JP2013076363A - 内燃機関の燃焼状態検出装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の各気筒の失火やノッキングを確実に判定する。
【解決手段】内燃機関の各気筒の筒内圧による点火プラグ5の軸方向の変位を検出するように、座金44に対して半導体型歪みセンサ20が設けられている。各気筒の爆発行程における歪みセンサ20の出力信号ないしその積分値を閾値と比較することで、失火を判定し、ノッキングに特有な周波数帯域を抽出して、その積分値を閾値と比較することでノッキングを判定する。燃焼室周囲の歪みから失火やノッキングをより直接的に検出するので、広範な運転条件下で失火等の判定が可能である。2つの気筒間に1つの歪みセンサ20を配置することで、気筒数よりも少ない個数の歪みセンサ20による全気筒の燃焼状態の検出も可能である。
【選択図】図6

Description

この発明は、内燃機関の各気筒の燃焼状態、例えば、各気筒の失火の有無やノッキング状態を検出する装置に関する。
多気筒内燃機関において一部気筒の失火を検出するために、クランクシャフト後端のリングギアなどを利用してクランクシャフトの角速度の変動を監視し、各気筒の燃焼行程に対応する期間での角速度に基づいて失火判定を行う失火診断装置が、特許文献1等によって公知である。
また、内燃機関のノッキングは、特許文献2に開示されているように、一般に、内燃機関のシリンダブロックに、該シリンダブロックの外壁の振動を検出するノッキングセンサを配置し、その出力信号の中から特定の周波数成分を抽出することによって、その判定が行われる。
一方、近年、従前の抵抗線式歪みゲージに代えて、半導体基板に複数の拡散抵抗からなるホイートストンブリッジ回路を形成するとともに、増幅回路を同じ基板上に形成した半導体型歪みセンサが本出願人らによって種々提案されている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−77898号公報 特開昭58−45520号公報 特開2005−114443号公報
上記従来の失火診断装置では、各気筒の失火をクランクシャフトの角速度から間接的に把握しようとしているため、内燃機関の過渡時や変速時などには検出精度が低下し、正確な失火判定を行うことができない。
また、従来のノッキング検出装置においては、振動センサによってシリンダブロックの外壁の振動を検出するものであるため、ノッキング以外の要因に起因する振動いわゆるバックグラウンド振動と分離する必要があり、やはり特定の運転条件において、その検出精度が低下しやすい。
本発明は、各気筒の爆発燃焼によるシリンダブロックやシリンダヘッド等の歪みを歪みセンサによって検出することで、失火の検出ないしノッキングの検出を行うようにした新規な内燃機関の燃焼状態検出装置を提供することを目的としている。
この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置は、内燃機関の燃焼室を囲む部分の筒内圧による変位を検出するように配置された少なくとも1つの歪みセンサを備え、この歪みセンサの検出信号に基づいて各気筒の失火もしくはノッキング発生の少なくとも一方の検出を行う。歪みセンサとしては、半導体基板に拡散抵抗ならびに増幅回路を形成した半導体型歪みセンサが好適であり、このような半導体型歪みセンサでは、非常に高い感度が得られ、シリンダブロックやシリンダヘッドあるいは燃焼室に装着される点火プラグなど内燃機関の燃焼室を囲む各部の筒内圧による微小変位を高精度に検出することが可能である。特に増幅回路を一体化した形式のものでは、耐ノイズ性が高く、内燃機関の点火系などのノイズを影響を受けることがない。
歪みセンサは、例えば、燃焼室に装着された点火プラグの軸方向の変位を検出するように各気筒毎に設けることができ、あるいは、シリンダブロック等の外壁に貼着するようにしてもよい。
