JP2013092339A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外気を目標温湿度に調整して空調対象空間に供給するにあたり、凝縮器における加熱量を低減して省エネを図ることが可能な空気調和装置を提供する。
【解決手段】外気を、凝縮器3における加熱、水分吸着脱着装置12(又は13)における脱着、蒸発器6における冷却除湿、水分吸着脱着装置13(又は12)における吸着といった流れで処理し、吹出空気の温湿度制御を行う。目標温度よりも温度の低い外気を、目標温度に上げるための温度変化は、吸着側の水分吸着脱着装置を通過することによる吸熱によって実現される。よって、空気調和装置において必要な加熱量は、凝縮器3における加熱量のみとなり、その加熱量を加熱量調整装置により調整可能とした。そして、その加熱量を、脱着側の水分吸着脱着装置において脱着に必要な分だけの加熱量とすることにより、加熱量抑制を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、外気を導入する際に温湿度を調整可能な外気処理装置を搭載した空気調和装置に関するものである。
外気を取り入れて、目標温湿度の目標空気に調整し、その調整空気を空調対象空間に供給する装置として、従来より、吸入口と吹出口とを具備した風路ケース内に予冷用冷水コイル、蒸発器、凝縮器及び送風機を下流に向けて順に配置し、この風路ケース内に外気を通すことで目標空気に調整するようにした装置がある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、目標空気よりも温度及び湿度共に高い外気を目標空気に調整するにあたり、外気の露点温度以下の冷水を冷凍機から予冷用冷水コイル内に流し、予冷用冷水コイルに外気を通過させて冷水と熱交換させ、外気を露点温度以下に冷却することで外気の冷却除湿を行う。そして、その冷却除湿された外気を、続いて蒸発器に通過させる。蒸発器は予冷用冷水コイルと独立して構成され、冷媒が内部を通過するように構成されており、予冷用冷水コイルにて冷却除湿された外気を、内部の冷媒と熱交換させて更に冷却除湿し、目標湿度まで低下させる。そして、目標湿度まで低下した外気を、その後、凝縮器に通過させて目標温度まで加熱することで目標温湿度に調整するようにしている。
特開2006−207856号公報(図4、第5頁〜第7頁)
特許文献1に記載されているような技術では、外気の湿度を目標湿度まで下げるために、蒸発器の蒸発温度を目標空気の露点温度以下にする必要がある。このため、空気調和装置の効率が低下するという問題があった。また、蒸発器の蒸発温度が目標空気の露点温度よりも低いため、蒸発器通過後の空気温度が、目標温度に対して過度に低くなる。このため、蒸発器通過後の空気温度を、次に通過する凝縮器において目標温度に上昇させるために必要な、凝縮器における加熱量が増大し、エネルギー消費量が多くなるという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、外気を目標温湿度に調整して空調対象空間に供給するにあたり、凝縮器における加熱量を低減して省エネを図ることが可能な空気調和装置を提供することを目的とする。
本発明に係る空気調和装置は、圧縮機及び第一凝縮器が搭載された室外ユニットと、第二凝縮器、減圧装置、蒸発器及び送風機が搭載された外気処理ユニットとを備え、圧縮機、第一凝縮器、第二凝縮器、減圧装置及び蒸発器を順次冷媒配管で接続して冷媒が循環する冷媒回路を形成しており、外気処理ユニットは、送風機の駆動により外気が吸い込まれる吸込口と吸込口から吸い込まれた外気を空調対象空間へ吹き出す吹出口とを有する風路を備え、風路内には、第二凝縮器と、第二凝縮器の下流側に配置され、相対的に湿度の低い空気に放湿し、相対的に湿度の高い空気から吸湿する第一水分吸着脱着装置と、第二凝縮器より下流側に第一水分吸着脱着装置と隔離して配置され、相対的に湿度の低い空気に放湿し、相対的に湿度の高い空気から吸湿する第二水分吸着脱着装置と、第一水分吸着脱着装置と第二水分吸着脱着装置との間に配置された蒸発器と、吸込口から吸い込まれた外気を、第二凝縮器、第一水分吸着脱着装置、蒸発器、第二水分吸着脱着装置の順に通過させる経路と、第二凝縮器、第二水分吸着脱着装置、蒸発器、第一水分吸着脱着装置の順に通過させる経路とに切替える切替装置とが配置され、外気処理ユニットは、第二凝縮器での加熱量を調整する加熱量調整装置と、第一水分吸着脱着装置及び第二水分吸着脱着装置のうち、各経路それぞれにおいて上流側となる水分吸着脱着装置での脱着に必要な分だけ、第二凝縮器通過前の外気が第二凝縮器通過により加熱されるように、加熱量調整装置を制御する制御装置とを備えたものである。
本発明によれば、まず最初に凝縮器で外気を加熱し、その加熱後の外気を、脱着側の水分吸着脱着装置を通過させて水分吸着脱着装置中の水分を脱着することで、露点温度が高く除湿し易い状態とすることができる。このため、次に通過する蒸発器における蒸発温度を高くすることができ、高効率運転が可能となる。また、蒸発器通過後の外気は、高相対湿度の空気となるため、次に通過する吸着側の水分吸着脱着装置で水分を吸着し易くなる(湿度低下)。そして、吸着側の水分吸着脱着装置を通過した外気は、吸着側の水分吸着脱着装置における吸着熱により温度が上昇するため、再加熱の必要が無くなる。よって、必要な加熱量は、凝縮器における加熱量のみとなり、その加熱量を調整可能とした。このため、脱着側の水分吸着脱着装置において脱着に必要な分だけの加熱量とすることにより、従来の加熱量よりも少なくすることができ、省エネとなる。
