JP6764161B2 - 液体金属ターゲット用ノズル - Google Patents

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本発明は、陽子等の荷電粒子を照射して中性子を得るときの液体金属ターゲット流を形成するための液体金属ターゲット用ノズルに関する。
癌を治療する方法の一つに、ホウ素10(10B)を取り込ませた癌細胞に中性子を照射して、ホウ素10と中性子との核反応により癌細胞を殺すBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)という放射性療法がある。BNCTでは、正常な細胞にはあまり損傷を与えずに、癌細胞のみを選択的に破壊することができる。
BNCTで使用する中性子は、加速器で発生させた陽子又は重陽子を真空中でターゲットに衝突させて発生させる。ターゲットとしては、金属ベリリウムや金属リチウムがある。金属ベリリウムは、固体ベリリウムでの利用であり、水と反応しないので直接水で冷却できるが、加速器から照射される陽子のエネルギーが大きいため、冷却用の水が沸騰してうまく行かない場合がある。金属リチウムは、水と反応するので直接水で冷却できず、固体リチウムの場合は、熱伝導の良い銅板などの上にリチウムをコーティングして、銅板を水で冷却するが、冷却用の水が沸騰してうまく行かない場合がある。
天然リチウムには、いずれも安定同位元素のリチウム6(Li)とリチウム7(Li)があり、リチウム7(Li)が92.5%を占めている。陽子とリチウム7(Li)が反応して、ベリリウム7(Be)と中性子が生じるが、ベリリウム7(Be)は、約53日の半減期でリチウム7(Li)に戻る。ベリリウム7(Be)は、液体リチウムに溶けないし、液体リチウムより比重が大きいため容器などの底に溜まるために、液体リチウムの流れに影響せずに且つリチウム7(Li)を追加せずに連続的に使用することが可能である。特許文献1に記載されているように、リチウムループのトリチウム除去装置の発明も公開されている。
特許第5812477公報
本発明は、BNCT用に、中性子を発生させるための液体金属液膜流(湾曲板内表面に形成)及び液幕流(空中に形成)を生じさせるためのノズルの形状、寸法及び材質に関するものである。なお、液体金属の上記液膜流と同じく上記液幕流の安定した状態の実現には、液体金属の流動特性に応じて、ノズルの幅、厚み、流速、及び液体金属が接する内面の研磨状態を変えて対応するものである。
エネルギーが2MeVの陽子線を30mAで照射すると、ターゲットであるリチウムには60kWの大きな熱エネルギーが与えられる。なお、陽子線はブラッグピークと呼ばれる部分で急激にエネルギーを放出するので、必ず、ブラッグピークは液体リチウムターゲットの厚みの中に収まるようにする。リチウム内での2MeVの陽子の飛程は約0.18mm、ブラッグピークは約0.17mmであるので、表面から浅い所に60kWの熱エネルギーの多くが与えられる。
リチウムの融点は約180℃であり、使用する液体リチウムは融点より約40℃高い温度で配管系を循環させる。陽子線がターゲットに当たる面の大きさは、直径約30〜80mmであり、面積当たりの熱負荷(数kW/cm、W=J/sec)が非常に大きく溶接機なみの熱エネルギー密度である。ターゲット内の流速が遅いと熱伝導率が大きい液体金属リチウムであってもリチウム温度が上昇してしまうので、液体リチウムの流速を10m/sec以上にして液体リチウムに与える単位時間当たりの熱負荷(J/sec)を減らす。液体リチウムが受け取る単位時間当たりの熱量を小さくすることによって温度が上がらないで熱を持ち去るという、リチウムの温度を上げない工夫が必要である。
そのため、液体リチウムターゲット部は、液体リチウムを幅広のスリット状のノズルから噴き出させて流速を速め、平板状に流れるリチウムでターゲット部を形成し、60kWの大きな熱エネルギーを吸収させる。ターゲット部に流れてくる約220℃のリチウム流もターゲット部で熱を吸収して約250℃の液体リチウムとなって流れる。温度が上昇した液体リチウムは熱交換器に送られて除熱され、除熱された液体リチウムを逐次ターゲットに供給する。このとき、ノズルから流れ出る液体リチウムを下方へ平板状に流すと、液体の表面張力による縮退により徐々に幅広の流れが細くなり、縮退時に流体中の乱流が増大して途中で流れが切れて液滴の塊となって噴霧状に流れていくことになる。
