JP2013076288A - 複合ラス及びその製造方法並びにモルタル外壁通気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】通気層を形成するために胴縁や通気部材等を用いる必要を一切なくし、複合ラスの取り付け工程を行うことのみで通気層を形成することができ、経済性と作業性(施工性)に優れた複合ラスを提供し、更に同複合ラスの製造方法、並びに前記複合ラスを用いたモルタル外壁通気構造を提供する。
【解決手段】縦方向へ間隔をあけて横向き方向へ配置された複数本の横力骨2を備えたラス網3と、及び前記ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とから成り、前記横力骨2を備えたラス網3と防水紙5を表面側から背面側へ凹溝状に突出させた突条部10aが、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて、同横力骨2とは直交する縦向き方向に複数本形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、建築物のモルタル外壁を構築する目的で使用する複合ラスと、同複合ラスの製造方法、並びに前記複合ラスを用いて構築するモルタル外壁通気構造の技術分野に属する。
建築物の外壁構造は、外壁の中に雨水や湿気などの水分が浸入すると、該水分が滞留し、柱、土台などの木材を腐朽させたり、白蟻の被害を促進させることになり、耐久性に悪影響を及ぼすという問題点が指摘されている。また、近年、建築物の高気密化および高断熱化が進み、建築物外壁の内外に大きい温度差が生じることに起因して、外壁内部で結露が生じる問題も指摘されている。
そのため、前記水分や結露の問題を解消するべく、モルタル外壁の内部には通気層を形成する施工法(外壁通気工法)の需要が増大している。
従来のモルタル外壁通気工法又はモルタル外壁通気構造は、例えば特許文献1の図3、図4に示されているように、建築物の内壁パネルとモルタル壁との間に通気層を形成するため、内壁パネルへ胴縁を間隔をあけて取り付け、この胴縁へラスを貼り付けることによって通気層を確保している。
また、特許文献2の図5(a)には、同発明の従来技術として、建築物の躯体(柱、間柱等)の外面の防水シート(又は下地合板)とモルタル層との間に、通気層が形成されるように縦胴縁を所定の間隔で配設した構成が開示されている。
更に本出願人は、縦力骨と横力骨でラスを間に挟んだ構成で同力骨を縦横方向へ格子状に配設し、前記縦力骨とラスとの間に設けたテープ材で防水紙を止め付けて裏打ちした構成の複合ラスを開発している(特許文献3参照)。
特開平11−152872号公報 特開2008−95445号公報 特開2008−240365号公報
上記特許文献1に開示されたように、建築物の外壁パネルの内側に縦方向の胴縁を所定間隔をあけて取り付け、この胴縁にラスを貼って通気層を形成する構成がこれまでの一般的な通気工法であった。
上記特許文献2の図1〜図3には、胴縁を用いない発明が開示されている。具体的には、防水シートとラスと通気部材とを一体化した建築物外壁用下地材を提案し、建築物の躯体を組み立てた後に、前記外壁用下地材(ラス)の取り付け工程を行うと通気層を形成できる構成が開示されている。
この特許文献2に係る建築物外壁用下地材によれば、胴縁の取り付け工程を省略できるので、工期の短縮化を図ることはできる。しかしながら、通気層を形成するためには別途通気部材を必要とする。
本発明の目的は、上記特許文献3に開示した複合ラスを更に改良して、通気層を形成するために胴縁や通気部材等を用いる必要を一切なくし、複合ラスの取り付け工程を行うことのみで通気層を形成することができ、経済性と作業性(施工性)に優れた複合ラスを提供し、更に同複合ラスの製造方法、並びに前記複合ラスを用いたモルタル外壁通気構造を提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る複合ラス10は、
