JP2013087055A - 中性子検出用途に最適化されたホウ素粉末 - Google Patents

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Abstract

【課題】中性子検出器のためのコーティングに使用される最適化されたホウ素粉末の提供。
【解決手段】ホウ素粉末がホウ素供給原料をジェットミル粉砕することによって作られた結晶性ホウ素粒子を含み、約75%超の結晶性ホウ素粒子が直径約1μm未満であり、約95%超の結晶性ホウ素粒子が直径約3μm未満であり、本質的に全ての結晶性ホウ素粒子が直径約15μm未満であるか、または、全ホウ素含有率が最小約97重量%であり、全ホウ素含有率に対する10B同位体の量が最小約98重量%である、ホウ素粉末に混入した可溶性残渣の量が7.00×10-4g可溶性残渣/gホウ素未満である、ホウ素粉末。
【選択図】図2

Description

本発明は、ホウ素粉末に関し、具体的には中性子検出器のためのコーティングに使用されるホウ素粉末に関する。
ホウ素粉末は、数多くの用途におけるホウ素コーティングの主要な成分として使用される。かかる用途には、限定されることはないが、中性子検出、ダイカスト用ダイの磨耗保護、生体医療用インプラントのための改良された耐摩耗性、等に使用されるホウ素コーティングがある。これらの用途のあるものは、ホウ素粉末内の有機汚染物質がホウ素コーティング用途において下流の欠陥を生じ得るので、これらの汚染物質の悪影響を受ける。
汚染ホウ素粉末は様々な起源の有機汚染物質を含み得る。例えば、ジェットミル粉砕されたホウ素粉末はミル粉砕プロセスで使用される給気に由来する汚染を被り易いことが判明している。具体的には、ホウ素粉末汚染物質には、ジェットミルを作動させるのに圧縮された空気を使用するときの空気圧縮機に由来する潤滑油が含まれ得る。この汚染の結果、不均一なコーティングのようなコーティング欠陥及び中性子検出器の効力を落とすことになる気体汚染が起こり得る。その他の汚染物質の例は、ジェットミルに由来するポリマーライナー物質及びそのポリマーライナー物質をジェットミルの内壁に付けるために使用される接着材である。
ホウ素粉末のその他の属性は、ホウ素コーティングが確実に一定の意図された特性を示すようにするのを助けるために望ましい。ホウ素粉末の幾つかの用途では、比較的薄いコーティングが必要とされる。例えば、中性子検出器のホウ素コーティングは、そのホウ素コーティングに中性子が衝突した後ホウ素コーティングから荷電粒子が発するのを助けるために必然的に薄い層として設けられる。ホウ素粒径の低下は、より薄い層のホウ素コーティングを可能にするのに役立ち得る。また、ホウ素粉末は、ホウ素コーティングの有効性を低下させる他の元素及び化合物をごくわずか含み得る。例えば、ホウ素コーティング中の有意な量のある種の元素はガンマ線と相互作用し得、中性子検出器に擬似信号を生じさせることがある。さらにまた、特定のホウ素同位体に由来する粉末の全ホウ素粉末含量に対する割合は中性子検出器の有効性に対してある役割を果たす。
ホウ素粉末は比較的高価な材料であり、このため汚染ホウ素粉末と下流の影響を受けた品物がいずれも製造プロセスにおいて高価な失敗となる。汚染ホウ素粉末を回収するための幾つかの従前の方法は、ヘキサン、塩化メチレン、及びエチレングリコールで粉末を濯ぐことを含んでおり、各々がろ過器及び/又は遠心分離機と組み合わされる。従って、最適化されたホウ素粉末に対するニーズがある。
以下の概要は、本明細書中に述べる系及び/又は方法の幾つかの態様の基本的な理解を提供するために簡単な概要を示す。この概要は本明細書中に述べる系及び/又は方法の広範な概観ではない。かかる系及び/又は方法の鍵となる/臨界的な要素を確認したりその範囲を画定することは意図されていない。その唯一の目的は、後に示されるより詳細な説明の前段として簡単化された形で幾つかの概念を示すことである。
本発明の1つの態様は、ホウ素粉末に混入した可溶性残渣の量が7.00×10-4g可溶性残渣/gホウ素未満であるホウ素粉末を提供する。
