JP2013087934A - 繊維製固定ピン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方向に配列された多数本のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維等の細繊維が拘束されて拘束部とされた繊維製固定ピンであって、両端から所定長の前記細繊維のうち少なくとも一方の前記細繊維は相互に拘束されない非拘束部とされた繊維製固定ピンとした。
【選択図】図1
Description
この合成樹脂性釘は、剛性が高く、吸水してもその後の曲げ剛性の低下が少ないものとなり、また、ポリアミド樹脂とガラス繊維のみにて構成されるため、安価なものとすることができる。
また、接合された部材に対し大きな引き剥がし力が作用したとき、釘頭が部材内に陥没して両部材間に間隙が生じ接合が破壊されることがある。これを防ぐために大きな面積を有する座金を介在させる必要が生じる。
釘頭や座金が部材表面の美観を損ねるという問題もある。
また、長期的に使用しても強度が低下することのない信頼性の高い固定具を提供することができる。
また、請求項3乃至4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項2のいずれかに記載された繊維製固定ピンを簡単な方法で製造することができる。
上記したとおり、本発明の繊維製固定ピンの形態としては、一つの部材に有底孔を一つ以上の他の部材に貫通孔を形成して2以上の複数の部材を固着する形態と2以上の複数の部材全てに貫通孔を形成してこれらの部材を固着する形態の2つがある。
拘束部は貫通孔と有底孔に挿入されて接着剤により固定され、非拘束部は貫通孔から突出し部材表面に折り曲げられた状態で膜形成材にて固定される。
両端の非拘束部が貫通孔から表裏に突出し部材表裏面に折り曲げられた状態で膜形成材にて固定される。
≪繊維製固定ピン(A)≫
図1を参照して繊維製固定ピン(A)の構成について説明する。
繊維製固定ピン(A)1は、各繊維径1〜10μm、長さ120mm程度の細繊維約100本を1束にした市販ガラス繊維を4束束ねて直径2mm程度の太さにしたものを一端から約20mmを樹脂にて固化・一体化して拘束部2とし、他端は個々の細繊維が相互に拘束されない100mm長の非拘束部3とされている。
細繊維約100本を1束にした上記市販ガラス繊維の束ね数は、耐引抜強度に応じて増減するが、2.5kN以上の引き抜き強度を確保することが好ましい。
次いで、上記した繊維製固定ピン1の製造方法について説明する。
図3に示されるように、直径4mm長さ30mm程度の離型性を有するストロー等の透明筒4内に上記の市販ガラス繊維を4束束ねて直径2mm程度の太さにしたものの一端を挿入し、この透明筒4の上端開口から紫外線硬化型接着剤5を注入すると毛細管現象により接着剤5は細い繊維間に浸透する。紫外線または太陽光を照射して接着剤5を硬化させ透明筒4を除去する。
使用する細繊維としては、上記したガラス繊維に代えて、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維のいずれかとしてもよい。
図4に示されるように上記した市販ガラス繊維を4束束ねて直径2mm程度の太さにした長尺のガラス繊維を離型紙6上に載置し、100mmの間隔を空けて20〜30mm長さのアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の接着剤5を垂らし接着剤をしごいて十分に繊維内にしみ込ませて拘束部2を形成し、接着剤5が硬化した段階でガラス繊維と離型紙6を分離し、その後接着剤が固化した拘束部2の一端部位でガラス繊維をC−C線で切断して上記繊維製固定ピン(A)を製造する。
拘束部2は、接着剤に代えて糸材を捲回することにより形成することも可能である。
図2を参照して繊維製固定ピン(B)について説明する。
