JP2013076967A - 液晶滴下工法用シール剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のエポキシ基や(メタ)アクリル基を分子中に有し、反応性の官能基が含まれない(メタ)アクリル重合体を添加した組成物では困難であった、ITOガラスに対する密着性および促進試験後の密着力を維持し、またガラス転移点を高く保つ新規組成の液晶滴下工法用シール剤を提供する。
【解決手段】(A)〜(C)成分を含む、熱硬化および光硬化する液晶滴下工法用シール剤。(A)成分:エポキシ樹脂。(B)成分:(メタ)アクリル樹脂。(C)成分:水酸基を有するが、(メタ)アクリル基およびエポキシ基を有さない(メタ)アクリル重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶素子の製造方法である、液晶滴下工法用に適したシール剤に関するものである。
液晶素子の不良はシール剤が原因で発生するものが多く、表示ムラ、液晶の漏洩などが知られている。表示ムラについては、未硬化部からシール剤の成分が液晶に溶け出したり、硬化された後でシール剤から発生する揮発成分などのコンタミネーションにより液晶を汚染することが知られている。そのため、液晶と相溶しにくくしたり、アウトガスを減らすなどの対処法で液晶に対する汚染性を低下させる。しかしながら、シール剤の亀裂、被着体からの界面剥離、シール剤そのものの膨潤などが原因で発生する液晶の漏洩は液晶素子を促進試験にかけなければ発見しにくい不良原因であり、シール剤そのものの特性が影響する。特に、液晶素子で必須材料であるITOガラスは、ガラス表面を無機膜で処理しており、熱などによりITO面が変化しやすいため、シール剤の密着性に関して不安定要因になる可能性がある。促進試験も様々なものが実施されている。具体的には高温試験(80℃雰囲気)、ヒートサイクル試験(−20℃〜60℃)、高温高湿試験(85℃×85%RH)ヒートショック試験(−20℃×30分〜60℃×30分)、プレッシャークッカー試験などが挙げられ、有機材料に最も厳しい試験がプレッシャークッカー試験である。120℃で2atm雰囲気下で水分がシール剤に浸透するため、被着体とシール剤の界面に水分が強制的に侵入してシール剤の密着性が低下する。また、シール剤そのものに水分が浸透した場合は、シール剤そのものが劣化する。シール剤の汚染性が注目されているが、過酷な促進試験によるシール剤の密着性低下についてはあまり検討がなされていない。また、ガラス転移点が高い硬化物であれば、促進試験の雰囲気温度がガラス転移点を上回ることがなく、促進試験に対しても耐性を有する可能性がある。
本発明の様に(メタ)アクリル重合体を使用している公知技術としては、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、グリシジル(メタ)アクリレートのラジカル重合体、つまり、エポキシ基を有する(メタ)アクリル重合体を用いた液晶滴下工法用シール剤の発明が記載されている。特許文献1では表示ムラおよび初期接着強度について試験を行っている。表示ムラについては80℃×1000時間の促進試験を行っているが、接着強度に関する試験では通常の無アルカリガラスを使用し、促進試験も行われておらず、ITOガラスに対する密着性および耐性についても明確ではない。
また、特許文献2では、(メタ)アクリル酸エステルと他のエチレン性不飽和単量体の共重合体を用いており、エポキシ基と(メタ)アクリル基が有する共重合体を用いる旨記載されている。特許文献2では、表示特性、UV硬化およびUVと加熱併用の硬化による無アルカリガラスに対する初期接着強度について行われてる。表示特性についてはシールぎわまで表示特性確認と初期接着強度が発現の確認のみ行われており、促進試験については行われていないため、ITOガラスに対する密着性および耐性についても同様に明確ではない。
特開2008−107738号公報 特開2007−225772号公報
従来の液晶滴下工法用シール剤では、エポキシ基や(メタ)アクリル基を分子中に有する(メタ)アクリル重合体では、ITOガラスに対する密着性および促進試験後の密着力を維持することが困難であった。また、反応性の官能基が含まれない(メタ)アクリル重合体を添加した組成物は、ガラス転移点が低く傾向が見られ、ガラス転移点を高く保つことが困難であった。
本発明者らは上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、水酸基を有するがエポキシ基および(メタ)アクリル基を有さない(メタ)アクリル重合体を用いることで本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施形態は、(A)〜(C)成分を含む、熱硬化および光硬化する液晶滴下工法用シール剤である。
(A)成分:エポキシ樹脂
(B)成分:(メタ)アクリル樹脂
