JP2013082086A - フラットパネルディスプレイ用保護シート、及び、フラットパネルディスプレイ用保護シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フラットパネルディスプレイを衝撃から保護し得るようにポリスチレン系樹脂発泡体からなるクッション層を備えているフラットパネルディスプレイ用保護シートであって、前記クッション層は、ポリスチレン系樹脂と高分子型帯電防止剤とを含有する樹脂組成物がシート状に押出発泡されて形成されており、前記高分子型帯電防止剤として前記ポリスチレン系樹脂に対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられ、前記ポリスチレン系樹脂発泡体の気泡膜中には前記高分子型帯電防止剤が粒子状に分散していることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用保護シートを提供する。
【選択図】 図1
Description
例えば、フラットパネルディスプレイを収容する容器壁に保護シートを貼り付けたり、フラットパネルディスプレイどうしの間に保護シートを介装させたりしてフラットパネルディスプレイの破損を防止することが行われている。
また、フラットパネルディスプレイに組み込まれる内部モジュールを一次保管するためにもフラットパネルディスプレイ用保護シートが用いられている。
例えば、樹脂発泡シートに樹脂フィルムが貼り合わされ、樹脂発泡シートからなるクッション層と前記樹脂フィルムからなる表面層とが形成されたものや、異なる樹脂組成物を一つのダイから共押出しさせてクッション層と表面層とを同時に形成させたものが保護シートとして利用されている。
そして、この特許文献1には、内部のクッション層をポリスチレン系樹脂発泡体で形成させるとともに帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂発泡体や非発泡体で表面層を形成させることが記載されている。
特に、フラットパネルディスプレイや内部モジュールは、電子部品等が取り付けられた状態になっているためにガラス基板と違って付着した異物を洗浄して除去することが難しい点において静電気による異物の付着はより大きな問題となるおそれを有する。
しかし、従来の保護シートでは、フラットパネルディスプレイに異物が付着することを十分抑制することが困難な状況となっており、その対策が要望されている。
例えば、従来、ポリスチレン系樹脂組成物をサーキュラーダイから押出発泡させて筒状発泡シートを形成させた後、内面が冷え切らない内に前記筒状発泡シートをピンチロールで挟んで該筒状発泡シートの内面どうしを熱融着させることによって厚手で表面平滑な板状のポリスチレン系樹脂発泡体を形成させることが行われている。
従って、クッション層となる部分をサーキュラーダイの内側から押出させるとともに表面層となる部分をサーキュラーダイの外側から押出させるような共押出しを実施した後に前記ピンチロールによる熱融着を行えば、表面平滑なフラットパネルディスプレイ用保護シートを得ることができ、擦過傷によるクッション層の表面露出は抑制されるものと考えられる。
しかし、このような場合でもフラットパネルディスプレイ用保護シートに切欠きや窪みを設けるような加工が施されてしまうようであれば帯電防止の図られていないクッション層を露出させてしまうことになるため根本的な解決策とはならない。
即ち、フラットパネルディスプレイの製造現場において、半製品等の保管などに利用される保護シートも本発明のフラットパネルディスプレイ用保護シートに相当するものである。
従って、保護シートの厚み方向に窪みが設けられるような加工が施された場合でも、少なくとも、ポリスチレン系樹脂発泡体が表面露出している限りにおいては帯電防止性が発揮されることになる。
すなわち、本発明のフラットパネルディスプレイ用保護シートは、加工が施されたり、意図せぬ傷付きによって表層部が除去された場合でも、帯電防止性能が維持され得る。
また、クッション層に帯電防止剤を含有することから、クッション層単体でも帯電防止性能に優れた保護シートとすることができる。
したがって、界面活性剤などからなる低分子型の帯電防止剤が用いられる場合に比べてブリードアウトを生じにくく、帯電防止剤自体が付着物となってフラットパネルディスプレイ等に付着することが抑制され得る。
