JP4882471B2 - ジェットポンプ - Google Patents

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Description

本発明はジェットポンプの構造に関するものである。
例えば、沸騰水型原子力発電プラントでは、炉心流量を少ない駆動水流量で確保するため、例えば図2に示すようなジェットポンプ1を用いている。駆動水はダウンカマ4から配管11を引き出し、再循環ポンプ12で昇圧してジェットポンプ1のノズル15から噴出される。
この噴出された駆動水により静圧が低下し、ベルマウス16周囲の被駆動流体がベルマウス16内に吸い込まれる。吸い込まれた被駆動水は、スロート部で駆動水と運動量を交換しながら混合し、ディフューザへ流入する。ディフューザ18では流れが剥離しない程度に流路面積が緩やかに拡大され、運動エネルギーが静圧に変換される。
以上の原理により、ジェットポンプ1では駆動水量よりも多くの流量を下流へ吐き出すことができる。一般に、ジェットポンプ1の性能は、駆動水量と被駆動水量の比であるM比と圧力比であるN比で示すことができる。M比の定義はM=Qs/Qn、N比の定義は、N=(Pd−Ps)/(Pn−Pd)である。ここで、Qは流量、Pは全圧で、添字n,s,dはノズル部,吸い込み部,ディフューザ部を示す。ジェットポンプ効率ηはM比とN比の積η=M×Nで表される。
ジェットポンプ1のM比、ジェットポンプ効率を向上させると、より少ない駆動水流量で所定の炉心流量を確保できるので、再循環ポンプ12の動力を削減できランニングコストを抑えることができる。また、出力向上を行う場合には、炉心流量を増加させることが望ましいが、高M比,高効率のジェットポンプを用いれば、再循環ポンプ12の交換を必要としなくなる。
従来技術として、特開平7−119700号公報にジェットポンプのM比,効率の向上策が示されている。特開平7−119700号公報では、同心円状に複数本のノズルを等ピッチで配置し、同心円の中心軸上に外周ノズルよりも長いノズルを設置している。この構造により、外周部のノズルで周囲流体を加速し、吸い込まれた流体を中心ノズルでさらに加速することができる。このように2段階で加速することによって、被駆動流体を吸い込むときの圧力損失を低減し、強い負圧の発生を抑制してキャビテーションの発生を防ぐことができるとしている。また、圧力損失が低減することにより、M比および効率が向上するとしている。
特開平7−119700号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
特開平7−119700号公報のジェットポンプでは、例えば、周囲短尺ノズル6本、中心長尺ノズル1本で、長短ノズルの径を等しくした場合、概ね周囲ノズルに駆動水流量の6/7、中心ノズルに1/7の流量が配分されるため、吸い込まれる被駆動流体の加速はほとんど周囲ノズルで行われ、中心ノズルの加速効果は小さい。
また、流量配分を均等にするため、周囲ノズルの径を小さくし中心ノズルの径を大きくすることが考えられるが、同じノズル台座にノズルを配置するためには周囲ノズルの径を小さくする必要があり、全体のノズル合計断面積が減少することから噴出し速度が上昇し、圧力損失が増大して、結果として効果的な効率向上は見込めない。
本発明の目的は、駆動流体と被駆動流体の混合時の圧力損失を低減するとともに、ノズル間の被駆動流体の吸い込み面積を増加させ、M比とジェットポンプ効率を向上させたジェットポンプを提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、具体的には、以下の各手段が用いられる。
(1)第1手段は、駆動流体を噴出するノズルと周囲の被駆動流体の吸い込み口であるベルマウスと駆動流体と被駆動流体が混合するスロートと駆動流体と被駆動流体の混合流体を圧力回復させるディフューザで構成されるジェットポンプにおいて、ノズルを取り付けるノズル台座の同心円状に偶数本のノズルを等間隔で配置し、ノズルを1本おきにジェットポンプの中心軸方向(ジェットポンプの内側方向)に傾けて設置する。
