JP2013080588A - 計器端子用測定クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 計器端子に確実かつ強固に取り付けることができ、長時間当該端子に取り付けた状態での計測に適する測定クリップを提供する。
【解決手段】 本発明の測定クリップ(1)は、第1クリップ部材(10)の先端部に計器端子の電線挿入孔に挿入される突片(16)が突出して設けられ、第2クリップ部材(12)の先端部には掛止片(18)および前記測定電線挿入穴に挿入された測定電線の芯線と導通可能な導電性の接触片(20)が設けられており、使用に際し、掛止片(18)により当該計器端子下部の絶縁隔壁に掛け止められた状態で、電線挿入孔内にその開口方向に平行に挿入された突片(16)と第2クリップ部材(12)の先端部(12a)との間で計器端子下部は挟持され、接触片(20)は計器端子全面の端子ネジ頭部に付勢状態で接触するようにされたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、計器端子に長時間接続した状態での計測に適した計器端子用測定クリップに関する。
計器端子台における複数の端子のそれぞれにいわゆるワニ口クリップと呼ばれる測定クリップを接続し、これらを介して測定器にて当該端子間に現われる電圧値などを長時間測定しなければならない場合がある。その具体例としては、一般家庭などの低圧電力需要家に供給される電力品質の評価の1つである電圧変動を確認する場合が挙げられる。この場合、通常の動作状態で1週間程度の計測期間を設け、各低圧電力需要家の電圧規制点の近傍における取引用計量器の所定の2つの端子にそれぞれ前記計測期間測定クリップ(ワニ口クリップ)を取り付けた状態とし、当該端子間に現れる電圧を継続して計測することになる。
図5は、そのような従来の測定クリップを取引用計量器(電力量計)に取り付けた状態を示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。この図に示すように、通常、計器の端子台前面における各相の端子ネジの頭部はその周囲を絶縁隔壁で囲まれ、端子台前面より奥まった位置にあるので、測定クリップを取り付けようとする端子ネジの頭部に取り付ける場合、測定クリップを斜め下方から当該頭部に取り付ける必要があった。
特開2005−294071号公報 特開2011−90882号公報
しかしながら、取引用計量器の端子に測定用クリップを前記のように取り付けたのでは、測定用クリップ自体の把持力が不十分であり、外力等の要因により影響を受け易く安定して取り付けることができないので、接触不良により正確な測定が困難になるだけでなく、測定できないといった事態も生じ得る。また、低圧電力需要家の電圧変動をみる場合、取引用計量器は通常、計器箱内に収納されているので、測定期間中、当該計器箱の蓋を閉めなければならないが、そうすると、蓋の閉じようとする力などが測定クリップに接続された測定リード線に加わり、計量器の端子から測定クリップが外れる危険性が高い。また、計量器端子台の端子間は絶縁隔壁があるとしても狭隘であるため、端子から測定クリップが外れ、あるいは外れそうな状態が仮に放置されると、短絡事故などの発生の恐れがある。
そこで、本発明は、前記課題を解決すべく、計器端子に確実かつ強固に取り付けることができ、長時間当該端子に取り付けた状態での計測に適する測定クリップを提供することを目的とする。
前記目的は、本発明によれば、第1クリップ部材と、これと対向して共通の軸によって該第1クリップ部材に揺動可能に連結され、基端部に測定電線挿入穴を有する第2クリップ部材と、前記第1クリップ部材の先端部と前記第2クリップ部材の先端部とを互いに接近させる方向に付勢する付勢手段とを備える計器端子用測定クリップであって、前記第1クリップ部材には、その先端部に計器端子の電線挿入孔に挿入される突片が突出して設けられ、前記第2クリップ部材には、その先端部に鈎状に形成された掛止片および前記測定電線挿入穴に挿入された測定電線の芯線と導通可能な導電性の接触片が設けられており、使用に際し、前記突片は前記電線に沿わせて前記電線挿入孔内にその開口方向に平行に挿入され、前記掛止片は当該計器端子下部の絶縁隔壁に掛け止められた状態で、前記突片と前記第2クリップ部材とにより前記計器端子の下部は挟持され、前記接触片は前記計器端子全面の端子ネジ頭部に付勢状態で接触するように構成されたことを特徴とする計器端子用測定クリップによって達成される。
前記第1クリップ部材の突片は、前記第1クリップ部材の先端部から進退自在に設けられ、その突出長さが変化するようにしてもよい。また、前記接触片は、それ自体のたわみにより前記端子ネジ頭部に押し付けられるように形成することができる。