本発明の好ましい一つの態様では、気筒数よりも少ない個数の歪みセンサを具備し、各歪みセンサが、隣接する2つの気筒の間に配置されている。つまり、1つの歪みセンサが2つの気筒の燃焼状態を検出でき、例えば、気筒数の半分の個数の歪みセンサで全気筒の燃焼状態の検出が可能である。
このような場合に、好ましくは、上記歪みセンサとして、第1の方向の伸びに対し正の出力信号を出力するとともに、上記第1の方向と異なる第2の方向の伸びに対し負の出力信号を出力する半導体型歪みセンサが用いられ、隣接する一方の気筒の爆発燃焼と他方の気筒の爆発燃焼とで正負の異なる出力が得られるように気筒間に配置される。このようにすれば、1つの歪みセンサの対象となる2つの気筒の燃焼行程が近接していても、両者の爆発燃焼に伴う検出信号を互いに容易に識別できる。
また、一つの態様として、上記内燃機関が、複数個のシリンダ壁が直列に連続してなるサイアミーズ型シリンダブロックを有している場合に、一対のシリンダボア間の隔壁の内部に、該隔壁の歪みを検出するように各歪みセンサを配置することもできる。つまり、2つのシリンダボアの間の隔壁は、一方の気筒の燃焼行程では筒内圧によって他方の気筒のボアの方へ向かって変位し、他方の気筒の燃焼行程では逆に一方の気筒のボアの方へ向かって変位する。これにより、2つの気筒の燃焼状態の検出が可能である。
この発明によれば、内燃機関の燃焼室を囲むシリンダブロックやシリンダヘッドあるいは点火プラグ等の歪みから失火やノッキングをより直接的に検出することができ、内燃機関の過渡変化や外部の振動などの影響を受けずに広範な運転条件下で失火やノッキングの検出が可能となる。
この発明の一実施例の構成を概略的に示した構成説明図。 エンジンコントロールユニットの構成を概略的に示した説明図。 エンジンコントロールユニットの機能を概略的に示した機能ブロック図。 歪みセンサの取付状態を示す内燃機関上面の平面図。 歪みセンサの取付状態を示す内燃機関要部の横断面図。 その要部の拡大断面図。 燃焼状態検出装置の機能ブロック図。 歪みセンサ信号ソフトフィルタ部の機能ブロック図。 失火の有無に応じた筒内圧信号の波形を示す説明図。 失火判定部の機能ブロック図。 個々の失火判定部の詳細を示す機能ブロック図。 個々の失火判定部の他の例を示す機能ブロック図。 ノッキングの有無に応じた筒内圧信号の波形を示す説明図。 ノック判定部の機能ブロック図。 個々のノック判定部の詳細を示す機能ブロック図。 図15におけるノック信号処理部の詳細を示す機能ブロック図。 図15におけるノック信号処理部の他の例を示す機能ブロック図。 本発明の第2の実施例における歪みセンサの取付状態を示すシリンダヘッド上面の平面図。 第2の実施例における失火の有無に応じた筒内圧信号の波形を示す説明図。 第2の実施例における失火判定部の機能ブロック図。 第2の実施例におけるノッキングの有無に応じた筒内圧信号の波形を示す説明図。 第2の実施例におけるノック判定部の機能ブロック図。 歪みセンサの他の配置例を示す内燃機関上面の平面図。 同じく内燃機関の縦断面図。 歪みセンサのさらに他の配置例を示す内燃機関の側面図。
以下、この発明に係る内燃機関の燃焼状態検出装置の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、自動車用内燃機関1に適用した一実施例の構成を概略的に示した説明図であって、内燃機関1は、例えば直列4気筒の火花点火式ガソリン機関からなり、各気筒のシリンダ2内にピストン3によって燃焼室4が画成されている。この燃焼室4の頂部中央には、点火プラグ5が配置されている。点火プラグ5の各々は、点火コイルを含む点火ユニット18に接続されている。
