JP2013078235A - リチウムイオンキャパシタを用いた電源装置、及び無線通信機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リチウムイオンキャパシタ20からなる発電素子を備える電源装置2であり、リチウムイオンキャパシタを2.0Vから3.2Vの電圧範囲で動作させる電力制御部22を有する。無線通信機器1であり、上記の電源装置と無線通信部5を含み、無線通信部は無線データ送受信部50とセンサー部51と制御実行部52と中継部53とを有する。
【選択図】図1
Description
その一例としては、エンオーシャン社より、環境発電素子と、センサと、無線トランシーバー等とを組合せた自己発電型センサモジュールが上市されており、外部からの給電が不要な点、センサモジュールと制御装置本体間の配線が不要な点、電池交換等のメンテナンスが不要な点がメリットとして提案されている。
ところで、従来の蓄電素子の用途においては、高エネルギー密度を重視する場合は二次電池、高入出力特性を重視する場合はキャパシタが選択されてきた。また、近年では新たな蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタも提案されている。
リチウムイオンキャパシタは、リチウム塩を含む非水系電解液を使用する蓄電素子(非水系リチウム型蓄電素子)の一種であり、正極においては電気二重層キャパシタと同様の陰イオンの吸着・脱着による非ファラデー反応、負極においてはリチウムイオン二次電池と同様のリチウムイオンの吸蔵・放出によるファラデー反応によって充放電を行う蓄電素子である。リチウムイオンキャパシタは、二次電池と比べると入出力特性や充放電の繰り返しや高温環境に対する耐久性に優れ、電気二重層キャパシタと比べるとエネルギー密度に優れる。
(2)環境発電素子と、リチウムイオンキャパシタからなる蓄電素子とを備えた電源装置。
(3)前記リチウムイオンキャパシタを2.0V〜3.2Vの電圧範囲で動作させる電力制御部を有する(1)又は(2)に記載の電源装置。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の電源装置と無線通信部とを含む無線通信機器。
この無線通信機器1は、電源装置2、無線通信、計測、及び制御を行う無線通信部5、並びに電波の送受信を行うアンテナ6を有する。電源装置2は、リチウムイオンキャパシタ20と、リチウムイオンキャパシタ20により発電された電力を制御した後に負荷へ供給するための電力制御部22とを有する。図中の実線は電力の流れを表し、点線は制御の流れを表している。
電力制御部22は電源マネージメント素子を有し、無線通信部5へ定電圧を供給する機能を有する。
無線通信部5は、無線データ送受信部50と、センサ部51と、制御実行部52と、中継部53とを有する。
制御実行部52はマイクロコントローラー素子を有し、無線通信機器内の他のデバイス(センサ、中継素子、電源マネージメント素子、無線トランシーバー/レシーバー)に対して制御信号を出力する機能や、タイマーやアクチュエータによる動作制御を行う機能を有する。
環境発電部21が交流電力を発電するものである場合(振動等の機械的な動作を電気に変換する圧電素子、電磁誘導素子、エレクトレット素子)には、電力制御部22は交流電力を整流・整圧してリチウムイオンキャパシタ20を充電する機能、無線通信部5へ定電圧を供給する機能を有する。
環境発電部21が直流電力を発電するものである場合(光電変換素子、熱電変換素子、レクチナ)には、電力制御部22は発電された直流電力を整圧してリチウムイオンキャパシタ20を充電する機能、無線通信部5へ定電圧を供給する機能を有する。
リチウムイオンキャパシタとしては、活性炭を正極活物質とする正極、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な物質を負極活物質とする負極、及びリチウム塩電解質を含む非水系電解液を有するリチウムイオンキャパシタを好適に用いることができる。
