JP2009084688A - 還元鉄ペレットの製造方法及び銑鉄の製造方法 - Google Patents

還元鉄ペレットの製造方法及び銑鉄の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、回転炉床式還元炉で酸化鉄を還元して、還元鉄ペレットを高炉またはキュポラ等の縦型炉に供給する際に、これらの炉での適正な操業を実施して、大量の還元鉄ペレットを還元することが本発明の目的である。
【解決手段】
回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して、鉄の金属化率50〜85%の還元鉄ペレットを製造する。この還元鉄ペレットの性状として、気孔率20〜50%のものを製造する。分級処理などをして、還元鉄ペレットの換算径が5〜20ミリメートルのものの比率が80%以上としたものを、製鉄高炉またはキュポラ等の縦型炉に装入する。炉下部の羽口から吹き込まれる空気とコークスや微粉炭との反応により発生する還元ガスにより、還元・溶解して、溶融鉄を製造する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、回転炉床式還元炉を用いて、酸化鉄と炭素を含む粉体を還元し、部分還元鉄を製造して、当該還元鉄含有物を高炉や縦型シャフト炉で還元溶解して、溶銑を製造する技術に関する。
還元鉄や合金鉄を製造する金属還元プロセスとしては各種のものがあるが、この内で、低コストで生産性の高いプロセスとして、回転炉床式還元炉(Rotary Hearth Furnace、以下「RHF」と称する)の操業が実施されており、その概要は、例えば、特許文献1に記載されている。図1は、RHFの直径方向の切断面を表すものであり、RHFは、固定した耐火物の天井1および側壁2の下で、車輪3に乗った中央部を欠いた円盤状の耐火物製の炉床4が、円を描くレール5の上を一定速度で回転する型式の焼成炉(以下、回転炉と称す)を主体とするプロセスである。側壁2には、複数のバーナー6が設置されており、ここから燃料と空気を吹き込み、炉内の雰囲気ガス成分と温度を制御する。一般的に、回転炉の炉床の直径は10〜50メートル、かつ、幅は2〜8メートルである。原料である、酸化金属と炭素を含む粉体の成形体は、炉床4の上に供給されて、炉内上部のガスからの輻射熱で加熱されて、成形体内部での酸化金属と炭素との反応により、成形体内部で金属を得る。
RHFの設備全体の例を図2に示す。原料としては、粉状の鉱石や酸化金属ダストなどの酸化金属と、還元剤として炭素を用いる。還元鉄の製造では、酸化鉄源としてペレットフィード等の微粒鉄鉱石や、転炉ダスト、焼結ダスト、高炉ガスダストなどの製鉄プロセスからの副生成物を用いる。還元剤の炭素は、コークス、オイルコークス、石炭などを用いる。還元反応の生じる温度である1100℃程度までに、揮発しない炭素分(固定炭素)の比率が高いものがより望ましい。この様な炭素源は、粉コークスや無煙炭である。
まず、図2の混合装置、ボールミル11にて、酸化金属を含む粉体と炭素を含む粉を混合した後、これを、造粒装置12にて粒状に成形する。この成形体を回転炉13の炉床4の上に、均一に敷きつめられるように供給する。回転炉13では、炉床4の回転とともに成形体が炉内の各部分を移動する。成形体は高温ガスの輻射により、1000〜1500℃に加熱されて、成形体内の炭素により、酸化金属が還元される。炉内で発生した排ガスは、排ガスダクト14を経由して、ボイラー15と熱交換器16で熱回収して、集塵装置17で除塵された後に煙突18から大気に放出される。回転炉13内では、成形体が炉床4上に静置されていることから、成形体が炉内で崩壊しづらいといった利点がある。その結果、耐火物上に粉化した原料が付着することに起因する問題が無い長所がある。また、生産性が高く、安価な石炭系の還元剤や粉原料を使用できる利点もある。
このような方法で製造された還元鉄の金属化率は90%以下であることが一般的であり、最大でも95%程度である。この金属化率は、MIDREX法等のガス還元方式の直接還元鉄(Directly Reduced Iron、以下「DRI」と称する)と比較すると低いものである。RHFは、炉内のガス雰囲気は二酸化炭素濃度が比較的高く、本来は還元に向いていない炉であるが、成形体内に酸化鉄と炭素を混在させていることから、成形体内の自発的な反応(FetO+C→tFe+CO)が起きるため、還元能力がある。この反応の結果、成形体内及び成形体周辺の一酸化炭素比率が高くなり、成形体集周辺は雰囲気的に還元性が高く、酸化鉄の還元が進行する。しかし、成形体内において、金属鉄比率が高くなると、酸化鉄比率の低下に伴い還元反応速度が低下して、成形体内及び成形体周辺の一酸化炭素比率が低下する結果となる。従って、高金属化率になると還元が遅くなる欠点がある。
例えば特許文献2に記載されているように、この還元鉄を高強度に製造する方法もあり、この高強度還元鉄を塊鉱石や焼結鉱と一緒に高炉に供給して、銑鉄を製造することも行われている。この方法では、予備還元した酸化鉄を高炉内で、最終還元と溶解することから、高炉の熱負荷が低下して、高炉のコークス原単位が低下するとともに、銑鉄生産量が増加する効果がある。
また、一般的な還元鉄を使用する高炉の操業方法については、従来からも実施されており、例えば特許文献3に記載されているように、大量の還元鉄を使用するための技術が開示されている。スクラップや高還元率の還元鉄を大量に使用する場合は、送風温度や微粉炭吹き込み量を調整することにより、炉内の温度を調整する技術が開示されている。
また、キュッポラ等の高炉以外の縦型炉で、スクラップとともに、還元鉄を溶解する操業も行われている。例えば特許文献4に記載されているように、塊状コークスとスクラップを炉内に入れて、炉下部から加熱された空気や酸素添加空気を吹き込み、スクラップを溶解処理している操業において、塊状の還元鉄(Hot Briquette Iron(HBI)又はDRI)をスクラップとともに溶解して銑鉄を生産している。
RHFと高炉の組合せの操業では、例えば特許文献2に記載されている技術などのように、RHFで、中程度の還元率かつ高強度の還元鉄ペレットを製造して、これを高炉で還元溶解する方法が実施されている。しかしながら、このような従来技術では、高炉で使用比率を多くするための技術改善の観点がなかった。例えば引用非特許文献1に記載されているように、高炉での還元鉄ペレットの使用量は2〜3%程度(製造銑鉄当り25〜40kg/トン)に止まっていた。つまり、日産1万トンの大型高炉においても、1日あたりの還元鉄ペレットの使用量は250〜400トンと少量であった。
この結果、1日の処理量が数百トンの少量処理である製鉄所内の鉄鋼ダスト処理で製造された還元鉄ペレットであれば、その生産量の全てを高炉で消化することができた。しかし、RHFで鉄鉱石を処理して還元鉄を大量に生産する場合は、1日当り数百トン〜数千トンの還元鉄が生産される。この量の還元鉄ペレットを高炉で原料として使用して銑鉄を生産する場合は、大型高炉においても、還元鉄ペレットの使用量は製造銑鉄1トン当り60〜200kgの高比率となる。
