JP2013086634A - 荷崩れ防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】荷室2の天井パネル9の表面に設置された4列のエアバッグ8は、後端がパネル後端9bに固定され、パネル前端9aの近傍に設置されたエアバッグ保持手段10によって前端が保持され、エアバッグ保持手段10の後方には、給排気手段17とエアバッグ8を接続するエア配管11が設置されており、エアバッグ8は、エア配管11との接続箇所の近傍から後端にかけて、外周を筒状の保護カバー12で覆われるとともに、荷室2の幅方向に対して平行に、かつ、幅方向の中心について略左右対称に設置される一対のエアバッグ固定手段13,13によって保護カバー12ごと、天井パネル9の表面に固定されている。
【選択図】図2
Description
しかしながら、毎回、空ドラム缶を荷台に積み込む際にクッション材を配置する方法では、作業効率が悪く、また、作業者が不慣れな場合にはクッション材の配置が適切になされないおそれがある。さらに、複数の空ドラム缶をまとめてラッシングベルトで締めつける方法では、荷台に積み込む前に行うラッシングベルトの締めつけ作業に加えて、荷台から降ろした後にラッシングベルトを取り外す作業を行わなければならないため、荷台への積み降ろし作業に余分な時間がかかるという課題があった。
そこで、このような課題を解決するべく、近年、空ドラム缶の輸送に際し、積み降ろし作業の効率を低下させることなく、走行中の荷崩れを防止する装置について研究や開発がなされている。そして、既にそれに関していくつかの発明や考案が開示されている。
特許文献1に開示された発明は、送付機又は圧縮機から送られる空気によって膨張可能な長尺筒状体が貨物収納スペース内の天井に奥行き方向に配置され、この長尺筒状体を天井に押し付けるための伸縮ベルトが天井の奥行き方向に所定の間隔をあけて設置された構造となっている。
このような構造によれば、多数のクッション材を用いることなく、貨物全体を天井と床面の間で挟持固定することができる。また、長尺筒状体は、内部の空気を抜くと扁平状態となって伸縮ベルトによって天井に押し付けられるため、貨物の積み降ろしをする際に邪魔にならない。
特許文献2に開示された発明であるドラム缶の搬送方法は、台座パレットフィーダ、ドラム缶積重機、シートパレット敷設機を用いて、間にシートパレットを挟みながら台座パレット上にドラム缶を2段以上に積み重ね、台座パレットごとドラム缶をトラックの荷台に積載することを特徴とするものである。そして、明細書には、搬送システムの実施例の1つとして、荷台に積載されたドラム缶の最上部と,荷台の天井との隙間に、給排気装置に接続されたエアバッグが設置された構成が記載されている。
このような構成の搬送方法及び搬送システムによれば、積み降ろし作業の効率を低下させることなく、搬送中のドラム缶の損傷を防ぐことができる。
このような構造の荷崩れ防止装置においては、給排気装置から空気が供給されて膨張したエアバッグにより空ドラム缶が上部から押圧され、荷崩れしないように固定されるという作用を有する。また、伸縮しない固定ベルトの環状部によってエアバッグが挟みつけられた状態で固定されるという作用を有する。この場合、エアバッグは固定ベルトによって荷室の天井へ均一に押し付けられる。さらに、弾性部材を交換したり、その本数を変えたりすることで、固定ベルトのエアバッグに対する押し付け力が容易に調節されるという作用を有する。
このような構造によれば、請求項1に記載された発明の作用に加え、エアバッグの内部に空気を供給すると、エアバッグの膨張に伴って、その全長が短くなるとともに、エアバッグの内部から空気を排出すると、その全長が長くなり、さらにたるみが生じないように引き伸ばされるという作用を有する。
このような構造によれば、請求項2に記載された発明の作用に加え、エアバッグの内部に空気を供給すると、エアバッグ保持手段に保持された前端がエアバッグの膨張に伴って荷室の天井の表面から遠ざかる方向へ移動するという作用を有する。
このような構造の荷崩れ防止装置においては、請求項1乃至請求項3に記載された発明の作用に加え、エアバッグが保護カバーで外周を覆われていることから、空ドラム缶の積み降ろし作業時にエアバッグが天井や空ドラム缶と擦れ合った場合でも摩擦による破損が生じ難いという作用を有する。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施例の荷崩れ防止装置が搭載されるトラック1は、後部に箱型の荷室2を有しており、荷室2の側面と背面には、手動で開閉可能なハネ上げドア3と、観音扉状に形成されるリアドア4が設けられている。
このようにエアバッグ8は、保護カバー12で外周を覆われているため、空ドラム缶5の積み降ろしを行う際に、天井パネル9や空ドラム缶5と擦れ合った場合でも摩擦による破損が生じ難い。これにより、エアバッグ8の長寿命化を図ることができる。また、保護カバー12が破損した場合には、保護カバー12のみを交換すれば良いため、保守が容易である。
さらに、固定ベルト18,19は、固定ベルト18が固定ベルト19の内側になるようにガイドローラ16に巻回され、環状部18a,19aがコイルバネ21に対して逆方向に折り返された状態となっている。
