JP2013097510A - 電子機器の入力装置及び入力制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力部1から取得した入力情報が、入力操作として無効な入力情報である場合に、この入力情報に係る静電容量値が、入力装置10の使用環境の変化等に影響されて変化した静電容量値であるとして、この入力情報に係る値に加減算することにより、この入力情報に係る静電容量値が間接的に初期化されるような値に、入力情報の基準値を補正する、所謂キャリブレーションを実行する。従って、入力操作が行われている領域はキャリブレーションの実行対象外となるため、入力装置10に対する入力操作が行われているときにも、入力操作を妨げることなく、キャリブレーションを実行することが可能となる。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載の家電製品ないし住宅用機器等の操作部のような入力装置は、平坦な入力操作面を実現するにあたり、静電容量方式のタッチセンサを採用することで、高感度の入力検知を可能とするものであり、入力操作部が平坦な面とされたことから、清掃がし易くなって汚れが固着し難くなり、見栄えが向上する上に、清潔な状態を保つことができ、機能性と美観とを高度に兼ね備えたものとなる。 しかし、静電容量方式のタッチセンサは、検知される静電容量の変化を拠り所として、入力操作の有無の判断をするものであることから、特有の課題を抱えるものとなっている。
このような、入力装置の使用環境の変化等に伴う静電容量の変化の影響を回避する目的で、本出願人は、先に、入力操作を行う指等が入力部に当接していない状態である場合、又は、当接していない領域に対して、入力操作を有効にするか、或いは、無効にするかの判定(以下、入力操作の有効・無効の判定ともいう)の基準となる、閾値の更新を行う先行技術を提案している(特許文献2参照)。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、操作者が入力装置に対して入力操作を実行しているときに入力操作を妨げず、入力操作の快適性や利便性を損なうことなく入力装置のキャリブレーションを実行する方法と、この方法を備えた入力装置を提供することにある。
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
本項に記載の入力装置は、制御回路部において、補正基準値に基づいて取得した入力情報に係る値が、予め設定した所定範囲を超えていない場合に、入力情報の基準値を、記憶した補正基準値に更新することを決定する。つまりは、キャリブレーション実行後の基準値に基づいて取得した入力情報に係る値が、予め設定した所定の許容範囲内にあるという検証結果が得られた場合に、キャリブレーションの実行結果を有効にする決定を行うものである。このため、適正に実行されたキャリブレーションの結果のみを、確実に採用するものとなる。
本項に記載の入力装置は、制御回路部において、補正基準値に基づいて取得した入力情報に係る値が、予め設定した所定範囲を超えている場合に、入力情報の基準値を、記憶した補正基準値に更新しないことを決定する。つまりは、キャリブレーション実行後の基準値に基づいて取得した入力情報に係る値が、予め設定した所定の許容範囲内にないという検証結果が得られた場合に、キャリブレーションの実行結果を無効にする決定を行うものである。この結果、前回の有効と決定されたキャリブレーションの実行結果を継続して採用することになり、適正なキャリブレーションの実行結果のみを採用するものとなる。
本項に記載の入力装置は、キャリブレーションの実行からキャリブレーションの実行結果の有効化又は無効化までの一連の処理動作を、予め設定された時間間隔毎に行うことにより、制御回路部の演算処理負担の軽減を図るものである。更に、この時間間隔を、入力装置の使用環境の変化等の影響により、静電容量が変化していく時間スケールを考慮して設定することにより、必要なタイミングでキャリブレーションを効率良く行うものとなる。
ここで、本項に記載の入力装置において、入力装置の特定領域は、入力操作を検知する領域と異なる領域であるとともに、操作者が操作部に対して通常の入力操作を実行するための姿勢(以下、入力姿勢ともいう)を取ったときに、操作者の体のいずれかの部分(典型的には、操作者の掌、手首等)が接触又は近接する蓋然性が高い箇所に設けられることが望ましく、更に、その箇所は、操作者が入力姿勢を取っていないときには、操作者の体のいずれの部分も接触又は近接しない蓋然性が高い箇所であることが望ましい。これによって、操作者が入力姿勢を取っていない、すなわち、入力操作中ではないことが正確に判別されるため、キャリブレーションを効率良く行うものとなる。
