JP2013093357A - サセプタ及びそれを用いた気相成長装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 急激な加熱に起因するサセプタの割れ、大型化による機械的強度の低下に起因するサセプタの割れを防止することが可能なサセプタ及びそれを用いた気相成長装置を提供する。
【解決手段】 中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有するサセプタであって、中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなるサセプタとする。また、基板ホルダーを収納するためのサセプタ、該サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、該サセプタと該サセプタの対面の間隙からなる反応炉、該反応炉へ原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置であって、前記のサセプタを用いた気相成長装置とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有するサセプタであって、中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなるサセプタとする。また、基板ホルダーを収納するためのサセプタ、該サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、該サセプタと該サセプタの対面の間隙からなる反応炉、該反応炉へ原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置であって、前記のサセプタを用いた気相成長装置とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、急激な加熱に起因するサセプタの割れ、大型化による機械的強度の低下に起因するサセプタの割れを防止することが可能なサセプタ及びそれを用いた気相成長装置に関する。
有機金属化合物気相成長法(MOCVD法)は、分子線エピタキシー法(MBE法)と並び窒化物半導体の結晶成長によく用いられる。特にMOCVD法は、MBE法に比べて結晶成長速度も速く、またMBE法のように高真空装置等も必要ないことから、産業界の化合物半導体量産装置において広く用いられている。近年、青色または紫外LED及び青色または紫外レーザーダイオードの普及にともない、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムガリウムの量産性を向上させるために、MOCVD法の対象となる基板の大口径化、多数枚化が数多く研究されている。
このような気相成長装置としては、例えば特許文献1〜5に示すように、基板(基板ホルダー)を保持するサセプタ、サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、サセプタとサセプタの対面の間隙からなる反応炉、反応炉の中心部から周辺部に向かって原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置を挙げることができる。これらの気相成長装置においては、複数の基板ホルダーがサセプタに設けられており、モータ等の駆動手段及び回転伝達手段によってサセプタが自転するとともに、基板ホルダーが自公転する構成となっている。
このような気相成長装置を用いて気相成長を行なう際は、サセプタには気相成長に必要な加熱とともに回転駆動力がかかるので、これらに起因するサセプタの割れ(表面のひび、凹凸の発生、破損等を含む。以下同じ。)を防止する手段が開発されている。このような割れ防止手段としては、例えば特許文献6に示すように、凹形状のザグリが形成され、ウエーハ載置面を好ましい表面粗さに設定したサセプタ、また特許文献7に示すように、凹形状のザグリを好ましい形状に設定したサセプタ等が挙げられる。
しかしながら、III族窒化物半導体の気相成長においては、気相成長温度が高く急激な加熱が要求されること、また基板の大型化及び多数枚同時成長によりサセプタの大型化が要求され、より優れたサセプタの割れ防止対策が必要となってきた。従って、本発明が解決しようとする課題は、急激な加熱に起因するサセプタの割れ、大型化による機械的強度の低下に起因するサセプタの割れを防止することが可能なサセプタ及びそれを用いた気相成長装置を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、前述のような気相成長においては、サセプタの割れが中央部の孔と周辺部に設けられた基板ホルダーを収納するための孔の間で多く発生すること、及び予め前記中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットを設ければ、サセプタにかかる応力が緩和され、急激な加熱に起因するサセプタの割れ、大型化による機械的強度の低下に起因するサセプタの割れを防止できることを見出し、本発明のサセプタ及びそれを用いた気相成長装置に到達した。
すなわち本発明は、中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有するサセプタであって、中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなることを特徴とするサセプタである。