第1手段によれば、ノズルを傾けることにより、被駆動水の吸い込み流路面積が増加し、M比を向上させることができる。
(2)第2手段は、駆動流体を噴出するノズルと周囲の被駆動流体の吸い込み口であるベルマウスと駆動流体と被駆動流体が混合するスロートと駆動流体と被駆動流体の混合流体を圧力回復させるディフューザで構成されるジェットポンプにおいて、ノズルを取り付けるノズル台座の同心円状に偶数本のノズルを等間隔で配置し、ノズルの長さを2種類とし、短尺ノズルと長尺ノズルを交互に配置する。
第2手段によれば、短尺ノズルからの噴流で被駆動流体を第1段階に加速し、次に長尺ノズルで第2段階に加速する。短尺ノズルと長尺ノズルの流量配分が偏っていないため、効果的に被駆動流体を加速することができるため圧力損失を低減でき、M比及び効率を向上させることができる。
(3)第3手段は、第2手段のジェットポンプにおいて、短尺ノズルをジェットポンプの中心軸方向(ジェットポンプの内側方向)に傾けて設置し、長短ノズルの鉛直方向の先端位置に差を設ける。
第3手段によれば、短尺ノズルを中心軸方向に傾けることにより、両側の長尺ノズル間に形成される被駆動流体を吸い込む面積が増加し、M比が向上する。
(4)第4手段は、第3手段のジェットポンプにおいて、短尺ノズル内側直径をdS としたとき前記短尺ノズル先端から5dS 以上下流のスロート中心軸上に各短尺ノズル先端の延長線が交差するような角度で内側に傾ける。
第4手段によれば、短尺ノズルから噴出された駆動流が被駆動流と運動量を十分に交換する前に駆動流動同士で衝突して運動量を無駄に損失することがなくなり、ジェットポンプ効率が向上する。
(5)第5手段は、第2手段に記載のジェットポンプにおいて、長尺ノズルを中心軸方向に傾けて設置し、長短ノズルの鉛直方向の先端位置に差を設ける。
第5手段によれば、長尺ノズルを中心軸方向に傾けることにより、両側の短尺ノズル間に形成される被駆動流体を吸い込む面積が増加し、M比が向上する。
(6)第6手段は、第5手段に記載のジェットポンプにおいて、長尺ノズル内側直径を
L としたとき前記長尺ノズル先端から5dL 以上下流のスロート中心軸上に各長尺ノズル先端の延長線が交差するような角度で内側に傾ける。
第6手段によれば、長尺ノズルから噴出された駆動流が被駆動流と運動量を十分に交換する前に駆動流動同士で衝突して運動量を無駄に損失することがなくなり、ジェットポンプ効率が向上する。
(7)第7手段は、駆動流体を噴出するノズルと周囲の被駆動流体の吸い込み口であるベルマウスと駆動流体と被駆動流体が混合するスロートと駆動流体と被駆動流体の混合流体を圧力回復させるディフューザで構成されるジェットポンプにおいて、ノズルを取り付けるノズル台座に偶数本のノズルを設置し、ノズルの長さを2種類とし、2つの同心円状の内側の同心円状に半数の長尺ノズルを設置し、外側の同心円状に残り半数の短尺ノズルを配置する。
第7手段によれば、このノズル配置により、ノズルを中心軸方向へ傾けあるいは曲げることなく、第3手段の場合と同等の被駆動流の吸い込み面積を確保できる。
(8)第8手段は、駆動流体を噴出するノズルと周囲の被駆動流体の吸い込み口であるベルマウスと駆動流体と被駆動流体が混合するスロートと駆動流体と被駆動流体の混合流体を圧力回復させるディフューザで構成されるジェットポンプにおいて、ノズルを取り付けるノズル台座に偶数本のノズルを設置し、ノズルの長さを2種類とし、2つの同心円状の内側の同心円状に半数の短尺ノズルを設置し、外側の同心円状に残り半数の長尺ノズルを配置する。
第8手段によれば、このノズル配置により、ノズルを中心軸方向へ傾けたり曲げることなく、第3手段の場合と同等の被駆動流の吸い込み面積を確保できる。
(9)第9手段は、第1手段に記載のジェットポンプにおいて、ノズル先端の内側直径をdとしたとき、前記ノズルの先端がベルマウス上部開口位置とその開口位置から高さdの間にあるように設置する。
第9手段によれば、被駆動流体の吸い込み面積を広くし、かつ、ベルマウス開口部においてノズルからの噴流が拡がり過ぎない範囲であり、M比を増加させるとともに駆動流と被駆動流の効率的な運動量交換が行え、ジェットポンプ効率が向上する。