(C)成分:水酸基を有するが、(メタ)アクリル基およびエポキシ基を有さない(メタ)アクリル重合体
本発明の第二の実施形態は、(C)成分が25℃で液状であると共に重量平均分子量が7000〜20000である第一の実施形態に記載の液晶滴下工法用シール剤である。
本発明の第三の実施形態は、(A)成分としてジグリシジルオキシベンゾフェノンを含み、実質的に1分子中にエポキシ基および(メタ)アクリル基を有する化合物を含まない、第一または第二の実施形態に記載の液晶滴下工法用シール剤である。
本発明の第四の実施形態は、(B)成分として式1の化合物を含む、第一から第三の実施形態のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール剤である。
(Rは水素またはメチル基を、Rはメチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を、nは1〜5の整数を示す。)
本発明の第五の実施形態は、第一から第四の実施形態のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子である。
本発明は、液晶パネルに繁用される透明導電ガラスであるITOガラス(錫ドープ酸化インジウム)の密着性に優れ、促進試験後でもその接着力が維持され、硬化物のガラス転移点が高い液晶滴下工法用シール剤である。
本発明の詳細を次に説明する。本発明で使用することができる(A)成分としては、エポキシ基樹脂である。1分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物であり、一般的にエポキシ樹脂と呼ばれ、本発明の(A)成分にはエポキシ基と(メタ)アクリル基を両方有するエポキシ樹脂は除かれる。1種類だけ使用しても2種類以上を混合して使用しても良い。エポキシ樹脂の具体例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノール類などの多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られるもので、例えばビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ノボラック型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を例示することができる。その他エピクロルヒドリンとフタル酸誘導体や脂肪酸などのカルボン酸との縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとアミン類、シアヌル酸類、ヒダントイン類との反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、さらには様々な方法で変性したエポキシ樹脂を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市販されているエポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製のjER827、jER828等、大日本インキ工業株式会社製のEPICLON830、EXA−835LV等が挙げられる。東都化成株式会社製エポトートYD−128、YDF−170等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
価格面を考慮すれば汎用的にはビスフェノールA型やF型のエポキシ樹脂を使用するが、これらのエポキシ樹脂は液晶を汚染するため使用できない場合もある。一方、エポキシ樹脂成分の添加量が少ないと接着力が低下する傾向が見られ、(メタ)アクリル樹脂のみからなるシール剤は接着力が低い傾向が見られる。液晶汚染性を考慮すると、(A)成分はジグリシジルオキシベンゾフェノンであることが好ましい。また、全体に占める割合が低くても接着力が充分な接着力が発現する。基本骨格がジグリシジルオキシベンゾフェノンであれば良く、例えば4,4’−ジグリシジルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジグリシジルオキシベンゾフェノン、2,4−ジグリシジルオキシベンゾフェノンなどが使用でき、複数の骨格が結合した多量体が含まれていても良い。本発明で使用することのできる(A)成分としてのジグリシジルオキシベンゾフェノンは、対応するジヒドロキシベンゾフェノンを公知の方法で、例えばアルカリ触媒下でエピクロルヒドリンと反応させる等の方法によりジグリシジル化すれば得ることができる。
本発明で使用することができる(B)成分は、(メタ)アクリル樹脂である。当該化合物としては単官能、2官能、3官能、多官能のモノマーやオリゴマーなどが有る。しかしながら、本発明の(B)成分は、(メタ)アクリル基とエポキシ基を両方有する(メタ)アクリル樹脂は除かれる。(以下、アクリル、メタクリルを総称して(メタ)アクリルと呼ぶ。)