本発明の実施の形態1における空気調和装置の概略図である。 図1の空気調和装置の冷媒の流れを示す図である。 図1の第一流量調整装置4及び第三流量調整装置8の開度比率と加熱能力との関係を示す図である。 図1の外気処理ユニット100内の風路構成説明図である。 図4の風路における空気経路の説明図である。 図1の外気処理ユニット100内に備えられた空気温湿度センサー群を示す図である。 外気処理ユニット100内における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。 目標吹出空気の温湿度を中心として区分される領域A〜Dを説明するための湿り空気線図である。 加熱量調整の場合の空気(外気)の状態変化を示す湿り空気線図である。 蒸発量制御の場合の空気(外気)の状態変化を示す湿り空気線図である。 蒸発温度調整の説明図である。 図1の空気調和装置の運転制御フローチャートである。 本実施の形態の制御による空気の状態変化と、従来制御による空気の状態変化とを示す空気湿り線図である。 加熱量調整の他の構成例を示す図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和装置の概略図である。図1及び後述の各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。温度や湿度に付した符号についても同様である。更に、明細書全文に表れている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
空気調和装置は、室外ユニット99と外気処理ユニット100との2つのユニットを有し、これらのユニットが延長配管51で接続された構成を有している。室外ユニット99は、外気処理ユニット100の熱源としての機能を有している。外気処理ユニット100は、室外ユニット99から供給される熱を使用して、室外から取り込んだ外気の温湿度を調整する外気処理装置であり、温湿度を調整した外気を室内等の空調対象域に供給する機能を有している。
室外ユニット99には、圧縮機1と、室外熱交換器2とが搭載されており、それらが直列に冷媒配管で配管接続されている。圧縮機1は、冷媒を吸入し、その冷媒を圧縮して高温・高圧のガス冷媒にするものである。圧縮機1を例えば容量制御可能なインバーター圧縮機1で構成すれば、運転周波数を任意に設定することが可能になる。室外熱交換器2は、凝縮器(第一凝縮器)として機能し、ファンなどの送風機(図示省略)から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、その冷媒を凝縮液化するものである。
外気処理ユニット100には、第一外気処理熱交換器(第二凝縮器)3と、絞り装置としての第一流量調整装置4及び第二流量調整装置5と、第二外気処理熱交換器(蒸発器)6とが搭載されており、この順に直列に冷媒配管で配管接続されている。そして、外気処理ユニット100に搭載されたこれらの各機器と室外ユニット99に搭載された圧縮機1及び室外熱交換器2が冷媒配管で接続されて冷凍サイクルが構成されている。
また、外気処理ユニット100には、第一外気処理熱交換器3及び第一流量調整装置4をバイパスするバイパス配管7が設けられており、バイパス配管7には第三流量調整装置8が設けられている。なお、第一外気処理熱交換器3は凝縮器として機能することから、以下では凝縮器3といい、また、第二外気処理熱交換器6は蒸発器として機能することから以下では蒸発器6ということにする。
第一流量調整装置4、第二流量調整装置5及び第三流量調整装置8は、減圧弁や膨張弁としての機能を有し、冷媒を減圧して膨張させるものであり、開度が可変に制御可能な例えば電子式膨張弁などで構成するとよい。
外気処理ユニット100には更に、相対的に湿度の低い空気に放湿し、相対的に湿度の高い空気から吸湿する第一水分吸着脱着装置12と、第一水分吸着脱着装置12と同様の機能を有する第二水分吸着脱着装置13と、送風機9とが搭載されている。外気処理ユニット100内にはこれらの機器を内部に備えた風路130(後述の図4参照)が形成されており、その風路130内に図1の白抜き矢印に示すように外気が吸入され、そして風路130内を後述の図5の矢印A又はBに示す経路で通過して目標温湿度に調整された後、室内へと吹き出される。この風路130の具体的な構成については後述することにし、ここではまず、空気調和装置の冷媒回路による冷凍サイクル動作について説明する。
図2は、図1の空気調和装置の冷媒の流れを示す図である。以下、図2に基づいて本発明の実施の形態1の空気調和装置の冷媒回路による冷凍サイクル動作について説明する。
圧縮機1から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室外熱交換器2に流入し、室外熱交換器2で室外空気に放熱しながら凝縮し、高温・高圧の気液二相冷媒となり、室外熱交換器2から流出する。
室外熱交換器2から流出した気液二相冷媒は、延長配管51を経て外気処理ユニット100に流入し、第一流量調整装置4と第三流量調整装置8との開度比率に応じて分流され、一方は凝縮器3に流入し、他方はバイパス配管7に流入する。凝縮器3に流入した気液二相冷媒は、送風機9から供給される外気に放熱しながら凝縮液化し、凝縮器3から流出する。このように凝縮器3では、冷媒から外気に熱が放熱されるため、凝縮器3はいわば外気を加熱する加熱装置として機能する。凝縮器3での加熱能力は、次の図3に示すように、第一流量調整装置4と第三流量調整装置8との開度比率によって任意の所望の能力に調整することができる。
図3は、図1の第一流量調整装置4及び第三流量調整装置8の開度比率と加熱能力との関係を示す図である。
図3に示すように、第一流量調整装置4の開度を大きくし且つ第三流量調整装置8の開度を小さくするにつれ、加熱能力を上げることができる。よって、いわば第一流量調整装置(上流側流量調整装置)4、第三流量調整装置(バイパス側流量調整装置)8及びバイパス配管7により加熱量調整装置が構成されている。
