JP2012107288A - 非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高炉内の還元反応に及ぼすアルミナ(Al23)の影響を抜本的に解消し、脈石成分としてアルミナを多量に含む低品位鉄鉱石を製鉄原料として有効に活用する。
【解決手段】Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石を、直接使用するか、又は、間接的に、塊成鉱及び/又は焼結鉱として使用する高炉操業において、該鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱の配合原料として、30〜100kg/tp使用することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルミナ量の多い鉄鉱石を配合した非焼成含炭塊成鉱を用いて高炉操業を行う方法に関するものである。
世界的な鉄鉱資源の動向から、今後、鉄鉱石の品位は低下することは確実であり、脈石成分が多い鉄鉱石を製鉄原料として使用せざるを得ない。通常、鉄鉱石は、予備処理の後、焼結し、焼結鉱として使用するが、脈石に由来するアルミナ(Al23)量が増大する(1.8%を超える)と、焼結鉱の被還元性や、軟化溶融特性が悪化することが知られている(非特許文献1〜2、参照)。
焼結鉱が高炉内を降下しつつ還元されるにつれて、未還元の含FeOスラグが、低温域で溶融し、焼結鉱中に融液が生成する。この融液が焼結鉱内部の気孔を閉塞し、還元ガスの拡散を妨げるとともに、FeOの活量も小さくなるので、焼結鉱の高温での被還元性や、軟化溶融特性が悪化すると考えられている。
アルミナの悪影響を抑制し、高アルミナ焼結鉱を多量に使用する高炉操業方法が、これまでいくつか開示されている。
例えば、特許文献1には、羽口部から微粉炭を吹き込む高炉操業方法において、炉頂から装入する焼結鉱中のアルミナ量が1.9%を超えるとき、焼結鉱の塩基度(CaO/SiO2)を2.0以上とすることが開示されている。
この方法においては、焼結鉱の塩基度を高くして、Al23による高温域での還元率の低下を抑制しているが、塩基度を調整する必要があり、その結果、スラグ量が増大するので、炉内の改善効果に限界がある。
特許文献2には、高アルミナ焼結鉱(Al23:2.0〜3.0質量%、SiO2:3.9〜4.9質量%、MgO:0.5〜1.2質量%)と低アルミナ焼結鉱(Al23:1.0〜1.7質量%、SiO2:4.5〜6.0質量%、MgO:0.8〜2.5質量%)を作り分け、スラグのAl23成分が操業管理値以下となるように配合し、高炉に装入する高炉操業方法が開示されている。
この方法によれば、スラグ成分の大きな変更を伴わずに、高Al23焼結鉱を使用することができるが、少なくとも2基の焼結機が必要となって、設備コストが増大するし、また、2種の焼結鉱を均一に高炉内へ混合・配合することは、そもそも困難である。
特許文献3には、羽口部から微粉炭を吹き込む高炉操業方法において、焼結鉱中のAl23量が増加したとき、増加量に応じて、配合するスクラップの量を増加することが開示されている。
この方法によれば、焼結鉱中のAl23量の増減による炉内通気性の変動に迅速に対応して、微粉炭の吹込量を増大し、高炉操業の安定化を図ることができるが、Al23の悪影響は抜本的に解消されていないので、微粉炭の吹込量増大による限定的な効果しか期待できない。
したがって、現在、脈石成分中のAl23量が多い鉄鉱石を製鉄原料として多量に使用せざるを得ない状況にある中で、炉内反応に対するAl23の悪影響を抜本的に解消する技術が求められている。
特開平05−255718号公報 特開平10−030104号公報 特開平07−216419号公報
CAMP−ISIJ、6(1993)、p.126 鉄と鋼、84(1998)、p.477
本発明は、上記要望に鑑み、高炉内の還元反応に及ぼすアルミナ(Al23)の影響を抜本的に解消することを課題とし、該課題を解決し、脈石成分としてアルミナ(Al23)を多量に含む低品位鉄鉱石(以下「高Al23鉄鉱石」ということがある。)を製鉄原料として有効に活用することができる高炉操業方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。焼結鉱中のAl23は、還元過程で、酸化鉄類(ヘマタイトやマグネタイト、カルシウムフェライト)が還元されて生成したFeO(ウスタイト)、カルシオウスタイト等と結合して、低融点融液を生成する。