(メタ)アクリル基を有する単官能化合物としては、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート 、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下ECHと略記)変性ブチル(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下EOと略記)変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
二官能化合物としては、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドサイド(以下POと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ECH変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、EO変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
三官能化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
多官能化合物としてはジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
アクリルオリゴマーとしては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラック型、多価アルコール型、多塩基酸型、ポリブタジエン型のエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル型、ポリエーテル型のウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明において、エポキシ(メタ)アクリレートとは分子内にエポキシ基が残留していない化合物を指す。
本発明では、二官能化合物である式1を用いる事が好ましい。式1は(A)〜(C)成分全てに相溶性が良いと共に、組成物の樹脂成分である(A)〜(C)成分の混合物の粘度を下げることができるため、有機・無機充填剤、光開始剤、熱硬化剤を添加したシール剤の状態で内径の小さいノズルでも糸引きが発生せず、ディスペンス特性が良好になる。具体的には、共栄社化学株式会社製のエポキシエステル40EM、70PA、200PA、80MFAなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。さらに、これらは不純物を除いて高純度化することでさらに液晶滴下工法用シール剤として適したものとなる。
(A)成分と(B)成分の合計が100質量部の場合、(A)成分と(B)成分の比率は40:60〜10:90が好ましい。(B)成分が60より少ないと、光照射時に十分な強度が発現しない。一方、(B)成分が90より多いと、促進試験により強度が低下する恐れがある。
本発明で使用することができる(C)成分としては、水酸基を有するが、エポキシ基および(メタ)アクリル基を有さない(メタ)アクリル重合体を使用することができる。(C)成分は25℃で液状であると共に、重量平均分子量(Mw)が7000〜20000であることが好ましい。(C)成分の具体例としては東亞合成株式会社製のARUFONシリーズが挙げられ、UHシリーズとしてUH−2000、UH−2032、UH−2041、UH−2130が水酸基を有する(メタ)アクリル重合体として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
25℃で固体の場合、組成物に溶解させる作業が必要であると共に、組成物としては粘度が高くなり塗布時に糸引きの問題が発生する。通常、(メタ)アクリルモノマーの重合体であれば結晶化することは無いが、スチレンなどの芳香族骨格を含む化合物の共重合体の場合は25℃で固体であることが多い。
エポキシ樹脂はアニオン重合またはカチオン重合し、(メタ)アクリル樹脂はラジカル重合(場合によってはアニオン重合またはカチオン重合)するため反応形態が異なる。そのため、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル樹脂をつなぐエポキシ基と(メタ)アクリル基を両方有する化合物を添加して両反応形態をつなぐ手法も知られている。しかしながら、当該化合物は原料である多官能エポキシ樹脂に対して、部分的に(メタ)アクリル酸を式2の様なエステル化することで合成されるため、原料のコストが高くなることが予想される。