しかも、本発明においては、クッション層を形成しているポリスチレン系樹脂に対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられてポリスチレン系樹脂発泡体の気泡膜中に該高分子型帯電防止剤が粒子状に分散されている。
このことによってフラットパネルディスプレイなどに対する優れた帯電防止性が発揮されることになる。
また、前記のような方法でフラットパネルディスプレイ用保護シートを作製するのに際しては、前記サーキュラーダイからの押出発泡後、前記熱融着を開始するまでの間、前記筒状発泡シートの外面側には強制冷却を実施せずに該外面側を自然放冷によって冷却させることが好ましい。
即ち、この好ましい態様によれば、フラットパネルディスプレイやその半製品に異物を付着させてしまうおそれをより一層低減することができ、これらの保護により適した保護シートを得ることができる。
本実施形態に係るフラットパネルディスプレイ用保護シートは、クッション層のみによって構成されており、表面層のようなものは設けられてはいない。
ただし、後述するように、このクッション層は2枚のシート状のポリスチレン系樹脂発泡体が貼り合わされたような構造となっており、2層構造となっている。
しかも、この樹脂組成物がシート状に押出発泡されて形成されたものであり、前記ポリスチレン系樹脂に対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられることによって両者を構成している気泡膜中には前記高分子型帯電防止剤が粒子状に分散されている。
このような観点から、通常、クッション層の全体厚み(2層を合せた厚み)は1mm以上15mm以下とされる。
なお、クッション層を構成するポリスチレン系樹脂発泡体は、保護シートに求められる軽量性とクッション性との両立を図る上においてその発泡倍率が2倍以上30倍以下とされることが好ましい。
なお、ここで“高分子型帯電防止剤粒子が、幅に対して5倍を超える長さを備えた棒状粒子となっている状態”とは、全ての高分子型帯電防止剤粒子がこのような状態になっていることを意味するものではなく、平均して上記のような状態になっていることを意味するものである。
例えば、クッション層を構成しているポリスチレン系樹脂発泡体を押出方向と平行にスライスして、その切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)によって数千倍から数万倍の倍率で観察し、任意に選択した十個程度の粒子の幅と長さとを測定して幅に対する長さの倍率を個々の粒子について求め、その平均値が5倍を超える値となっていれば、“高分子型帯電防止剤粒子が、幅に対して5倍を超える長さを備えた棒状粒子となっている”と判定することができる。
このような観点から幅に対する長さの比率は10倍以上であることがより好ましい。
そうすると、各粒子の長手方向が押出方向に向いた状態となり、粒子どうしが隣り合わせとなる区間が長くなるため、その間に電気抵抗値の低い箇所が形成される可能性が高くなる。
従って、高分子型帯電防止剤粒子がMD方向に配向されている場合でもMD方向以外の方向においても電気抵抗値の低減が図られることとなる。
即ち、ポリスチレン系樹脂は、硬度が高く、引張破断伸びが小さいために、応力が加えられた場合に気泡膜が破壊されてしまい易く、例えば、切断面を擦ると気泡膜の微小破片による粉塵を発生させやすいが、後述するように、高分子型帯電防止剤は、通常、ポリオレフィンブロックを有するようなポリスチレン系樹脂に比べて硬度が低く、引張破断伸びが大きなポリマーであるために、その粒子を気泡膜中に分散させることで、この高分子型帯電防止剤粒子が気泡膜に加わる応力を緩和して、気泡膜に易変形性を与えることになる。
しかも、高分子型帯電防止剤が細長い棒状粒子となって分散されることから単に球状に分散させた場合よりも靱性の向上効果が顕著なものとなる。
さらに、本実施形態においては、これらの単量体以外の単量体を含有するコポリマーを前記ポリスチレン系樹脂発泡体を構成させるためのポリスチレン系樹脂として採用し得る。
