JP2013097736A - 指令経路速度条件による速度制御を行う数値制御装置 - Google Patents

指令経路速度条件による速度制御を行う数値制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度、高品位の加工を実現できる数値制御装置。
【解決手段】指令径路速度条件入力部20で指令経路速度、指令径路許容加速度、指令径路許容加加速度を入力し、駆動軸速度条件入力部22で駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度を入力し、工具基準点径路速度条件入力部24で工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度、工具基準点径路許容加加速度を入力し、クランプ値演算部18で、それらの速度条件から分割区間ごとに速度クランプ値、加速度クランプ値、加加速度クランプ値を演算し、速度曲線演算部16で、速度クランプ値、加速度クランプ値、加加速度クランプ値を越えない最大の速度として速度曲線を演算し、補間部12で、指令解析部10において加工プログラムを解析して作成された補間データを、前記速度曲線にもとづく速度によって補間を行い、駆動軸移動量を演算し、各軸サーボ14を駆動する。
【選択図】図12

Description

本発明は、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御するとともに、ワークに対する工具の相対的径路である指令径路における許容加速度および許容加加速度にもとづく速度制御、各駆動軸における許容速度、許容加速度および許容加加速度にもとづく速度制御、および後述の工具基準点径路における工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度および工具基準点径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置に関する。
工作機械において実際に動作する駆動軸には駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度などの駆動軸速度条件がある。特許文献1に、それらの駆動軸速度条件を満たす指令径路上の速度を求めて指令径路を補間することにより駆動軸が許容速度、許容加速度および許容加加速度を越えないようにする技術が開示されている。なお、ここで加加速度は加速度の時間微分、つまり加速度の変化度であり、この特許文献1ではジャークと呼んでいる。
特許文献2には、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度などの駆動軸速度条件を満たす最大の指令径路上の加加速度(特許文献では軌道衝撃r(s)と記載されている)を求め、それを積分して指令径路上の加速度を求め、さらにそれを積分して指令径路上の速度(軌道速度v(s))を求め、その速度によって指令径路を補間する技術が開示されている(請求項1など)。
また、特許文献3には、駆動軸径路が指令される場合にワークに対する工具先端点の速度が許容速度(特許文献では基準速度と記載されている)となるような駆動軸径路上の送り速度を求めて補間する技術が開示されている(請求項6など)。
特開2008−225825号公報 特許第4673377号明細書 国際公開2011/064816号
特許文献1の(12)式において、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度(ジャーク)を越えないように指令径路上の移動距離sに対する時間微分である一次微分、二次微分、三次微分を求め、それらにもとづいてsを変化させて指令径路を補間し逆運動学変換を行って駆動軸を動作する。しかし、特許文献1には、ワークに対する工具の相対的径路である指令径路における指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う技術思想はない。
特許文献2においては、文献中の図2からも明らかなように、少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御することを想定しておらず、そのため、駆動軸の速度と指令径路の速度という区別がない。したがって、多軸工作機械において駆動軸径路と指令径路が相違することが想定されていないため、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度と相違するワークに対する工具の相対的径路である指令径路における指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度制御にもとづく速度制御を行う技術思想はない。
特許文献3においては、ワークに対する工具の相対的径路である指令径路における指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う技術思想はない。上記特許文献1や2で開示されているように、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度を越えないように速度制御を行うことは従来技術として知られている。一般に、これらの駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度は工作機械製造時に各駆動軸の許容速度、許容加速度および許容加加速度を測定し、設定値として設定する。つまり、一般に工作機械の条件として数値制御装置内のパラメータなどに設定値として設定する。それに対して、より高精度、より高品位の加工を行うために、加工プログラムで指令された指令径路での指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度にもとづく速度制御も必要になってきている。特に、少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械での加工においては、駆動軸の動作径路とワークに対する工具の移動径路である指令径路とが大きく相違することが多く、より高精度、より高品位の加工を行うために、加工プログラムで指令されたワークに対する工具先端点の相対的径路である指令径路での工具先端点の指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度にもとづく速度制御が重要となってきている。指令径路での加速度、加加速度が大きすぎると加工面に縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝ができてしまったりするためである。
例えば、図1のようにプログラム座標系に置かれたワークに対する工具先端点の相対的径路である指令径路がプログラム座標系上の加工プログラムによって指令され、実際のワークは図2のような回転軸2軸(A,C軸)で回転するテーブル上に置かれて加工される場合で説明する。この時、加工プログラムにおいて工具先端点の指令径路がプログラム座標系上のX,Y,Z位置で指令されかつ指令径路速度が速度Fで指令されるとともに、工具方向が回転軸位置(A,C軸位置)や工具方向ベクトルで指令される(図1)。
ここで加工プログラムにおいてX,Y,Z指令は直線指令であっても、実際の加工においては駆動軸としてのX,Y,Z軸はA,C軸の回転移動と共に図2の駆動軸径路のように機械座標系上で曲線的に移動する。この時、従来技術において各駆動軸は許容速度、許容加速度、許容加加速度以内で移動するように制御されていた。しかし、ワークに対する工具先端点の相対的径路である指令径路での許容加速度、許容加加速度の制御は行われていなかった。そのため、特に加工プログラムのコーナ部や曲率の大きな曲線部分において、ワークに対する工具先端点の径路上での大きな加速度や加加速度が発生することがあり、そのような場合、特に工具側面で加工する時に加工面に工具方向の縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝などができてしまったりした。また工具先端点で加工する時にも切り込みすぎによるくぼみができてしまったりした(図3参照)。特に各駆動軸の許容速度、許容加速度、許容加加速度を大きく設定している高剛性かつ高速性能を持つ工作機械では各駆動軸は高速、高加速度、高加加速度で動作するため、ワークに対する工具先端点の径路においても大きな加速度や加加速度が発生しそのような加工面上の縞目や溝またはくぼみが発生することがあった。
また、工具側面で加工する場合は、工具先端点の加速度や加加速度による速度制御とともに、工具先端点とは相違する工具上の他の基準点位置(例えば加工上面に対応する工具位置)を工具基準点とし、ワークに対する工具基準点の相対的径路である工具基準点径路での許容速度、許容加速度、許容加加速度による速度制御も必要になることがある(図1、図2参照)。図2の加工においては工具先端点と工具基準点の間の切刃で切削しているので、工具先端点での速度制御と同様に工具基準点での速度制御がなければ、やはり図3のように加工面に縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝などができてしまったりした。
そこで、本発明の課題は、ワークに対する工具先端点の経路で大きな加速度や加加速度が発生したりワークに対する工具基準点の経路で大きな速度、加速度、加加速度が発生することによって加工面の縞目や工具の切り込みすぎによる溝などが生じることを防ぎ、その結果、より高精度、より高品位の加工を実現できる数値制御装置を提供することである。
請求項1に記載の発明の課題は、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御するとともに、ワークに対する工具の相対的径路である指令径路における指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供することを課題とし、さらに、請求項3に記載の発明の課題は、工具先端点とは相違する工具基準点のワークに対する相対的径路である工具基準点径路における工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度および工具基準点径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御する数値制御装置において、加工プログラムで指令されたワークに対する工具先端点の相対的径路である指令径路における指令経路速度および指令径路許容加速度を指令径路速度条件として入力する指令径路速度条件入力部と、駆動軸に対する駆動軸許容速度および駆動軸許容加速度を駆動軸速度条件として入力する駆動軸速度条件入力部と、前記指令径路を複数の区間に分割した分割区間ごとに、前記指令径路速度条件から指令径路区間許容速度および指令径路区間許容加速度、および前記駆動軸速度条件から駆動軸区間許容速度および駆動軸区間許容加速度を演算し、前記指令径路区間許容速度または前記駆動軸区間許容速度のうち小さい方を速度クランプ値とし、かつ前記指令径路区間許容加速度または前記駆動軸区間許容加速度のうち小さい方を加速度クランプ値とするクランプ値演算部と、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値を越えない最大の前記指令径路上の速度として速度曲線を求める速度曲線演算部と、前記速度曲線にもとづく速度によって前記指令径路の補間を行い補間された指令径路補間位置を駆動軸位置に変換することで駆動軸移動量を演算する補間部を有し、前記駆動軸移動量によって各軸を駆動することを特徴とする数値制御装置である。
請求項2に係る発明は、前記指令径路速度条件入力部は、前記指令経路速度および前記指令径路許容加速度に加えて指令径路許容加加速度をも指令径路速度条件として入力する指令径路速度条件入力部であり、前記駆動軸速度条件入力部は、前記駆動軸許容速度および前記駆動軸許容加速度に加えて駆動軸許容加加速度をも駆動軸速度条件として入力する駆動軸速度条件入力部であり、前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令径路速度条件から指令径路区間許容速度および指令径路区間許容加速度に加えて指令径路区間許容加加速度をも演算し、また前記駆動軸速度条件から前記駆動軸区間許容速度および前記駆動軸区間許容加速度に加えて駆動軸区間許容加加速度をも演算し、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記指令径路区間許容加加速度または前記駆動軸区間許容加加速度のうち小さい方を加加速度クランプ値とするクランプ値演算部であり、前記速度曲線演算部は、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記加加速度クランプ値をも越えない最大の前記指令経路上の速度として速度曲線を求める前記速度曲線演算部であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置である。