しかし、特許文献2や非特許文献1などの従来技術では、還元鉄ペレット使用量が少なかったため、ただ単に還元鉄ペレットを高炉に装入すれば良いとの考えしかなく、炉内での還元鉄ペレットの最終還元状態や溶解状況をコントロールすることはいなかった。また、RHF操業でも、ただ単に高強度の還元鉄ペレットを製造することの観点しかなく、高炉炉内で、還元鉄ペレットの残留酸化物が還元されやすくするための技術はなかった。この結果、還元鉄ペレットに残っている酸化鉄の還元が遅れてしまい、高炉シャフト中部で還元が終了せずに、炉下部のスラグ溜りまで酸化鉄が入り込んでいた。この場合は、スラグ中で酸化鉄還元が起きて、炉下部とスラグ温度が低下する問題や、スラグ中のFeOが上昇してスラグの脱硫性能が低下する問題があった。
一方で、特許文献3に記載されている技術を用いれば、高炉の操業条件をコントロールすることで、比較的大量の還元鉄を高炉で適正に使用することが可能であった。しかし、この技術では、従来技術であるMIDREX等の還元プロセスによって生産される高金属化率の還元鉄の使用が前提であった。つまり、この技術はRHFで製造した低金属化率の還元鉄を使用することは考慮されていなかった。高金属化率の還元鉄であれば、その中に残存している酸化鉄が少なく、この結果、この還元鉄を加熱して溶解させるだけで、溶融鉄を製造できる。従って、低還元率の還元鉄中の酸化鉄をいかに還元するかの技術はなかった。一方、RHFで製造した還元鉄ペレットは、金属化率が50〜85%であり、多くの酸化鉄を内部に含んでいる。従って、この還元鉄ペレットにおいては、その内部の酸化鉄還元が重要であり、特許文献3に記載されている技術をもってしても、還元反応が不十分となり、前述したような技術的な問題が起きていた。
還元鉄を縦型シャフト炉で溶解する技術においても、特許文献4に記載されているように、低金属化率の還元鉄ペレットを還元溶解するためには、特殊な操業が必要であった。つまり、還元度の低い還元鉄を使用する場合は、コークスと鉄源(スクラップや還元鉄)の装入位置を正確に制御する必要があり、このための特殊な装置が必要であることから、一般的に実施することは困難であった。また、このような特殊な技術を用いても、還元鉄内の酸化鉄の還元が遅れることにより、スラグのFeOが増加することに伴う問題が発生しやすかった。これが理由で、還元の速い5ミリメートル以下である小粒径の低還元率の還元鉄しか使用できない問題があった。このように、従来技術では、低還元率かつ粒子径のやや大きい還元鉄ペレットを大量に使用することは困難であった。
以上に説明したように、従来技術では、RHFで製造した低還元率の還元鉄ペレットを高炉又は縦型炉(キュッポラなど)で大量に使用することはできなかった。一方で、RHFにて、高還元率(金属化率85%以上)の還元鉄を製造して、高炉又は縦型炉で大量使用することが技術的には可能ではあった。しかし、前述したように、RHFでは、高金属化率となると還元反応が停滞する問題があった。この結果、金属化率を85%以上とする場合は、余剰の炭素を添加して、更に1400℃以上の高温処理が必要となる。従って、還元鉄製造のエネルギー原単位が悪化してしまう問題があり、熱経済的に効率の悪いものであった。
このように、RHFで還元鉄を製造して、これを高炉や縦型炉で大量に処理して、溶融鉄を製造することには、種々の問題があった。従って、これらの従来技術の問題点を克服するための新しい技術が求められていた。
特開2001−303115号公報 特開2004−218019号公報 特開2001−234213号公報 特開平11−117010号公報 "Dust Recycling Technology by the Rotary Hearth Furnace at Nippon Steel’s Kimitsu Works", Revue de Metall. Cahiers d'Inf. Tech. (2002) Vol.99, (10), p.809-818, T.Ibaraki and H.Oda
本発明は、以上に記載されているRHFで製造された還元鉄含有物を熱間で成形する際の技術的な課題を解決するためになされたものであり、その詳細は、下記の(1)〜(16)に記載される通りである。
(1)回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して還元する。この際に、酸化鉄の平均粒径が50ミクロン以下である原料で成形体を製造する。この成形体を還元処理する再に、還元帯内では、一酸化炭素の二酸化炭素に対する比を0.3から1として、かつ、1400℃以下の温度とする。この処理によって、鉄の金属化率50〜85%であって、残留炭素の比率が2%以下である還元鉄ペレットを製造する。この操作により、気孔率20〜50%、かつ、圧潰強度が5MPa以上の還元鉄ぺレットを製造できる。
(2)前出(1)の方法において、成形体の炉内での1200℃以上での滞在時間を8分以上、かつto=69.5-0.035Tで示される時間以下にすることで、適正な気孔率と圧潰強度の両立が可能となる。なお、toの単位は分、Tは1200℃以上の炉内部分での平均ガス温度(℃)である。
(3)加熱帯において、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱する際に、100℃から1000℃までにおいて、成形体中心部の加熱速度が平均毎分400℃以下とすることで、前出(1)又は(2)の方法において、より確実に、適正な気孔率と圧潰強度の両立が可能となる。
(4)前出(1)乃至(4)のいずれか1つの方法において、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体中の酸化珪素に対する酸化カルシウムの質量比が2.2以下とする。また、(5)酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体中の酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、及び酸化鉄中トータル鉄の含有率の関係が、{(CaO質量%)-(MgO質量%)}/(T.Fe質量%)<0.1かつ {(CaO質量%)-(MgO質量%)}/(SiO2質量%)<2.0とする。更に、(6)原料中のフッ素と塩素の含有率を(F質量%)+0.4(Cl質量%)<0.25%とする。以上の方法により、還元鉄ペレット中の酸化物の融点を高く維持することで、より確実に、適正な気孔率と圧潰強度の両立が可能となる。
(7)回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%の還元鉄ペレットを製造する。この還元鉄ペレットは、平均35ミクロン以下金属鉄の粒子が結合して、酸化鉄とその他酸化物との混合物間に金属鉄ネットワークを形成してなる内部構造を持ち、また、気孔率20〜50%である。この還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、鉱石、焼結鉱とともに、製鉄高炉に装入して、還元溶解して、溶融銑鉄を製造する。更に、(8)前出(7)に記載されている還元鉄ペレットであって、内部構造が、酸化鉄を含む酸化物の平均粒径が5〜100ミクロンであって、かつ、これが金属鉄ネットワークによって拘束されている状態であるものを、鉱石、焼結鉱とともに、製鉄高炉に装入して、還元溶解する。
