JP2013079821A - クエンチタンク及び液体金属ループ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このクエンチタンクでは、前記筒体の中を液体金属が略水平方向に流れる間、液体金属に乗ってきた気泡が上昇して傾いて設置した分離板に当たり、当該分離板の表面で気泡同士が合体し成長する。成長した気泡は上昇速度が速くなるから、液体金属と共に流れつつ前記分離板の表面を伝って上昇して自由液面で消滅する。これにより、液体金属に載ってきた気泡を前記筒体内で分離できる。また、分離板により気泡が成長して上昇し易くなるので、気泡を分離するために必要な水平距離が短くて済む。このため、前記筒体が短くなるから、クエンチタンクを小型化できる。
【選択図】図4
Description
図1は、この発明の実施の形態1にかかるクエンチタンクを示す正面図である。図2は、図1に示したクエンチタンクの側面図、図3は上面図である。図4は、図1に示したクエンチタンクの断面図である。このクエンチタンク100は、液体金属のターゲットを形成するターゲット形成部の受け部に配管により接続されたタンク本体1と、タンク本体1の下部に略水平方向に設けられた筒体2とから構成される。
図6は、この発明の実施の形態2にかかるクエンチタンクの筒体を示す断面図である。このクエンチタンクは、実施の形態1と略同様の構成であるが、分離板5の形状と配置が異なる。その他は実施の形態1のクエンチタンク100と同じであるからその説明を省略する。このクエンチタンクでは、複数の穴202を有するパンチングメタルを分離板201とし、これを複数略水平に配置している。タンク本体1から流れてきた液体金属は、複数の分離板201の層の間を通る。液体金属に含まれる気泡は、各分離板201の裏面に当たり、ここで気泡同士が合体して成長する。成長した気泡は浮力が大きくなり、分離板201の穴202を通じて上昇移動する。そして、上の層の分離板201においても更に他の気泡を吸着して成長し、穴202を通じて上昇移動する。最終的に、大きく成長した気泡は、筒体2内の液体金属の自由界面に至り、消滅する。
図7は、この発明の実施の形態3に係るクエンチタンクの筒体を示す断面図である。図8は、分離板の配置状態を示す説明図である。この実施の形態3に係るクエンチタンクは、実施の形態1と略同様の構成であるが、分離板301の形状と配置が異なる。その他は実施の形態1のクエンチタンク100と同じであるからその説明を省略する。このクエンチタンク100において、分離板301は、長手方向を軸に湾曲してその断面が逆凹部形状の逆皿状となり且つその長手方向の頂部付近に複数の穴302を設けたものである。また、他の分離板303は、長手方向を軸に湾曲してその断面が逆凹部形状の逆皿状となり且つ頂部と端縁との中腹辺りに穴304を設けた構成である。分離板301,303とは交互に積層されるが、穴302,304は鉛直方向でずれるように配置する。
図9は、この発明の実施の形態4に係るクエンチタンクの一部を示す構成図である。このクエンチタンクの筒体401は、その内部に、分離板402を配置した構成である。この分離板402は、凹形状である皿状であり且つその皿底となる中央付近に穴403を設け、また、皿縁と皿底との中腹付近に小穴404を複数設け、その皿底と前記筒体401の底面とが所定間隔をもつように配置された構成である。また、前記筒体401内の分離板402と底面405との間には液体金属を導入する導入口406が設けられ、前記筒体401の前記分離板402の上側には液体金属の出口407が設けられている。筒体401は、導入口406に接続した配管によりタンク本体1と接続されている。
図10は、この発明の実施の形態5に係るクエンチタンクを示す構成図であり、(a)は長手方向断面図、(b)はその直交方向断面図である。このクエンチタンク500は、本体501が箱型であり、内部の中間位置に仕切り502が設けられている。仕切り502により図中左側が貯留部503(実施の形態1のタンク本体1に相当)、図中右側が分離領域504(筒体2に相当)となる。貯留部503への液体金属の導入形態は実施の形態1と異なり、管505により直接自由液面に導入するものとする。
図11は、この発明の実施の形態6に係るクエンチタンクを示す断面図である。図12は、図11のA−A断面図である。このクエンチタンク600は、タンク本体601が筒状であってその上部には上述したターゲット形成部からの配管603が接続される。また、当該配管603は円筒に対する接線方向に設けられている。これにより、配管603から導入される液体金属がタンク本体601の内面601aに沿って回転しながら自由液面に入る。