請求項3に係る発明は、前記工具先端点とは相違する工具上の基準点である工具基準点のワークに対する相対的径路である工具基準点径路における工具基準点径路許容速度および工具基準点径路許容加速度を工具基準点径路速度条件として入力する工具基準点径路速度条件入力部を有し、前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令径路区間許容速度、前記指令径路区間許容加速度、前記駆動軸区間許容速度および前記駆動軸区間許容加速度に加えて、前記工具基準点径路速度条件から工具基準点径路区間許容速度および工具基準点径路区間許容加速度をも演算し、前記指令径路区間許容速度、前記駆動軸区間許容速度または前記工具基準点径路区間許容速度のうち最も小さいものを速度クランプ値とし、かつ前記指令径路区間許容加速度、前記駆動軸区間許容加速度または前記工具基準点径路区間許容加速度のうち最も小さいものを加速度クランプ値とするクランプ値演算部であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置である。
請求項4に係る発明は、前記工具基準点径路速度条件入力部は、前記工具基準点径路許容速度および前記工具基準点経路許容加速度に加えて工具基準点経路許容加加速度をも工具基準点速度条件として入力する工具基準点径路速度条件入力部であり、前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令径路区間許容速度、前記指令径路区間許容加速度、前記指令径路区間許容加加速度、前記駆動軸区間許容速度、前記駆動軸区間許容加速度、前記駆動軸区間許容加加速度、前記工具基準点径路区間許容速度および前記工具基準点径路区間許容加速度に加えて、前記工具基準点径路速度条件から工具基準点径路区間許容加加速度をも演算し、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて、前記指令径路区間許容加加速度、前記駆動軸区間許容加加速度または前記工具基準点径路区間許容加加速度のうち最も小さいものを加加速度クランプ値とするクランプ値演算部であり、前記速度曲線演算部は、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記加加速度クランプ値をも越えない最大の前記指令経路上の速度として速度曲線を求める前記速度曲線演算部であることを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置である。
請求項5に係る発明は、前記多軸工作機械は直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置である。
請求項6に係る発明は、前記多軸工作機械は直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置である。
請求項7に係る発明は、前記多軸工作機械は直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置である。
本発明により、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御するとともに、ワークに対する工具の相対的径路である指令径路における指令径路許容加速度および指令径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供できると共に、工具先端点とは相違する工具基準点のワークに対する相対的径路である工具基準点径路における工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度および工具基準点径路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供できる。そのことにより、ワークに対する工具先端点の経路で大きな加速度や加加速度が発生したりワークに対する工具基準点の経路で大きな速度、加速度、加加速度が発生することによって加工面の縞目や工具の切り込みすぎによる溝などが生じることを防ぎ、その結果、より高精度、より高品位の加工を実現できる。
プログラム座標系に置かれたワークに対する工具先端点の相対的経路である指令経路を説明する図である。 回転軸2軸(A,C軸)で回転するテーブル上に置かれて加工される場合を説明する図である。 加工面に縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝やくぼみなどができてしまったりすることを説明する図である。 直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械においてワークを加工するための加工プログラムの例を説明する図である。 指令経路を指令経路積算長sによって複数の区間に分割した分割区間ごとにsvpを求め指令経路区間許容速度とし、前記分割区間ごとにsvrを求め駆動軸区間許容速度とし、それらの小さい方を速度クランプ値とすることを説明する図である。 指令経路積算長sを区間で分割した分割区間ごとにsap、sarを求め、それぞれ指令経路区間許容加速度、駆動軸区間許容加速度とし、それらの小さい方を加速度クランプ値sacとすることを説明する図である。 指令経路積算長sを区間で分割した分割区間ごとにsjp、sjrを求め、それぞれ指令経路区間許容加加速度、駆動軸区間許容加加速度とし、小さい方を加加速度クランプ値sjcとすることを説明する図である。 求められた各分割区間のsvc、sacから、それらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成することを説明する図である。 追加条件によってsjcが求められている場合に、各分割区間のsvc、sac、sjcからそれらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成することを説明する図である。 直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械を説明する図である。 直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械を説明する図である。 本発明に係る指令経路速度条件による速度制御を行う数値制御装置を説明するブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを説明する図である。 本発明の第2の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<第1の実施形態>
図2のような直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械とする。テーブルがA,C軸で回転し、工具ヘッドがX,Y,Z軸で動作する。ここではテーブルがA,C軸で回転するとしているが、他の回転軸(B,C軸やA,B軸)で回転する場合もある。また、X,YまたはZ軸にテーブルが載って動作する場合もある。加工プログラム例としては図4のように指令される。ここで、G43.4はワークに対する工具先端点の相対的径路を指令する工具先端点制御を開始するGコードである。G49は工具先端点制御をキャンセルするGコードであり、その間の各ブロックのX__,Y__,Z__がワークに対する工具先端点の相対的径路としての指令径路の指令である。A__,C__は、工具先端点の移動とともに工具方向を変更するために回転軸を移動する指令である。I__,J__,K__のように工具方向をベクトルで指令することもできる。その場合は、指令された工具方向ベクトルをA__,C__の回転軸位置に変換することにより図4と同様の指令とみなすことができるため、本発明を適用できる。Fは指令径路における指令径路速度(F指令)の指令であり、速度が変化するブロックで指令する。H__は工具長補正量を指令する。本発明は工具先端点制御に対して、つまりG43.4からG49指令までのプログラム指令に適用される。
図1のようにプログラム座標系上の工具先端点位置として指令される指令径路をpとし、指令径路積算長sを媒介変数とする関数p(s)で表す。p(s)は、数1式のようにプログラム座標系上のX,Y,Z,A,C要素がsの3次式で表されるベクトルとする。図1では簡便のためp(s)は直線のように描いているが、ここではより一般化して数1式で表される3次式とする。この3次式は図4におけるX__,Y__,Z__,A__,C__の指令群から作成する。X__,Y__,Z__,A__,C__の指令群から3次式を作成する方法は従来技術なので詳述しない。ax,bx,cx,dxなどは各s3,s2,sなどの係数である。もちろん、直線、円弧、NURBS曲線など様々な他の関数形式で表すことも可能である。
なお、pa(s),pc(s)は計算表記における便宜のため、以降では明細書の数式を含む本文中および図面においてそれぞれA,Cと表す。
Figure 2013097736
特許文献1では、数2式のように、指令径路(文献上は工具パスと記載している)p(s)から関数fでプログラム座標系上の主軸径路(文献上は主軸パス)q(s)を作成し、q(s)から関数gで駆動軸径路(文献上は駆動軸パス)r(s)を作成している。数2式は特許文献1中の(1)式、(2)式に対応し、特許文献1中の(1)式、(2)式では他の要素(段取り情報や機械構成など)を含めて記載しているが、ここでは簡単のため位置関係のみの記載としている。q(s),r(s)はそれぞれX,Y,Z,A,C要素を持つベクトルである。
Figure 2013097736
特許文献1では、指令径路p(s)から主軸径路q(s)までは機械構成によらず、主軸径路q(s)から駆動軸径路r(s)を作成する関数gには機械構成要素が入ってくるので、p→q→rと2段階に分けることによりp→qまでを機械構成によらず共通化できるとしている。もちろん、p→rをそのように2段階にしてもよいが、本発明では、p(s)とr(s)の関係が重要であるため、駆動軸径路r(s)を関数hから作成するとしてp(s)とr(s)の関係を数3式のように表す。
Figure 2013097736
図2の機械構成の場合、数3式は具体的には次の数4式のようになる。ここで、Thは工具長補正ベクトルでありLは工具長補正量である。ここではZ軸方向のみのベクトルとしたが、工具径なども考慮してX,Y要素も持つベクトルとしてもよい。Mtはテーブル回転を表すマトリックスであり、その構成要素RA-1,RC-1はX軸周りにA,Z軸周りにCだけ逆回転するマトリックスである。
Figure 2013097736
p(s),r(s)のsによる1次微分、2次微分、3次微分p’,p’’,p’’’、r’,r’’,r’’’は次の数5式、数6式、数7式、数8式、数9式、数10式のようになる。以降、簡便のため(s)の表記は自明の場合省略する。Mt’、(RA-1)’’、A’’’などの「’」「’’」「’’’」記号は、それぞれsによる1次微分、2次微分、3次微分を表す。「*」は乗算を表す。また、sinAA’は(sinA)*A’を意味する。他の三角関数の表記も同様である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらの計算結果を使って指令径路における指令径路許容加速度、指令径路許容加加速度から、数11式(指令径路許容加速度条件)、数12式(指令径路許容加加速度条件)を演算する。piはpの各軸要素(i=x,y,z,a,c)、svはsの1次時間微分(速度)、saはsの2次時間微分(加速度)、sjはsの3次時間微分(加加速度)である。ここで、数11式(指令径路許容加速度条件)は必要な条件である。数12式(指令径路許容加加速度条件)はより高精度、高品位加工を必要とする場合に追加する条件である。なお、s、sv、sa、sjはスカラー量である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Apiは指令径路における各軸の許容加速度であり、指令径路許容加速度という。Jpiは指令径路における各軸の許容加加速度であり、指令径路許容加加速度という。Api,Jpiが指令径路速度条件であり、それらは前もって設定値として設定しておく、またはプログラム指令として指令する。そのようにしてApi,Jpiを入力するのが指令径路速度条件入力部である。ただし、上記のように、数11式(指令径路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数12式(指令径路許容加加速度条件)は必要な場合に演算する追加条件である。したがって、指令径路速度条件入力部においても、指令径路許容加速度は必要な入力データであるが、指令径路許容加加速度は必要な場合に入力する追加入力データである。なお、通常、X,Y,ZのApi,Jpi(i=x,y,z)はiに関係せず同一である。あるいはX,Y,ZのApi,JpiはX,Y,Zの合成加速度、合成加加速度であるとして演算をすることもできる。ここで、ワークに対する工具先端点の相対的径路である指令径路での許容加速度、許容加加速度は加工条件(目標加工精度、使用工具、ワーク材質など)にもよるため、加工ごとに指令したり設定できる。これは後述の工具基準点径路許容速度、許容加速度、許容加加速度についても同様である。