内燃機関1の吸気通路6には、吸入空気量を検出する例えばホットワイヤ式の吸入空気量センサ8と、吸気通路面積を制御するスロットル弁9と、が設けられているとともに、吸気コレクタ10部分に、スロットル弁9下流での吸気温度を検出する吸気温センサ11が設けられている。また、スロットル弁9をバイパスしたバイパス通路の空気流量を調整するISC(アイドルスピードコントロール)バルブ12を備えている。スロットル弁9として電子制御型スロットル弁を用いる場合には、上記ISCバルブ12を省略することも可能である。さらに、吸気ポートへ向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁13が設けられている。なお、本発明においては、図示したポート噴射型ではなく、筒内に燃料を噴射する筒内噴射型の構成であってもよい。内燃機関1の排気通路7には、空燃比制御に用いられる公知の酸素濃度センサ14(あるいは空燃比センサ)が配置されている。
また、内燃機関1には、さらに、ウォータジャケット内の冷却水温を検出する水温センサ15、スロットル弁9の開度を検出するスロットル開度センサ16、カムシャフトの回転角度からカム角ひいてはクランク角を検出するクランク角センサ17、イグニッションキースイッチ19、などが設けられており、これらの検出信号ないし出力信号は、エンジンコントロールユニット21に入力されている。なお、カム角センサとクランク角センサとを別個に備えた構成としてもよい。また、本発明の要部である歪みセンサ20が、後述するように各気筒の点火プラグ5基部に配置されており、その検出信号はエンジンコントロールユニット21に入力されている。エンジンコントロールユニット21は、上記のような種々のセンサの検出信号に基づいて、燃料噴射弁13による燃料噴射量ならびに噴射時期、点火ユニット18を介した点火プラグ5の点火時期、ISCバルブ12の開度、などを制御している。
図2に概略を示すように、エンジンコントロールユニット21は、入出力ポート31、CPU32、ドライバ33、図示せぬROM、RAM、等を含んで構成されており、上述したように、種々のセンサの検出信号が入出力ポート31を介して入力されるとともに、各気筒の燃料噴射弁13や点火ユニット18等がドライバ33を介して駆動される。
図3は、上記エンジンコントロールユニット21によって実現される機能を機能ブロック図として示したものであり、図示するように、エンジンコントロールユニット21は、内燃機関1の回転数(回転速度)を求めるエンジン回転数計算手段101、吸入空気量を求める吸入空気量計算手段102、基本燃料噴射量を求める基本燃料計算手段103、機関の負荷と回転速度に応じた燃料噴射量の補正係数を求める基本燃料補正係数計算手段104、基本点火時期を求める基本点火時期計算手段105、アイドル時に目標アイドル回転数に沿うようにバイパス空気量を制御するISC制御手段107、運転条件に応じて目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段109、酸素濃度センサ14の検出信号に基づいて空燃比フィードバック補正係数を求める空燃比帰還制御係数計算手段108、この空燃比フィードバック補正係数などを含む最終的な燃料噴射量の補正を行う基本燃料補正手段110、最終的な点火時期の補正を行う点火時期補正手段111、を備えている。これらは基本的には公知の構成であり、その詳細な説明は省略する。
そして、この実施例においては、各気筒毎に設けた歪みセンサ20からの検出信号に基づいて各気筒の燃焼行程(爆発行程)中の筒内圧を求める筒内圧検出手段112と、この筒内圧に基づいて、各気筒の燃焼状態の検出、詳しくは失火およびノッキングの判定を行う燃焼状態検出手段113と、を備えている。
