JP2013076047A - 発泡性液状樹脂組成物および発泡体 - Google Patents

発泡性液状樹脂組成物および発泡体 Download PDF

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Abstract

【課題】経時的な物性変化や圧縮残留ひずみが抑制された、触感と柔軟性に優れた発泡体を提供する。
【解決手段】ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる発泡性液状樹脂組成物であり、該発泡性液状樹脂組成物中のヒドロシリル基含有量がアルケニル基1モル当り1.1モル以上5.0モル以下である発泡性液状樹脂組成物を発泡させた発泡体。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性液状樹脂組成物および発泡体、その製造方法に関する。
触感が良好で、優れた柔軟性を有する軟質発泡体として、変成シリコーン樹脂を用いた発泡体が提案されている(例えば特許文献1)。変成シリコーン樹脂を用いた発泡体は、従来の軟質発泡体であるポリウレタンからなる発泡体よりも触感が良好で、低硬度、低反発弾性率等の優れた柔軟性を有し、また、毒性が懸念されるイソシアネートを使用しておらず、防音材、制振材、クッション材等の素材として好適である。
しかし、触感や柔軟性が経時変化すること、圧縮残留ひずみが大きくなる傾向については更なる改良が望まれている。ここで、圧縮残留ひずみとは、一般的にはへたりと呼ばれる現象である。
一方、耐圧縮残留ひずみ性に優れる発泡体として、ビニル基を有する有機重合体とSiH基含有化合物による架橋発泡体が提案されている。(例えば特許文献2参照)しかしながら発泡倍率は高いものではなく、また発泡体の硬度も高く、触感に優れるとは言いがたいものである。
国際公報2008/117734号公報 特開2007−177082号公報
経時での物性変化や圧縮残留ひずみが抑制された、触感と柔軟性に優れた発泡体を提供することにある。
本発明は、以下の構成を有するものである。
1). ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる発泡性液状樹脂組成物であり、該発泡性液状樹脂組成物中のヒドロシリル基含有量がアルケニル基1モル当り1.1モル以上5.0モル以下である発泡性液状樹脂組成物。
2). 重合体(B)が、数平均分子量10000以上100000以下である1)に記載の発泡性液状樹脂組成物。
3). 重合体(B)の主鎖を構成する繰り返し単位がオキシプロピレンである1)または2に)記載の発泡性液状樹脂組成物。
4). 発泡剤(D)が、加熱により分解して無機ガスを発生する化学発泡剤である1)〜3)何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
5). 潤滑剤(E)が、動粘度(25℃)が30mm2/s以上10000mm2/s以下のシリコーン系潤滑剤である1)〜4)何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
6). 可塑剤(F)が、数平均分子量1000以上30000以下である1)〜5)何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
7). 可塑剤(F)の主鎖を構成する繰り返し単位がオキシプロピレンである1)〜6)何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
8). ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる1)〜7)何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物を発泡してなる発泡体。
9). 密度が20kg/m3以上350kg/m3以下である8)に記載の発泡体。
10). 40℃、8時間条件下で75%圧縮したときの圧縮残留ひずみが10%以下である8)または9)に記載の発泡体。
11). ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる発泡性液状樹脂組成物を発泡させることを特徴とする8)〜10)何れか一項に記載の発泡体の製造方法。
12). 発泡性液状樹脂組成物を40℃以上150℃以下の温度で硬化、発泡させることを特徴とする11)に記載の発泡体の製造方法。
本発明の発泡性液状樹脂組成物から得られる発泡体は、発泡体作製後の硬化反応(架橋)が生じにくく、経時での触感や柔軟性の悪化、圧縮残留ひずみを抑制することができる。また、発泡体の触感や柔軟性に優れるため、防音材、制振材、クッション材等として、車両、寝具・家具、各種機器、建材、包装材、医療材料等の用途に好適に利用できる。
