JP2013083477A - タイヤユニフォミティ試験装置及びタイヤユニフォミティ試験方法 - Google Patents

タイヤユニフォミティ試験装置及びタイヤユニフォミティ試験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤユニフォミティ計測において、タイヤ正転時から逆転時への切り換えを行った直後から正確なタイヤユニフォミティを精度良く求める。
【解決手段】本発明のタイヤユニフォミティ試験装置1は、ドラム5を回転自在に支持すると共に、スピンドル軸3に装着されたタイヤを前記ドラム5の外周面に押し当て可能とするドラム機構6と、タイヤに対し圧縮空気を供給する空気圧回路7とを備えたものであって、ドラム機構6は、タイヤとの接触状態を維持しつつドラム5を後退させ、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと切り換え、その後、ドラム5を前進させて負荷荷重をタイヤに与えることが可能に構成されており、空気圧回路7には、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと反転動作を行う時に、ドラム5の後退前進の動作に併せて、タイヤ内部の体積の増減量に略一致する体積の圧縮空気を出し入れする体積調整機構20が備えられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤユニフォミティマシンの試験技術に関するものであり、特に、タイヤ半径方向の力の変動(Radial Force Variation:RFV)の測定精度を向上させることのできるタイヤユニフォミティの試験技術に関するものである。
従来より、製品上がりのタイヤに対してはユニフォミティ(均一性)などを計測して良否を判定するタイヤ試験(ユニフォミティ検査)が行われている。例えば、乗用車用のタイヤについてユニフォミティを計測する場合であれば、このタイヤ試験は概ね特許文献1に示される試験装置を用いて以下のような手順で行われる。
すなわち、特許文献1のタイヤ試験装置は、リム上に着座するタイヤに対して工場空気源から供給された圧縮空気を圧力調整して供給する空気圧回路を備えており、テスト圧にタイヤを膨らませた後でタイヤ試験を行うものである。
このタイヤ試験装置でタイヤ試験を行う場合は、検査ラインの上流から流れてきたタイヤを上下に分割されたリムで挟み込む。次に空気圧回路の途中で2系統に分岐された一つの配管であるビードシート系統の配管を用いてタイヤを短時間で膨らましリムに固定する。もう一つの配管であるテスト系統からの圧縮空気でテスト圧に保持されたタイヤにドラムを押し付けて正転させ、タイヤのユニフォミティを計測する。その後、タイヤを逆転させて、逆転時でのタイヤのユニフォミティも計測する。
ところで、上述のようなタイヤユニフォミティの測定方法において、負荷ドラムが一定方向に回転している状態から逆転させる時に、負荷ドラムは瞬間的に回転停止状態となる。タイヤに一定の圧力が作用している状態で、タイヤが回転停止状態になると、負荷ドラムの圧力により生じているタイヤの凹みが、後に残留凹みとなる(図5参照)。これはタイヤのゴム材料の粘弾性特性によるものである。この残留凹みは元の状態に復元するまでには時間がかかり、この状態でユニフォミティを測定するとこの測定精度に大きく影響することが、特許文献1で明らかにされている。タイヤの復元を待ちユニフォミティの波形が安定してから計測する必要があり、その分、時間がかかるという問題がある。
そこで、特許文献2では、上記した問題の解決方法の一つとして、タイヤ逆転時に負荷ドラムの接触面をタイヤトレッド面から後退させて、タイヤ停止時におけるタイヤに作用する圧力を軽減する方法が提案されている。
特公平6−95057号公報 特開平2−223843号公報