縦方向へ間隔をあけて横向き方向へ配置された複数本の横力骨2を備えたラス網3と、及び前記ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とから成り、
前記横力骨2を備えたラス網3と防水紙5を表面側から背面側へ凹溝状に突出させた突条部10aが、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて、同横力骨2とは直交する縦向き方向に複数本形成されている構成を特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した複合ラス10において、
当該複合ラス10を構成する前記横力骨2を備えたラス網3と防水紙5は止着材により結合して一体化されている構成を特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した複合ラス10において、
前記突条部10aには、横力骨2と同方向の通気路を確保するため、表面側へ押し戻した凹部21が断続的に設けられている構成を特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した複合ラス20において、
前記凹部21は、隣接する横力骨2と横力骨2との間の中央部位に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る複合ラス20の製造方法は、
縦方向の間隔をあけて横向き方向に配置された複数本の横力骨2を備えたラス網3の背面に防水紙5を裏打ちして平板状の複合ラス素材10’を製造し、しかる後に前記複合ラス素材10’の横力骨2とラス網3及び防止紙5を合一に、裏面側へ凹溝状に突出させた突条部10aを、横力骨2と同方向へ一定の間隔をあけて縦向き方向に複数形成し、
しかる後に、隣接する横力骨2と横力骨2の間の突条部10aの一部を、前記の如く突出させた方向とは反対側へ押し戻した通気路21を形成することを特徴とする。
請求項6に記載した発明に係る外壁通気構造は、請求項1〜4のいずれかに記載した複合ラスを用いた外壁通気構造であって、
複合ラス10若しくは20又は30の突条部10aの頂部を、建築物の躯体を構成する柱11及び間柱12へ取り付けた外壁パネル13へ当接させ、その当接箇所を固定具6で固定することにより、外壁パネル13と複合ラス10若しくは20又は30との間に通気層7を形成した複合ラス10若しくは20又は30の張設を行い、
前記のように張設した複合ラス10若しくは20又は30の表面側へモルタル9を塗着してモルタル壁を形成することを特徴とする。
請求項1〜4に記載した発明に係る複合ラス10若しくは20又は30は、縦方向に間隔をあけて配置された横力骨2を備えたラス網3と、該ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とで構成し、前記横力骨2とラス網3及び防水紙5を合一に表面側から裏面側へ凹溝状に突出(又は膨出)させた突条部10aを、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて、同横力骨2とは直交する縦向き方向に形成しているので、この複合ラス10を請求項6に記載した発明のように、各突条部10aの頂部を、建築物の躯体を構成する柱11及び間柱12へ取り付けた外壁パネル13と当接させ、その当接箇所を固定具6で固定することにより、外壁パネル13と複合ラス10(の防水紙5)との間に通気層7を形成できる。よって、同複合ラス10の表面側へモルタル9を塗着することにより、前記通気層7を通気構造に形成したモルタル外壁を構築できる。つまり、胴縁を必要とせず、また、複合ラスに特別な棒状の通気部材を取り付ける必要もない。従って、経済性および作業性に優れた複合ラスを提供できる。要するに、本発明の複合ラス10を用いると、モルタル外壁に一定の通気構造(通気層7)を確実に十分に形成することができる。
また、モルタル外壁に通気層7を形成するための胴縁や通気部材等の部材を用いる必要がない分だけ、建築物の躯体を組み立てる手間と材料を省ける。その上、本発明の複合ラスは、外壁パネル13へ取り付ける工程を行うだけで、同時に通気層7を形成できる便利さが在る。