図4〜図6は、各点火プラグ5に対する歪みセンサ20の取付状態の詳細を示している。図示するように、内燃機関1の燃焼室4は、各シリンダ2がシリンダボアとして形成されたシリンダブロック41と、このシリンダブロック41の上面に固定されてシリンダボアを覆うシリンダヘッド42と、で構成されており、さらに、頂部のプラグ孔に点火プラグ5が螺合して、燃焼室4を密閉している。従って、点火プラグ5は、燃焼室4内の圧力つまり筒内圧を軸方向に受け、筒内圧が高いほど軸方向外側へ変位する。点火プラグ5の基部フランジとシリンダヘッド42側の座面との間には、シール部材となる金属製の円環状の座金44が介在しており、この座金44の軸方向の変位を検出するように、該座金44の外周部に歪みセンサ20が設けられている。一つの例としては、図6に例示するように、自由端部が座金44上面に接する片持ち状の検知プレート45がシリンダヘッド42にネジ46等で固定されており、この検知プレート45の上面に歪みセンサ20が貼着されている。つまり、座金44上面の軸方向の変位に伴って検知プレート45が撓み、その歪みが歪みセンサ20によって検出される。
上記歪みセンサ20は、半導体基板に複数の拡散抵抗からなるホイートストンブリッジ回路を形成するとともに、増幅回路を同じ基板上に形成した半導体型歪みセンサから構成されている。このような半導体型歪みセンサ20は、特定の方向(一般には互いに直交する2方向)に沿った歪みに対し高い感度を有しているが、この歪み検出方向が上記検知プレート45の撓みに対応するように歪みセンサ20が配置されている。なお、歪みセンサ20の具体的な取付構造は図6の例に限定されるものではなく、座金44ないし点火プラグ5の軸方向の変位に歪みセンサ20が応答し得るように取り付ければ、どのような取付構造であってもよい。半導体型歪みセンサの感度は非常に高く、筒内圧による点火プラグ5の極僅かな変位を十分に検出することができる。また、1〜2mm角程度の小型の構成であり、座金44ないし点火プラグ5に対して配置することが十分に可能である。特に、増幅回路を一体化した半導体型歪みセンサにあっては、耐ノイズ性が高く、ノイズ源となる点火プラグ5近傍においても、ノイズの影響を受けることがない。なお、ワイヤレスで給電ならびに出力信号の送信が可能な半導体型歪みセンサも近年開発されており、この種の歪みセンサを用いることも可能である。
次に、上記歪みセンサ20から得られる検出信号の信号処理について説明する。
図7は、本発明の燃焼状態検出装置の要部を示した機能ブロック図であって、図示するように、ノイズフィルタ51を含む歪みセンサ20からの出力信号は、歪みセンサ信号ソフトフィルタ部52に入力され、不要な振動成分を除去するためにフィルタリングされる。この歪みセンサ信号ソフトフィルタ部52としては、特に限定されるものではないが、例えば、図8に示すような実質的な加重平均処理によって処理され、ブロック61において機関回転速度に応じて設定される重み係数によって重み付けがなされる。歪みセンサ信号ソフトフィルタ部52からの出力信号は、図7に示すように、信号処理部53を介して失火判定部54およびノック判定部55へ入力される。なお、図7の歪みセンサ信号ソフトフィルタ部52、信号処理部53、失火判定部54およびノック判定部55が、図3の筒内圧検出手段112および燃焼状態検出手段113に実質的に対応する。
図9は、上記の信号処理部53から出力される出力信号の波形、換言すれば、筒内圧に応じて生じる歪み量の信号波形を示している。図の上段は、直列4気筒機関を例に、各気筒の行程を示している。なお、図示例では、説明の単純化のために、点火順を♯1→♯2→♯3→♯4として説明してある。そして、図の中段は、全ての気筒が失火することなく燃焼している正常燃焼時の特性であり、図の下段は、♯1気筒が失火した場合の特性を示している。
図9に示すように、筒内圧は、圧縮行程において吸気の圧縮に伴って僅かに上昇し、その後、点火されて爆発燃焼することにより、爆発行程(燃焼行程)において急激に上昇し、かつ排気行程へ向かって徐々に低下していく。これに対し、仮に失火が生じていると、下段の♯1気筒の例に示すように、吸気の圧縮に伴う圧力上昇のみで、爆発燃焼による圧力上昇は見られない。従って、点火の適当なクランク角範囲、例えば圧縮上死点から排気下死点までの爆発行程に対応する180°CAの区間における筒内圧に基づいて、失火判定が可能である。