そこで、本発明は、ターゲットである液体金属を、途中で途切れることなく、常に安定した厚みで、高速に流すことが可能な液体金属ターゲット用ノズルを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明である液体金属ターゲット用ノズルは、荷電粒子を照射して中性子を得るときのターゲットとなる液体金属を照射位置へ流すための液体金属ターゲット用ノズルであって、前記液体金属をノズル先端から流すときに幅広の液膜流を形成するための一方のノズル片と、前記一方のノズル片と対向し、ノズル先端に向かって前記一方のノズル片との間に形成されるスリットが狭まるように設けられた他方のノズル片と、前記一方のノズル片の先端から続く流路において、前記液体金属が滑流するように円弧状に湾曲させたガイド片と、を有し、前記一方のノズル片及び前記他方のノズル片は、内側に膨らむ円弧状に形成され、かつ、前記一方のノズル片の円弧中心と、前記他方のノズル片の円弧中心とが、対称の位置とならないように形成される、ことを特徴とする。
また、前記液体金属ターゲット用ノズルは、前記一方のノズル片と前記他方のノズル片とが、前記陽子の照射位置における前記液体金属の流れが前記陽子のエネルギーのブラッグピーク厚み以上となるように形成される、ことを特徴とする。
また、前記液体金属ターゲット用ノズルは、前記一方のノズル片の先端における円弧の接線と、前記他方のノズル片の先端における円弧の接線とが、平行よりも2°以下の角度で絞られる、ことを特徴とする。
また、前記液体金属ターゲット用ノズルは、前記一方のノズル片及び前記他方のノズル片の内面が研磨される、ことを特徴とする。
本発明によれば、ターゲットである液体金属を、途中で途切れることなく、常に安定した厚みで、高速に流すことにより、液体金属の温度が上昇するのを抑制することができる。また、液体金属が途切れないので、それを流すための湾曲ガイド片が溶けるのを防止することができる。
本発明である液体金属ターゲット用ノズルの斜視図である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルの正面図(一部断面)である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルのA−Aにおける横断面図である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルのB−Bにおける縦断面図である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルのC−Cにおける横断面図である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルの一部拡大図である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルの形状を説明するための図である。 本発明である液体金属ターゲット用ノズルの液体金属を直線状に流す場合の図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
本発明である液体金属ターゲット用ノズルは、液体金属ループ内で使用され、主にBNCT等で利用する中性子を発生させるために利用される。液体金属ループは、液体リチウム等の液体金属を循環させながら、液体金属ターゲット用ノズルから流下させた液体金属をターゲットとして、真空中において、加速器から照射された高エネルギーの陽子又は重陽子等の荷電粒子をターゲットに衝突させて中性子を発生させる設備である。なお、使用された液体金属は、除熱してからまた液体金属ターゲット用ノズルに送られる。以後、荷電粒子として陽子を、液体金属として液体金属リチウムを例に説明する。
図1は、液体金属ターゲット用ノズルの斜視図である。図1に示すように、液体金属ターゲット用ノズル100は、ノズル200、ガイド片230、フランジ240、カバー250、及び継手260等を有する。
図2は、液体金属ターゲット用ノズル100の正面から見た断面図である。なお、ノズル200の手前側については、下部の記載を省略している。また、フランジ240とカバー250については断面で示している。
図2に示すように、ノズル200は、内部が中空な筒体であり、空いた上側から内部に液体金属が供給され、空いた下側から外部へ液体金属を流下させる。液体金属は、陽子を照射されることで中性子を発生するリチウムが好ましい。液体金属として液体リチウムを使用する場合、リチウムの融点が約180℃であるので、例えば、約220℃で使用すれば良い。そのため、ノズル200については、耐蝕性及び耐熱性のあるオーステナイトステンレス鋼等を用いれば良い。
