JP2013079766A - 回転式円型冷却装置及びこれを用いた焼結鉱の冷却方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転式円型冷却装置10は、回転テーブル13の上面に設けた外周側壁14と内周側壁15で構成された環状の冷却槽12と、内周側壁15下部に設けられた冷却用空気導入口18と、冷却した焼結鉱11を外周側壁14と回転テーブル13の隙間16から切出す切出装置23とを有し、冷却槽12の上方複数位置から内周側壁15の内面26側へ冷却水27を供給する冷却水供給手段25が設けられている。焼結鉱の冷却方法は、冷却水供給手段25により内周側壁15の内面26側に供給した冷却水27を内周側壁15を伝って流下させ、内周側壁15の内面26上部を冷却すると共に、冷却用空気導入口18まで流下した冷却水27を、冷却用空気により冷却槽12内の焼結鉱11内部に飛散させる。
【選択図】図1
Description
一方、高炉の生産性向上に伴い、高炉へ供給する焼結鉱量を増加させる必要があり、冷却装置による焼結鉱の冷却能力向上が求められている。
例えば、特許文献1には、温度を300℃以下にした焼結鉱に、ミストを含んだ空気を吹付けて冷却する方法が開示されている。
また、特許文献2には、焼結鉱の上部より散水し、焼結鉱の冷却速度を0.5〜15(℃/秒)以内に調整する方法が開示されている。
特許文献1の方法では、ノズルの構造が複雑になるため、設備コストがかかって不経済である。更に、圧縮空気を製造するための電力コストが上昇して不経済である。
また、特許文献2の方法は、高温の焼結鉱に直接散水するため、焼結鉱の冷却速度が大きくなって焼結鉱の品質低下(例えば、冷間強度)につながる。
(1)回転テーブルの上面の外側円周部に設けた外周側壁と、該外周側壁とは間隔を有して内側に設けた内周側壁とで構成され、上部から焼結鉱が装入される環状の冷却槽と、前記内周側壁の下部に設けられ、前記冷却槽内へ焼結鉱の冷却用空気を供給する冷却用空気導入口と、冷却用空気で冷却した焼結鉱を前記外周側壁の下端と前記回転テーブルの隙間から前記冷却槽の外部へ切出す切出装置とを有する回転式円型冷却装置において、
前記冷却槽の上方の複数位置から前記内周側壁の内面側へ、冷却水を供給する冷却水供給手段が設けられていることを特徴とする回転式円型冷却装置。
また、冷却用空気導入口まで流下した冷却水は、冷却用空気導入口から吹込まれる冷却用空気によって水滴状に細分化されるため、冷却槽内の焼結鉱内部に飛散させることができる。これにより、冷却槽内に供給された焼結鉱の下側層(低温側)を効率的に冷却できる。
従って、本発明の回転式円型冷却装置及びこれを用いた焼結鉱の冷却方法により、焼結鉱の品質低下を招くことなく、省電力化を図りながら、焼結鉱の冷却能力を向上できる。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る回転式円型冷却装置(以下、単に冷却装置ともいう)10は、焼結機(図示しない)で製造した高温の焼結鉱11が装入される平面視して環状の冷却槽12を有し、焼結鉱11の品質低下を招くことなく、省電力化を図りながら、焼結鉱11の冷却能力を向上できる装置である。以下、詳しく説明する。
冷却槽12は、回転テーブル13の上面の外側円周部に設けた外周側壁14と、この外周側壁14の半径方向内側に配置され、外周側壁14とは間隔を有して設けた内周側壁15とで構成されている。なお、外周側壁14の下端と回転テーブル13との間には、焼結鉱11を掻き出すための隙間16が、外周側壁14の周方向に渡って(環状に)設けられている。また、外周側壁14と内周側壁15との間隔は、下方へ向けて徐々に狭くなっている。
これにより、回転テーブル13の回転によって冷却槽12も回転する。
また、冷却槽12を構成する内周側壁15の半径方向内側には、複数の空気用配管19が、回転テーブル13の中央部から内周側ルーバ18へ向けて放射状に設けられている。なお、複数の空気用配管19は、クーラー天板20で覆われている。
