JP2013087501A - 床版補強方法 - Google Patents

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【課題】既設アスファルト混合物層を補修する施工を行っても、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性が低下しにくく、かつ従来の鋼繊維補強コンクリート層と同等以上の曲げ強度、曲げ靭性を有する床版補強方法を提供する。
【解決手段】床版補強方法は、繊維補強コンクリート層形成工程と、アスファルト混合物層形成工程とを備えている。繊維補強コンクリート層形成工程では、床版11上にセメント、骨材、有機繊維および水を含むコンクリートを被覆施工して繊維補強コンクリート層12を形成する。アスファルト混合物層形成工程では、繊維補強コンクリート層12上に防水層およびアスファルト混合物層13を形成する。繊維補強コンクリート層形成工程では、有機繊維に、有機繊維の繊維集合体を用いている。
【選択図】図1

Description

本発明は、床版補強方法に関する。
従来、コンクリートに鋼繊維が混入された高強度繊維補強コンクリートを主要構成材料としたコンクリート床版補強工法や鋼床版補強工法が知られている。例えば、特許文献1には、コンクリートにシリカヒュームと膨張材と鋼繊維が混入された高強度繊維補強コンクリートを主要構成材料とした鋼橋用床版が提案されている。
特開2009−7925号公報
ところで、高速道路等では、コンクリート床版の補強(補修)に上面増厚工法が用いられている。この上面増厚工法では、一般に、上面増厚したコンクリート(繊維補強コンクリート層)の上面にアスファルト混合物層を2層設けるため、床版ジョイントの嵩上げを行うことが必要となる。
しかし、都市部の高速道路等のコンクリート床版や鋼床版を補強する施工においては、施工可能時間帯が夜間もしくは集中工事時に限られているため、ジョイントの嵩上げを行う時間的余裕がない。また、仮に、時間をかけて嵩上げを行ったとしても、そのジョイント前後の舗装をすりつけざるを得ず、上面増厚工法は現実的に高速道路には適さないという問題がある。このため、都市部の高速道路あるいは制約条件のある橋梁などでは、繊維補強コンクリート層の上面に構築されるアスファルト混合物層は1層とならざるを得なかった。
また、既設アスファルト混合物層を補修する施工では、既設アスファルト混合物層を路面切削機で切削し、この切削面上にアスファルト混合物層を舗設する切削オーバーレイ工法が採用されている。
しかし、既設アスファルト混合物層が1層である場合、切削オーバーレイ工法での切削作業において、補修対象であるアスファルト混合物層だけではなく、繊維補強コンクリート層の表面も切削されやすい。このように、繊維補強コンクリート層の表面が切削されると、繊維補強コンクリート層に混入している鋼繊維が路面切削機のビットで起こされて毛羽立った状態となる。この状態でアスファルト混合物層を繊維補強コンクリート層上に舗設すると、毛羽立った状態の鋼繊維の影響により、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性が低下し、早期に破損してしまうという問題がある。また、アスファルト混合物層が1層の場合、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との付着強度が十分に得られないと、アスファルト混合物層が流動現象を生じ、一部剥離現象を生じることがある。このため、既設アスファルト混合物層を補修する施工を行っても、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性が低下しにくく、かつ従来の鋼繊維補強コンクリート層と同等以上の曲げ強度、曲げ靭性を有する床版補強方法が求められている。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、既設アスファルト混合物層を補修する施工を行っても、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性が低下しにくく、かつ従来の鋼繊維補強コンクリート層と同等以上の曲げ強度、曲げ靭性を有する床版補強方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の床版補強方法は、
床版上にセメント、骨材、有機繊維および水を含むコンクリートを被覆施工して繊維補強コンクリート層を形成する繊維補強コンクリート層形成工程と、