(9)回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して還元する際に、前出(1)乃至(6)のいずれか1つの方法で製造した還元鉄ペレットを使用する。この還元鉄ペレットは、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、気孔率20〜50%である。この還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、鉱石、焼結鉱とともに、製鉄高炉に装入して、還元溶解する。
(10)前出(7)乃至(9)のいずれか1つの方法において、製造される銑鉄量に対して、250kg/トン以下の比率で、還元鉄ペレットを製鉄高炉に装入することで、より効率的に、溶融銑鉄を製造する。
(11)前出(7)乃至(10)のいずれか1つの方法において、65%以上の還元鉄ペレットを製鉄高炉の直径方向で中心から2/3以内の位置に装入することで、より効率的に、溶融銑鉄を製造する。
(12)回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、平均35ミクロン以下金属鉄の粒子が結合して、酸化鉄とその他酸化物との混合体間に金属鉄ネットワークを形成しており、かつ気孔率20〜50%である還元鉄ペレットを製造する。この還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、塊状の鉄と塊コークスの炉内空間充填率が80%以下の縦型炉に装入して、還元溶解することで、溶融銑鉄を製造する。
(13)回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して還元する際に、前出(1)乃至(6)のいずれか1つの方法で還元鉄ペレットを製造する。この還元鉄ペレットは、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、酸化鉄とその他酸化物との混合体間に金属鉄ネットワークを形成しており、かつ気孔率20〜50%のものである。これを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、塊状の鉄と塊コークスの炉内空間充填率が80%以下の縦型炉に装入して、還元溶解することで、溶融銑鉄を製造する。
(14)前出(12)又は(13)の方法において、縦型炉内の塊状の鉄に対する還元鉄ペレットの比率が100%以下である条件で、還元鉄ペレット当該還元溶解することで、より効率的に、溶融銑鉄を製造する。また、(15)前出(12)乃至(14)のいずれか1つの方法において、70%以上の還元鉄ペレットを縦型炉の直径方向で中心から2/3以内の位置に装入して、溶融銑鉄を製造する。
(16)前出(12)乃至(15)のいずれか1つの方法において、回転炉床式還元炉にて、亜鉛、鉛の少なくともいずれかを含む、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理することで、製造された亜鉛と鉛の合計含有率が0.05%以上の還元鉄ペレットを、炉上部ガス温度500℃以上の状態の縦型炉に装入して、還元溶解する。
本発明を用いれば、RHFで、酸化鉄粉体や製鐵設備から回収される酸化鉄含有ダストを適切に還元して、還元鉄ペレットを高炉に供給して、経済的に溶融鉄を製造できる。また、高炉の替わりにキュッポラ等の縦型炉での同様に経済的に溶融鉄を製造できる。
酸化鉄と炭素を含む粉体を原料として使用する。酸化鉄は、酸化第一鉄(ウスタイト、FeO)、三四酸化鉄(マグネタイト、Fe3O4)、酸化第二鉄(ヘマタイト、Fe2O3)のいずれでも良く、これらが混合したものも使用できる。また、金属鉄粉が混合していても良い。酸化鉄源は、鉄鉱石、砂鉄などの鉱石類と、製鉄所などで発生する酸化鉄含有ダストなどである。炭素源は、粉コークス、粉炭、石油コークスなどを用いる。還元反応には、1000℃以上でも揮発しない固定炭素(FC)が寄与することから、固定炭素の比率が多いものが望ましい。この観点からは、粉コークス、石油コークス、無煙炭、中揮発分炭などが良い。また、製鉄業の炭素分を多く含むダストなどを利用することも良い。
原料には、鉄鉱石、酸化鉄含有ダスト、コークス、石炭などの不純物が混入している。これらは、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛等の容易に還元される金属酸化物と、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の容易に還元されない金属酸化物がある。炭素源を除く、粉体の全鉄含有率(トータル鉄(T.Fe)含有率)は50%以上が良い。T.Feが50%以下の場合は、還元後の金属鉄比率が55%以下になることがあり、還元鉄ペレットの強度が低下する問題が起きる。なお、ここでT.Fe含有率とは、酸化鉄中の鉄含有量と金属鉄量の合計を粉体総量で割った値である。
原料の粉体は、酸化鉄粒子の平均粒子径が50マイクロメートル以下のものを用いる。平均粒子径が50マイクロメートル以上であると、粒子内の物質移動が遅くなり、還元のための時間がかかりすぎるため、50マイクロメートル以上の粒子は好ましくない。また、還元鉄ペレットの気孔率制御のためには、細かい粒子の方が望ましく、可能であれば、平均粒子径が25マイクロメートル以下の粒子が良い。また、造粒操作においても、粒子径が小さいものほど、成形体を製造しやすいため、この観点からも粒子は細かい方が良い。
原料中の酸化鉄と炭素の比率を適正な条件として、原料を配合する。RHFでの反応は、MO+C=M+CO及びMO+CO=M+COである。ここでMは金属元素を表す記号である。本発明者らは、RHFの内部での反応を調査した結果は以下のとおりである。酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛等の1200℃で一酸化炭素によって還元される金属は、RHF内で金属化される。その金属化率は、RHFの操業条件等で決まる。一方、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の1200℃で一酸化炭素によって還元されない金属は、RHF内で還元されずに、酸化物として残る。
