JP2013081568A - 歯科用根管長測定ファイルホルダー - Google Patents

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Abstract

【課題】根管内に挿入される測定針と口唇に接続される対向電極との間に周波数の異なる2種類の電圧を印加し、各周波数に対する出力電圧の差から根管内インピーダンスを測定し、根尖位置を決定する根管長測定において、各周波別の出力電圧を同一電圧に調整するためのゼロアジャスト操作を容易にする。
【解決手段】根管3内に挿入される測定針1と口唇5に接続される対向電極との間に周波数の異なる少なくとも2種類の周波数信号を印加し、各周波数に応答して測定針1と対向電極7との間のインピーダンス変化による電圧を検出し、各出力電圧を同電圧に調整し、調整後の前記電圧の差を検出し、該差電圧より根尖位置apを決定する。差電圧を検出するに先立って両出力電圧をスイッチ39によって同一電圧が調整するが、このスイッチ39と同じ作用をするスイッチ41をファイルホルダー40に設け、術者によるゼロアジャスト操作を容易にした。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯科用根管長測定ファイルホルダーに係り、より詳細には、根管内に挿入される根管長測定針(ファイル又はリーマ)に接続される測定電極と該測定電極に対向して口唇に接続される対向電極との間に周波数の異なる2種類の周波数信号を印加し、各々の周波数に応答して前記測定電極と対向電極との間の根管内インピーダンスの変化を検出する歯科用根管長測定装置において、前記測定電極に通じるリード線を内挿し、該測定電極にて前記根管長測定ファイルを保持するようにした歯科用根管長測定ファイルホルダーに、前記インピーダンスを検出するに先立って各周波別の出力電圧を同一電圧(差電圧を0)に調整するためのスイッチを設け、術者によるゼロアジャスト操作を容易にしたものである。
図2は、本発明が適用される歯科用根管長測定ファイルホルダーを有する歯科用根管長測定器の一例を説明するための要部構成図で、図中、1は根管長測定針(ファイル又はリーマ)、2は根管長を測定しようとする(或いは根管を拡大しようとする)歯牙、3は根管、4はストッパ、5は口唇、6は測定電極、7は対向電極、8は測定電極6に連通する測定電極用リード線、9は口唇5に引っかけられた対向電極7に連通する対向電極用リード線、10は根管長測定針(ファイル又はリーマ)1を保持(固定)するための歯科用根管長測定ファイルホルダー、20はこれらリード線8,9が接続された根管長測定器、21は根尖孔位置検出表示部で、周知のように、測定針(ファイル又はリーマ)1に測定電極6を接触させた状態で、測定針1を根管3内に挿入していった時の根尖孔位置検出表示部21の指針位置より測定針1の先端が根尖孔位置apに達したことを知り、その状態でストッパ4を歯牙2の歯冠に当たる位置まで動かし、その状態で口腔外に取り出し、物差しで根管長測定針1の先端からストッパまでの長さを測定するものである。表示部21は、例えば、LED,液晶等で構成され、APEX(根尖孔位置),W.L(作業長:根管長)が表示され、根管長測定針1の先端が根尖孔位置apに達した時に、アラーム等が鳴るようになっている。
図3は、図2に示した歯科用根管長測定ファイルホルダー10の詳細を説明するための断面図で、11は測定電極線(図2に示した測定電極6に対応)で、この測定電極線(リード線)11は、図示のように、絶縁性の保護管12内に挿通され、その端部は、機械的には、押圧部材13に固定され、電気的にはリード線8に接続され、該リード線8を通して図2に示した根管長測定器20に導かれている。一方、保護管12の端部12aは大径に形成され、この大径部12a内にスプリング15が挿入されている。従って、押圧部材13を矢印A方向に押すと、スプリング15が圧縮され、測定電極線11が矢印A’方向に移動し、従って、保護管12の先端部12bと測定電極線11の先端(測定電極)11’との間に測定針21を挿入することができ、押圧部材13の押圧力を解除すると、測定電極線11は、スプリング15の復元力によって矢印B’方向に移動し、従って、図3に示したように、保護管12の先端部12bと測定電極11’との間に測定針21を狭持することができる。