還元過程における低融点融液の存在が、荷重による充填層の収縮(粒子間の空隙のつぶれ)や、融液の浸透による気孔の閉塞を助長して、焼結鉱の高温での被還元性や、溶融軟化特性が悪化する。ここに、低融点融液の生成開始温度は約1100℃近辺である。
一方、非焼成含炭塊成鉱を製鉄原料として用いた場合、非焼成含炭塊成鉱は、還元過程で、共存カーボンの作用により、還元が急速に進行し、1100℃で完了する。
本発明者らは、低融点融液の生成開始温度、及び、非焼成含炭塊成鉱の還元完了温度がともに1100℃である点に着目し、「1100℃で還元が完了する非焼成含炭塊成鉱の内部では、Al23による融液生成に起因する悪影響は発現しない」と発想した。
そこで、本発明者らは、上記発想のもと、非焼成含炭塊成鉱に高Al23鉄鉱石を配合して、Al23量の異なる非焼成含炭塊成鉱を製造し、その還元挙動を調査した。調査の詳細については、後述する。
その結果、非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業において、Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱の配合原料として30〜100kg/tp配合(傾斜配合)すると、高炉原料の還元効率を高めて、高Al23鉄鉱石を使用する条件下でも、還元材比を低減できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石を、直接使用するか、又は、間接的に、塊成鉱及び/又は焼結鉱として使用する高炉操業において、当該鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱の配合原料として、30〜100kg/tp使用することを特徴とする非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
(2)前記非焼成含炭塊成鉱のC量が10〜35質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
(3)前記非焼成含炭塊成鉱のバインダー配合量が5〜10質量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
(4)前記鉄鉱石を、事前に、1mm以下の割合が90%となるように、破砕及び/又は整粒することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
本発明によれば、高Al23鉄鉱石が高炉内の還元反応に及ぼす悪影響を抜本的に解消することができ、さらに、非焼成含炭塊成鉱の含炭効果が重畳するので、低品位資源の活用と、還元材比(コークス比)の低減を達成することができる。また、本発明によれば、製鉄プロセスにおいて、省エネルギー、低CO2化が可能となる他、発生したダストを、製鉄原料及び炭材として再利用できる。
高Al23鉄鉱石の配合率(質量%)と非焼成含炭塊成鉱の性状との関係を示す図である。(a)は、高Al23鉄鉱石の配合率(質量%)と含炭塊成鉱のAl23量(質量%)の関係を示し、(b)は、高Al23鉄鉱石の配合率(質量%)と1200℃還元率(%)の関係を示す。 高Al23鉄鉱石を50質量%配合した非焼成含炭塊成鉱の還元の進行状況と、同じく、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した焼結鉱の還元の進行状況を、対比して示す図である。 還元途中の非焼成含炭塊成鉱及び焼結鉱(実機製造)の断面ミクロ組織を示す図である。(a)は、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した非焼成含炭塊成鉱の断面ミクロ組織を示し、(b)は、同じく、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した焼結鉱(実機製造)の断面ミクロ組織を示す。
本発明者らは、非焼成含炭塊成鉱に高Al23鉄鉱石を配合して、Al23量の異なる非焼成含炭塊成鉱を製造し、その還元挙動を調査した。
非焼成含炭塊成鉱は、製鉄原料、含C原料、及び、セメント5%を粉砕、混合し、成形後、所定期間養生して製造した。製造の際、Al23を2.6質量%含有する高Al23鉄鉱石(例:ローブリバー)を、0〜50質量%の範囲で配合した。C量は、T.C(全炭素分析)で25質量%とした。