加えて、請求項3、4に記載した複合ラス20を用いると、モルタル外壁に窓開口22となる部分が形成される場合であっても、前記複合ラス20の突条部21に断続的に設けた凹部21が通気層7を横方向に連通させる通気路の役割を果たすので、例えば温度差により通気層7内の下方から上方へ移動する通気の進路を妨げることがなくスムーズに流通させることができ、通気層7内での結露の発生を確実に防止できる。
(A)は実施例1の複合ラスの正面図、(B)は前記複合ラスを外壁パネルへ取り付けた状態で示す平面図、(C)は前記(A)図のC−C線矢視断面図である。 図1(B)中に指示したX部の拡大した平面図である。 図2に示す複合ラスへモルタルを塗着した状態を示す平面図である。 実施例1の複合ラスを製造する途中段階の複合ラス素材を図1(A)と同じ視点で示す正面図である。 図4に示した複合ラス素材の構成要素を分離して示す斜視図である。 (A)は実施例2の複合ラスを示した正面図、(B)は前記(A)図のB−B線矢視断面図である。 実施例2の複合ラスを窓用開口部の窓枠を囲むように配設した状態を示す正面図である。 図7に示した窓用開口部の施工において、実施例2の複合ラスに形成した突条部及び凹部の配置を表した説明図である。図中の矢印Fは通気の進路状況を示している。 実施例3の複合ラスを示した正面図である。
本発明による複合ラス10は、縦方向に間隔をあけて、横向き方向に配置された複数本の横力骨2を備えたラス網3と、前記ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とで先ずは複合ラス素材10’を構成する。次いで前記複合ラス素材10’における前記横力骨2とラス網3及び防水紙5を合一に、表面側から背面側(防水紙5の側)へ凹溝状に突出させた突条部10aを、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて同横力骨2とは直交する縦向き方向に複数本形成して構成される。
従って、請求項6記載の発明に係る外壁通気構造は、上記構成の複合ラス10を用い、同複合ラス10の突条部10aの頂部を、建築物の躯体を構成する柱11及び間柱12へ取り付けた外壁パネル13に当接させ、その当接箇所を固定具6で固定して取り付けることにより、同外壁パネル13と複合ラス10の防水紙5との間に通気層7を形成した通気構造に複合ラス10を張設できる。よって、前記のように張設した複合ラス10の表面側へモルタル9を塗着すると、通気層7を通気構造とするモルタル外壁を形成できる。
次に、先ず本発明による複合ラスの実施例を図面に基づいて説明する。
図1と図2は、本発明による複合ラス10の実施例1を示している。この複合ラス10は、モルタル外壁の通気構造を構築するに際し、モルタル塗着作業に先立って、建築物の躯体を構成する外壁パネル13へ取り付けて張設される。
実施例1の複合ラス10は、図5に主な構成要素を関係配置に分離して示した通り、縦方向(図5の上下方向)に間隔をあけて横向き方向(図の左右方向)に配設した複数本の横力骨2と、前記横力骨2へ接合されたラス網3と、該ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とで、先ずは図4に示した平板状の複合ラス素材10’が構成される。
その上で、前記複合ラス素材10’を構成する横力骨2及びラス網3並びに防水紙5を合一に等しく裏面側へ凹溝状に突出させる加工を行って、図1A,Bに示すように、横力骨2と同一方向に一定の間隔をあけた配置で平行に並ぶ突条部10aが、横力骨2とは直交する縦向き方向に多数形成されている。
ちなみに、本実施例で用いる平板状の複合ラス素材10’(図4)の製造は、前記横力骨2とラス網3が例えばスポット溶接で要所要所を接合され、このラス網3の背面に、例えばホッチキス(登録商標)又はこれに類似の工具が打ち出す止め針により、若しくは接着剤などにより防水紙5を止め付けて裏打ちした構成とされている。