本発明は、ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)を含み、ヒドロシリル基含有量がアルケニル基1モル当り1.1モル以上5.0モル以下である発泡性液状樹脂組成物、該組成物を発泡してなる発泡体、該発泡体の製造方法である。
・硬化剤(A)について
本発明におけるヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)と、ヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)は、ヒドロシリル基を有するため、少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)中に存在するアルケニル基と反応(ヒドロシリル化反応)して、硬化する。
ヒドロシリル基当量の異なる二種類の硬化剤を併用することによって、重合体(B)とのヒドロシリル化反応によって形成される三次元網目構造体が強固になり、触感や柔軟性を調整する潤滑剤(E)由来と考えるブリードアウトが抑制され、長期間にわたって配合効果が保持される。なお、本発明でのヒドロシリル基当量とは、分子1モルの重量を分子1モル中のヒドロシリル基のモル数で除したものを言う。
硬化剤(A−1)のヒドロシリル基当量は、30g/mol以上180g/mol未満であることが必要であるが、40g/mol以上160g/mol以下、さらには50g/mol以上150g/mol以下が好ましい。特には硬度変化率が少ない点から50g/mol以上100g/mol以下が好ましい。
また、硬化剤(A−2)のヒドロシリル基当量は180g/mol以上700g/mol以下であることが必要であるが、200g/mol以上600g/mol以下、さらには220g/mol以上500g/mol以下が好ましい。当該範囲内の硬化剤(A−1)と硬化剤(A−2)を併用することによって、所望の密度の発泡体が得られるだけでなく、重合体(B)とのヒドロシリル化反応によって形成される三次元網目構造体が強固になり、触感や柔軟性を調整する潤滑剤(E)由来と考えるブリードアウトが抑制され、長期間にわたって得られた発泡体の特性を維持することができる。
硬化剤(A−1)および硬化剤(A−2)のヒドロシリル基量がこれら範囲より少ない場合、硬化剤の安定性、すなわち発泡性液状樹脂組成物の安定性が悪くなったり、硬化させる際の硬化速度が速くなり、低密度の発泡体を得ることが困難になる。一方、ヒドロシリル基当量がこれら範囲より多い場合、硬化させる際の硬化速度が遅くなり、発泡と硬化のバランスが取りにくくなり、触感、柔軟性、添加剤のブリードアウトの面で良好な発泡体が得難くなる。また、経時的な触感や柔軟性の維持が難しくなる。
硬化剤(A−1)及び硬化剤(A−2)は、各々単独で使用することで、所望の触感と柔軟性を有する発泡体を得ることも可能であるが、硬化剤(A−1)単独の場合、経時的に触感や柔軟性が低下しやすく、また、硬化剤(A−2)単独の場合は、潤滑剤(E)由来と考えるブリードアウトが顕著になる傾向にある。
本発明における硬化剤(A)は、ヒドロシリル基を含有する化合物であれば、そのヒドロシリル基が分子の主鎖にあっても側鎖にあっても特に制限はなく、分子鎖も特に限定はないが、原料の入手の容易さ、反応性の観点からオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、Si原子に結合した置換または非置換の一価炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基が挙げられる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
硬化剤(A)は、公知の方法により合成することができ、市販されているものについては、市販品をそのまま使用することができる。ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの市販品としては、例えば、KF−99(信越化学工業(株)製、ヒドロシリル基当量60g/mol)、KF−9901(信越化学工業(株)製、ヒドロシリル基当量140g/mol)、HMS−991(Gelest社製、ヒドロシリル基当量67g/mol)、SH1107(東レ・ダウコーニング(株)製)、TSF484(Momentive Perfomance Materials社製)、H−Siloxane(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)等を挙げることができる。
また、ヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの市販品としては、例えば、HMS−301(Gelest社製、ヒドロシリル基当量245g/mol)、HMS−151(Gelest社製、ヒドロシリル基当量490g/mol)等を挙げることができる。