図1に、高Al23鉄鉱石の配合率(質量%)と非焼成含炭塊成鉱の性状との関係を示す。図1(a)に示すように、非焼成含炭塊成鉱のAl23量は、2.5〜2.9質量%の範囲で変化した。なお、非焼成含炭塊成鉱のAl23量は、製鉄原料中の脈石成分、含カーボン原料中の灰分、セメント中成分に由来する。
Al23量の異なる非焼成含炭塊成鉱の還元性状を評価した。測定装置は、一般的な荷重軟化試験装置である。試料500gを黒鉛ルツボ内に装入し、荷重を1kg/cm2かけながら、下方から還元ガスを流通させ、電気炉で加熱した。加熱パターンは、室温〜1000℃:10℃/分、1000〜1600℃:5℃/分である。
CO30%−H25%−N265%の還元ガスを、800〜1600℃の範囲で流通させた。試験中の排ガス分析値から除去酸素を算出して、還元率を評価した。図1(b)に、高Al23鉄鉱石の配合率(質量%)と1200℃還元率(%)の関係を示す。
図1(a)に示すように、高Al23鉄鉱石を配合することにより、非焼成含炭塊成鉱のAl23量は上昇するが、図1(b)に示すように、非焼成含炭塊成鉱の還元率に変化はなく、いずれの非焼成含炭塊成鉱においても、1200℃で還元がほぼ完了していることが解る。
さらに、高Al23鉄鉱石を20質量%配合して実機で製造した焼結鉱(単味の還元率は64%)に、20質量%の非焼成含炭塊成鉱を均一に混合した場合の1200℃還元率も評価した。結果を図1(b)に示す。この場合も、非焼成含炭塊成鉱中のAl23の悪影響は検出されなかった。
参考のため、高Al23鉄鉱石を0〜50質量%の範囲で変化させて配合し、実機で焼結鉱を製造した。高Al23鉄鉱石の配合量に応じ、焼結鉱のAl23量は1.6〜2.5質量%の範囲で変化した。また、強度や、歩留を維持するため、同時に、コークスも増量したので、焼結鉱のFeO量は、6.0〜9.0質量%の範囲で変化した。
図1(b)に、焼結鉱単味の場合の1200℃還元率を示すが、この場合、高Al23鉄鉱石の配合により、1200℃還元率が低下することが解る。
ここで、図2に、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した非焼成含炭塊成鉱の還元の進行状況と、同じく、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した焼結鉱の還元の進行状況を、対比して示す。図2から、非焼成含炭塊成鉱の場合、1100℃付近で還元が進行しているのに対して、焼結鉱の場合、還元が遅く、1100〜1200℃付近で還元が遅延していることが解る。
そこで、還元の遅速を確認するため、還元途中の非焼成含炭塊成鉱及び焼結鉱(実機製造)の断面ミクロ組織を、還元中断試験(中断温度1100℃)で解析した。解析結果を図3に示す。
図3(a)に、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した非焼成含炭塊成鉱の断面ミクロ組織を示し、図3(b)に、同じく、高Al23鉄鉱石を50質量%配合した焼結鉱(実機製造)の断面ミクロ組織を示す。
図3(a)に示すように、非焼成含炭塊成鉱のミクロ組織は、小粒のメタル(白色部分)から構成されており、この時点(中断温度1100℃)で、還元がかなり進行していることが解る。また、図3(a)に示すミクロ組織には、空隙(黒色部分)が多数存在していて、この時点(中断温度1100℃)で、融液が全く生成していないことが解る。
一方、図3(b)に示すように、焼結鉱(実機製造)のミクロ組織に、メタル(白色部分)は殆ど観察されず、ウスタイト(灰色部分)段階までの還元に留まっていることが解る。図3(b)に示すミクロ組織において、ウスタイト(灰色部分)粒子は丸みを帯びており、微少な融液が、この段階(中断温度1100℃)で生成し始めていることが解る。
以上の結果から、次ぎのことが判明した。
(x)高Al23鉄鉱石を非焼成含炭塊成鉱へ配合しても、非焼成含炭塊成鉱の還元特性は、高いまま変化しない。
(y1)高Al23鉄鉱石を焼結鉱へ配合すると、焼結鉱の還元特性は低下する。
(y2)焼結鉱のAl23量を低減すると、還元特性が改善される。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、高Al23鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱へ重点的に配合(傾斜配合)することを基本思想とするものである。