上記の突条部10aは、図1Bに示したように、建築物の躯体を構成する柱11及び間柱12の設置間隔(通常、455mmピッチ程度)と一致する間隔で設けられる。ちなみに本実施例では、図1(B)に示した前記柱11と間柱12の間の中央部位にも、さらに一つの突条部10aを設けた構成(即ち、227.5mmピッチ程度)の設置間隔で実施されている。
因みに、上記突条部10aの高さ寸法(図2の符号H参照)は、モルタル外壁内に通気層7を形成するのに適正な高さとし、図示の実施例ではH=15mm程度に形成されている。また、突条部10aの間口幅(図2,図3に示したD寸法)は20mm程度の大きさとされている。ただし、突条部10aの高さ寸法H、及び間口幅Dの大きさは、前記した寸法例には限定されない。モルタル外壁の構造設計に応じて適宜に変更して実施することが可能である。
以上要するに、本発明による複合ラス10(図1)は、図4に示した平板状の複合ラス素材10’を基材として、同複合ラス素材10’の横力骨2とラス網3、及び防水紙5を合一に、プレス加工等により突出(湾曲)させる加工を行い、一定高さの突条部10aを一定の間隔をあけて形成した構成とされている。
ちなみに、前記平板状の複合ラス素材10’は、例えば本出願人が先に出願した特開2008−240365号公報に開示した複合ラスとほぼ同様の構成とされている。ただし、本実施例で用いる平板状の複合ラス素材10’は、前記公報に開示した複合ラスに比すると、縦力骨を具備しない構成に大差を有する。
上記の横力骨2には、直径1〜2mm程度の鋼線材、或いは腐食に強い亜鉛めっき材を使用している。ラス網3は、板厚が0.6〜0.8mm程度の鋼板から製作されている。もっとも前記ラス網3には、鋼線材から成る斜め状又は格子状のワイヤラスを使用することもできる。
ちなみに、横力骨2を縦方向(図の上下方向)へ並列に配置する間隔としては、隣接する2本の横力骨2、2を150mm程度の間隔をあけている。但し、前記大きさの間隔には限定されず、モルタル外壁の構造設計に応じて適宜変更して実施可能である。
横力骨2、2を上記の間隔で実施する意義は、横力骨2に防水紙5の形状を保持させるためである。横力骨2がモルタル塗着時の押圧力に対して効果的に抵抗するので、防水紙5、ひいては突条部10aの不用意な変形を防止して、適正なモルタル塗着量でモルタル外壁を経済的に構築することを目的としている。
上記防水紙5としては、透湿防水紙、或いは防水シートを好適に採用できる。
なお、図4に示した平板状の複合ラス素材10’を構成する横力骨2等の実施形態は、既述した特開2008−240365号公報に、一層詳細に示されていることを念のため特記しておく。
次に、上記実施例1に係る平板状の複合ラス素材10’を、そして、複合ラス10を製造する方法の一例を、図4と図5に基づいて説明する。
例えば150mmピッチ程度でほぼ等間隔に並列配置した複数本(図4では7本)の横力骨2とラス網3を接合して、横力骨2を備えたラス網3を製作する。
次に、前記ラス網3の上に防水紙5を重ね合わせる。この防水紙5は、前記横力骨2を備えたラス網3と、例えば接着剤等を用いて止め付けて裏打ちし、複合ラス素材10’として一体化される。
図1Aに示す複合ラス10、或いは図4に示す複合ラス素材10’は、防水紙5が、ラス網3の中心から左斜め上方へ若干ずれた位置関係で貼り合わせた構成とされている。もっとも、防水紙5は、ラス網3の中心からいずれの方向へずらした配置でもよい。
なお、平板状の複合ラス素材10’の製造方法の実施内容もまた、既述した特開2008−240365号公報に詳細に記述されていることを念のため付言しておく。
上記したように平板状の複合ラス素材10’を製造した後の工程として、その横力骨2及びラス網3並びに防水紙5を合一に、プレス加工等の手段で裏面側(つまり、防水紙5の背後側)へ突出させる加工を加えることで、横力骨2と直交する縦向き方向にそれぞれ平行な配置で、一定高さの凹溝状をなす突条部10aを形成して、本発明の複合ラス10の製造が完成する。
次に、上記した構成に製造された複合ラス10を用いる外壁通気構造は、大要、下記する工程により実施される。