バイパス配管7に流入した冷媒は第三流量調整装置8に至る。そして、第一流量調整装置4及び第三流量調整装置8から流出した冷媒は、合流して第二流量調整装置5へと至る。
第二流量調整装置5に到達した冷媒は、第二流量調整装置5で減圧されて低圧の二相冷媒となって第二流量調整装置5から流出し、蒸発器6に流入する。蒸発器6に流入した低圧二相冷媒は、蒸発器6を通過する外気から吸熱して低圧ガス化し、蒸発器6から流出する。このように蒸発器6では、冷媒が外気から熱を吸熱するため、蒸発器6はいわば外気を冷却する冷却装置として機能する。蒸発器6での冷却能力は、第二流量調整装置5の開度により蒸発器6に流入する低圧の二相冷媒の流量を調整することで調整される。そして、蒸発器6から流出した低圧のガス冷媒は延長配管51を経て、室外ユニット99に流入し、圧縮機1へ戻る。
(風路構成)
図4は、図1の外気処理ユニット100内の風路構成説明図である。
外気処理ユニット100には、外気(OA)を吸い込む吸込口と空調対象空間である室内へ調整空気(吹出空気ともいう)(SA)を吹き出す吹出口とを有する風路130が形成されている。そして、風路130内に、凝縮器3と、第一水分吸着脱着装置12と、第二水分吸着脱着装置13と、蒸発器6と、風路130内に空気を通過させる送風機9と、風路130内を流れる外気の経路を切替える切替装置10、11とを備えている。送風機9は、外気処理ユニット100内における蒸発器6の下流側、つまり蒸発器6と吹出口との間に設けられている。
図5のA、Bはそれぞれ風路130内を流れる空気の経路を示し、図5(a)は空気経路A、図5(b)は空気経路Bを示している。空気経路Aは、外気(OA)が吸込口から吸い込まれ、凝縮器3、第一水分吸着脱着装置12、蒸発器6、第二水分吸着脱着装置13を通過し、送風機9を経て吐出口から吹出空気(SA)として室内へ供給される経路である。空気経路Bは、外気(OA)が吸込口から吸い込まれ、凝縮器3、第二水分吸着脱着装置13、蒸発器6、第一水分吸着脱着装置12を通過し、送風機9を経て吐出口から吹出空気(SA)として室内へ供給される経路である。
この空気経路Aと空気経路Bとは、切替装置10、11により切替えられる。切替装置10、11にはダンパなどを使用しており、図示しないが、ダンパ動作に用いるモータ回転動作を制御することによって空気経路の切替えを行っている。
風路130は、吸込口と吐出口とを接続する管路を途中で二方向に分岐させた構造となっている。切替装置10はこの分岐が始まる箇所に配置され、切替装置11は分岐が終わる箇所に配置されている。第一水分吸着脱着装置12、蒸発器6及び第二水分吸着脱着装置13は、切替装置10と切替装置11とに挟まれるように配置され、且つ吸込口から吐出口に向かう空気の流れ方向に対して略直角方向に空気が流れる向きに配置されている。このような風路構造にすることで、複雑な管路構造を必要とせず切替装置10、11の切替え動作のみで、一つの風路130内に二つの空気経路を構成することが可能となっている。
第一水分吸着脱着装置12及び第二水分吸着脱着装置13の表面には、例えばゼオライト、シリカゲル、活性炭等のような相対的に湿度の高い空気から水分を吸着(吸湿)して相対的に湿度の低い空気に対して水分を脱着(放湿)する特性を有する吸着材が塗布、表面処理あるいは含浸されている。これら吸着材には、空気の相対湿度に対して吸着することのできる水分量(平衡吸着量)がある。吸着材がある相対湿度の空気から水分を吸着し続けて平衡吸着量に達すると、吸着材は平衡状態となり、それ以上の水分量を吸着することができなくなる。そのため、平衡状態となる前に水分を空気に対して脱着させ、再び吸着可能な状態にする必要がある。
蒸発器6は、蒸発器6に流入する外気を露点温度以下まで冷却し、外気の相対湿度を高くすると共に、空気中に含まれる水分を凝縮水として取り除く目的で設けられている。蒸発器6で凝縮した水分は、図示していないが、一般的な除湿装置と同様に、例えば排水経路を設けて外気処理ユニット100の外に排水されるようになっている。
(制御装置120及びセンサー類)
また、空気調和装置には、空気調和装置全体を制御する制御装置120と、機器制御のために必要となる各種センサーが設けられている。制御装置120は、各種センサーからのセンサー情報に基づいて圧縮機1の回転数と、第一流量調整装置4、第二流量調整装置5及び第三流量調整装置8のそれぞれの開度調整と、送風機9の制御と、切替装置10、11の切替え制御等を行う。
各種センサーとしては、冷媒回路の冷媒温度を測定する冷媒温度センサー群と、風路130内を通過する空気温湿度を測定する空気温湿度センサー群とを有している。冷媒温度センサー群としては、凝縮器3内における中間付近に設置され、この位置における配管温度を測定する第一冷媒温度センサー31(図1参照)と、第二流量調整装置5と蒸発器6との間に設置され、この位置における配管温度を測定する第二冷媒温度センサー32(図1参照)とを有している。空気温湿度センサー群は次の図6により説明する。
図6は、図1の外気処理ユニット100内に備えられた空気温湿度センサー群を示す図である。
外気温度センサー21は、外気処理ユニット100の外気吸込口近傍等に設置され、外気処理ユニット100に導入される外気(OA)の空気温度を測定する。外気湿度センサー22は、外気処理ユニット100の吸込口近傍等に設置され、外気処理ユニット100に導入される外気(OA)の空気湿度を測定する。通過後空気温度センサー23は、空気流れ方向に対して凝縮器3の下流側近傍等に設置され、凝縮器3を通過後の空気温度を測定する。通過後空気湿度センサー24は空気流れ方向に対して凝縮器3の下流側近傍等に設置され、凝縮器3を通過後の空気湿度を測定する。