上記失火判定部54は、この実施例においては、図10に示すように、各気筒毎の歪みセンサ20に対応する気筒毎の失火判定部54a,54b,54c,54dを備えている。これらの失火判定部54a〜54dには、対応する気筒の爆発行程の区間の始点および終点を示す信号が入力されており、各失火判定部54a〜54dは、この区間の筒内圧信号に基づいて失火判定を行い、失火と判定した場合には、それぞれ失火信号を出力する。
図11は、失火判定部54a〜54dの一例を示す機能ブロック図である。この例は、爆発行程中の特定のクランク角における筒内圧の値を比較部61において閾値と大小比較し、閾値よりも小であれば失火と判定するようにしたものである。歪みセンサ20からの信号は、爆発行程の間、所定クランク角(単位クランク角)毎にサンプリングされるが、圧縮上死点からあるクランク角だけ遅延したタイミングで遅延器62からトリガー信号が出力され、そのときの歪みセンサ20の出力が保持されて、比較部61に入力される。圧縮上死点からの遅延角度(クランク角)つまり上記トリガー信号のタイミングは、正常燃焼と失火とをより明確に判別できるように、ブロック63において内燃機関1の負荷と回転速度とに基づいて決定される。これは、例えば、圧縮上死点後30°CA付近に設定される。同様に、閾値も、運転条件による筒内圧の変動を考慮して、ブロック64において内燃機関1の負荷と回転速度とに基づいて決定される。
図12は、失火判定部54a〜54dの他の例を示す機能ブロック図である。この例は、爆発行程中の筒内圧信号を積分していき、その積分値を比較部66において閾値と大小比較し、閾値よりも小であれば失火と判定するようにしたものである。歪みセンサ20からの信号は、爆発行程の間、所定クランク角(単位クランク角)毎にサンプリングされるが、積分器67において順次積分され、比較部66に入力される。筒内圧の大きさは内燃機関1の運転条件によって変化するので、閾値は、ブロック68において内燃機関1の負荷と回転速度とに基づいて決定される。
このようにしていずれかの気筒で失火と判定した場合に、その失火判定情報をどのように用いるかは任意であり、例えば、エンジンコントロールユニット21が、当該気筒の失火を抑制するように、何らかの運転パラメータ例えば点火時期や燃料噴射量等を補正ないし変更するように構成してもよく、あるいは、警告灯の点灯などにより運転者に報知するように構成してもよい。あるいは単に自己診断の情報として記録し、車両点検時等に読み出して用いるようにしてもよい。
次に、各気筒のノッキングの有無を判定するノック判定部55について説明する。図13は、図9と同様に、上記の信号処理部53から出力される筒内圧信号の波形を示しており、特に、図の中段における正常燃焼時の特性に対し、図の下段に、各気筒でノッキングが発生している場合の特性を示している。図示するように、ノッキングが生じると爆発行程における筒内圧の上昇が急激となり、かつ筒内圧のピーク後に大きな圧力変動が見られる。
上記ノック判定部55は、この実施例においては、図14に示すように、各気筒毎の歪みセンサ20に対応する気筒毎のノック判定部55a,55b,55c,55dを備えている。これらのノック判定部55a〜55dには、対応する気筒の爆発行程の区間の始点および終点を示す信号が入力されており、各ノック判定部55a〜55dは、この区間の筒内圧信号に基づいてノック判定を行い、ノッキングと判定した場合には、それぞれノッキング信号を出力する。