ただし、一般に、高Al23鉄鉱石は、脈石成分であるカオリナイトを多く含み、酸化鉄もゲーサイト主体のものが多く、結晶水量も高いので、高Al23鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱に過度に傾斜配合すると、高炉への結晶水の持込み量が過剰となり、高炉の炉頂温度の低下や、シャフト部での還元遅れを引き起こす。
一般に、高炉の炉頂温度が100℃以下となると、炉頂部で、排ガス中の水分が凝縮し、安定した操業が不可能となるので、炉頂温度は、120℃前後を下限として管理されている。また、高Al23鉄鉱石のAl23量は、ある程度、多くなければならない。高Al23鉄鉱石のAl23量が少ないと、Al23の傾斜配合による効果が充分に発現しない。
そこで、本発明者らは、高炉装入原料としての高Al23鉄鉱石の最適な使用方法について鋭意検討した。
実機で、高Al23鉄鉱石の配合量の異なる非焼成含炭塊成鉱と焼結鉱を製造し、高炉に装入した。1ヶ月間の操業結果を平均値で評価した。評価については、実施例で詳述する。
実機による操業結果から、Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石を、直接使用するか、又は、間接的に、塊成鉱及び/又は焼結鉱として使用する高炉操業において、当該鉄鉱石を非焼成含炭塊成鉱の配合原料として、30〜100kg/tp使用すると、還元材比の低い操業を行うことができることが判明した。この点が、本発明の特徴である。
即ち、非焼成含炭塊成鉱に、上記使用量の範囲で、高Al23鉄鉱石を傾斜配合する。非焼成含炭塊成鉱はCと共存しているので、塊成鉱内部で急速還元が起き、Al23量が多くても、還元過程で融液の生成が抑制されて、Al23による悪影響を解消することができる。
一方、非焼成含炭塊成鉱に、高Al23鉄鉱石を傾斜配合した分、焼結鉱での使用量を低減するので、焼結鉱のAl23量は低下して、焼結鉱の還元効率も良好となる。
このように、高Al23鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱と焼結鉱に傾斜配合することにより、高炉に装入するAl23量が、傾斜配合をしない場合と同じであっても、極めて還元効率の高い高炉操業を行うことが可能となる。
高アルミナ鉄鉱石のAl23量を、本発明では2.0質量%以上とした。Al23量が2.0質量%未満であると、平均的な鉄鉱石のAl23量と差がなくなり、そのような鉄鉱石を非焼成含炭塊成鉱の配合原料として30kg/tp以上使用しても、傾斜配合効果が充分に発現しない。
Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石の使用量が30kg/tp未満であると、使用量が少なすぎて、傾斜配合効果が充分に発現しない。一方、Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石の使用量が100kg/tpを超えると、使用量が多過ぎて、それに伴って増加する結晶水装入量の増大による悪影響が顕著となる。Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石の使用量は、好ましくは、50〜80kg/tpである。
また、高Al23鉄鉱石の非焼成含炭塊成鉱への配合は、含炭塊成鉱の製造過程や成品強度には悪影響を及ぼさず、むしろ、製造過程での生塊成鉱(養生前の塊成鉱)の強度を高める作用がある。
これは、高Al23鉄鉱石には、脈石として、可塑性を持つカオリナイトが多く含有されているためである。上記強度向上効果を最大限に得るために、高Al23鉄鉱石は、事前に、1mm以下の割合が90%以上となるまで、破砕及び/又は整粒することが望ましい。
高Al23鉄鉱石を、1mm以下の割合が90%以上となるまで、破砕及び/又は整粒することにより、付着力の高い高Al23鉄鉱石が、他の配合原料の粒子間隙に効率良く均一分散されるので、大きな強度向上効果が得られる。
このときの破砕及び/又は整粒する方法は特に限定されるものではない。ボールミル、ローラーミル、ローラープレス等の破砕機を用いることができる。また、整粒機も、振動篩や、ジャンピングスクリーンなどを用いることができる。