吹出温度センサー25は、外気処理ユニット100の吹出口近傍等に設置され、外気処理ユニット100から室内に供給される吹出空気(SA)の空気温度を測定する。吹出湿度センサー26は、外気処理ユニット100の吹出口近傍等に設置され、外気処理ユニット100から室内に供給される吹出空気(SA)の空気湿度を測定する。なお、空気温湿度センサー群における各空気湿度センサーのそれぞれは、相対湿度を検出するものでもよいし、絶対湿度を検出するものでもよい。相対湿度を検出するものとした場合において、絶対湿度を把握したい場合には、相対湿度と温度とから絶対湿度を算出するようにすればよい。
次に、外気処理ユニット100の外気処理動作について説明する。図7は、外気処理ユニット100内における空気の状態変化を示す湿り空気線図である。図7の湿り空気線図の縦軸は空気の絶対湿度[kg/kg’]、横軸は空気の乾球温度[℃]である。また、図7の曲線は飽和空気を示すもので、飽和空気における相対湿度は100%である。
(空気経路A)
図5(a)に示す空気経路Aの場合の空気の状態変化を説明する。送風機9により外気処理ユニット100に吸い込まれた外気(OA)は、凝縮器3へ流入し、凝縮器3で加熱され、相対湿度の低い状態(1)になる。この(1)への状態変化では、空気の相対湿度を低下させ、次に通過する第一水分吸着脱着装置12が水分を脱着しやすい空気状態に変化させている。
状態(1)の外気は、第一水分吸着脱着装置12に流入し、第一水分吸着脱着装置12に保持されている水分を脱着し、状態(2)の高相対湿度(高露点温度)の空気となる。このとき、第一水分吸着脱着装置12の脱着熱(外気からの吸熱)により、第一水分吸着脱着装置12を通過後の外気の乾球温度は状態(1)から低下する。このように、(1)から(2)への状態変化では、第一水分吸着脱着装置12の脱着反応により、空気を加湿して露点温度を上昇させ、次に通過する蒸発器6で水分が凝縮されやすい空気状態に変化させている。
第一水分吸着脱着装置12から流出した状態(2)の外気は、蒸発器6に流入する。蒸発器6に流入した外気は、蒸発器6通過時に露点温度以下に冷却され(3)の状態となる。露点温度以下に冷却することで、(2)の状態の絶対湿度と(3)の状態の絶対湿度との差分の水分が凝縮し、外気は除湿される。また、この冷却により外気は飽和空気となり、外気の相対湿度は100%程度まで高まる。このように、(2)から(3)への状態変化では、外気を除湿すると共に、外気の相対湿度を上昇させ、次に通過する第二水分吸着脱着装置13が水分を吸着しやすい空気状態に変化させている。
状態(3)の外気は、第二水分吸着脱着装置13に流入する。第二水分吸着脱着装置13に流入した外気は、外気中の水分が第二水分吸着脱着装置13に吸着されて除去されると共に、第二水分吸着脱着装置13の吸着熱(外気への放熱)により乾球温度が上昇し、図7の(SA)の状態となって室内に供給される。このように、(3)から(SA)への状態変化では、第二水分吸着脱着装置13の吸着反応により、状態(3)の外気を加熱除湿している。
この空気経路Aの状態を続けると、上述したように第二水分吸着脱着装置13が平衡吸着量に達し、それ以上の水分量を吸着することができなくなる。そこで、平衡吸着量に達する前に切替装置10、11を切替え、図5(b)に示す空気経路Bに切替える。
(空気経路B)
空気経路Bも、空気経路A同様に、送風機9により外気処理ユニット100に吸い込まれた外気(OA)は、凝縮器3へ流入し、凝縮器3で加熱され、相対湿度の低い状態(1)になる。この(1)への状態変化では、空気の相対湿度を低下させ、次に通過する第二水分吸着脱着装置13が水分を脱着しやすい空気状態に変化させている。
状態(1)の外気は、第二水分吸着脱着装置13に流入し、第二水分吸着脱着装置13に保持されている水分を脱着し、状態(2)の高相対湿度(高露点温度)の空気となる。このとき、第二水分吸着脱着装置13が吸熱反応をするため、第二水分吸着脱着装置13を通過後の外気の乾球温度は状態(1)から低下する。このように、(1)から(2)への状態変化では、第二水分吸着脱着装置13の脱着反応により、空気を加湿して露点温度を上昇させ、次に通過する蒸発器6で水分が凝縮されやすい空気状態に変化させている。
第二水分吸着脱着装置13から流出した状態(2)の外気は、蒸発器6に流入する。蒸発器6に流入した外気は、蒸発器6通過時に露点温度以下に冷却され(3)の状態となる。露点温度以下に冷却することで、(2)の状態の絶対湿度と(3)の状態の絶対湿度との差分の水分が凝縮し、外気は除湿される。また、この冷却により外気は飽和空気となり、外気の相対湿度は100%程度まで高まる。このように、(2)から(3)への状態変化では、外気を除湿すると共に、外気の相対湿度を上昇させ、次に通過する第一水分吸着脱着装置12が水分を吸着しやすい空気状態に変化させている。
状態(3)の外気は、第一水分吸着脱着装置12に流入する。第一水分吸着脱着装置12に流入した外気は、外気中の水分が第二水分吸着脱着装置13に吸着されて除去されると共に、第二水分吸着脱着装置13が吸着時に放熱反応するため乾球温度が上昇し、図7の(SA)の状態となり室内に供給される。このように、(3)から(SA)への状態変化では、第一水分吸着脱着装置12の吸着反応により、状態(3)の外気を加熱除湿している。
この空気経路Bの状態を続けると、上述したように第二水分吸着脱着装置13が平衡吸着量に達し、それ以上の水分量を吸着することができなくなる。そこで、平衡吸着量に達する前に切替装置10、11を切替え、図5(a)に示す空気経路Aに切替える。このように平衡吸着量に達する前に空気経路を切替える動作を繰り返すことで連続した除湿運転が可能となる。
なお、第一水分吸着脱着装置12及び第二水分吸着脱着装置13のそれぞれは、空気経路の切替えによって吸着側と脱着側のどちらにもなり得るため、以下では説明の便宜上、第一、第二として区別せず、吸着側の水分吸着脱着装置(空気経路Aでは第二水分吸着脱着装置13、空気経路Bでは第一水分吸着脱着装置12)、脱着側の水分吸着脱着装置(空気経路Aでは第一水分吸着脱着装置12、空気経路Bでは第二水分吸着脱着装置13)という場合がある。
