JP2020004636A - 液体金属ループの壊食抑制機構 - Google Patents

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【課題】中性子を発生させるための液体金属ループにおいて、液体金属の噴流を受け止めるタンクのキャビテーションエロージョンを抑制する。【解決手段】液体金属ループの壊食抑制機構は、ノズルから噴出された液体金属に荷電粒子を照射して中性子を発生させた後に前記液体金属を冷却して前記ノズルまで循環させるための配管を有する液体金属ループにおいて、前記荷電粒子が照射された後の前記液体金属を前記配管に送り出す前に貯留しておくタンクと、前記タンクの筐体の内側に磁界が発生するように配置された磁界発生手段と、を備え、前記磁界発生手段によって前記タンクの筐体の内側にある前記液体金属の粘度を上げておくことにより、前記液体金属の噴流を前記タンクの中央側で受け止めたときに発生したキャビティが前記タンクの筐体の内側に到達しないように抑制する、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、中性子を発生させるための液体金属ループにおいて、液体金属の噴流を受け止めるタンクのキャビテーションエロージョンを抑制する機構に関する。
中性子を発生させる方法として、加速器で加速させた陽子や重陽子さらには電子などの荷電粒子を真空中でターゲットに衝突させるものがある。荷電粒子を加速するためには真空中でなければならず、ターゲットとしてのベリリウムやリチウムは真空中に設置しなければならない。ターゲットに荷電粒子を照射するとターゲットが発熱するので冷却が必要である。固体ベリリウムの場合、水と反応しないので直接水で固体ベリリウムの裏側を冷却することができるが、照射される荷電粒子のエネルギーが大きいため、加速器内の真空中で加速された荷電粒子が当たる固体ベリリウムの裏側の冷却水が沸騰してしまうおそれがある。
固体リチウムの場合、水と反応するので直接水で冷却することができず、熱伝導の良い銅板などの上にコーティングされるが、銅板を水で冷却する際に、冷却水が沸騰してしまうおそれがある。特許文献1に記載されているように、ノズルから噴射された液体リチウムの噴流をターゲットとして陽子ビームを照射して中性子を発生させる発明も開示されている。
リチウムには、安定同位元素のリチウム6とリチウム7があり、リチウム7が92.5%を占めている。陽子とリチウム7が核反応すると、ベリリウム7と中性子が発生するが、ベリリウム7は約53日の半減期で電子捕獲によりリチウム7に戻る。ベリリウム7は液体リチウムに溶けず、液体リチウムより比重が大きいので、容器などの底に溜まり、液体リチウムの流れに影響しない。そのため液体金属ループとして連続的に使用することが可能である。
中性子を発生させるための荷電粒子は、例えば、陽子の場合でMeVオーダー、電子の場合で数十MeVオーダーのエネルギーが必要であり、多量の中性子が必要な場合の荷電粒子の電流値も10mA程度必要であるため、液体金属に荷電粒子を照射したときの発熱量は数十kW以上になる。そのため、液体金属を、例えば、荷電粒子を受けて発熱する流れの流速を10〜20m/secの高速で流すことにより、温度上昇を抑制する。そして、液体金属の噴流をタンクに流した後、タンクからノズルまでの配管系を液体金属が循環する途中で液体金属を冷却する。
特許第5808215号公報
しかし、液体金属を循環させる際に、ノズルから噴射された高速液流が曲がっている配管等にそのままぶつかるとその部分でキャビテーション(気泡の発生と消滅)が発生し、このキャビティ(気泡)が潰れるときに高速の小さな液滴が管壁に当たってエロ―ジョン(壊食)が発生する。また、液体金属の噴流がタンクの内壁に衝突していると、衝突した部分で同様にキャビテーションが生じる。更に噴流が真空雰囲気の液面に当たった所でも最初から真空のキャビテーションが生じ、この様に液中のキャビティが液中でつぶれる分には筐体と接触しないので壊食は無いが、タンク内の液面から液中(ちぎれて行く)で発生した気泡(キャビティ)は真空の空隙でありこの空隙が流れと共に移動し壁面で潰れるときに壁面に壊食が生じ、次第に壁面に凹みが増えて、穴が開き液体金属が漏れるおそれがある。このように噴流が直接タンクに衝突していなくても、気泡(キャビティ)が液面下の乱流とともにタンク内を漂って内壁に衝突すれば、キャビテーションエロージョンが起こり得る。