また、本発明は、基板ホルダーを収納するためのサセプタ、該サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、該サセプタと該サセプタの対面の間隙からなる反応炉、該反応炉へ原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置であって、サセプタが、中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有し、該中央部の孔と該基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなることを特徴とする気相成長装置である。
また、本発明は、基板ホルダーを収納するためのサセプタ、該サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、該サセプタと該サセプタの対面の間隙からなる反応炉、該反応炉へ原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置であって、サセプタが、中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有し、該中央部の孔と該基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなることを特徴とする気相成長装置である。
本発明のサセプタにおいては、サセプタの割れ発生が多い箇所である、中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔の間に、予めスリット(人為的な割れ)を設けるので、サセプタを急激に加熱しても、サセプタを大型化しても、これらに起因するサセプタの割れを防止することができる。その結果、本発明のサセプタを用いた気相成長装置においては、サセプタの割れ発生によって気相成長が中断あるいは中止することなく、またサセプタを頻繁に交換することなく、基板の表面に効率よく気相成長を行なうことができる。
本発明は、基板ホルダーを収納(保持)するためのサセプタに適用される。また、サセプタ、該サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、該サセプタと該サセプタの対面の間隙からなる反応炉、該反応炉へ原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置に適用される。本発明における気相成長装置の例としては、ガリウム、インジウム、アルミニウムから選ばれる1種または2種以上の金属と、窒素との化合物からなる窒化物半導体の結晶成長を行なうための気相成長装置を挙げることができる。
以下、本発明の洗浄装置及び洗浄方法について、図1〜図4に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
尚、図1は本発明のサセプタの一例を示す平面の構成図であり、図2は本発明の気相成長装置の一例を示す垂直面の構成図である。(図2は、サセプタ回転板13を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置であり、図3は、サセプタ回転軸14を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置である。)図4は本発明のサセプタの回転機構の一例を示す構成図(サセプタ5とサセプタ回転板13の形態の一例を示す構成図)である。
尚、図1は本発明のサセプタの一例を示す平面の構成図であり、図2は本発明の気相成長装置の一例を示す垂直面の構成図である。(図2は、サセプタ回転板13を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置であり、図3は、サセプタ回転軸14を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置である。)図4は本発明のサセプタの回転機構の一例を示す構成図(サセプタ5とサセプタ回転板13の形態の一例を示す構成図)である。
本発明のサセプタは、図1に示すように、中央部の孔1、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔2を有するサセプタであって、中央部の孔1と基板ホルダーを収納するための孔2の間にスリット3が設けられてなるサセプタである。
また、本発明の気相成長装置は、図2、図3に示すように、基板ホルダー4を収納するためのサセプタ5、該サセプタの対面6、基板を加熱するためのヒータ7、サセプタ5とサセプタの対面6の間隙からなる反応炉8、反応炉8へ原料ガスを供給する原料ガス導入部9、及び反応ガス排出部10を有する気相成長装置であって、サセプタ5が前記の本発明のサセプタである気相成長装置である。
また、本発明の気相成長装置は、図2、図3に示すように、基板ホルダー4を収納するためのサセプタ5、該サセプタの対面6、基板を加熱するためのヒータ7、サセプタ5とサセプタの対面6の間隙からなる反応炉8、反応炉8へ原料ガスを供給する原料ガス導入部9、及び反応ガス排出部10を有する気相成長装置であって、サセプタ5が前記の本発明のサセプタである気相成長装置である。
以下、本発明のサセプタについて説明する。
本発明のサセプタは、特許文献1、特許文献3、特許文献5に記載されたサセプタと同様に、中央部に孔があり、周辺部に基板ホルダー(あるいは基板)を収納するための複数の孔を有するものである。そして、中央部の孔1と基板ホルダーを収納するための孔2の間にスリット3が設けられてなるサセプタである。