液体リチウムの温度は、出来るだけ低い方が蒸気圧も低くて良いが、配管系には温度分布があり、それを考慮すると約220℃が良い。なお、加速器が荷電粒子を加速できる限界の真空圧力は、1×10−3Pa程度であり、これ以下の圧力が望ましいが、この圧力と同じ蒸気圧になるリチウムの温度は約343℃であるので、液体リチウムの運転温度は343℃以下で運転する必要がある。なお、望ましい加速器の加速空洞内の圧力は1×10−5Pa程度であり、この蒸気圧は約255℃以下で達成される。そのため、リチウムの運転温度を約250℃にしている。
ガイド片230は、ノズル200から流下した液体金属を受け、陽子の照射位置へ誘導するための板材である。ガイド片230は、円弧状に湾曲させて、遠心力で液体金属をガイド片230に貼り付くように滑流させる。液体金属は、遠心力によりガイド片230に付着するようになり、ノズル200のスリットから出てくる幅広な流れが表面張力で縮退する(幅が狭まる)のを抑えられ、ガイド片230に沿って流れる。そのため、液体金属を直線状に流下させる場合のように途中で切れることもなく、液体金属が流れる際の厚みが安定する。なお、ガイド片230についても、ノズル200と同様にオーステナイトステンレス鋼等を用いれば良い。
フランジ240は、ノズル200を真空状態で配管及び設置するための部材である。カバー250は、ノズル200の上面を覆って密閉すると共に、供給された液体金属をノズル200へ送るための通路である。継手260は、液体金属ループにおける液体金属の循環路に接続することで、ノズル200に液体金属を取り込むための供給口である。これらについても、ノズル200と同様にオーステナイトステンレス鋼等を用いれば良い。
図3は、液体金属ターゲット用ノズル100の図2に示すA−Aで切断したときの横断面図である。図3に示すように、ノズル200を縦に貫通する矩形状の筒体としたとき、一の側面をノズル片210とし、ノズル片210に対向する他の側面をノズル片220とする。ノズル200の下部において、ノズル片210とノズル片220とが狭まり、先端(下端)の隙間であるスリット201が形成されるようにする。
例えば、ノズル片210の絞り部211と、ノズル片220の絞り部221とを、狭い間隔で平行に配置して、線状のスリット201を形成することにより、スリット201を通過する液体金属を所定の厚さの帯状にする。
図4は、液体金属ターゲット用ノズル100の図2に示すB−Bで切断したときの縦断面図である。図4に示すように、ノズル200は、ノズル片210の下部(例えば、下側半分)が内側に膨らむ絞り部211と、ノズル片220の下部(例えば、下側半分)が内側に膨らむ絞り部221とによって、スリット201が形成される。
例えば、絞り部211を円弧状に湾曲させ、絞り部221も円弧状に湾曲させることにより、ノズル200内をスリット201に向かってテーパ状に先細りにすれば、液体金属は自然に絞られスリット201より噴出する。なお、スリット201から送り出された液体金属は、凹むように湾曲したガイド片230に沿って遠心力を受けつつ流れる。
図5は、液体金属ターゲット用ノズル100の図4に示すC−Cで切断したときの横断面図である。図5に示すように、ノズル200内に供給された液体金属がスリット201から送り出されたときに、液体金属がそのままガイド片230に沿って流れるように、ノズル片210の先端から延びるようにガイド片230が連設される。なお、ガイド片230の両端には補強リブ231が形成される。
スリット201より上側の一方のノズル片210の表面と、スリット201より下側のガイド片230の表面とは、液体金属がスムーズに流れるように、段差等なく滑らかに繋げれば良い。また、液体金属が詰まらないように、液体金属の圧力等に対してスリット201の幅(例えば、約1.0mm等)を空ければ良い。
図6は、液体金属ターゲット用ノズル100の図4に示すノズルの下部を拡大した図である。図6に示すように、ノズル200では、液体金属270が噴霧又は飛散したりして流れが乱れないように、ノズル片210の絞り部211と、ノズル片220の絞り部221とを、液体金属270がスリット201から流れ出やすい形状にする。