ところで、特許文献2に開示されたタイヤ試験装置を用いて、タイヤ逆転時のタイヤユニフォミティを計測するに際しては、タイヤから負荷ドラムを後退させると、負荷ドラムによる圧力で生じるタイヤの凹みがなくなる為に、タイヤ内の体積(内容積)が増加する。その結果、タイヤ内の圧力は低下する。圧力調整弁の働きにより、タイヤ内圧を試験圧力にしようと、タイヤ内部に圧縮空気が送り込まれる。逆転終了後に、負荷ドラムを正転時と同じ位置にまで前進させ負荷を付与するが、この時、タイヤには負荷ドラムの圧力により再度凹みが生じてタイヤ内体積が減少する。体積の減少によりタイヤ内圧が瞬間的に増加する。このタイヤ内圧が圧力調整弁により所定の試験圧力に安定するのに時間を要する。このタイヤ内圧の試験圧力が安定しない状態では、ユニフォミティの波形も安定しないことから、単純に負荷ドラムの後退・前進動作だけでは、測定時間の短縮には繋がらないことが明らかとなった。
本発明は、上述の問題を鑑みてなされたものであり、タイヤユニフォミティ計測において、タイヤ正転時から逆転時への切り換えを行った直後から正確なタイヤユニフォミティ、特にタイヤ半径方向の力の変動(RFV)を精度良く求めることができるタイヤユニフォミティ試験装置及びタイヤユニフォミティ試験方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明のタイヤユニフォミティ試験装置は、ドラムを回転自在に支持すると共に、スピンドル軸に装着されたタイヤを前記ドラムの外周面に押し当て可能とするドラム機構と、前記タイヤに対し圧縮空気を供給する空気圧回路とを備えたタイヤユニフォミティ試験装置において、前記ドラム機構は、タイヤの回転を反転させる際に、前記ドラムをタイヤとの接触状態を維持しつつ後退させ、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと切り換え、その後、ドラムを前進させて負荷荷重をタイヤに与えることが可能に構成されており、前記空気圧回路には、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと反転動作を行う時に、前記ドラムの後退前進の動作に併せて、タイヤ内部の体積の増減量に略一致する体積の圧縮空気を出し入れする体積調整機構が備えられていることを特徴とする。
好ましくは、前記空気圧回路は、圧縮空気を供給する空気供給源と、前記空気供給源から送られてきた圧縮空気の圧力をテスト空気圧に調整すると共に、タイヤに供給可能とする圧力調整弁と、を有しており、前記体積調整機構は、前記タイヤと圧力調整弁との間に設けられているとよい。
好ましくは、前記体積調整機構は、空気圧回路に連通し且つタイヤ内部の圧縮空気を貯蔵するシリンダと、当該シリンダ内を移動するピストンと、前記ピストンを移動させるサーボモータと、を有しているとよい。
好ましくは、前記体積調整機構は、前記サーボモータの動きの方向及び/又は速度を変化させることにより、タイヤ内部の圧縮空気の体積を調整する構成とされているとよい。
一方、本発明のタイヤユニフォミティ測定方法は、ドラムを回転自在に支持すると共に、スピンドル軸に装着されたタイヤを前記ドラムの外周面に押し当て可能とするドラム機構と、前記タイヤに対し圧縮空気を供給する空気圧回路とを備えたタイヤユニフォミティ試験装置を用いたタイヤユニフォミティ測定方法において、前記ドラム機構を、タイヤの回転を反転させる際に、前記ドラムをタイヤとの接触状態を維持しつつ後退させ、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと切り換え、その後、ドラムを前進させて負荷荷重をタイヤに与えることが可能に構成しておき、前記タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと反転動作を行う時に、前記ドラムの後退前進の動作に併せて、タイヤ内部の体積の増減量に略一致する体積の圧縮空気を出し入れするようにして、タイヤのユニフォミティを測定することを特徴とする。