本発明において、基板ホルダーを収納するための孔2の大きさについては特に限定されることはないが、特に3インチ以上の基板を保持する大きさの場合に、サセプタの割れを防止できる点で効果を発揮できる。中央部の孔1の大きさについても特に限定されることはない。
本発明のサセプタは、特許文献1、特許文献3、特許文献5に記載されたサセプタと同様に、中央部に孔があり、周辺部に基板ホルダー(あるいは基板)を収納するための複数の孔を有するものである。そして、中央部の孔1と基板ホルダーを収納するための孔2の間にスリット3が設けられてなるサセプタである。
本発明において、基板ホルダーを収納するための孔2の大きさについては特に限定されることはないが、特に3インチ以上の基板を保持する大きさの場合に、サセプタの割れを防止できる点で効果を発揮できる。中央部の孔1の大きさについても特に限定されることはない。
前記のスリットは、通常は中央部の孔1と基板ホルダーを収納するための孔2を結ぶ最短線上に設けられる。スリットの間隙は、通常は0.5〜20mm、好ましくは0.8〜5mmである。スリットの間隙が0.5mm未満の場合は、割れ防止の効果が少なく、スリットの間隙が20mmを超える場合は、サセプタの機械的強度が低下する虞がある。また、スリットは、サセプタの厚み方向(垂直方向)に対して貫通される。サセプタに設けられる孔は、通常は4〜10個であるが、特に限定されることはない。また、通常は全ての孔について、中央部の孔との間にスリットが設けられるが、これに限定されることなく、例えば1個おきにスリットを設けてもよい。
尚、前記の中央部の孔1は種々の目的のために設けられる。例えば、特許文献5に記載されているような気相成長装置においては、サセプタの中央部に孔を設ければ、基板ホルダーを回転させるための基板ホルダー回転板の全部または一部をその孔に収納させることができる。この基板ホルダー回転板は、外部のモータからの回転力の伝達により回転し、また基板ホルダーと基板ホルダー回転の外周には歯車が設けられており、この歯車を介して基板ホルダー回転から基板ホルダーに回転力が伝達され基板ホルダーが回転する構成になっている。また、サセプタの中央部の孔に、垂直方向から導入される原料ガスを、均等に効率よく水平方向に分散させるための水平板を収納することもできる。
本発明のサセプタの大きさについては、特に制限されることはないが、通常は直径が20〜100cmであり、特に30cm以上である場合に割れを防止できる効果が発揮されやすい。サセプタの厚みはサセプタの直径、材質にもよるが、通常は3〜20mmである。サセプタの材質としては、カーボン、パイロリティックグラファイト(PG)、グラッシカーボン(GC)等のカーボン系材料、あるいはカーボン系材料をセラミック材料でコーティングしたもの(PGコートカーボン、GCコートカーボン、SiCコートカーボン等)が好ましいが、石英等の材質も使用することができ、特に限定されることはない。
次に、本発明の気相成長装置について説明する。
本発明の気相成長装置は、前述の本発明のサセプタを用いることが可能な気相成長装置であり、例えば、図2、図3に示すような気相成長装置である。
図2の気相成長装置は、サセプタ回転板13を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置である。このような気相成長装置においては、外周に歯車を有し外部のモータからの回転力の伝達により回転するサセプタ回転板13が、図4に示すように、外周に歯車を有するサセプタと、歯車が噛合うように設置されている。そしてモータを駆動させることによりサセプタが回転する構成となっている。また、図3の気相成長装置は、サセプタ回転軸14を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置である。本発明の気相成長装置においては、基板、基板ホルダー等を回転する機構、方法について特に制限されることはない。
尚、図1に示すサセプタは外周に歯車を有しているが、歯車がないサセプタを用い、その外周に、外周側に歯車を有するリング状の部材を取付けた構成とすることもできる。また、図3の気相成長装置においては、サセプタの外周に歯車は不要である。
本発明の気相成長装置は、前述の本発明のサセプタを用いることが可能な気相成長装置であり、例えば、図2、図3に示すような気相成長装置である。
図2の気相成長装置は、サセプタ回転板13を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置である。このような気相成長装置においては、外周に歯車を有し外部のモータからの回転力の伝達により回転するサセプタ回転板13が、図4に示すように、外周に歯車を有するサセプタと、歯車が噛合うように設置されている。そしてモータを駆動させることによりサセプタが回転する構成となっている。また、図3の気相成長装置は、サセプタ回転軸14を回転させることにより、サセプタ5を回転させる機構を有する気相成長装置である。本発明の気相成長装置においては、基板、基板ホルダー等を回転する機構、方法について特に制限されることはない。
尚、図1に示すサセプタは外周に歯車を有しているが、歯車がないサセプタを用い、その外周に、外周側に歯車を有するリング状の部材を取付けた構成とすることもできる。また、図3の気相成長装置においては、サセプタの外周に歯車は不要である。
本発明の気相成長装置において、サセプタ(基板)の対面6は、通常は基板とサセプタの対面の間隙が10mm以内となるように、好ましくは基板の上流側の位置で8mm以内、かつ基板の下流側の位置で5mm以内となるように設定される。サセプタの対面6の材質としては、カーボン系材料、あるいはカーボン系材料をセラミック材料でコーティングしたもの、石英等を使用することができる。また、サセプタの対面6の内部に冷媒を流通する流路12を設けて、気相成長の際にサセプタの対面6を冷却し、反応物がサセプタの対面6の表面に付着することを防止できるように設定することが可能である。