これらとsvは指令径路速度(指令F)を越えないという条件から、数13式、数14式、数15式が得られる。指令径路速度はプログラムで速度指令として指令される指令Fである。ただし、ここではsvは指令径路速度(指令F)を越えないとしたが、Api,Jpiと同様Vpiという指令径路における各軸の許容速度を前もって設定しておき、数13式ではsvを指令径路速度(指令F)またはVpiの小さい方を越えないとしてもよい。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらを指令径路上で満たす最大のsvおよび指令経路の各軸に対して満たす最大のsa,sjが、指令径路速度条件によるsの許容速度svp、許容加速度sap、許容加加速度sjpである。ただし、上記のように、数11式(指令径路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数12式(指令径路許容加加速度条件)は追加条件である。したがって、数13式、数14式は必ず導かれるが、指令径路速度条件入力部において指令径路許容加速度のみ入力されていて指令径路許容加加速度は入力されていない場合、数15式は導かれない。その場合、sjpには条件はなく、どのように大きな値(正値),小さな値(負値)もとり得る。
同様に、駆動軸における駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度から、数16式(駆動軸許容速度条件)、数17式(駆動軸許容加速度条件)、数18式(駆動軸許容加加速度条件)を演算する。ここで、riはrの各軸要素(i=x,y,z,a,c)であり、またすでに述べたようにsvはsの1次時間微分(速度)、saはsの2次時間微分(加速度)、sjはsの3次時間微分(加加速度)である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Vri,Ari,Jriは各駆動軸(X,Y,Z,A,C軸)の駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度(i=x,y,z,a,c)である。Vri,Ari,Jriが駆動軸速度条件であり、それらは前もって設定値として設定しておく、またはプログラム指令として指令する。そのようにしてVri,Ari,Jriを入力するのが駆動軸速度条件入力部である。ただし、上記のように、数16式(駆動軸許容速度条件)、数17式(駆動軸許容加速度条件)は必要な条件であるが、数18式(駆動軸許容加加速度条件)は必要な場合に演算する追加条件である。したがって、駆動軸速度条件入力部においても、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度は必要な入力データであるが駆動軸許容加加速度は必要な場合に入力する追加入力データである。ただし、これらの駆動軸速度条件を入力することおよびそれらに対応した数16式、数17式、数18式を演算することは従来技術である。これらから、数19式、数20式、数21式が得られる。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらを各駆動軸に対して満たす最大のsv,sa,sjが、駆動軸速度条件によるsの許容速度svr、許容加速度sar、許容加加速度sjrである。ただし、上述のように、数16式(駆動軸許容速度条件)、数17式(駆動軸許容加速度条件)は必要な条件であるが、数18式(駆動軸許容加加速度条件)は追加条件である。したがって、数19式、数20式は必ず導かれるが、駆動軸速度条件入力部においてVri駆動軸許容速度とAri駆動軸許容加速度のみ入力されていてJri駆動軸許容加加速度は入力されていない場合、数21式は導かれない。その場合、sjrには条件はなく、どのように大きな値(正値)小さな値(負値)もとり得る。
数13式によって、図5のように指令径路をsによって複数の区間で分割した分割区間ごとにsvpを求め指令径路区間許容速度とする。また、同様に数19式によって分割区間ごとにsvrを求め駆動軸区間許容速度とする。ここで、区間とは、一定距離ごとの区間とする、加工プログラム上の指令ブロック単位を区間とする、曲率が大きいところでは短距離の区間とするように曲率に反比例する長さの区間とするなど様々な方法がある。ただし各区間内ではp(s)は数1式のようなある一定の関数形式で表される。(数1式は3次式であるが、数1式の説明でも述べたように他の関数形式も可能である。)ただし、数13式、数19式から導かれるため、svp,svrは各分割区間内でsによって変化するsvp(s),svr(s)のように表される値であるが、ここでは以降の計算の簡便化を考慮して各分割区間内では定数としている。つまり、ある分割区間におけるsの始点をss、終点をseとすると、数22式のように始点または終点でのsvp(ss),svp(se)およびsvr(ss),svr(se)のより小さい値とする、あるいは数23式のように始点と終点の中点でのsvp(s),svp(s)およびsvr(s),svr(s)の値とするなどの方法によって定数とする。他にもss,se間の適当な代表点でのsvp(s),svr(s)の値とすることもできる。もちろん、各分割区間内で定数とせずsvp(s),svr(s)のようにsによる変数としてもよい。sap、sar、sjp、sjr、および後述(第2の実施形態)のsvqs、saqs、sjqsについても同様である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
図5では、各分割区間ごとに一点鎖線が指令径路区間許容速度svp、実線が駆動軸区間許容速度svrとして表され、小さい方を速度クランプ値svcとしている。つまり、svc=Min(svp,svr)とする。なお、図5では分割区間ごとにsvpが変化するように描いているが、これは指令Fが分割区間ごとに変更されて指令されている場合を想定しているためである。
同様に、数14式、数20式によって、図6のようにsを区間で分割した分割区間ごとにsap、sarを求め、それぞれ指令径路区間許容加速度、駆動軸区間許容加速度とする。そして、それらの小さい方を加速度クランプ値sacとする。つまり、sac=Min(sap,sar)とする。図6では、各分割区間ごとに一点鎖線が指令径路区間許容加速度sap、実線が駆動軸区間許容加速度sarとして表され、小さい方を加速度クランプ値sacとしている。
さらに、追加条件によって数15式、数21式が導かれている場合は、同様に、数15式、数21式によって、図7のようにsを区間で分割した分割区間ごとにsjp、sjrを求め、それぞれ指令径路区間許容加加速度、駆動軸区間許容加加速度とする。そして、小さい方を加加速度クランプ値sjcとする。つまり、sjc=Min(sjp,sjr)とする。図7では、各分割区間ごとに一点鎖線がsjp、実線がsjrとして表され、小さい方を加加速度クランプ値sjcとしている。
求められた各分割区間のsvc、sacから、それらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成する。例えば、図8破線のようにsvc、sacが求められた場合、それらを満たす最大の速度としての速度曲線svlを図8上図の実線のように求めることができる。svlを求める方法は、svcの局所最小域から右側と左側にsa(加速度)をsac内の最大値としながらsalとして作成し、そのsalを時間積分することでsvlを作成していく。
svlがsvcに達するとsal=0とするとともにsvl=svcとする。そのようにして局所最小域の右側と左側からのsvlが同じsにおいて同じsvlの値となるところまで到達すると速度曲線svlが作成される。局所最小域とは、図8のM1、M2,M3、M4のようにその左右でsvcが増加するところであり、指令径路の始点、終点も含む。なお、svcは正側のみだが、sacは加速と同様減速にも有効であるため上述で求めた加速度クランプ値を絶対値として正負に配置する。
具体的には、図8においては、始点の局所最小域M1から右側にsaとしては正のsacをとりながらsalを作成しsalを時間積分してsvlを作成していく。svlがsvcに達すればsal=0、svl=svcとする。同様に、局所最小域M3から左にsaとしては負のsacをとりながらsalを作成しsalを時間積分してsvlを作成していく。svlがsvcに達するとsal=0,svl=svcとする。
M1から右側に作成したsvlとM3から左側に作成したsvlの値が同じsで同じ値になるとM1〜M3間のsvlが作成される。この時、局所最小域M2については、M2から作成するsvlはM1から作成したsvlより等しいか大きいため、M1から作成されるsvlに含まれ使用されない。同様に、局所最小域M3から右に、終点M4から左にsvlを作成する。局所最小域M3のところではsvl=svcである。これらのM1〜M3〜M4間で作成されたsvlが求める速度曲線svlである。なお、図8(後述の図9も同様)において、sとtは一対一に対応するので便宜上横軸をs,tとしているが、sとtのスケールは同じではない。
さらに追加条件によってsjcが求められている場合は、各分割区間のsvc、sac、sjcからそれらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成する。sacについて同じ絶対値で正負に配置したように、sjcについても求めた加加速度クランプ値を絶対値として正負に配置する。
例えば、図9破線のようにsvc、sac、sjcが求められた場合、それらを満たす最大の速度としての速度曲線svlを図9上図の実線のように求めることができる。svlを求める方法は、svcの局所最小域から右側と左側にsj(加加速度)をsjc内の最大値としながらsjlを作成し、そのsjlを時間積分することでsalを作成する。 salがsacに達すればsal=sac,sjl=0とする。さらにsalを時間積分することでsvlを作成する。svlがsvcに達すればsvl=svc,sal=0,sjl=0とする。そのようにして局所最小域の右側と左側からのsvlについて、図9M1からとM3からのように、同じsであるs1(同様にM3からとM4からではs2)においてsvlが同じ値sv11(同様にsvl2)として得られれば速度曲線svlが作成される。s1(s2)とsv11(svl2)は二分法など数値計算で求める。具体的な方法は、特許文献2に記載されている従来技術なのでここでは詳述しない。ただし、特許文献2では加加速度(特許文献2では軌道衝撃r(s))を求めることを目的としているが、本発明は速度曲線を求めて補間することを目的としている。
このようにして求めた速度曲線svlにもとづいて指令径路積算長(指令径路p上の移動距離)sにおける速度を求め、その速度によって指令径路pの補間を行い指令径路補間位置を求める。そして、指令径路補間位置を駆動軸位置に変換することによって駆動軸移動量を求める。つまり、前回補間周期で求めたsの位置s0に対応するsvlによって速度sv0を求め、s1=s0+sv0*Δtを今回補間周期におけるsの位置とする。ここでΔtは補間周期時間である。p(s1)が今回補間周期における指令径路補間位置である。指令径路補間位置に対して数3式によるr(s)=h(p(s1))が駆動軸位置である。この演算は補間部で行われる。この補間部の演算は従来技術であるので詳述しない。
<第2の実施形態>
すでに述べたように、工具側面で加工する場合は、工具先端点の加速度や加加速度による速度制御とともに、工具先端点とは相違する工具上の他の基準点位置(例えば加工上面に対応する工具上の位置)を工具基準点とし、ワークに対する工具基準点の相対的径路である工具基準点径路での許容速度、許容加速度、許容加加速度による速度制御も必要になることがある(図1、図2参照)。つまり、指令径路にはその速度が指令Fで指令されているため指令径路での工具先端点の移動速度はその指令値より大きくはならないので、指令径路に対する許容速度(前述のVpi)は通常不要である。一方、工具基準点径路においては工具先端点でのF指令の指令速度より大きな速度となる可能性があるので、工具基準点径路許容速度による速度制御が必要である。
そこで、第2の実施形態は、工具先端点位置から基準点長(Ls)分離れた工具上の位置を工具基準点とし、第1の実施形態に対してさらに工具基準点での速度制御を行う実施形態である。
プログラム座標系上の工具先端点位置として指令される指令径路p(s)に対して工具基準点の径路である工具基準点径路qs(s)は次の数24式のようになる。数24式は、基準長LsのベクトルTsに対して回転軸A,C軸による傾斜分の回転を表すマトリックスMhの乗算を行いp(s)に加算したものである(図1参照)。
