JP2013087344A - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧潰強度の高い還元鉄を製造する方法を提供する。
【解決手段】酸化鉄含有物質と炭素質還元剤とを含む塊成物を加熱炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造するにあたり、塩基度(CaO/SiO2比)が0.5〜0.9の塊成物を前記加熱炉に装入し、鉄の金属化率が50%以上(100%を含まない)で、全炭素量が5.5質量%以下で、且つ1100〜1200℃に加熱されている中間還元鉄を得る工程と、得られた中間還元鉄を1250〜1350℃の温度域内で設定される到達温度Tまで平均昇温速度Vを30〜70℃/分として加熱する工程とを含む還元鉄の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄鉱石や製鉄所ダスト(例えば、製銑工程や製鋼工程で発生するダスト)等の酸化鉄含有物質と、石炭やコークス等の炭素質還元剤とを含む塊成物を加熱炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法に関するものである。
酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法としては、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤に、必要に応じて水分やバインダーを混合し、得られた混合物をペレットやブリケットなどの形状の塊成物に成形し、この塊成物を乾燥させた後、回転炉床炉などの加熱炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
これらのうち特許文献1には、酸化鉄物質、炭素質物質、およびバインダー物質(結合剤)を含む混合物を成形した塊成物を回転炉床炉へ装入し、1316〜1427℃で4〜10分間加熱することによって、酸化鉄を還元し、還元鉄を製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、炭材内装ペレットまたはブリケットの還元を促進し、かつ還元帯での還元鉄の再酸化を防止した還元鉄の製造方法が記載されている。具体的には、還元期の最終段階で燃焼ガスの酸化度を低めに変更するか、または燃焼ガスの流速を小さくしてペレットまたはブリケット内部から発生するCOガスを有効に活用することによって、炭材内装ペレットまたはブリケットの表層部まで還元を促進し、かつ還元帯での還元鉄の再酸化を防止する技術が開示されている。この文献には、回転炉床炉による炭材内装ペレットの還元は、温度の上昇とともにペレットの表面から内部に進行し、バーナー燃焼ガスの輻射熱により最高1300℃程度に加熱され、8〜10分間で還元が終わることが記載されている。
ところで、還元鉄は、高炉や電気炉等の溶解炉において鉄源として用いられる。そのため還元鉄を製造するにあたっては、塊成物に含まれる酸化鉄を還元鉄とすることによる鉄の金属化率、および還元鉄の強度等が重要となる。これらのうち、鉄の金属化率については、上記溶解炉で鉄源として用いるため、75%以上であることが望まれる。還元鉄の強度としては、加熱炉からの排出時や、次工程に供されるまでに壊れて粉化しないことが要求される。また、加熱炉で得られた還元鉄を高炉へ装入して鉄源として用いる場合には、還元鉄が高炉内で粉化しないことも要求され、具体的には、735N/個(75kgf/個)以上の圧潰強度が求められる。しかし、上記特許文献1、2には、還元鉄の強度(圧潰強度)については特に記載されていない。
還元鉄の強度について考慮した技術として特許文献3が知られている。この特許文献3には、製鉄工場などで発生する鉄やニッケル、クロムなどの金属成分を含むダスト[特にCaを多量(CaO換算の乾量基準で15質量%以上のCa成分)に含有するダスト]から、上記金属成分を有価成分として効率よく回収できるように改善された処理法が開示されている。そしてこの文献には、有価金属成分を還元するために配合する炭素質還元剤量を、還元に寄与するフリーC換算で、当該ダスト中に含まれる還元性金属酸化物(鉄、ニッケル、クロム、鉛、亜鉛などの酸化物)の還元に要する理論量のCに対し−2%以上、+1%以下とすることにより、有価金属成分の加熱還元を無駄なく効率よく進めることができ、しかも生成する金属成分の圧潰強度を高めることができると記載されている。