液晶滴下工法用シール剤の分野では、(メタ)アクリル樹脂によるラジカル重合による光硬化後に、エポキシ樹脂によるアニオン重合による熱硬化により最終的に硬化が完了する。つまり、光硬化により仮固定を行うと共に、液晶パネルの陰部は光硬化できないため熱硬化により陰部を硬化させる。しかしながら、光硬化した際に(メタ)アクリル樹脂はそのほとんどが反応して高分子化しているためシール剤は硬化しているが、加熱していないためエポキシ樹脂は(メタ)アクリル樹脂の硬化物中に未硬化の状態で分散していると考えられる。(メタ)アクリル樹脂は接着性が低いため、分散されたエポキシ樹脂により密着性を発現する必要がある。未硬化のエポキシ樹脂が、被着体とシール剤の界面に分散していない場合、つまり完全に(メタ)アクリル樹脂中に分散されている場合は、当該エポキシ樹脂は密着性に関与することができないと考えられる。はっきりした原因は判明していないが、当該(C)成分を添加することで、エポキシ樹脂を被着体との界面に分散させる役割があると推測され、本発明では(A)成分と(B)成分に対して(C)成分を添加することでITOガラスに対する密着性が安定すると考えられる。
(A)成分と(B)成分の合計質量部が100質量部に対して、(C)成分の添加量としては1〜30質量部が好ましい。1質量部より少ないと密着性が安定化せず、30質量部より多いとガラス転移点が低下する。
本発明に使用することができる熱硬化剤としては、通常エポキシ樹脂に使用する硬化剤を使用することができる。特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等に代表されるエポキシ樹脂と三級アミン化合物が途中段階まで反応したエポキシアダクト化合物が一般的に知られている。前記エポキシアダクト化合物を微粉砕した粉体が、潜在性を有する硬化剤として使用できる。熱硬化剤の具体例としては、味の素ファインテクノ株式会社製のアミキュアシリーズや、富士化成工業株式会社製のフジキュアシリーズや旭化成ケミカルズ株式会社製のノバキュアシリーズなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール等のアルキルイミダゾール化合物、フェニルイミダゾール、ナフチルイミダゾール等のアリールイミダゾール化合物、2−アミノエチルイミダゾール、2−アミノプロピルイミダゾール等のアミノアルキルイミダゾール化合物、アジピン酸ジヒドラジド、エイコサン2酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等のヒドラジド化合物、アミンイミド、ポリアミン、ジシアンジアミド、第三ホスフィン類、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、2種類以上組み合わせて使用することもできる。本発明においては、ジヒドラジド誘導体が好ましい。
本発明の液晶シール剤に関して、熱風乾燥炉等により加熱により反応が進む硬化性を熱硬化と呼ぶ。本発明では、液晶パネルにダメージを加わらない程度の温度で加熱する必要があるため、80〜140℃で熱硬化する事が好ましい。
(A)成分などのエポキシ樹脂成分の合計100質量部に対して、熱硬化剤が1〜50質量部添加されることが好ましい。上記添加量より少なすぎても多すぎても硬化性が悪くなる傾向がある。
本発明で使用することができる光開始剤としては、可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線によりラジカル種を発生するラジカル系光開始剤とブレンステッド酸やルイス酸などのカチオン種を発生するカチオン系光開始剤が知られている。発生したラジカル種および/またはカチオン種により、(メタ)アクリル基を有する化合物を架橋する目的に添加する。本発明の液晶シール剤に関して、前記エネルギー線で硬化する硬化性を光硬化と呼ぶ。
前記ラジカル系光開始剤の具体的としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記カチオン系光開始剤の具体例としては、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられるが、具体的にはベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロフォスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロボーレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロフォスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロボーレート、4,4‘−ビス[ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォニオ]フェニルスルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフォニウムヘキサフルオロフォスフェート等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