そして、上記(9)から(13)項に記載の入力制御方法は、上記ステップを実行することにより、各々、上記(1)から(8)項の入力装置に対応する作用を奏するものである。
図1に示すように、本発明の実施の形態における入力装置10は、電子機器6用の入力装置であって、操作部(図5の符号14参照)及び操作部に対する入力操作を検知する静電容量方式の第1のタッチセンサ7を備える入力部1と、入力部1からの入力操作の検知情報が入力される制御回路部2とを備えている。入力部1は、更に、入力装置10上の特定領域への人体の接触又は近接を検知する静電容量方式の第2のタッチセンサ8を備えていてもよい。なお、第2のタッチセンサ8と、第2のタッチセンサ8を利用した場合の入力制御方法については後述する。
データ処理部4は、入力部1において検知された検知情報を、基準値に基づいて入力情報として取得し、この入力情報に係る値と、記憶部5に記憶されている入力操作の判定に係る閾値とを比較し、入力操作の有効・無効の判定を行う。そして、入力情報に係る値が入力操作の判定に係る閾値を越えている場合に、入力操作が行われていると判定し、入力部1から入力される入力操作の検知情報に対応する出力情報を、電子機器6に対して出力する。更に、データ処理部4は、所謂キャリブレーションの実行に係る処理動作を行うが、この処理動作については後述する。
更に、必要に応じ、第1のタッチセンサ7により検知される入力操作の検知情報であるアナログ値、及び、第2のタッチセンサ8により検知される入力装置10上の特定領域への人体の接触又は近接の検知情報であるアナログ値をA/D変換して、デジタル値として制御回路部2へと出力する入力情報検出回路3(図1では、入力部1に含むものとして例示)を備えることとしても良い。こうすることにより、制御回路部2は、各タッチセンサにより検知される検知情報を、デジタル値として扱うことができるため、より信頼性のある一連の処理動作を行うことが可能となる。
又、図3の例では、データ処理部4において、検出値を取得していない初期状態(図3(a))から、入力操作が行われているか否かの判定が未確定の時点で、入力部1から取得した検出値が、基本閾値THを越えていない状態(図3(b))をトリガとして、検出値と同じ大きさの値(−ΔS)を、基本値LSに加算(+ΔS)することにより、基本値LSを補正する(図3(c))、キャリブレーション実行のステップを含んでいる。
ステップS100:データ処理部4は、現在設定されている基本値LS(入力情報の基準値)を基準として、入力部1から検出値(入力情報に係る値)SInを取得する。
ステップS110:データ処理部4は、上記ステップS100で取得した検出値(入力情報に係る値)SInが、基本閾値TH(入力操作の判定に係る閾値)を上回っているか否かを監視する。
ステップS120:上記ステップS110のデータ処理部4の判断において、上記ステップS100で取得した検出値(入力情報に係る値)SInが、基本閾値TH(入力操作の判定に係る閾値)を上回っていると判断された場合には(Yes)、制御回路部2は、入力情報に対応する出力情報(キー入力ON)を電子機器6に対して出力する。すなわち、この場合には、上記ステップS100で取得した検出値を検知した、第1のタッチセンサ7が対応するキースイッチが、現在は入力操作中であると判断し、データ処理部4は、このキースイッチを今回のキャリブレーションの実行対象外として、上記ステップS100へと復帰する。
ステップS150:データ処理部4は、上記ステップS140で取得した検出値(入力情報に係る値)SIn+1が、許容範囲RP(キャリブレーションの実行結果の有効化又は無効化に係る許容範囲)の範囲内にあるか否かを監視する。これにより、キャリブレーションの実行結果を有効にするか、或いは、無効にするかを決定(判定)する前に、入力操作が行われた否かを監視する。なお、許容範囲RPは、上記ステップS140で補正後の基本値LSを基準として取得した検出値SIn+1が、入力操作を伴う静電容量値の変化ではない限り、基本閾値THよりはるかに小さい値になることを考慮して、図2及び図3で示す許容範囲RPのように、基本閾値THと基本値LSとの差分よりも小さな幅で、基本値LSを対称に上下それぞれに広がる範囲に設定することが望ましい。
ステップS170:データ処理部4は、補正後の基準値LS(補正基準値)を、新たに基本値LS(入力情報の基準値)として設定し、この値を記憶部5に出力する。そして、記憶部5は、データ処理部4から入力された補正後の基本値LSを、基本値LS(入力情報の基準値)として記憶する。その後、上記ステップS100へと復帰する。