Figure 2013097736
これを数4式の代わりとして第1の実施形態と同様の計算を行えば、qs(s)のsによる1次微分、2次微分、3次微分qs’,qs’’,qs’’’を求めることができる。これらから、数16式、数17式、数18式と同様に、工具基準点径路の工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度、工具基準点径路許容加加速度から、数25式(工具基準点径路許容速度条件)、数26式(工具基準点径路許容加速度条件)、数27式式(工具基準点径路許容加加速度条件)を演算する。ここで、qsiはqsの各軸要素(i=x,y,z,a,c)であり、またすでに述べたようにsvはsの1次時間微分(速度)、saはsの2次時間微分(加速度)、sjはsの3次時間微分(加加速度)である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Vqsi,Aqsi,Jqsiは各工具基準点径路における各軸(X,Y,Z,A,C軸)の工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度、工具基準点径路許容加加速度(i=x,y,z,a,c)である。Vqsi,Aqsi,Jqsiが工具基準点径路速度条件であり、それらは前もって設定値(既定値)として設定しておく、またはプログラム指令として指令する。そのようにしてVqsi,Aqsi,Jqsiを入力するのが工具基準点径路速度条件入力部である。ただし、工具基準点径路速度条件と同様、数25式(工具基準点径路許容速度条件)、数26式(工具基準点径路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数27式(工具基準点径路許容加加速度条件)は必要な場合に演算する追加条件である。したがって、工具基準点径路速度条件入力部においても、工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度は必要な入力データであるが工具基準点径路許容加加速度は必要な場合に入力する追加入力データである。なお、通常X,Y,ZのVqsi,Aqsi,Jqsi(i=x,y,z)は同じである。あるいはX,Y,ZのVqsi,Aqsi,JqsiはX,Y,Zの合成速度、合成加速度、合成加加速度であるとして演算をすることもできる。
これらから、数28式、数29式、数30式が得られる。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらを各軸に対して満たす最大のsv,sa,sjが、工具基準点径路速度条件によるsの許容速度svqs、許容加速度saqs、許容加加速度sjqsである。ただし、上述のように、数25式(工具基準点径路許容速度条件)、数26式(工具基準点径路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数27式(工具基準点径路許容加加速度条件)は追加条件である。したがって、数28式、数29式は必ず導かれるが、工具基準点径路速度条件入力部においてVqsi工具基準点径路許容速度とAqsi工具基準点径路許容加速度のみ入力されていてJqsi工具基準点径路許容加加速度は入力されていない場合、数27式、数30式は導かれない。その場合、sjqsには条件はなく、どのように大きな値(正値)小さな値(負値)もとり得る。
第1の実施形態では、sを区間で分割した分割区間ごとに指令径路区間許容速度svp,駆動軸区間許容速度svrを求め、それらの小さい方を速度クランプ値svcとしたが、本実施形態では同様に分割区間ごとにさらに工具基準点径路区間許容速度svqsを求める。そして、svp,svr,svqsの中の一番小さいものを速度クランプ値svcとする。つまり、svc=Min(svp,svr,svqs)とする。また、第1の実施形態では、分割区間ごとに指令径路区間許容速度sap,駆動軸区間許容速度sarを求め、それらの小さい方を加速度クランプ値sacとしたが、本実施形態では同様に分割区間ごとにさらに工具基準点径路区間許容加速度saqsを求める。そして、sap,sar,saqsの中の一番小さいものを加速度クランプ値sacとする。つまり、sac=Min(sap,sar,saqs)とする。同様に、第1の実施形態では、分割区間ごとに指令径路区間許容加加速度sjp,駆動軸区間許容加加速度sjrを求め、それらの小さい方を加加速度クランプ値sjcとしたが、本実施形態では同様に分割区間ごとにさらに工具基準点径路区間許容加加速度sjqsを求める。そして、sjp,sjr,sjqsの中の一番小さいものを加加速度クランプ値sjcとする。つまり、sjc=Min(sjp,sjr,sjqs)とする。後は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
<第3の実施形態>
第1および第2の実施形態ではテーブル回転型5軸工作機械を対象としたが、同様に図10のような直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械にも適用可能である。
この場合、p(s)とr(s)の関係は、第1の実施形態の数4式に代わって数31式のようになる。Mhは工具ヘッド回転を表すマトリックスであり、その構成要素RB,RCはY軸周りにB,Z周りにCだけ回転するマトリックスである。
Figure 2013097736
後は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
<第4の実施形態>
同様に、工具ヘッド側に数31式と同様の計算を行い、回転テーブル側に数4式と同様の計算を行うことによって、図11のような直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械にも適用可能である。この場合、p(s)とr(s)の関係は、第1の実施形態の数4式に代わって数32式のようになる。後は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
Figure 2013097736
なお、第1〜第4の実施形態においては回転軸2軸持つ5軸工作機械の例としたが、それらの実施形態における回転軸2軸のうち1軸の位置を固定位置にすることによりその回転軸は不要とし、回転軸を1軸持つ4軸工作機械にも適用可能である。
<ブロック図>
次に、図12を用いて本発明第1の実施形態および第2の実施形態での数値制御装置を説明する。数値制御装置は一般に、指令解析部10で加工プログラムの指令を解析して補間用データを作成し、補間部12で補間用データにもとづいて補間を行って各軸の移動すべき位置を求め、その位置によって各軸のサーボ(14X,14Y,14Z,14A(B),14C)を駆動する。
本発明では、指令径路速度条件入力部20で、指令径路速度(指令F)、指令経路許容加速度、指令径路許容加加速度を入力し、駆動軸速度条件入力部22で駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度を入力し、工具基準点径路速度条件入力部24で工具基準点径路許容速度、工具基準点径路許容加速度、工具基準点径路許容加加速度を入力する。クランプ値演算部18で、それらの速度条件から分割区間ごとに速度クランプ値、加速度クランプ値、加加速度クランプ値を演算する。速度曲線演算部16で、速度クランプ値、加速度クランプ値、加加速度クランプ値を越えない最大の速度として速度曲線を演算する。補間部12で、その速度曲線にもとづく速度によって補間を行い補間された指令径路補間位置を駆動軸位置に変換して駆動軸移動量を演算し、その駆動軸移動量によって各軸サーボ(14X,14Y,14Z,14A(B),14C)を駆動する。なお、補間部12の補間および変換の演算は従来技術である。
なお、工具側面でワークを加工しない実施形態の場合、工具基準点径路速度条件入力部24を省略することができる。
図13に第1の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを示す。図4のG43.4のブロックから開始しG49のブロックで終了する。ここでは分割区間は指令ブロック単位とする。分割区間の番号をkとし、kを各分割区間におけるsvc,sac,sjcのインデックスとして各分割区間のsvc,sac,sjcを表している。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA01]k=0とし、1ブロック(G43.4ブロック)読み込む。
●[ステップSA02]G49のブロックであるか否か判断し、G49のブロックの場合(YESの場合)処理を終了し、G49のブロックではない場合(NOの場合)ステップSA03へ移行する。
●[ステップSA03]数4式〜数22式から、第k区間(第kブロック)におけるsvp,svr,sap,sar,sjp,sjrを求める。
●[ステップSA04]svc(k)=Min(svp,svr),sac(k)=Min(sap,sar),sjc(k)=Min(sjp,sjr)によって、svc(k),sac(k),sjc(k)を求める。
●[ステップSA05]k=k+1とし次のブロックを読み込み、ステップSA02に戻る。
図14に第2の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを示す。図4のG43.4のブロックから開始しG49のブロックで終了する。ここでは分割区間は指令ブロック単位とする。分割区間の番号をkとし、kを各分割区間におけるsvc,sac,sjcのインデックスとして各分割区間のsvc,sac,sjcを表している。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSB01]k=0とし、1ブロック(G43.4ブロック)読み込む。
●[ステップSB02]G49のブロックであるか否か判断し、G49のブロックの場合(YESの場合)処理を終了し、G49のブロックではない場合(NOの場合)ステップSB03へ移行する。
●[ステップSB03]数4式〜数22式、数24式〜数30式から、第k区間(第kブロック)におけるsvp,svr,svqs,sap,sar,saqs,sjp,sjr,sjqsを求める。
●[ステップSB04]svc(k)=Min(svp,svr,svqs),sac(k)=Min(sap,sar,saqs),sjc(k)=Min(sjp,sjr,sjqs)によって、svc(k),sac(k),sjc(k)を求める。
●[ステップSB05]k=k+1とし次のブロックを読み込み、ステップSB02に戻る。
s 指令経路積算長
10 指令解析部
12 補間部
14X X軸サーボ
14Y Y軸サーボ
14Z Z軸サーボ
14A(B) A(B)軸サーボ
14C C軸サーボ
16 速度曲線演算部
18 クランプ値演算部
20 指令経路速度条件入力部
22 駆動軸速度条件入力部
24 工具基準点経路速度条件入力部
本発明は、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御するとともに、ワークに対する工具の相対的路である指令路における許容加速度および許容加加速度にもとづく速度制御、各駆動軸における許容速度、許容加速度および許容加加速度にもとづく速度制御、および後述の工具基準点路における工具基準点路許容速度、工具基準点路許容加速度および工具基準点路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置に関する。
工作機械において実際に動作する駆動軸には駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度などの駆動軸速度条件がある。特許文献1に、それらの駆動軸速度条件を満たす指令路上の速度を求めて指令路を補間することにより駆動軸が許容速度、許容加速度および許容加加速度を越えないようにする技術が開示されている。なお、ここで加加速度は加速度の時間微分、つまり加速度の変化度であり、この特許文献1ではジャークと呼んでいる。
特許文献2には、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度などの駆動軸速度条件を満たす最大の指令路上の加加速度(特許文献では軌道衝撃r(s)と記載されている)を求め、それを積分して指令路上の加速度を求め、さらにそれを積分して指令路上の速度(軌道速度v(s))を求め、その速度によって指令路を補間する技術が開示されている(請求項1など)。
また、特許文献3には、駆動軸路が指令される場合にワークに対する工具先端点の速度が許容速度(特許文献では基準速度と記載されている)となるような駆動軸路上の送り速度を求めて補間する技術が開示されている(請求項6など)。
