含まれる不純物の量が大きく低減されていることが明確に理解される。これは、2−プロパノール中に混合した水と原料との諸反応により混合段階でVをほとんど消失させることができるためと考えられる。このように混合段階でVがほとんど消失されていることから、得られる前駆体の結晶構造が安定しやすいので、結晶構造を安定化させる目的で行われていたカーボンブラックの過剰添加を行う必要が無くなる。従って、炭素材料の過剰添加により、当該前駆体を経て合成される最終生成物が電極材料として機能する際に、そのエネルギー密度が低下してしまうことが防止される。
なお、上記水の配合比Aが2.0より小さい場合には、各不純物の合計量が急上昇する。これは、溶媒としての水の量が少ない場合には、混合工程及び仮焼成工程における原料Vが消失し難くなってしまい、結果として本焼成後の前駆体VPO中に不純物Vが多く残有するためであると考えられる。また、特に、溶媒を用いない乾式混合の場合においても、水の配合比Aを0とする湿式混合の場合とほぼ同等の量の不純物が生じることが理解される。
また、水の配合比Aが8.1より大きい場合には、溶媒としての水の量が十分であることから混合工程で原料Vがほぼ完全に消失し不純物Vの生成は大きく抑えることができる。しかし、水の配合比Aがあまり大きな値をとると、混合時に原料物質(NHHPOがNHPOとして変化し、このNHPOの影響により焼成工程おいて不純物V(PO)Oが生じ、これが焼成工程後も残存すると考えられる。この点は、図5において示した、各実施例及び比較例における不純物V(PO)Oの積分強度比Iを参照すれば、明確に理解される。
そして、当図を参照すると、水の配合比A=9.0となる場合において、不純物Vの積分強度比Iは、約0.2%、不純物V(PO)Oの積分強度比Iは、約3.0%であり、その他不純物の積分強度比Iは、約1.7%であると予測される。従って、この水の配合比A=9.0となる場合は、VO結合を有する不純物の割合がVPOに対して5%未満となるほぼ限界の値であると考えられる。
以上により、水の配合比(A)を2〜9モルの範囲であることが、不純物VやV(PO)Oの生成を抑制する上で最も好適な数値範囲であることが理解される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、五酸化バナジウムVとリン酸塩化合物(NHHPOの混合モル比、仮焼成工程や本焼成工程における焼成温度や時間、炭素材料の添加量、及び混合溶媒の質量は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
10 リチウムイオン蓄電デバイス
12 負極
14 負極集電体
16 負極活物質層
18 正極
20 正極集電体
22 正極活物質層
24 リード
25 セパレータ
26 リード

Claims (12)

  1. 原料としての五酸化バナジウムとリン酸塩化合物、及び添加物としての炭素材料を、水と炭素数が4以下のアルコールを含有させた混合溶媒を用いて湿式混合する混合工程と、
    前記混合工程により得られた混合物を焼成して固相反応によりVPOを生成させる焼成工程と、を有し、
    前記混合溶媒中の水の配合比が、前記五酸化バナジウムに対して、2モルから9モルの範囲内であることを特徴とする蓄電デバイス用電極材料の前駆体であるVPOの製造方法。
  2. 前記炭素材料がカーボンブラックであり、五酸化バナジウム1モルに対して、0.5から2.0モル含まれていることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記リン酸塩化合物が(NHHPOあり、五酸化バナジウムと(NHHPOとのモル比が1:2であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記アルコールが、プロパノールであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記アルコールが、2−プロパノールであることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記アルコールが、第二級アルコールであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の製造方法。
  7. 前記焼成工程は、不活性雰囲気下における800℃から900℃の熱処理である本焼成工程を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記焼成工程は、前記本焼成工程の前に、不活性雰囲気下における200℃から400℃の熱処理である仮焼成工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記混合工程において、混合溶媒の投入質量は、原料の質量に対して、100〜300%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかの1項の方法により製造された前駆体を経て合成された蓄電デバイス材料を含む蓄電デバイス用電極。
  11. 請求項10の蓄電デバイス用電極を含む蓄電デバイス。
  12. 原料としての五酸化バナジウムとリン酸塩化合物、及び添加物としての炭素材料を、水と炭素数が4以下のアルコールを含有させた混合溶媒を用いて湿式混合する混合工程と、 前記混合工程により得られた混合物を焼成して固相反応によりVPOを生成させる焼成工程と、を経て合成され、
    X線回折パターンから定量されるVO結合を有するVPO以外の生成物である生成不純物の割合が主成分であるVPOに比して5%未満であることを特徴とする蓄電デバイス用電極材料の前駆体。
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