本発明の気相成長装置を用いて、例えばIII族窒化物半導体の気相成長を行なう場合は、原料ガスとなる有機金属化合物(トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム等)、アンモニア、及びキャリヤガス(水素、窒素等の不活性ガス、またはこれらの混合ガス)等は、図2、図3に示すように、外部からの原料ガス配管11にから原料ガス導入部9に供給され、さらに原料ガス導入部9から反応炉8に導入される。反応後のガスは反応ガス排出部10から外部に排出される。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(サセプタの製作)
中央部に直径20cmの孔、周辺部に直径17cmの孔を6個有し、直径80cm、厚さ8〜15mm(表面に凹凸あり)である図1に示すような円板状のサセプタ(SiCコートカーボン製)を製作した。このサセプタの中央部の孔と周辺部の6個の孔との間には、長さが3cmで間隙が2.5mmのスリットが設けられている。また、スリットは、各々中央部の孔の中心と周辺部の孔の中心を結ぶ最短線上に設けられている。
(サセプタの製作)
中央部に直径20cmの孔、周辺部に直径17cmの孔を6個有し、直径80cm、厚さ8〜15mm(表面に凹凸あり)である図1に示すような円板状のサセプタ(SiCコートカーボン製)を製作した。このサセプタの中央部の孔と周辺部の6個の孔との間には、長さが3cmで間隙が2.5mmのスリットが設けられている。また、スリットは、各々中央部の孔の中心と周辺部の孔の中心を結ぶ最短線上に設けられている。
(気相成長装置の製作)
ステンレス製の反応容器の内部に、前記のサセプタ、冷媒を流通する構成を備えたサセプタの対面(SiCコートカーボン製)、ヒータ、原料ガスの導入部(カーボン製)、反応ガス排出部等を設けて、図2に示すような気相成長装置を製作した。また、6インチサイズのサファイアからなる基板を保持した基板ホルダー6個を、基板の位置における対面との間隙が10mm以下となるようにサセプタにセットした。尚、冷媒を流通する流路として、配管1本を中心部から周辺部に向かって渦巻き状に配置した。
ステンレス製の反応容器の内部に、前記のサセプタ、冷媒を流通する構成を備えたサセプタの対面(SiCコートカーボン製)、ヒータ、原料ガスの導入部(カーボン製)、反応ガス排出部等を設けて、図2に示すような気相成長装置を製作した。また、6インチサイズのサファイアからなる基板を保持した基板ホルダー6個を、基板の位置における対面との間隙が10mm以下となるようにサセプタにセットした。尚、冷媒を流通する流路として、配管1本を中心部から周辺部に向かって渦巻き状に配置した。
(サセプタの昇温実験)
このような気相成長装置を用いて、以下のようにサセプタの昇温実験を行ないサセプタの割れが発生するか否か調査した。対面の冷却用配管への冷却水循環を開始した後、基板を10rpm、サセプタを1rpmの回転速度で回転させながら、原料ガス導入部から窒素を流すとともに、サセプタ(基板)表面の温度を、60℃/minの昇温速度で1050℃まで上昇させた。前記の温度を1時間維持した後、ヒータの電源を切り、サセプタの温度を室温まで下げた。このような操作を10回繰り返した。その結果、サセプタの割れは発生しなかった。
このような気相成長装置を用いて、以下のようにサセプタの昇温実験を行ないサセプタの割れが発生するか否か調査した。対面の冷却用配管への冷却水循環を開始した後、基板を10rpm、サセプタを1rpmの回転速度で回転させながら、原料ガス導入部から窒素を流すとともに、サセプタ(基板)表面の温度を、60℃/minの昇温速度で1050℃まで上昇させた。前記の温度を1時間維持した後、ヒータの電源を切り、サセプタの温度を室温まで下げた。このような操作を10回繰り返した。その結果、サセプタの割れは発生しなかった。
[実施例2、3]
実施例1のサセプタの製作において、スリットの間隙を各々1.5mm、5mmに変更したほかは実施例1と同様にしてサセプタを製作した。
これらのサセプタを用いたほかは実施例1と同様にして気相成長装置を製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、いずれの実施例の場合もサセプタの割れは発生しなかった。
実施例1のサセプタの製作において、スリットの間隙を各々1.5mm、5mmに変更したほかは実施例1と同様にしてサセプタを製作した。
これらのサセプタを用いたほかは実施例1と同様にして気相成長装置を製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、いずれの実施例の場合もサセプタの割れは発生しなかった。
[実施例4]
実施例1のサセプタの製作において、周辺部の孔を直径12cmのもの10個に変更したほかは実施例1と同様にしてサセプタを製作した。スリットは長さが12cmで間隙が2.5mmであった。
このサセプタを用い、4インチサイズのサファイアからなる基板をセットしたほかは、実施例1と同様にして気相成長装置を製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、サセプタの割れは発生しなかった。
実施例1のサセプタの製作において、周辺部の孔を直径12cmのもの10個に変更したほかは実施例1と同様にしてサセプタを製作した。スリットは長さが12cmで間隙が2.5mmであった。