尚、真空雰囲気で使える加速器が接続できずあくまでも想定上の説明であるが、化学的に活性な液体リチウムと反応しない不活性ガスのアルゴンやヘリウムガス雰囲気でも噴流が液面に当たるとガスを含むガスキャビティが生じる。この場合ガスを含んでいるためキャビティはつぶれずに浮力で浮き上がり、液面ではじけてガスの気泡が潰れるだけなので、上記のようなキャビテーションエロージョンは生じない。今回の特許は、真空中ならではの問題と言える。
そこで、本発明は、中性子を発生させるための液体金属ループにおいて、液体金属の噴流を受け止めるタンクのキャビテーションエロージョンを抑制すること目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明である液体金属ループの壊食抑制機構は、ノズルから噴出された液体金属に荷電粒子を照射して中性子を発生させた後に前記液体金属を冷却して前記ノズルまで循環させるための配管を有する液体金属ループにおいて、前記荷電粒子が照射された後の前記液体金属を前記配管に送り出す前に貯留しておくタンクと、前記タンクの筐体の内側に磁界が発生するように壁外に配置された磁界発生手段と、を備え、前記磁界発生手段によって前記タンクの筐体内側にある前記液体金属の粘度を上げておくことにより、前記液体金属の噴流を前記タンクの中央側で受け止めたときに発生したキャビティが前記タンクの筐体内側に到達しないように抑制する、ことを特徴とする。
また、前記壊食抑制機構において、前記磁界発生手段は、前記タンクの外側に複数の磁石を配置して多極式にした、ことを特徴とする。
また、前記壊食抑制機構は、前記タンクから前記配管に送り出される前記液体金属の流速を前記キャビティの上昇速度より遅くすることにより、前記キャビティが前記配管を循環しないようにした、ことを特徴とする。
また、前記壊食抑制機構は、前記タンクから前記配管に送り出される前記液体金属を、更なる整流タンクで前記キャビティの上昇速度より遅くすることにより、前記キャビティが前記配管を循環しないようにした、ことを特徴とする。
また、前記壊食抑制機構において、前記タンクは、前記液体金属の液面上方に飛沫防止用の金網が配置される、ことを特徴とする。
さらに、本発明である液体金属ループは、前記壊食抑制機構を備えた、ことを特徴とする。
本発明によれば、中性子を発生させるための液体金属ループにおいて、液体金属の噴流を受け止めるタンクのキャビテーションエロージョンを抑制することで、タンクの寿命を延ばすことができる。また、噴流を受け止めてキャビテーションが発生する領域を磁界によって制限することにより、タンクを小型化することができ、コストと使用流体の容量を最少化することができる。さらに、噴流を受け止める液体金属の流れをキャビティの浮上速度より遅く循環させることによってタンク下の配管内に気泡を無くしておくことで、気泡が配管内を巡ってしまうのを抑制することができる。
本発明である液体金属ループの壊食抑制機構を用いる液体金属ループの概要を示す図である。 図1を補足的に説明するための液体金属ループの概要を示す図である。 本発明である液体金属ループの壊食抑制機構を用いたタンクを示す図である。 本発明である液体金属ループの壊食抑制機構を用いたタンクをA−Aで切断したときの断面図である。 本発明である液体金属ループの壊食抑制機構を用いたタンクの小型化を説明する図である。 本発明である液体金属ループの壊食抑制機構を用いたタンクの応用例について示す図である。 本発明である液体金属ループの壊食抑制機構を用いたタンクの応用例について示す図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本発明である液体金属ループの壊食抑制機構について説明する。図1は、液体金属ループの概要を示す図である。図2は、図1を補足的に説明するための液体金属ループの概要を示す図である。図3は、壊食抑制機構を用いたタンクを示す図である。図4は、タンクをA−Aで切断したときの断面図である。図5は、タンクの小型化を説明する図である。図6及び図7は、タンクの応用例について示す図である。