米国特許第5730775号明細書 特許第3004255号公報 特開2003−328045号公報
本発明の目的は、上記特許文献3に開示されている方法とは異なる方法で圧潰強度の高い還元鉄を製造する方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る還元鉄の製造方法とは、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤とを含む塊成物を加熱炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法であって、塩基度(CaO/SiO2比)が0.5〜0.9の塊成物を前記加熱炉に装入し、鉄の金属化率が50%以上(100%を含まない)で、全炭素量が5.5質量%以下で、且つ1100〜1200℃に加熱されている中間還元鉄を得る工程と、得られた中間還元鉄を1250〜1350℃の温度域内で設定される到達温度Tまで平均昇温速度Vを30〜70℃/分として加熱する工程とを含む点に要旨を有している。
前記中間還元鉄を得る工程において、前記塊成物を前記加熱炉に装入してからの昇温時間は、例えば、300秒以上とすることが好ましい。前記中間還元鉄を得る工程において、前記塊成物を前記加熱炉に装入して加熱し、昇温した後、恒温保持を行ってもよい。前記中間還元鉄を得る工程において、前記塊成物を前記加熱炉に装入して加熱して昇温するときの平均昇温速度vを前記平均昇温速度Vよりも大きくして加熱することが好ましく、前記平均昇温速度vは、例えば、70℃/分超、200℃/分以下に制御して加熱することが推奨される。
本発明によれば、塩基度を所定の範囲に調整した塊成物を加熱炉で加熱し、鉄の金属化率、全炭素量、および温度を所定の範囲に制御してから、更に所定の平均昇温速度Vで1250〜1350℃の温度域に加熱しているため、上記特許文献3のように、塊成物に配合する炭素質還元剤の配合量を調整しなくても還元鉄の圧潰強度を735N/個以上に高めることができる。
図1は、実験に用いた小型高周波急速加熱炉の概略説明図である。
本発明者は、塊成物を加熱炉で加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して得られる還元鉄の圧潰強度を735N/個以上に高めるために、鋭意検討を重ねてきた。その結果、還元鉄の圧潰強度が低くなる原因は、還元鉄内に生成する空隙にあり、この空隙が増大するに連れて還元鉄の圧潰強度が低くなること、この空隙を低減するには、塩基度を所定の範囲に調整した塊成物を用意し、この塊成物を加熱炉で、鉄の金属化率、全炭素量、および温度が所定の範囲を満足するように加熱して中間還元鉄を製造し、得られた中間還元鉄を更に所定の平均昇温速度Vで1250〜1350℃の温度域に加熱すれば、還元鉄の圧潰強度を735N/個以上に高められることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明では、塊成物を加熱炉に装入して加熱し、還元鉄を製造するにあたり、鉄の金属化率、全炭素量、および温度が所定の範囲を満足している中間還元鉄を得る工程と、得られた中間還元鉄を更に加熱する工程に分け、中間還元鉄を得る工程では、塊成物の表面のみならず内部においても酸化鉄の還元を促進して塊成物に含まれる炭素を消費すると共に、鉄の金属化率を高め、更に塊成物内に溶融スラグを生成させて塊成物の体積を収縮させている。こうした中間還元鉄を更に加熱することによって圧潰強度が高い還元鉄を製造できる。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、酸化鉄含有物質と炭素質還元剤とを含む塊成物を加熱炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する。
上記酸化鉄含有物質としては、例えば、鉄鉱石、砂鉄、製鉄ダスト、非鉄製錬残渣、製鉄廃棄物などを用いることができる。上記炭素質還元剤としては、炭素含有物質を用いることができ、例えば、石炭やコークスなどを用いることができる。