なお、支持ローラ15a,15bは固定ベルト18,19の環状部18a,19aの内部にそれぞれ配置されており、エアバッグ8も保護カバー12に収容された状態で、この環状部18a,19aの内部にそれぞれ配置されている。また、引張コイルバネ21は、連結具20及び支持ピン15cに対して着脱自在となっている。
そして、エア配管11がブロア22の給気口24aに接続されたことを示す検知信号がリミットスイッチ28aから制御ユニット26に送られると、制御ユニット26はブロア22に指令信号を送る。その結果、ブロア22は運転を開始し、空気がブロア22の給気口24aからエア配管11へ矢印I1の向きに送出される。そして、この空気がエアバッグ8へと供給される。
さらに、圧力センサ27によって検出されるエア配管11内の気圧が所定の値に達した場合、圧力センサ27から制御ユニット26に圧力信号が送られ、制御ユニット26からソレノイドバルブ23とブロア22に指令信号が送られる。その結果、ソレノイドバルブ23は閉じられ、ブロア22は運転を停止する。なお、圧力センサ27によって検出されるエア配管11内の気圧が所定の値を下回った場合、圧力センサ27から制御ユニット26に圧力信号が送られ、制御ユニット26からソレノイドバルブ23とブロア22に指令信号が送られる。その結果、ソレノイドバルブ23が開かれるとともに、ブロア22が運転を開始し、エアバッグ8に空気が補充される。
このような構造によれば、給排気装置17から空気が供給されて膨張したエアバッグ8により空ドラム缶5が上部から押圧され、荷崩れしないように固定されるという作用を有する。これにより、トラック1の走行時に車体が振動したとしても空ドラム缶5が互いにぶつかり合ったり、擦れ合ったりすることを防止できる。
そして、エア配管11がブロア22の排気口24bに接続されたことを示す検知信号がリミットスイッチ28bから制御ユニット26に送られると、制御ユニット26はブロア22に指令信号を送る。その結果、ブロア22は運転を開始し、排気口24bからエア配管11の空気は矢印I2の向きに吸引され、エアバッグ8内の空気がブロア22側へ排出される。その後、制御ユニット26が、内蔵されているタイマーにより所定の時間が経過したことを検知すると、ブロア22に指令信号を送る。これにより、ブロア22は運転を停止する。
一方、給排気手段17を稼働してエアバッグ8内に空気を供給すると、図4(b)に示すように、上述の固定ベルト18,19の押し付け力に抗してエアバッグ8が膨張し、固定ベルト18,19の環状部18a,19aは略三角形状に拡げられる。これにより、固定ベルト18,19の連結具20に連結された部分が支持ピン15cから遠ざかる方向(矢印Dで示す方向)へ移動し、引張コイルバネ21は引き伸ばされる。
図5(a)に示すように、エアバッグ8の膨張に伴って環状部19aが扁平形状から略三角形状へと拡げられる過程において、固定ベルト19は、支持ローラ15bに巻回された個所では矢印E1で示す向きに移動し、ガイドローラ16に巻回された個所では矢印E2で示す向きに移動する。この場合、エアバッグ8が膨張する前に、エアバッグ8の幅方向の中央に位置していた固定ベルト19の個所(中央相当部19b)は、エアバッグ8の膨張後も横方向へはほとんど移動しない。
また、エアバッグ8の収縮に伴って環状部19aが略三角形状から扁平形状へと狭められる過程において、固定ベルト19は、支持ローラ15bに巻回された個所では矢印E1の逆向きに移動し、ガイドローラ16に巻回された個所では矢印E2の逆向きに移動する。この場合も同様に、エアバッグ8の幅方向の中央と固定ベルト19が接する個所(中央相当部19b)は、ほとんど横方向へは移動しない。
また、エアバッグ8が収縮する過程において、固定ベルト19は、支持ローラ15bに巻回された個所では移動せず、ガイドローラ16に巻回された個所では矢印Fの逆向きに移動する。この場合、上述の中央相当部19cはガイドローラ16側へ移動し、最終的にエアバッグ8が膨張する前の位置に戻る。
また、荷崩れ防止装置を使用しない場合にエアバッグ8をコンパクトに収納することができる。さらに、引張コイルバネ21を交換したり、その本数を変えたりすることにより、固定ベルト18,19のエアバッグ8に対する押し付け力が容易に調節される。従って、保守に要する費用を安くすることができる。
図6(a)は図2(a)に示した天井の前方部分を拡大した図であり、図6(b)及び図6(c)は図6(a)をG方向に見た状態を部分的に拡大し、反時計回りに90度回転した図である。
また、図7(a)はエアバッグ保持手段10を用いない場合を示しており、図7(b)及び図7(c)はエアバッグ8が膨張する前後におけるエアバッグ保持手段10の状態を示している。なお、図6(a)では天井パネル9、エア配管11、保護カバー12及び給排気手段17の図示を省略している。また、図2(a)に示した構成要素については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6(a)に示すように、エアバッグ保持手段10は、取付部31aと立設部31bからなり,側面視略L字状をなす支持部材31と、支持部材31の立設部31bの先端に,基端32aが枢着されるリンク部材32と、このリンク部材32の先端32bにピストンロッド33aの先端部が枢着され,支持部材31の先端にシリンダ33bの先端部が枢着されるガススプリング33と、荷室2の幅方向に対して平行に設置されてエアバッグ8の前端8aが巻回された状態で固定される棒状体34を備えている。