炭素配合量は、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化亜鉛等の容易に還元される金属と化合している酸素(以下、活性酸素と称する)との比率で決める。また、酸化鉄等の還元反応は約1000℃を越えた時点で起きるため、還元反応に寄与する炭素は固定炭素である。従って、活性酸素と固定炭素の比率を調整すれば、RHF内で良好な反応を起こせることを見出した。その条件は、活性酸素の原子モル量に対して原子モル量の固定炭素の比率(C/O)が、0.7〜1.5であることである。C/Oが0.7未満の場合は、RHFでの還元条件に関らず、炭素不足で、還元が不十分になることから、多くの場合で鉄の金属化率が50%以下となるとともに、一部の酸化鉄が酸化第二鉄として残ってしまう。一方で、炭素過剰の状態では、反応後に還元鉄ペレットに炭素が多く在留してしまう。後述するように、C/Oが1.5超では、残留炭素が2質量%以上となるため、還元鉄ペレットの圧潰強度が低下する問題がおきる。
この原料粉体をRHFで還元する方法を図1及び図2を用いて説明する。まず、原料粉体を混合装置(図2ではボールミル11)にて混合した後、これを造粒装置12にて成形体にする。混合装置は、ボールミルに限定されるものではなく、ニーダー式、流動層式、水中混合等の手段でも良い。造粒装置は、ディスク式造粒粒装置、ローラー式圧縮成形装置、押出式成形装置などがある。この成形体を回転炉13の炉床4の上に、均一に敷きつめる。炉床4上の成形体の層数は2層以下が良い。これは伝熱を良好にするための条件である。成形体の大きさは、球状のもので、平均直径8〜25ミリメートル、その他の形状のもので、平均換算径が7〜30ミリメートルのものが良い。小さ過ぎるものは、炉床4の上の成形体厚みが薄くなりすぎて、生産性が低下する問題があり、また、大き過ぎるものは、成形体内部の伝熱が悪化する問題がある。回転炉13の内部では、炉床4の回転とともに成形体が炉内の加熱帯から還元帯を移動する。成形体は高温ガスの輻射により、還元帯内部では1200〜1400℃に加熱されて、成形体内で炭素と酸化金属が反応して、還元鉄が生成する。成形体の炉内の滞在時間は10〜25分間であり、1000℃までの加熱時間を除いた還元時間は5〜20分間程度である。ここで、換算径とは、容積の1/3乗で示されるものである。
成形体の加熱速度は、中心で400℃/分以下、望ましくは、300℃/分以下が良い。この条件とするためには、加熱帯の平均ガス温度は1200℃以下が良い。加熱速度が速すぎると、中心部と外周部の温度に大きな偏差ができてしまう。外周部が1000℃を超えると、その部分では還元反応が起きる。一方、中心部と外周部の温度差が大きい場合は、外周部の反応がほぼ完了しても、中心部の反応はほとんど進んでいない状態となる。この後、中心部の還元が進むが、その際には、外周部はガスを通しづらい還元完了層が形成されてしまい、中心部の還元に伴って発生するガスの通過抵抗が大きくなる。この結果、外周部に亀裂が入るなどの欠陥が生ずる問題がある。また、100℃/分未満の成形体の加熱速度では、RHFの生産性が大幅に低下することから、100℃/分以上、望ましくは150℃/分以上、の成形体の加熱速度とすることが良い。
この反応で生成した還元鉄ペレットは、還元率(被還元金属の酸素除去率)が65〜90%であり、鉄の金属化率50〜85%のものである。その際に、気孔率が20〜50%、望ましくは20〜45%、の還元鉄ペレットを製造する。原料である成形体は27〜55%の気孔率のものを使用するが、反応で炭素と酸化鉄中の酸素が抜けると、成形体内の空隙が多くなり、このままでは還元鉄ペレットの気孔率が50〜70%に増加してしまう。また、単にこのままの状態で処理を終了すると、還元鉄ペレットの圧潰強度が1MPa(10kg-f/cm2)以下となってしまう。この圧潰強度では、高炉や縦型炉に装入した場合に、容易に粉化してしまい、炉内のガス通気が悪化する。
従って、RHFの炉内で、還元鉄ペレット中の金属鉄と酸化物を焼結させて、還元鉄ペレットの気孔率を高める。このための条件としては、還元温度を1200℃以上とすること、還元鉄ペレットの金属鉄比率を50%以上とすること、及び残留炭素を2質量%以下とすることの3点である。また、焼結時間を確保するために、1200℃以上の成形体の炉内滞在温度を8分以上とする。この条件であれば、気孔率が50%以下の還元鉄ペレットを製造できる。ただし、還元温度を1400℃超とすると還元鉄ペレット内の金属鉄と炭素が反応してセメンタイトを形成してしまう。セメントタイトは低融点であるために、これを溶解することで金属鉄と酸化物が物理的に分離してしまう。これが原因で、適
正な金属鉄粒子のネットワークを形成できなくなり、還元鉄ペレットの圧潰強度が低下する。従って、還元温度を1200〜1400℃とすることが良い。この条件であれば、気孔率が50%以下の還元鉄ペレットを製造することができ、この気孔率であれば、還元鉄ペレットの圧潰強度は5MPa以上となり、高炉や縦型炉で使用できるようになる。なお、ここで、気孔率は還元鉄ペレットに含まれる物質の真比重と還元鉄ペレット見掛け比重との比から計算されるものである。気孔率は、(気孔率)=100−(見掛け比重)/(真比重)×100(%))で与えられるものであり、また、見掛け比重とは、還元鉄ペレットの質量を容積で割った値である。
本発明の方法で製造される還元鉄ペレットは、その構造が、酸化鉄とその他酸化物との混合体間に金属鉄粒子ネットワークを形成している特徴を持つ。酸化鉄を少量残すとともに、成形体内の炭素を残留させないことが重要である。従って、本発明の方法は、従来法の製造方法に対して、還元率が極端には上げないことが操業上の特徴である。このために、RHF炉内の還元帯の雰囲気を弱還元性とする。雰囲気が強還元性であると、炭素と酸化鉄との反応による還元に加えて、ガス中の一酸化炭素と酸化鉄の反応が進行して、炭素が還元鉄ペレット内に残留しやすくなる。この場合は、セメンタイトが形成されて、金属鉄の融点が低下し、金属鉄粒子ネットワークを形成できなくなり、還元鉄ペレットの圧潰強度が低下する。なお、ここで、金属鉄粒子ネットワークとは、数マイクロメートルから35マイクロメートル程度であり、還元によって生じた金属鉄粒子同士が結合して、三次元的なネットワークを形成するものを言う。
本発明者らの実験では、還元帯ガス中の一酸化炭素の二酸化炭素に対する比(CO/CO比)は、1以下が良く、望ましくは、0.8以下が良い。ただし、CO/CO比が0.3以下であると、酸化鉄の還元が正常に進まない。ここで、還元帯とは、還元鉄ペレットの中心温度が1000℃以上である炉内の位置であり、また、ここでのガス成分の定義は成形体から300mm以上の炉内空間の平均値である。成形体から300mm以下では、酸化鉄の還元反応により発生する一酸化炭素の影響を受けているため、ガス全体の組成との偏差があることから、この部分のガス組成は本発明のガス組成の定義から外す。
還元ペレット内に残る酸化物の形態も還元鉄ペレットの強度と気孔率に影響する。この酸化物の融点が低く、炉内で溶融又は軟化すると、冷却後の還元鉄ペレット内の酸化物粒子が粗大化する。この結果、還元鉄粒子ネットワークと酸化物が分離してしまい、還元鉄ペレットの全体的な結合状態が悪化する。その結果、還元鉄ペレット強度が低下する問題が起きる。また、極端な場合は、溶融した酸化物により、気孔が閉塞してしまう。本発明では、酸化物粒子の大きさを5〜100ミクロンに制御する。5ミクロン未満では、酸化物粒子が、金属鉄粒子ネットワークの隙間よりも小さくなってしまい、密な構造にならない。また、100ミクロン超では、粗大な酸化物粒子に内部に金属鉄粒子ネットワークが取り込まれてしまい、還元鉄ペレットの強度が低下する。なお、ここで、酸化物の大きさとは、単独で存在する場合は、この大きさであり、焼結体である場合は、ここの粒子径である。