前記繊維補強コンクリート層上に防水層およびアスファルト混合物層を被覆施工するアスファルト混合物層形成工程と、を備え、
前記繊維補強コンクリート層形成工程では、前記有機繊維に、有機繊維の繊維集合体を用いる、ことを特徴とする。
前記有機繊維の繊維集合体は、例えば、一方向に配列した複数本の有機単繊維を束ねたマルチフィラメントを切断し、該切断したマルチフィラメントの切断物の一端部、両端部または中間部を固着手段により固着して形成されている。
前記有機繊維の繊維集合体は、例えば、芳香族ポリアミド系繊維のアラミド繊維である。
前記有機繊維に、さらに、ポリビニルアルコール系繊維、および、ポリプロピレン系繊維の少なくとも一方を含ませることが好ましい。
前記有機繊維の繊維集合体がアラミド繊維であり、さらにポリビニルアルコール系繊維のビニロン繊維を含み、前記アラミド繊維と前記ビニロン繊維とが1:1〜1:5の配合比率で添加されていることが好ましい。
前記有機繊維は、例えば、前記コンクリートに対する容積比で0.5〜3%の割合で添加されている。
本発明によれば、既設アスファルト混合物層を補修する施工を行っても、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性が低下しにくく、かつ従来の鋼繊維補強コンクリート層と同等以上の曲げ強度、曲げ靭性を有する床版補強方法を提供することができる。
本発明の床版補強方法により形成された床版補強構造体の一例を示す図である。
以下、本発明の床版補強方法について図面を参照して説明する。図1は、本発明の床版補強方法により形成された床版補強構造体1の一例を示す図である。
本発明の床版補強方法は、床版11上に繊維補強コンクリート層12を形成する繊維補強コンクリート層形成工程と、繊維補強コンクリート層12上に防水層およびアスファルト混合物層13を被覆施工するアスファルト混合物層形成工程と、を備えている。
本発明に用いられる床版11としては、橋梁や高速道路などに使用されるコンクリート床版や鋼床版などが挙げられる。
繊維補強コンクリート層形成工程では、セメント、骨材、有機繊維および水を含むコンクリートを床版11上に被覆施工することにより、床版11上に繊維補強コンクリート層12を形成する。
本発明に用いられるセメントとしては、通常用いられるセメント、例えば、気硬性セメント、水硬性セメント等のセメント類が使用可能である。特に、ポルトランドセメント、アルミナセメント、ジェットセメント、混合セメント等、一般に広く用いられているセメントを使用することができる。
本発明に用いられる骨材としては、細骨材および粗骨材がある。細骨材としては、川砂、山砂などの天然砂と、砕砂および高炉スラグ細骨材などの人工砂を用いることができる。粗骨材としては、砂利および砕石などを用いることができる。
本発明に用いられる有機繊維には、有機繊維の繊維集合体が含まれている。繊維集合体とは、例えば、一方向に配列した複数本の有機単繊維を束ねたマルチフィラメントを切断し、切断したマルチフィラメントの切断物の一端部、両端部または中間部を固着手段により固着して形成された有機繊維の集合体をいう。このように有機繊維に有機繊維の繊維集合体が含まれることにより、後述する繊維補強コンクリートの混合製造時に、束ねた有機繊維が外力の作用でほぐれて生じた隙間にセメントペーストが含浸、硬化し、コンクリートの曲げ靭性が向上する。このとき、ほぐれた有機繊維を観察すると、個々の繊維は少なくともその一部が互いにつながっており、繊維集合体の状態を保持していた。このような有機繊維の繊維集合体としては、芳香族ポリアミド系繊維、例えば、アラミド繊維が挙げられる。
また、本発明に用いられる有機繊維には、ビニロン繊維のようなポリビニルアルコール系繊維、または、ポリプロピレン系繊維が含まれていることが好ましい。このような有機繊維が含まれることにより、コンクリートを拘束してコンクリートの収縮を防止することができるとともに、コンクリートの膨張を制御してコンクリートが膨張しすぎないようにすることができる。
有機繊維は、繊維集合体としてのアラミド繊維と、ポリビニルアルコール系繊維としてのビニロン繊維とが含まれていることが特に好ましい。かかる繊維を含ませることにより、形状安定性に優れた繊維補強コンクリート層が形成されるとともに、その曲げ靭性が単種の有機繊維を混入したものに比べ向上するためである。アラミド繊維とビニロン繊維とは、その配合比率が1:1〜1:10で添加されていることが好ましく、1:2〜1:5で添加されていることがさらに好ましい。かかる範囲とすることにより、さらに施工性が向上するためである。