なお、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(HIPS)とは、前記スチレン系単量体以外にブタジエンなどのゴム成分を含有するものであり、例えば、該ゴム成分がスチレン系単量体と共重合しているコポリマーや、該コポリマーと他のホモポリマーあるいはコポリマーとのブレンド樹脂として市販されているものなどを採用することができる。
また、汎用ポリスチレン樹脂(GPPS)とは、添加剤等を除いて樹脂成分が実質上スチレンモノマーのみで構成されたものである。
これらのポリスチレン系樹脂は、いずれも、多くの種類が市販されており、求める特性のものが入手容易であるばかりでなく比較的安価である点においても好適である。
なかでも、ポリスチレン系樹脂との相互作用を考慮した場合、オレフィン系ブロックと親水性ブロックとの共重合体が好ましく、ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体(ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックのブロック共重合体)を主成分とする高分子型帯電防止剤が好適に使用されうる。
ここで、「主成分」とは、高分子型帯電防止剤中に占める割合が50質量%以上であることをいう。
なお、上記のようなポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体が高分子型帯電防止剤中に70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましい。
すなわち、高分子型帯電防止剤として用いられるアイオノマー樹脂との相性においても、JIS K 7210の条件H(試験温度:200℃、公称荷重5.00kg)によるメルトマスフローレートが0.5g/10min以上、15g/10min以下のポリスチレン系樹脂が好ましい。
ただし、これらの添加によって、保護シートからの溶出イオン量が増加して問題を生じさせるおそれがあるため低分子型帯電防止剤を使用するのであれば、その使用量は、含有させる全ての帯電防止剤(高分子型帯電防止剤+低分子型帯電防止剤)に占める割合が0.5質量%未満とすることが好ましい。
この気泡形成のための成分としては、例えば、炭化水素系の発泡剤、該発泡剤によって形成される気泡を調整するための気泡調整剤、熱分解してガスを発生させる化合物粒子などが挙げられる。
前記気泡調整剤としては、一般に気泡調整剤として用いられているものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物、ポリテトラフルオロエチレン、などの有機化合物などが挙げられる。
その中でも前記気泡調整剤としては、特にタルクが好ましい。
なお、気泡調整剤は単独で用いても二種以上を併用してもよい。
このような表面抵抗率の値をポリスチレン系樹脂発泡体に付与するためには、通常、高分子型帯電防止剤の合計含有量を1質量%を超え30質量%未満の範囲の内のいずれかとすれば良く、ポリスチレン系樹脂発泡体の材料コストが過大なものとなることを抑制しつつより確実に上記表面抵抗率を発揮させ得る点において高分子型帯電防止剤の合計含有量は2質量%以上15質量%以下の範囲の中から選択されることが好ましい。
本実施形態においては、一般的な発泡シート製造方法に用いられる方法を採用することができ、例えば、ベース樹脂(ポリスチレン系樹脂)と、前記高分子型帯電防止剤、及び、気泡核剤などを含有するポリスチレン系樹脂組成物を作製する樹脂混練工程を実施した後に、得られたポリスチレン系樹脂組成物をシート状に押出発泡する押出し工程を実施する方法などを採用しうる。
(樹脂混練工程)
前記したような成分を含有するポリスチレン系樹脂組成物を作製するには、例えば、まず、ベース樹脂、高分子型帯電防止剤、気泡調整剤、及び、必要に応じてスリップ剤、防曇剤等の添加剤を計量してタンブラーブレンダー、へンシェルミキサーなどでドライブレンドした後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで各配合材料が略均一に混合された状態となるように溶融混練し、その後、混練物をストランド状に押出してペレタイズするか、ホットカットしてペレット化する方法を採用することができ、このような方法を採用することでポリスチレン系樹脂組成物からなるペレットを作製することができる。
上記樹脂混練工程で得られたペレットを熱溶融状態にしてシート状に押出発泡する方法としては、例えば、サーキュラーダイやT−ダイなどから押出してシート化する方法があげられる。