本発明のタイヤユニフォミティ試験技術によれば、タイヤユニフォミティ計測において、タイヤ正転時から逆転時への切り換えを行った直後から正確なタイヤユニフォミティ、特にタイヤ半径方向の力の変動(RFV)を精度良く求めることが可能となる。
本発明に係るタイヤユニフォミティ試験装置の概略図である。 空気圧回路を示す図である。 タイヤユニフォミティ試験装置の動作パターンと計測されたユニフォミティ波形とを示す図である。 別形式の空気圧回路を示す図である。 負荷ドラムとタイヤ残留凹みの関係を示す図である(従来例)。
本発明に係るタイヤユニフォミティ試験装置1及びタイヤユニフォミティ試験方法を図面に基づき、説明する。
図1に示されるように、タイヤユニフォミティ試験装置1は、製品上がりのタイヤTのタイヤユニフォミティ特性、特に、タイヤT半径方向の力の変動(Radial Force Variation:RFV)を製品検査として評価するものである。
具体的には、タイヤユニフォミティ試験装置1は、軸心が上下を向くように配備された円筒状のフレーム本体2と、このフレーム本体2内に軸受部を介して上下軸回りに回転自在となるように取り付けられたスピンドル軸3と、を有している。スピンドル軸3は、フレーム本体2の上端から上方へ突出状とされており、スピンドル軸3の上方突出部分にタイヤTを固定する上下一対のリム4が設けられている。さらに、リム4で固定されたタイヤTの側方には、その外周面に模擬路面6aが形成されたドラム5(負荷ドラム)が備えられている。このドラム5はドラム機構6に備えられている。
なお、本明細書の説明においては、図1の紙面の上下をタイヤユニフォミティ試験装置1を説明する際の上下としている。
本実施形態のドラム機構6は、ドラム5を上下軸回りに駆動回転できるように支持すると共に、水平に移動してタイヤTに模擬路面6aを接触できる構成となっている。ドラム機構6は、タイヤTの回転を逆転させる際に、ドラム5をタイヤTとの接触状態を維持しつつ後退させ、タイヤTの回転を一方向回転(正転)から他方向回転(逆転)へと切り換え、その後、ドラム5を前進させて負荷荷重をタイヤTに与えることが可能に構成されている。
図1に示すように、タイヤ試験を行う際には、タイヤTを所定の空気圧に調整しておく必要がある。そこで、タイヤユニフォミティ試験装置1には、空気供給源9で発生した圧縮空気をタイヤT内部に供給したり、タイヤT内部から圧縮空気を大気などの外部に排出したりしてタイヤT内の空気圧を調整する空気圧回路7が配備されている。
詳しくは図2に示すように、この空気圧回路7は、2系統の供給配管系を備えている。その一つはタイヤTを短時間で膨らまし、タイヤTをリム4に装着するビードシート系統10の配管であり、もう一つがタイヤTを試験する際に用いられるテスト系統11の配管である。
ビードシート系統10を介して流通される圧縮空気は0.4MPa程度の空気圧(ビード圧)に調整され、テスト系統11を介して流通される圧縮空気はビードシート系統10より低い0.2MPa程度の空気圧(テスト圧)に調整されている。これらのビードシート系統10とテスト系統11とは、空気供給源9からタイヤTに至る途中で空気流路が分岐し、それぞれの空気圧に調整された後、再び1つの配管に合流するようになっている。これらのビードシート系統10の配管とテスト系統11の配管とを切替弁15を用いて切り替え可能となっている。
テスト系統11の配管経路には、上流側(空気供給源9に近い側)から下流側に向かって順番に、空気供給源9、圧力調整弁(以降、テスト圧調整弁13ということもある)、給排弁14、切替弁15、遮断弁16、圧力検知部17が配備されている。また、ビードシート系統10の配管経路は、空気供給源9の下流側でテスト系統11の配管から分岐し、別の圧力調整弁(以降、ビード圧調整弁12ということもある)でビード圧に調整された後、切替弁15でテスト系統11の配管に合流する。