有機繊維は、その直径が0.2mm〜0.8mmのものを用いることが好ましく、0.4〜0.6mmのものを用いることがさらに好ましい。直径が0.2mm未満であると有機繊維の引張強度が不足して、これらの繊維が張力を受けたときに切れてしまうおそれが生じ、直径が0.8mmを超えるとコンクリート中の有機繊維の本数が相対的に少なくなり、コンクリートを効果的に拘束できないおそれが生じるためである。
また、有機繊維は、その長さが10mm〜50mmのものを用いることが好ましく、20mm〜40mmのものを用いることがさらに好ましい。繊維長が20mm未満であるとコンクリートを効果的に拘束できないおそれが生じ、繊維長が40mmを超えるとファイバーボールが生じやすくなるおそれが生じるためである。
なお、有機繊維は、その一部が突出した形状となっているものを用いてもよい。この場合には、突出した部分がセメントモルタルと絡み合うことにより、コンクリートの曲げ靭性をさらに向上させることができる。
有機繊維の配合量は、コンクリートに対する容積比で0.5%〜3%の割合で添加されていることが好ましい。有機繊維の配合量が0.5%未満であると繊維の補強効果が低く、3%を超えるとコンクリートのワーカビリティが低下するおそれがある。
繊維補強コンクリートは、例えば、セメント、骨材、有機繊維、および水を所定の撹拌速度、撹拌時間で混練することにより形成することができる。そして、この繊維補強コンクリートを床版11上に敷き均して締め固める等の被覆施工をすることにより、床版11上に繊維補強コンクリート層12を形成することができる。
なお、本発明に用いられる繊維補強コンクリートには、さらに、混和剤、ポリマーなどの適宜の材料を添加してもよい。例えば、セメント、骨材、有機繊維などの材料を混和する場合には、分散性を向上させるために各種の分散剤や湿潤剤、界面活性剤、コンクリートの凝結時間を調節するための減水剤、増粘剤、消泡剤、凝結遅延剤を添加することが好ましい。
このような繊維補強コンクリートは、例えば、スランプが4.5cm〜12.5cmで、かつ、打設から3時間経過後の圧縮強度が24N/mm以上、曲げ強度が4.8N/mm以上となるように形成することが好ましい。
アスファルト混合物層形成工程では、繊維補強コンクリート層12上に防水層およびアスファルト混合物層13を被覆施工する。
防水層は、繊維補強コンクリートの硬化後、繊維補強コンクリート内部への水の浸透を防ぐものである。本発明に用いられる防水層としては、シート系防水層および塗膜系防水層のいずれであってもよく、防水性を有すると共に、繊維補強コンクリート層12およびアスファルト混合物層13と接着性がよいものが用いられる。
アスファルト混合物層13は、アスファルト混合物を被覆施工することにより形成される。本発明に用いられるアスファルト混合物としては、通常用いられるアスファルト混合物、例えば、密粒度アスファルト混合物、密粒度ギャップアスファルト混合物、細粒度ギャップアスファルト混合物、ポーラスアスファルト混合物などの各種のアスファルト混合物が挙げられる。
次に、本発明の床版補強方法について具体的に説明する。
本発明の床版補強方法では、橋梁や高速道路などに使用される床版11上に、例えば、移動式コンクリート製造装置により製造した繊維補強コンクリートを、例えば、コンクリート仕上げ装置により被覆施工して、床版11上に繊維補強コンクリート層12を形成する。続いて、繊維補強コンクリート層12上に、防水層、および、アスファルト混合物層を被覆施工する方法である。
まず、移動式コンクリート製造装置を用いて、セメント、骨材、有機繊維、および水、必要に応じて混和剤を所定の撹拌速度、撹拌時間で混練することにより繊維補強コンクリートを製造する。
ここで、本発明の繊維補強コンクリートには、有機繊維の繊維集合体が含まれているので、繊維補強コンクリートの混合、混練時に、有機繊維の繊維集合体がほぐれ、このほぐれにより生じた有機繊維の隙間にセメントモルタルが含浸、硬化する。このため、形成される繊維補強コンクリート層12の曲げ靭性が向上する。
また、本発明の繊維補強コンクリート中の有機繊維として、ポリビニルアルコール系繊維、または、ポリプロピレン系繊維を含ませることにより、コンクリートを拘束してコンクリートの収縮を防止することができるとともに、コンクリートの膨張を制御してコンクリートが膨張しすぎないようにすることができる。
さらに、本発明の繊維補強コンクリート中の有機繊維として、アラミド繊維とビニロン繊維とを含ませることにより、形状安定性に優れた繊維補強コンクリート層12を形成することができる。さらに、形成された繊維補強コンクリート層12の曲げ靭性を向上させることができる。