この繊維製固定ピン11は、上記した市販ガラス繊維を4束束ねて直径2mm程度の太さにしたものの中央部20〜30mmを樹脂にて固化・一体化して拘束部12とし、両端は各々個々の細繊維が相互に拘束されない100mm長の非拘束部13,13とされている。
次に、繊維製固定ピン(B)11の製造方法について説明する。
上記した市販ガラス繊維を4束束ねて直径2mm程度の太さにした長尺のガラス繊維を離型紙上に載置し、200mmの間隔を空けて20〜30mm長さのアクリル樹脂、エポキシ樹脂等の接着剤を垂らして接着剤をしごいて十分に繊維内にしみ込ませて拘束部12を形成し、接着剤が硬化した段階でガラス繊維と離型紙を分離し、その後200mm長さの非拘束部の中央部位でガラス繊維を切断して上記繊維製固定ピン(B)を製造する。
一端が拘束部2、他端が非拘束部3とされた実施例1の繊維製固定ピン1を剥離した既設タイル張り仕上げ壁と建物躯体の接合構造に使用した例について説明する。
浮き部30が確認されたときは、通常の方法により予め浮き部の補修を済ませておく。
繊維製固定ピン(A)1の挿入固定数は、既設仕上げ壁の重量を考慮すると、平米当たり4本程度が適当である。
続いて、圧縮空気等で接着の妨げとなる穿孔26内の切粉を除去する。
短繊維混入透明水性アクリル樹脂系エマルジョンを既設仕上げ壁表面に塗布する前処理として、外壁タイル面を高圧水洗い等で洗浄する。
このコートシーラーの樹脂として具体的には、基剤としてアクリルシリコーン系樹脂ワニス13に対して、硬化剤としてアクリルシリコーン系樹脂用触媒溶液1を配合したものを用いた。
そして、タイル目地部25と下地モルタル23に形成された貫通孔、コンクリート躯体21に形成された有底孔(盲穴)26内に繊維製固定ピン1の拘束部2を挿入する。
なお、図6に示されるように縦目地、横目地とも連続して直線的に伸びていれば非拘束部3のフリー状態の繊維を4分割して目地の幅に合わせて1束(100本)以上を束ねて目地に沿わせて十字状に、中塗り層(1回目)に仮接着してもよい。
また、図示を省略するが、縦目地が千鳥状に形成されている場合は、非拘束部3の繊維を3分割して束ね、束ねた繊維を目地に沿わせてエ字状または逆T字状に仮接着してもよい。
塗布作業中においては混濁していた短繊維混入透明水性アクリル樹脂系エマルジョンの2層の塗布層は、乾燥して透明なアクリル樹脂系エマルジョン塗膜となる。
そして、非拘束部3は、透明塗膜に埋め込まれて透明となるから外部から視認することはできない。
トップコートの樹脂として具体的には、基剤として2%添加剤を添加したアクリルシリコーン系樹脂ワニス11に対して、硬化剤としてアクリルシリコーン系樹脂用触媒溶液1を配合したものを用いた。
なお、添加剤の添加量を増やしていくことにより、トップコートの艶を少しずつ減らしていくことができる。
このときの塗布量は0.2〜0.3Kg/m2とするが、透明アクリル樹脂系エマルジョン塗膜層となじませ、長期間に亘って該塗膜層を保護するために、2回塗りすることが望ましい。
いわば、拘束部2と透明樹脂塗膜31が画鋲の頭に相当するものである。
前者の形態を採用すると、穿孔26の位置がタイル目地部25の交差部に限られず、目地部であればどの位置でも穿設することができる。
また、透明アクリル樹脂系エマルジョン塗膜31の広い範囲にわたって、非拘束部3が該塗膜層31と一体化され、非拘束部3が塗膜31から抜け出る際の頭抜け強度を大きくすることができる。
なお、本実施例においては、繊維製固定ピンの非拘束部3を中塗り層(1回目)と中塗り層(2回目)の間に挟んで、透明アクリル樹脂塗膜層と繊維製固定ピンの非拘束部3とを一体化しているが、下塗り層と中塗り層(1回目)との間に挟む形態とすることも可能である。
このため、たとい既設仕上げ壁の一部が建物躯体21から剥離しても、剥離した既設タイル張り仕上げ壁は、その表面に形成されている透明樹脂塗膜31が引き裂かれ、破断されない限り、該塗膜に懸垂された状態が維持されて下方に落下することが防止される。
次いで、短繊維混入透明水性アクリルシリコーン樹脂エマルジョンの調整方法について詳述する。