また、重合体(B)との相溶性確保と、ヒドロシリル基量の調整のために、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンを炭素−炭素二重結合を有する化合物を用いて変性したものも用いることが出来る。用いることが出来る炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、ビニル基含有化合物をあげることができる。
ビニル基含有化合物としては、α−オレフィン、芳香族基含有化合物、アリル基含有化合物をあげることができる。α−オレフィンとしては具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−オクテンがあげられる。芳香族基含有化合物としては具体的には、スチレン、αメチルスチレンがあげられる。アリル基含有化合物としては具体的には、アリルアルキルエーテル、アリルアルキルエステル、アリルフェニルエーテル、アリルフェニルエステルがあげられる。
中でも組成物中の相溶性の面から芳香族基含有化合物で変性することが好ましい。
炭素−炭素二重結合を有する化合物を用いて変成する場合、炭素−炭素二重結合を有する化合物の使用量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のヒドロシリル基1モルあたり0.10〜0.80モル、さらには0.4〜0.6モルの炭素−炭素二重結合となるように用いることが好ましい。
変性に用いる炭素−炭素二重結合を有する化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、炭素−炭素二重結合を有する化合物による変性は、硬化剤(A−1)と硬化剤(A−2)の両方に適用させることができ、この様な硬化剤を用いることで、重合体(B)との相溶性が確保され取扱が容易になるだけでなく、経時変化による触感の低下が防止できるので好ましい。
本発明の発泡性液状樹脂組成物中のヒドロシリル基含有量は、重合体(B)とのヒドロシリル化反応における反応速度(硬化速度)、及び発泡体の触感や柔軟性の点から、アルケニル基1モル当り1.1モル以上5.0モル以下となるように配合することが必要であるが、1.2モル以上4.5モル以下、更には1.2モル以上4.0モル以下となるように配合することが好ましい。また、経時変化後の硬度の変化率が小さい点からは、1.2モル以上3.0モル以下となるように配合することが好ましい。
硬化剤(A−1)は、硬化剤(A−1)のヒドロシリル基含有量がアルケニル基1モル当り0.2モル以上4.0モル以下となるように用いることが好ましく、0.2モル以上3.5モル以下、特には0.2モル以上3.0モル以下の範囲で用いることが好ましい。
また、硬化剤(A−2)は、硬化剤(A−2)のヒドロシリル基含有量がアルケニル基1モル当り0.8モル以上1.2モル以下となるように用いることが好ましく、0.85モル以上1.15モル以下、特には0.9モル以上1.1モル以下の範囲で用いることが好ましい。
ヒドロシリル基含有量が少ない場合、重合体(B)とのヒドロシリル化反応によって形成される三次元網目構造体が強固なものとならず、潤滑剤(E)由来と考えるブリードアウトが顕著になる傾向にある。また、ヒドロシリル基含有量が多くなると、発泡体作製後に多量のヒドロシリル基が残存し易く、経時的に触感や柔軟性が低下する傾向にある。
また、潤滑剤(E)の25℃での動粘度が75mm2/s〜5000mm2/sを重合体(B)100重量部あたり2〜15重量部用い、硬化剤(A−1)及び硬化剤(A−2)の配合割合(硬化剤(A−1)のヒドロシリル基の総モル数/硬化剤(A−2)のヒドロシリル基の総モル数)が、0.7〜2.5、さらには0.75〜2.0になるように用いることで、得られる発泡体のブリードアウトが少なくなる面で好ましい。
また、潤滑剤(E)の25℃での動粘度が好ましくは30、さらには40mm2/s以上、2000、さらには1000mm2/s以下を重合体(B)100重量部あたり5〜25重量部、さらには10〜20重量部用い、硬化剤(A−1)及び硬化剤(A−2)の配合割合(硬化剤(A−1)のヒドロシリル基の総モル数/硬化剤(A−2)のヒドロシリル基の総モル数)が、0.7〜2.5、さらには0.75〜2.0になるように用いることで、得られる発泡体の感触が良好になり、経時変化も少なく好ましい。
・重合体(B)について
本発明における重合体(B)は、少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体である。アルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素二重結合を含む基である。アルケニル基としては、炭素数が好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜4個の脂肪族不飽和炭化水素基(例:ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等)、炭素数が好ましくは3〜20個、より好ましくは3〜6個の環式不飽和炭化水素基(例:シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等)、メタクリル基等が挙げられる。