本発明の測定クリップは、これを計器端子部に接続された電線に沿わせ、計器端子部下面の電線挿入孔に挿入した突片と第2クリップ部材とで当該端子部の下部をはさみ込み、さらに掛止片を絶縁隔壁に掛止して確実に固定できるようにしたので、前記背景技術よりも確実に端子に測定クリップを取りつけた状態にして長時間の計測を行うことができる。
また、計器が計器箱に収納されている場合でも、本発明の測定クリップは端子部に接続される電線に沿って配置して前記のように当該端子部に確実に取り付けることができ、さらに本発明の測定クリップ自体を当該電線の被覆周面に固定することもできるので、計器箱の蓋の開閉によって何ら影響を受けず、測定クリップの脱落も生じずに、長時間の計測を行うことができる。
本発明の測定クリップの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態を説明するための正面図、背面図、平面図及び側面図である。 図1に示す実施形態の断面側面図である。 図1に示す実施形態の取引用計量器への取付状態を示す図である。 従来の測定クリップ及びその取付状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。図1は、本発明の測定クリップの一実施形態を示す斜視図である。図2は、図1に示した実施形態をさらに説明するための図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図、(d)は背面図である。また、図3は、図1に示した実施形態の断面側面図を示している。
これらの図に示すように、本実施形態の測定クリップ1は、第1クリップ部材10と、これと対向して配置される第2クリップ部材12と、これら各クリップ部材10、12の先端部10a、12aをそれぞれ互いに接近する方向に付勢する付勢手段15とを備える。これら2つのクリップ部材10、12の中間において共通の軸14をそれぞれ軸支しており、当該軸14によって第2クリップ部材12の先端部が第1クリップ部材10の先端部に対して揺動可能とされている。
第1クリップ部材10は、先端部10aが略矩形の平面形状の平板状に、また基端部10bがその長さ方向に直交する断面の形状が略半楕円形で内部が中空の筒状に形成されている。基端部10bの基端側の端面には測定用電線W1を挿入可能な電線挿入口10c(図3参照)が設けられ、その内部空間には先端部10aに向けて当該電線W1の把持部33及び電線W1の芯線W11と接続される接続金具21が順次配置されている。把持部33及び接続金具21は、従来公知のものが使用でき、例えばいずれも電線W1やその芯線W11を挟んだ状態でその外周に対して対向する圧縮力を加えることで、これらを把持固定できるものなどが好適に使用できる。
また、基端部10bの先端側は、外周面の一部が開放されており、その開放部分の両側縁からは、軸14を支持する軸支部が突設されている。また、基端部10bの長さ方向中央の上面の湾曲面には、長さ方向に所定の間隔だけ離して締結具ガイド22、22が立設されている。図1及び図2では、この締結具ガイド22、22を基端部10bの湾曲面から垂直に立設され、その上端面が基端部10bの底面と略平行な板状体として図示するが、締結具ガイド22,22は第2クリップ部材12の揺動に影響がない程度に当該湾曲面から突出していれば、このような形状に限定されず、任意の形状をとり得る。また、2つの締結具ガイド22,22はそれぞれ同形同サイズである必要はなく、互いに異なる形状であってもよい。
また、基端部10bの両端寄りの下面にはそれぞれ、その幅方向に平行に電線ガイド24、25が形成されている。この電線ガイド24,25の図に向かって下側の面は、計器端子に接続される電線(図4、符号W2参照)に沿わせる際に当該電線W2の側面に極力密着するように湾曲形成されている。
また、基端部10bの先端部の端面には、細長帯状で先端に向けて連続的に幅狭となる先端部分を有する突片16が突設されている。この突片16は、その基端部10bからの突出長さが変化しないように固定してもよく、当該端面を通して内外に進退自在に移動可能に構成してもよい。なお、突片16は、前記の形状に限定されず、端子の電線挿入孔とそこに挿入される電線との間の隙間の断面形状などを考慮して、例えば全長に亘り同一幅の幅狭帯状体などに形成することもできる。