中でも、負極活物質としてグラファイト、難黒鉛化性炭素材料(ハードカーボン)または活性炭の表面に炭素質材料を被着させた複合多孔質炭素材料が好適に使用できる。なお、負極活物質にはリチウムイオンを電気化学的にプリドープしておく必要がある。具体的なプリドープ法としては、電解液中で負極をリチウム箔と接触させる方法などが知られている。
(1)BJH法で算出されたメソ孔量(直径が2nm以上50nm以下である細孔の量)Vm1(cc/g)が0.01≦Vm1<0.10である。
(2)MP法で算出されたマイクロ孔量(直径が2nm未満である細孔の量)Vm2(cc/g)が0.01≦Vm2<0.30である。
(3)BJH法で算出されたメソ孔量V1(cc/g)が、0.3≦V1<0.8である。
(4)MP法で算出されたマイクロ孔量V2(cc/g)が、0.5≦V2<1.0である。
(5)BET法で測定された比表面積が1500m2/g以上3000m2/g以下である。
ここで、マイクロ孔量及びメソ孔量は以下のような方法により求めた値である。試料を500℃で一昼夜真空乾燥を行い、窒素を吸着質とし吸脱着の等温線の測定を行なう。このときの脱着側の等温線を用いて、マイクロ孔量はMP法により、メソ孔量はBJH法により算出した。
セパレータはリチウムイオン二次電池に用いられるポリエチレン製の微多孔膜、もしくはポリプロピレン製の微多孔膜、または電気二重層コンデンサで用いられるセルロース製の不織紙などを用いることができる。セパレータの厚みは10μm以上50μm以下が好ましい。厚みが10μm以上であると、内部のマイクロショートによる自己放電が発生しにくくなるため好ましい。また、厚みが50μm以下であると、内部抵抗が低くなるため好ましい。
大出力での充放電を目的とする場合は出来る限り大きな電圧差で充放電させることが好ましいが、電解液の分解等に対する信頼性を確保するために、リチウムイオンキャパシタは通常、セル電圧が2Vから4Vの電圧範囲で使用される。
最大動作電圧は、セルの自己放電を抑制して充電特性を高める観点から、3.2V以下で使用することが好ましく、2.8V以下で使用することがより好ましい。従来技術のリチウムイオンキャパシタの使用においては、高入出力を得ることが主目的であったため、このように上限電圧を下げて充放電させる蓄電素子として使用することや、低電圧で放電する発電素子として使用するとの提案はなかった。
なお、リチウムイオンキャパシタの静電容量(C)は、正極の静電容量(C+)と負極の静電容量(C−)を用いて、1/C=1/C++1/C−で表される。負極の静電容量は、正極の静電容量の15倍以上であることが好ましく、20倍以上であることがより好ましく、25倍以上であることがさらに好ましい。負極の静電容量が15倍以上であれば、前述の自己発電能力により優れる。
(1)リチウムイオンキャパシタの内部抵抗
JIS C 5160−1に記載の交流抵抗法に準じて20℃における交流抵抗値を測定した。
(2)微小電流による充放電効率(%)
微小電流による充放電の条件として、測定温度を25℃、充電電流を50μA、放電電流を1mAとし、放電容量を充電容量で除した値を充放電効率(%)とした。
(3)フロート試験による自己発電電流値(μA)
フロート条件として、測定温度を60℃とし、定電圧放電させたときに流れる電流値とした。
参考評価例で使用したリチウムイオンキャパシタは、以下の製法により作製した。
破砕されたヤシ殻炭化品を小型炭化炉において窒素雰囲気中、500℃で炭化した。その後、窒素の代わりに1kg/hの水蒸気を予熱炉で加温した状態で炉内へ投入し、900℃まで8時間をかけて昇温した後に取り出し、窒素雰囲気下で冷却して賦活化された活性炭を得た。得られた活性炭を10時間通水洗浄した後に水切りした。その後、115℃に保持された電気乾燥機内で10時間乾燥した後に、ボールミルで1時間粉砕を行い、正極材料となる活性炭を得た。