例えば、ノズル片210の絞り部211の円弧と、ノズル片220の絞り部221の円弧とを、対称でない形状にする。具体的には、液体金属270の圧力が、絞り部211の絞り開始点211aと絞り部221の絞り開始点221aに同時に掛からないようにする等、スリット201に集中しないように、バランスを変える。スリット201の幅は、液体金属270の粘度、流速、流量などに応じて調整すれば良い。
さらに具体的には、絞り部211及び絞り部221を所定の半径の円弧の一部を切り取った形状としたとき、絞り部211の絞り開始点211aと絞り部221の絞り開始点221aとを同じ高さで対向させるのではなく、絞り部211の円弧が高い位置で、かつ絞り部211の円弧が終わった垂直接線部と絞り部221の下端は同じ位置となるように形成し、かつ絞り部221の最終点の接線の角度を絞り部211の円弧が終わった垂直接線部に対して2°以内(好ましくは1°)に傾ける。これによって、スリット201から流出する流れは非常に安定する。ガイド片230については、流れが遠心力でガイド片230に貼り付いて流れるように、そして受け容器の方向に向くように、円弧の一部(例えば、約30°の範囲等)を切り取った形状等にすれば良い。
なお、陽子280を照射した際に、陽子280のエネルギー吸収量が最大となるブラッグピークの位置を、ターゲットとなる液体金属270がガイド片230上を流れている厚みの中に合わせる。したがって、液体金属270の流れには、陽子280の飛程の約95%前後となる、ブラッグピークを含む陽子280のエネルギー吸収量が大きい範囲(これをブラッグピーク厚みとする)以上の厚みを持たせる。例えば、2MeVの陽子の場合、ブラッグピーク厚みは約0.17mmであることから、液体金属270の厚みを約1〜2mmとすれば、液体金属270内での熱拡散が行われ液体金属270の温度上昇が抑えられる。
ガイド片230上を流れる液体金属270は、部分的に厚みが大きく異なる場所がないことが好ましいが、少なくとも陽子280の照射範囲(例えば、約φ30〜80の範囲)における液体金属270の流れに所定の厚みが確保されていれば良い。また、ガイド片230が熱により損傷しないように、液体金属270を高速(例えば、約10〜20m/sec)で流せば良い。
図7は、液体金属ターゲット用ノズル100の形状を説明するための図である。図7に示すように、ノズル片210とノズル片220の形状については、絞り部211の円弧の中心212と、絞り部221の円弧の中心222とが、スリット201の中央に対して、対称とならない位置にずれた円弧として形成される。
また、絞り部211の円弧の半径Rと、絞り部221の円弧の半径rも、長さを変える等して、絞り部221よりも絞り部211の方が、高い位置から絞りが始まるようにする。これにより、スリット201に付近における液体金属270の圧力が偏り、液体金属270の流れが、ガイド片230が連設されているノズル片210の側に寄らされる。
さらに、絞り部211の円弧の先端における接線213と、絞り部221の円弧の先端における接線223とは、平行よりも絞られる。例えば、絞り部221の最終点の接線223を絞り部211の円弧が終わった垂直接線部に対して2°以下(好ましくは1°)傾けて先細りにすることによっても、スリット201に付近における液体金属270の圧力が偏り、液体金属270の流れが、ガイド片230があるノズル片210の側に寄らされる。流れがガイド片230側に押し付けられることで、さらに安定した流れになる。
絞り部211及び絞り部221は、円弧状に限られないが、円弧の場合、絞り部211と絞り部221とで、異なる半径の円弧の形状を採用し、さらにスリット201をテーパ状に絞ることにより、ノズル200から放出された液体金属270の流れの自由表面を凹凸が少ない安定した流れにする。
絞り部211及び絞り部221をテーパ状にする場合は、ノズル200の長さが長くなるという欠点があるが、流路抵抗が少ない絞り角を採用し、その絞り角を15°以内(好ましくは13°以内)としてスリット201までに7°以内の折れ線で徐々に絞っていき、最後のスリット201の手前で2°以内(好ましくは1°以内)のテーパの絞りを付けたスリット201にすることによって、ノズル200から放出された液体金属270の流れの自由表面を凹凸が少ない安定した流れにする。なお、絞り角の折れ線部には丸みを付けて流れの乱れを防止する。
また、ノズル200の内面が粗いと液体金属270が流れにくくなるので、ノズル片210の内面及びノズル片220の内面の一方又は両方を鏡面状(例えば、算出平均粗さRa=0.05μm以下)に研磨して、液体金属270の滑りを良くしても良い。
