JP2013090434A - 車両用モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の発進時の振動を抑制すると共に指令値遅延による振動の抑制効果の低減を抑える機能を有する車両用モータ制御装置を提供することを目的としている。
【解決手段】車両用モータ制御装置1は、車両制御装置2から指令されたトルク指令値Trefと車両共振補償演算部23から出力された共振補償トルク値Tcmpによりトルク指令値Trefに補償処理を行う補償演算器20と、補償演算器20から算出されたモータ駆動トルク値Tref cmpに基づき、車両用モータ3を駆動させる電流指令演算部21と、モータ電気角センサ4により検出されたモータ電気角ωから共振周波数成分抽出フィルタ24により共振周波数成分を抽出し、ゲイン処理した共振補償トルク値Tcmpを算出する車両共振補償演算部23と、により構成され、車両モータの共振を解消することができる。
【選択図】図1
【解決手段】車両用モータ制御装置1は、車両制御装置2から指令されたトルク指令値Trefと車両共振補償演算部23から出力された共振補償トルク値Tcmpによりトルク指令値Trefに補償処理を行う補償演算器20と、補償演算器20から算出されたモータ駆動トルク値Tref cmpに基づき、車両用モータ3を駆動させる電流指令演算部21と、モータ電気角センサ4により検出されたモータ電気角ωから共振周波数成分抽出フィルタ24により共振周波数成分を抽出し、ゲイン処理した共振補償トルク値Tcmpを算出する車両共振補償演算部23と、により構成され、車両モータの共振を解消することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気自動車もしくはハイブリッド自動車における車両の駆動源となる車両用モータ(電動機、回転電機)の振動を抑制する機能を有する車両用モータ制御装置に関するものである。
従来、車両の駆動源として車両用モータを備える電気自動車あるいは内燃機関と走行用モータとの両方を備えるハイブリッド自動車においては、車両の発進時や加速時に走行用のモータ駆動に伴う振動が発生することがある。これは主に、モータ慣性と駆動系のねじりバネとによる共振が原因とされるものである。この共振によって車両に振動や騒音が発生し、搭乗者のフィーリングを悪化させるという問題があり、その対策が求められている。
このようなモータ慣性と駆動系のねじりバネに起因する車両の共振対策として、例えば、特許文献1に示される車両用制振制御装置では、制御ブロック33は、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)および伝達特性のモデルGp(s)で構成されるH(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタを備え、モータ回転速度推定値と、モータ回転速度検出値との偏差に基づいて、第2のトルク目標値Tm2*を算出する。この第2のトルク目標値Tm2*にゲインKを乗じた第3のトルク目標値と、車両情報に基づいて算出される第1のトルク目標値Tm1*とを加算して、トルク指令値とする。制御ブロック31は、第1のトルク目標値Tm1*と第2のトルク目標値Tm2*とを加算して得られる第4のトルク目標値Tm4*に基づいて、モータ回転速度を推定する。これにより、制振効果を大きく低減させることなく、制振制御のフィードバックゲインを小さくして系の安定性を向上させている。
また、特許文献2に示される自動車の制御装置では、トルク指令τR を入力とする車両を模擬した車両モデル15を用いて車両モデル速度を演算し、車両モデル速度とモータ速度を用いて、トルク補償回路16で振動成分を含む補償トルクτV を算出する。この補償トルクτV を用いてトルク指令τR を求め、トルク指令τRにより誘導モータ2を制御することで、電気自動車を駆動するようにしている。すなわち、トルク指令で運転した際に発生するトルク変動を低減させる制振補償トルクをトルク指令に加算し最終トルク指令を出力する。これにより車両速度センサなどを用いることなく、発進時や加速時に発生する軸ねじりによる振動現象を防止しながら、モータを駆動させ、常に振動を抑制しながら加減速することができ、運転性の向上を図っている。
しかしながら、特許文献1の車両用制振制御装置にあっては、伝達特性のモデルを構築する必要があり、これに伴い制御機構が複雑化し、また、車両重量の変化等に対して、一つの伝達特性のモデルでは十分な対応ができず、必ずしも、すべての状況に対して効果が発揮できるとは限らないといった問題があった。