(B)成分や(C)成分などの(メタ)アクリル樹脂からなる(メタ)アクリル樹脂成分の合計100質量部に対して、光開始剤が0.1〜5.0質量部であることが好ましい。光開始剤が0.1質量部より少ないと光硬化性が低下して、液晶接触時に液晶汚染を引き起こす。また、5.0質量部より大きいとアウトガスが発生する。
保存安定性を保つために重合禁止剤を使用することができるが、重合禁止剤は添加量が多すぎると保存安定性が良くなる一方で、反応性が遅くなるため0.001〜0.1質量%にすることが好ましい。具体例としては、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイリオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合禁止剤などが上げられるが、これに限定されるものではない。
有機充填剤および無機充填剤等の粉体成分を除いた全ての成分の組成物を基本組成物とする。この場合、粉体状の熱硬化剤及び光開始剤は基本組成物に含むものとする。明確な理由は確認されていないが、基本組成物の粘度は塗布特性に影響を与える。塗布特性を維持するためには基本組成物の粘度が、25℃において100〜170Pa・sであることが好ましい。100Pa・sより低い粘度の場合、充填剤で粘度調整を高くするとビード切れが発生する。一方、170Pa・sより高い粘度の場合、少量の充填剤を添加しただけでも塗布作業時に糸引きが発生する。
本発明の液晶滴下工法用シール剤には、本発明の特性を損なわない範囲において反応性希釈剤(低分子量エポキシ樹脂)、(メタ)アクリルモノマー(単官能(メタ)アクリル樹脂)、反応抑制剤、顔料、染料などの着色剤、金属粉、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アモルファスシリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の無機充填剤、難燃剤、有機充填剤、コアシェル型充填剤、可塑剤、酸化防止剤、消泡剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤等の添加剤を適量配合しても良い。これらの添加により樹脂強度・接着強さ・作業性・保存性等に優れた組成物およびその硬化物が得られる。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1〜8、比較例1〜7>
液晶滴下工法用シール剤を調製するために下記成分を準備した。(以下、液晶滴下工法用シール剤をシール剤と呼ぶ。)
(A)成分:エポキシ樹脂
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂:「jER828 三菱化学株式会社製」
(B)成分:(メタ)アクリル樹脂
・ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート:「EBECRYL3700 ダイセルサイテック株式会社製」
・ポリエチレングリコールのメタクリル酸付加物「デナコールアクリレートDM−811 ナガセケムテック株式会社製」
・エポライト40Eメタクリル酸付加物「エポキシエステル40EM 共栄社化学株式会社製」
(C)成分:水酸基を有するが、(メタ)アクリル基およびエポキシ基を有さない(メタ)アクリル重合体
・水酸基含有無溶剤型アクリルポリマー(Mw:11000):「ARUFON UH−2000 東亞合成株式会社製」
・水酸基含有無溶剤型アクリルポリマー(Mw:2500):「ARUFON UH−2041 東亞合成株式会社製」
(C’)成分:(C)成分以外の(メタ)アクリル重合体
:エポキシ基含有無溶剤型アクリルポリマー(Mw:3000)「ARUFON UG−4000 東亞合成株式会社製」
光開始剤
・2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン:「IRGACURE651 チバスペシャリティーケミカルズ製」
熱硬化剤
・アジピン酸ジヒドラジド:「ADH 大塚化学株式会社製」
有機充填剤
・コアシェル型充填剤:「ゼフィアックF351 ガンツ化成株式会社製」
無機充填剤
・球状シリカ粉:「SO−C1 株式会社アドマテックス製」
[(A)成分の製造例1]
還流装置、攪拌装置、減圧装置、滴下装置を備えたフラスコ中に、4,4’−ジヒドロキ
シベンゾフェノン214重量部(1.0mol)およびエピクロルヒドリン1110重量
部(12.0mol)を仕込み、滴下装置中に水酸化ナトリウム166.6重量部(2.
0mol)を48重量%水溶液として入れておく。水酸化ナトリウム水溶液を、内部温度
60〜80℃で100〜150Torrの還流下で2時間かけて滴下し、同時に、共沸蒸