先ず、建築物の躯体を構成する柱11、間柱12を建て、壁用断熱材等を施工する手順等で構築を進める。そして、前記柱11及び間柱12の外側面へ外壁パネル13を取り付ける。
次に、柱11と間柱12の配置間隔に対応するように、複合ラス10の突条部10aの位置合わせを、例えば図1Bのように行う。そして、図3に示したように、複合ラス10の各突条部10aの頂部を外壁パネル13へ当接させ、その各当接箇所を、ステープル等の固定具6で固定して複合ラス10を取り付け張設する。この複合、複合ラス10の張設作業は、後のモルタル塗着作業に必要な全範囲にわたり、特にラス網3の断点(隙間)を生じさせないように隣接する複合ラス10相互間の継ぎ足し処理を順次に繰り返して行う。
こうして複合ラス10の張設作業を完成した後に、外壁パネル13へ張設した前記複合ラス10の表面側へモルタル9を塗着してモルタル外壁が構築される。防水紙5で背面を遮断された複合ラス10と外壁パネル13との隙間が、通気層7として形成される。
なお、図2及び図3中に指示した符号8は、複合ラス10の張設作業に先立ち、前記外壁パネル13の表面へ貼り付けた防水シートを示している。
本発明の複合ラス10を用いたモルタル外壁通気構造によれば、上記の通気層7を形成するために胴縁や通気部材等の部材を用いる必要がない。単に複合ラス10を外壁パネル13へ取り付け張設する作業を行うだけで、外壁パネル13と複合ラス10との間に、縦向きの突条部10aによって、通気層7が横方向に隣接する配置で、一定の大きさに形成することができる。よって、モルタル外壁の中へ浸入する水分や、温度差により外壁内で発生する結露の問題を解消することができる。
次に、図6(A)、(B)は、本発明による複合ラスの実施例2を示している。
この複合ラス20は、上記実施例1に説明した複合ラス10に対比すると、構成の大部分が共通している。但し、上記突条部10aの構成に関し、横力骨2と同じ横方向(図6の左右方向)への通気路を確保する手段として、突条部10aの一部を表面側へ逆に押し戻した凹部21が断続的に設けられている構成が相違する(図1Cと図6Bを対照されたい)。この凹部21は、上記突条部10aの所定の部位、図6A、Bの例で言えば、上下に隣接する横力骨2、2の間の中央部を、プレス加工等の手段により、当該複合ラス20の裏面部と同等位置まで押し戻して形成されている。
この実施例2の複合ラス20もまた、その横力骨2を水平横向き方向とした天地の姿勢を保って突条部10aを外壁パネル13へ当接させて取り付ける。そして、上記実施例1の複合ラス10と同様の手法と工程の繰り返しにより、外壁パネル13への張設ができる。前記した張設作業を行うだけで、外壁パネル13と複合ラス20との間に、隣接する突条部10aと10aによって縦方向に区画された通気層7を形成することができる。よって、上記実施例1と同様の作用効果を奏する。
加えて、この第2実施例の複合ラス20によれば、図7に例示したように、モルタル外壁に窓用開口部22が存在する場合に好適に実施できる利点がある。すなわち、窓用開口部22の窓枠23を取り囲むように当該複合ラス20の天地の姿勢を保ちつつ張設すると、それだけで前記突条部10aに設けた前記凹部21により横方向への通気路を確保できる。したがって、例えば温度差により通気層7内の下方から上方へ移動する空気の進路を妨げることがなく、図8中の矢印Fで示すように、水平横方向への流動を伴ってスムーズな気流を生じさせ、通気層7内で結露が発生することを確実に防止できる。
図9(A)、(B)は、本発明による複合ラスの実施例3を示している。
本実施例3の複合ラス30は、上記実施例1に説明した複合ラス10と対比した場合、構成の大部分は共通する。但し、本実施例3の特徴は、上記実施例1のラス網3に代えて、リブラス34を採用した点にある。リブラス34は、図9Aの上下方向に間隔を開けて横方向(図9Aの左右方向)に配置される横力骨32(リブ)と、前記横力骨32と32の間に形成された網目部33とで構成されている。
本実施例3の複合ラス30も、上記の各実施例と同様、横力骨32を備えたリブラス34の背面に防水紙5を裏打ちして先ずは平板状の複合ラス素材を構成する。防水紙5の裏打ちは、例えばホッチキス(登録商標)又はこれに類似の工具が打ち出す止め針により、若しくは接着剤等により止め付ける手段で行われる。