なお、本発明では、非焼成含炭塊成鉱の製造に係る条件、及び、高Al23鉄鉱石以外の製鉄原料に係る配合条件は、特定の条件に限定されない。パンペレタイザーによるペレット成型法や、ブリケットなどの強制成型法を用いても、ほぼ同一の効果を得ることができる。
非焼成含炭塊成鉱のC量は、全原料に対して10〜35質量%が望ましい。C量が、この範囲であれば、酸化鉄との共存による還元材比の低減効果と、高炉への搬送、装入時の粉化に耐え得る冷間強度(圧潰強度で100kgf/個以上)とを、いかなる成型方法でも容易に達成することができる。
バインダー配合量は、それを含む全原料に対して5〜10質量%が望ましい。この範囲であれば、前記冷間強度を容易に達成することができるとともに、過剰なスラグ成分の持ち込みもないので、高炉の安定操業が容易である。
高Al23鉄鉱石に多量の結晶水が存在する場合は、成形処理を行うに先だって、予め、加熱によって、3質量%以下まで脱水する。この脱水で、高Al23鉄鉱石に由来する結晶水の高炉装入量が低減されて、炉頂温度の低下が抑制されるので、高炉操業上好ましい。なお、結晶水が3質量%を超えると、脱水処理を施しても、炉頂温度はそれほど変化しない。
脱水処理手段は、特に限定されない。脱水装置として、シャフト炉、回転炉床、流動層、ロータリーキルン炉などを用いることができる。熱源として、焼結本体や、焼結クーラー排熱など、製鉄所内で発生する熱源を利用すれば、より安価に脱水処理を行うことができる。また、山元から出荷する前に、天燃ガスなどを熱源として脱水すれば、船による搬送費用を軽減できるので好ましい。
なお、通常、鉄鉱石に、このような脱水処理を施すと、鉄鉱石が粉化してしまい、焼結での使用時に、造粒性の悪化による通気性、及び/又は、生産性の低下を伴うが、本発明で、鉄鉱石は、脱水処理後、非焼成含炭塊成鉱の原料に供されるので、粉化、微粉化することは、非焼成含炭塊成鉱の製造上、成型性の向上をもたらすので、むしろ好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例)
実機で、高Al23鉄鉱石の配合量の異なる非焼成含炭塊成鉱と焼結鉱を製造し、高炉に装入した。高Al23鉄鉱石には、Al23含有量が2.65質量%のローブリバー鉱石を用いた。1ヶ月間の操業結果を平均値で評価した結果を表1に示す。使用量は、高炉で製造する溶銑1トンあたりの使用量(kg/tp)で記載した。
ここに、含炭塊成鉱は、1mm以下90質量%以上に粉砕したローブリバー鉱石、1mm以下90質量%以上に粉砕した無煙炭で表1に示す所定のC量となる配合量分、8質量%のポルトランドセメントとを配合して塊成化したもので、いずれも、高炉使用に耐え得る100kgf/個以上を発現した。
比較例1では、非焼成含炭塊成鉱を使用せず、高Al23鉄鉱石は、焼結鉱のみに配合しているので、装入物の還元率(1200℃還元率)は低く、還元材比(inputC)が高い操業となった。
比較例2では、非焼成含炭塊成鉱を50kg/tp使用したが、高Al23鉄鉱石を配合していないので、還元率は高くなったものの、還元材比の低減効果は限定され、400kg/tpに留まった。
なお、還元材比は、一般的には、装入コークス量と微粉炭吹き込み量の合計で表すが、ここでは、非焼成含炭塊成鉱中に含有されるカーボンも含めた溶銑1トン当りの消費カーボン量(kgC/tp)として評価した。
発明例1では、高Al23鉄鉱石(Al23量:2.65質量%)を、32kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を下げ、低Al23量とした。
その結果、高炉での高Al23鉄鉱石原単位、及び、Al23原単位は、比較例2と同じであるにもかかわらず、還元率が向上して、還元材比を392kg/tpまで低減できた。
発明例2では、高Al23鉄鉱石を、65kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を大幅に下げ、さらに、低Al23量とした。
その結果、高炉での高Al23鉄鉱石原単位、及び、Al23原単位は、比較例2と同じであるにもかかわらず、還元率が向上して、還元材比をさらに低減できた。高Al23鉄鉱石の配合量の傾斜を、発明例1の場合よりも大きくしたので、傾斜配合の効果は、本発明1の場合よりも大きかった。