本発明の上記及びその他の態様は、添付の図面を参照して以下の記載を読むことで、本発明が関連する技術分野の当業者には明らかとなるであろう。
図1は、中性子検出用に最適化されたホウ素粉末をミル粉砕するための一例のジェットミル粉砕処理系の断面図であり、この例の系の給気も示している。 図2は、中性子検出用途用に最適化された一例のホウ素粉末を示す5000倍に拡大された走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3は、図2の例の中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末を示す10000倍に拡大されたSEM写真である。 図4は、図2の例の中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末を示す25000倍に拡大されたSEM写真である。 図5は、図2の例の中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末を使用する一例の中性子検出器の一部を切り裂いた概略図である。
本発明の1以上の態様を組み入れた実施形態の例を図面に記載し例示する。これらの図解した例は本発明に対する限定となるものではない。例えば、本発明の1以上の態様を他の実施形態で、また他のタイプのデバイスでも利用することができる。また、一定の用語は本明細書中で便宜上のためにのみ使用されており、本発明に対する限定ととられるべきではない。さらにまた、図面中、同じ参照番号は同じ要素を指すために使用されている。
中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末の1つの例において、ホウ素粉末に混入した可溶性残渣は7.00×10-4g可溶性残渣/gホウ素未満である。可溶性残渣の1つの例は有機汚染物質である。用語有機は広い包括的な分類であると理解するべきである。1つの部分で、この分類には炭素成分を含有する物質が含まれる。有機汚染物質は、空気圧縮機の油、ジェットミルの内部に使用されるポリマーライナー材料の粒子、及びポリマーライナー材料をジェットミルの内壁に接着するのに使用される接着材のような起源からジェットミル粉砕操作中にホウ素粉末に導入され得る。図1は、公知のジェットミル10の幾つかの典型的な構成要素を示している。供給原料12はホッパー26から供給され、入口16から供給された供給気体18により移動する。この入口はノズル20を有しており、供給原料12のための入口24を有する送入管に位置している。第2の気体入口30がミル粉砕用気体32を送出する。ノズル20がミル粉砕用気体32の流れを、ジェットミル10の外面を取り巻くドーナツ形のマニホルド34中に向ける。ミル粉砕用気体32はドーナツ形のマニホルド34から開口36を経由してミル粉砕チャンバー40中に進む。ミル粉砕チャンバー40は当技術分野で公知のように渦巻型ミル粉砕チャンバーであることができる。供給気体18とホウ素供給原料12はミル粉砕チャンバー40の円周に対して接線方向でジェットミル10のミル粉砕チャンバー40に入る。ミル粉砕用気体32も、ミル粉砕チャンバー40の円周に対して実質的に接線方向でミル粉砕チャンバー40中に導入される。供給気体18とミル粉砕用気体32の流れ方向はミル粉砕チャンバー40内に渦巻流路を形成する。こうして、供給原料12と気体(供給気体18及びミル粉砕用気体32)がジェットミル10のミル粉砕チャンバー40内で混合される。粒子間の高速の衝突及び粒子とミル粉砕チャンバー40壁との衝突により、ホウ素供給原料12がさらにより小さい粒子に破壊される。最終的に、ホウ素供給原料12粒子は、出口44から排出される所望の粒径からなる粉砕されたホウ素粉末42に粉砕される。