図1に示すように、液体金属ループ100は、まず、電磁ポンプ150により液体金属200を駆動し、ノズル110から高速で噴出された液体金属200の噴流200aに、加速器120から得た閾値以上のエネルギーを持った荷電粒子210をターゲットである液体金属200の噴流200aに照射することにより中性子220を発生させる。そして、荷電粒子210が照射された後の液体金属200の噴流200aをタンク300で受け止め、液体金属200を配管130に送り出すために貯留しておく(ゆっくりした流れであるが配管系を循環している)。その後、荷電粒子210の照射により温度が上昇した液体金属200を、配管130の途中に設置された冷却器140で冷却し循環させる。
系統は同じであるが、最適な液体金属200は荷電粒子210の種類によって異なり、中性子発生メカニズムも異なってくるので、説明を簡単にするため陽子の場合だけにする。因みに、荷電粒子210が陽子(MeVオーダー)の場合、ターゲットは液体リチウム(Li)が用いられ、中性子発生メカニズムは陽子核反応である。荷電粒子210に重陽子を使うと、中性子発生に必要な加速エネルギーの閾値が低くなり、同一エネルギーの陽子照射に比べ発生する中性子量も増え高エネルギーの中性子220も発生するが、熱中性子や熱外中性子を用いる用途の場合は陽子が用いられている。荷電粒子210が電子(数十MeVオーダー)の場合は、ターゲットには液体重金属の水銀や鉛ビスマス共晶合金を用い、その中性子発生メカニズムも電子の制動ガンマ線による光核反応である。この光核反応による中性子発生効率は良くないが、電子線加速器のコストは安く中性子量は少なくて済む用途、例えばイメージングなどに利用可能である。
ノズル110は、液体金属200を所定の幅及び厚さの帯状にして流下させるための吐出口である。液体金属200は、荷電粒子210が照射されたときの熱エネルギーにより温度が上昇し過ぎないように、例えば、毎秒10〜20メートルの速さの噴流200aとして、単位時間あたりの熱を受け取る吸収長さを長くすることによって単位面積に吸収される熱量を減らす。
荷電粒子210は、線形加速器、サイクロトロン、シンクロトロンなどの加速器120で加速される。荷電粒子210が照射されたときのエネルギー(数十kW以上)が液体金属200の噴流200aの厚さ内に収まるようにする。発熱量については、例えば、リチウムの融点が約180℃であることから、約220℃の液体金属200に荷電粒子210を照射することで約250℃になる。
タンク300は、ノズル110から吐出されて流下してきた液体金属200が入る容器である。液体金属200の噴流200aは高速で流入してくるので、ノズルの方向によってはタンク300の壁面やタンク300内に溜まっている液体金属200の液面に衝突してキャビテーションが発生する。
キャビテーションは、液体金属200の局部において蒸気圧より低い圧力になることで気泡が発生し、短時間のうちに気泡の周囲の一部から凹んで、凹んだ部分が角を出したような状態で潰れる現象である。タンク300の壁面におけるキャビテーションは、壁面が少しずつ削れて凹みの増加を招き、エロージョンにより壁面に穴が開く原因になるため、液体金属200の噴流200aは、タンク300の壁面側ではなく中央側に流下させる。
なお、図2の様に液体金属200を滑り台の様な斜面111に沿って流すと、斜面111に継ぎ目など凹凸があった場合に液体金属200がそこにぶつかってキャビテーションが発生するおそれもあるので、ノズル出口からつながる斜面111をタンク300内の液面までつなげずにノズルから出た噴流は、滑り台の様な斜面111を使わずに真空中を直線状(幕状)に液面までそのまま流下させることが好ましい。また、液体金属200が斜めに流れると、タンク300の壁面に当たりやすくなるので、タンク300の底面に対して垂直に流下させることが好ましい。
配管130は、タンク300からノズル110までを連結しており、電磁ポンプ150などを用いてタンク300内の液体金属200をノズル110まで移送する。なお、電磁流量計160などを用いて液体金属200の流量を制御する。また、冷却器140で液体金属200を冷却するが、例えば、リチウムは水と反応するので、オイルなどで冷却する。
図3に示すように、タンク300は、例えば、上面が空き、底面には配管130が繋がれ、側面が円筒状の筐体300aで囲まれた容器である。筐体300aの外側には、磁界発生手段として、複数(例えば、4個)の磁石400が配置される。複数の磁石400により磁界が発生するが、磁力線の経路を制御するために磁石400の外側に継鉄としてヨーク410も配置する。