図4は、前記根管長測定器を用いて根管長(根尖孔位置ap)を測定する例を説明するための図で(特許文献1参照)、歯牙2の根管3内に、測定針1としてファイル挿入し、口腔粘膜(口唇)に当接した対向電極7との間に、例えば1kHzと5kHzの2つの周波数の交流電圧を加え、根尖位置apを検出するものである。根管長測定器20において、22は2種類の異なる周波数を発生するパルス発生器で、このパルス発生器22を測定針1および対向電極7にそれぞれ接続する。対向電極7とパルス発生器22間に抵抗23を接続し、この両端を増幅器24Aおよび24Bにそれぞれ接続する。増幅器24Aの出力を1kHz用のフィルタ25Aに接続し、この出力を整流回路26Aで整流して比較器27の一方の人力端子に接続する。また、増幅器24Bの出力を5kHz用のフィルタ25Bに接続し、この出力を整流回路26Bで整流して比較器27の他方の人力端子に接続する。この比較器27の出力を増幅器28に接続し、その出力を表示装置21に接続する。
図5は、図4に×印で示すa点およびb点の出力を横軸に測定針1の根管3内での位置を取って示した図で、図4に示した回路構成において、パルス発生器22の発生基本周波数が1kHzに設定されているものとする。いま、歯科医師が測定針1を根管3内にゆっくり挿入して行く。このとき、パルス発生器22からは1kHzのインパルス信号と5kHzのインパルス信号が所定周期で多重され出力される。この出力信号および測定針1と対向電極7との間のインピーダンスとに応答した微弱電流が抵抗23に流れ、この微弱電流は増幅器24Aおよび23Bでそれぞれ増幅される。
このうち1kHzのインパルス信号に応答するものだけがフィルタ25Aを通り、a点(図4)の出力は、図5中aで示すものとなる。同様に、5kHzのインパルス信号に応答するものだけがフィルタ25Bを通り、b点(図5)の出力は図5中bで示すものとなる。
すなわち、測定針1が根管3内を移動する間は測定針1と対向電極7間のインピーダンスはほぼ一定であり入力信号の各周波数に応答したa点およびb点の出力は図5中範囲Iで示すようにそれぞれほぼ直線状に出力される。この状態で、測定針1が根管3内から外へ出る付近apでは測定針1と対向電極7間のインピーダンスは減少する。このインピーダンスの変化に応答し、a点およびb点の出力は増加するが周波数特性により図5中範囲IIに示すように出力aは緩やかに変化し(a’)、出力bは速やかに変化する(b’)。
ここで、両出力aおよびbの差分に着目すると、各人力周波数に対する周波数特性により出力aおよびbの変化率が異なるが、この変化率は臨床手段により統計的に求めた結果、個人差によらず略一定であり、従って、この両出力aおよびbの差分(d)を求めることにより、根尖の位置を検出することができる。
このようにして根尖位置apを検出するには、測定針1を多少なりとも根尖位置より先へ進めなければ正確な最小となる点を見出すことはできない。しかしながら、根尖位置を越えて測定針を進めることは問題であり、往々にして測定針が根管を突き抜けることがあった。この問題点を解決するために、本出願人は、先に、差分出力(d)が特定の値となったことを検出することにより、正確に根尖孔位置を検出できるようにした歯科用根尖孔位置検出装置について提案した。
再度、図5を参照して、本出願人が先に提案した根尖孔位置検出装置の動作原理について説明すると、図5において、a及びbはすでに説明した例えば1KHz及び5KHzの周波数による出力信号である。ここでaに対して領域Iにおけるbとの差に相当する電圧aをバイアス値として加える。そうすると領域Iにおいてはaとbの値は等しくなり、領域IIにおいて、aはa″となり、bはb′となって両者の差dは測定針1の進行につれて変化する。
而して、上述したa″とb′との差dの値は、個人差によらずほぼ一定の値(根尖位置における電流値が全ての人でほぼ同じ、例えば、後述の5)となるので、これにより、一方の周波数による出力信号に領域Iにおける差分をバイアス値として加え(又は減ずる)ことにより、領域Iにおける両者の値を等しくし、差電圧が所定の値となった時点をもって根尖位置とすることができる。
図6は、図4における比較器27以下の回路を記載したもので、図中、31は加減算器(比較器27に対応)、32は増幅器、33は表示器(表示部33に対応)、34は記憶回路、35は消去回路、36,37,38はパルス発生器である。1kHzの周波数による出力信号は端子aに、5kHzの周波数による出力信号は端子bに加えられ、加減算器31によりその差の出力電圧が得られ、増幅器32を介して表示器33で表示される。記憶回路34はパルス発生器36からの記憶パルスにより増幅器32の出力値を記憶し、消去回路35からの信号によりリセットされる。パルス発生器37は消去回路35を駆動する消去パルスを発生する。パルス発生回路36及び37はリセットスイッチ(ゼロアジャストスイッチ)39が押圧されたとき、パルス発生器38よりのリセットパルスに基づいて起動されるが、記憶パルスは消去パルスに次いで発生される。記憶回路の記憶値は、一方の入力、例えば、入力端子aにバイアス値として加えられる。