この現象を防止し、酸化物粒子の大きさを適正にするためには、低融点の酸化物化合物を生成しない原料の化学組成とすることが良い。低融点の酸化物は、カルシウムフェライトやカルシウムシリケートに不純物が混在しているものなどがある。これらが生成しない原料化学組成を調査したところ、酸化カルシウムと酸化鉄の比率と酸化カルシウムと酸化珪素の比を制御すれば良いことが判った。また、酸化マグネシウムは、カルシウムフェライトやカルシウムシリケートの生成を抑制することも判明した。実験により、1200〜1400℃で酸化物が溶融又は軟化しない条件として、酸化珪素に対する酸化カルシウムの質量比が2.2以下であることが良いことが判明した。また、いっそうの改善のためには、{(CaO質量%)-(MgO質量%)}/(T.Fe質量%)<0.1かつ {(CaO質量%)-(MgO質量%)}/(SiO2質量%)<2.0であると良いことが求められた。また、フッ素と塩素は酸化物の融点を低下させる元素であることから、(F質量%)+0.4(Cl質量%)<0.25%の条件であると良い。ここで、塩素濃度に係る係数は、塩素の原子量差と軟化に関る影響度を考慮するためのものである。特に、製鉄ダストなどのリサイクルを行う場合は、酸化物組成を限定することが重要な手段となる。
一方で、還元鉄ペレットの気孔率は20%以上とすることは、還元鉄ペレットの還元速度を向上させるために必要である。これは、高炉や縦型炉で還元鉄ペレットを還元する際に、気孔を通して還元ガスを拡散浸透させることで、還元鉄ペレットの最終還元を促進するためである。この気孔率を満足させるためには、還元温度を1400℃以下、残留炭素を2質量%以下、成形体の炉内の1200℃以上での滞在時間を to=69.5-0.035Tで示される時間以下とする。ここでTは1200℃以上の炉内部分での平均ガス温度(℃)、toは最長炉内滞在時間(分)である。toは1200℃で27.5分、1300℃で24.0分、また1400℃で20.5分である。この条件であれば、過剰な焼結を防止でき、気孔率を20%以上に留めることができる。この結果、還元鉄ペレットは焼結のために収縮して、5〜20ミリメートルの換算径となる。なお、成形体が割れるなどの現象により、この還元鉄ペレットには、少量の5ミリメートル以下の金属鉄粒子が含まれる。
以上の条件で製造した還元鉄ペレットを冷却する。冷却時に注意すべきことは、還元鉄ペレットの再酸化である。再酸化防止のために、還元鉄ペレットの温度が300℃以上では、酸素濃度5容積%以下の低酸化雰囲気のガス中で冷却することが良い。冷却装置としては、内部に窒素を導入できるタイプとして、ドラム式外部水冷クーラーが良い。後述するように、冷却後に常温となった還元鉄ペレット中の酸化第二鉄の比率を5質量%以下にする。酸化第二鉄の比率を制約する理由としては、これが高炉炉内で、還元時に粉化することにより、還元鉄ペレット強度が低下することが起きるためである。
以上に説明した還元鉄ペレットを高炉で還元溶解する。高炉の概略的構造を図3に示す。高炉原料は、本発明の還元鉄ペレットと、塊鉱石、焼結鉱、焼成ペレット等の鉄源と冶金用コークスを、炉上部のベルを経由して、高炉炉内の炉頂21に供給する。還元鉄ペレットは鉱石や焼結鉱などと共に、装入されて、炉内で鉱石層22を形成する。塊コークスは単独で装入されて、コークス層23を形成する。羽口25から1100〜1200℃の熱風と微粉炭を吹き込み、炉内の反応を起こさせる。これらの原料は反応が進むとともに、炉内を降下し、炉芯24の周囲で溶融鉄と溶融スラグとなって、炉下部に溜まる。これを出銑口26から排出する。高炉に供給する還元鉄ペレットは、前述したように、鉄の金属化率は50〜85%、換算径5〜20ミリメートルのものが80%以上、かつ気孔率20〜50%のものである。還元鉄ペレットの圧潰強度は5MPa以上が良い。また、高炉での還元鉄ペレット使用量が少ない場合は、還元遅れ問題は顕在化しないため、本発明の効果は、還元鉄ペレット使用量が溶銑生産量当り40kg/t以上であると顕著になる。
換算径5〜20ミリメートルのものが80%以上、及び気孔率20〜50%の条件は、高炉での還元反応と熱伝達の特性で決まるものである。RHFで製造した還元鉄ペレットは金属化率が50〜85%であることから、その内部に多量の酸化鉄を含んでいる。従って、高炉シャフト中部までの高炉内のガス還元が不十分であると、炉下部でも酸化鉄が残存してしまい、スラグ中でのコークスによる直接還元が起きてしまう。この結果、還元反応の吸熱によりスラグ温度が低下してしまい、高炉からのスラグ排出が困難になる事象やスラグ中FeO増加のために、スラグの脱硫能力が低下して、銑鉄の硫黄濃度が上昇する事象が起きる。
還元鉄ペレットの大きさについては、RHFでの製造条件からは20ミリメートル以下が良く、高炉炉内のガス流れを乱さない観点から5ミリメートル以上が良い。本発明者の実験では、5ミリメートル以下の還元鉄ペレットが10〜15%以上になると、高炉炉内のガス圧損が大きくなることがわかった。これは、換算径が5ミリメートル以下のものは、他の装入物と炉内に充填されてしまい、充填物のガス通過圧力損出が増加して、高炉内への送風量が低下する問題が起きる。この現象が起きると、高炉の生産性(出銑比(t/日))が低下する。また、20ミリメートル以上の還元鉄ペレットが多くなると、還元条件が良くとも、熱伝達の遅れによるスラグ内のFeO増加することも見られる。なお、還元鉄ペレットの大きさにはバラツキがあることから、実際の粒度管理では、5〜20ミリメートルのものの比率を80%以上に管理することが良い。
本発明者は、還元鉄ペレット内の残留酸化鉄を還元するためには、還元鉄ペレット内部に還元ガスを拡散させることが重要であるとの視点から、還元鉄ペレット内のガス拡散に影響する因子を調査した。最も影響のある因子は、内部気孔率と大きさである。大きさは、熱伝達についての制約事項である径5〜20ミリメートルの範囲の還元鉄ペレットを用いた反応カラムでの還元実験を行った。この実験は、1100℃の一酸化炭素雰囲気での還元速度を計測するものであった。この実験結果を、還元反応速度指標(還元鉄ペレットの径を補正して指標化したもの)と還元鉄ペレットの気孔率の関係を図4に示す。なお、気孔率55%のデータを1とする指標で表示した。この指数で、0.6以上であれば、高炉内での還元が十分な速度で進行して、還元遅れ現象が起きないことから、気孔率は20%以上がよい。また、この図に示されるように、25%以上の気孔率であれば、還元反応速度が高位安定することが判明した。
