JP2006343157A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 被測定導体に流れる電流を検知できる電流センサを、他の部品を使うことなく被測定導体に簡易に固定できるようにする。
【解決手段】 電流センサは、ヒンジ40によって結合されている第1ケース10と第2ケース20、及び第2ケース20から伸びている出力導線30を備えている。第1ケース10と第2ケース20のそれぞれには、環状とされた磁性体を2つの部分に分けた第1部材12と第2部材22が、第1ケース10と第2ケース20を閉じたときに環状の磁性体を形成するようにして格納されている。第1ケース10には、弾性のある2つの棒状の固定材50が対称に設けられている。第1ケース10と第2ケース20を開き、磁性体の孔に被測定導体2を通し、第1ケース10及び第2ケース20を閉じる。これだけで、電流センサは、2つの固定材50によって第2ケース20に押圧される被測定導体2に固定される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被測定導体から電磁誘導により電流を検出する電流センサに関する。
受配電設備の管理や保護のために、定常電流や地絡、短絡時の異常電流を検出する電流センサが用いられている。最も一般的な電流センサは、環状であり、その内側の孔に電流の流れる線状の被測定導体を通すことにより、その電流の変化によって被測定導体の周囲に発生する磁束の閉ループをその内部に作るようにされている磁性体と、その磁性体内の磁束を検出する磁気センサとを備えており、磁気センサで捉えた磁性体内の磁束を介して被測定導体に流れる電流を検出している。
一般的な電流センサの形状は環状で、その内側に被測定導体を貫通させて電流を検出している。
これらの電流センサは、一般的に、被測定導体の近辺にある何らかの構造物に取付けられるのが一般的である。例えば、電流センサに固定用フレームを設けて、これを構造物に接着剤で固定したり、或いは固定用金具などによって構造物等に固定することが行われている。
しかしながら、受配電設備は多種多様の機器をコンパクトにまとめて設置しなければならず、電流センサを取付けるための場所、位置はスペース上の制約が多い。したがって、電流センサを使用するにあたって上述した固定用フレームなどの他の部品が必要なのは好ましくない。また、他の部品を用いなければ電流センサの固定を行えないのでは、電流センサの使用に手間がかかる。
そこで、本発明は、使用する際に、特に電流センサの固定を行う際に、他の部品を必要としないような電流センサを提供しようとするものである。
本願発明者は、上述の課題を解決するための電流センサを得るために開発を行い、被測定導体に固定する以下のような電流センサを想到するに至った。被測定導体は、電流センサが取付けられる部分に必ず存在するため、電流センサを取付ける対象として非常に都合がよい。
本発明は、環状とされ、且つ互いに着脱自在とされた第1部材と第2部材からなるとともに、その環状とされた部分の内側にある孔に、電流の流れる線状の被測定導体を通すことにより、その電流の変化によって前記被測定導体の周囲に発生する磁束の閉ループをその内部に作るようにされている磁性体と、前記磁性体内の前記磁束を検出する磁気センサと、前記第1部材及び前記磁気センサを有する第1ケースと、前記第2部材を有する第2ケースと、を備えた電流センサにおいて、前記第1ケースと前記第2ケースは、前記第1部材と前記第2部材とを着脱自在にできるように互いの位置関係を変化させられるようになっているとともに、前記第1ケース又は前記第2ケースは、前記第1部材と前記第2部材を離した状態で前記孔に通された前記被測定導体を、前記第1部材と前記第2部材を接続したときに、相手方のケースに押圧して固定する固定手段を備えている、電流センサである。
これによって、他の部品を使うことなく電流センサを被測定導体に固定することができる。そのため、電流センサを使う際にスペース的に有利になる。