図13は、この発明の実施の形態7に係るクエンチタンクを示す断面図である。図14は、図13のA−A断面図、図15は図13のB−B断面図、図16は図13のC−C断面図である。このクエンチタンク700は、実施の形態6のクエンチタンク600と略同一の構成であるが、整流板704の寸法を小さくすると共に整流板704の上に羽根状の整流板を設けた点に特徴がある。その他の構成は実施の形態6のクエンチタンク600と同じであるからその説明を省略し、同一構成要素には同一の符号を付する。このクエンチタンク700は上部羽根701及び下部羽根702を備えており、上部羽根701及び下部羽根702とも3枚の羽根から構成されている。
成長した気泡は、より浮力が増し、整流板704に沿って上昇する。その過程で当該気泡は付近の小さな気泡を取り込み、成長を続ける。成長した気泡は液体金属内を上昇する速度が大きくなり、最終的にはタンク本体601内の自由液面に至り、消滅する。
図17は、この発明の液体金属ループを示す構成図である。この液体金属ループ800では、上記実施の形態1〜7に記載のクエンチタンク100〜700を循環経路に備えている。この液体金属ループ800のターゲット形成部801は、陽子ビームの照射領域を横切るように液体金属を平面的に噴射するノズル802と、噴射された液体金属を受けるディフューザからなる受け部803とから構成される。このため、受け部803において気泡が混入しやすい。この液体金属に含まれる気泡は、上記クエンチタンク100〜700において除去される。気泡が除去された液体金属は、下流のポンプ804に送られ、熱交換器805を通って再びターゲット形成部801に送られる。
1 タンク本体
2 筒体
3 配管
4 整流板
5 分離板
6 出口
Claims (10)
- 液体金属ループの循環経路に配置されタンク本体内に導入された液体金属中の液体金属蒸気或いは混入ガスを分離冷却するクエンチタンクであって、
前記タンク本体は前記液体金属の略水平流れを形成する分離領域を有し、その内部に、鉛直方向に対して傾いた分離板が配置されていることを特徴とするクエンチタンク。 - 液体金属ループの循環経路に配置されタンク本体内に導入された液体金属中の液体金属蒸気或いは混入ガスを分離冷却するクエンチタンクであって、
前記タンク本体は前記液体金属の略水平流れを形成する分離領域を有し、その内部に、複数の穴を有する板又はメッシュ板からなる分離板を、分離板が前記液体金属の流れ方向に略水平になるように配置されていることを特徴とするクエンチタンク。 - 液体金属ループの循環経路に配置されタンク本体内に導入された液体金属中の液体金属蒸気或いは混入ガスを分離冷却するクエンチタンクであって、
前記タンク本体は前記液体金属の略水平流れを形成する分離領域を有し、その内部に、鉛直方向に傾いた複数の穴を有する板又はメッシュ板からなる分離板が配置されていることを特徴とするクエンチタンク。 - 液体金属ループの循環経路に配置されタンク本体内に導入された液体金属中の液体金属蒸気或いは混入ガスを分離冷却するクエンチタンクであって、
前記タンク本体は前記液体金属の略水平流れを形成する分離領域を有し、その内部に、長手方向を軸に湾曲して断面が少なくとも1つの逆凹部形状を有し且つその頂部となる中央付近及び/又は中腹付近に穴を設けた分離板が配置されていることを特徴とするクエンチタンク。 - 液体金属ループの循環経路に配置されタンク本体内に導入された液体金属中の液体金属蒸気或いは混入ガスを分離冷却するクエンチタンクであって、
前記タンク本体に接続され且つ液体金属の略上下方向流れを形成する分離領域を有し、その内部に、凹形状であり且つその底となる中央付近に穴を設け、また、縁と底との中腹付近に小穴を設け、その底と前記分離領域の底面とが所定間隔をもつように配置された分離板が配置され、
前記分離領域内の分離板と底面との間に前記タンク本体から液体金属を導入する導入口が設けられ、前記分離領域の前記分離板の上側に液体金属の出口が設けられていることを特徴とするクエンチタンク。 - 前記分離領域は、タンク本体から分離していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のクエンチタンク。
- 液体金属ループの循環経路に配置されタンク本体内に導入された液体金属中の液体金属蒸気或いは混入ガスを分離冷却するクエンチタンクであって、
前記タンク本体内の下部にメッシュ板又はパンチング板からなる分離板を鉛直方向に配置したことを特徴とするクエンチタンク。 - 更に、前記タンク本体の前記分離板の上方に、当該タンク本体の内面の液体金属の流れ角度に沿ってその傾斜角度を設定した羽根を設けたことを特徴とする請求項7に記載のクエンチタンク。
- 請求項1〜8のいずれか一つに記載のクエンチタンクを備えたことを特徴とする液体金属ループ。
- 請求項1〜9のいずれか一つに記載のクエンチタンクと、
当該クエンチタンクから供給された液体金属を陽子ビームの照射空間に噴射してターゲットを形成するターゲット形成手段と、
を備えたことを特徴とする液体金属ループ。
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