気孔率20%以上で、径5〜20ミリメートルであって、かつ金属化率が50〜85%の還元鉄ペレットは、高炉の炉内で、還元鉄ペレット内部の一酸化炭素ガス拡散が速やかに進み、高炉シャフト下部にある融着帯に達するまでに、酸化鉄の金属化がほぼ終了する。また、内部構造が、酸化鉄を含む酸化物の平均粒径が5〜100ミクロンである場合は、還元鉄ペレットの強度が十分であるとともに、還元速度を高くすることが可能となる。つまり、100ミクロン以下の粒子であれば、粒子内の拡散が速く、迅速な還元が可能となる。また、5ミクロン未満の粒子では、還元鉄ペレットの強度低下が起きる場合があるため、望ましくない。この理由で、融着帯での還元鉄ペレットの溶け落ちが迅速になり、この部分でのガス圧力損出が低減されて、炉内のガス流れが改善される。なお、前述したように、気孔率の上限値は還元鉄ペレットの強度の下限で決まるものであり、本発明では50%である。
RHFで製造した還元鉄ペレットには酸化鉄が残留しているため、もうひとつの問題点が起きる。この還元鉄ペレットが酸化第二鉄を含む場合は、その還元過程で結晶膨張が起きて、還元鉄ペレットは分解する問題がある。従って、酸化第二鉄比率を低くする必要があり、その比率が5質量%以下であると、この現象が起きない。酸化第二鉄比率を管理するためには、還元条件を良好にすることと、冷却時と保管時の還元鉄ペレットの再酸化を防止することが重要である。還元条件においては、C/Oを0.7以上にするとともに、RHF炉内の1200℃以上の温度を7分以上とする。また、冷却においては、還元鉄ペレットが300℃以上の状態での酸素濃度を5容積%以下とするなどの方法が必要である。また、保管期間を適正にして、再酸化を防止する。
本発明者は、上記の技術を4800立方メートルの高炉にて実施したところ、還元鉄ペレット100kg/tの範囲までは、還元鉄ペレットの還元度による熱負荷低減の計算値に応じた還元剤(コークス+微粉炭)の比率以上の低減効果が見られた。100〜250kg/tにおいては、還元鉄ペレットの還元・溶解は順調に進んでいたが、計算値よりもやや熱的効果の小さいと実績となった。このように、還元鉄ペレットの量が増加すると、熱的効果が小さくなる傾向にある。これは、炉内の還元鉄ペレットの比率が高すぎると、炉内ガスと鉱石類との接触状態が変化して、ガス利用率が変化するためと思われる。このため、65%以上の還元鉄ペレットを製鉄高炉の直径方向で中心から2/3以内の位置(面積比で44%)に装入することで、この現象を抑制する。還元鉄ペレットを100kg/t以上使用する場合などは、特にこの方法が有効であり、最大250kg/tまでは、金属鉄や低酸化度の酸化鉄(FeO)を使用することの熱負荷低減の計算値に応じた還元剤(コークス+微粉炭)の比率以下の還元剤比で操業できる。
このように、還元鉄ペレットを高炉の外周側に多く入れると、還元鉄ペレットは鉱石等と比較して還元・溶解が速いため、外周部の充填物(バーダン)の降下速度が大きくなりすぎてしまう。この結果、還元の遅い外周部の鉱石が未還元のままで炉下部に到達してしまい、炉下部が過冷却されてしまう問題が出る。また、還元鉄ペレットを炉中心部に多く供給すると、炉中心部のガス流れが促進されるとともに、充填物の降下の促進される効果が出る。これは、還元鉄ペレットが還元粉化しないため、充填物中のガス圧力損出が高くならないようにできることと、還元鉄ペレットの降下速度が鉱石等よりも大きいことが原因である。この結果、中心部でのガス流れが促進されて、送風量を増加することができ、かつ、中心部での充填物が短時間で還元される。この結果、高炉での還元剤比率がより低減されて、更に銑鉄生産性(生産t/d)を向上できる。
本発明では、RHFで製造した還元鉄ペレットをキュポラなどの縦型炉にも装入して、溶融鉄を生産する。この場合も、高炉での技術と類似の技術を用いる。縦型炉は、円筒又は下方にテーパーの付いた上部シャフトと溶融物を貯める炉下部を有する徳利状の炉であり、高炉に類似した縦型シャフトリ炉構造である。一般的に、高さと最大径の比率は、4:1〜8:1程度である。この炉に、炉上からスクラップ、型銑等の塊状の鉄と塊コークスを装入する。この際に、RHFで製造した還元鉄ペレットをスクラップ等とともに装入する。炉下部の側壁に設けた羽口から常温空気又は200〜600℃の加熱空気を吹き込んで、コークスを燃焼させて、スクラップ等を溶解するとともに、還元鉄ペレットを最終還元し溶解する。なお、吹き込まれる空気に酸素富化することもある。羽口を上下2段にすることもあり、この場合は、コークス燃焼を促進することができる。
縦型炉で還元鉄ペレットを効果的に使用する条件としては、塊状の鉄と塊コークスが炉内に充填される空間率(充填率)が80%以下であることが良い。塊コークスや塊状の鉄よりも小さい還元鉄ペレットは、塊コークスと塊状の鉄の間に入り込むことから、これ以上の充填率であれば、ガス通過のための空間が少なくなり、ガスが抜けづらくなるためである。より良い条件としては、これらの炉内充填率65%以上とする。また、ガスの充填物間の通気確保と、未還元の酸化鉄がスラグに入らない条件とするためには、縦型炉内の塊状の鉄に対する還元鉄ペレットの質量比率は100%以下が望ましい。また、中心から2/3以内の距離の部分への還元鉄ペレットの供給比率を70%以上とすると還元鉄ペレットの還元・溶解が促進される。特に、塊状の鉄に対する還元鉄ペレットの質量比率が50〜100%である場合は、その効果が大きい。
また、縦型炉においては、比較的炉内充填物の最上部(炉頂)の温度を高くすることができる。この条件であれば、還元鉄ペレットを炉に装入した直後から加熱が開始されるため、比較的還元鉄ペレットの炉内滞在時間を短くできる。炉頂温度が500℃以上の縦型炉においては、還元鉄ペレットの炉内時間を最短で20分とすることができる。あまり滞在時間を長くしても利点はないので、経済的には、最長で2時間にすることが良い。
縦型炉で、炉頂温度を高くすることができるもう一つの利点として、亜鉛・鉛等の揮発性の物質を含有する原料を使用できることである。金属化した亜鉛・鉛は、1000℃程度以上で蒸発する。この蒸気が500〜800℃で酸化物又は塩化物の形態で再凝集する。従って、縦型炉での亜鉛と鉛が金属化して蒸発する操業において、炉頂温度が低い場合は、これらの金属が充填物のある部分で再凝集してしまう。この再凝集物(酸化亜鉛・塩化亜鉛・酸化鉛・塩化鉛等)が炉壁に付着することがある。この結果、この部分の炉内が狭くなって、縦型炉の生産性が低下する問題が起きる。本発明者の研究では、炉頂温度が500℃以上であれば、蒸発物の大部分はガスと一緒に炉外に出て行き、炉壁の付着物が発生しづらい。従って、RHFにて、亜鉛、鉛の少なくともいずれかを含む、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理することで、一部の亜鉛と鉛を除去して、亜鉛と鉛の合計含有率が0.1%以上の還元鉄ペレットを製造する。なお、この亜鉛・鉛濃度であると、縦型炉内からの亜鉛発生が多く、一般的な操業であれば、炉内付着物が形成される条件である。この還元鉄ペレットを炉上部ガス温度500℃以上の状態の縦型炉に装入する。この方法により、亜鉛と鉛の含有率の高い粉体を原料として、溶融鉄を製造できる。