また、この電流センサが備える固定手段は、前記第1部材と前記第2部材を接続したときに、被測定導体を相手方のケースに押圧して固定するものであるから、被測定導体を磁性体の孔に通して第1ケースと第2ケースを第1部材と第2部材を接続するように動かすだけで、電流センサを被測定導体に固定することができる。ゆえに、電流センサの固定を少ない作業で行える。
本願発明の電流センサが備える固定手段は、被測定導体を相手方のケースに押圧し、その位置を固定できるものであれば、どのようなものでも構わない。
例えば、前記固定手段を、前記被測定導体を前記押圧の方向に付勢するような弾性を与えられた固定材を有するものとすることもできる。
このようにすれば、電流センサを被測定導体に対してより安定して固定することができる。
また、前記第1ケースと前記第2ケースは、上述したように、前記第1部材と前記第2部材とを着脱自在にできるように互いの位置関係を変化させられるようになっている。これは、第1部材と第2部材を離した状態で、磁性体の孔の内側に被測定導体を通せるようにするとともに、第1部材と第2部材を接続することにより、第1部材と第2部材に環状の磁性体を形成させられるようにするためである。
それが可能となっていれば、第1ケースと第2ケースは、例えば、着脱自在に構成されていてもよい。
また、前記第1ケースと前記第2ケースは、前記磁性体の軸に垂直な平面内で開閉できるようにしてヒンジ接続されていてもよい。この場合、前記固定材は2つとすることができ、また、そのそれぞれを棒状とすることができる。前記固定材が2つであり、そのそれぞれが棒状とされている場合、前記固定材の一方は、その基端が前記ヒンジ接続されている部分の近傍に固定されているとともに、その先端側が前記孔上にかかっており、前記固定材の他方は、その基端が前記孔に対して前記ヒンジ接続されている部分の近傍と対称な位置に固定されているとともに、その先端側が前記孔上にかかっていてもよい。
このように電流センサにヒンジを設けることによって、ヒンジを支点とした第1ケースと第2ケースの開閉の動作だけで容易に電流センサを被測定導体に固定することができる。
なお、この明細書において、「ヒンジ接続」とは、部品としてのヒンジが用いられる場合の他、折り曲げ可能な薄い樹脂板(これは第1ケース及び第2ケースと一体であってもよい。)などにより、ヒンジ状の運動を行えるようにされている場合も含む意味である。
また、電流センサは、環状とされた磁性体の中心位置に被測定導体を配置しないと、磁性体内に発生する磁束が均一ではなくなり、電流の測定誤差が生じてしまうことも考えられる。このため、電流センサを使用する際に、被測定導体が電流センサの磁性体の孔の中心に位置するようにできれば、より正確な測定ができるであろう。
ゆえに、2つの固定材を互いに対称の位置に設置することによって両方向から、例えば同じ力が加わるようにすれば、被測定導体を磁性体の孔の中央に位置させることができるようになる。
また、前記固定材のそれぞれの先端側に、前記被測定導体を保持することのできる溝を設けてもよい。
これによって、被測定導体の位置を磁性体の孔の中心に、より正確に位置決めすることができるようになる。
以下に、本発明を実施するための最良の実施形態を述べる。
この実施形態における電流センサは、一般的な電気機器などの導体に設置し、そこに流れる電流の変化によって周囲に発生する磁束の閉ループを、電流センサ内にある磁性体内部に作ることによって被測定電流を検知する。
図1にこの実施形態における電流センサの外観図を示す。
なお、以下の説明では、説明の便宜上、後述する第1ケース10、第2ケース20が閉じられた場合におけるフック13が存在する面を、電流センサの正面と定義する。
この電流センサは大きく分けて、第1ケース10、第2ケース20及び、第2ケース20から伸びている出力導線30から成る。第1ケース10、第2ケース20はプラスティックなどの一般的な硬化樹脂から作られており、その背面でヒンジ40によって結合されている。ヒンジ40は柔軟性のある折り曲げ可能な樹脂の薄板であり、第1ケース10及び第2ケース20と一体に形成されている。また、第1ケース10と第2ケース20は、ヒンジ40を支点として開閉できるようになっている。