(10)第10手段は、第2手段から第8手段に記載のジェットポンプにおいて、長尺ノズル先端の内径をdL としたとき、長尺ノズルの先端がベルマウス上部開口位置とその開口位置から高さdL の間になるように設置する。
第10手段によれば、被駆動流体の吸い込み面積を広くし、かつ、ベルマウス開口部においてノズルからの噴流が拡がり過ぎない範囲であり、M比を増加させるとともに駆動流と被駆動流の効率的な運動量交換が行え、ジェットポンプ効率が向上する。
(11)第11手段は、第2手段から第8手段に記載のジェットポンプにおいて、短尺ノズル先端の内側直径をdS としたとき、短尺ノズルの先端がベルマウス上部開口位置とその開口位置から高さdS の間になるように設置する。
第11手段によれば、被駆動流体の吸い込み面積を広くし、かつ、ベルマウス開口部においてノズルからの噴流が拡がり過ぎない範囲であり、M比を増加させるとともに駆動流と被駆動流の効率的な運動量交換が行え、ジェットポンプ効率が向上する。
(12)第12手段は、第2手段から第8手段に記載のジェットポンプにおいて、長尺ノズル先端の内側直径をdL 、短尺ノズル先端の内側直径をdS としたとき、長尺ノズルの先端がベルマウス上部開口位置とその開口位置から高さdL の間にあり、かつ短尺ノズルの先端がベルマウス上部開口位置とその開口位置から高さdS の間になるように設置する。
第12手段によれば、短尺ノズルと長尺ノズルの両方について、被駆動流体の吸い込み面積を広くし、かつ、ベルマウス開口部においてノズルからの噴流が拡がり過ぎない範囲であり、M比を増加させるとともに駆動流と被駆動流のより効率的な運動量交換が行え、ジェットポンプ効率が向上する。
本発明のジェットポンプによれば、M比とジェットポンプ効率の向上が可能となる。
以下、本発明の実施形態を、本発明を沸騰水型原子炉のジェットポンプに適用した例として、図面を用いて説明する。
図2は沸騰水型原子炉の縦断面図で、ジェットポンプ1はシュラウド2と圧力容器3の間に形成される空間であるダウンカマ4に設置される。ジェットポンプ1によって炉心5に送り込まれた炉水は、核熱により沸騰し、上部の気水分離器6と蒸気乾燥器7により蒸気と水に分離される。蒸気は主蒸気配管8からタービン(図示せず)へ送られ、炉水はダウンカマ4へ戻される。ダウンカマ4に戻った炉水は給水と混合して再びジェットポンプ1に吸い込まれ炉心5に送られる。
このように、ジェットポンプ1は、ノズル15と、前記ノズル15の先端方向に配備されたベルマウス16と、前記ベルマウス16に接続されたスロート17と、前記スロート17に接続されたディフューザ18とを備えた構成である。本発明の実施例では、そのノズル15を、ノズル台座21と長尺ノズル及び短尺ノズルとで構成していて、具体的には後述する。ノズル15とベルマウス16とスロート17とディフューザ18の垂直方向の各中心軸線は垂直上下方向に一致していて、その一致している中心軸線はジェットポンプの中心軸線Cでもある。その中心軸線Cはジェットポンプの内側中心に設定されている。
ジェットポンプ1の駆動水はダウンカマ4の炉水を用いている。ダウンカマ4内と接続してある配管11に炉水を吸い込んで原子炉圧力容器3の外に引き出し、再循環ポンプ
12によって昇圧し、ジェットポンプ1に駆動水としてノズル15部に送り込んでいる。図3はジェットポンプ部を拡大した図で、再循環ポンプ12から送られた駆動水はライザ管13を通り、ベント管14で180°流れの向きを変えてノズル15に導かれる。
ノズル15下部にはベルマウス16とスロート17が設置されており、ベルマウス16は被駆動水をスムーズにスロート17へ導く役割をしている。ノズル15から駆動水をスロート17に向けて高速に噴出すると、スロート部の静圧が低下し、周囲流体が吸い込まれる。
既設の原子炉では、噴出した駆動水の約2倍の周囲流体(被駆動水)を吸い込むことができる。ノズル15から噴出された駆動水と吸い込まれた被駆動水はスロート17で運動量交換を行いながら混合し、スロート下部にあるディフューザ18に送り込まれる。ディフューザ18では、流れが剥離を起こさない程度に流路が徐々に拡大され、運動エネルギーが静圧に変換される。ディフューザ18において、被駆動水が吸い込まれた位置よりも圧力を高め、炉水を炉心5へ送り込んでいる。このように、再循環ポンプ12から送られた炉水はベント管14からノズル15へ、ノズル15からベルマウス16へ、ベルマウス16からスロート17へ、スロート17からディフューザ18へと順次下流側方向へ駆動されてゆく。