特開2008−225825号公報 特許第4673377号明細書 国際公開2011/064816号
特許文献1の(12)式において、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度(ジャーク)を越えないように指令路上の移動距離sに対する時間微分である一次微分、二次微分、三次微分を求め、それらにもとづいてsを変化させて指令路を補間し逆運動学変換を行って駆動軸を動作する。しかし、特許文献1には、ワークに対する工具の相対的路である指令路における指令路許容加速度および指令路許容加加速度にもとづく速度制御を行う技術思想はない。
特許文献2においては、文献中の図2からも明らかなように、少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御することを想定しておらず、そのため、駆動軸の速度と指令路の速度という区別がない。したがって、多軸工作機械において駆動軸路と指令路が相違することが想定されていないため、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度と相違するワークに対する工具の相対的路である指令路における指令路許容加速度および指令路許容加加速度制御にもとづく速度制御を行う技術思想はない。
特許文献3においては、ワークに対する工具の相対的路である指令路における指令路許容加速度および指令路許容加加速度にもとづく速度制御を行う技術思想はない。
上記特許文献1や2で開示されているように、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度を越えないように速度制御を行うことは従来技術として知られている。一般に、これらの駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度および駆動軸許容加加速度は工作機械製造時に各駆動軸の許容速度、許容加速度および許容加加速度を測定し、設定値として設定する。つまり、一般に工作機械の条件として数値制御装置内のパラメータなどに設定値として設定する。それに対して、より高精度、より高品位の加工を行うために、加工プログラムで指令された指令路での指令路許容加速度および指令路許容加加速度にもとづく速度制御も必要になってきている。特に、少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械での加工においては、駆動軸の動作路とワークに対する工具の移動路である指令路とが大きく相違することが多く、より高精度、より高品位の加工を行うために、加工プログラムで指令されたワークに対する工具先端点の相対的路である指令路での工具先端点の指令路許容加速度および指令路許容加加速度にもとづく速度制御が重要となってきている。指令路での加速度、加加速度が大きすぎると加工面に縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝ができてしまったりするためである。
例えば、図1のようにプログラム座標系に置かれたワークに対する工具先端点の相対的路である指令路がプログラム座標系上の加工プログラムによって指令され、実際のワークは図2のような回転軸2軸(A,C軸)で回転するテーブル上に置かれて加工される場合で説明する。この時、加工プログラムにおいて工具先端点の指令路がプログラム座標系上のX,Y,Z位置で指令されかつ指令路速度が速度Fで指令されるとともに、工具方向が回転軸位置(A,C軸位置)や工具方向ベクトルで指令される(図1)。
ここで加工プログラムにおいてX,Y,Z指令は直線指令であっても、実際の加工においては駆動軸としてのX,Y,Z軸はA,C軸の回転移動と共に図2の駆動軸路のように機械座標系上で曲線的に移動する。この時、従来技術において各駆動軸は許容速度、許容加速度、許容加加速度以内で移動するように制御されていた。しかし、ワークに対する工具先端点の相対的路である指令路での許容加速度、許容加加速度の制御は行われていなかった。そのため、特に加工プログラムのコーナ部や曲率の大きな曲線部分において、ワークに対する工具先端点の路上での大きな加速度や加加速度が発生することがあり、そのような場合、特に工具側面で加工する時に加工面に工具方向の縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝などができてしまったりした。また工具先端点で加工する時にも切り込みすぎによるくぼみができてしまったりした(図3参照)。特に各駆動軸の許容速度、許容加速度、許容加加速度を大きく設定している高剛性かつ高速性能を持つ工作機械では各駆動軸は高速、高加速度、高加加速度で動作するため、ワークに対する工具先端点の路においても大きな加速度や加加速度が発生しそのような加工面上の縞目や溝またはくぼみが発生することがあった。
また、工具側面で加工する場合は、工具先端点の加速度や加加速度による速度制御とともに、工具先端点とは相違する工具上の他の基準点位置(例えば加工上面に対応する工具位置)を工具基準点とし、ワークに対する工具基準点の相対的路である工具基準点路での許容速度、許容加速度、許容加加速度による速度制御も必要になることがある(図1、図2参照)。図2の加工においては工具先端点と工具基準点の間の切刃で切削しているので、工具先端点での速度制御と同様に工具基準点での速度制御がなければ、やはり図3のように加工面に縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝などができてしまったりした。
そこで、本発明の課題は、ワークに対する工具先端点の経路で大きな加速度や加加速度が発生したりワークに対する工具基準点の経路で大きな速度、加速度、加加速度が発生することによって加工面の縞目や工具の切り込みすぎによる溝などが生じることを防ぎ、その結果、より高精度、より高品位の加工を実現できる数値制御装置を提供することである。
請求項1に記載の発明の課題は、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御するとともに、ワークに対する工具の相対的路である指令路における指令経路許容加速度および指令経路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供することを課題とし、さらに、請求項3に記載の発明の課題は、工具先端点とは相違する工具基準点のワークに対する相対的路である工具基準点路における工具基準点路許容速度、工具基準点路許容加速度および工具基準点路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御する数値制御装置において、加工プログラムで指令されたワークに対する工具先端点の相対的路である指令路におけるワークに対する工具先端点の指令経路速度および指令路許容加速度を指令路速度条件として入力する指令路速度条件入力部と、駆動軸に対する駆動軸許容速度および駆動軸許容加速度を駆動軸速度条件として入力する駆動軸速度条件入力部と、前記指令路を複数の区間に分割した分割区間ごとに、前記指令路速度条件から指令路区間許容速度および指令路区間許容加速度、および前記駆動軸速度条件から駆動軸区間許容速度および駆動軸区間許容加速度を演算し、前記指令路区間許容速度または前記駆動軸区間許容速度のうち小さい方を速度クランプ値とし、かつ前記指令路区間許容加速度または前記駆動軸区間許容加速度のうち小さい方を加速度クランプ値とするクランプ値演算部と、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値を越えない最大の前記指令路上の速度として速度曲線を求める速度曲線演算部と、前記速度曲線にもとづく速度によって前記指令路の補間を行い補間された指令路補間位置を駆動軸位置に変換することで駆動軸移動量を演算する補間部を有し、前記駆動軸移動量によって各軸を駆動することを特徴とする数値制御装置である。
請求項2に係る発明は、前記指令路速度条件入力部は、前記指令経路速度および前記指令路許容加速度に加えてワークに対する工具先端点の指令路許容加加速度をも指令路速度条件として入力する指令路速度条件入力部であり、前記駆動軸速度条件入力部は、前記駆動軸許容速度および前記駆動軸許容加速度に加えて駆動軸許容加加速度をも駆動軸速度条件として入力する駆動軸速度条件入力部であり、前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令路速度条件から指令路区間許容速度および指令路区間許容加速度に加えて指令路区間許容加加速度をも演算し、また前記駆動軸速度条件から前記駆動軸区間許容速度および前記駆動軸区間許容加速度に加えて駆動軸区間許容加加速度をも演算し、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記指令路区間許容加加速度または前記駆動軸区間許容加加速度のうち小さい方を加加速度クランプ値とするクランプ値演算部であり、前記速度曲線演算部は、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記加加速度クランプ値をも越えない最大の前記指令経路上の速度として速度曲線を求める前記速度曲線演算部であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置である。
請求項3に係る発明は、前記工具先端点とは相違する工具上の基準点である工具基準点のワークに対する相対的路である工具基準点路における工具基準点のワークに対する工具基準点路許容速度および工具基準点路許容加速度を工具基準点路速度条件として入力する工具基準点経路速度条件入力部を有し、前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令路区間許容速度、前記指令路区間許容加速度、前記駆動軸区間許容速度および前記駆動軸区間許容加速度に加えて、前記工具基準点路速度条件から工具基準点路区間許容速度および工具基準点路区間許容加速度をも演算し、前記指令路区間許容速度、前記駆動軸区間許容速度または前記工具基準点経区間許容速度のうち最も小さいものを速度クランプ値とし、かつ前記指令路区間許容加速度、前記駆動軸区間許容加速度または前記工具基準点路区間許容加速度のうち最も小さいものを加速度クランプ値とするクランプ値演算部であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置である。
請求項4に係る発明は、前記工具基準点路速度条件入力部は、前記工具基準点路許容速度および前記工具基準点経路許容加速度に加えて工具基準点のワークに対する工具基準点経路許容加加速度をも工具基準点速度条件として入力する工具基準点路速度条件入力部であり、前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令路区間許容速度、前記指令路区間許容加速度、前記指令路区間許容加加速度、前記駆動軸区間許容速度、前記駆動軸区間許容加速度、前記駆動軸区間許容加加速度、前記工具基準点路区間許容速度および前記工具基準点経路区間許容加速度に加えて、前記工具基準点路速度条件から工具基準点路区間許容加加速度をも演算し、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて、前記指令路区間許容加加速度、前記駆動軸区間許容加加速度または前記工具基準点路区間許容加加速度のうち最も小さいものを加加速度クランプ値とするクランプ値演算部であり、前記速度曲線演算部は、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記加加速度クランプ値をも越えない最大の前記指令経路上の速度として速度曲線を求める前記速度曲線演算部であることを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置である。
請求項5に係る発明は、前記多軸工作機械は直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置である。
請求項6に係る発明は、前記多軸工作機械は直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置である。
請求項7に係る発明は、前記多軸工作機械は直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置である。
本発明により、テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御するとともに、ワークに対する工具の相対的路である指令路における指令路許容加速度および指令路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供できると共に、工具先端点とは相違する工具基準点のワークに対する相対的路である工具基準点路における工具基準点路許容速度、工具基準点路許容加速度および工具基準点路許容加加速度にもとづく速度制御を行う数値制御装置を提供できる。そのことにより、ワークに対する工具先端点の経路で大きな加速度や加加速度が発生したりワークに対する工具基準点の経路で大きな速度、加速度、加加速度が発生することによって加工面の縞目や工具の切り込みすぎによる溝などが生じることを防ぎ、その結果、より高精度、より高品位の加工を実現できる。