上記塊成物は、その他の成分として、例えば、バインダー(結合剤)やMgO含有物質、CaO含有物質、合成スラグなどを配合してもよい。上記バインダーとしては、例えば、多糖類(例えば、小麦粉やコーンスターチ等の澱粉)などを用いることができる。上記MgO含有物質としては、例えば、MgO粉末、天然鉱石や海水などから抽出されるMgO含有物質、或いはドロマイトや炭酸マグネシウム(MgCO3)などを用いることができる。上記CaO含有物質としては、例えば、生石灰(CaO)や石灰石(主成分はCaCO3)などを用いることができる。上記合成スラグとしては、例えば、プリメルトスラグを用いることができる。プリメルトスラグとは、それ自体が既にスラグ化されており、溶融温度が低く、短時間で液相が生成して金属鉄の焼結をより促進する作用を有しているスラグを意味する。プリメルトスラグとしては、例えば、Al23、CaOおよびSiO2含有量から定まるAl23−CaO−SiO23元系スラグの固相線温度(以下、「プリメルトスラグ固相線温度」ということがある。)TS・Pが1300℃以下のスラグを意味する。上記プリメルトスラグとしては、例えば、高炉スラグおよび/または製鋼スラグを用いることができる。製鋼スラグには、例えば、転炉スラグ、溶銑予備処理スラグ、電気炉スラグなどが含まれる。
上記塊成物は常法に従って形成すればよく、その形状は特に限定されず、例えば、ペレット状やブリケット状などであればよい。上記塊成物の大きさも特に限定されないが、例えば、塊成物の体積に相当する真球を模擬したときに、この真球の直径が9〜30mm程度となる塊成物を用いることが好ましい。
本発明の製造方法では、上記塊成物として、塩基度(CaO/SiO2比)が0.5〜0.9のものを用意する。上記塊成物の塩基度が0.5を下回るか、0.9を超えると、スラグの融点が高くなり過ぎてスラグ液相を充分に確保できず、還元鉄内に空隙が生成し易くなり、圧潰強度が低下する。従って上記塊成物の塩基度は、0.5以上とし、好ましくは0.65以上、より好ましくは0.7以上とする。また、上記塊成物の塩基度は、0.9以下とし、好ましくは0.85以下、より好ましくは0.8以下とする。
上記塊成物の塩基度は、該塊成物を製造する際に用いた原料混合物に含まれるCaO量とSiO2量の質量比(CaO/SiO2)に基づいて算出する。なお、塊成物の塩基度は、塊成物に含まれているCaO量とSiO2量から直接算出してもよい。
次に、用意した塩基度が0.5〜0.9の上記塊成物を加熱炉に装入し、加熱することによって、鉄の金属化率が50%以上(100%を含まない)で、全炭素量が5.5質量%以下で、且つ1100〜1200℃に加熱されている中間還元鉄を製造する。鉄の金属化率、全炭素量、および塊成物の温度が所定の範囲になるように加熱して中間還元鉄とした後、得られた中間還元鉄を後述するように所定の平均昇温速度Vで1250〜1350℃の温度域まで加熱することによって、還元鉄の内部に生成する空隙を減らすことができ、還元鉄の圧潰強度を高めることができる。
上記鉄の金属化率が50%を下回ると、未還元部分が多過ぎるため、これを後述するように所定の平均昇温速度Vで1250〜1350℃の温度域に加熱しても酸化鉄の還元が充分に進まず、還元鉄内部に空隙が生成し、還元鉄の圧潰強度が低下する。従って上記鉄の金属化率は50%以上とし、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上とする。上記鉄の金属化率は高い方が好ましいが、後述するように後段で更なる加熱を行うため、ここでは鉄の金属化率を100%にする必要はない。鉄の金属化率は、好ましくは95%以下であり、より好ましくは90%以下、更に好ましくは85%以下である。
上記鉄の金属化率は、化学分析値により下記式(1)から算出できる。
鉄の金属化率(%)=[金属鉄量(質量%)/塊成物に含まれる全鉄量(質量%)]×100 ・・・(1)
上記全炭素量が5.5質量%を超えると、上記中間還元鉄に含まれる炭素が後述する加熱工程で還元鉄中へ拡散し、浸炭して鉄の融点が降下するため、鉄の溶融が促進され、還元鉄の内部に空隙が生成して還元鉄の圧潰強度が低下する。従って上記全炭素量は5.5質量%以下、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.5質量%以下である。