第1ケース10と第2ケース20には、環状とされた磁性体を2つの部分に分けた内の一方の第1部材12と他方の第2部材22が、それぞれ格納される。この実施形態における磁性体はフェライトとする。これら第1部材12と第2部材22は、U字ないし半円形状とされており、第1ケース10と第2ケース20を閉じたときに環状の磁性体を形成することのできるような位置関係で、第1ケース10と第2ケース20のそれぞれに取付けられている。磁性体が環状とされたときに形成される内側の孔は被測定導体を余裕をもって通せる程度の大きさとされている。
第1ケース10と第2ケース20はそれぞれ、第1ケース10と第2ケース20とを閉じたときに対向して接する第1当接面11と第2当接面21を備えている。第2当接面21は、第1当接面11よりも磁性体の厚さ方向の幅が大きく、第1当接面11と接したときに、第2当接面21の幅方向の両端部分が第1当接面11からはみ出すようにされている。また、第1ケース10の、環状の磁性体の中心と重なる位置には、磁性体の孔よりは小さく、且つ、被測定導体を余裕をもって通せる程度の大きさの、U字ないし半円形状の切り欠きがある。第1ケース10と第2ケース20を閉じることで、第1ケース10の切り欠きと第2当接面21によって孔がつくられる。この孔を介して、被測定導体は、磁性体の内側の孔を通されることになる。
第1ケース10の上述の孔が開口させられている2つの面(左側面と右側面)には、棒状の固定材50がそれぞれ設けられている。一方の固定材50は、その基端がヒンジ40の近傍に固定されているとともに、その先端が孔の上にかかるようになっている。他方の固定材50は、その基端が、孔に対して上述のヒンジ40の近傍(一方の固定材50が固定された場所)と対称な位置に固定されているとともに、その先端が孔の上にかかるようになっている。この実施形態における固定材50は一定の弾性のある硬化樹脂で第1ケース10と一体に成形され、固定材50と第1ケース10は連結部1でつながっている。また、固定材50の先端部には断面略半円状の溝が設けられている。固定材50は、その溝が磁性体の孔の中心と重なる位置となるように配されている。さらに、固定材50の溝が、第2当接面21上にかかるようにもされている。
この実施形態では、第2ケース20内にある第2部材22に、金属の導体からなるコイルを400〜1000回ほど巻きつけて、磁気センサ31とする。コイルを巻く回数は、磁性体の大きさや、被測定電流の大きさによって変わる。磁気センサ31には、出力導線30が接続されている。出力導線30は、電流センサによって測定された電流に関係する電気的信号を外部へ出力するものである。電流センサの使用時には、出力導線30の先に、電流センサによって測定された電流に関係する電気的信号を受入れることのできる情報処理機器などの所定の機器が接続される。
第1当接面11のヒンジ40が設けられている面と対向する面である、電流センサの正面には、フック13が設けられている。第2当接面21のヒンジ40が設けられている面と対向する辺にはそのフック13を掛止することのできる突起部23が設けられている。
第1ケース10と第2ケース20を閉じ、フック13を突起部23に係止させることよって第1ケース10と第2ケース20は閉じた状態を保つことができる。
この実施形態における電流センサの使用方法について述べる。図2及び図3に電流センサの使用時の図を示す。
図2に示すように、まず、ヒンジ40でつながれた第1ケース10及び第2ケース20を開く。次に、被測定導体2を第1ケース10の孔の部分に置く。このとき、被測定導体2は、第1ケース10に設けられた孔の中心付近に位置するようにするが、厳密に中心付近に位置させる必要はない。第1ケース10及び第2ケース20を閉じた場合に、固定材50の溝の中に嵌るような位置に被測定導体2が位置していればよい。