このように、ジェットポンプ1は順次下流側方向へ駆動されてゆく途中でダウンカマ内の炉水を被駆動水として吸い込んで少ない駆動水流量で多くの流量を炉心5に送り込むことができるため、再循環系の配管径を小さくすることができる。
また、原子炉出力は炉心流量でも調節しているが、再循環ポンプ12の動力を制御することによりジェットポンプ1のノズル15から噴出される駆動水流量を変化させ、炉心流量を制御している。したがって、M比とジェットポンプ効率が向上するとより少ない再循環ポンプ動力で所定の炉心流量を確保することができ、再循環ポンプ12のランニングコストを低減することができる。
また、原子炉の出力向上を考えた場合、炉心出力の増加に対応して炉心流量を増加させることが望ましい、M比とジェットポンプ効率が向上したジェットポンプを用いることにより、従来の再循環ポンプ12の動力のままで炉心出力増加に対応した炉心流量を確保することができ、再循環ポンプ12の交換が不要で出力向上に伴う機器交換のコストを抑えることができる。
図1は、本発明の実施形態でのノズル15である。ノズル15はベント管14から駆動水を受け入れるように、そのベント管14に接続されたノズル台座21と、そのノズル台座21に接続された3本の短尺ノズル22と3本の長尺ノズル23の合計6本の各ノズルで構成されている。短尺ノズル22とはノズル台座に装着した際に長尺ノズル23の先端(下端)位置に対して短尺ノズル22の先端(下端)位置が寸法xだけの高い位置になる形状を意味し、長尺ノズル23とはその逆の状態となる形状を意味していて、以下同じである。
ノズル台座21には、短尺ノズル22を3本と長尺ノズル23を3本の合計6本のノズルを、同心円状に短尺ノズル22と長尺ノズル23を交互に配置している。短尺ノズル
22と長尺ノズル23の長さの差はxである。短尺ノズル22の内径dS と長尺ノズル
23の内径dL は、同心円状に配置できるようにそれぞれ任意に設定してよい。内径の呼称は直径によるもので、以下同じである。
本実施形態では、同心円状に配置したときに、ノズル断面積の合計が最大になるように短尺ノズル22と長尺ノズル23の内径を同じとしている。ノズル断面積の合計が最大のときにノズルから噴出する駆動水の速度を最も抑えることができ、摩擦損失や被駆動流体との運動量交換時の損失を低減することができる。
短尺ノズル22と長尺ノズル23の内径を等しくすると、ノズルが長い分、摩擦損失が大きい長尺ノズルの流量が若干少なくなるが、その差は無視できる程度で、各ノズルにほぼ同じ流量の駆動水が流れる。このため、再循環ポンプ12から供給された駆動水は、短尺ノズル22と長尺ノズル23からそれぞれ半量ずつ噴出される。
ベルマウス16周囲の被駆動水は、短尺ノズル22から噴出する駆動水で第1段階に加速される。被駆動水は、短尺ノズル22と長尺ノズル23の先端の差xを流れる間に、短尺ノズル22から噴出された駆動水と運動量交換を行いながら加速される。
次に、距離xの間に加速された被駆動水は、長尺ノズル23から噴出される駆動水で第2段階に加速される。短尺ノズル22による第1段階の加速により、長尺ノズル23から噴出される駆動水と被駆動水の相対速度が小さくなっており、運動量交換での損失を大きく低減することができる。
本実施形態のノズルでは、再循環ポンプ12から供給される駆動水を短尺ノズル22と長尺ノズル23にそれぞれ半量ずつ分けて2段階で加速しており、急激な加速による強い負圧の発生を抑制できるため、キャビテーションの発生を抑制することができる。
本実施形態では、図1に示すように、長尺ノズル23の先端(下端)位置がベルマウス16の上部の開口位置よりも上方で、かつ、短尺ノズル22の先端(下端)位置がベルマウス16の上部の開口位置から短尺ノズル内径dS の間になるように設置している。このようにノズル先端をベルマウス上部開口位置から上方に設置すると、そのベルマウス開口部が被駆動水の吸い込み経路の障害物とならないため、被駆動水をスムーズに吸い込むことができる。