上記中間還元鉄の温度が1100℃を下回ると、鉄の金属化率が50%以上に到達するのに長時間を要するため、生産性が低下する。また、上記中間還元鉄の温度が1100℃を下回ると、温度が低過ぎるため、塊成物に含まれる酸化鉄の還元が促進されず、中間還元鉄に含まれる残留炭素量が増大する。そのためこの残留炭素が、後述する加熱工程で塊成物に含まれる還元鉄へ拡散し、浸炭して鉄の融点が降下するため、鉄の溶融が促進され、還元鉄の内部に空隙が生成して還元鉄の圧潰強度が低下する。従って上記中間還元鉄の温度は、1100℃以上、好ましくは1120℃以上、より好ましくは1130℃以上である。しかし上記中間還元鉄の温度が1200℃を超えて高過ぎると、塊成物内に生成するスラグの融液量が増加し、溶融スラグが塊成物の外へ染み出し、塊成物内に空隙が生成して還元鉄の圧潰強度が低下する。従って上記中間還元鉄の温度は、1200℃以下、好ましくは1180℃以下、より好ましくは1170℃以下である。なお、上記温度は、塊成物の最表面から20mm以内の領域における温度を制御すればよい(以下、温度について同じ)。
上記鉄の金属化率および上記全炭素量を上記範囲に制御するには、1100〜1200℃での加熱時間を調整すればよい。即ち、上記加熱炉に装入した塊成物は、炉内で加熱し、1100〜1200℃の温度域内で設定される到達温度tまで平均昇温速度vで加熱する。このとき到達温度tまで昇温した時点において、上記鉄の金属化率および上記中間還元鉄に含まれる全炭素量が所定の範囲を満足している場合には、後述するように、1250〜1350℃の温度域内で設定される到達温度Tまで平均昇温速度Vで加熱すればよい。
一方、上記到達温度tまで昇温した時点において、上記鉄の金属化率および上記全炭素量が所定の範囲を満足していない場合には、上記鉄の金属化率と上記全炭素量が所定の範囲を満足するまで該到達温度tで恒温保持を行えばよい。
上記到達温度tで恒温保持を行うには、炉内に設けた燃焼バーナーの燃焼条件を制御して炉内の温度を調整すればよい。
このように本発明の中間還元鉄は、1100〜1200℃の温度域内で任意に設定される到達温度tに加熱されており、このときの鉄の金属化率が50%以上で、全炭素量が5.5質量%以下である。例えば、1100℃に加熱されたときの鉄の金属化率と全炭素量が上記範囲を満足していればよい。
本発明の製造方法では、上記塊成物を上記加熱炉に装入してからの昇温時間(即ち、上記塊成物を上記加熱炉に装入してから上記到達温度tに到達するまでの時間)は、300秒(5分)以上とすることが好ましい。上記昇温時間が300秒未満では、急激な温度上昇により塊成物表面のみの酸化鉄の還元が進み、塊成物内部の酸化鉄の還元は進まず、塊成物内部に炭素が多く残留する。その結果、後述する加熱工程において塊成物中に残留した炭素が還元鉄に拡散し、浸炭により鉄の融点が降下し、塊成物内部の還元鉄が溶融して空隙が生成し、還元鉄の圧潰強度が低下することがある。従って上記昇温時間は、300秒以上とすることが好ましく、より好ましくは350秒以上、更に好ましくは400秒以上である。しかし上記昇温時間が長過ぎると、生産性が悪くなる。従って上記昇温時間は、500秒以下とすることが好ましく、より好ましくは480秒以下、更に好ましくは460秒以下である。
上記塊成物を上記加熱炉に装入してからの昇温時間を上記範囲に制御するには、例えば、炉床の回転速度を調整する方法や、炉内に設けた燃焼バーナーの燃焼条件を制御して炉内の温度を調整する方法等が採用できる。
また、上記全炭素量を上記範囲に制御するには、上記加熱炉内における加熱条件(加熱温度や加熱時間など)を考慮して上記塊成物の成分組成を調整し、塊成物に含有させる全炭素量を調整してもよい。
本発明の製造方法では、上記塊成物を前記加熱炉に装入して加熱して昇温するときの平均昇温速度vが、後述する平均昇温速度Vよりも大きくなるように加熱すればよい。即ち、上記昇温速度vよりも後述する平均昇温速度Vを小さくすることによって、還元鉄内に空隙が生成し難くなるため、圧潰強度が向上する。従って上記平均昇温速度vは、70℃/分超として加熱することが好ましく、より好ましくは100℃/分以上、更に好ましくは130℃/分以上である。上記平均昇温速度vは、200℃/分以下として加熱することが好ましく、より好ましくは180℃/分以下である。
次に、鉄の金属化率、全炭素量、および温度が所定の範囲を満足する中間還元鉄は、1250〜1350℃の温度域内で設定される到達温度Tまで平均昇温速度Vを30〜70℃/分として加熱する。例えば、到達温度Tを1300℃とし、1300℃に到達するまでの平均昇温速度Vが30〜70℃/分となるように制御すればよい。