中性子検出器は、電荷を担持することができる構成要素の表面上にホウ素粉末の堆積層を含み得る。堆積プロセスの1つの例は中性子検出器表面へのホウ素粉末の水系施工(water-based application)である。最適な中性子検出器の性能は、部分的に、全表面が適切に濡れたホウ素粉末の均一な適用に依存する。有機汚染物質のような可溶性残渣は、水系のホウ素粉末の親水性を低下させ、濡れてない中性子検出器表面の部分を作り出すことによってホウ素粉末の水に基づく適用の応用に悪影響を及ぼし得る。これらの濡れてない中性子検出器表面の領域は中性子検出器実効性能を低下させる。従って、中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末を有することが特に望ましい。
最適な中性子検出器の性能はまた、中性子検出器の表面に適用されるホウ素粉末内の可溶性残渣の最小レベルにも一部依存する。有機汚染物質のような可溶性残渣は気体を放出し得、中性子検出器の内部容積に有機化合物を導入し得る。製造プロセスの間、この内部容積は中性子検出器の効果的な作動のために特定の気体配合物で満たされる。気体放出の結果の有機化合物はこの特定の気体配合物を汚染し得、中性子検出器の効果的な作動を低下させ得る。従って、中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末を有することが特に望ましい。
混入量が7.00×10-4g可溶性残渣/gホウ素未満である中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末は、ジェットミルを作動させるのに使用される気体に対して気体純度要件を適用することによって得ることができる。ジェットミルは典型的な空気圧縮機により供給される圧縮空気によって作動させることができる。可溶性残渣は、典型的な空気圧縮機から圧縮空気中に同伴される潤滑油の形態でホウ素粉末に導入され得る。ジェットミルを作動させるのに使用される気体に気体純度要件を適用する1つの例は工業的に精製された窒素のような気体を選択することである。窒素のための工業的精製プロセスは気体中の不純物を大きな割合で排除する。ある工業的立地で圧縮空気の代わりとして使用したとき、窒素は大量の可溶性残渣をホウ素粉末に加えない。その他の例としては、ホウ素に対して化学的に不活性であると考えられ、かつ大量の可溶性残渣をホウ素粉末に加えることがない希ガス(例えばアルゴン)又は水蒸気がある。
ジェットミルを作動させるのに使用される気体に気体純度要件を適用する別の例は圧縮空気の供給に空気ろ過を適用することである。ホウ素粉末に加えられる可溶性残渣の量を低減するための空気ろ過の1つの例は給気に対するISO 8573.1:2001 Class 1.2.1要件の適用である。この基準は給気中に同伴される油の量を空気1立方メートル当たり最大0.01ミリグラムの油に制限し、これはホウ素粉末の親水性に大幅に影響することがない。この基準を満たすためにろ過装置を利用することができ、この装置はサブミクロンのろ過器を含み得、またさらに圧縮された給気から油蒸気を除去するために吸着ろ過器を含み得る。
中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末はまた、ジェットミル内に非汚染性のライナー材料を含むジェットミルでホウ素粒子をジェットミル粉砕することによって得ることもできる。ジェットミルは、個々の供給原料粒子間及び供給原料粒子とジェットミル内壁との間に高速の衝突を作り出すことによって供給原料粒子を特定のプロフィールの直径にミル粉砕することができる。高速の衝突は、特に供給原料が研磨剤特性を有する場合、ジェットミル内壁の一部分を浸食し得る。この問題を軽減するために、消耗性のライナー材料をジェットミル内壁に固定することができる。しかし、1つの一般的な消耗性ライナー材料はポリウレタンであるが、これは最適化されたホウ素粉末の製造には許容可能なライナー材料の選択ではない。粒子とポリウレタンライナーとの高速の衝突はポリウレタンの粒子を浸食し、これが可溶性残渣としてホウ素粉末を汚染する。