図15は、ノック判定部55a〜55dの一例を示す機能ブロック図である。この例では、爆発行程の中でも、筒内圧がピークに近い特定のレベルを越えた時点から排気下死点までの区間(図13の「信号処理区間」参照)の信号を抽出するようにしている。つまり、ブロック71において内燃機関1の負荷と回転速度とに基づいて圧力閾値が設定され、所定クランク角(単位クランク角)毎にサンプリングされる筒内圧信号が、比較部72においてこの圧力閾値を越えると、フリップフロップ73がセットされて、ノック信号処理部74へ筒内圧信号が取り込まれ、爆発行程が終了すると、フリップフロップ73がイネーブルとなってノック信号処理部74への入力が終了する。上記ノック信号処理部74は、図16に例示するように、歪みセンサ20の出力信号からバンドパスフィルタ75によってノッキングに特徴的な所定の帯域の周波数成分を抽出した後に、積分器76によって積分処理を行う。なお、このノック信号処理部74は、所定時間毎に実行されるルーチンによって処理され、従って、時間積分となる。この積分値が比較部77において閾値と比較され、閾値を越えていれば、ノッキングと判定される。上記閾値は、ブロック78において、内燃機関1の負荷と回転速度とに基づいて決定される。
図17は、ノック信号処理部74の他の例を示す機能ブロック図である。なお、このノック信号処理部74も、所定時間毎に実行されるルーチンによって処理される。この例では、歪みセンサ20の出力信号がフーリエ変換器81に入力され、ここで高速フーリエ変換することによって、ノッキングに特有な複数の周波数スペクトルが求められる。そして、個々の周波数スペクトルは、比較部82a〜82dにおいて各々の閾値と比較される。各比較部82a〜82dの出力は、さらにアンドゲート83に入力される。従って、全てのスペクトルが閾値を越えている場合に、ノッキングと判定される。各スペクトルの閾値は、それぞれ、ブロック84a〜84dにおいて、内燃機関1の負荷と回転速度とに基づいて決定される。なお、周波数スペクトルの個数は、図示例では4つであるが、これに限定されるものではなく、演算負荷等を考慮して適宜に設定することが可能である。閾値の設定によっては、単一のスペクトルでも判定が可能である。
このようにして判定されるノッキングの有無の情報は、基本的には、点火時期の補正に用いられる。ノッキング判定に基づく点火時期のフィードバック補正により、各気筒の燃焼状態を、いわゆるトレースノック状態に維持することが可能である。
次に、図18に基づいて、本発明の燃焼状態検出装置の第2の実施例を説明する。この実施例は、前述した実施例と同じく直列4気筒機関を例にしているが、気筒数よりも少ない個数、具体的には気筒数の半分となる2個の歪みセンサ20でもって4気筒の失火判定およびノッキング判定を行うようにしたものである。
この実施例の歪みセンサ20は、やはり半導体基板に複数の拡散抵抗からなるホイートストンブリッジ回路を形成するとともに、増幅回路を同じ基板上に形成した半導体型歪みセンサから構成されているが、特に、図示するように、第1の方向(便宜上、これをX方向とする)の伸びに対し正の出力信号を出力するとともに、上記第1の方向と異なる第2の方向(便宜上、これをY方向とする)の伸びに対し負の出力信号を出力する半導体型歪みセンサからなる。上記X方向とY方向は、この実施例では、互いにほぼ直交しているが、必ずしも90°である必要はなく、適宜な角度で公差するように構成することができる。なお、このような特性は、特許文献3にも記載されているように、拡散抵抗やホイートストンブリッジ回路の構成によって実現される。
図18は、内燃機関1のシリンダヘッド42を上面から見た状態で示しており、図示するように、♯1気筒と♯2気筒の間、および、♯3気筒と♯4気筒の間、にそれぞれ歪みセンサ20が配置され、シリンダボアを覆うシリンダヘッド42の底壁の上面に貼着されている。例えば、接着剤を介した接合、溶接、などが可能である。ここで、各歪みセンサ20の取付位置は、2つのシリンダ2の中心同士を結ぶ直線から側方へオフセットしており、上述したX方向が一方のシリンダ2の半径方向にほぼ沿うと同時に、Y方向が他方のシリンダ2の半径方向にほぼ沿うように配置されている。つまり、♯1気筒と♯2気筒の間に位置する歪みセンサ20は、♯1気筒の爆発燃焼に伴うシリンダヘッド42の歪みをX方向に沿った歪みとして検知し、♯2気筒の爆発燃焼に伴うシリンダヘッド42の歪みをY方向に沿った歪みとして検知する。♯3気筒と♯4気筒の間の歪みセンサ20も同様である。なお、シリンダヘッド42内には吸気カムシャフト87と排気カムシャフト88とが並んで設けられているが、歪みセンサ20は、排気系からの熱的影響を考慮して、吸気カムシャフト87寄りに配置されている。