より具体的には、タンデム型押出機にサーキュラーダイ等を装着させて一般的に行われている発泡シートの作製方法を採用してクッション層を形成するシート状のポリスチレン樹脂発泡体を作製することができる。
タンデム型押出機を用いることで、例えば、第一段目の押出機にニーディングゾーンを設け樹脂圧をやや低圧に設定して発泡剤を前記ニーディングゾーンに圧入しやすい状態としたり、温度を高温に設定して発泡剤の溶解性を高めたりして樹脂組成物中に十分に発泡剤を分散させることができ、二段目の押出し機の温度設定を一段目に比べて低温として、樹脂組成物の溶融粘度を発泡に適した粘度に調整することができる。
また、前記サーキュラーダイから押出発泡させた前記筒状発泡シートは、風冷によって外面側を強制冷却する場合であれば、前記サーキュラーダイに風が当たらないようにして前記強制冷却を実施することが好ましい。
即ち、前記筒状発泡シートは、外面側を自然冷却させるか、或いは、風冷によって外面側を強制冷却させるかした後にピンチロールによる前記熱融着を実施し、しかも、前記強制冷却を実施する場合には、前記サーキュラーダイに風が当たらないようにして前記風冷を実施することが好ましい。
即ち、このような形で押出された筒状発泡シートは、表面が荒れた状態になり易く、しかも、糸屑形状を有するポリスチレン系樹脂の微粉が表面付着した状態になり易いために、表面が清浄、且つ、平滑な筒状発泡シートを得る上においては、サーキュラーダイに風を当てないことが好ましい。
従って、内面側における冷却については、特にその態様が規制されるものではない。
例えば、サーキュラーダイから押出された直後のポリスチレン系樹脂発泡体は、円筒状シートになっているため、この円筒状のポリスチレン系樹脂発泡体から逸脱する発泡剤ガスあるいはサーキュラーダイ側から発泡体内側に吹き込んだガスにより当該発泡体をバルーン状に膨らませることができ、このバルーンを内面が温かい内にローラー間に通して平坦に押し潰し、内面を融着させて冷却することにより2層構造のクッション層を形成させることができる。
このような製造方法を採用することによって、高い発泡倍率を有しつつも、平坦、且つ、硬質な板状のポリスチレン系樹脂発泡体を得ることができ、フラットパネルディスプレイの保護に適した保護シートを得ることができる。
なお、これらの場合においても保護シートの厚み方向中央部を帯電防止剤が含有されたクッション層で構成させることになるため、フラットパネルディスプレイとの擦れなどによって意図せずして表面層が部分的に除去されてしまった場合や、保護シートに切欠を設けたり、掘り込んで窪みを設けたりして意図的に表面層を除去した場合でも、帯電防止効果の低下が抑制されることになる。
ただし、保護シート全体に占めるクッション層の割合を過度に減少させると本発明の効果が損なわれるおそれを有することからクッション層は保護シートの厚みの50%以上となるように設けることが好ましく、保護シートの80%以上をクッション層とすることがより好ましく、実質上クッション層のみからなる保護シートとすることが特に好ましい。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(配合剤)
以下に評価に用いる配合剤の略称と、その詳細とを記載する。
シート状のポリスチレン系樹脂発泡体を作製するために第一押出機と第二押出機の2台の押出機からなるタンデム押出機を使用し、第二押出機の出口にサーキュラーダイを取り付けた。
下記、表1に示すようにブレンドされた各配合を第一押出機ホッパー部より供給し、第一押出機及び、第二押出機で溶融・混練した後、押出機先端部に装着したサーキュラーダイより円筒状に押出発泡させた。
次いで、この円筒状のバルーン(筒状発泡シート)を、冷却機能をもった一対のローラー間を通過させ、前記バルーンの内面を融着させてクッション層のみからなるフラットパネルディスプレイ用保護シートを作製した。
(i)保護シート(ポリスチレン系樹脂発泡体)の発泡倍率、
(ii)ポリスチレン系樹脂発泡体中において分散している高分子型帯電防止剤粒子の(長さ/幅)比率、
(iii)保護シート(ポリスチレン系樹脂発泡体)の表面及び該保護シートを任意にスライスしたその各断面における表面抵抗率、
(iv)保護シート(ポリスチレン系樹脂発泡体)からの溶出イオン量