空気供給源9は、図示していないエアコンプレッサや工場エアの供給源につながっており、ビードシート系統10を通じてタイヤTを膨らませる際の空気圧と同等か又は高圧の圧縮空気を発生させている。その下流側には、空気供給源9から流入するダストなどを捕集するエアフィルタ18が設けられており、またエアフィルタ18の下流側には空気供給源9で発生する圧縮空気の圧力をチェックする圧力計19が設けられている。
テスト系統11に設けられるテスト圧調整弁13と、ビートシート系統に設けられるビート圧調整弁12は、いずれも空気供給源9から送られてきた圧縮空気を所定の圧力に調整する圧力レギュレータである。本実施形態の圧力調整弁は、リリーフ機能を備えた内部パイロット式で制御される減圧弁が用いられており、空気供給源9で発生した圧縮空気の圧力をビート圧(例えば0.4MPa)やテスト圧(例えば0.2MPa)に減圧して調整可能とされている。
給排弁14は、テスト系統11に設けられたテスト圧調整弁13の下流側に設けられた方向制御弁(電磁式でパイロット圧が制御される方向制御弁)であり、弁の切替えにより、タイヤ試験開始前のタイヤTへの給気とタイヤ試験終了後のタイヤTからの排気(大気への放出)とを制御している。
切替弁15は、圧縮空気の流路をテスト系統11側とビードシート系統10側との間で切り替えるものであり、タイヤT内の空気圧をビード圧とテスト圧とを切り替えるために用いられる。切替弁15は、電磁式でパイロット圧が制御される方向制御弁で構成されている。
遮断弁16は、切替弁15の下流側に設けられた方向制御弁であり、弁を切り替えることで圧縮空気の流路を遮断して、遮断弁16の下流側のタイヤT内へ至る配管内に圧縮空気を封じ込めることができるようになっている。
圧力検知部17は、給排弁14の下流側に設けられた空気圧センサを備えており、タイヤT内に作用する空気圧を検知している。
ところで、上述したドラム機構6は、タイヤTの回転を逆転させる際に、ドラム5をタイヤTとの接触状態を維持しつつ後退させ、タイヤTの回転を正転から逆転へと切り換え、その後、ドラム5を前進させて負荷荷重をタイヤTに与えることが可能に構成されている。このようにドラム5を後前に移動させると、特許文献1で明らかにされた「タイヤTの表面に残留凹みが発生する」ことは防止できるが、タイヤT回転方向の切り換え時に、ドラム5からタイヤTに加えられていた負荷荷重が変化してタイヤT内の体積(内容積)も変動する。
例えば、回転方向の逆転前にドラム5をタイヤTから後退させると、タイヤT内の内容積が増加して、タイヤT内の圧力が低下する。そうすると、テスト圧調整弁13の働きにより、タイヤT内圧を試験圧力にしようと、タイヤT内部に圧縮空気が送り込まれる。その後、ドラム5を正転時と同じ位置にまで前進させ負荷荷重をかけると、今度はタイヤT内の内容積が減少しタイヤT内圧が瞬間的に増加する。
つまり、回転方向の逆転に伴ってタイヤTの内圧が瞬間的に変動すると、この変動したタイヤT内圧を安定させようとしてテスト圧調整弁13による余計な圧力調整が行われ、この内圧変動安定化に要する時間の間は、タイヤユニフォミティ試験の精度が保証できない状態となる。
そこで、本発明のタイヤユニフォミティ試験装置1の空気圧回路7には、タイヤTの逆転動作を行う時に、ドラム5の後進前進の動作に併せて、タイヤT内容積の増減量に略一致する体積の圧縮空気を出し入れする体積調整機構20が設けられている。
このような体積調整機構20を設ければ、ドラム5の後退前進の動作に併せてタイヤT内部の体積の変動を抑えることができて、タイヤT内部の圧力を略一定にすることが可能となる。その結果、テスト圧調整弁13が作動しなくなり、タイヤT内圧の安定化に要する無駄な時間を省くことが可能になって、タイヤTユニフォミティ試験の効率を向上させることが可能となる。
言い換えれば、体積調整機構20は、ドラム5の後退前進の動作に併せてタイヤT内部の体積の変動が起こり、それに伴ってテスト圧調整弁13が作動することを防ぐものであり、テスト圧調整弁13が作動しないような範囲でタイヤT内部の圧力を一定(略一定)にするように構成されたものである。