また、有機繊維は鋼繊維に比べて密度が小さい。例えば、繊維補強コンクリートの容積の1.25%の繊維が混入された場合、鋼繊維では、その重量が98kg/mであるのに対し、有機繊維では、その重量が20kg/m程度となる。このように、繊維補強コンクリート層12の重量を大幅に軽減することができ、下部構造に悪影響を及ぼしにくくすることができる。
次に、コンクリート仕上げ装置を用いて、床版11の表面に、スランプが4.5cm〜12.5cmとなるように製造した繊維補強コンクリートを敷き均す。続いて、例えば、スクリードプレートなどによって高周波振動を与え、敷き均された繊維補強コンクリートを締め固めることにより、床版11上に繊維補強コンクリート層12が形成される。
続いて、例えば、シート状防水層を被覆施工した後、アスファルトフィニッシャを用いて、アスファルト混合物を被覆施工することにより、繊維補強コンクリート層12上に防水層およびアスファルト混合物層13を形成する。この結果、床版11上に繊維補強コンクリート層12、防水層、および、アスファルト混合物層13が形成される。
次に、本発明の床版補強方法により形成された床版補強構造体1の既設アスファルト混合物層をオーバーレイ工法により補修する場合について説明する。
既設アスファルト混合物層をオーバーレイ工法により補修するためには、床版補強構造体1のアスファルト混合物層13(および防水層)を、図示しない路面切削機により切削し、切削により露出した繊維補強コンクリート層12上に、新規にアスファルト混合物層13を舗設する。
ここで、本発明の床版補強方法により形成された床版補強構造体1の繊維補強コンクリート層12には、鋼繊維が含まれていないので、繊維補強コンクリート層12の上面が路面切削機で削られても、鋼繊維が毛羽立った状態となることはない。
また、繊維補強コンクリート層12の補強繊維として有機繊維が用いられているので、コンクリート床版の補強時に床版補強構造体1の繊維補強コンクリート層12の上面が路面切削機で削られても、有機繊維が起こされて毛羽立った状態となりにくい。例えば、鋼繊維の毛羽立ちを処理する場合には、回転式研磨機による切断を行うが、このような方法では、路面切削機による切削面の凹部に露出した鋼繊維を処理できないので、この凹部にポリマーセメントモルタルを充填する方法を取る必要があり、時間と手間を要する。補強繊維として有機繊維を用いた場合、繊維そのものに柔軟性があり、その上に防水層やアスファルト混合物層13が形成されることにより、容易に折れ曲がる物性を持ち、毛羽立った状態となりにくい。このため、繊維補強コンクリート層12と、新規に舗設されたアスファルト混合物層13との接着性が低下しにくくなる。
さらに、繊維補強コンクリート層12に有機繊維の繊維集合体が含まれているので、形成される繊維補強コンクリート層12の曲げ靭性等が向上し、従来の鋼繊維補強コンクリート層と同等以上の曲げ強度、曲げ靭性を有することができる。
加えて、コンクリート床版の補強時に床版補強構造体1の繊維補強コンクリート層12の上面が路面切削機で削られ、仮に、有機繊維が起こされて毛羽立った状態となったとしても、バーナなどで加熱することにより有機繊維を容易に溶解することができる。例えば、同一混入量で10mの毛羽立った鋼繊維をカッターまたはアセチレンガスで処理する場合に要する時間は約1時間であるのに対し、毛羽立った有機繊維をガスバーナで処理する場合は約10分程度となり、大幅に作業時間を短縮することができる。このため、繊維補強コンクリート層12と、新規に舗設されたアスファルト混合物層との接着性への影響が少なくなる。
このように、本発明の床版補強方法によれば、既設アスファルト混合物層を補修する施工を行っても、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性を低下しにくく、かつ従来の鋼繊維補強コンクリート層と同等以上の曲げ強度、曲げ靭性を有することができる。また、水密性を向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、繊維補強コンクリート層12の補強繊維として有機繊維が用いられているので、コンクリート床版の補強時に床版補強構造体1の繊維補強コンクリート層12の上面が路面切削機で削られても、有機繊維が起こされて毛羽立った状態となりにくい。また、仮に毛羽立った状態となったとしても簡易な熱処理で溶解可能である。さらに、有機繊維は軟いために上載するアスファルト混合物の重みで寝てしまう。このため、繊維補強コンクリート層12と新規に舗設されたアスファルト混合物層との接着性を低下しにくくすることができる。