噴流200aは、用途によってその大きさが変わり幅w(例えば、5〜25cm)、厚さt(例えば、1〜25mm)の液幕状にタンク300内に流れ落ち、タンク300内に貯留されている液体金属200の液面に突入する。噴流200aが突入した近辺でキャビテーションが起こり、液面下に多数の気泡(空隙)であるキャビティ310が発生したり、液面上に飛沫が上がったりする。キャビティ310は、タンク300の筐体300aの方に拡がるような流れに乗って漂ったり、途中で潰れたりする。
磁石400は、永久磁石でも電磁石でも良いが、タンク300の筐体300a側に磁界が発生すれば良い。磁界は、例えば、筐体300aの液体側で磁束密度が0.3T(テスラ)以上あれば良い。液体金属200は、導電性流体であって、磁界の強さに応じて粘度が変化する。磁石400により磁界が発生することにより、タンク300の筐体300a側にある液体金属200の粘度が上がって、粘性増加領域320が生じる。
図4に示すように、円筒状の筐体300aの外周に沿って、例えば、4個の磁石400を等間隔に、磁極が交互に変わるように配置して多極式にする。図に示すような磁力線により磁界が発生し、筐体300a側が粘性増加領域320となり、中央側より液体金属200の粘度が向上する。尚、図4においては磁石4個の場合を示したが、筐体300aの液体側で必要な粘度を得るのに、必要な磁束密度が得られる磁石数を配置しなければならない。
タンク300の中央側に噴流200aが落ちてきても、粘性増加領域320との境界から筐体300aの方へは流れが進みづらくなる。すなわち、キャビティ310も粘性増加領域320との境界を超えて先に行かないように抑制される。キャビティ310が筐体300a側に到達しないことでエロージョンが抑制される。キャビティ310は、中央側において、循環の流れに乗って配管130の方に進むか、途中で潰れる。
図5に示すように、粘性増加領域320によってキャビティ310が存在する領域dが狭められるので、タンク300の筐体300bの内径Dも小さくすることが可能となる。例えば、普通のタンク300で、噴流200aの幅wが200mmで、厚さtが25mmの場合、キャビテーションによるエロージョンを防止するには、筐体300bの直径φは、その噴流幅の4〜5倍以上である800〜1000mm以上にする必要があるが、磁界を掛けることのよって3倍程度でよい。また、磁界を掛けた小型のタンク300で、噴流200aの幅wが70mmで、厚さtが2mmの場合、筐体300bの直径φは、その2倍程度である100〜150mmで良い。
また、噴流200aが液面に衝突したときに飛沫200bが上がることがあるので、タンク300内の液体金属200よりも上方に金網330を配置しても良い。金網330は、噴流200aが通過する中央部を空けておけば良い。飛沫200bを金網330で受け止めることにより、飛沫200bが筐体300bまで届くのを防止する。
また、噴流200aが液面に突入してキャビティ310ができる深さは、実験によると幅50mm×厚み0.6mm×噴流200aの流速30m/sで400mm程であるので、キャビティ310が配管130側に行かないようにするためにはタンク300内の湯面深さは400mm以上にし、更にキャビティ310の上昇速度はキャビティ310の径によって違うが20cm/s程であるのでタンク300内の下向きの流速は、キャビティ310の上昇速度より遅い流速になるように噴流200aの流量からタンク300の内径Dを決めて、キャビティ310が配管130側に行かないようにしなければならない。
図6に示すように、キャビティ310が筐体300aに到達しないようにしても、配管130を循環する液体金属200にキャビティ310の気泡が残っているのは好ましくないことから、気泡を無くすための整流タンク340を設けても良い。タンク300の高さを長くして、配管130に到達するまでに気泡を無くすようにしても良いが、液面ではキャビティ310が発生しているため、気泡が上昇しづらいこともあって気泡を無くすための整流タンク340を設けるのが良い。
そのため、タンク300から整流タンク340に気泡を含んだ液体金属200を送り込まれても、整流タンク340内の流速を遅くして気泡を除去すれば良い。例えば、気泡が2cm/secの速さで上昇する場合、液体金属200が配管130を循環する流速を1cm/secに遅くすれば、気泡が上方に抜けやすくなる。