ポリウレタン材料に代わるものとして、ジェットミルライナーは、供給原料と同一の材料、又は供給原料に可溶性残渣を加えない類似の化学的化合物から構築することができる。例えば、ホウ素供給原料をジェットミル粉砕する場合、ホウ素又は炭化ホウ素からなるライナー材料は浸食されて可溶性残渣ではなくホウ素又は炭化ホウ素をホウ素粉末に加えるであろう。ポリウレタン材料のもう1つ別の代わりとして、ジェットミルライナーは、供給原料より大きい硬度を示す材料で構築することができる。例えば、炭化タングステンからなるライナー材料はホウ素より硬く、ホウ素粒子と炭化タングステン材料との衝突は、炭化タングステンを浸食し汚染物質をホウ素粉末に加える可能性がより少ない。
最適化されたホウ素粉末中の可溶性残渣の別の低減は、ジェットミル内にライナー材料を固定するのに利用される接着剤の除去によって実現することができる。これらの接着剤は有機材料からなることができ、ライナー材料の有意な浸食はホウ素供給原料の衝突に接着剤を露出する。接着剤が露出された後、ホウ素供給原料の衝突は接着剤を浸食し、可溶性残渣としてホウ素粉末に加えられ得る。ホウ素、炭化ホウ素、又は炭化タングステンからなるライナー材料はこれらの有機系接着剤を排除する機会を提供することができ、従ってホウ素粉末に混入する可溶性残渣の1つの可能な起源を排除することができる。
ある量のホウ素粉末に混入した可溶性残渣の量を試験する1つの例の方法は2つの工程を含む。第1の工程は、ホウ素粉末上の可溶性残渣の抽出を含み、ホウ素1グラム当たりの抽出物のグラム数で報告する重量分析技術である。試験の第2の工程は、複数の異なる波長の光に対してホウ素粉末によって吸収された光の赤外スペクトルを生成するフーリエ変換赤外分光法を含む。この2工程試験は反復可能であることが判明している。
最適化されたホウ素粉末は、ホウ素供給原料を特定の粒径にジェットミル粉砕することによって作り出された結晶性ホウ素粒子を含むことができる。例えば、約75%超の粒子が直径約1μm未満であり、約95%超の粒子が直径約3μm未満であり、本質的に全ての粒子が粒子直径約15μm未満である。最適な中性子検出器の性能は、部分的に、中性子検出器の表面に設けられたホウ素粉末の比較的薄いコーティングに依存する。理想的には、中性子検出器に入る中性子がホウ素により吸収され、次にこのホウ素が他の荷電粒子を放出し、粒子相互作用のカスケードを生起し得、これがその後中性子検出器のカソード部分と相互作用する。しかし、ホウ素粉末用途が比較的に厚いと、ホウ素は他の荷電粒子を放出することなく単に中性子を吸収し、「自己捕捉する」ようになり、中性子検出器を無効にする。従って、中性子検出器表面上の比較的薄いコーティングを可能にするために直径が約1μmの粒径を有する最適化されたホウ素粉末を得ることが望ましい。
最適化されたホウ素粉末は他の化学元素及び化学化合物に対するさらなる限定を含み得る。例えば、最適化されたホウ素粉末は、最大Br含量約100ppm(百万部当たりの部)、最大Co含量約20ppm、最大Cu含量約200ppm、最大Fe及びSi含量約4000ppm(一緒に測定したとき)、最大Mn含量約20ppm、最大Ni含量約200ppm、最大Ta含量約40ppm、最大Zn含量約100ppm、最大C含量約1.5重量%、最大H2O含量約1.0重量%、最大O2含量約2.0重量%、その他の成分の最大含量約50ppm(各々)、及び最小B含量約98重量%を有し得る。高いZの元素(核内のプロトンの数が多い大きい原子番号のもの)はガンマ線と反応し、ホウ素粉末コーティング内に有意な量で存在すると中性子検出器に擬似信号を起こし得る。H2OとO2はいずれも、ホウ素粉末コーティング中に有意な量で存在する場合、中性子検出器の内部容積を満たす気体を毒し得、原子粒子相互作用のカスケードを停止し得、これにより中性子検出器の有効性を低下させ得る。従って、最適化されたホウ素粉末内のこれらの物質の量を制限するのが望ましい。