重合体(B)は、硬化剤(A)とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状となり、硬化する。重合体(B)に含まれるアルケニル基の官能基数は、硬化剤(A)とヒドロシリル化反応するという点から、少なくとも1個必要であるが、硬化性、柔軟性の観点から、主鎖の両末端もしくは分岐部の分子鎖の末端にアルケニル基が存在するのが好ましい。
アルケニル基のポリオキシアルキレン重合体への結合様式は特に限定はなく、アルケニル基の直接結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、ウレア結合、あるいはヒドロシリル化反応に関与しないアルキル基等のスペーサー成分を介しての結合等が例示される。
本発明における重合体(B)は、主鎖を構成する繰返し単位がオキシアルキレン系単位であるため、主鎖を形成する出発物質として活性水素を2個以上有する化合物を重合させることにより製造することができる。例えば、重合体(B)は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノール化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を用い、C2〜C4のアルキレンオキシドを重合させることにより製造することができる。
本発明における重合体(B)の主鎖の具体例としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドから選ばれる2種以上のランダムまたはブロック共重合体、等が挙げられる。柔軟性、及び触感の点から、主鎖の繰返し単位は、ポリプロピレンオキシドであることがより好ましい。
本発明における重合体(B)の構造としては、直鎖状であっても、分岐が主鎖の分子量よりも少ない範囲で分岐構造を有していても構わないが、直鎖状であるほうが柔軟性の観点から好ましい。
重合体(B)の製造方法は特に限定なく、例えば、ポリオキシアルキレン重合体を得た後にアルケニル基を導入する方法が例示できる。この場合、オキシアルキレン重合体は種々の公知の製造方法を適用することができ、さらに市販のポリオキシアルキレン重合体を用いてもよい。
また、ポリオキシアルキレン重合体にアルケニル基を導入する方法もまた公知であり、例えば、アルケニル基を有するモノマー(例:アリルグリシジルエーテル)とポリオキシアルキレン重合体を合成するためのモノマーとを共重合させる方法や、官能基(例:水酸基、アルコキシド基)を所望の部分(主鎖の末端等)に予め導入しておいたポリオキシアルキレン重合体に、当該官能基に対して反応性を有する官能基とアルケニル基とを両方有する化合物(例:アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリル酸クロライド等)を反応させる方法等が挙げられる。
本発明における重合体(B)の分子量は、柔軟性・触感および反応性のバランスの点から、数平均分子量Mnが10000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましく、特には17000以上であることが好ましい。数平均分子量Mnの上限値は特に限定は無いが、100000以下が好ましく、60000以下がより好ましく、40000以下がさらに好ましい。
・ヒドロシリル化触媒(C)について
本発明におけるヒドロシリル化触媒(C)としては、ヒドロシリル化触媒として使用し得るものである限り、特に制限はなく、任意のものを使用し得る。ヒドロシリル化触媒(C)の具体例としては、白金の担体;アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等の錯体;白金−オレフィン錯体や白金−ビニルシロキサン錯体;白金−ホスフィン錯体;白金−ホスファイト錯体;ジカルボニルジクロロ白金、等が挙げられる。
本発明におけるヒドロシリル化触媒(C)の含有量は、重合体(B)のアルケニル基1モルに対して10-8モル以上10-1モル以下が好ましく、10-6モル以上10-2モル以下がより好ましい。ヒドロシリル化触媒(C)の含有量が10-8モルより少ないと、十分に硬化が進行しない場合がある。また、ヒドロシリル化触媒(C)の含有量が10-1モルよりも多いと、液状樹脂組成物の硬化の制御が困難な場合や、得られた発泡体が着色する場合がある。
・発泡剤(D)について