について各々測定を行なった。
(ii)〜(iv)の各項目の試験方法は以下に示す通りである。
得られた各ポリスチレン系樹脂発泡体の押出方向に沿ってスライスした試験片を日立製作所製の透過型電子顕微鏡(TEM)、「H−7600」にて観察し、高分子型帯電防止剤によって形成された粒子の長手方向の寸法、及び、幅方向の寸法を計測した。
なお、幅方向の寸法は、長手方向中央部において長手方向に直交する方向における寸法を測定した。
また、測定は、3視野においてそれぞれ3個(合計9個)の粒子を任意に選択しそれぞれの算術平均値を求めた。
そして、“(長さ/幅)比率”は、長さの平均値を幅の平均値で除して求めた。
なお、「HRM18」(GPPS)を96質量%、「MK400」(アイオノマー樹脂)を4質量%含有させた製造例5のフラットパネルディスプレイ用保護シートを用いて作製した薄片試料を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した様子を図1に示す。
この図1に示すポリスチレン系樹脂発泡体には、高分子型帯電防止剤粒子(図中符号Aで示す濃色粒子)が500nmのスケールバー(図中符号B)に比べて細幅で、且つ、該スケールバーBの数倍以上の長さを有する状態で分散されている様子が認められ、その(長さ/幅)比率の平均値は、37倍となっていた。
得られた各保護シートに対して、JIS K 6911:1995「熱硬化性プラスチックー般試験方法」記載の方法により表面抵抗率の値を測定した。
具体的には、一辺が10cmの平面正方形状の試験片を温度22℃、湿度60%の雰囲気下に24時間静置した後、22℃、60%RHの環境下、試験装置(アドバンテスト社製、デジタル超高抵抗/微少電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試験片に、約30Nの荷重にて電極を圧着させ500Vの電圧を印加して1分経過後の抵抗値を測定し、次式により算出した。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ただし、
ρs:表面抵抗率(Ω/□)
D:表面の環状電極の内径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、7cm)
d:表面電極の内円の外径(cm)(レジスティビティ・チェンバR12702Aでは、5cm)
Rs:表面抵抗(Ω)
なお、測定は保護シートの表面及び任意にスライスして露出させた断面各々に対し、3回ずつ実施し、それぞれの算術平均値を求め、表2には、得られた値を四捨五入して10の累乗で示す。
各製造例の保護シート(ポリスチレン系樹脂発泡体)を10cm角に切断してテストピースを作製した。
蒸留水50mLが入った市販のポリエチレン製チャック袋にテストピースを投入し、該テストピースが蒸留水に浸漬された状態となるようにして密封してチャック袋を60℃の恒温槽内で20分間静置させた。その後、一旦恒温槽からチャック袋を取り出し、内部の蒸留水に流動が生じるようにチャック袋を数回手動で振動させ、再び60℃の恒温槽内で20分間静置させた。
なお、チャック袋は、蒸留水50mLを入れて70℃の恒温槽内で60分静置させてから蒸留水を廃棄することにより、あらかじめ洗浄したものを使用した。
60℃の恒温槽内で合計40分静置させたテストピースの入ったチャック袋を再度数回手動で振動させた後チャック袋内の蒸留水を採取し、採取した水中のZn,Ca,Si,Fe,Cr,Na,Mg,Cu,P,K,S,Al,Mn,Ba,Srの金属元素濃度を、島津製作所(株)製マルチタイプICP発光分光分析装置「ICPE−9000」を用いて、高周波出力=1.20kW,キャリアー流量=0.7L/min,プラズマ流量=10.0L/min,補助流量=0.6L/min,露光時間=30秒の条件にて測定し、溶出金属元素の総量を下式より求めた。
溶出金属元素量(μg/cm2)=測定金属元素濃度(μg/mL)×50(mL)÷200(cm2) ただし、テストピースのサイド部面積は無視した。
また、測定に際して測定装置の能力上、定量下限以下になった金属元素は、0μg/cm2扱いとした。
特に、製造例1〜6の保護シートは、少ない高分子型帯電防止剤の配合量で、一般的に要求される帯電防止性能を十分に満たしており、しかも、溶出される金属イオン溶出量も少なく、フラットパネルディスプレイ用保護シートとして好適なものであることがわかる。