プログラム座標系に置かれたワークに対する工具先端点の相対的経路である指令経路を説明する図である。 回転軸2軸(A,C軸)で回転するテーブル上に置かれて加工される場合を説明する図である。 加工面に縞目ができてしまったり、工具の切り込みすぎによる溝やくぼみなどができてしまったりすることを説明する図である。 直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械においてワークを加工するための加工プログラムの例を説明する図である。 指令経路を指令経路積算長sによって複数の区間に分割した分割区間ごとにsvpを求め指令経路区間許容速度とし、前記分割区間ごとにsvrを求め駆動軸区間許容速度とし、それらの小さい方を速度クランプ値とすることを説明する図である。 指令経路積算長sを区間で分割した分割区間ごとにsap、sarを求め、それぞれ指令経路区間許容加速度、駆動軸区間許容加速度とし、それらの小さい方を加速度クランプ値sacとすることを説明する図である。 指令経路積算長sを区間で分割した分割区間ごとにsjp、sjrを求め、それぞれ指令経路区間許容加加速度、駆動軸区間許容加加速度とし、小さい方を加加速度クランプ値sjcとすることを説明する図である。 求められた各分割区間のsvc、sacから、それらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成することを説明する図である。 追加条件によってsjcが求められている場合に、各分割区間のsvc、sac、sjcからそれらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成することを説明する図である。 直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械を説明する図である。 直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械を説明する図である。 本発明に係る指令経路速度条件による速度制御を行う数値制御装置を説明するブロック図である。 本発明の第1の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを説明する図である。 本発明の第2の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを説明する図である。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<第1の実施形態>
図2のような直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械とする。テーブルがA,C軸で回転し、工具ヘッドがX,Y,Z軸で動作する。ここではテーブルがA,C軸で回転するとしているが、他の回転軸(B,C軸やA,B軸)で回転する場合もある。また、X,YまたはZ軸にテーブルが載って動作する場合もある。加工プログラム例としては図4のように指令される。ここで、G43.4はワークに対する工具先端点の相対的路を指令する工具先端点制御を開始するGコードである。G49は工具先端点制御をキャンセルするGコードであり、その間の各ブロックのX__,Y__,Z__がワークに対する工具先端点の相対的路としての指令路の指令である。
A__,C__は、工具先端点の移動とともに工具方向を変更するために回転軸を移動する指令である。I__,J__,K__のように工具方向をベクトルで指令することもできる。その場合は、指令された工具方向ベクトルをA__,C__の回転軸位置に変換することにより図4と同様の指令とみなすことができるため、本発明を適用できる。Fは指令路における指令路速度(F指令)の指令であり、速度が変化するブロックで指令する。H__は工具長補正量を指令する。本発明は工具先端点制御に対して、つまりG43.4からG49指令までのプログラム指令に適用される。
図1のようにプログラム座標系上の工具先端点位置として指令される指令路をpとし、指令路積算長sを媒介変数とする関数p(s)で表す。p(s)は、数1式のようにプログラム座標系上のX,Y,Z,A,C要素がsの3次式で表されるベクトルとする。
図1では簡便のためp(s)は直線のように描いているが、ここではより一般化して数1式で表される3次式とする。この3次式は図4におけるX__,Y__,Z__,A__,C__の指令群から作成する。X__,Y__,Z__,A__,C__の指令群から3次式を作成する方法は従来技術なので詳述しない。ax,bx,cx,dxなどは各s3,s2,sなどの係数である。もちろん、直線、円弧、NURBS曲線など様々な他の関数形式で表すことも可能である。
なお、pa(s),pc(s)は計算表記における便宜のため、以降では明細書の数式を含む本文中および図面においてそれぞれA,Cと表す。
Figure 2013097736
特許文献1では、数2式のように、指令路(文献上は工具パスと記載している)p(s)から関数fでプログラム座標系上の主軸路(文献上は主軸パス)q(s)を作成し、q(s)から関数gで駆動軸路(文献上は駆動軸パス)r(s)を作成している。数2式は特許文献1中の(1)式、(2)式に対応し、特許文献1中の(1)式、(2)式では他の要素(段取り情報や機械構成など)を含めて記載しているが、ここでは簡単のため位置関係のみの記載としている。q(s),r(s)はそれぞれX,Y,Z,A,C要素を持つベクトルである。
Figure 2013097736
特許文献1では、指令路p(s)から主軸路q(s)までは機械構成によらず、主軸路q(s)から駆動軸路r(s)を作成する関数gには機械構成要素が入ってくるので、p→q→rと2段階に分けることによりp→qまでを機械構成によらず共通化できるとしている。もちろん、p→rをそのように2段階にしてもよいが、本発明では、p(s)とr(s)の関係が重要であるため、駆動軸路r(s)を関数hから作成するとしてp(s)とr(s)の関係を数3式のように表す。
Figure 2013097736
図2の機械構成の場合、数3式は具体的には次の数4式のようになる。ここで、Thは工具長補正ベクトルでありLは工具長補正量である。ここではZ軸方向のみのベクトルとしたが、工具径なども考慮してX,Y要素も持つベクトルとしてもよい。Mtはテーブル回転を表すマトリックスであり、その構成要素RA-1,RC-1はX軸周りにA,Z軸周りにCだけ逆回転するマトリックスである。
Figure 2013097736
p(s),r(s)のsによる1次微分、2次微分、3次微分p’,p’’,p’’’、r’,r’’,r’’’は次の数5式、数6式、数7式、数8式、数9式、数10式のようになる。以降、簡便のため(s)の表記は自明の場合省略する。Mt’、(RA-1)’’、A’’’などの「’」「’’」「’’’」記号は、それぞれsによる1次微分、2次微分、3次微分を表す。「*」は乗算を表す。また、sinAA’は(sinA)*A’を意味する。他の三角関数の表記も同様である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらの計算結果を使って指令路における指令路許容加速度、指令路許容加加速度から、数11式(指令路許容加速度条件)、数12式(指令路許容加加速度条件)を演算する。piはpの各軸要素(i=x,y,z,a,c)、svはsの1次時間微分(速度)、saはsの2次時間微分(加速度)、sjはsの3次時間微分(加加速度)である。ここで、数11式(指令路許容加速度条件)は必要な条件である。数12式(指令路許容加加速度条件)はより高精度、高品位加工を必要とする場合に追加する条件である。なお、s、sv、sa、sjはスカラー量である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Apiは指令路における各軸の許容加速度であり、指令路許容加速度という。Jpiは指令路における各軸の許容加加速度であり、指令路許容加加速度という。Api,Jpiが指令路速度条件であり、それらは前もって設定値として設定しておく、またはプログラム指令として指令する。そのようにしてApi,Jpiを入力するのが指令路速度条件入力部である。ただし、上記のように、数11式(指令路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数12式(指令路許容加加速度条件)は必要な場合に演算する追加条件である。したがって、指令路速度条件入力部においても、指令路許容加速度は必要な入力データであるが、指令路許容加加速度は必要な場合に入力する追加入力データである。なお、通常、X,Y,ZのApi,Jpi(i=x,y,z)はiに関係せず同一である。あるいはX,Y,ZのApi,JpiはX,Y,Zの合成加速度、合成加加速度であるとして演算をすることもできる。ここで、ワークに対する工具先端点の相対的路である指令路での許容加速度、許容加加速度は加工条件(目標加工精度、使用工具、ワーク材質など)にもよるため、加工ごとに指令したり設定できる。これは後述の工具基準点路許容速度、許容加速度、許容加加速度についても同様である。
これらとsvは指令路速度(指令F)を越えないという条件から、数13式、数14式、数15式が得られる。指令路速度はプログラムで速度指令として指令される指令Fである。ただし、ここではsvは指令路速度(指令F)を越えないとしたが、Api,Jpiと同様Vpiという指令路における各軸の許容速度を前もって設定しておき、数13式ではsvを指令路速度(指令F)またはVpiの小さい方を越えないとしてもよい。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらを指令路上で満たす最大のsvおよび指令経路の各軸に対して満たす最大のsa,sjが、指令路速度条件によるsの許容速度svp、許容加速度sap、許容加加速度sjpである。ただし、上記のように、数11式(指令路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数12式(指令路許容加加速度条件)は追加条件である。したがって、数13式、数14式は必ず導かれるが、指令路速度条件入力部において指令路許容加速度のみ入力されていて指令路許容加加速度は入力されていない場合、数15式は導かれない。その場合、sjpには条件はなく、どのように大きな値(正値),小さな値(負値)もとり得る。
同様に、駆動軸における駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度から、数16式(駆動軸許容速度条件)、数17式(駆動軸許容加速度条件)、数18式(駆動軸許容加加速度条件)を演算する。ここで、riはrの各軸要素(i=x,y,z,a,c)であり、またすでに述べたようにsvはsの1次時間微分(速度)、saはsの2次時間微分(加速度)、sjはsの3次時間微分(加加速度)である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Vri,Ari,Jriは各駆動軸(X,Y,Z,A,C軸)の駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度(i=x,y,z,a,c)である。Vri,Ari,Jriが駆動軸速度条件であり、それらは前もって設定値として設定しておく、またはプログラム指令として指令する。そのようにしてVri,Ari,Jriを入力するのが駆動軸速度条件入力部である。ただし、上記のように、数16式(駆動軸許容速度条件)、数17式(駆動軸許容加速度条件)は必要な条件であるが、数18式(駆動軸許容加加速度条件)は必要な場合に演算する追加条件である。したがって、駆動軸速度条件入力部においても、駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度は必要な入力データであるが駆動軸許容加加速度は必要な場合に入力する追加入力データである。ただし、これらの駆動軸速度条件を入力することおよびそれらに対応した数16式、数17式、数18式を演算することは従来技術である。これらから、数19式、数20式、数21式が得られる。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらを各駆動軸に対して満たす最大のsv,sa,sjが、駆動軸速度条件によるsの許容速度svr、許容加速度sar、許容加加速度sjrである。ただし、上述のように、数16式(駆動軸許容速度条件)、数17式(駆動軸許容加速度条件)は必要な条件であるが、数18式(駆動軸許容加加速度条件)は追加条件である。したがって、数19式、数20式は必ず導かれるが、駆動軸速度条件入力部においてVri駆動軸許容速度とAri駆動軸許容加速度のみ入力されていてJri駆動軸許容加加速度は入力されていない場合、数21式は導かれない。その場合、sjrには条件はなく、どのように大きな値(正値)小さな値(負値)もとり得る。