ステップS190:データ処理部4は、現在設定されている基本値LS(入力情報の基準値)、つまりは、直近に有効とされたキャリブレーションの実行結果として得られた基本値LSを、そのまま継続して使用するために、基本値LS(入力情報の基準値)として再設定し、この値を記憶部5に出力する。そして、記憶部5は、データ処理部4から入力された現在の基本値LSを、基本値LS(入力情報の基準値)として再度記憶する。その後、上記ステップS100へと復帰する。
例えば、入力装置10が、パーソナルコンピュータ用のキーボード装置のように多数のキースイッチを備えるような入力装置である場合には、1つのキースイッチ毎に順番に、或いは、予め設定された複数のキースイッチ毎に順番に、キャリブレーションを実行してもよい。又、入力装置10の使用環境の変化等の影響により、静電容量が変化していく時間スケールを、例えば、入力装置10を構成するハードウェアに実装したタイマカウンタ等により計測し、この時間スケールを考慮したタイミングでキャリブレーションを実行してもよい。
まず、図5において、操作部14上の各キースイッチSW00〜SW36は、第1のタッチセンサ7が対応する入力操作の対象となる領域であり、これらの領域よりも操作者側に位置する左右2箇所(本実施形態における特定領域)には、第2のタッチセンサ8が対応する操作者検知スイッチSW40、SW45が設けられている。この第2のタッチセンサ8は、第1のタッチセンサ7と同様に、各操作者検知スイッチSW40、SW45の直下に配置されるように、入力操作面の下部に配置される基板上に設けられるものであってよい。
従って、第2のタッチセンサ8により検知される検知情報を、図4のフローチャートに示すような本実施形態における入力装置10の入力制御方法に利用することとすれば、例えば、操作者検知スイッチSW40及びSW45への人体の接触又は近接が発生していない場合にのみ、キャリブレーションを実行する、といった入力制御方法に応用が可能となる。
一方、本実施形態に係る入力装置10は、図4に示すような、キャリブレーションの実行からキャリブレーションの実行結果の有効化又は無効化までの一連の処理動作を、予め設定された時間間隔毎に行うこととすれば、制御回路部2の演算処理負担の更なる軽減を図ることが可能となる。更に、この時間間隔を、入力装置10の使用環境の変化等の影響により、静電容量が変化していく時間スケールを考慮して設定することにより、必要なタイミングでキャリブレーションを効率良く実行することが可能となる。
Claims (11)
- 電子機器の入力装置であって、
操作部及び該操作部に対する入力操作を検知する静電容量方式の複数の第1のタッチセンサを備える入力部と、
前記第1のタッチセンサにより検知される検知情報を入力情報として取得し、該入力情報に係る値が前記所定値を超えて前記入力操作が有効と判定した場合のみ、前記入力情報に対応する出力情報を前記電子機器に対して出力する制御回路部とを備え、
前記制御回路部は、前記入力操作が行われているとの判定が未確定の時点で、前記入力情報に係る値が前記所定値を超えていない状態をトリガとして、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正することを特徴とする入力装置。 - 前記制御回路部は、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得するとともに、
前記入力情報に係る値が予め設定した所定範囲を超えているか否かをトリガとして、前記入力情報の基準値を前記補正基準値に更新するか否かを決定することを特徴とする請求項1記載の入力装置。 - 前記制御回路部は、記憶部とデータ処理部とを備え、
前記記憶部は、前記第1のタッチセンサにより検知される前記検知情報を記憶する機能と、前記操作部に対する入力操作の有効・無効の判定に係る前記所定値、及び、前記入力情報の基準値の更新に係る前記所定範囲を記憶する機能とを具備し、
前記データ処理部は、前記第1のタッチセンサにより検知される前記検知情報を前記入力情報として取得し、該入力情報に係る値が前記所定値を超えて前記入力操作が有効と判定した場合のみ、前記入力情報に対応する出力情報を前記電子機器に対して出力する機能と、
前記入力操作が行われているとの判定が未確定の時点で、前記入力情報に係る値が前記所定値を超えていない状態をトリガとして、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正し、前記補正後の基準値を補正基準値として前記記憶部に出力する機能と、