本発明を実施する場合には、RHFでは、鉄の金属化率が50〜85%の還元鉄含有物を製造して、これを熱間成形した還元鉄ペレットを高炉で還元・溶解することが良い。RHFは、還元速度が高く短時間に酸化鉄を還元することができるプロセスである。しかし、段落番号「0005」に記載したように、プロセスの特性として、炉内雰囲気ガスに二酸化炭素がある比率で混入してしまう。この結果、鉄の金属化率で85%以上の高還元を実施するためには、炉内温度を1400℃以上、反応後の還元鉄含有物中に残留炭素を5質量%以上とすることが必要となる。鉄の金属化率を80%から90%に向上させるために、エネルギー消費が30%増加し、経済的な操業を実施できない。従って、鉄の金属化率は85%以下、望ましくは80%以下とすることが熱経済的に良い。また、鉄の金属化率の下限値50%とする理由は、これ以下の金属化率では、高強度の還元鉄ペレットを製造することが困難であるからである。本発明者の検討では、RHFで、鉄の金属化率が50〜85%の還元鉄含有物を製造し、これを高炉で還元・溶解することの所要エネルギーは焼結設備と高炉の組合せで銑鉄を製造する所要エネルギーよりも少なく、経済的であることが判明した。
本発明の方法を図2に記載のRHF設備を用いて、酸化鉄の還元・成形処理を実施した。なお、RHFは炉床外径24メートル、処理能力24トン/時のものである。また、以上の設備で製造した還元鉄ペレットを4800立方メートルの高炉、又は高さ10m、内径2.2mのキュッポラに供給して、操業結果を調査した。使用した原料を表1に、操業結果を表2から表4に記載する。
原料は、表1に示す3種類のものであり、原料1は、製鉄所で発生する酸化鉄含有ダストと粉コークスであり、原料2は、ヘマタイト鉱石と無煙炭の混合物であり、また、原料3はマグネタイト鉱石と無煙炭の混合物であった。C/Oの条件はいずれも本発明の範囲内であった。原料4は、製鉄所の酸化鉄含有ダストと粉コークスを原料としたものであった。その亜鉛と鉛の含有率は各々2.1質量%と0.7質量%であった。原料5は、酸化鉄含有ダストと粉コークスを原料としたもので、粒子径の小さい原料あった。原料6は、酸化鉄含有ダストと粉コークスを原料としたもので、比較的酸化カルシウム等の多いものであった。
Figure 2009084688
以上の原料をRHFで還元した。RHF1、RHF3、RHF4、RHF5は本発明の良好な条件で処理した結果の平均値を示したものである。これらの水準では、金属化率、気孔率、圧潰強度ともに、本発明での高炉及び縦型炉の最適な使用条件に入っている。平均の換算径は11〜16ミリメートルであり、換算径5〜20ミリメートルの比率は83〜96%の範囲であった。なお、RHF5の水準では、原料の亜鉛と鉛の一部が除去されて、これらの含有率は各々0.18質量%と0.07質量%となっていた。RHF6の水準では、原料5の粒子径が小さかったことから、気孔率が40%と比較的高かったが、圧潰強度は15.3MPaと非常に良好であった。
一方、RHF2の水準では、1200℃以上の部分での成形体の滞在時間がtoよりも長い操業の例である。この水準では、粒径の大きい成形体を使用したが、焼成は十分で、圧潰強度は19.6MPaと非常に良好だった。ただし、1200℃以上の部分での成形体の滞在時間が長すぎたため、気孔率が22%となった。これを高炉に供給することは強度的には可能であり、溶銑トン当たり数十kgの少量であれば問題ないが、気孔率が低いため、大量に使用する場合は、高炉での還元性に問題が起きる場合がある。
RHF7の水準では、原料の酸化カルシウム比率が高かったため、{(CaO)-(MgO)}/(T.Fe)が0.12、また{(CaO)-(MgO)}/(SiO2)が2.7であった結果、圧潰強度が5.9MPaと低下している。RHF8の水準では、気孔率は良好であったが、加熱速度が高かったため、圧潰強度が5.1MPaと低下している。RHF9では、還元帯のCO/CO2比が1以上であったため、気孔率が50%以上、圧潰強度が3.6MPaと低下しており、高炉などのシャフト炉で使用できる強度ではなかった。
Figure 2009084688
表2に記載される還元鉄ペレットを高炉で使用した結果を示す。水準の高炉1は、還元鉄ペレットを使用していない条件(比較条件)の操業結果である。水準の高炉1から高炉4は、本発明の条件を守った原料を使用した結果である。いずれの結果でも金属鉄当りの還元剤低減率は0.43〜0.45kg/kgと良好な値であった。銑鉄生産量の増加も金属鉄当り7.7〜9.1t−hm/d/kgと良好であった。還元鉄ペレット装入比率が高い高炉4の条件であっても、高炉炉中心から2/3の部分への装入比率が75%と高率であったため、還元剤低減比率・製鉄生産量の効果はともに良好であった。一方、比較例である気孔率の低い還元鉄ペレットを使用した高炉5の水準では、金属鉄当りの還元剤削減率・銑鉄生産量増加率ともに、他の水準以下であった。また、スラグ中のFeOの増加も認められた。このように、気孔率の低い還元鉄ペレットでは、良好な操業結果が得られなかった。
Figure 2009084688
表2に記載される還元鉄ペレットを縦型炉で使用した結果を示す。縦型炉1は、還元鉄ペレットを使用していない条件(比較条件)の操業結果である。縦型炉1から縦型炉4の水準は、本発明の条件を守った原料を使用した結果である。これらの操業では、順調な還元・溶解が行われて、生産性の良好であった。還元鉄ペレットの還元が順調に進んでいることを確認する指標として、スラグ中FeO比率を比較した。水準の縦型炉2から縦型炉4では、いずれもFeOが2%以下と低かった。これは還元鉄ペレットが縦型炉のシャフトで十分に還元されていることが、その要因である。また、縦型炉5の水準では、亜鉛と鉛を合計0.25質量%含む還元鉄ペレットを使用したが、炉頂温度が565℃と高かったため、操業上のトラブルはなかった。一方、比較例である縦型炉6の水準では、生産性がやや悪化したことと、スラグ中FeOが5.9質量%と増加していた。これは還元鉄ペレットの還元が十分に行われていなかったことを示唆している。
Figure 2009084688
本発明は、鉄鉱石原料として、回転炉床式還元炉と製鉄高炉又は縦型溶解炉とを組み合わせて、銑鉄を生産する操業に利用できる。また、製鉄所や鉄鋼の加工工場などから発生する酸化鉄含有ダストやスケールなどを還元して、銑鉄を製造する操業にも利用できる。
回転炉床式還元炉の構造を示す図である。 回転炉床式還元炉の処理工程全体を示す図である。 高炉の炉内構造を示す図である。 カラム式反応装置にて、1100℃の一酸化炭素雰囲気での還元鉄ペレット内の酸化鉄の還元速度を計測した結果であり、反応速度の指標(還元鉄ペレットの径と還元度を補正)と還元鉄ペレットの気孔率の関係で示したものである。(気孔率55%のものの還元速度を1とした)
符号の説明
1 天井
2 側壁
3 車輪
4 炉床
5 レール
6 バーナー
11 ボールミル
12 造粒装置
13 回転炉
14 排ガスダクト
15 ボイラー
16 熱交換器
17 集塵装置
18 煙突
21 炉頂
22 鉱石層
23 コークス層
24 炉芯
25 羽口
26 出銑口

Claims (16)