本発明における発泡剤(D)は、加熱により分解して炭酸ガス、窒素ガス等の無機ガスを発生する化学発泡剤が好ましく、アゾ化合物、ニトロソ化合物、ヒドラジン誘導体、セミカルバジド化合物、テトラゾール化合物、有機酸、等の有機系熱分解型発泡剤、重炭酸塩、炭酸塩、有機酸塩、亜硝酸塩、等の無機系熱分解型発泡剤、重炭酸塩と有機酸または有機酸塩の組み合わせ等の無機系反応型発泡剤等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、バリウムアゾジカルボキシレート、ジアゾアミノベンゼン等が挙げられる。ニトロソ化合物としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が挙げられる。
ヒドラジン誘導体としては、例えば、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド(TSH)、ヒドラゾジカルボンアミド(HDCA)等が挙げられる。
セミカルバジド化合物としては、例えば、p−トルエンスルホニルセミカルバジドが挙げられる。テトラゾール化合物としては、例えば、5−フェニルテトラゾール、1−Hテトラゾール塩、1,4−ビステトラゾール等が挙げられる。
有機酸としては、多価カルボン酸例えば、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸が挙げられる。
有機系熱分解型発泡剤としては、さらに、トリヒドラジノトリアジン等も挙げられる。
重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
有機酸塩としては、前記有機酸のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、アルミニウム、亜鉛等の金属塩等が挙げられる。
亜硝酸塩としては、例えば亜硝酸アンモニウムが挙げられる。
これらのうち本発明の発泡剤(D)は、硬化剤(A)および重合体(B)の硬化反応(ヒドロシリル化反応)が適切に進行する温度領域で分解することが好ましいことから、重炭酸塩と有機酸の混合物が好ましい。
重炭酸塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムが挙げられる。有機酸としては、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸が挙げられる。
発泡剤(D)の含有量は、例えば、重炭酸塩と有機酸からなる化学発泡剤の場合、重合体(B)100重量部に対して重炭酸塩の含有量は、1重量部以上20重量部未満が好ましく、2重量部以上15重量部未満がより好ましい。重炭酸塩と有機酸の比率は、重炭酸塩/有機酸(重量比)が1/4以上5未満であることが好ましく、1/3以上3未満であることがより好ましい。重炭酸塩の含有量が少ない、または重炭酸塩と有機酸の比率が低いと、熱分解する炭酸ガスの量が少なく、発泡倍率が低下する場合があり、重炭酸塩の含有量が多いと発泡量が多くてスが多くなり、重炭酸塩と有機酸の比率が高いと、有機酸との反応量が少なくなり炭酸ガスの量が少なく、発泡倍率が低下する場合がある。
常温大気圧下では揮発性液体や気体の物理発泡剤を化学発泡剤と併用して用いることも出来る。
物理発泡剤としては、化学発泡剤の分解やヒドロシリル化反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、ポリウレタン、フェノール、ポリスチレン、ポリオレフィン等の発泡に用いられる発泡剤を用いることが出来る。物理発泡剤としては、発泡性や作業性と安全性の点から、物理発泡剤の沸点は、100℃以下であることが好ましく、さらには65℃以下、特には50℃以下が好ましい。具体的には、炭化水素、フロン、塩化アルキル、エーテル等の有機化合物、二酸化炭素、窒素、空気等の無機化合物が挙げられるが、環境適合性の観点から、炭化水素、エーテル、二酸化炭素、窒素、空気から選ばれる化合物を用いることが好ましい。
炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタンクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。
また、エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、ブチルエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、1,1−ジメチルプロピルメチルエーテル等が挙げられる。
なお、発泡体製造時に、空気中で機械的な攪拌を行う場合は、攪拌に伴って巻き込まれた空気により気泡が形成される場合があり、これもまた物理発泡剤に含まれる。ただし、これら物理発泡剤を使用する場合、残存物による発泡体成形後の物性変化が懸念されること等から、発泡体製造後、使用した物理発泡剤の沸点以上の温度で加熱養生することにより、残留発泡剤を取り除いておくことが好ましい。
・潤滑剤(E)について