次に、第1ケース10及び第2ケース20を閉じ、フック13と突起部23を掛止する(図3参照。)。そうすると、被測定導体2は2つの固定材50によって第2ケース20の第2当接面21に押圧される。このとき、固定材50は、図3に示したように反り、その弾性力によって被測定導体2を、図3における左下方向に向かう方向で第2当接面21に押付ける。なお、図示を省略するが、電流センサの図3における裏側の面では、固定材50が、右下に向かう方向で被測定導体2を第2当接面21に押付ける。また、被測定導体2は、固定材50の先端に設けられた溝によって磁性体の孔の中央に正確に位置決めされることになる。この状態における、被測定導体2は、第1ケース10の孔を貫通した状態となるが、それと同時に、第1部材12と他方の第2部材22を組合わせてなる磁性体の孔をも貫通した状態となる。
この状態で電流センサは使用される。なお、使用にあたっては、上述したように出力導線30の先端に所定の機器を接続する。
その状態で、被測定導体2内に流れる電流が変化すると、被測定導体2の周囲に発生した磁束の閉ループが磁性体内に作られる。それを検出した磁気センサ31は、電流に関する電気的信号を、出力導線30から外部の機器に送る。
なお、上述した固定材50は第1ケース10に取付けられていたが、第2ケース20に取付けられるようにすることも可能である。この場合、第1当接面11は、第1ケース10と第2ケース20とを閉じたときに、第2当接面21からはみ出すようにする。
このような電流センサでは、第1ケース10と第2ケース20とを閉じると、被測定導体2は、第1当接面11に押付けられる。
(a)は、本実施形態における電流センサの一部透視図を含む左側面図、(b)は(a)に示した電流センサの一部透視図を含む右側面図、(c)は(a)に示した電流センサの正面図、(d)は(a)に示した電流センサの背面図。 本実施形態における電流センサの、ヒンジを開いたときの状態を示す左側面図。 本実施形態における電流センサに、被測定導体を固定したときの状態を示す左側面図。
符号の説明
1 連結部
2 被測定導体
10 第1ケース
11 第1当接面
12 第1部材
13 フック
20 第2ケース
21 第2当接面
22 第2部材
23 突起部
30 出力導線
31 磁気センサ
40 ヒンジ
50 固定材

Claims (4)

  1. 環状とされ、且つ互いに着脱自在とされた第1部材と第2部材からなるとともに、その環状とされた部分の内側にある孔に、電流の流れる線状の被測定導体を通すことにより、その電流の変化によって前記被測定導体の周囲に発生する磁束の閉ループをその内部に作るようにされている磁性体と、
    前記磁性体内の前記磁束を検出する磁気センサと、
    前記第1部材及び前記磁気センサを有する第1ケースと、
    前記第2部材を有する第2ケースと、
    を備えた電流センサにおいて、
    前記第1ケースと前記第2ケースは、前記第1部材と前記第2部材とを着脱自在にできるように互いの位置関係を変化させられるようになっているとともに、
    前記第1ケース又は前記第2ケースは、前記第1部材と前記第2部材を離した状態で前記孔に通された前記被測定導体を、前記第1部材と前記第2部材を接続したときに、相手方のケースに押圧して固定する固定手段を備えている、
    電流センサ。
  2. 前記固定手段は、
    前記被測定導体を前記押圧の方向に付勢するような弾性を与えられた固定材を有する、請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記第1ケースと前記第2ケースは、前記磁性体の軸に垂直な平面内で互いに移動できるようにヒンジ接続されているとともに、
    前記固定材は2つであり、そのそれぞれが棒状とされており、
    前記固定材の一方は、その基端が前記ヒンジ接続されている部分の近傍に固定されているとともに、その先端側が前記孔上にかかっており、
    前記固定材の他方は、その基端が前記孔に対して前記ヒンジ接続されている部分の近傍と対称な位置に固定されているとともに、その先端側が前記孔上にかかっている、
    請求項2記載の電流センサ。
  4. 前記固定材のそれぞれの先端側には、前記被測定導体を保持することのできる溝が設けられている、
    請求項3記載の電流センサ。



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