また、特許文献2に示される自動車の制御装置にあっては、モータトルク演算部とモータ制御部が一つの制御装置によって構築されており、演算処理負荷が大きくなるといった問題がある。これを避けるために、二つの制御装置を用いることにより解決する方法があるが、これらの制御装置間で高速の通信が行えない場合、モータ指令値が出力されてからモータが駆動するまでに若干の時間遅れが発生する。このため、モータトルク指令がステップ状となり、制振制御の効果が減少するといった問題があった。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、車両の発進時の振動を抑制すると共に指令値遅延による振動の抑制効果の低減を抑える機能を有する車両用モータ制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の車両用モータ制御装置は、車両用モータの駆動状態を検出する駆動状態検出手段により得られた信号から共振周波数成分を抽出する共振成分抽出部を有し、前記抽出された共振周波数成分から共振補償トルク値を算出する車両共振補償演算部と、車両安定化制御装置を有する車両制御装置から出力された前記車両用モータを駆動させるトルク指令値を前記共振補償トルク値にて補償処理し、モータ駆動トルク値を算出する補償演算器と、前記モータ駆動トルク値に基づき、バッテリの直流を交流に変換するインバータに、前記車両用モータを駆動するモータ電流を指令する電流指令演算部と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明の車両用モータ制御装置によれば、車両用モータのモータ電気角から得られる振動成分の中から共振周波数成分抽出フィルタにより、車両の共振周波数成分に関するものを抽出して、モータ駆動トルク値の共振周波数成分を補償し、補償されたモータ駆動トルク値で車両用モータを駆動させることにより車両の共振を解消することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る車両用モータ制御装置について、図1から図4に基づいて説明する。本実施の形態の車両として、電気自動車(EV)を例に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る車両用モータ制御装置を含む車両システムの全体構成図であり、図2は、実施の形態1における車両共振周波数成分を抽出するフィルタの特性を示す図である。また、図3は、実施の形態1における車両制御装置での処理動作を示すフロー図である。さらに、図4は、実施の形態1における車両用モータ制御装置での処理動作を示すフロー図である。
図1は、実施の形態1に係る車両用モータ制御装置を含む車両システムの全体構成図であり、図2は、実施の形態1における車両共振周波数成分を抽出するフィルタの特性を示す図である。また、図3は、実施の形態1における車両制御装置での処理動作を示すフロー図である。さらに、図4は、実施の形態1における車両用モータ制御装置での処理動作を示すフロー図である。
図1に示すように、車両用モータ制御装置1は、車両制御装置2から指令されたトルク指令値Trefと車両共振補償演算部23から出力された共振補償トルク値Tcmpによ
りトルク指令値Trefに補償処理を行う補償演算器20と、補償演算器20から算出されたモータ駆動トルク値Tref cmpに基づき演算処理を実施し、バッテリ8の直流をインバータ22により三相交流に変換、車両用モータ3を駆動させる電流指令演算部21と、車両用モータ3に取り付けられたモータ電気角センサ(レゾルバ)4により検出されたモータ電気角ωから共振補償トルク値Tcmpを算出する車両共振補償演算部23と、により構成されている。また、車両共振補償演算部23は、モータ電気角ωから車両共振周波数成分を抽出する共振周波数成分抽出フィルタを通して共振周波数成分ωfilを抽出する共振成分抽出部24と、共振成分抽出部24にて抽出された共振周波数成分ωfilに対して、その出力値に応じてあらかじめ設定、記憶された値を参照して補正する共振ゲイン値κmを決定する振動ゲイン算出部25と、車両制御装置2から指示されるゲイン値κ、共振ゲイン値κm及びモータ電気角ωから共振補償トルク値Tcmp*を算出する補償ゲイン演算部26と、共振補償トルク値Tcmp*の上限値及び下限値の調整を行った共振補償トルク値Tcmpを補償演算器20に出力するリミッタ27と、により構成されている。