上記到達温度Tが1250℃を下回ると、還元が不充分となり、鉄の金属化率、還元鉄の純度、還元鉄の強度などが低下する。従って上記到達温度Tは、1250℃以上とし、好ましくは1260℃以上、より好ましくは1270℃以上とする。一方、1350℃を超えて加熱しても還元効率は殆ど変化せず、エネルギーの無駄になる。従って上記到達温度Tは1350℃以下とし、好ましくは1340℃以下、より好ましくは1330℃以下とする。
上記平均昇温速度Vが小さ過ぎると、加熱時間が長くなり過ぎるため、生産性が劣化する。従って上記平均昇温速度は30℃/分以上とし、好ましくは40℃/分以上、より好ましくは50℃/分以上とする。しかし上記平均昇温速度Vが大き過ぎると、空隙の発生を抑制するために必要なスラグ液相を充分に確保できないため、圧潰強度が低下する。従って上記平均昇温速度Vは70℃/分以下とし、好ましくは65℃/分以下、より好ましくは60℃/分以下とする。
本発明の製造方法では、得られた還元鉄を溶解炉で溶解して鉄を製造するときの生産性を高めるために、上記到達温度Tにおける鉄の金属化率は、75%以上とすることが好ましく、より好ましくは90%以上である。
本発明の製造方法で得られる還元鉄は、還元鉄1個あたりの圧潰荷重が735N以上(75kgf以上)となるため、電気加熱炉のみならず、高炉へ装入して鉄源として利用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
酸化鉄含有物質と炭素質還元剤とを含む塊成物(ペレット)を小型高周波急速加熱炉で加熱し、ペレット中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造した。具体的には、酸化鉄含有物質として下記表1に示す成分組成の鉄鉱石、炭素質還元剤として下記表2に示す成分組成の炭材、添加剤として下記表3に示す合成スラグ(プリメルトスラグ)および消石灰、結合剤として小麦粉を用い、これらを下記表4に示す配合割合で混合し、更に適量の水分を添加してタイヤ型造粒機を用いて生ペレットを製造した。生ペレットの直径(即ち、生ペレットの体積に相当する真球の直径)は17mmとした。
得られた生ペレットを乾燥機で105℃、20時間かけて乾燥し、付着水を完全に除去して乾燥ペレットを製造した。乾燥ペレットの成分組成を下記表5に示す。得られた乾燥ペレットの見掛密度は1800〜2000kg/m3であり、乾燥ペレットのスラグの塩基度(CaO/SiO2)は0.75であった。
得られた乾燥ペレットを小型高周波急速加熱炉で加熱した。小型高周波急速加熱炉としては、SKメディカル電子製の「発振器の型式:MU−1700、炉の型式:UD−250」を用いた。小型高周波急速加熱炉の概略説明図を図1に示す。なお、乾燥ペレットを加熱した際に発生するCO2含有ガスによる黒鉛製チューブの消耗を防止するために、加熱スリーブ(加熱用の筒)としては、黒鉛製チューブをアルミナ製チューブで被覆したものを用いた。
上記小型高周波急速加熱炉(炉内温度は室温)に乾燥ペレットを装入し、下記表6に示す到達温度tまで平均昇温速度vを150〜600℃/分として加熱した後、この温度で下記表6に示す時間保持して中間還元鉄を得た。加熱時の雰囲気は、流速3NL/分のN2ガス雰囲気とした。下記表6には、室温から到達温度tに達するまでに要した時間(到達時間)を示す。なお、中間還元鉄を得るまでの工程を以下、一段階目加熱ということがある。
得られた中間還元鉄に含まれる鉄の金属化率、全炭素量、および体積収縮率を測定するために、下記表6に示す到達温度tに達し、所定時間恒温保持した後、直ちに加熱を中止して室温まで急速冷却した。室温まで急速冷却するときの雰囲気は、流速3NL/分のHeガス雰囲気とした。
上記鉄の金属化率は、上記式(1)から算出した。上記全炭素量は、化学分析によって求めた。
上記体積収縮率は、加熱前後におけるペレットの体積を測定し、下記式(2)で算出した。体積収縮率が正の値の場合は、体積が収縮していることを意味し、負の値の場合は、体積が膨張していることを意味している。
体積収縮率(体積%)=[(加熱前のペレットの体積−加熱後のペレットの体積)/加熱前のペレットの体積]×100 ・・・(2)
下記表6に、一段階目加熱終了時点における鉄の金属化率、全炭素量、体積収縮率を示す。