図2に示すように、体積調整機構20は、空気圧回路7のテスト系統11の配管に設けられていて、テスト圧調整弁13の下流側であってさらに遮断弁16の下流側の配管(遮断弁16とタイヤTとの間)に設けられている。
本実施形態の体積調整機構20は、シリンダ22とこのシリンダ22内を移動するピストン21とから構成されている。シリンダ22は、内部が中空とされた筒状であり、その一端は遮断弁16と圧力検知部17との間の配管に連通しており、他端はサイレンサ24を介して外部に開放されている。ピストン21は、シリンダ22の内部に挿入されており、シリンダ22の内部を移動できるようになっている。空気流路に連通した側の区画の容積を増減することでタイヤTへ供給する圧縮空気の体積を調整できるようになっている。
体積調整機構20のピストン21は、当該ピストン21に連結されたピストン21ロッドがラックアンドピニオンを介してサーボモータ23に連結しており、サーボモータ23を回転させることで、シリンダ22の内を直線移動できるようになっている。
サーボモータ23によるピストン21の移動量は、タイヤTのサイズ及びドラム5後退前進量の値が予め設定されていて、その値を基にタイヤT内の体積変化量を求め、得られた体積変化量をシリンダ22内部断面積で除した値とされる。ピストン21の移動速度は、ドラム5後退前進動作と略同一時間となる速度とされる。
次に、本発明のタイヤユニフォミティ試験装置1を用いてタイヤユニフォミティを計測する手順を説明する。
まず、ユニフォミティ計測を行う場合は、検査ラインの上流から流れてきたタイヤTを上下に分割されたリム4,4で挟み込む。
そして、空気圧回路7のビードシート系統10の配管を用いてタイヤTを短時間で膨らます。このとき、空気供給源9で発生した圧縮空気はビードシート系統10の配管の途中に設けられたビード圧調整弁12でビード圧(例えば0.4MPa程度の高圧)に調整される。そして、ビード圧に調整された圧縮空気は切替弁15や遮断弁16を通ってタイヤTに供給され、タイヤT内の空気圧がビード圧になってタイヤTが瞬時に膨張し、タイヤTのビード部がリム4に強固に装着される。
タイヤTをリム4に装着させた後、タイヤT内の空気圧をテスト圧(例えば0.2MPa)に切り替えて、タイヤ試験の準備を行う。
テスト系統11の配管には、テスト圧調整弁13が設けられており、このテスト圧調整弁13は空気供給源9で発生した圧縮空気をテスト圧に調整すると共にビード圧にされていたタイヤT内の圧縮空気を外部に開放してテスト圧に減圧できるようになっている。テスト圧調整弁13でテスト圧に調整された圧縮空気は、給排弁14、切替弁15及び遮断弁16を通ってタイヤTに供給される。そして、この圧縮空気によりタイヤT内の空気圧がテスト圧に調整される。タイヤT内の空気圧がテスト圧になると圧力検知部17で検知されて、遮断弁16を作動させて切替弁15とタイヤTとの間の配管を遮断する。そうすると、遮断弁16の下流側の配管及びタイヤT内が上流側から遮断され、タイヤ試験を行う準備が完了する。
その後、テスト圧に保持されたタイヤTにドラム5を押付けて「正回転」させ、荷重検出器(ロードセル)などを用いてタイヤTに発生する反発力を計測することにより、タイヤTのRFV波形が計測される。
正回転でのRFV波形の計測が終わった後、タイヤTを「逆回転」させRFV波形を計測する。
まず、タイヤ正転中(正回転でのRFV波形の計測の終盤)において、タイヤ回転数を変化させる直前にドラム5位置の後退を開始し、回転数を低下させると同時にドラム5をさらに後退させる。このドラム5後退に伴いドラム5荷重が低下するようになる。ドラム5の後退量は、タイヤTとドラム5との間でスリップが生じない程度にドラム5荷重が残る量とすることが好ましい。なぜならば、ドラム5の回転は、モータ駆動のスピンドル軸3からタイヤTを介してドラム5に伝えられているため、ドラム5とタイヤTの接触圧力が小さいと、ドラム5回転の減速・加速時の慣性力によりタイヤTがスリップする可能性があるからである。