りトルク指令値Trefに補償処理を行う補償演算器20と、補償演算器20から算出されたモータ駆動トルク値Tref cmpに基づき演算処理を実施し、バッテリ8の直流をインバータ22により三相交流に変換、車両用モータ3を駆動させる電流指令演算部21と、車両用モータ3に取り付けられたモータ電気角センサ(レゾルバ)4により検出されたモータ電気角ωから共振補償トルク値Tcmpを算出する車両共振補償演算部23と、により構成されている。また、車両共振補償演算部23は、モータ電気角ωから車両共振周波数成分を抽出する共振周波数成分抽出フィルタを通して共振周波数成分ωfilを抽出する共振成分抽出部24と、共振成分抽出部24にて抽出された共振周波数成分ωfilに対して、その出力値に応じてあらかじめ設定、記憶された値を参照して補正する共振ゲイン値κmを決定する振動ゲイン算出部25と、車両制御装置2から指示されるゲイン値κ、共振ゲイン値κm及びモータ電気角ωから共振補償トルク値Tcmp*を算出する補償ゲイン演算部26と、共振補償トルク値Tcmp*の上限値及び下限値の調整を行った共振補償トルク値Tcmpを補償演算器20に出力するリミッタ27と、により構成されている。
次に、車両用モータ制御装置1の動作の詳細について説明する。
まず、車両制御装置2には、各種センサ7が接続されており、各運転状態量が検知される。ここでは、ドライバのアクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセルポジションセンサ(図示せず)、ブレーキペダルの踏み込み量を検知するブレーキポジションセンサ(図示せず)、車両の速度を検知する車速センサ(図示せず)が接続され、車両制御装置2は、ドライバからのアクセルやブレーキの入力量と車速に応じて、トルク指令値Trefを決定し、車両用モータ制御装置1へ指令する。
まず、車両制御装置2には、各種センサ7が接続されており、各運転状態量が検知される。ここでは、ドライバのアクセルペダルの踏み込み量を検知するアクセルポジションセンサ(図示せず)、ブレーキペダルの踏み込み量を検知するブレーキポジションセンサ(図示せず)、車両の速度を検知する車速センサ(図示せず)が接続され、車両制御装置2は、ドライバからのアクセルやブレーキの入力量と車速に応じて、トルク指令値Trefを決定し、車両用モータ制御装置1へ指令する。
車両用モータ制御装置1では、補償演算器20は、車両制御装置2が指令するトルク指令値Trefと車両共振補償演算部23が算出する共振補償トルク値Tcmpとから、車両用モータ3を駆動するモータ駆動トルク値Tref cmpを算出し、電流指令演算部21は、このモータ駆動トルク値Tref cmpに基づき、dq軸変換、三相変換などの各種演算を行って、三相交流の制御条件を決定し、バッテリ8の直流を所望の三相交流波形に変換し、車両用モータ3を駆動させるようインバータ22内のパワースイッチング素子に働きかける。これにより、車両共振補償演算を行って車両用モータの駆動させることにより、車両の共振を低減することができる。
車両共振補償演算部23では、まず、共振成分抽出部24にて、駆動状態検出手段であるモータ電気角センサ4から得られたモータ電気角ωから車両共振周波数成分を抽出するために共振周波数成分抽出フィルタを通して共振周波数成分ωfilを抽出する。続いて、振動ゲイン算出部25にて、この共振周波数成分ωfilをあらかじめ設定、記憶された値を参照して補正する共振ゲイン値κmを決定する。さらに、補償ゲイン演算部26にて、車両制御装置2から指示されるゲイン値κと、上記の共振ゲイン値κm及びモータ電気角ωとから、次式により共振補償トルク値Tcmp*を算出する。さらに、リミッタ27により共振補償トルク値Tcmp*の上限値及び下限値の調整を行って、調整後の共振補償トルク値Tcmpを補償演算器20に出力する。
ここで、車両共振補償演算部23に入力されるモータ電気角ωとしては、モータ電気角センサ4からの出力値を用いてもよいし、モータトルク、モータ電流から推定されるモータ電気角ωを用いてもよい。
車両用モータ3は、トランスミッション(T/M)5を介して車両の駆動輪6に接続され、駆動輪6は車両用モータ3のトルクによって回転され地面からの反力によって、車両は推進力を得ることができる。なお、ここで、トランスミッション5は単なる減速機であってもよいし、数段の減速比を変更できる機構を備えた変速機であってもよい。
ここでいう車両の共振とは、車両発進時や加速時にモータ慣性と駆動系のねじりバネによる共振によって車両固有の振動を起こすことを指す。ここで、ねじり共振の周波数fbは2慣性系のモデルによって求められるものであり、次式により求めることができる。
ここで、Jmはモータ慣性モーメント、JIはタイヤ及び車体の慣性モーメント、Sは駆動軸のバネ定数である。このため、これらのパラメータに影響を与えるような運転状態が変更された場合には、共振周波数fbは変化する。例えば、車両の加速度によって駆動軸側のタイヤにかかる車体の慣性モーメントJIが大きくなった場合には、共振周波数fbは小さくなる。その他にもモータ速度、モータトルク、モータ電流、車両の勾配によっても車体の慣性モーメントは変化する。