本発明の発泡性液状樹脂組成物は潤滑剤(E)を含有する。潤滑剤(E)を含有することで、発泡性液状樹脂組成物を発泡してなる発泡体の発泡セル内における摩擦や粘着を少なくし、所望の触感や柔軟性を有する発泡体を得ることができる。また、この潤滑剤(E)は、硬化剤(A−1)及び硬化剤(A−2)と重合体(B)のヒドロシリル化反応によって形成される三次元網目構造体に保持されて、発泡体系外へのブリードアウトが抑えられる傾向にあるため、長期間にわたって触感や柔軟性が維持することが可能となる。
本発明の潤滑剤(E)としては、液状の潤滑剤が好ましい。液体潤滑剤の具体的な例としてはパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、脂肪酸グリセライドなどの動植物油;ポリ−1−デセン、ポリブテンなどのアルキル構造を有するオレフィン系潤滑剤;アラルキル構造を有するアルキル芳香族化合物系潤滑剤;ポリアルキレングリコール系潤滑剤;ポリアルキレングリコールエーテル、パーフロロポリエーテル、ポリフェニルエーテルなどのエーテル系潤滑剤;脂肪酸エステル、脂肪酸ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、リン酸エステルなどのエステル構造を有するエステル系潤滑剤;ジメチルシリコーン(即ち、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン)、およびジメチルシリコーンのメチル基の一部をポリエーテル基、フェニル基、アルキル基、アラルキル基、フッ素化アルキル基等で置換したシリコーンオイル等のシリコーン系潤滑剤;クロロフロロカーボンなどのフッ素原子含有系潤滑剤などが挙げられる。
これらのうち本発明では、発泡セル内における摩擦係数の低下や分散性、加工性、安全性等の観点から、特にシリコーン系潤滑剤が好ましい。
本発明における潤滑剤(E)は、発泡セル内における摩擦係数低下効果や、得られる発泡体の触感の柔軟性の面から、25℃での動粘度が10000mm2/s以下、より好ましくは15000mm2/s以下、さらには7000mm2/s以下、特には5000mm2/s以下であることが好ましい。
また、潤滑剤(E)は、得られる発泡体から潤滑剤のブリードアウトが少なく、発泡体の感触と柔軟性の面から、25℃での動粘度30mm2/s以上、より好ましくは35mm2/s以上、さらには40mm2/s以上であることが好ましい。なお、本発明における潤滑剤(E)は1種を用いてもよく、2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いてもよい。なお、25℃における動粘度は、ASTM D 445−46Tによるウッベローデ粘度計により測定できる。
本発明における潤滑剤(E)の添加量は、重合体(B)100重量部に対して、1重量部以上が好ましく、2重量部以上がより好ましく、3重量部以上が更に好ましい。潤滑剤の添加量が少ないと、発泡セル内の摩擦や粘着の抑制が不十分となり、所望の触感や柔軟性が得られ難い。潤滑剤の上限値は特に制限はないが、22重量部以下、さらには20重量部以下が好ましい。多すぎると、発泡体の発泡倍率が低下したり、潤滑剤の系外へのブリードアウトが発生する傾向がある。
・可塑剤(F)について
本発明の発泡性液状樹脂組成物は分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)を含有する。可塑剤(F)を含有することで、発泡性液状樹脂組成物を発泡してなる発泡体からのブリードアウトを抑制しつつ発泡体の柔軟性を調整することができる。
本発明における可塑剤(F)は、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有するものである。好ましくは分子鎖中にアルケニル基を有さないことが好ましい。分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有する可塑剤であれば、硬化剤(A)と重合体(B)の硬化反応を阻害することがほとんどなく、硬化不良が起こり難い。他の官能基についても硬化剤(A)と重合体(B)の硬化反応を阻害することがほとんどないものであればある程度有していてもよい。このような官能基の例としては、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基等が挙げられる。
本発明における可塑剤(F)は、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる。主鎖の具体例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブチレンオキシド;エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドよりなる群から選ばれる2種以上のランダムまたはブロック共重合体等が挙げられる。これらは、単独で使用しても良く、二種類以上を併用しても良い。これらのうち、重合体(B)との相溶性の点で、ポリプロピレンオキシドが好ましい。