これにより、ブロワ(図示しない)によって吸引した冷却用空気を、各空気用配管19を介して内周側ルーバ18に吹付け、冷却槽12内へ供給して、焼結鉱11を冷却できる。また、焼結鉱11の冷却に使用した冷却用空気は、冷却槽12の上部開口部20a及び外周側ルーバ17を介して冷却槽12外に排出される。
この各排鉱部22には、外周側壁14の下端の隙間16から、冷却槽12内の焼結鉱11を冷却槽12外へ切出す(掻き出す)スクレーパ(切出装置の一例)23と、回転テーブル13の下方位置に配置され、切出した焼結鉱11を搬送するベルトコンベア24(搬送手段)が設けられている。
これにより、焼結機で製造した焼結鉱11を、給鉱部21で上部から冷却槽12内へ供給した後、冷却用空気で冷却した焼結鉱11を、排鉱部22で冷却槽12内から外部へ排出し、ベルトコンベア24で高炉(図示しない)側に搬送できる。
供給ノズル25は、内周側壁15の内面26側へ冷却水27を供給できるように、冷却槽12の半径方向外側から上方へ延設された固定架台27aに、冷却槽12の周方向に複数(冷却装置の規模に応じて、例えば、2〜20個程度)取付け固定されている。なお、図2では、固定架台27aの図示を省略している。
この供給ノズル25は、冷却槽12内の焼結鉱11の冷却効率を考慮して、冷却槽12の周方向の異なる位置に設置しているが、設置位置は同一ピッチでもよく、また異なるピッチでもよい。なお、供給ノズルには、筒状の配管を使用できるが、例えば、先端部が水平方向に幅広となった扁平状の配管や、スプレー式のノズル等も使用できる。
これにより、冷却槽12の上方の複数位置から内周側壁15の内面26側へ、冷却水27を供給できる。
冷却水供給手段28は、冷却水27の供給ノズル29と、この供給ノズル29から供給される冷却水27を内周側壁15の内面26上に拡散させる拡散板30とを有している。
供給ノズル29は、固定架台27aに取付け固定されている。なお、供給ノズル29は、先端部が水平方向に幅広となった扁平状の配管であるが、筒状の配管でもよい。
拡散板30は、外周側壁14側から内周側壁15側(即ち、半径方向内側)へ向けて、下方へ傾斜した状態で、固定架台27aの下面に取付け固定されている。なお、拡散板30は、供給ノズル29を配置する基側(外周側壁14側)から先側(内周側壁15側)へかけて、その内幅が広がっている。
なお、散水受け板31は、必要に応じて設置しなくてもよい。
これにより、供給ノズル29から供給された冷却水27は、拡散板30上に流れ落ちた後、拡散板30の先側に向けて流下しながら、拡散板30の幅方向に広がる。そして、拡散板30から流れ出た冷却水27は、散水受け板31に衝突して下方に落下し、内周側壁15の内面26側へ、冷却水27を供給できる。
まず、回転式円型冷却装置10を駆動し、ブロワによって吸引した冷却用空気を、各空気用配管19を介して内周側ルーバ18に吹付け、冷却槽12内へ供給する。なお、冷却槽12内に吹込まれた冷却用空気は、外周側ルーバ17及び上部開口部20aを介して冷却槽12から排出される。
次に、焼結機で製造された高温の焼結鉱11を、予め設定した粒径以下に調整した後、回転テーブル13によって回転する冷却槽12内に、給鉱部21で上部から連続的に供給する。そして、冷却槽12内に供給した焼結鉱11を、冷却用空気で冷却しながら、各排鉱部22に設けられたスクレーパ23により、冷却槽12の下部から掻き出す。
しかし、高炉の生産性向上に伴い、高炉側へ供給する焼結鉱量を増加させる場合、冷却装置10での冷却能力を向上させなければ、焼結鉱11の冷却が不十分となり、ベルトコンベア24の損傷等を招く。
そこで、供給ノズル25により、冷却槽12の上方の複数位置から内周側壁15の内面26側へ冷却水27を供給する。