続いて、図2に示す本発明で使用される共振成分抽出部24の共振周波数成分抽出フィルタの特性について説明する。共振成分抽出部24は、モータ電気角センサ4から得られたモータの電気角ωからフィルタを通して車両の共振周波数成分を抜き出したωfilを算出する。ここで使用する伝達特性G(s)の要素を持つ共振周波数成分抽出フィルタは、例えば、ハイパスフィルタとローパスフィルタを組み合わせることにより得られる。
ここで、sはラプラス演算子、H(s)は、ハイパスフィルタの伝達関数、KHはハイパスフィルタのゲイン、τ1は、ハイパスフィルタの時定数である。また、L(s)は、ローパスフィルタの伝達関数、KLはローパスフィルタのゲイン、τ2は、ローパスフィルタの時定数である。また、τ1及びτ2は、それぞれ、共振周波数の最小値fmin、最大値fmaxで決定される値であり、次式で表される。
このフィルタの共振周波数の最小値fmin、最大値fmaxは、例えば、fminは5Hz、fmaxは100Hzと設定されており、この場合には、5Hzから100Hzの共振周波数成分のみを抽出することができる。
ここで、共振周波数の最小値fmin及び共振周波数の最大値fmaxは、車両の共振周波数fbに基づき設定される。従って、共振周波数fbが変化した場合には、車両制御装置2によってfmin及びfmaxを変更し、新たに最適な車両の共振周波数の通過領域を設定する。すなわち、車両は加速度センサなどの振動検出手段(図示せず)を持ち、実際発生している車両の共振周波数に応じて、共振周波数の最小値fmin及び共振周波数の最大値fmaxを変更することで、予期せぬ外的要因により車両共振が発生した場合においても車両の共振を抑制することが可能となる。
また、加速度センサなどの振動検出手段がない場合においても、弾性系とともに共振周波数を決める要素である車両重量や路面の勾配によって車両の共振周波数が変化することは、当然考えられることであり、共振周波数の最小値fmin及び共振周波数の最大値fmaxを変更することで車両共振を抑えることができる。
さらに、車両重量が増加した場合には、車両の共振周波数が低くなるため、共振周波数の最小値fmin及び共振周波数の最大値fmaxを低く設定する必要がある。また、路面の勾配により共振源となる弾性系にかかる重量が増加した場合にも、同様に、共振周波数の最小値fmin及び共振周波数の最大値fmaxを低く設定する必要がある。これらの車両重量や勾配のセンサ(図示せず)によって、共振周波数の最小値fmin及び共振周波数の最大値fminを自動的に変更する構成を採用することにより、より効果的に車両の共振を抑制することが可能になる。
次に、実施の形態1による車両用モータ制御装置を用いた車両の共振抑制の処理手順についてフローチャートを用いて説明する。
まず、図3のフローチャートを参照して、車両制御装置2での処理手順について説明する。最初に、車両安定化制御機能が作動しているかどうかの判定を行う(ステップS201)。車両安定化制御機能とは、車輪のロックによる滑走を防止する機能や横滑りを防止する機能等のことであり、車両制御装置2に車両安定化制御機能部2aとして備えられている。ここで、車両安定化制御機能部2aの動作が停止している場合には、次のステップS202に移行する。この車両安定化制御機能部2aが作動している場合には、車両用モータ制御装置1の車両共振補償演算部23の動作を停止させ、車両の安全機能への悪影響を防止する。
ステップS201において、車両安定化制御機能部2aが動作している場合には、次のステップS203に移行する。ステップS203では、車両速度及びスリップ率に基づき、補償ゲイン演算部26で用いられるゲイン値κが決定される。例えば、路面状態が悪く滑りやすい場合は、設定値を低くすることにより、共振補償によるスリップを未然に防ぐことが可能となる。
続いて、ステップS204では、車両速度およびスリップ率に基づき、共振補償トルク値Tcmp*を制限するリミッタ27のリミット値(上限値及び下限値)が決定される。
また、ステップS205では、車両速度やアクセルペダルの踏み込み量等の車両情報によりトルク指令値Trefが決定される。
さらに、ステップS206では、車両用モータ制御装置1へ、ゲイン値κ、リミット値
、トルク指令値Tref及び車両共振補償演算部23の動作の要否が送信される。
、トルク指令値Tref及び車両共振補償演算部23の動作の要否が送信される。
次に、図4のフローチャートを参照して、車両用モータ制御装置1での処理手順について説明する。まず、ステップ301で、上記ステップS206の処理による車両制御装置2から送信されたゲイン値κ、リミット値、トルク指令値Tref及び車両共振補償演算部23の動作の要否情報を取得する。