最適化されたホウ素粉末はまた、ホウ素の天然の同位体を特定の比で含み得る。例えば、全ホウ素含有率は最小約97重量%であり、10B同位体の全ホウ素含有率に対する割合は最小約98重量%である。ホウ素は、通例約20%10B対約80%11Bの比で見出される2つの天然の同位体10Bと11Bを有している。平均的な状況において、これら2つの同位体は遊離の中性子と相互作用するとき全く異なる反応をする。理想的には、中性子検出器に入る中性子は10Bにより吸収され、次に他の荷電粒子が放出され、これが粒子相互作用のカスケードを引き起こし得、次いで中性子検出器のカソード部分と相互作用する。典型的な中性子検出器はこれらの放出された荷電粒子及び結果として生じる他の粒子相互作用のカスケードに依存して検出された中性子又は中性子群を表す信号を発する。しかし、11B同位体は他の荷電粒子を放出することなく単に中性子を吸収するため、11Bは中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末に使用するのに有効ではない。この2つの天然のホウ素同位体の間の中性子吸収挙動の差は、10B同位体の全ホウ素含有率に対する割合が中性子検出器の有効性とほぼ等しいということを意味している。例えば、ホウ素コーティングが92%の10Bと8%の11Bを含有するとき、中性子検出器は(コーティング中の小量の不純物は無視して)92%有効である。従って、最適化されたホウ素粉末内の10B同位体の全ホウ素含有率に対する割合を実際上達成できる限り高くするのが望ましい。
最適化されたホウ素粉末は反復可能なコーティング操作で中性子検出器の表面に適用して一貫した検出器の効力結果を達成することができる。この効力は、中性子検出器表面の濡れの不整合性及び組み立てられた中性子検出器における気体放出の低減に役立つ最適化されたホウ素粉末中の低下した可溶性残渣の直接の結果である。中性子検出器の表面へのホウ素粉末の適用の1つの例は水系の分散液であるが、可溶性残渣の除去も粉末コーティング及び溶媒に基づく分散液のようなコーティング技術を改良し得る。
さらに、中性子検出器の効力は、中性子検出器表面の比較的薄いコーティングを可能にするのに役立つ結晶性ホウ素粉末粒子の均一な小さい直径の結果である。さらに加えて、中性子検出器の効力は、ホウ素以外の化学元素及び化学化合物の制限された量の結果である。材料規格は、ガンマ線により影響を受けるホウ素コーティング中の物質の量を限定するのに役立ち、また、中性子検出器の内部容積中に導入されることにより気体を毒し中性子検出器の効力を低下させ得る酸素の量を制限するのに役立つ。中性子検出器の効力はまた、最適化されたホウ素粉末中の全ホウ素含有率に対する10B同位体の割合を最大化する結果でもある。この10B同位体の増大した割合のため、コーティングは設計され遊離の中性子を単に吸収するのではないので、中性子検出器表面上のホウ素コーティング内の遊離の中性子に反応するより多くの物質が可能になる。
中性子検出用途用に最適化されたホウ素粉末を得るための記載された技術と方法は、確実な反復可能なホウ素粉末のコーティング操作に役立ち、また一貫した検出器の感度を保証する役にも立つ。さらにまた、記載された技術と方法はまたホウ素粉末をジェットミル粉砕する再生可能な操作を保証する役にも立つ。
図2は、中性子検出用途に最適化された一例のホウ素粉末の走査型電子顕微鏡写真である。この例のホウ素粉末は5000倍に拡大されている。図3は、一例の最適化されたホウ素粉末の10000倍に拡大された走査型電子顕微鏡写真である。図4は、一例の最適化されたホウ素粉末の25000倍に拡大された走査型電子顕微鏡写真である。
一例の中性子検出器10の概略表現を図5に示す。図5は可能な構造/構成/等の1つの例を示しており、他の例が本発明の範囲内に含まれることと了解されたい。中性子検出器10は円筒の形態の外側シェル20を含み得る。電気回路において、外側シェル20はカソードとして機能することができる。外側シェル20は、気体を含有することができる内部容積30の範囲を定める。中性子検出器10は、一般に外側シェル20の中心軸付近に位置することができる中心構造40を含み得る。この中心構造40は電線と同様な割合であることができ、電気回路内でアノードとして機能することができる。絶縁体50は、外側シェル20の両端に位置して中心構造40を正しい位置に保持し、電荷が直接接触により中心構造40と外側シェル20との間を通過するのを防ぐことができる。外側シェル20の内面はホウ素コーティング60を形成する最適化されたホウ素粉末で被覆することができる。