前記補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得し、前記入力情報に係る値が予め設定した所定範囲を超えているか否かをトリガとして、前記入力情報の基準値を前記補正基準値に更新するか否かを決定する機能とを具備することを特徴とする請求項2記載の入力装置。 - 前記制御回路部は、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正する処理動作と、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得する処理動作と、前記入力情報の基準値を更新するか否かを決定する処理動作とを、前記第1のタッチセンサ毎に、或いは、予め設定された所定の複数の第1のタッチセンサ毎に、順番に行うことを特徴とする請求項2又は3記載の入力装置。
- 前記制御回路部は、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正する処理動作と、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得する処理動作と、前記入力情報の基準値を更新するか否かを決定する処理動作とを、予め設定された時間間隔毎に行うことを特徴とする請求項2又は3記載の入力装置。
- 前記入力部は、入力装置の特定領域への人体の接触又は近接を検知する静電容量方式の第2のタッチセンサを更に備え、
前記制御回路部は、前記第2のタッチセンサの検知情報に基づいて前記特定領域に対する人体の接触又は近接の有無を判別し、該接触又は近接がないと判別される場合には、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正する処理動作と、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得する処理動作と、前記入力情報の基準値を更新するか否かを決定する処理動作とを、行うことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項記載の入力装置。 - 操作部及び該操作部に対する入力操作を検知する静電容量方式の複数の第1のタッチセンサを備える入力部と、
前記第1のタッチセンサにより検知される検知情報を入力情報として取得し、該入力情報に係る値が前記所定値を超えて前記入力操作が有効と判定した場合のみ、前記入力情報に対応する出力情報を前記電子機器に対して出力する制御回路部とを備える、前記電子機器の入力装置の入力制御方法であって、
前記入力操作が行われているとの判定が未確定の時点で、前記入力情報に係る値が前記所定値を超えていない状態をトリガとして、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正するステップを含むことを特徴とする入力制御方法。 - 前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得するステップと、
前記入力情報に係る値が予め設定した所定範囲を超えているか否かをトリガとして、前記入力情報の基準値を前記補正基準値に更新するか否かを決定するステップとを含むことを特徴とする請求項7記載の入力制御方法。 - 前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正するステップと、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得するステップと、前記入力情報の基準値を更新するか否かを決定するステップとを、前記第1のタッチセンサ毎に、或いは、予め設定された所定の複数の第1のタッチセンサ毎に、順番に行うことを特徴とする請求項8記載の入力制御方法。
- 前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正するステップと、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得するステップと、前記入力情報の基準値を更新するか否かを決定するステップとを、予め設定された時間間隔毎に行うことを特徴とする請求項8記載の入力制御方法。
- 前記入力部は、入力装置の特定領域への人体の接触又は近接を検知する静電容量方式の第2のタッチセンサを更に備え、
前記第2のタッチセンサの検知情報に基づいて前記特定領域に対する人体の接触又は近接の有無を判別し、該接触又は近接がないと判別される場合には、前記入力情報の基準値を、前記所定値を超えていない前記入力情報に係る値に基づいて補正するステップと、前記補正後の基準値を補正基準値として記憶し、該補正基準値に基づいて前記検知情報に係る入力情報を取得するステップと、前記入力情報の基準値を更新するか否かを決定するステップとを、行うことを特徴とする請求項8から10のいずれか1項記載の入力制御方法。
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