一方、ノズル先端位置をベルマウス上部開口位置から離しすぎると、ノズルから噴出した駆動水が拡がりすぎてベルマウス16と衝突して運動量を損失したり、ベルマウス16へ吸い込まれない周囲流体へ運動量が伝達したりして効率が低下することがあるので、短尺ノズル22とベルマウス16の開口断面との距離は、ノズル内径dS までに制限される。
また、短尺ノズル22のノズル先端部分は中心軸線Cに向けて傾けて設置している。図4に示すように、短尺ノズル22をジェットポンプの内側方向にノズル先端部分とノズルからの駆動水吐出方向を傾けることで長尺ノズル23の間の吸い込み面積が拡大する(塗り潰し部分)。傾いていない長尺ノズル23の向きは垂直下方であってその方向へ駆動水の吐出方向(中心軸Cと平行で下向きの方向)が設定されている。
短尺ノズル22の鉛直方向に対する傾きが大きいほど、長尺ノズル間の吸い込み面積は大きくなるが、噴出された駆動水が被駆動水と十分な運動量交換をする前に中心軸に到達する。この場合、駆動水どうしで運動量を打ち消しあうことになり、効率が低下する。
効率を低下させないようにするために、ノズルから噴出した駆動水が被駆動水と十分に運動量交換を行った後で、短尺ノズル先端の延長線が中心軸上で交差するようにすればよく、短尺ノズル先端から5dS 以上の中心軸上で交差するようにすればよい。なお、図5に示すように、長尺ノズル23側を内側に向けた場合でも同様の効果が得られる。図6は、短尺ノズル22および長尺ノズル23のいずれも中心軸方向へ傾けない簡素な構造で、ノズル部の圧損を低く抑えることができる。
図7は、本実施形態でのジェットポンプの性能を評価した数値解析例を示す。現行の沸騰水型原子炉に設置されているジェットポンプと比較して、ジェットポンプ効率が向上することを確認している。
また、ノズル台座に同心円状に、短尺ノズル22および長尺ノズル23に代えて先端位置が同じ高さにある偶数本且つ複数本のノズルをノズル台座へ等間隔で配備し、複数本のノズルを1本おきにジェットポンプの中心軸方向(ジェットポンプの内側方向)に傾けて設置するようにしても、ノズルを傾けることにより、被駆動水の吸い込み流路面積が増加し、M比を向上させることができる。この場合にも、ノズル先端の内側直径をdとしたとき、前記ノズルの先端がベルマウス上部開口位置と前記開口位置から高さdの間にあるように設置することが好ましい。
図8は、本発明の第2実施形態でのノズルである。ノズル台座21に短尺ノズル22を3本と長尺ノズル23を3本の合計6本のノズルを、短尺ノズル22を直径の小さい同心円状に、長尺ノズル23を直径の大きい同心円状に配置している。図9にノズル配置の水平断面図を示す。短尺ノズル22の内径dS と長尺ノズル23の内径dL は、ノズル台座21内に配置できるようにそれぞれ任意に設定してよい。
本実施形態では、短尺ノズル22と長尺ノズル23の内径を同じとしている。また、短尺ノズル22と長尺ノズル23の先端位置は鉛直方向にxの距離がとられており、長尺ノズル23の先端位置がベルマウス16の開口断面よりも上方で、かつ、短尺ノズル22の先端位置がベルマウス16の開口断面から短尺ノズル内径dS 間になるように設置している。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の原理で被駆動流体を2段階で加速することができる。再循環ポンプ12から供給される駆動水を短尺ノズル22と長尺ノズル23にそれぞれ半量ずつ分けて2段階で加速しているため、急激な加速による強い負圧の発生を抑制できるため、キャビテーションの発生を抑制することができる。
本実施形態のノズルの配置では、第1実施形態でノズル先端をジェットポンプ中心軸に向けて長尺ノズル23間の被駆動流体の吸い込み面積を拡大させたのと同じ効果があり、M比およびジェットポンプ効率が向上する。なお、図10のように、内側に同心円状に長尺ノズル23を、外側の同心円状に短尺ノズル22を設置してもよい。
本発明は、原子炉圧力容器内の炉水を循環するためのジェットポンプに適用できる。