(制御原理)
次に本実施の形態における制御原理について説明する。なお、以下の説明では、空気の流れが空気経路Aの場合を例に説明する。本実施の形態では、切替装置10、11を駆動する前(つまり、空気経路切替開始前)の事前の外気の相対湿度調整(事前調整)と、空気経路切替開始後の外気の温湿度調整(本調整)の2段階で外気を目標温湿度に調整するようにしている。
(事前調整)
事前調整では、脱着側の第一水分吸着脱着装置12に流入する空気の相対湿度、つまり図7の(1)の状態の相対湿度が、予め決められた相対湿度RH_setよりも低くなるようにする。相対湿度RH_setは、第一水分吸着脱着装置12から水分を十分に脱着可能な相対湿度であり、例えば60%である。この事前調整は、具体的には凝縮器3で外気を加熱することで行う。
凝縮器3による加熱は、上述したように外気の相対湿度を低下させ、次に通過する第一水分吸着脱着装置12にて水分を脱着しやすい空気状態に変化させることにある。言い換えれば、事前調整では、第一水分吸着脱着装置12にて脱着性能が十分とれる分だけ(必要な脱着を得ることができる分だけ)、加熱すればよいことになる。すなわち、外気(OA)の相対湿度が例えば60%よりも低ければ、第一水分吸着脱着装置12を通過した際に、第一水分吸着脱着装置12から水分を十分に脱着(外気側からみれば、第一水分吸着脱着装置12中の水分を吸着)できるため、事前調整では、その相対湿度RH_setよりも低くなるように外気の相対湿度を下げる制御を行うのである。なお、外気(OA)が、元々、相対湿度RH_setよりも低ければ、加熱能力(加熱量)を0、つまり事前調整は不要となる。
(本調整)
事前調整を経ることによって相対湿度RH_setよりも低い相対湿度とされた外気又は元々相対湿度RH_setよりも相対湿度が低い外気は、第一水分吸着脱着装置12、蒸発器6及び第二水分吸着脱着装置13を経て、室内へ吹き出されるが、本調整では、その吹出空気の状態(SA)が、目標の吹出温湿度に対して次の図8に示す領域A〜Dのどこにあるかに応じた制御を行う。
図8は、目標吹出空気の温湿度を中心として区分される領域A〜Dを説明するための湿り空気線図である。図8において、縦軸は空気の絶対湿度[kg/kg’]、横軸は空気の乾球温度[℃]である。また、図8の曲線は飽和空気を示すもので、飽和空気における相対湿度は100%である。
図8に示すように、目標吹出空気の位置を中心としてその中心からひいた等絶対湿度線と前記中心からひいた等乾球温度線とで4つの領域に区分する。そして、4つの領域のうち左上領域から時計回りに領域A、領域B、領域C及び領域Dとする。
領域Aの場合、吹出空気(SA)を目標吹出温湿度に近づけるには、空気温度を上げて且つ除湿量を増やす必要がある。
領域Bの場合、吹出空気(SA)を目標吹出温湿度に近づけるには、空気温度を下げて且つ除湿量を増やす必要がある。
領域Cの場合、吹出空気(SA)を目標吹出温湿度に近づけるには、空気温度を下げて且つ除湿量を減らす必要がある。
領域Dの場合、吹出空気(SA)を目標吹出温湿度に近づけるには、空気温度を上げて且つ除湿量を減らす必要がある。
領域A及び領域Cの場合には、凝縮器3での加熱量を調整することで吹出空気(SA)を目標吹出温湿度に近づけることができ、また、領域B及び領域Dの場合には、蒸発器6での蒸発温度を調整することで、吹出空気(SA)を目標吹出温湿度に近づけることができる。以下、加熱量調整及び蒸発温度調整について順に説明する。
図9は、加熱量調整の場合の空気(外気)の状態変化を示す湿り空気線図で、図9(a)は加熱量調整前、図9(b)は加熱量調整後を示している。図9には、吹出空気が領域Aに位置している場合の例を示している。
図9に示すように、領域Aの場合には、加熱量を増加させることにより、吹出空気(SA)の温度を加熱量増加前に比べて上げることができ、目標温度に近づけることができる。また、加熱量の増加により脱着側の水分吸着脱着装置(空気経路Aでは第一水分吸着脱着装置12、空気経路Bでは第二水分吸着脱着装置13)での脱着能力を高めることができて高露点温度とすることができるため、除湿量を増やすことができる。よって、吹出空気(SA)の絶対湿度を下げることができ、目標湿度に近づけることができる。加熱量の増加量は、目標吹出空気のエンタルピーIa_targetと吹出空気(SA)のエンタルピーIa_nowとの差ΔIに基づいて決定すればよい。なお、加熱量の増加量は、エンタルピー差ΔIに限らず、目標吹出空気の温度と吹出空気(SA)の温度との温度差ΔTに基づいて決定してもよい。
加熱量調整に関し、ここでは領域Aの場合について説明したが、領域Cの場合には、エンタルピー差ΔI又は温度差ΔTに基づいて加熱量の減少量分を決定し、その減少分、加熱量が減少するように第一流量調整装置4及び第三流量調整装置8の開閉比率を制御すればよい。何れにしろ、脱着側の水分吸着脱着装置において、必要な脱着を得ることができる分だけ、加熱量を増減すればよい。
図10は、蒸発温度調整の場合の空気(外気)の状態変化を示す湿り空気線図で、図10(a)は蒸発温度調整前、図10(b)は蒸発温度調整後を示している。図10には、吹出空気が領域Dに位置している場合の例を示している。
図10に示すように、領域Dの場合には、蒸発温度を上昇させることにより、吹出空気(SA)の温度及び湿度が共に上がり、目標温湿度に近づけることができる。蒸発温度の上昇幅は、エンタルピー差ΔI又は目標吹出空気の絶対湿度と吹出空気(SA)の絶対湿度との絶対湿度差ΔRHに基づいて決定すればよい。なお、蒸発温度調整は、図11に示すように、圧縮機周波数を上下させることで制御可能である。つまり、蒸発温度を上昇させるには、圧縮機周波数を低下させ、蒸発温度を下降させるには、圧縮機周波数を上昇させればよい。