また、製造例7からは、ポリスチレン系樹脂発泡体を形成させるポリスチレン系樹脂にメルトマスフローレートが15g/10minを超えるものを用いた場合は、メルトマスフローレートが15g/10minのポリスチレン系樹脂を用いた製造例6の保護シートに比べて低い帯電防止性能となっており、メルトマスフローレートが15g/10min以下のポリスチレン系樹脂を採用することが好適であることがわかる。
さらに、製造例9に示すように発泡倍率が1の極めて僅かにしか発泡していないものの場合は高分子型帯電防止剤が棒状に延びにくく、この製造例9を境に製造例7と、製造例1〜6との間で帯電防止性能を大きく変化させている。
即ち、高分子型帯電防止剤粒子の(長さ/幅)比率を5倍を超える状態にさせることで、帯電防止性能が顕著に発揮されることがこの結果からもわかる。
図2にサーキュラーダイから押出された直後の筒状発泡シートに外側から風冷(サーキュラーダイの吐出口から30mmの距離において、温度36℃の風を、風量0.4m3/minの割合で吹き付け)を行ってサーキュラーダイまで風が当たってダイの温度をやや低下させてしまった場合の筒状発泡シートの外観写真(図2(a)左低倍率、右高倍率)と、筒状発泡シートを自然冷却とし、対流等の自然な風や、筒状発泡シートの移動に伴って生じる誘引風を除きサーキュラーダイの周囲に風を発生させなかった場合の筒状発泡シートの外観写真(図2(b))とを示す。
この図から、筒状発泡シートに対する強制冷却を行う場合でも、風冷による風をサーキュラーダイに当てないようにすることが有効であることが分かる。
Claims (5)
- フラットパネルディスプレイを衝撃から保護し得るようにポリスチレン系樹脂発泡体からなるクッション層を備えているフラットパネルディスプレイ用保護シートであって、
前記クッション層は、ポリスチレン系樹脂と高分子型帯電防止剤とを含有する樹脂組成物がシート状に押出発泡されて形成されており、前記高分子型帯電防止剤として前記ポリスチレン系樹脂に対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤が用いられ、前記ポリスチレン系樹脂発泡体の気泡膜中には前記高分子型帯電防止剤が粒子状に分散していることを特徴とするフラットパネルディスプレイ用保護シート。 - 前記高分子型帯電防止剤が、幅に対して5倍を超える長さを備えた棒状粒子となって分散している請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用保護シート。
- フラットパネルディスプレイを衝撃から保護し得るようにポリスチレン系樹脂発泡体からなるクッション層を備えているフラットパネルディスプレイ用保護シートを作製すべく、ポリスチレン系樹脂組成物をサーキュラーダイから押出発泡させて筒状発泡シートを形成させた後、内面が冷え切らない内に前記筒状発泡シートをピンチロールで挟んで該筒状発泡シートの内面どうしを熱融着させ、該熱融着によって2層構造の前記クッション層を作製するフラットパネルディスプレイ用保護シートの製造方法であって、
前記ポリスチレン系樹脂組成物として、ポリスチレン系樹脂とともに該ポリスチレン系樹脂に対して非相溶性を示す高分子型帯電防止剤を含有するポリスチレン系樹脂組成物を用いることにより前記ポリスチレン系樹脂発泡体の気泡膜中に前記高分子型帯電防止剤が粒子状に分散されているフラットパネルディスプレイ用保護シートを作製することを特徴とするフラットパネルディスプレイ用保護シートの製造方法。 - 前記サーキュラーダイから押出発泡させた前記筒状発泡シートは、風冷によって外面側を強制冷却した後にピンチロールによる前記熱融着を実施し、且つ、前記強制冷却では、前記サーキュラーダイに風が当たらないようにして前記風冷を実施する請求項3記載のフラットパネルディスプレイ用保護シートの製造方法。
- 前記サーキュラーダイからの押出発泡後、前記熱融着を開始するまでの間、前記筒状発泡シートの外面側には強制冷却を実施せずに該外面側を自然放冷によって冷却させる請求項3記載のフラットパネルディスプレイ用保護シートの製造方法。
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