このサセプタを用い、4インチサイズのサファイアからなる基板をセットしたほかは、実施例1と同様にして気相成長装置を製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、サセプタの割れは発生しなかった。
[比較例1]
実施例1のサセプタの製作において、スリットの間隙を設けなかったほかは実施例1と同様にしてサセプタを製作した。
このサセプタを用いたほかは実施例1と同様にして気相成長装置の製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、1回目のサセプタの昇温実験でサセプタの割れが発生したので実験を中止した。気相成長装置からサセプタを取出し調査した結果、中央部の孔と周辺部のうち1個の孔との間に割れが発生していることが確認された。
実施例1のサセプタの製作において、スリットの間隙を設けなかったほかは実施例1と同様にしてサセプタを製作した。
このサセプタを用いたほかは実施例1と同様にして気相成長装置の製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、1回目のサセプタの昇温実験でサセプタの割れが発生したので実験を中止した。気相成長装置からサセプタを取出し調査した結果、中央部の孔と周辺部のうち1個の孔との間に割れが発生していることが確認された。
[比較例2]
比較例1の昇温実験において、サセプタの昇温速度を40℃/minに低下させたほかは比較例1と同様にして昇温実験を行なった。その結果、5回目のサセプタの昇温実験でサセプタの割れが発生したので実験を中止した。気相成長装置からサセプタを取出し調査した結果、中央部の孔と周辺部のうち1個の孔との間に割れが発生していることが確認された。
比較例1の昇温実験において、サセプタの昇温速度を40℃/minに低下させたほかは比較例1と同様にして昇温実験を行なった。その結果、5回目のサセプタの昇温実験でサセプタの割れが発生したので実験を中止した。気相成長装置からサセプタを取出し調査した結果、中央部の孔と周辺部のうち1個の孔との間に割れが発生していることが確認された。
[比較例3]
実施例4のサセプタの製作において、スリットの間隙を設けなかったほかは実施例4と同様にしてサセプタを製作した。
このサセプタを用いたほかは実施例4と同様にして気相成長装置の製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、3回目のサセプタの昇温実験でサセプタの割れが発生したので実験を中止した。気相成長装置からサセプタを取出し調査した結果、中央部の孔と周辺部のうち2個の孔との間に割れが発生していることが確認された。
実施例4のサセプタの製作において、スリットの間隙を設けなかったほかは実施例4と同様にしてサセプタを製作した。
このサセプタを用いたほかは実施例4と同様にして気相成長装置の製作し、サセプタの昇温実験を行なった。その結果、3回目のサセプタの昇温実験でサセプタの割れが発生したので実験を中止した。気相成長装置からサセプタを取出し調査した結果、中央部の孔と周辺部のうち2個の孔との間に割れが発生していることが確認された。
以上の通り、本発明のサセプタは、急激に加熱しても、大型化しても、これらに起因する割れを防止することができることが確認された。また、本発明の気相成長装置は、サセプタが割れにくいので、割れ発生による気相成長の中断あるいは中止をすることなく、またサセプタを頻繁に交換することなく、基板の表面に効率よく気相成長を行なうことができることが確認された。
1 中央部の孔
2 基板ホルダーを収納するための孔
3 スリット
4 基板ホルダー
5 サセプタ
6 サセプタの対面
7 ヒータ
8 反応炉
9 原料ガス導入部
10 反応ガス排出部
11 原料ガス配管
12 冷媒を流通する流路
13 サセプタ回転板
14 サセプタ回転軸
2 基板ホルダーを収納するための孔
3 スリット
4 基板ホルダー
5 サセプタ
6 サセプタの対面
7 ヒータ
8 反応炉
9 原料ガス導入部
10 反応ガス排出部
11 原料ガス配管
12 冷媒を流通する流路
13 サセプタ回転板
14 サセプタ回転軸
Claims (5)
- 中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有するサセプタであって、中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなることを特徴とするサセプタ。
- スリットの間隙が、0.5〜20mmである請求項1に記載のサセプタ。
- スリットが、中央部の孔と基板ホルダーを収納するための孔を結ぶ最短線上に設けられた請求項1に記載のサセプタ。
- 直径が30cm以上である請求項1に記載のサセプタ。
- 基板ホルダーを収納するためのサセプタ、該サセプタの対面、基板を加熱するためのヒータ、該サセプタと該サセプタの対面の間隙からなる反応炉、該反応炉へ原料ガスを供給する原料ガス導入部、及び反応ガス排出部を有する気相成長装置であって、サセプタが、中央部の孔、及び周辺部に基板ホルダーを収納するための孔を有し、該中央部の孔と該基板ホルダーを収納するための孔の間にスリットが設けられてなることを特徴とする気相成長装置。
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2011
- 2011-10-24 JP JP2011232782A patent/JP2013093357A/ja active Pending
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