成膜後透明となる、固形分50%の透明水性アクリルシリコーン樹脂エマルジョン92重量部に対し、長さ5mm、太さ28μmのビニル樹脂短繊維、ナイロン樹脂短繊維、ガラス短繊維等の短繊維2重量部を混入し、さらに、造膜助剤4重量部と分散剤・消泡剤等の添加剤2重量部を加えて攪拌する。
通常これら短繊維は、透明水性アクリルシリコーン樹脂エマルジョンに混ぜたとき透明とならない。
透明水性アクリル樹脂系エマルジョンに混入する短繊維の長さ、太さ及び混入割合を所定の範囲に設定することにより、塗膜が透明となり、所定の引張強度、引裂強度、接着力を有しつつ、適正な伸び率を確保して均一な膜厚とすることができる。
透明水性アクリル樹脂系エマルジョンとしては、前記アクリルシリコーン樹脂エマルジョンの他に、アクリル単独重合樹脂エマルジョンあるいは他のアクリル共重合樹脂エマルジョンを用いることができる。
これら3つのエマルジョンは、それぞれ単独で用いることができることは勿論、2以上のものを組み合わせて混合して用いることができる。
なお、本明細書において配合割合を表すとき、断わりのない限り重量比で表している。
ガラス繊維製は、強度の改善性に優れているが、細いため未加工で使用すると繊維と繊維の間に空気が入り、塗膜の透明性が劣ることとなるので、単繊維を数十本エポキシ樹脂等で結束することにより塗膜の透明性を確保することができる。
繊維太さの下限値はガラス繊維製で1μm、その上限値はビニル樹脂製とナイロン樹脂製で50μm程度であり、1〜30μmとするのが好適である。
また、このアクリル樹脂は有機溶媒を使用しない水性エマルジョンであるので、作業環境を改善し得る。
中央部が拘束部2、両端が非拘束部3とされた上記実施例2の繊維製固定ピン1を2以上の全ての部材に貫通孔が形成された部材同士の接合構造に使用した例について説明する。
貫通孔46が形成された3つの部材41,42,43の接合構造を図7に示す。
この使用例では、繊維製固定ピン1の中央に位置する拘束部2は、貫通孔46に接着剤にて固着され、部材表裏面から突出している非拘束部3は、透明樹脂塗膜31内に挟み込まれた構造である。
このコートシーラーの樹脂としては、使用例1と同一のものを用いた。
塗布作業中においては混濁していた短繊維混入透明水性アクリル樹脂系エマルジョンの2層の塗布層は、乾燥して透明なアクリル樹脂系エマルジョン塗膜となる。
2(12) 繊維製固定ピンの拘束部
3(13) 繊維製固定ピンの非拘束部
4 透明筒(ストロー)
5 接着剤
6 離型紙
21 躯体
22 仕上げ壁材
23 モルタル
25 目地部
26 穿孔
29 浮き部
30 充填エポキシ樹脂
31 透明アクリル樹脂系エマルジョン塗膜層
41(42,43) 部材
46 貫通孔
Claims (4)
- 一方向に配列された多数本の細繊維が拘束されて拘束部とされた繊維製固定ピンであって、両端から所定長の前記細繊維のうち少なくとも一方の前記細繊維は相互に拘束されない非拘束部とされた繊維製固定ピン。
- 前記細繊維が、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維であることを特徴とする請求項1に記載された繊維製固定ピン、
- 前記拘束部は、硬化した合成樹脂によって拘束されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載された繊維製固定ピン。
- 前記拘束部は、巻糸によって拘束されていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載された繊維製固定ピン。
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JP2003161002A (ja) * | 2001-11-26 | 2003-06-06 | Shimizu Corp | 定着用アンカー |
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