ステップS302では、車両制御装置2から送信された車両共振補償演算部23の動作の要否信号から車両共振補償演算部23を動作させるかどうかの判定を行う。車両共振補償演算部23を動作させない場合には、ステップS303に移行し、共振補償トルク値Tcmpの算出は行われず、トルク指令値Trefが電流指令演算部21に送られる。
ステップS304では、車両用モータ3に設けられたモータ電気角センサ4によりモータ電気角ωが検出される。
ステップS305では、共振成分抽出部24にてモータ電気角ωから上述した伝達特性G(s)持つ共振周波数成分抽出フィルタを通して共振周波数成分ωfilが抽出される。
ステップS306では、抽出された共振周波数成分ωfilを用いて、車両が共振しているかどうかの判定を行う。車両の共振周波数成分ωfilが、予め定められた閾値未満である場合には、車両が共振していないものと判定され、ステップS303に移行し、トルク指令値Trefが電流指令演算部21に送られる。
ステップS306では、車両の共振周波数成分ωfilが、予め定められた閾値以上である場合には、ステップS307へ移行し、ここで、共振ゲイン値κmが算出される。共振ゲイン値κmは、モータ電気角ωの振動と車両の振動との相関関係等を考慮し、共振成分抽出部24により抽出された共振周波数成分ωfilに応じた補正係数を表すものであり、予め記憶されているもので、例えば、ルックアップテーブルを参照することで算出される。
ステップS308では、車両制御装置2から指示されたゲイン値κ、上記共振ゲイン値κm及びモータ電気角ωを用いて、共振補償トルク値Tcmp*が算出される。
ステップS309では、リミッタ27により、上記で算出された共振補償トルク値Tcmp*は、予め設定された上限値及び下限値で調整される。これは、予期せぬ外乱等により共振補償トルク値Tcmp*として大きな値が発生した場合に、インバータ22や車両用モータ3の制御に悪影響を与えないよう共振補償トルク値Tcmp*の値に制限を加える働きをする。この調整を行った後の数値が、車両共振補償演算部23での共振補償トルク値Tcmpとされる。
最後に、ステップS311では、車両共振補償演算部23で算出された共振補償トルク値Tcmpと車両制御装置2から指令されるトルク指令値Trefとにより、次式を用いて、車両の共振補償を行うためのモータ駆動トルク値Tref cmpが算出され、電流指令演算部21にて、このモータ駆動トルク値Tref cmpに基づき、電流指令演算処理を行い、インバータ22から所望の三相交流波形が出力されることにより車両に共振を発生させないように車両用モータ3が駆動される。
これにより、車両用モータ3のモータ電気角ωから適切な共振周波数成分抽出フィルタを通して車両共振の振動源となる共振周波数成分ωfilが抽出され、抽出された共振周波数成分ωfilを補償する共振補償トルク値Tcmpが求められ、トルク指令値Trefと演算することによって得られたモータ駆動トルク値Tref cmpで車両用モータ3を駆動させることで、迅速に共振周波数成分のみを除去/軽減することができる。
このように、実施の形態1における車両用モータ制御装置によれば、車両用モータのモータ電気角から得られる振動成分の中から共振周波数成分抽出フィルタにより、車両の共振周波数成分に関するものを抽出し、さらに、モータ電気角の振動と車両の振動の相関関係を考慮した補正係数を乗じた上で、モータ駆動トルク値の共振周波数成分を補償し、補償されたモータ駆動トルク値で車両用モータを駆動させることにより車両の共振を解消することができるという顕著な効果が期待できる。
なお、上記実施の形態では、電気自動車の車両用モータが1つの場合について説明したが、車両用モータが1つではなく、各車輪にモータを備えるインホイールモータの場合であっても適用することができる。
また、図1で示す実施の形態1の全体構成図では、車両として電気自動車(EV)を想定した場合について説明したが、適用される車両は電気自動車だけではなく、内燃機関と車両用モータの両方を備えるハイブリッド自動車であってもよい。ハイブリッド自動車の場合には、ねじり共振の周波数fbを表す数式において、クランクシャフトの慣性モーメントJcsが追加され、次式で表される。この数式に基づいて、車両制御装置2により共振周波数成分抽出フィルタの周波数特性を変更することで車両の共振を抑制する効果を発揮することができる。