こうして製造した平板状の複合ラス素材について、前記横力骨32を備えたリブラス34と防水紙5を合一に等しく裏面側へ凹溝状に突出させるプレス加工等を行うことにより、図9A,Bに示した通り、横力骨32と同一方向に一定の間隔をあけて、横力骨32と直交する縦向き方向に平行に並ぶ突条部10aを多数形成された複合ラス30ができあがる。
本実施例3の複合ラス30を用いたモルタル外壁の通気構造も、通気層7を形成するために胴縁や通気部材等の部材を用いる必要がなく、複合ラス30を単に外壁パネル13へ取り付けて張設する作業を行うだけで、外壁パネル13と複合ラス30との間に、横方向に隣接する縦向きの突条部10aによって通気層7を一定の形状、大きさに形成することができる。
勿論、上記実施例2と同様に、各突条部10aに、横力骨32と同じ横方向(図9Aの左右方向)への通気路を確保する手段として、突条部10aの一部を表面側へ逆に押し戻した凹部を断続的に設けることも行われる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではない。本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
2 横力骨
3 ラス網
5 防水紙
6 固定具(ステープル)
7 通気層
8 防水シート
9 モルタル
10 複合ラス
10’ 複合ラス素材
10a 突条部
11 柱
12 間柱
13 外壁パネル
20 複合ラス
21 凹部
30 複合ラス
32 横力骨
33 網目部
34 リブラス
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る複合ラス10は、
縦方向へ間隔をあけて横向き方向へ配置された複数本の横力骨2を備えたラス網3と、前記ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とから成り、
前記横力骨2を備えたラス網3と防水紙5を表面側から背面側へ凹溝状に突出させた突条部10aが、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて、同横力骨2とは直交する縦向き方向に複数本形成されている構成を特徴とする。
次に、上記した構成に製造された複合ラス10を用いる外壁通気構造は、大要、下記する工程により実施される。
先ず、建築物の躯体を構成する柱11、間柱12を建て、壁用断熱材等を施工する手順等で構築を進める。そして、前記柱11及び間柱12の外側面へ外壁パネル13を取り付ける。
次に、柱11と間柱12の配置間隔に対応するように、複合ラス10の突条部10aの位置合わせを、例えば図1Bのように行う。そして、図3に示したように、複合ラス10の各突条部10aの頂部を外壁パネル13へ当接させ、その各当接箇所を、ステープル等の固定具6で固定して複合ラス10を取り付け張設する。この複合ラス10の張設作業は、後のモルタル塗着作業に必要な全範囲にわたり、特にラス網3の断点(隙間)を生じさせないように隣接する複合ラス10相互間の継ぎ足し処理を順次に繰り返して行う。
こうして複合ラス10の張設作業を完成した後に、外壁パネル13へ張設した前記複合ラス10の表面側へモルタル9を塗着してモルタル外壁が構築される。防水紙5で背面を遮断された複合ラス10と外壁パネル13との隙間が、通気層7として形成される。
なお、図2及び図3中に指示した符号8は、複合ラス10の張設作業に先立ち、前記外壁パネル13の表面へ貼り付けた防水シートを示している。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る複合ラス10は、
縦方向へ間隔をあけて横向き方向へ配置された複数本の横力骨2を備え、縦力骨がないラス網3と、前記ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とから成り、