蒸発温度調整に関し、ここでは領域Dの場合について説明したが、領域Cの場合には、エンタルピー差ΔI又は絶対湿度差ΔRHに基づいて蒸発温度の変化分を決定し、その変化分、蒸発温度が低下するように圧縮機周波数を制御すればよい。
以上のように、本調整では、現在の吹出空気(SA)が属する領域に応じて加熱量調整又は蒸発温度調整を選択することで、外気(OA)を目標湿度の吹出空気に調整することができるのである。
次に、空気調和装置の具体的な運転制御方法について図12のフローチャートを参照して説明する。
図12は、図1の空気調和装置の運転制御フローチャートである。
制御装置120は、予め決められた初期周波数Fiで圧縮機1を駆動して運転を開始(S1)すると共に、送風機9を駆動する。そして、制御装置120は、外気湿度センサー22により検出した外気相対湿度RH_oが予め決められた相対湿度RH_setよりも低いかどうかを判定(事前調整が必要かの判定)を行う(S2)。
外気湿度センサー22で検出した実際の相対湿度が相対湿度RH_set以上の高い場合は、通過後空気湿度センサー24で検出された凝縮器3通過後の空気相対湿度RH_o1が、予め決められた相対湿度RH_setよりも低くなるように加熱量を決定し、決定した加熱量となるように第一流量調整装置4及び第三流量調整装置8の開閉比率を制御して凝縮器3の加熱能力(加熱量)を調整する(S3)。
そして、ステップS3での加熱量調整により、凝縮器3を通過後の空気相対湿度RH_o1が相対湿度RH_setよりも低くなったかどうかを判定し(S4)、相対湿度RH_setよりも低くなっていない場合は、ステップS3に戻って加熱量を調整し直す。このステップS3及びステップS4の処理を、空気相対湿度RH_o1が空気相対湿度RH_setよりも低くなるまで繰り返し、空気相対湿度RH_o1が空気相対湿度RH_setよりも低くなると、本調整に入る。すなわち、切替装置10、11の切替による風路切替え制御を開始してタイマーをスタートさせる(S6)。なお、ステップS2において実際の相対湿度が相対湿度RH_setよりも低い場合は、事前調整が不要であり、第一流量調整装置4を全閉、第三流量調整装置8を全開にし、すなわち凝縮器3での加熱量を0として(S5)、ステップS6に移行する。
風路切替え制御では、切替装置10、11を制御して、予め決められた時間T_sw(例えば3分)間隔で風路130を空気経路A又は空気経路Bに交互に切替える。この風路切替え制御を、予め決められた切替え運転時間T_set(例えば6分)(>T_sw)の間、行う(S7)。時間T_swは、第一水分吸着脱着装置12及び第二水分吸着脱着装置13のそれぞれが吸着側として作用する際の吸着量が平衡吸着量に達することのない時間に設定される。このステップS7の処理は、次のステップS8の比較処理を、運転開始後、風路切替えが1周期終了して吹出空気状態が安定した状態で行うための処理である。
切替え運転時間T_setが経過したら(S7)、吹出温度センサー25と吹出湿度センサー26とで検出される実際の吹出空気の状態(SA)が、目標吹出空気の状態と一致しているかどうかを判定し(S8)、一致していない場合、実際の吹出空気の状態(SA)が、目標の吹出温湿度に対して図8に示す領域A〜Dのどこにあるかを判定する(S9)。
領域A又は領域Cの場合は、上述したように加熱量調整を行う。すなわち、エンタルピー差ΔI又は温度差ΔTに応じて凝縮器3の加熱量の調整を行う(S10)。領域B又は領域Dの場合は、蒸発温度調整を行う。すなわち、エンタルピー差ΔI又は絶対湿度差ΔRHに応じて蒸発器6の目標蒸発温度の変更を行う(S11)。その後、運転終了かどうかを判定し(S12)、運転終了でないと判定した場合は、ステップS8に戻って上記と同様の処理を行い、運転終了と判定した場合は、運転を停止する。
ここで、従来の特許文献1の制御と、本発明による実施の形態の制御による加熱量の差を次の図13を用いて比較し、本実施の形態の加熱量が少ないことを説明する。
図13は、本実施の形態の制御による空気の状態変化と、従来制御による空気の状態変化とを示す空気湿り線図である。図13において実線が本実施の形態の制御、一点鎖線が従来制御を示している。また、図13においてET1は本制御による蒸発温度、ET0は従来制御による蒸発温度、P1は本制御において蒸発器6に流入する外気の露点、P0は従来制御において目標吐出空気の露点である。
従来の特許文献1では、外気の絶対湿度を目標絶対湿度にするために、蒸発温度ET0を、目標吐出空気の露点温度P0以下にしているため、外気の空気乾球温度が過度に下がる。そして、過度に温度低下した外気を目標乾球温度まで加熱しているため、加熱量Q0が増大していた。
これに対し、本実施の形態の制御では、蒸発器6通過後の状態(3)の外気は、次に吸着側の水分吸着脱着装置(空気経路Aでは第二水分吸着脱着装置13、空気経路Bでは第一水分吸着脱着装置12)を通過することにより、吸着熱により温度が上昇するため、再加熱の必要が無くなる。よって、上記事前調整の場合も上記本調整における加熱量調整の場合も、脱着側の水分吸着脱着装置(空気経路Aでは第一水分吸着脱着装置12、空気経路Bでは第二水分吸着脱着装置13)にて十分な脱着性能を確保できる分だけ(必要な脱着を得ることができる分だけ)、凝縮器3で外気を加熱すれば良い。したがって、本実施の形態の制御における加熱量Q1は、従来の加熱量Q0よりも少なくて済み、省エネとなる。