数13式によって、図5のように指令路をsによって複数の区間で分割した分割区間ごとにsvpを求め指令路区間許容速度とする。また、同様に数19式によって分割区間ごとにsvrを求め駆動軸区間許容速度とする。ここで、区間とは、一定距離ごとの区間とする、加工プログラム上の指令ブロック単位を区間とする、曲率が大きいところでは短距離の区間とするように曲率に反比例する長さの区間とするなど様々な方法がある。ただし各区間内ではp(s)は数1式のようなある一定の関数形式で表される。(数1式は3次式であるが、数1式の説明でも述べたように他の関数形式も可能である。)ただし、数13式、数19式から導かれるため、svp,svrは各分割区間内でsによって変化するsvp(s),svr(s)のように表される値であるが、ここでは以降の計算の簡便化を考慮して各分割区間内では定数としている。つまり、ある分割区間におけるsの始点をss、終点をseとすると、数22式のように始点または終点でのsvp(ss),svp(se)およびsvr(ss),svr(se)のより小さい値とする、あるいは数23式のように始点と終点の中点でのsvp(s),svp(s)およびsvr(s),svr(s)の値とするなどの方法によって定数とする。他にもss,se間の適当な代表点でのsvp(s),svr(s)の値とすることもできる。もちろん、各分割区間内で定数とせずsvp(s),svr(s)のようにsによる変数としてもよい。sap、sar、sjp、sjr、および後述(第2の実施形態)のsvqs、saqs、sjqsについても同様である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
図5では、各分割区間ごとに一点鎖線が指令路区間許容速度svp、実線が駆動軸区間許容速度svrとして表され、小さい方を速度クランプ値svcとしている。つまり、svc=Min(svp,svr)とする。なお、図5では分割区間ごとにsvpが変化するように描いているが、これは指令Fが分割区間ごとに変更されて指令されている場合を想定しているためである。
同様に、数14式、数20式によって、図6のようにsを区間で分割した分割区間ごとにsap、sarを求め、それぞれ指令路区間許容加速度、駆動軸区間許容加速度とする。そして、それらの小さい方を加速度クランプ値sacとする。つまり、sac=Min(sap,sar)とする。図6では、各分割区間ごとに一点鎖線が指令路区間許容加速度sap、実線が駆動軸区間許容加速度sarとして表され、小さい方を加速度クランプ値sacとしている。
さらに、追加条件によって数15式、数21式が導かれている場合は、同様に、数15式、数21式によって、図7のようにsを区間で分割した分割区間ごとにsjp、sjrを求め、それぞれ指令路区間許容加加速度、駆動軸区間許容加加速度とする。そして、小さい方を加加速度クランプ値sjcとする。つまり、sjc=Min(sjp,sjr)とする。図7では、各分割区間ごとに一点鎖線がsjp、実線がsjrとして表され、小さい方を加加速度クランプ値sjcとしている。
求められた各分割区間のsvc、sacから、それらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成する。例えば、図8破線のようにsvc、sacが求められた場合、それらを満たす最大の速度としての速度曲線svlを図8上図の実線のように求めることができる。svlを求める方法は、svcの局所最小域から右側と左側にsa(加速度)をsac内の最大値としながらsalとして作成し、そのsalを時間積分することでsvlを作成していく。
svlがsvcに達するとsal=0とするとともにsvl=svcとする。そのようにして局所最小域の右側と左側からのsvlが同じsにおいて同じsvlの値となるところまで到達すると速度曲線svlが作成される。局所最小域とは、図8のM1、M2,M3、M4のようにその左右でsvcが増加するところであり、指令路の始点、終点も含む。なお、svcは正側のみだが、sacは加速と同様減速にも有効であるため上述で求めた加速度クランプ値を絶対値として正負に配置する。
具体的には、図8においては、始点の局所最小域M1から右側にsaとしては正のsacをとりながらsalを作成しsalを時間積分してsvlを作成していく。svlがsvcに達すればsal=0、svl=svcとする。同様に、局所最小域M3から左にsaとしては負のsacをとりながらsalを作成しsalを時間積分してsvlを作成していく。svlがsvcに達するとsal=0,svl=svcとする。
M1から右側に作成したsvlとM3から左側に作成したsvlの値が同じsで同じ値になるとM1〜M3間のsvlが作成される。この時、局所最小域M2については、M2から作成するsvlはM1から作成したsvlより等しいか大きいため、M1から作成されるsvlに含まれ使用されない。同様に、局所最小域M3から右に、終点M4から左にsvlを作成する。局所最小域M3のところではsvl=svcである。これらのM1〜M3〜M4間で作成されたsvlが求める速度曲線svlである。なお、図8(後述の図9も同様)において、sとtは一対一に対応するので便宜上横軸をs,tとしているが、sとtのスケールは同じではない。
さらに追加条件によってsjcが求められている場合は、各分割区間のsvc、sac、sjcからそれらを満たす最大の速度となる速度曲線svlを作成する。sacについて同じ絶対値で正負に配置したように、sjcについても求めた加加速度クランプ値を絶対値として正負に配置する。
例えば、図9破線のようにsvc、sac、sjcが求められた場合、それらを満たす最大の速度としての速度曲線svlを図9上図の実線のように求めることができる。svlを求める方法は、svcの局所最小域から右側と左側にsj(加加速度)をsjc内の最大値としながらsjlを作成し、そのsjlを時間積分することでsalを作成する。
salがsacに達すればsal=sac,sjl=0とする。さらにsalを時間積分することでsvlを作成する。svlがsvcに達すればsvl=svc,sal=0,sjl=0とする。そのようにして局所最小域の右側と左側からのsvlについて、図9M1からとM3からのように、同じsであるs1(同様にM3からとM4からではs2)においてsvlが同じ値sv11(同様にsvl2)として得られれば速度曲線svlが作成される。s1(s2)とsv11(svl2)は二分法など数値計算で求める。具体的な方法は、特許文献2に記載されている従来技術なのでここでは詳述しない。ただし、特許文献2では加加速度(特許文献2では軌道衝撃r(s))を求めることを目的としているが、本発明は速度曲線を求めて補間することを目的としている。
このようにして求めた速度曲線svlにもとづいて指令路積算長(指令路p上の移動距離)sにおける速度を求め、その速度によって指令路pの補間を行い指令路補間位置を求める。そして、指令路補間位置を駆動軸位置に変換することによって駆動軸移動量を求める。つまり、前回補間周期で求めたsの位置s0に対応するsvlによって速度sv0を求め、s1=s0+sv0*Δtを今回補間周期におけるsの位置とする。ここでΔtは補間周期時間である。p(s1)が今回補間周期における指令路補間位置である。指令路補間位置に対して数3式によるr(s)=h(p(s1))が駆動軸位置である。この演算は補間部で行われる。この補間部の演算は従来技術であるので詳述しない。
<第2の実施形態>
すでに述べたように、工具側面で加工する場合は、工具先端点の加速度や加加速度による速度制御とともに、工具先端点とは相違する工具上の他の基準点位置(例えば加工上面に対応する工具上の位置)を工具基準点とし、ワークに対する工具基準点の相対的路である工具基準点路での許容速度、許容加速度、許容加加速度による速度制御も必要になることがある(図1、図2参照)。つまり、指令路にはその速度が指令Fで指令されているため指令路での工具先端点の移動速度はその指令値より大きくはならないので、指令路に対する許容速度(前述のVpi)は通常不要である。一方、工具基準点路においては工具先端点でのF指令の指令速度より大きな速度となる可能性があるので、工具基準点経路許容速度による速度制御が必要である。
そこで、第2の実施形態は、工具先端点位置から基準点長(Ls)分離れた工具上の位置を工具基準点とし、第1の実施形態に対してさらに工具基準点での速度制御を行う実施形態である。
プログラム座標系上の工具先端点位置として指令される指令路p(s)に対して工具基準点の路である工具基準点路qs(s)は次の数24式のようになる。数24式は、基準長LsのベクトルTsに対して回転軸A,C軸による傾斜分の回転を表すマトリックスMhの乗算を行いp(s)に加算したものである(図1参照)。
Figure 2013097736
これを数4式の代わりとして第1の実施形態と同様の計算を行えば、qs(s)のsによる1次微分、2次微分、3次微分qs’,qs’’,qs’’’を求めることができる。これらから、数16式、数17式、数18式と同様に、工具基準点路の工具基準点路許容速度、工具基準点路許容加速度、工具基準点路許容加加速度から、数25式(工具基準点路許容速度条件)、数26式(工具基準点路許容加速度条件)、数27式式(工具基準点路許容加加速度条件)を演算する。ここで、qsiはqsの各軸要素(i=x,y,z,a,c)であり、またすでに述べたようにsvはsの1次時間微分(速度)、saはsの2次時間微分(加速度)、sjはsの3次時間微分(加加速度)である。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Vqsi,Aqsi,Jqsiは各工具基準点路における各軸(X,Y,Z,A,C軸)の工具基準点路許容速度、工具基準点路許容加速度、工具基準点路許容加加速度(i=x,y,z,a,c)である。Vqsi,Aqsi,Jqsiが工具基準点路速度条件であり、それらは前もって設定値(既定値)として設定しておく、またはプログラム指令として指令する。そのようにしてVqsi,Aqsi,Jqsiを入力するのが工具基準点路速度条件入力部である。ただし、工具基準点路速度条件と同様、数25式(工具基準点路許容速度条件)、数26式(工具基準点路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数27式(工具基準点路許容加加速度条件)は必要な場合に演算する追加条件である。したがって、工具基準点路速度条件入力部においても、工具基準点経路許容速度、工具基準点路許容加速度は必要な入力データであるが工具基準点路許容加加速度は必要な場合に入力する追加入力データである。なお、通常X,Y,ZのVqsi,Aqsi,Jqsi(i=x,y,z)は同じである。あるいはX,Y,ZのVqsi,Aqsi,JqsiはX,Y,Zの合成速度、合成加速度、合成加加速度であるとして演算をすることもできる。
これらから、数28式、数29式、数30式が得られる。
Figure 2013097736
Figure 2013097736
Figure 2013097736
これらを各軸に対して満たす最大のsv,sa,sjが、工具基準点路速度条件によるsの許容速度svqs、許容加速度saqs、許容加加速度sjqsである。ただし、上述のように、数25式(工具基準点路許容速度条件)、数26式(工具基準点路許容加速度条件)は必要な条件であるが、数27式(工具基準点路許容加加速度条件)は追加条件である。したがって、数28式、数29式は必ず導かれるが、工具基準点路速度条件入力部においてVqsi工具基準点路許容速度とAqsi工具基準点路許容加速度のみ入力されていてJqsi工具基準点路許容加加速度は入力されていない場合、数27式、数30式は導かれない。その場合、sjqsには条件はなく、どのように大きな値(正値)小さな値(負値)もとり得る。
第1の実施形態では、sを区間で分割した分割区間ごとに指令路区間許容速度svp,駆動軸区間許容速度svrを求め、それらの小さい方を速度クランプ値svcとしたが、本実施形態では同様に分割区間ごとにさらに工具基準点路区間許容速度svqsを求める。そして、svp,svr,svqsの中の一番小さいものを速度クランプ値svcとする。つまり、svc=Min(svp,svr,svqs)とする。また、第1の実施形態では、分割区間ごとに指令路区間許容速度sap,駆動軸区間許容速度sarを求め、それらの小さい方を加速度クランプ値sacとしたが、本実施形態では同様に分割区間ごとにさらに工具基準点路区間許容加速度saqsを求める。そして、sap,sar,saqsの中の一番小さいものを加速度クランプ値sacとする。つまり、sac=Min(sap,sar,saqs)とする。同様に、第1の実施形態では、分割区間ごとに指令路区間許容加加速度sjp,駆動軸区間許容加加速度sjrを求め、それらの小さい方を加加速度クランプ値sjcとしたが、本実施形態では同様に分割区間ごとにさらに工具基準点路区間許容加加速度sjqsを求める。そして、sjp,sjr,sjqsの中の一番小さいものを加加速度クランプ値sjcとする。つまり、sjc=Min(sjp,sjr,sjqs)とする。後は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