図3は、後者の突片16を可動式とした一例を示している。この図に示すように、突片16はその基端側の端部が基端部10b内に達し、さらに当該帯状の部分から垂直に折曲されて略L字状の部分が形成されている。この部分の先端には、一端が、基端部10bの先端側の端面内部に取り付られた付勢手段としてのバネ31の他端が取り付けられている。このバネ31により、突片16はその突出する方向に付勢された状態でその突出長さが可変とされている。また、突片16の中間には、これに垂直な方向に突出する突起30が設けられている。この突起30は、先端部10aの下面に設けられた開口10dより外部に突出し、突片16の突出距離を開口10dの長さ分だけに規制している。
第2クリップ部材12は、図1〜図3に示すように、いずれも中空の先端部12a及び基端部12bを備え、これら両部を互いの長さ方向一端にて所定の角度で合体したくの字状を呈している。先端部12a及び基端部12bは、いずれも長さ方向に直交する方向の断面が略矩形状をなし、それぞれ先端側及び基端側に向けて連続的にサイズが縮小するように形成されている。また、先端部12aと基端部12bとの合体部分には、軸14を挿通してこれを支持可能な軸支部12dが設けられている。基端部12bの外面には、従来公知の滑り止め加工が施されている。
第2クリップ部材12の先端部12aの先端面及び先端寄りには、該先端部12aの幅方向略中央領域に、その長さ方向に直交する方向にスリット状の貫通穴13a、13bがそれぞれ穿設されている。スリット状の貫通穴13aからは、導電性の接続片20が突出しており、貫通穴13bからは、掛止片18が突出して設けられている。
掛止片18は、細長の帯状体で構成され、その一端は先端部12aの内部における軸支部12dの近傍であって、第1クリップ部材10側の壁面に当接配置され、そこから先端に向けて当該壁面と接した状態で延びている。そして、貫通孔13bの位置で折曲されて該貫通孔13bを通して外部にかつ前記壁面に略垂直に直線状に突出し、その先端寄りで再び軸支部12d側に折曲されて鉤状に形成されている(図2及び図3、符号18a参照)。なお、図1〜図3に示す本実施形態では、掛止片18を鉤状に形成するが、必ずしも折曲により鉤状に形成する必要はなく、直線状のままであってもよい。
掛止片18は、取引用計量器の端子部に本発明の測定クリップ1を取り付けた際に通常予測される外力がこれに加わった場合でも、破断しない程度の機械的強度を有していれば、その材質については特に制限されず、例えば、金属、硬質プラスチックなどの素材で形成することができる。また、掛止片18の材質は、導電性であっても不導電性であってもよい。
一方、接続片20もまた細長の帯状体で構成され、その一端が第1クリップ部材10の基端部10b内部にある接続金具21に接続され、そこから軸支部12dに延びている。そして、接続片20は、軸支部12dに沿って湾曲加工されてその上側を通り、掛止片18の一端に接するように配置されている。図3に示すように、この位置で、掛止片18と接触片20とは、固定具11と第1クリップ部材10側の壁面との間に挟まれて固定されている。接触片20は、さらに当該掛止片18に沿って延び、貫通孔13aを通して外部に突出している。この突出部分は、第1クリップ部材10側に僅かに湾曲した状態に形成されている。接触片20は、その先端20aに上向きの力が加わった場合、第2クリップ部材12の先端部12a内にて固定具11より先端側の部分が板ばねとして作用し、当該力に抗する方向に付勢力が働くように構成されている。
接触片20は、弾性を示す帯状の導電性材料で形成され、前記掛止片18と同様に、通常予測される外力を受けた場合でも破断しない程度の機械的強度を備えているのが好ましい。このような材質としては、例えば銅、アルミニウム、鉄などやこれらの合金などの種々の導電性金属が好適に使用できる。
本実施形態における付勢手段15はねじりコイルばね15であり、これが軸14に嵌装され、その両端部分がそれぞれ第1クリップ部材10の基端部10b及び第2クリップ部材12の基端部12b内に延びている。2つのクリップ部材10、12を摘んで第2クリップ部材10の先端部12aを第1クリップ部材10の先端部10aに対して揺動させることで、ねじりコイルばね15により2つのクリップ部材10、12の先端部10a、12aは互いに接近する方向の付勢力を受けるように構成されている。
次に、図4に基づいて本発明の測定クリップの使用方法について説明する。図4は、図1に示した実施形態の取引用計量器(電力量計)の端子部への取り付け状態を示す図である。言うまでもないが、この端子部Tにはすでに電線W2が接続され、供給電力量を計量しているものとする。なお、便宜上、図4では、取引用計量器本体Mは、前記した図5のそれと同じものであるため、図示を省略している。