また、本実施の形態の制御では、凝縮器3で外気を加熱することにより、凝縮器3で加熱しない場合に比べて露点温度P1を高くすることができ、蒸発温度ET1も高くすることができる。蒸発温度ET1は、具体的には、蒸発器6に流入する状態(2)の空気の露点温度P1以下であればよく、目標空気温度の露点温度P0よりも高くできるため、従来制御に比べて省エネとなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、外気を目標吹出空気に調整するにあたり、脱着側の水分吸着脱着装置(第一水分吸着脱着装置12及び第二水分吸着脱着装置13のうち、各空気経路A、Bのそれぞれにおいて上流側となる水分吸着脱着装置)において十分な脱着性能を確保できる分だけ凝縮器3で外気を加熱すれば良いので、従来よりも加熱量が少なくて済み、省エネとなる。更に、蒸発器6での冷却除湿前に水分吸着脱着装置で脱着工程を行い、蒸発器6に流入する空気を高露点温度の空気とすることで、従来よりも、高蒸発温度で除湿可能となり、機器の効率を向上でき、省エネとなる。
また、空気調和装置全体を一つの冷媒回路で構成し、凝縮器3を分割して一方を室外ユニット99に設け、他方を外気処理ユニット100に設けて外気を加熱する加熱源として用いるようにしたので、以下の効果が得られる。すなわち、加熱能力の調整範囲を広げることが可能である(加減を0まで下げることができる)。また、凝縮器を分割することで、蒸発器の能力に縛られず、加熱能力を調整可能である(分割しない場合は、蒸発能力+圧縮機能力が加熱能力となってしまう。)
なお、本実施の形態では、凝縮器3での加熱量を、第一流量調整装置4と第三流量調整装置8との開度比率を調整してバイパス配管7に流入するバイパス量を制御することにより調整するようにしたが、図14に示すような冷媒回路とすることで調整するようにしてもよい。以下、図14の冷媒回路について説明する。
図14の冷媒回路は、圧縮機1、室外熱交換器(第一凝縮器)2、気液分離器41、凝縮器(第二凝縮器)3、第一流量調整装置4及び蒸発器6を順次冷媒配管で配管接続し、更に、気液分離器41で分離された液冷媒を、第四流量調整装置42を介して第一流量調整装置4と蒸発器6との間に導くバイパス配管43を備えた構成となっている。よって、いわば、気液分離器41、第四流量調整装置(液冷媒流量調整装置)42及びバイパス配管43により加熱量調整装置が構成されている。
冷媒の流れは図14に示した通りであり、圧縮機1から吐出された高温・高圧のガス冷媒が室外熱交換器2で凝縮し、高圧の気液二相冷媒となり、気液分離器41に流入する。気液分離器41に流入した高圧の気液二相冷媒は、高圧のガス冷媒と高圧の液冷媒に分離され、高圧のガス冷媒は、凝縮器3に流入し凝縮し、高圧の液冷媒となり第一流量調整装置4で減圧され、低圧の気液二相冷媒となる。一方、気液分離器41で分離された高圧の液冷媒は、第二流量調整装置5に流入し、減圧されて低圧の気液二相冷媒となる。
第一流量調整装置4と第二流量調整装置5をそれぞれ流出した低圧の気液二相冷媒は、合流し、蒸発器6に流入して蒸発し、低圧のガス冷媒となって圧縮機1に戻る。
この構成において凝縮器3の加熱量の調整は、第一流量調整装置4で行っても良いし、室外熱交換器2に空気を搬送する室外熱交換器用送風機(図示せず)の風量で行っても良い。
第一流量調整装置4で加熱量の調整を行う場合、加熱量を抑制するには、第一流量調整装置4の開度を小さくして凝縮器3に流れるガス冷媒の流量を減少させる。逆に、加熱量を増大させるには、第一流量調整装置4の開度を大きくして凝縮器3に流れるガス冷媒の流量を増加させる。
室外熱交換器用送風機(図示せず)で加熱量の調整を行う場合、加熱量を抑制するには、室外熱交換器用送風機の風量を増やして、凝縮温度を低下させ、凝縮器3に流れるガス冷媒温度及び気液二相冷媒の飽和温度を低下させる。逆に、加熱量を増大させるには、室外熱交換器用送風機の風量を減らして、凝縮温度を上昇させ、凝縮器3に流れるガス冷媒温度及び気液二相冷媒の飽和温度を上昇させる。
1 圧縮機、2 室外熱交換器(第一凝縮器)、3 第一外気処理熱交換器(第二凝縮器)、4 第一流量調整装置、5 第二流量調整装置、6 第二外気処理熱交換器(蒸発器)、7 バイパス配管、8 第三流量調整装置、9 送風機、10 切替装置、11 切替装置、12 第一水分吸着脱着装置、13 第二水分吸着脱着装置、21 外気温度センサー、22 外気湿度センサー、23 通過後空気温度センサー、24 通過後空気湿度センサー、25 吹出温度センサー、26 吹出湿度センサー、31 第一冷媒温度センサー、32 第二冷媒温度センサー、41 気液分離器、42 第四流量調整装置、43 バイパス配管、51 延長配管、99 室外ユニット、100 外気処理ユニット、120 制御装置、130 風路。

Claims (12)

  1. 圧縮機及び第一凝縮器が搭載された室外ユニットと、
    第二凝縮器、減圧装置、蒸発器及び送風機が搭載された外気処理ユニットとを備え、
    前記圧縮機、前記第一凝縮器、前記第二凝縮器、前記減圧装置及び前記蒸発器を順次冷媒配管で接続して冷媒が循環する冷媒回路を形成しており、
    前記外気処理ユニットは、
    前記送風機の駆動により外気が吸い込まれる吸込口と前記吸込口から吸い込まれた外気を空調対象空間へ吹き出す吹出口とを有する風路を備え、
    前記風路内には、
    前記第二凝縮器と、
    前記第二凝縮器の下流側に配置され、相対的に湿度の低い空気に放湿し、相対的に湿度の高い空気から吸湿する第一水分吸着脱着装置と、
    前記第二凝縮器より下流側に前記第一水分吸着脱着装置と隔離して配置され、相対的に湿度の低い空気に放湿し、相対的に湿度の高い空気から吸湿する第二水分吸着脱着装置と、
    前記第一水分吸着脱着装置と前記第二水分吸着脱着装置との間に配置された前記蒸発器と、
    前記吸込口から吸い込まれた外気を、前記第二凝縮器、前記第一水分吸着脱着装置、前記蒸発器、前記第二水分吸着脱着装置の順に通過させる経路と、前記第二凝縮器、前記第二水分吸着脱着装置、前記蒸発器、前記第一水分吸着脱着装置の順に通過させる経路とに切替える切替装置とが配置され、
    前記外気処理ユニットは、