従って、各歪みセンサ20から得られる出力信号は、図19に示すようになり、例えば、♯1気筒と♯3気筒の筒内圧は正の出力として、♯2気筒と♯4気筒の筒内圧は負の出力として、それぞれ得られる。従って、仮に多気筒内燃機関として2つの気筒の爆発行程が近接している場合でも、2つの気筒の筒内圧変化を容易に識別することができる。図の中段は、全ての気筒が失火することなく燃焼している正常燃焼時の特性であり、図の下段は、♯2気筒が失火した場合の特性を示している。
前述した図7および図8の機能ブロック図は、1つの歪みセンサ20が2つの気筒をカバーするようにした上記第2の実施例においても、特に変わることなく適用される。一方、図20は、図10の構成に代えて適用される失火判定部54の機能ブロック図を示しており、この第2の実施例においては、2つの歪みセンサ20に対応して、2つの失火判定部54A,54Bを備えている。これらの失火判定部54A,54Bには、対応する2つの気筒の爆発行程の区間の始点および終点を示す信号が入力されており、各失火判定部54A,54Bは、これら2つの区間の筒内圧信号に基づいて気筒毎に失火判定を行い、失火と判定した場合には、それぞれ失火信号を出力する。ここで、歪みセンサ20が出力する筒内圧信号は、上述のように気筒毎に正負の信号となるので、絶対値に変換した上で失火判定部54A,54Bに入力される。なお、失火判定部54A,54Bの詳細は、前述した図11,図12の例と特に変わりがない。
図21は、第2の実施例におけるノッキング発生時の筒内圧信号の波形を示している。特に、図の中段における正常燃焼時の特性に対し、図の下段に、各気筒でノッキングが発生している場合の特性を示している。図示するように、ノッキングが生じると爆発行程における筒内圧の上昇が急激となり、かつ筒内圧のピーク後に大きな圧力変動が見られる。
図22は、図14のノック判定部55の構成に代えて第2の実施例において適用されるノック判定部55の機能ブロック図を示している。この第2の実施例においては、2気筒ずつをカバーする2つの歪みセンサ20に対応して、2つのノック判定部55A,55Bを備えている。これらのノック判定部55A,55Bには、対応する2つの気筒の爆発行程の区間の始点および終点を示す信号が入力されており、各ノック判定部55A,55Bは、これら2つの区間の筒内圧信号に基づいて気筒毎にノック判定を行い、ノッキングと判定した場合には、それぞれノッキング信号を出力する。ここで、歪みセンサ20が出力する筒内圧信号は、上述のように気筒毎に正負の信号となるので、絶対値に変換した上でノック判定部55A,55Bに入力される。ノック判定部55A,55Bの詳細は、前述した図15〜図17の例と特に変わりがない。
上記のように、第2の実施例においては、1つの歪みセンサ20が2つの気筒をカバーしているが、これは、図18のような配置に限らず、2つの気筒の歪みを1つの歪みセンサ20が検知し得るように種々の配置が可能である。