本発明の測定クリップ1を使用するには、まず電線W2に沿って測定クリップ1を端子部Tの取り付けようとする端子に下側から近づけ、第1クリップ部材10の先端にある突片16を電線挿入口に挿入する。それとともに、第2クリップ部材12の先端部12aを端子部T下部にある絶縁隔壁に当接し、突片16と第2クリップ部材12とで、端子部Tの下側を挟み込む。その際に、第2クリップ部材12の掛止片18を端子部T下部にある絶縁隔壁に掛け止め、本発明の測定クリップ1が容易に脱落しないようにする。この操作により、第2クリップ部材12先端の接触片20の先端が端子ネジT11またはT12の頭部に当接して変形し、押し付け方向に付勢力が働いた状態で接触片20の先端をこれらの端子ネジのいずれかに確実に接触させることができる。仮に、接触片20の先端がうまくこれらの端子ネジT11、T12の頭部を押し付ける状態にならない場合には、この接触片20を適宜変形させて端子ネジT11またはT12の頭部を押し付けるようにすればよい。取り付けが必要な他の端子にも同様にして本実施形態の測定クリップを取り付けることで、これらの端子に現れる電圧などの信号の計測が可能となる。
本実施形態においては、さらに測定クリップを端子部に長時間取り付け、計測を確実に実施するために、締結具32を用いて電線W2の側面に取り付けることができる。そのために、本実施形態の測定クリップ1は、前記したように締結具ガイド22および電線ガイド24、25を備えている。電線W2の側面に電線ガイド24、25の湾曲面を押し当てて、本実施形態の測定クリップ1を当該電線W2と平行に配置し、その状態で当該電線W2と第2クリップ部材12とを締結具32を巻回して固定する。その際、第2クリップ部材12において、締結具32を基端部12b上面に設けられた2か所の締結具ガイド22、22の間を通すことで、締結具32がずれて第2クリップ部材12の基端部12bから外れ落ちるのを防止できる。
以上説明したように、本発明の測定クリップは、これを計器端子部に接続された電線に沿わせ、計器端子部下面の電線挿入孔に挿入した突片と第2クリップ部材とで当該端子部の下部をはさみ込み、さらに掛止片を絶縁隔壁に掛止して確実に固定できるようにしたので、測定クリップを計器端子部の端子ネジに斜めに取り付ける従来例よりも確実に端子部に測定クリップを固定して計測を行うことができる。
また、計器が計器箱に収納されている場合、長期間計測するために、当該計器箱の蓋を閉める必要があるが、これによって従来は測定クリップが脱落する可能性が高かった。しかし、本発明によれば、端子部に接続される電線に沿って配置でき、さらに当該電線の側面に固定できるようにしているので、計器箱の蓋の開閉によって何ら影響を受けることがなく、結果として測定クリップの脱落が生じない。
1 測定クリップ
10 第1クリップ部材
10a 先端部
10b 基端部
12 第2クリップ部材
12a 先端部
12b 基端部
12d 軸支部
14 軸
15 付勢手段(ねじりコイルばね)
16 突片
18 掛止片
20 接触片
22 締結具ガイド
24、25 電線ガイド
30 突起
31 付勢手段
32 締結具
W1 測定電線
W2 電線

Claims (4)

  1. 第1クリップ部材と、これと対向して共通の軸によって該第1クリップ部材に揺動可能に連結され、基端部に測定電線挿入穴を有する第2クリップ部材と、前記第1クリップ部材の先端部と前記第2クリップ部材の先端部とを互いに接近させる方向に付勢する付勢手段とを備える計器端子用測定クリップであって、
    前記第1クリップ部材には、その先端部に突片が突出して設けられ、
    前記第2クリップ部材には、その先端部に掛止片および前記測定電線挿入穴に挿入された測定電線の芯線と導通可能な導電性の接触片が設けられており、
    使用に際し、前記突片は前記電線に沿わせて前記電線挿入孔内にその開口方向に平行に挿入され、前記掛止片は当該計器端子下部の絶縁隔壁に掛け止められた状態で、前記突片と前記第2クリップ部材とにより前記計器端子の下部は挟持され、前記接触片は前記計器端子全面の端子ネジ頭部に付勢状態で接触するように構成されたことを特徴とする計器端子用測定クリップ。
  2. 前記突片は、前記第1クリップ部材の先端部から進退自在に設けられてなる請求項1に記載の計器端子用測定クリップ。
  3. 前記接触片は、それ自体外力によりたわみように形成され、前記端子ネジ頭部にそのたわみに起因する付勢力によって押し付けられるものである請求項1又は2に記載の計器端子用測定クリップ。
  4. 前記第2クリップ部材は、その基端側にこれと前記電線挿入孔に挿入される電線とを固定するための締結具を備えてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の計器端子用測定クリップ。
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