本複合多孔性材料を83.4質量部、アセチレンブラックを8.3質量部、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を8.3質量部、及びNMP(N−メチルピロリドン)を混合して、スラリーを得た。次いで、得られたスラリーを厚さ14μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥し、プレスして、厚さ60μmの負極を得た。
リチウムイオンキャパシタとして静電容量が1Fのものを用い、充電開始電圧を2.0Vとして24時間定電流充電し、その後放電終了電圧を2.0Vとして定電流放電を行い、微小電流による充放電効率を測定した。測定結果を表1に示す。
リチウムイオンキャパシタとして静電容量が25Fのものを用い、充電開始電圧を2.0Vとして24時間定電流充電し、その後放電終了電圧を2.0Vとして定電流放電を行い、微小電流による充放電効率を測定した。測定結果を表1に示す。
リチウムイオンキャパシタとして静電容量が100Fのものを用い、充電開始電圧を2.0Vとして24時間定電流充電し、その後放電終了電圧を2.0Vとして定電流放電を行い、微小電流による充放電効率を測定した。測定結果を表1に示す。
電気二重層キャパシタとして静電容量が1Fのものを用い、充電開始電圧を0Vとして24時間定電流充電し、その後放電終了電圧を0Vとして定電流放電を行い、微小電流による充放電効率を測定した。測定結果を表1に示す。
リチウムイオン二次電池として静電容量が135mAhのものを用い、充電開始電圧を3.0Vとして24時間定電流充電し、その後放電終了電圧を3.0Vとして定電流放電を行い、微小電流による充放電効率を測定した。測定結果を表1に示す。
静電容量が1Fのリチウムイオンキャパシタを用い、充電開始電圧を2.0V、充電終了電圧を4.0Vとし、充電電流を50μA,及び1C(0.6mA)としたときの充電容量の差の比較を行った。ここで得られた値を50μA充電に要した時間で除することで、平均のリーク電流とした。測定結果を表2に示す。
静電容量が100Fのリチウムイオンキャパシタを用い、充電開始電圧を2.0V、充電終了電圧を4.0Vとし、充電電流を50μA,1C(60mA)としたときの充電容量の差の比較を行った。ここで得られた値を50μA充電に要した時間で除することで、平均のリーク電流とした。測定結果を表2に示す。
静電容量が1Fの電気二重層キャパシタを用い、充電開始電圧を0.0V、充電終了電圧を2.8Vとし、充電電流を50μA,及び1C(1.0mA)としたときの充電容量の差の比較を行った。ここで得られた値を50μA充電に要した時間で除することで、平均のリーク電流とした。測定結果を表3に示す。
静電容量が100Fのリチウムイオンキャパシタを用い、2.0Vにおけるフロート試験時における電流値の測定を行った。その結果を表3に示す。
静電容量が1Fの電気二重層キャパシタを用い、0Vにおけるフロート試験時における電流値の測定を行った。その結果を表4に示す。
静電容量が1Fのリチウムイオンキャパシタを用い、測定温度を25℃として定電圧放電を1時間行い、その後4.0Vまで充電をした後に交流抵抗値を測定した。定電圧放電前後の交流抵抗値の比較を行い、放電前の交流抵抗値に対して放電後の交流抵抗値の比率を求めた。その結果を表5に示す。
2:電源装置
20:リチウムイオンキャパシタ
21:環境発電部
22:電力制御部
5:無線通信部
50:無線データ送受信部
51:センサ部
52:制御実行部
53:中継部
6:アンテナ
Claims (4)
- リチウムイオンキャパシタからなる発電素子を備えた電源装置。
- 環境発電素子と、リチウムイオンキャパシタからなる蓄電素子とを備えた電源装置。
- 前記リチウムイオンキャパシタを2.0V〜3.2Vの電圧範囲で動作させる電力制御部を有する請求項1又は2に記載の電源装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電源装置と無線通信部とを含む無線通信機器。
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