  1. 回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して還元する際に、酸化鉄の平均粒径が50ミクロン以下である原料で製造した成形体を、還元帯内の一酸化炭素の二酸化炭素に対する比を0.3から1として、かつ、1400℃以下の温度で還元処理して、鉄の金属化率50〜85%であって、残留炭素の比率が2%以下である還元鉄ペレットを製造することを特徴とする還元鉄ペレットの製造方法。
  2. 成形体の炉内の1200℃以上での滞在時間を8分以上、かつ to=69.5-0.035Tで示される時間以下であることを特徴とする請求項1記載の還元鉄ペレットの製造方法。
    ここで、toの単位は分、Tは1200℃以上の炉内部分での平均ガス温度(℃)である。
  3. 加熱帯において、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱する際に、100℃から1000℃までにおいて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体中心部の平均加熱速度が毎分400℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の還元鉄ペレットの製造方法。
  4. 酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体中の酸化珪素に対する酸化カルシウムの質量比が2.2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の還元鉄ペレットの製造方法。
  5. 酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体中の酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化珪素、及び酸化鉄中トータル鉄の含有率の関係を、{(CaO質量%)-(MgO質量%)}/(T.Fe質量%)<0.1かつ {(CaO質量%)-(MgO質量%)}/(SiO2質量%)<2.0とすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の還元鉄ペレットの製造方法。
  6. 原料中のフッ素と塩素の含有率が、(F質量%)+0.4(Cl質量%)<0.25%であることを特徴とする請求項4又は5に記載の還元鉄ペレットの製造方法。
  7. 回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して製造した、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、平均35ミクロン以下金属鉄の粒子が結合して、酸化鉄とその他酸化物との混合物間に金属鉄ネットワークを形成しており、かつ気孔率20〜50%である還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、鉱石、焼結鉱とともに、製鉄高炉に装入して、還元溶解することを特徴とする銑鉄の製造方法。
  8. 内部構造が、酸化鉄を含む酸化物の平均粒径が5〜100ミクロンであって、かつ、これが金属鉄ネットワークによって拘束されている状態である、還元鉄ペレットを、鉱石、焼結鉱とともに、製鉄高炉に装入して、還元溶解することを特徴とする請求項7記載の銑鉄の製造方法。
  9. 回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して還元する際に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法で製造した還元鉄ペレットであって、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、気孔率20〜50%である還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、鉱石、焼結鉱とともに、製鉄高炉に装入して、還元溶解することを特徴とする銑鉄の製造方法。
  10. 製造される銑鉄量に対して、250kg/トン以下の比率で、還元鉄ペレットを製鉄高炉に装入することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の銑鉄の製造方法。
  11. 65%以上の還元鉄ペレットを製鉄高炉の直径方向で中心から2/3以内の位置に装入することを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の銑鉄の製造方法。
  12. 回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して製造した、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、平均35ミクロン以下金属鉄の粒子が結合して、酸化鉄とその他酸化物との混合体間に金属鉄ネットワークを形成しており、かつ気孔率20〜50%である還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、塊状の鉄と塊コークスの炉内空間充填率が80%以下の縦型炉に装入して、還元溶解することを特徴とする銑鉄の製造方法。
  13. 回転炉床式還元炉にて、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理して還元する際に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載される方法で製造した還元鉄ペレットであって、トータル鉄含有率が55質量%以上、鉄の金属化率50〜85%であって、酸化鉄とその他酸化物との混合体間に金属鉄ネットワークを形成しており、かつ気孔率20〜50%である還元鉄ペレットを、5〜20mmのものの比率が80%以上である条件で、塊状の鉄と塊コークスの炉内空間充填率が80%以下の縦型炉に装入して、還元溶解することを特徴とする銑鉄の製造方法。
  14. 縦型炉内の塊状の鉄に対する還元鉄ペレットの比率が100%以下である条件で、当該還元鉄ペレットを還元し溶解することを特徴とする請求項12又は13に記載の銑鉄の製造方法。
  15. 70%以上の還元鉄ペレットを縦型炉の直径方向で中心から2/3以内の位置に装入することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の銑鉄の製造方法。
  16. 回転炉床式還元炉にて、亜鉛、鉛の少なくともいずれかを含む、酸化鉄と炭素を含む粉体の成形体を加熱処理することで、製造された亜鉛と鉛の合計含有率が0.05%以上の還元鉄ペレットを炉上部ガス温度500℃以上の状態の縦型炉に装入して、還元溶解することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の銑鉄の製造方法。
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