その後、タイヤTの回転数が0、すなわちドラム5の回転が停止したタイミングで、ドラム5荷重が最小となる様にドラム5位置を制御する。このドラム5位置において、今度はタイヤTを逆転し始め、タイヤTが逆転方向に加速する時にドラム5を徐々に前進させ、タイヤT回転数が所定の試験回転数になるタイミングで、ドラム5が所定の試験位置に達するようにする。その上で、タイヤTを逆回転し、逆回転におけるユニフォミティ波形を計測するようにする。
上記したタイヤT逆転転切り換え時には、タイヤユニフォミティ試験装置1に備えられた体積調整機構20を以下の方法で作動させる。
正転試験終了後でタイヤTからドラム5を後退させるときに、体積調整機構20を用いて、ドラム5の後退に合わせて増加するタイヤT内の体積(内容積)の増加量に略一致する体積の圧縮空気をタイヤT内に送り込む。具体的には、サーボモータ23を回転させて、押し込み方向、言い換えればシリンダ22内の容積が小さくなる方向にピストン21を移動させ、タイヤT内の体積の増加量に略一致する体積の圧縮空気を配管内に送り込む。このようにして配管内に送り込まれた圧縮空気は、配管を通じてタイヤT内に送られタイヤT内に補充される。
タイヤTを逆転させた上でドラム5を前進させる際には、ドラム5の前進に合わせて減少するタイヤT内の体積(内容積)に略一致する圧縮空気をタイヤT内から抜き取る。
具体的には、サーボモータ23を回転させて、抜き出し方向、言い換えればシリンダ22内の容積が大きくなる方向にピストン21を移動させ、タイヤT内の体積の減少量に略一致する体積の圧縮空気をテスト系統11の配管から抜き出す。
図3(a)〜図3(g)には、タイヤTを正転から逆転させる際において、タイヤT回転数、ドラム5位置、ドラム5荷重、従来技術のRFV波形、本発明のRFV波形、タイヤT内圧の変化が示されている。図3(d)及び図3(f)のRFV波形は、ユニフォミティ測定部8で計測されたものである。
体積調整機構20が設けられていない場合は、タイヤT逆転時にドラム5後退前進動作を行うと、図3(e)に示すように、タイヤT内圧は一旦減少した後に、ドラム5前進時に(計測時間で2.5〜3秒)には大幅に増加して、その後、タイヤT内の圧力は、所定の試験圧力に戻るまでにほぼ直線的に減少する(計測時間で3〜5秒間)。この間、図3(d)に示すように、RFV波形もある傾きを持って波形が上下にシフト移動している。このように、シフト移動しているRFV波形からでは、正しいRFVを求めることは困難であり、得られたRFVには誤差が含まれる。
一方、体積調整機構20を用いた場合は、タイヤT逆転時にドラム5後退前進動作を行うと、図3(g)示すように、前進完了後でもタイヤT内圧は常に一定である。この間、図3(f)に示すように、RFV波形もシフト移動しないものとなり、正しいRFVを得ることが可能となる。
このように、本発明の体積調整機構20を用いることで、タイヤT逆転直後であってもタイヤTをテスト圧に維持することが可能となり、常に正確なユニフォミティ波形及びユニフォミティ計測値を得ることができ、計測時間の短縮、ひいては生産性の向上に寄与できるものとなる。
なお、タイヤ試験を行った後でタイヤTを取り外す場合は、テスト系統11の配管にした状態で給排弁14を作動させ、タイヤT内及び体積調整機構20の圧縮空気を大気中に放出する。そうすることで、次のタイヤTの装着準備と体積調整機構20のピストン21の原点復帰とが行われる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、体積調整機構20の設置場所は、図2で示す位置に限定されない。図4に示されるように、テスト圧調整弁13の下流側であって遮断弁16の上流側の配管(テスト圧調整弁13と給排弁14との間)に体積調整機構20を設けてもよい。この場合、遮断弁16を連通状態としておけば、体積調整機構20は、タイヤTに対して圧縮空気を出し入れすることができ、ドラム5の後退前進時にタイヤT内部の圧力を略一定に保持することができる。