前記横力骨2を備えたラス網3と防水紙5を表面側から背面側へ凹溝状に突出させた突条部10aが、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて、同横力骨2とは直交する縦向き方向に複数本形成されている構成を特徴とする。
請求項5に記載した発明に係る複合ラス20の製造方法は、
縦方向の間隔をあけて横向き方向に配置された複数本の横力骨2を備え、縦力骨がないラス網3の背面に防水紙5を裏打ちして平板状の複合ラス素材10’を製造し、しかる後に前記複合ラス素材10’の横力骨2とラス網3及び防止紙5を合一に、裏面側へ凹溝状に突出させた突条部10aを、横力骨2と同方向へ一定の間隔をあけて縦向き方向に複数形成し、
しかる後に、隣接する横力骨2と横力骨2の間の突条部10aの一部を、前記の如く突出させた方向とは反対側へ押し戻した通気路21を形成することを特徴とする。
本発明による複合ラス10は、縦方向に間隔をあけて、横向き方向に配置された複数本の横力骨2を備え、縦力骨がないラス網3と、前記ラス網3の背面に裏打ちされた防水紙5とで先ずは複合ラス素材10’を構成する。次いで前記複合ラス素材10’における前記横力骨2とラス網3及び防水紙5を合一に、表面側から背面側(防水紙5の側)へ凹溝状に突出させた突条部10aを、前記横力骨2と同方向に一定の間隔をあけて同横力骨2とは直交する縦向き方向に複数本形成して構成される。
従って、請求項6記載の発明に係る外壁通気構造は、上記構成の複合ラス10を用い、同複合ラス10の突条部10aの頂部を、建築物の躯体を構成する柱11及び間柱12へ取り付けた外壁パネル13に当接させ、その当接箇所を固定具6で固定して取り付けることにより、同外壁パネル13と複合ラス10の防水紙5との間に通気層7を形成した通気構造に複合ラス10を張設できる。よって、前記のように張設した複合ラス10の表面側へモルタル9を塗着すると、通気層7を通気構造とするモルタル外壁を形成できる。

Claims (6)

  1. 縦方向の間隔をあけて横向き方向へ配置された複数本の横力骨を備えたラス網と、及び前記ラス網の背面に裏打ちされた防水紙とから成り、
    前記横力骨を備えたラス網と防水紙を表面側から背面側へ凹溝状に突出させた突条部が、前記横力骨と同方向に一定の間隔をあけて、同横力骨とは直交する縦向き方向に複数本形成されている構成を特徴とする、複合ラス。
  2. 当該複合ラスを構成する前記横力骨を備えたラス網と防水紙は止着材により結合して一体化されている構成を特徴とする、請求項1に記載した複合ラス。
  3. 前記突条部には、横力骨と同方向のへ通気路を確保するため、表面側へ押し戻した凹部が断続的に設けられている構成を特徴とする、請求項1又は2に記載した複合ラス。
  4. 前記凹部は、隣接する横力骨と横力骨との間の中央部位に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載した複合ラス。
  5. 縦方向の間隔をあけて横向き方向に配置された複数本の横力骨を備えたラス網の背面に防水紙を裏打ちして平板状の複合ラス素材を製造し、しかる後に前記複合ラス素材の横力骨2とラス網3及び防止紙5を合一に、裏面側へ凹溝状に突出させた突条部を、横力骨と同方向へ一定の間隔をあけて縦向き方向に複数形成し、
    しかる後に、隣接する横力骨と横力骨の間の突条部の一部を、前記の如く突出させた方向とは反対側へ押し戻した通気路を形成することを特徴とする、複合ラスの製造方法。
  6. 複合ラスの突条部の頂部を、建築物の躯体を構成する柱及び間柱へ取り付けた外壁パネルへ当接させ、その当接箇所を固定具で固定することにより、外壁パネルと複合ラスとの間に通気層を形成した複合ラスの張設を行い、
    前記のように張設した複合ラスの表面側へモルタルを塗着してモルタル壁を形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載した複合ラスを用いた外壁通気構造。
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