    前記第二凝縮器での加熱量を調整する加熱量調整装置と、
    前記第一水分吸着脱着装置及び前記第二水分吸着脱着装置のうち、前記各経路それぞれにおいて上流側となる水分吸着脱着装置での脱着に必要な分だけ、前記第二凝縮器通過前の外気が前記第二凝縮器通過により加熱されるように、前記加熱量調整装置を制御する制御装置と
    を備えたことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記第二凝縮器を通過前の外気の相対湿度を検出する通過前相対湿度検出装置と、
    前記第二凝縮器を通過後の外気の相対湿度を検出する通過後相対湿度検出装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記通過前相対湿度検出装置で検出された相対湿度が、所定相対湿度以上の場合、前記通過後相対湿度検出装置で検出された相対湿度が前記所定相対湿度よりも低くなるように加熱量を決定し、決定した加熱量となるように前記加熱量調整装置を制御することを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 前記吹出口から吹き出される吹出空気の温度を検出する吹出空気温度検出装置と、
    前記吹出空気の絶対湿度を検出する吹出空気絶対湿度検出装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記第二凝縮器通過後の外気の相対湿度が所定相対湿度よりも低い場合、前記吹出空気温度検出装置及び前記吹出空気絶対湿度検出装置のそれぞれの検出結果から前記吹出空気の状態を特定し、
    特定した前記吹出空気の状態が、湿り空気線図上の目標吹出空気の位置を中心としてその中心からひいた等絶対湿度線と前記中心からひいた等乾球温度線とで区分される4つの領域のうち、どの領域に属するかに応じて、前記加熱量調整装置を制御して加熱量を調整する加熱量調整と前記冷媒回路を制御して前記蒸発器の蒸発温度を調整する蒸発温度調整とのうちの一方を選択し、
    選択した調整を行って前記吹出空気の温湿度を目標吹出空気の温湿度に調整することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和装置。
  4. 前記4つの領域のうち、左上領域から時計回りに第1領域、第2領域、第3領域及び第4領域としたとき、前記吹出空気の状態が属する領域が前記第1領域又は前記第3領域の場合、前記加熱量調整を行い、前記吹出空気の状態が属する領域が前記第2領域又は前記第4領域の場合、前記蒸発温度調整を行うことを特徴とする請求項3記載の空気調和装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記加熱量調整を行う場合、前記吹出空気温度検出装置及び前記吹出空気絶対湿度検出装置のそれぞれの検出結果から求まる吹出空気エンタルピーと目標吹出空気エンタルピーとのエンタルピー差、又は前記吹出空気と前記目標吹出空気との温度差に基づいて加熱量の増減量を決定し、決定した増減量となるように前記加熱量調整装置を制御し、
    前記蒸発温度調整を行う場合、前記エンタルピー差、又は前記吹出空気と前記目標吹出空気との絶対湿度差に基づいて目標蒸発温度を決定し、前記目標蒸発温度となるように前記冷媒回路を制御することを特徴とする請求項4記載の空気調和装置。
  6. 前記蒸発器の蒸発温度を検出する蒸発温度検出装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記蒸発温度検出装置により検出される蒸発温度が、前記目標蒸発温度となるように前記圧縮機の周波数を制御することを特徴とする請求項5記載の空気調和装置。
  7. 前記制御装置は、前記蒸発器における蒸発温度を、目標空気温度の露点温度よりも高く、且つ前記蒸発器に流入する空気の露点温度以下としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の空気調和装置。
  8. 前記制御装置は、前記切替装置の切替え動作を、予め決められた時間で行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の空気調和装置。
  9. 前記絞り装置が、二つの流量調整装置を直列に接続することで構成され、
    前記加熱量調整装置は、
    前記二つの流量調整装置のうち、上流側の上流側流量調整装置と、
    前記蒸発器及び前記上流側流量調整装置とをバイパスするバイパス配管と、
    前記バイパス配管に設けられたバイパス側流量調整装置とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の空気調和装置。
  10. 前記制御装置は、前記加熱量調整装置の前記上流側流量調整装置と前記バイパス側流量調整装置との開閉比率を制御することにより、前記第二凝縮器での加熱量を調整することを特徴とする請求項9記載の空気調和装置。
  11. 前記加熱量調整装置は、
    前記第一凝縮器と前記第二凝縮器との間に設けられ、前記第一凝縮器から流入してきた冷媒を液冷媒とガス冷媒に分離してガス冷媒を前記第二凝縮器に供給する気液分離器と、
    前記気液分離器で分離された液冷媒を液冷媒流量調整装置を介して前記絞り装置と前記蒸発器との間に導くバイパス配管と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の空気調和装置。
  12. 前記制御装置は、前記液冷媒流量調整装置の開度制御又は前記第一凝縮器に送風する室外熱交換器用送風機の制御により前記第二凝縮器での加熱量を調整することを特徴とする請求項11記載の空気調和装置。
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