中性子検出器10を取り囲む環境からの中性子は、中性子検出器10の外側シェル20を通り抜けるとき、ホウ素コーティング60の比較的薄い層と相互作用する。中性子はホウ素コーティング60中に吸収され、その作用により2つの荷電粒子がホウ素コーティング60から排出される。これらの2つの荷電粒子は内部容積30を占める気体内で他の粒子相互作用のカスケードを引き起こす。これらの他の粒子相互作用は、中心構造40アノードに引き付けられる荷電粒子を作り出す。これらの荷電粒子は中心構造40アノード上に信号を生成することができ、これが増幅器を含み得る電子機器(図示してない)に伝送され得る。
上記例の実施形態を参照して本発明を説明して来た。本明細書を読み理解する際に修正及び変更が思い起こされるであろう。本発明の1以上の態様を含む例の実施形態は、後記特許請求の範囲内に入る限り、かかる修正及び変更を全て包含するものである。

Claims (7)

  1. ホウ素粉末に混入した可溶性残渣の量が7.00×10-4g可溶性残渣/gホウ素未満である、ホウ素粉末。
  2. ホウ素粉末がホウ素供給原料をジェットミル粉砕することによって作られた結晶性ホウ素粒子を含み、
    約75%超の結晶性ホウ素粒子が直径約1μm未満であり、
    約95%超の結晶性ホウ素粒子が直径約3μm未満であり、
    本質的に全ての結晶性ホウ素粒子が直径約15μm未満である、請求項1記載のホウ素粉末
  3. ホウ素粉末の化学組成が、
    約100ppmの最大Br含量、
    約20ppmの最大Co含量、
    約200ppmの最大Cu含量、
    一緒に測定したとき約4000ppmの最大Fe及びSi含量、
    約20ppmの最大Mn含量、
    約200ppmの最大Ni含量、
    約40ppmの最大Ta含量、
    約100ppmの最大Zn含量、
    約1.5重量%の最大C含量率、
    約1.0重量%の最大H2O含量、
    約2.0重量%の最大O2含量、
    (各々)約50ppmの最大含量を有する他の成分、
    約98重量%の最小B含量
    を有する、請求項1記載のホウ素粉末。
  4. 全ホウ素含有率が最小約97重量%であり、全ホウ素含有率に対する10B同位体の量が最小約98重量%である、請求項1記載のホウ素粉末。
  5. ホウ素粉末に混入した可溶性残渣の量が7.00×10-4g可溶性残渣/gホウ素未満であり、全ホウ素含有率が最小約97重量%であり、全ホウ素含有率に対する10B同位体の量が最小約98重量%である、ホウ素粉末。
  6. ホウ素粉末がホウ素供給原料をジェットミル粉砕することによって作られた結晶性ホウ素粒子を含み、
    約75%超の結晶性ホウ素粒子が直径約1μm未満であり、
    約95%超の結晶性ホウ素粒子が直径約3μm未満であり、
    本質的に全ての結晶性ホウ素粒子が直径約15μm未満である、請求項5記載のホウ素粉末。
  7. ホウ素粉末の化学組成が、
    約100ppmの最大Br含量、
    約20ppmの最大Co含量、
    約200ppmの最大Cu含量、
    一緒に測定したとき約4000ppmの最大Fe及びSi含量、
    約20ppmの最大Mn含量、
    約200ppmの最大Ni含量、
    約40ppmの最大Ta含量、
    約100ppmの最大Zn含量、
    約1.5重量%の最大C含量、
    約1.0重量%の最大H2O含量、
    約2.0重量%の最大O2含量、
    (各々)約50ppmの最大含量を有する他の成分、
    約98重量%の最小B含量
    を含む、請求項5記載のホウ素粉末。
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