本発明における可塑剤(F)の分子量は、発泡性液状樹脂組成物を発泡してなる発泡体の柔軟性や、可塑剤の系外への流出防止の観点から、数平均分子量として1000以上、さらには3000以上が好ましい。可塑剤の数平均分子量が低いと、熱や圧縮等により可塑剤が経時的に系外に流出し、初期の物性を長期に渡り維持できないだけでなく、触感への悪影響が懸念される。また、可塑剤の数平均分子量が高くなりすぎると可塑化効果が得られず、また粘度が高くなり作業性が悪化するため、30000以下が好ましく、25000以下がより好ましい。
本発明の可塑剤は、変成シリコーン樹脂発泡体に柔軟性を付与できるものであれば、直鎖状でも分岐状でも特に限定はない。
本発明における可塑剤の添加量は、重合体(B)100重量部に対して、5重量部以上90重量部以下が好ましく、6重量部以上85重量部以下がより好ましく、7重量部以上80重量部以下がさらに好ましい。可塑剤の添加量が少ないと、柔軟性の付与効果が不十分な場合があり、多すぎると、変成シリコーン樹脂発泡体の機械強度が不足し、発泡体が収縮する傾向がある。
可塑剤(F)の製造方法は特に限定なく、公知の製造方法を適用することができ、さらに市販の化合物を用いてもよい。
・その他添加剤について。
本発明の発泡性液状樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、耐光性安定剤、紫外線吸収剤、貯蔵安定剤、気泡調整剤、界面活性剤等を必要に応じて添加しても良い。
前記耐光性安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、及びイオウ原子、リン原子、1級アミン、2級アミンを含まないヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
ここで、耐光性安定剤とは、紫外線領域の波長の光を吸収してラジカルの生成を抑制する機能、または、光吸収により生成したラジカルを捕捉して熱エネルギーに変換し無害化する機能等を有し、光に対する安定性を高める化合物である。
前記紫外線吸収剤としては、特に限定されるものではないが、ベンゾオキサジン系紫外
線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリア
ジン系紫外線吸収剤等が例示される。ここで、紫外線吸収剤とは、紫外線領域の波長の光
を吸収してラジカルの生成を抑制する機能を有する化合物である。
本発明における耐光性安定剤、紫外線吸収剤の添加量としては、それぞれ、重合体(B)100重量部に対して、0.01重量部以上5重量部以下が好ましく、0.1重量部以上3重量部以下がより好ましく、0.3重量部以上2.0重量部以下がさらに好ましい。
耐光性安定剤、紫外線吸収剤の添加量が当該範囲であると、経時的な表面粘着性の上昇を抑制する効果が得やすい。
前記貯蔵安定性改良剤としては、硬化剤(A)の貯蔵安定剤として知られている通常の安定剤で所期の目的を達成するものであれば使用することができる。
前記貯蔵安定性改良剤の好ましい例としては、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらを単独使用、または2種以上併用してもよい。
具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられる。
本発明における貯蔵安定性改良剤の使用量は、硬化剤(A)および重合体(B)に均一に分散される限り、ほぼ任意に選ぶことができるが、硬化剤(A)中のSiH基1モルに対し、10-6モル以上10-1モル以下の範囲で用いるのが好ましい。貯蔵安定性改良剤の使用量が10-6モル未満では、硬化剤(A)の貯蔵安定性が充分に改良されない場合があり、10-1モルを超えると、硬化性が不充分になる場合がある。
本発明の発泡性液状樹脂組成物には、必要であれば、気泡調整剤を添加しても良い。気泡調整剤の種類には特に限定はなく、通常使用される、例えば、タルク、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ等の無機固体粉末や、フッ素系化合物等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明における気泡調整剤の使用量は、重合体(B)を100重量部とした場合、0.1重量部以上100重量部以下が好ましく、0.5重量部以上50重量部以下がより好ましい。
本発明においては、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、可塑剤(F)からなる発泡性液状樹脂組成物の相溶性を向上する目的で、界面活性剤を添加することもできる。