また、このとき、内周側ルーバ18から吹込まれる冷却用空気によって、内周側ルーバ18まで流下した冷却水27を、冷却槽12内の焼結鉱11内部に、水滴状に細分化して飛散させることができる。冷却槽12に装入された焼結鉱11は、冷却槽12が3〜4周する間に冷却槽12から排出されるため、飛散した冷却水がかかる焼結鉱11の温度は400℃程度以下に低下していることから、焼結鉱11の品質に悪影響を与えることがほとんどない。
なお、上記した効果を得るには、冷却槽12内に装入する焼結鉱の高さレベルが、少なくとも内周側ルーバ18の上端位置よりも高くなるように設定する。
ここで、冷却水供給量の設定手順について説明する。
なお、冷却水27の過剰供給の有無は、冷却槽12から排出される焼結鉱11の排出直後のベルトコンベア24の濡れ状態(ベルトコンベア24が濡れる程度で、目視により水溜まりが発生しない程度)を基準にして判断するのがよい。これは、冷却水27が過剰に供給されると(水溜まりが発生すると)、冷却槽12内に供給した冷却水27の多くが、焼結鉱11の冷却に寄与することなく、冷却槽12の底面まで到達し、その後の焼結鉱11の搬送過程において、詰まり等を生じる原因となるためである。
なお、冷却水27の過剰供給の有無は、上記したように、ベルトコンベア24の濡れ状態を基準にして判断するのがよい。
また、上記したように、冷却水27の供給量を減少させることなく、冷却用空気の供給量を調整するダンパーを用いて、冷却槽12に供給する冷却空気量を低減することもできる。これにより、更なる省電力化が図れる。
上記した方法により、焼結鉱の冷却を行ったところ、冷却水の供給開始前と比較して、冷却用空気を供給するブロワの平均電力量を70%程度まで低減できた。また、製造した焼結鉱の強度(品質)は、冷却水の供給開始前と比較してほとんど変化せず、予め設定した管理基準を十分に満足できるものであった。
以上のことから、本発明の回転式円型冷却装置及びこれを用いた焼結鉱の冷却方法を用いることで、焼結鉱の品質低下を招くことなく、省電力化を図りながら、焼結鉱の冷却能力を向上できる。
また、前記実施の形態においては、冷却水供給手段を、固定架台に取付け固定した場合について説明したが、内周側壁の内面側へ冷却水を供給できる構成であれば、これに限定されるものではない。例えば、内周側壁に供給ノズル(冷却水供給手段)を取付け、内周側壁の内面側へ冷却水を供給することもできる。
なお、冷却水供給手段を設ける冷却装置は、回転式の円型冷却装置であれば、前記実施の形態の構成に限定されるものではない。
Claims (3)
- 回転テーブルの上面の外側円周部に設けた外周側壁と、該外周側壁とは間隔を有して内側に設けた内周側壁とで構成され、上部から焼結鉱が装入される環状の冷却槽と、前記内周側壁の下部に設けられ、前記冷却槽内へ焼結鉱の冷却用空気を供給する冷却用空気導入口と、冷却用空気で冷却した焼結鉱を前記外周側壁の下端と前記回転テーブルの隙間から前記冷却槽の外部へ切出す切出装置とを有する回転式円型冷却装置において、
前記冷却槽の上方の複数位置から前記内周側壁の内面側へ、冷却水を供給する冷却水供給手段が設けられていることを特徴とする回転式円型冷却装置。 - 請求項1記載の回転式円型冷却装置において、前記冷却水供給手段は、冷却水の供給ノズルと、該供給ノズルから供給される冷却水を前記内周側壁の内面上に拡散させる拡散板とを有することを特徴とする回転式円型冷却装置。
- 請求項1又は2記載の回転式円型冷却装置を用いた焼結鉱の冷却方法であって、前記冷却水供給手段により前記内周側壁の内面側に供給した冷却水を、前記内周側壁を伝って流下させ、該内周側壁の内面上部を冷却すると共に、前記冷却用空気導入口から吹込まれる冷却用空気によって、該冷却用空気導入口まで流下した冷却水を、前記冷却槽内の焼結鉱内部に飛散させることを特徴とする焼結鉱の冷却方法。
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