ガイド片230から流れ落ちた液体金属270は、液体金属ループの循環路に戻し、熱交換器等に送られれば良い。なお、液体金属270と水が反応する場合は、液体金属270をオイルで冷却し、熱を吸収したオイルを水で冷却すれば良い。
このように、ターゲットである液体金属270を、途中で途切れることなく、常に安定した厚みで、高速に流すことにより、液体金属270の温度が上昇するのを抑制することができる。また、液体金属が途切れないので、それを流すためのガイド片230が溶けるのを防止することができる。
図8は、液体金属ターゲット用ノズル100の液体金属270を空中に直線状(液幕状)に流す場合の図である。図8に示すように、ノズル200aでは、ビーム遮蔽230aがスリット201よりも離れた位置に取り付けられ、液体金属270がビーム遮蔽230aに沿わずに、直線状に流下する。この場合、ガイド片がないので絞り部211の円弧が終わった垂直接線部に直線部を少し設けて、絞り部221の最終点の接線の角度を2°以下(好ましくは1°)で付けて(図7参照)流れを安定させる。
液体金属270を直線状に流した場合、表面張力により徐々に流体の幅が細くなり、途中で切れる場合やバラバラに分散する可能性があるので、スリット201の幅を大きく取って少なくとも陽子280の照射範囲において、液体金属270の幅と凹凸の少ない厚みが確保され、流れが安定していれば良い。
このように、ターゲットである液体金属270を、陽子280の照射範囲において安定した幅と厚みを確保して流下させることにより、陽子280が照射された液体金属270の温度が上昇するのを抑制することができる。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、BNCTのような医療施設だけでなく、IFMIF(国際核融合材料照射施設)などのような核融合施設、その他中性子科学の分野で利用可能である。また、金属以外の液体を安定的に流すためのノズルにも応用することが可能である。
100:液体金属ターゲット用ノズル
200:ノズル
200a:ノズル
201:スリット
210:ノズル片
211:絞り部
211a:絞り開始点
212:中心
213:接線
220:ノズル片
221:絞り部
221a:絞り開始点
222:中心
223:接線
230:ガイド片
230a:ビーム遮蔽
231:補強リブ
240:フランジ
250:カバー
260:継手
270:液体金属
280:陽子

Claims (4)

  1. 荷電粒子を照射して中性子を得るときのターゲットとなる液体金属を照射位置へ流すための液体金属ターゲット用ノズルであって、
    前記液体金属をノズル先端から流すときに幅広の液膜流を形成するための一方のノズル片と、
    前記一方のノズル片と対向し、ノズル先端に向かって前記一方のノズル片との間に形成されるスリットが狭まるように設けられた他方のノズル片と、
    前記一方のノズル片の先端から続く流路において、前記液体金属が滑流するように円弧状に湾曲させたガイド片と、を有し、
    前記一方のノズル片及び前記他方のノズル片は、内側に膨らむ円弧状に形成され、かつ、前記一方のノズル片の円弧中心と、前記他方のノズル片の円弧中心とが、前記スリットの中央に対して、対称の位置とならないように形成される、
    ことを特徴とする液体金属ターゲット用ノズル。
  2. 前記一方のノズル片と前記他方のノズル片とが、前記荷電粒子の照射位置における前記液体金属の流れが前記荷電粒子のエネルギーのブラッグピーク厚み以上となるように形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体金属ターゲット用ノズル。
  3. 前記一方のノズル片の先端における円弧の接線と、前記他方のノズル片の先端における円弧の接線とが、平行よりも2°以下の角度で絞られる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体金属ターゲット用ノズル。
  4. 前記一方のノズル片及び前記他方のノズル片の内面が研磨される、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の液体金属ターゲット用ノズル。
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