本発明の第1実施形態のジェットポンプのノズル部の立面図である。 沸騰水型原子炉の原子炉圧力容器の縦断面図である。 沸騰水型原子炉に用いられているジェットポンプの概要図である。 本発明の第1実施形態のジェットポンプのノズルの下方から見た平面図である。 本発明の第1実施形態のジェットポンプにおいて長尺ノズルを内側に傾けたノズル部の立面図である。 本発明の第1実施形態のジェットポンプにおいてノズルを内側に傾けない場合のノズル部の立面図である。 本発明の第1実施形態のジェットポンプの性能を従来と比較した図である。 本発明の第2実施形態のジェットポンプのノズル部の立面図である。 本発明の第2実施形態のジェットポンプのノズル部を下方から見た平面図である。 本発明の第2実施形態のジェットポンプにおいて長尺ノズルを内側に配置したノズル分の立面図である。
符号の説明
1…ジェットポンプ、2…シュラウド、3…圧力容器、4…ダウンカマ、5…炉心、6…気水分離器、7…蒸気乾燥器、8…主蒸気配管、9…給水配管、11…配管、12…再循環ポンプ、13…ライザ管、14…ベント管、15…ノズル、16…ベルマウス、17…スロート、18…ディフューザ、21…ノズル台座、22…短尺ノズル、23…長尺ノズル。

Claims (10)

  1. ノズル台座に装着された複数本のノズルと、前記ノズルの先端方向に配備されたベルマウスと、前記ベルマウスに接続されたスロートと、前記スロートに接続されたディフューザとを備えたジェットポンプにおいて、
    前記ノズルを同心円状に配列するとともに前記ノズルを前記配列方向で1本おきにジェットポンプ内側に傾けて設置したことを特徴とするジェットポンプ。
  2. 請求項1において、
    前記ノズルとして前記ノズルの長さ方向における先端位置に差が生じる短尺ノズルと長尺ノズルを採用し、前記短尺ノズルと長尺ノズルとを同心円状且つ交互に配置したことを特徴とするジェットポンプ。
  3. 請求項2において、前記短尺ノズルをジェットポンプ内側に傾けてあることを特徴とするジェットポンプ。
  4. 請求項3において、前記短尺ノズルの内側直径をdSとしたとき前記短尺ノズルの先端から5dS以上離れた前記スロートの中心軸上に各短尺ノズル先端の延長線が交差する角度で内側に前記短尺ノズルを傾けたことを特徴とするジェットポンプ。
  5. 請求項2において、前記長尺ノズルをジェットポンプ内側に傾けて設置してあることを特徴とするジェットポンプ。
  6. 請求項5において、前記長尺ノズルの内側直径をdLとしたとき前記長尺ノズルの先端から5dL以上離れた前記スロートの中心軸上に各長尺ノズルの先端の延長線が交差するような角度で内側に前記長尺ノズルを傾けたことを特徴とするジェットポンプ。
  7. 請求項1において、前記ノズルの先端の内側直径をdとしたとき、前記ノズルの先端が前記ベルマウスの前記ノズル側の開口と前記開口から前記ノズル台座の方向へ前記d離れた位置との間にあることを特徴とするジェットポンプ。
  8. 請求項2から請求項6までのいずれか一項において、前記長尺ノズルの先端の内側直径をd L としたとき、前記長尺ノズルの先端がベルマウスの前記ノズル側の開口と前記開口から前記ノズル台座の方向へ前記d L 離れた位置との間にあることを特徴とするジェットポンプ。
  9. 請求項2から請求項6までのいずれか一項において、前記短尺ノズルの先端の内側直径をd S としたとき、前記短尺ノズルの先端が前記ベルマウスの前記ノズル側の開口と前記開口から前記ノズル台座の方向へ前記d S 離れた位置との間にあることを特徴とするジェットポンプ。
  10. 請求項2から請求項6までのいずれか一項において、前記長尺ノズルの先端の内側直径をd L 、前記短尺ノズルの先端の内側直径をd S としたとき、前記長尺ノズルの先端がベルマウスの前記ノズル側の開口と前記開口から前記ノズル台座の方向へ前記d L 離れた位置との間にあり、かつ前記短尺ノズルの先端が前記ベルマウスの前記ノズル側の開口と前記開口から前記ノズル台座の方向へ前記d S 離れた位置との間にあることを特徴とするジェットポンプ。
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