図7は、図6の動作を説明するための図で、図中、(I)は表示器33、(II)は加減算器部31を示す。(a)図は、スタート時点で、この場合、記憶回路34からの記憶値は0であり、端子aに2,端子bに3の電圧値が印加されると、加減算器31の出力は1となる。ここでリセットボタン39を押圧すると記憶回路34がリセットされ(この場合は0であるから変化はない)、次いで、差分1を記憶する。これが(b)図の状態で、ここではバイアス値として1が端子aに加えられるから加減算器31の出力は0となる。
測定針1を進めて行くと領域Iから領域IIへ移り、上述した差分dの一定値、ここでは前述の5の値になると測定針1の位置が根尖孔apに達したことが分かる((c)図)。次の検出の際には、(d)図になるが、根管の状況や患者が変った場合には、初期値において必ずしも(a)図と同じ値とはならない。すなわち、(d)図のように端子aが3,端子bが6であると、記憶回路34は1を記憶しているから、増幅器32の出力は2となってしまう。
ここで、リセットボタン39を押圧すると、消去パルスによる消去回路35の駆動により、(e)図に示すように、記憶回路34が先ずリセットされて0となり、加減算器31の出力は3となる。消去パルスに続く記憶パルスにより記憶回路34は、この差分3を記憶するようセットされる。したがって、(f)図に示すように、バイアス値3が端子aに加えられ、(g)図のように表示器33が5を表示した時点で根尖孔の位置が検出できる。
なお、図7において、説明を簡明にするために、一定値dを5としたが、5という値には意味はなく、実際には、一定値に相当する位置にマークを付しておき、メータの針がその位置にきた時に、根尖位置とするようにする。
特開平9−94259号公報
上述のように、上記本出願人が先に提案した歯科用根管長測定器によれば、2つの周波数に基づく出力の差分が所定値となる時点をもって根尖の位置を検出できるので、適切に根尖位置の検出ができるが、根尖位置を検出するに当って、その都度、必ずリセットスイッチ29を押さなければならず、このリセットスイッチ29が術者から離れた位置に配置されている根管長測定器20に設けられているため、その都度、アシスタントに指示して操作してもらわなければならず作業性が非常に悪かった。なお、特許文献1においては、前記のリセット操作を自動的に行うことが提案されているが、例えば、側枝のある根管や根管が破損している場合等、自動でリセット(ゼロアジャスト)がかかりにくい症例があり、自動アジャスト可能な根管長測定器であっても、手動でアジャスト(リセット)しなければならない場合がある。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、根管長測定針(ファイル)に接続される測定電極と該測定電極に対向にする対向電極との間に周波数の異なる2種類の周波数信号を印加し、各々の周波数に応答して前記測定電極と対向電極との間の根管内インピーダンスの変化を検出する歯科用根管長測定装置において、前記測定電極に通じるリード線を内挿し該測定電極にて前記根管長測定ファイルを保持するようにした歯科用根管長測定ファイルホルダーに、前記インピーダンスを検出するに先立って、各周波別の出力電圧を同一電圧(差電圧を0)に調整するためのスイッチを設け、術者によるゼロアジャスト操作を容易にしたものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、根管内に挿入される測定針に接続される測定電極と口唇に接続される対向電極の間に周波数の異なる少なくとも2種類の周波数信号を印加する発振手段と、前記各々の周波数に応答して前記測定針と対向電極との間のインピーダンス変化による電圧を検出する検出手段と、該検出手段の各出力電圧を同電圧に調整する調整手段と、前記調整後の各周波数に対応する各インピーダンスの変化による電圧の差を検出する差電圧検出手段とを有し、前記差電圧より根尖位置を決定する根管長測定器と共に使用し、前記測定電極に連通する測定電極線が内挿され、該測定電極にて前記測定針を保持するファイルホルダーを有する根管長測定ファイルホルダーであって、該根管長測定ファイルホルダーは、前記差電圧検出に先立って前記検出手段の各出力電圧を同電圧に調整するための調整スイッチを一体的に有することを特徴としたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記根管長測定器は、前記根管長測定ファイルホルダーに設けられた前記調整スイッチと並列に、前記検出手段の各出力電圧を同電圧に調整するための調整スイッチを有することを特徴としたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記根管長測定器は、前記検出器の各出力電圧を自動的に同電位に調整するための調整手段を有することを特徴としたものである。