<第3の実施形態>
第1および第2の実施形態ではテーブル回転型5軸工作機械を対象としたが、同様に図10のような直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械にも適用可能である。
この場合、p(s)とr(s)の関係は、第1の実施形態の数4式に代わって数31式のようになる。Mhは工具ヘッド回転を表すマトリックスであり、その構成要素RB,RCはY軸周りにB,Z周りにCだけ回転するマトリックスである。
Figure 2013097736
後は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
<第4の実施形態>
同様に、工具ヘッド側に数31式と同様の計算を行い、回転テーブル側に数4式と同様の計算を行うことによって、図11のような直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械にも適用可能である。この場合、p(s)とr(s)の関係は、第1の実施形態の数4式に代わって数32式のようになる。後は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
Figure 2013097736
なお、第1〜第4の実施形態においては回転軸2軸持つ5軸工作機械の例としたが、それらの実施形態における回転軸2軸のうち1軸の位置を固定位置にすることによりその回転軸は不要とし、回転軸を1軸持つ4軸工作機械にも適用可能である。
<ブロック図>
次に、図12を用いて本発明第1の実施形態および第2の実施形態での数値制御装置を説明する。数値制御装置は一般に、指令解析部10で加工プログラムの指令を解析して補間用データを作成し、補間部12で補間用データにもとづいて補間を行って各軸の移動すべき位置を求め、その位置によって各軸のサーボ(14X,14Y,14Z,14A(B),14C)を駆動する。
本発明では、指令路速度条件入力部20で、指令路速度(指令F)、指令経路許容加速度、指令路許容加加速度を入力し、駆動軸速度条件入力部22で駆動軸許容速度、駆動軸許容加速度、駆動軸許容加加速度を入力し、工具基準点路速度条件入力部24で工具基準点路許容速度、工具基準点路許容加速度、工具基準点路許容加加速度を入力する。クランプ値演算部18で、それらの速度条件から分割区間ごとに速度クランプ値、加速度クランプ値、加加速度クランプ値を演算する。速度曲線演算部16で、速度クランプ値、加速度クランプ値、加加速度クランプ値を越えない最大の速度として速度曲線を演算する。補間部12で、その速度曲線にもとづく速度によって補間を行い補間された指令路補間位置を駆動軸位置に変換して駆動軸移動量を演算し、その駆動軸移動量によって各軸サーボ(14X,14Y,14Z,14A(B),14C)を駆動する。なお、補間部12の補間および変換の演算は従来技術である。
なお、工具側面でワークを加工しない実施形態の場合、工具基準点路速度条件入力部24を省略することができる。
図13に第1の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを示す。図4のG43.4のブロックから開始しG49のブロックで終了する。ここでは分割区間は指令ブロック単位とする。分割区間の番号をkとし、kを各分割区間におけるsvc,sac,sjcのインデックスとして各分割区間のsvc,sac,sjcを表している。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA01]k=0とし、1ブロック(G43.4ブロック)読み込む。
●[ステップSA02]G49のブロックであるか否か判断し、G49のブロックの場合(YESの場合)処理を終了し、G49のブロックではない場合(NOの場合)ステップSA03へ移行する。
●[ステップSA03]数4式〜数22式から、第k区間(第kブロック)におけるsvp,svr,sap,sar,sjp,sjrを求める。
●[ステップSA04]svc(k)=Min(svp,svr),sac(k)=Min(sap,sar),sjc(k)=Min(sjp,sjr)によって、svc(k),sac(k),sjc(k)を求める。
●[ステップSA05]k=k+1とし次のブロックを読み込み、ステップSA02に戻る。
図14に第2の実施形態におけるクランプ値演算部のフローチャートを示す。図4のG43.4のブロックから開始しG49のブロックで終了する。ここでは分割区間は指令ブロック単位とする。分割区間の番号をkとし、kを各分割区間におけるsvc,sac,sjcのインデックスとして各分割区間のsvc,sac,sjcを表している。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSB01]k=0とし、1ブロック(G43.4ブロック)読み込む。
●[ステップSB02]G49のブロックであるか否か判断し、G49のブロックの場合(YESの場合)処理を終了し、G49のブロックではない場合(NOの場合)ステップSB03へ移行する。
●[ステップSB03]数4式〜数22式、数24式〜数30式から、第k区間(第kブロック)におけるsvp,svr,svqs,sap,sar,saqs,sjp,sjr,sjqsを求める。
●[ステップSB04]svc(k)=Min(svp,svr,svqs),sac(k)=Min(sap,sar,saqs),sjc(k)=Min(sjp,sjr,sjqs)によって、svc(k),sac(k),sjc(k)を求める。
●[ステップSB05]k=k+1とし次のブロックを読み込み、ステップSB02に戻る。
s 指令経路積算長
10 指令解析部
12 補間部
14X X軸サーボ
14Y Y軸サーボ
14Z Z軸サーボ
14A(B) A(B)軸サーボ
14C C軸サーボ
16 速度曲線演算部
18 クランプ値演算部
20 指令経路速度条件入力部
22 駆動軸速度条件入力部
24 工具基準点経路速度条件入力部

Claims (7)

  1. テーブルに取付られたワーク(加工物)に対して少なくとも直線軸3軸と回転軸1軸によって加工する多軸工作機械を制御する数値制御装置において、
    加工プログラムで指令されたワークに対する工具先端点の相対的径路である指令径路における指令経路速度および指令径路許容加速度を指令径路速度条件として入力する指令径路速度条件入力部と、
    駆動軸に対する駆動軸許容速度および駆動軸許容加速度を駆動軸速度条件として入力する駆動軸速度条件入力部と、
    前記指令径路を複数の区間に分割した分割区間ごとに、前記指令径路速度条件から指令径路区間許容速度および指令径路区間許容加速度、および前記駆動軸速度条件から駆動軸区間許容速度および駆動軸区間許容加速度を演算し、前記指令径路区間許容速度または前記駆動軸区間許容速度のうち小さい方を速度クランプ値とし、かつ前記指令径路区間許容加速度または前記駆動軸区間許容加速度のうち小さい方を加速度クランプ値とするクランプ値演算部と、
    前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値を越えない最大の前記指令径路上の速度として速度曲線を求める速度曲線演算部と、
    前記速度曲線にもとづく速度によって前記指令径路の補間を行い補間された指令径路補間位置を駆動軸位置に変換することで駆動軸移動量を演算する補間部を有し、
    前記駆動軸移動量によって各軸を駆動することを特徴とする数値制御装置。
  2. 前記指令径路速度条件入力部は、前記指令経路速度および前記指令径路許容加速度に加えて指令径路許容加加速度をも指令径路速度条件として入力する指令径路速度条件入力部であり、
    前記駆動軸速度条件入力部は、前記駆動軸許容速度および前記駆動軸許容加速度に加えて駆動軸許容加加速度をも駆動軸速度条件として入力する駆動軸速度条件入力部であり、
    前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令径路速度条件から指令径路区間許容速度および指令径路区間許容加速度に加えて指令径路区間許容加加速度をも演算し、また前記駆動軸速度条件から前記駆動軸区間許容速度および前記駆動軸区間許容加速度に加えて駆動軸区間許容加加速度をも演算し、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記指令径路区間許容加加速度または前記駆動軸区間許容加加速度のうち小さい方を加加速度クランプ値とするクランプ値演算部であり、
    前記速度曲線演算部は、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記加加速度クランプ値をも越えない最大の前記指令経路上の速度として速度曲線を求める前記速度曲線演算部であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  3. 前記工具先端点とは相違する工具上の基準点である工具基準点のワークに対する相対的径路である工具基準点径路における工具基準点径路許容速度および工具基準点径路許容加速度を工具基準点径路速度条件として入力する工具基準点径路速度条件入力部を有し、
    前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令径路区間許容速度、前記指令径路区間許容加速度、前記駆動軸区間許容速度および前記駆動軸区間許容加速度に加えて、前記工具基準点径路速度条件から工具基準点径路区間許容速度および工具基準点径路区間許容加速度をも演算し、前記指令径路区間許容速度、前記駆動軸区間許容速度または前記工具基準点径路区間許容速度のうち最も小さいものを速度クランプ値とし、かつ前記指令径路区間許容加速度、前記駆動軸区間許容加速度または前記工具基準点径路区間許容加速度のうち最も小さいものを加速度クランプ値とするクランプ値演算部であることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
  4. 前記工具基準点径路速度条件入力部は、前記工具基準点径路許容速度および前記工具基準点経路許容加速度に加えて工具基準点経路許容加加速度をも工具基準点速度条件として入力する工具基準点径路速度条件入力部であり、
    前記クランプ値演算部は、前記分割区間ごとに、前記指令径路区間許容速度、前記指令径路区間許容加速度、前記指令径路区間許容加加速度、前記駆動軸区間許容速度、前記駆動軸区間許容加速度、前記駆動軸区間許容加加速度、前記工具基準点径路区間許容速度および前記工具基準点径路区間許容加速度に加えて、前記工具基準点径路速度条件から工具基準点径路区間許容加加速度をも演算し、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて、前記指令径路区間許容加加速度、前記駆動軸区間許容加加速度または前記工具基準点径路区間許容加加速度のうち最も小さいものを加加速度クランプ値とするクランプ値演算部であり、
    前記速度曲線演算部は、前記速度クランプ値および前記加速度クランプ値に加えて前記加加速度クランプ値をも越えない最大の前記指令経路上の速度として速度曲線を求める前記速度曲線演算部であることを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。
  5. 前記多軸工作機械は直線軸3軸とテーブルを回転する回転軸2軸を持つテーブル回転型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置。
  6. 前記多軸工作機械は直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸2軸を持つ工具ヘッド回転型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置。
  7. 前記多軸工作機械は直線軸3軸と工具ヘッドを回転する回転軸1軸とテーブルを回転する回転軸1軸を持つ混合型5軸工作機械である請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の数値制御装置。
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