また、支持部材31は天井パネル9のパネル前端9aにおいて荷室2の奥行き方向に対して平行をなすように,エアバッグ8の両側に設置され、エアバッグ8を挟んで対向配置される一対のリンク部材32,32は互いに先端32b同士が棒状体34を介して連結されている。そして、リンク部材32は基端32aを軸として矢印Hで示す向きへ勝手に回動しないように、ガススプリング31によって先端32bが矢印Kで示す向きに押し付けられている。なお、支持部材31は立設部31bが天井パネル9に対して立設されるように、取付部31aが天井パネル9に固定されている。また、図示していないが保護カバー12の先端部は紐等を用いてリンク部材32に固定されている。
そして、図6(c)に示した状態で、エアバッグ8の内部から空気を排出すると、エアバッグ8が収縮し、これに伴ってエアバッグ8の前端8aを矢印Kの逆向きに引っ張る力が解消する。その結果、ガススプリング31の押し付け力によってリンク部材32は基端32aを軸として矢印Hの逆向きに回動し、図6(b)に示した状態となる。なお、ガススプリング31による上述の押し付け力は、リンク部材32が図6(b)に示した状態を超えてさらに矢印Hの逆向きに回動しないように設定されている。
なお、エアバッグ8の全長を天井パネル9より長くすれば、エアバッグ10を十分に膨張させることは可能である。しかし、このような構造にすると、内部の空気を排出した場合に、エアバッグ8がたるんでしまい、荷物の積み降ろし作業の邪魔になるという不具合が生じる。
また、前端8aが天井パネル9の表面に固定されていると、その近傍ではエアバッグ8の膨張が不十分となるが、本実施例の荷崩れ防止装置によれば、エアバッグ8の膨張に伴って、エアバッグ保持手段10に保持された前端8aが天井パネル9の表面から遠ざかる方向へも移動可能な構造となっていることから、前端8aの近傍においてもエアバッグ8は十分に膨張する。
図7(b)に示した状態で、エアバッグ8の内部から空気を排出すると、ガススプリング33の作用により、エアバッグ保持手段10に保持されたエアバッグ8の前端8aが荷室2の前方へ移動するため、図7(c)に示すようにエアバッグ8は引き伸ばされる。このような構造によれば、経時的にエアバッグ8の全長が変化した場合や、空ドラム缶5の積載状況によってエアバッグ8にたるみが生じ易くなっている場合でも同様にたるみの発生が防止される。
ただし、荷室2の高さ方向に対するエアバッグ8の前端8aの位置は変化しないため、前端8aの近傍ではエアバッグ8の膨張が不十分となる。さらに、固定ベルト18,19に引張力を付与する弾性部材として、引張コイルバネ21の代わりにコイル以外の形状のバネやゴム等を用いても良い。そして、リンク部材32の先端32bを荷室2の前方へ付勢する付勢手段として、ガススプリング33の代わりに圧縮コイルバネを用いることもできる。
Claims (4)
- 空ドラム缶を輸送する貨物自動車の荷室の天井に設置される荷崩れ防止装置であって、
前記空ドラム缶の上面と前記天井の間に,前記荷室の奥行き方向に対して平行に設置され,前記天井に両端を固定されるエアバッグと、
このエアバッグに対して給気又は排気を行う給排気装置と、
環状部を有する固定ベルトと,この固定ベルトに連結される弾性部材からなり,前記荷室の幅方向と平行をなすように前記天井に設置されるエアバッグ固定手段と、
を備え、
前記固定ベルトは前記環状部を回動自在に支持され、
前記弾性部材は前記固定ベルトに引張力を付与可能に,伸長された状態で端部が枢着され、
前記エアバッグは前記固定ベルトの前記環状部内に設置されることを特徴とする荷崩れ防止装置。 - 前記天井に設置されて前記エアバッグの少なくともいずれか一方の端部を保持するエアバッグ保持手段を備え、
このエアバッグ保持手段は前記荷室の奥行き方向に対して平行に前記エアバッグへ引張力を付与することを特徴とする請求項1記載の荷崩れ防止装置。 - 前記エアバッグ保持手段は、
前記荷室の前方において前記エアバッグの両側に設置されるとともに、
取付部と立設部を有し,立設部が前記天井に立設されるように,前記荷室の奥行き方向に対して平行に取付部が前記天井に固定される支持部材と、
前記立設部の先端に,基端が枢着され先端にエアバッグが保持されるリンク部材と、
このリンク部材の前記先端を前記荷室の前方へ付勢する付勢手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の荷崩れ防止装置。 - 前記エアバッグの外面を覆う保護カバーを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の荷崩れ防止装置。
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