また、本実施の形態によれば、繊維補強コンクリートに有機繊維の繊維集合体が含まれているので、形成される繊維補強コンクリート層12の曲げ靭性が向上する。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
上記実施の形態では、有機繊維の繊維集合体としてアラミド繊維の場合を例に本発明を説明したが、繊維集合体としての有機繊維はアラミド繊維に限定されるものではなく、様々な有機繊維を用いることができる。この場合にも、繊維補強コンクリートの混合、混練時に、有機繊維の繊維集合体がほぐれ、このほぐれにより生じた有機繊維の隙間にセメントモルタルが含浸、硬化することにより、形成される繊維補強コンクリート層12の曲げ靭性が向上する。
また、有機繊維の繊維集合体は、繊維補強コンクリートの混合、混練時に、有機繊維の隙間にセメントモルタルが含浸、硬化可能なものであればよく、一方向に配列した複数本の有機単繊維を束ねたマルチフィラメントを切断し、該切断したマルチフィラメントの切断物の一端部、両端部または中間部を固着手段により固着したものに限定されるものではない。例えば、複数本の有機単繊維の一部が固着し、全体として有機繊維の繊維集合体を形成しているものであってもよい。
また、有機繊維は、有機繊維の繊維集合体(アラミド繊維)と、ポリビニルアルコール系繊維等(ビニロン繊維)とが含まれていることが好ましいが、少なくとも有機繊維の繊維集合体が含まれていればよく、ポリビニルアルコール系繊維等が含まれていなくともよい。
以下、本発明の具体的な実施例、比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
まず、移動式コンクリート製造装置を用いて、セメント451kg/m、骨材1676kg/m、ビニロン繊維13.0kg/m(コンクリートに対する容積比で1.0%)、アラミド繊維4.2kg/m(コンクリートに対する容積比で0.3%)、および、所望量の減水剤、凝結遅延剤を混合した。次に、この混合した材料に水175kg/mを加えて、撹拌時間3分、撹拌温度20℃で混練し、繊維補強コンクリートを製造した。
この製造した繊維補強コンクリートの曲げ強度を測定した。曲げ強度は、曲げ靭性試験:JCI-SF4(繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法)に従って測定した。繊維補強コンクリートの曲げ強度は1日強度で7.08N/mmであった。
次に、コンクリート仕上げ装置を用いて、床版の表面に、スランプが6.5cmとなるように製造した繊維補強コンクリートを敷き均し、スクリードプレートを用いて高周波振動を与え、床版上に繊維補強コンクリート層を形成した。続いて、シート状防水層を被覆施工した後、アスファルトフィニッシャを用いて、繊維補強コンクリート層上にアスファルト混合物層を被覆施工した。このように、本発明の床版補強方法により、床版上に床版補強構造体1を形成した。
続いて、形成した繊維補強コンクリート層上に防水層およびアスファルト混合物層をそのまま設けた区間と、路面切削機により切削し、切削により露出した繊維補強コンクリート層上に、新規にアスファルト混合物層を形成した区間とを設けた。そして、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性を評価した。接着性の評価は建研式接着試験器で行った。この結果を表1に示す。なお、比較のため、後述する比較例1、2の結果についても表1に示す。
Figure 2013087501
表1に示すように、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性は床版補強構造体1をそのままにした面が平滑な状態(補強時の平滑なコンクリート面)を基準とした場合には、切削して有機繊維が露出した状態(切削面繊維露出)でも接着力の低下が4%程度であり、かつ、一般的な基準値とされる1MPa以上の接着力を示すことを確認した。
実施例1によれば、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性が低下しておらず、さらに、形成される繊維補強コンクリート層の曲げ強度が良好な結果であることを確認できた。
(比較例1)