発明例3では、高Al23鉄鉱石を、98kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を大幅に下げ、さらに、低Al23量とした。
その結果、高炉での高Al23鉄鉱石原単位、及び、Al23原単位は、比較例2と同じであるにもかかわらず、還元率が大幅に向上して、還元材比が大幅に低減した。高Al23鉄鉱石の配合量の傾斜を最も大きくしたので、発明例1及び2の場合と比べて、傾斜配合の効果は、最も大きかった。
発明例4では、高Al23鉄鉱石を、65kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を大幅に下げ、さらに、低Al23量とした。高炉での高Al23鉄鉱石原単位、及び、Al23原単位は、発明例2と同じであり、発明例2の場合と同程度の効果が得られている。
発明例5では、高Al23鉄鉱石を、65kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を大幅に下げ、さらに、低Al23量とした。高炉での高Al23鉄鉱石原単位、及び、Al23原単位は、発明例2と同じであり、発明例2の場合と同程度の効果が得られている。
比較例3では、高Al23鉱石を、28kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を下げ、低Al23量とした。その結果、還元率は向上したが、高Al23鉄鉱石の傾斜配合が不十分であったので、還元材比は399kg/tpに留まり、発明例1ほどの顕著な還元材比低減効果は得られなかった。
比較例4では、高Al23鉄鉱石(Al23量:2.65質量%)を、102kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での高Al23鉄鉱石の配合量を大幅に下げ、低Al23量とした。
その結果、還元率は大幅に向上したが、非焼成含炭塊成鉱から高炉に持ち込まれる結晶水量が過剰になり、炉頂温度120℃を維持することが困難であった。過剰な結晶水によるシャフト部での還元遅れも顕在化して、還元材比は403kg/tpと高かった。
比較例5は、ローブリバー鉱石とカラジヤス鉱石を混合して、Al23量を1.90質量%に調整した原料を、100kg/tp、非焼成含炭塊成鉱で使用し、その分、焼結鉱での当該鉄鉱石の配合量を大幅に下げた。しかし、上記鉄鉱石のAl23量が十分多くなく、焼結鉱の低Al23量化には限度があった。
その結果、還元率の向上は小さく、非焼成含炭塊成鉱から高炉に持ち込まれる結晶水量の増大だけが大きくなり、還元材比は、396kg/tpと、充分な低減効果は得られなかった。
前述したように、本発明によれば、高Al23鉄鉱石が高炉内の還元反応に及ぼす悪影響を抜本的に解消することができ、さらに、非焼成含炭塊成鉱の含炭効果が重畳するので、低品位資源の活用と、還元材比(コークス比)の低減を達成することができる。また、本発明によれば、製鉄プロセスにおいて、省エネルギー、低CO2化が可能となる他、発生したダストを、製鉄原料及び炭材として再利用できる。
よって、本発明は、工業的及び社会的に貢献するとことが多大で、鉄鋼産業において利用可能性が高いものである。

Claims (4)

  1. Al23を2.0質量%以上含有する鉄鉱石を、直接使用するか、又は、間接的に、塊成鉱及び/又は焼結鉱として使用する高炉操業において、当該鉄鉱石を、非焼成含炭塊成鉱の配合原料として、30〜100kg/tp使用することを特徴とする非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
  2. 前記非焼成含炭塊成鉱のC量が10〜35質量%であることを特徴とする請求項1に記載の非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
  3. 前記非焼成含炭塊成鉱のバインダー配合量が5〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
  4. 前記鉄鉱石を、事前に、1mm以下の割合が90%となるように、破砕及び/又は整粒することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非焼成含炭塊成鉱を用いる高炉操業方法。
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