すなわち、テスト系統11の配管上であれば、タイヤ試験装置に装着されたタイヤTとテスト圧調整弁13の間のいずれの位置においても、体積調整機構20を設置することが可能である。
また、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 タイヤユニフォミティ試験装置
2 フレーム本体
3 スピンドル軸
4 リム
5 ドラム
6 ドラム機構
6a 模擬路面
7 空気圧回路
8 ユニフォミティ測定部
9 空気供給源
10 ビードシート系統
11 テスト系統
12 ビード圧調整弁
13 テスト圧調整弁
14 給排弁
15 切替弁
16 遮断弁
17 圧力検知部
18 エアフィルタ
19 圧力計
20 体積調整機構
21 ピストン
22 シリンダ
23 サーボモータ
24 サイレンサ
T タイヤ

Claims (5)

  1. ドラムを回転自在に支持すると共に、スピンドル軸に装着されたタイヤを前記ドラムの外周面に押し当て可能とするドラム機構と、前記タイヤに対し圧縮空気を供給する空気圧回路とを備えたタイヤユニフォミティ試験装置において、
    前記ドラム機構は、タイヤの回転を反転させる際に、前記ドラムをタイヤとの接触状態を維持しつつ後退させ、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと切り換え、その後、ドラムを前進させて負荷荷重をタイヤに与えることが可能に構成されており、
    前記空気圧回路には、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと反転動作を行う時に、前記ドラムの後退前進の動作に併せて、タイヤ内部の体積の増減量に略一致する体積の圧縮空気を出し入れする体積調整機構が備えられていることを特徴とするタイヤユニフォミティ試験装置。
  2. 前記空気圧回路は、圧縮空気を供給する空気供給源と、前記空気供給源から送られてきた圧縮空気の圧力をテスト空気圧に調整すると共に、タイヤに供給可能とする圧力調整弁と、を有しており、
    前記体積調整機構は、前記タイヤと圧力調整弁との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のタイヤユニフォミティ試験装置。
  3. 前記体積調整機構は、空気圧回路に連通し且つタイヤ内部の圧縮空気を貯蔵するシリンダと、当該シリンダ内を移動するピストンと、前記ピストンを移動させるサーボモータと、を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤユニフォミティ試験装置。
  4. 前記体積調整機構は、前記サーボモータの動きの方向及び/又は速度を変化させることにより、タイヤ内部の圧縮空気の体積を調整する構成とされていることを特徴とする請求項3に記載のタイヤユニフォミティ試験装置。
  5. ドラムを回転自在に支持すると共に、スピンドル軸に装着されたタイヤを前記ドラムの外周面に押し当て可能とするドラム機構と、前記タイヤに対し圧縮空気を供給する空気圧回路とを備えたタイヤユニフォミティ試験装置を用いたタイヤユニフォミティ測定方法において、
    前記ドラム機構を、タイヤの回転を反転させる際に、前記ドラムをタイヤとの接触状態を維持しつつ後退させ、タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと切り換え、その後、ドラムを前進させて負荷荷重をタイヤに与えることが可能に構成しておき、
    前記タイヤの回転を一方向回転から他方向回転へと反転動作を行う時に、前記ドラムの後退前進の動作に併せて、タイヤ内部の体積の増減量に略一致する体積の圧縮空気を出し入れするようにして、タイヤのユニフォミティを測定することを特徴とするタイヤユニフォミティ試験方法。
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