留により水を除去した。その後さらに2時間反応させた後、脱エピクロルヒドリン、水洗
、脱溶剤およびろ過をして4,4’−ジグリシジルオキシベンゾフェノンを得た。これをエポキシ樹脂1とする。
[(A)成分の製造例2]
(A)成分の製造例1で使用した4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンを2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノンに換えた他は(A)成分の製造例1と同様にして2,2’−ジグリシジルオキシベンゾフェノンを得た。これをエポキシ樹脂2とする。
[(A)成分の製造例3]
(A)成分の製造例1で使用した4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンを2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンに換えた他は(A)成分の製造例1と同様にして2,4−ジグリシジルオキシベンゾフェノンを得た。これをエポキシ樹脂3とする。
(A)成分、(B)成分、(C)成分を撹拌機にて30分間撹拌した。その後、その他成分を添加してさらに30分間撹拌した。詳細な調製量は表1および表2に従い、数値は全て質量部で表記する。
実施例1、2、比較例1、2のシール剤について促進試験、ガラス転移点測定を実施した。その結果を表3にまとめた。さらに、実施例3〜8、比較例3〜7に関しては、基本組成物の粘度測定、粘度測定、相転移温度測定、比抵抗測定、促進試験、ガラス転移点測定を実施したその結果を表4にまとめた。
[促進試験]
一方のITOガラス板(50mm×25mm×0.7mm)にシール剤を塗布し、他方のITOガラス板と十字形に貼り合わせて、貼り合わせ面にシール剤が充分広がる状態で固定する。ランプ高さ15cmの高圧水銀灯で照度100mWで30秒照射した後、120℃×1時間加熱してテストピースを作成する。室温に戻った後、テストピースの各ガラス板の両端をチャックで固定し、引張速度50mm/minにてはく離方向に引っ張り、試験片が破壊するまでの最大荷重を測定して「初期の剥離強度(N/m)」とした。前記のテストピースを複数個作成し、試験片をプレッシャークッカー試験で120℃で2atmの雰囲気下に24時間放置したテストピースについて、同様の測定を行った。この時の剥離強度を「試験後の剥離強度(N/m)」とする。「初期の剥離強度(N/m)」とプレッシャークッカーによる「試験後の剥離強度(N/m)」より、数式1から「剥離強度保持率(%)」を計算し、高圧高湿に対する耐性の目安とする。液晶パネルの耐久性に係わる試験項目であり、剥離が発生することは液晶漏洩に繋がる。そのため、過酷な耐久試験であるプレッシャークッカー試験において剥離強度保持率が80〜120%が好ましく、さらに好ましくは90〜110%である。通常は、プレッシャークッカー試験後に強度が低下する傾向があるが、剥離強度保持率が120%より数値が大きくなる場合は、シール剤の硬化が充分に進んでおらず、プレッシャークッカー試験中に硬化が進んだと考えられ初期の硬化状態が不安定と推測される。また、80%より数値が小さくなる場合は、接着力の低下が見られる。
[ガラス転移点測定]
シール剤を10mm×50mm×0.2mmの短冊状の薄片状に塗布し、これに積算光量3000mJ/cmの紫外線を照射して光硬化させた。更に、120℃雰囲気で60分間の加熱を行い、熱硬化させて試験片を得た。動的粘弾性測定装置 DMS6100(セイコーインスツル株式会社製)にて以下の測定条件により測定を行い、tanδの極大値よりシール剤硬化物の「ガラス転移点(℃)」とする。液晶パネルの使用環境を考慮すると、シール剤の物理特性が発現するのが100℃であれば、使用環境でシール剤の役割を維持できるのでガラス転移点は110℃以上が好ましいが、更に好ましくは120℃以上である。
測定条件
昇温速度:3℃/min
周波数:1Hz
温度範囲:−20℃〜200℃
実施例1と2は促進試験の剥離強度保持率が90〜110%に入っており、高温高圧下にさらされてもITOガラスに対して安定して接着されていることがわかる。一方、比較例1と2では試験後の剥離強度が、変化しており強度が高くなる低くなるという傾向は異なるが変化していることが分かる。また、25℃で液状であり、反応性の官能基を有さない化合物は可塑剤として使用され、可塑剤はガラス転移点を下げる傾向が見られる。しかしながら、実施例1および2で使用している(C)成分では、(C)成分が無添加の比較例1と比較してそれほどガラス転移点の低下が見られない。
[粘度測定]
1ccのシール剤を採取して、測定用カップに吐出する。以下の条件で、EHD型粘度計(東機産業株式会社製)にて粘度測定を行った。その結果を「粘度(Pa・s)」とする。作業性の観点から、200〜400Pa・sの粘度が好ましく、最も好ましくは300〜380Pa・sである。基本組成物も同様の方法で行う。