図23および図24は、その一例を示しており、シリンダブロック41の一対のシリンダボア間の隔壁に歪みセンサ20が配置されている。つまり、この実施例では、シリンダブロック41が、シリンダボア間にウォータジャケットを具備せずに複数のシリンダ2が一連に鋳造されたいわゆるサイアミーズ型シリンダブロックとして構成されており、♯1気筒のシリンダボアと♯2気筒のシリンダボアとの間の隔壁91、および、♯3気筒のシリンダボアと♯4気筒のシリンダボアとの間の隔壁92、にそれぞれ歪みセンサ20が埋め込まれている。より具体的には、隔壁91,92内部にシリンダブロック41上端面からスリット状の取付孔93が形成され、その底部に歪みセンサ20が挿入されている。そして、歪みセンサ20の一方の面が、取付孔93の♯1気筒(あるいは♯3気筒)側の内壁面に接合され、他方の面が、取付孔93の♯2気筒(あるいは♯4気筒)側の内壁面に接合されている。従って、例えば♯1気筒が爆発燃焼すると、隔壁91は図24の右側へ向かって膨らむように歪み、♯2気筒が爆発燃焼すると、隔壁91は図24の左側へ向かって膨らむように歪み、歪みセンサ20は、これらの歪みを、それぞれ異なる方向の歪みとして検出することができる。なお、歪みセンサ20は、図23に示すように2つの気筒の中心を通る直線上にほぼ位置し、かつ図24に示すようにシリンダ2の比較的上方の高さ位置に位置する。
また図25は、歪みセンサ20の配置のさらに他の例を示している。この実施例では、やはり♯1気筒と♯2気筒の間、および、♯3気筒と♯4気筒の間、にそれぞれ歪みセンサ20が配置されているが、特に、シリンダブロック41の外壁に各歪みセンサ20が貼着されている。これらの歪みセンサ20は、前述したX方向およびY方向が、それぞれ内燃機関1の水平面に対し約45°傾斜した方向となる姿勢でもって取り付けられており、隣接する一方の気筒の爆発燃焼と他方の気筒の爆発燃焼とで正負の異なる出力が得られる。
以上、この発明を直列4気筒機関に適用した一実施例を説明したが、この発明は、直列4気筒機関に限定されず、直列3気筒、直列5気筒のような奇数気筒数のものや、V型機関などに広く適用することが可能である。また、上記の実施例では、歪みセンサの検出信号に基づき失火判定とノッキング判定との双方を行っているが、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。
1…内燃機関
4…燃焼室
5…点火プラグ
20…歪みセンサ
21…エンジンコントロールユニット
41…シリンダブロック
42…シリンダヘッド
52…歪みセンサ信号ソフトフィルタ部
53…信号処理部
54…失火判定部
55…ノック判定部

Claims (6)

  1. 内燃機関の燃焼室を囲む部分の筒内圧による変位を検出するように配置された少なくとも1つの歪みセンサを備え、この歪みセンサの検出信号に基づいて各気筒の失火もしくはノッキング発生の少なくとも一方の検出を行うことを特徴とする内燃機関の燃焼状態検出装置。
  2. 気筒数よりも少ない個数の歪みセンサを具備し、各歪みセンサが、隣接する2つの気筒の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  3. 上記歪みセンサは、第1の方向の伸びに対し正の出力信号を出力するとともに、上記第1の方向と異なる第2の方向の伸びに対し負の出力信号を出力する半導体型歪みセンサからなり、隣接する一方の気筒の爆発燃焼と他方の気筒の爆発燃焼とで正負の異なる出力が得られるように気筒間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  4. 上記歪みセンサは、シリンダブロックの外壁に貼着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  5. 上記内燃機関がサイアミーズ型シリンダブロックを有し、一対のシリンダボア間の隔壁の内部に、該隔壁の歪みを検出するように各歪みセンサが配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
  6. 上記歪みセンサは、燃焼室に装着された点火プラグの軸方向の変位を検出するように各気筒毎に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態検出装置。
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