本発明によると、測定電極と対向電極との間に周波数の異なる2種類の周波数信号を印加し、各々の周波数に応答して前記測定電極と対向電極との間のインピーダンス変化を検出する歯科用根管長測定装置において、各周波数別の出力電圧を同一電圧(差電圧を0)に調整するためのスイッチを根管長測定ファイルホルダーに設けたので、術者が移動することなく或いはアシスタントの手を借りることなく、術者によるゼロアジャスト操作を容易に行うことができる。
本発明による歯科用根管長測定ファイルホルダーの一実施例を説明するための構成図である。 本発明が適用される歯科用根管長測定ファイルホルダーを有する歯科用根管長測定器の一例を説明するための要部構成図である。 図2に示した根管長測定ファイルホルダーの一例を説明するための断面図である。 根管長測定装置の従来技術の一例を説明するための図である。 図4に×印で示すa点およびb点の出力を、横軸に測定針の根管内での位置を取って示した図である。 図4における比較器27以下の回路を記載したものである。 図6の動作を説明するための図である。
図1は、本発明による歯科用根管長測定ファイルホルダーの一実施例を説明するための構成図で、図中、40は本発明による歯科用根管長測定ファイルホルダーで、該ホルダー40は、基本的には、図2,図3に示した歯科用根管長測定ホルダー10と同じであり、該根管長測定ファイルホルダー40は、前述のリセット(ゼロアジャストスイッチ)39と同等の作用をするスイッチ41を一体的に有する点で、前述の歯科用根管長測定ファイルホルダー10とは異なる。このスイッチ4は、根管長測定器20に設けられたスイッチ39と並列に設けられ、ファイルホルダー40に設けられた操作ボタン42を押すことによってオン・オフされる。
図1において、20は本発明が適用される歯科用根管長測定器の構成例を示す図で、図4及び図5に示した従来の根管長測定器において示した各構成要素を図示のように組み合せることによって構成することができる(図1中の各構成要素に対する)参照番号は、図4,図6に示した各構成要素に付加した参照番号に対応している。
而して、本発明においては、従来技術において、根管長測定器20に設けられているゼロアジャストスイッチ39と並列に、該ゼロアジャストスイッチ39と同等の作用をするゼロアジャストスイッチ41を根管長測定ファイルホルダー40に一体的に設けたので、術者は、該ゼロアジャストを、アシスタント等の手を借りることなく、該根管長測定ファイルホルダー40に設けられている操作ボタン42を指操作することによって術者自身で行うことができるので、根管長測定作用を非常に容易に行うことができるようになった。
1…根管長測定針(ファイル又はリーマ)、3…根管、5…口唇、6,11…測定電極、7…対向電極、10…歯科用根管長測定ファイルホルダー、20…根管長測定器、21…表示部、22…パルス発生器、23…抵抗、39…リセットスイッチ(ゼロアジャストスイッチ)、40…根管長測定ファイルホルダー、41…ゼロアジャストスイッチ、42…ゼロアジャストスイッチ操作ボタン。

Claims (3)

  1. 根管内に挿入される測定針に接続される測定電極と口唇に接続される対向電極の間に周波数の異なる少なくとも2種類の周波数信号を印加する発振手段と、前記各々の周波数に応答して前記測定針と対向電極との間のインピーダンス変化による電圧を検出する検出手段と、該検出手段の各出力電圧を同電圧に調整する調整手段と、前記調整後の各周波数に対応する各インピーダンスの変化による電圧の差を検出する差電圧検出手段とを有し、前記差電圧より根尖位置を決定する根管長測定器と共に使用し、前記測定電極に連通する測定電極線が内挿され、該測定電極にて前記測定針を保持するファイルホルダーを有する根管長測定ファイルホルダーであって、該根管長測定ファイルホルダーは、前記差電圧検出に先立って前記検出手段の各出力電圧を同電圧に調整するための調整スイッチを一体的に有することを特徴とする歯科用根管長測定ファイルホルダー。
  2. 前記根管長測定器は、前記根管長測定ファイルホルダーに設けられた前記調整スイッチと並列に、前記検出手段の各出力電圧を同電圧に調整するための調整スイッチを有することを特徴とする請求項1に記載の歯科用根管長測定ファイルホルダー。
  3. 前記根管長測定器は、前記検出器の各出力電圧を自動的に同電位に調整するための調整手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用根管長測定ファイルホルダー。
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