測定条件
コーンローター:3°×R14
回転速度:1.0rpm
測定時間:5分
測定温度:25℃(恒温槽により温度制御する)
[相転移温度測定]
相転移温度測定は、液晶に対する汚染性の評価方法の一つであり、汚染した液晶が本来の相転移温度とどれだけ違いが出ているかを確認しており、相転移温度差が大きければそれだけ汚染されていると考える。サンプル瓶に液晶シール剤を0.15g入れた後、TN液晶(メルク株式会社製 ZLI−4792)1.5gを加える。前記サンプル瓶を100℃の熱風乾燥炉に10時間投入した後、取り出して室温にて1時間放置する。サンプル瓶から上澄み液(液晶)を取り出し、示差走査熱量測定器DSC6200(セイコーインスツル株式会社製)にて測定した時の相転移温度(吸熱ピーク温度)を測定する。一方、液晶シール剤を接触させないで同様の処理をした液晶の相転移温度を事前に測定しておく。前記二つの温度差を「相転移温度差(℃)」とする。前記液晶に代えてVA液晶(メルク株式会社製 MLC−7026−100)に関しても試験を行った。相転移温度差の絶対値が0.0〜1.0℃が好ましく、1.0℃より大きく変化すると液晶汚染により液晶パネルにて表示の不具合が発生する可能性がある。
[比抵抗測定]
比抵抗測定は、液晶に対する汚染性の評価方法の一つであり、汚染した液晶が本来の比抵抗とどれだけ違いが出るかを確認しており、比抵抗の変化が大きいほど液晶が汚染されていると考える。サンプル瓶に液晶シール剤を0.15g入れた後、TN液晶(メルク株式会社製 ZLI−4792)1.5gを加える。前記サンプル瓶を100℃の熱風乾燥炉に10時間投入した後、取り出して室温にて1時間放置する。サンプル瓶から上澄み液(液晶)を取り出し、液体電極LE21(安藤電気株式会社製)に入れて、液晶比抵抗測定システム(株式会社東陽テクニカ製)およびエレクトロメーターModel6517A(KEITHLEY製)により測定電圧10Vで5秒後の液晶の比抵抗(Ω・m)を測定する。前記液晶に代えて、VA液晶(メルク株式会社製 MLC−7026−100)に関しても同様の試験を行った。一方、液晶シール剤を接触させないで同様の処理をした液晶の比抵抗を事前に測定しておく。その結果、TN液晶の比抵抗は1.8×1013Ω・mで、VAの比抵抗は1.3×1012Ω・mあった。数式2より計算した値を「比抵抗比率(単位無し)」とする。比抵抗比率は相転移温度測定と同様に、液晶汚染の目安とする。傾向としては、液晶汚染が進めばそれだけ比抵抗(Ω・m)が小さくなっていくため、比抵抗比率は0.1以上が好ましい。
実施例3〜8と比較して(C)成分を添加していない比較例3〜6は試験後の剥離強度において強度が低下している。さらに、(A)成分としてエポキシ樹脂1〜3を使用することにより相転移温度と比抵抗比率も良好であり、液晶滴下工法用シール剤として最適である。また、比較例7は、実施例3〜8と比較して剥離強度保持率が高く変化するため、促進試験において硬化が進んでいる可能性が有ると共に、ガラス転移点も低めに発現するためシール剤として好ましくない。
大型の液晶表示パネルでは液晶滴下工法による製造が主流になっている。本発明の液晶シール剤は液晶滴下工法に対応するために必要な、剥離強度およびその耐久性に関して液晶滴下工法に適した特性を有している。これら発明の特徴から、接着面積が大きい大型表示素子に対応できるため、必然的に小型の表示素子にも本発明は充分に対応可能であり、様々なサイズのパネルを組み立てることに使用できる。

Claims (5)

  1. (A)〜(C)成分を含む、熱硬化および光硬化する液晶滴下工法用シール剤。
    (A)成分:エポキシ樹脂
    (B)成分:(メタ)アクリル樹脂
    (C)成分:水酸基を有するが、(メタ)アクリル基およびエポキシ基を有さない(メタ)アクリル重合体
  2. (C)成分が25℃で液状であると共に重量平均分子量が7000〜20000である請求項1に記載の液晶滴下工法用シール剤。
  3. (A)成分としてジグリシジルオキシベンゾフェノンを含み、実質的に1分子中にエポキシ基および(メタ)アクリル基を有する化合物を含まない、請求項1または2のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール剤。
  4. (B)成分として下記の化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール剤。
    (Rは水素またはメチル基を、Rはメチレン基、エチレン基、プロピレン基またはブチレン基を、nは1〜5の整数を示す。)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液晶滴下工法用シール剤を用いた液晶表示素子。
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