また、図7に示すように、筐体300bの下部の径を大きくすることにより、液体金属200が配管130に流入する速度を遅くすることで、気泡が上昇しやすくなるようにしても良い。配管130に気泡が混入しないことで、キャビテーションエロ―ジョンが無くなり液体金属200の循環や冷却の効率が向上し、流れが安定する。
本発明によれば、中性子を発生させるための液体金属ループにおいて、液体金属の噴流を受け止めるタンクのキャビテーションエロージョンを抑制することで、タンクの寿命を延ばすことができる。また、噴流を受け止めてキャビテーションが発生する領域を磁界によって制限することにより、タンクを小型化することができ、コストと使用流体の容量を最少化することができる。さらに、噴流を受け止める液体金属の流れをキャビティの浮上速度より遅く循環させることによってタンク下の配管内に気泡を無くしておくことで、気泡が配管内を巡ってしまうのを抑制することができる。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。発生させた中性子は、BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)を扱う医療施設や、IFMIF(国際核融合材料照射施設)など、その他中性子科学の分野で利用可能である。例えば、BNCTでは、ホウ素10を取り込ませたガン細胞に中性子を照射して、ホウ素10と中性子の核反応で発生する細胞の大きさと同程度の飛程のα粒子とリチウム7によりガン細胞を殺すが、正常な細胞にはあまり損傷を与えずにガン細胞のみを選択的に破壊することができる。
100:液体金属ループ
110:ノズル
111:斜面
120:加速器
130:配管
140:冷却器
150:電磁ポンプ
160:電磁流量計
200:液体金属
200a:噴流
200b:飛沫
210:荷電粒子
220:中性子
300:タンク
300a:筐体
300b:筐体
310:キャビティ
320:粘性増加領域
330:金網
340:整流タンク
400:磁石
410:ヨーク

Claims (6)

  1. ノズルから噴出された液体金属に荷電粒子を照射して中性子を発生させた後に前記液体金属を冷却して前記ノズルまで循環させるための配管を有する液体金属ループにおいて、
    前記荷電粒子が照射された後の前記液体金属を前記配管に送り出す前に貯留しておくタンクと、
    前記タンクの筐体の内側に磁界が発生するように配置された磁界発生手段と、を備え、
    前記磁界発生手段によって前記タンクの筐体の内側にある前記液体金属の粘度を上げておくことにより、前記液体金属の噴流を前記タンクの中央側で受け止めたときに発生したキャビティが前記タンクの筐体の内側に到達しないように抑制する、
    ことを特徴とする液体金属ループの壊食抑制機構。
  2. 前記磁界発生手段は、前記タンクの外側に複数の磁石を配置して多極式にした、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体金属ループの壊食抑制機構。
  3. 前記タンクから前記配管に送り出される前記液体金属の流速を前記キャビティの上昇速度より遅くすることにより、前記キャビティが前記配管を循環しないようにした、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体金属ループの壊食抑制機構。
  4. 前記タンクから前記配管に送り出される前記液体金属を、更なる整流タンクで前記キャビティの上昇速度より遅くすることにより、前記キャビティが前記配管を循環しないようにした、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の液体金属ループの壊食抑制機構。
  5. 前記タンクは、前記液体金属の液面上方に飛沫防止用の金網が配置される、
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の液体金属ループの壊食抑制機構。
  6. 請求項1乃至5の何れか一に記載の壊食抑制機構を備えた、
    ことを特徴とする液体金属ループ。
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