有機繊維に代えて鋼繊維100kg/m(コンクリートに対する容積比で1.3%)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、鋼繊維補強コンクリートを製造し、製造した鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度を測定した。鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度は1日強度で6.81N/mmであった。
また、実施例1と同様に、形成した床版補強構造体1の上に防水層およびアスファルト混合物層をそのまま設けた区間と、路面切削機により切削し、切削により露出した鋼繊維補強コンクリート層上に、新規にアスファルト混合物層を形成した区間とを設けた。そして、鋼繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性を評価した。
表1に示すように、鋼繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性は床版補強構造体1をそのままにした面が平滑な状態(補強時の平滑なコンクリート面)を基準とした場合には、切削して鋼繊維が露出した状態(切削面繊維露出)で接着力が50%低下しており、かつ、一般的な基準値とされる1MPaを大きく下回っていることを確認した。
(比較例2)
有機繊維をビニロン繊維19.5kg/m(コンクリートに対する容積比で1.5%)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、繊維補強コンクリートを製造し、製造した繊維補強コンクリートの曲げ強度を測定した。繊維補強コンクリートの曲げ強度は1日強度で6.67N/mmであった。
また、実施例1と同様に、形成した繊維補強コンクリート層上に防水層およびアスファルト混合物層をそのまま設けた区間と、路面切削機により切削し、切削により露出した繊維補強コンクリート層上に、新規にアスファルト混合物層を形成した区間とを設けた。そして、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性を評価した。
表1に示すように、繊維補強コンクリート層とアスファルト混合物層との接着性は繊維補強コンクリート層をそのままにした面が平滑な状態(補強時の平滑なコンクリート面)を基準とした場合には、切削して有機繊維が露出した状態(切削面繊維露出)で接着力が12%低下しており、かつ、一般的な基準値とされる1MPa以上の接着力を示すことを確認した。
本発明は、床版補強方法に有用である。
1 床版補強構造体
11 床版
12 繊維補強コンクリート層
13 アスファルト混合物層

Claims (6)

  1. 床版上にセメント、骨材、有機繊維および水を含むコンクリートを被覆施工して繊維補強コンクリート層を形成する繊維補強コンクリート層形成工程と、
    前記繊維補強コンクリート層上に防水層およびアスファルト混合物層を被覆施工するアスファルト混合物層形成工程と、を備え、
    前記繊維補強コンクリート層形成工程では、前記有機繊維に、有機繊維の繊維集合体を用いる、ことを特徴とする床版補強方法。
  2. 前記有機繊維の繊維集合体は、一方向に配列した複数本の有機単繊維を束ねたマルチフィラメントを切断し、該切断したマルチフィラメントの切断物の一端部、両端部または中間部を固着手段により固着して形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の床版補強方法。
  3. 前記有機繊維の繊維集合体がアラミド繊維である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の床版補強方法。
  4. 前記有機繊維に、さらに、ポリビニルアルコール系繊維、および、ポリプロピレン系繊維の少なくとも一方を含ませる、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の床版補強方法。
  5. 前記有機繊維の繊維集合体がアラミド繊維であり、さらにビニロン繊維を含み、前記アラミド繊維と前記ビニロン繊維とが1:1〜1:5の配合比率で添加されている、ことを特徴とする請求項1に記載の床版補強方法
  6. 前記有機繊維は、前記コンクリートに対する容積比で0.5〜3%の割合で添加されている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の床版補強方法。
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