一方、上記一段階目加熱で得られた中間還元鉄を室温まで急速冷却せず、更に加熱して還元鉄を製造する実験も行った。即ち、上記で得られた中間還元鉄を、引き続き下記表6に示す平均昇温速度Vで到達温度T(1300℃)まで加熱した後、直ちに加熱を中止して室温まで急速冷却して還元鉄を製造した。加熱時の雰囲気は、流速3NL/分のN2ガス雰囲気とし、二段階目加熱終了時点(1300℃に到達した時点)から室温まで冷却するときの雰囲気は、流速3NL/分のHeガス雰囲気とした。なお、中間還元鉄を加熱して昇温する工程を以下、二段階目加熱ということがある。
また、二段階目加熱を行って得られた還元鉄について、鉄の金属化率および全炭素量を上述した方法で測定した。測定結果を下記表6に示す。
また、得られた還元鉄の圧潰強度を測定した。還元鉄の圧潰強度は、2枚の平板間に還元鉄を設置し、還元鉄が圧縮されるように平板に荷重して還元鉄の破壊時における荷重(圧潰荷重)を強度試験機で測定した。なお、圧潰荷重の測定は、1個の還元鉄について行った。測定結果を下記表6に示す。
下記表6から次のように考察できる。No.1〜18で得られた還元鉄は、いずれも鉄の金属化率が90%以上となり、また全炭素量が1質量%未満となったが、No.1、4、18は、一段階目加熱で得られた中間還元鉄の、鉄の金属化率および/または全炭素量が本発明で規定する要件を満足していないため、この中間還元鉄を更に加熱して還元しても得られる還元鉄の圧潰強度は735N/個を下回り、強度不足となった。
詳細には、No.1は、一段階目加熱において、到達温度tにおける恒温保持時間が短かったため、鉄の金属化率が所定の範囲を下回り、また全炭素量が過剰であったため、還元鉄の圧潰強度を高めることができなかった。No.4は、一段階目加熱において、到達温度tにおける恒温保持時間が短かったため、鉄の金属化率は50%以上となったが、全炭素量が過剰であったため、還元鉄の圧潰強度を高めることができなかった。No.18は、一段階目加熱において、到達温度tまでの到達時間が短く、平均昇温時間vが大きいため、塊成物の表面のみの還元が促進され、内部の還元が不充分となった。その結果、鉄の金属化率は所定の範囲を下回り、また全炭素量が過剰であったため、還元鉄の圧潰強度を高めることができなかった。またNo.18は、到達温度tから到達温度Tまでの平均昇温速度Vが小さ過ぎたため、全加熱時間が長くなり、生産性も低下していた。
一方、No.2、3、5〜17は、いずれも本発明で規定する要件を満足する製造条件で還元鉄を製造した例であり、一段階目加熱において、鉄の金属化率、全炭素量、および温度が所定の範囲を満足している中間還元鉄が得られているため、得られた中間還元鉄を更に加熱して還元することによって、圧壊強度が735N/個以上の還元鉄を製造できた。
Figure 2013087344
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Claims (5)

  1. 酸化鉄含有物質と炭素質還元剤とを含む塊成物を加熱炉に装入して加熱し、該塊成物中の酸化鉄を還元して還元鉄を製造する方法であって、
    塩基度(CaO/SiO2比)が0.5〜0.9の塊成物を前記加熱炉に装入し、鉄の金属化率が50%以上(100%を含まない)で、全炭素量が5.5質量%以下で、且つ1100〜1200℃に加熱されている中間還元鉄を得る工程と、
    得られた中間還元鉄を1250〜1350℃の温度域内で設定される到達温度Tまで平均昇温速度Vを30〜70℃/分として加熱する工程とを含むことを特徴とする還元鉄の製造方法。
  2. 前記中間還元鉄を得る工程において、前記塊成物を前記加熱炉に装入してからの昇温時間を300秒以上とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記中間還元鉄を得る工程において、前記塊成物を前記加熱炉に装入して加熱し、昇温した後、恒温保持を行う請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記中間還元鉄を得る工程において、前記塊成物を前記加熱炉に装入して加熱して昇温するときの平均昇温速度vを前記平均昇温速度Vよりも大きくして加熱する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記平均昇温速度vを70℃/分超、200℃/分以下として加熱する請求項4に記載の製造方法。
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