また、上記実施の形態1では、車両共振補償演算や電流指令演算に関する演算を行う制御部とインバータ部が別体である場合について説明を行なったが、制御部とインバータ部が一体であってもよい。また、車両用モータは、三相交流モータであれば、永久磁石式モータのものや誘導式モータのものであってもよく、ねじれ共振が発生しうる全てのモータに適用することが可能である。これらの場合も、上記実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、共振周波数成分抽出フィルタには、ハイパスフィルタ(1次進みフィルタ)とローパスフィルタ(1次遅れフィルタ)を組み合わせたバンドパスフィルタを用いる場合について説明したが、2次のフィルタであってもよく、共振周波数近傍の信号を抽出することができる公知のフィルタを適用することが可能である。この場合には、より周波数を限定して制御することが可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 車両用モータ制御装置
2 車両制御装置
3 車両用モータ
4 モータ電気角センサ(レゾルバ)
8 バッテリ
20 補償演算器
21 電流指令演算部
22 インバータ
23 車両共振補償演算部
24 共振成分抽出部
25 振動ゲイン算出部
26 補償ゲイン演算部
27 リミッタ
2 車両制御装置
3 車両用モータ
4 モータ電気角センサ(レゾルバ)
8 バッテリ
20 補償演算器
21 電流指令演算部
22 インバータ
23 車両共振補償演算部
24 共振成分抽出部
25 振動ゲイン算出部
26 補償ゲイン演算部
27 リミッタ
Claims (12)
- 車両用モータの駆動状態を検出する駆動状態検出手段により得られた信号から共振周波数成分を抽出する共振成分抽出部を有し、前記抽出された共振周波数成分から共振補償トルク値を算出する車両共振補償演算部と、
車両安定化制御装置を有する車両制御装置から出力された前記車両用モータを駆動させるトルク指令値を前記共振補償トルク値にて補償処理し、モータ駆動トルク値を算出する補償演算器と、
前記モータ駆動トルク値に基づき、バッテリの直流を交流に変換するインバータに、前記車両用モータを駆動するモータ電流を指令する電流指令演算部と、を備えたことを特徴とする車両用モータ制御装置。 - 前記車両共振補償演算部は、前記抽出された共振周波数成分を補正する共振ゲイン値を算出する振動ゲイン算出部と、前記駆動状態検出信号、前記共振ゲイン値及び前記車両制御装置から指示されるゲイン値との演算により共振補償トルク値を算出する補償ゲイン演算部と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記駆動状態検出手段は、前記車両用モータのモータ電気角、モータ回転数、モータ駆動トルク及びモータ電流のうち少なくとも1つを検出するセンサであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記抽出された共振周波数成分の値が所定値以上である場合に、前記車両共振補償演算部にて前記共振補償トルク値が算出されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記車両共振補償演算部は、前記車両制御装置により制御されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記車両共振補償演算部は、前記車両安定化制御装置の動作時には機能が停止されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記共振成分抽出部は、ハイパスフィルタとローパスフィルタとを組み合わせた共振周波数成分抽出フィルタにより構成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記共振周波数成分抽出フィルタの下限周波数及び上限周波数が、前記車両制御装置により変更が可能であることを特徴とする請求項7に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記下限周波数が5Hz以上、前記上限周波数が100Hz以下に設定されていることを特徴とする請求項8に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記共振ゲイン値は、前記車両制御装置により変更が可能であることを特徴とする請求項2のから請求項9のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記車両共振補償演算部は、前記共振補償トルク値を上限値及び下限値で制限するリミッタが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車両用モータ制御装置。
- 前記共振補償トルク値の上限値及び下限値は、前記車両制御装置により変更が可能であることを特徴とする請求項11に記載の車両用モータ制御装置。
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