界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルコキシプロピルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム液、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、特に重合体(B)と硬化剤(A)および潤滑剤(E)の相溶性を向上する目的では、ポリオキシアルキレン−ポリジメチルシロキサンブロック共重合体のようなシリコーン系界面活性剤を添加することもできる。
ポリオキシアルキレン−ポリジメチルシロキサンブロック共重合体としては、特に限定されず、例えば、AB型のジブロック体、ABA型のトリブロック体、(AB)n型のマルチブロック体のほか、枝分かれ型、ペンダント型、星型等が挙げられる。また、ポリオキシアルキレンの具体的な構造としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体等が挙げられ、また、その末端構造についても、ヒドロキシル基末端、メトキシ、t−ブトキシ等のエーテル末端、反応性のアリル基末端等が挙げられる。
本発明においては、その他、必要に応じて、充填剤、ラジカル禁止剤、接着性改良剤、難燃剤、整泡剤、酸あるいは塩基性化合物、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、増粘剤、カップリング剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤等を、本発明の目的や効果を損なわない範囲において添加することができる。
・発泡体の製造方法について
発泡体の製造方法は、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、可塑剤(F)を含んでなる発泡性液状樹脂組成物を硬化、発泡すれば特に限定なく製造できる。
発泡性液状樹脂組成物の製造方法としては、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、可塑剤(F)の成分を混合すれば特に限定はないが、発泡性液状樹脂組成物中の各成分は良く混合された状態であることが好ましい。各成分の混合順序は特に限定はないが、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、可塑剤(F)を予め混合した後、硬化剤(A)、潤滑剤(E)を混合して発泡性液状樹脂組成物を製造することが好ましい。
発泡性液状樹脂組成物は、混合した後、型枠に注入する、或いは、ベルトコンベア上の基材に広げる、等した後、発泡させて発泡体を得ることが出来る。本発明の発泡性液状樹脂組成物は、ヒドロシリル基とアルケニル基によるヒドロシリル化反応が起こり、硬化剤(A)と重合体(B)が網目状(架橋)構造を形成(硬化)する。硬化(ヒドロシリル化反応)は、発泡させる前に硬化が完了していなければいつでも構わないが、硬化させる前に発泡させる、または硬化と同時に発泡させることが好ましい。
硬化と発泡の際には、用いる発泡剤(D)が硬化剤(A)および重合体(B)の硬化反応(ヒドリシリル化)が適切に進行する温度領域で分解することが好ましく、その温度としては、40℃以上150℃以下が、さらには50℃以上140℃以下、特には55℃以上130℃以下が好ましい。この温度範囲において、発泡性液状樹脂組成物の硬化と発泡がバランス良く進行し、好ましい本発明の発泡体が得られる。
前記温度に保持する時間(加熱時間)は特に制約はないが、5分以上3時間以下、さらには10分以上2.5時間以下、特には20分以上2時間以下の温度に保持することにより好ましい本発明の発泡体が得られる。
さらに、得られた発泡体は、加熱養生を行うことが、圧縮残留ひずみを低減させることができる傾向があるため、好ましい。加熱養生の条件としては、特に限定するものではないが、加熱温度の条件としては40℃〜200℃で行うことが好ましい。また時間は10分以上72時間以下の条件で加熱養生を行うことが、圧縮残留ひずみが減少するため好ましい。
本発明の発泡性液状樹脂組成物を発泡させることにより得られる発泡体の圧縮残留ひずみは、10%以下、さらには8%以下の発泡体と成すことが可能である。圧縮残留ひずみが小さいことにより、例えば、クッションとして用いた場合に、使用時のひずみが少なく、優れた復元性を発現することが可能である。なお、本発明における圧縮残留ひずみは、JIS K 6400−4に準拠し、発泡体を75%圧縮して40℃、8時間加熱し、その後室温で圧縮を開放し、30分後の厚みの元の厚さに対する低下率をいう。
本発明の発泡性液状樹脂組成物を発泡させることにより得られる発泡体は、密度が350kg/m3以下、より好ましくは、320kg/m3以下、さらには300kg/m3以下の発泡体が好ましい。密度が当該範囲であることにより、例えば、クッションとして製品化した場合、比較的軽量であり日常的な持ち運びが容易になり好ましい。
発泡体の密度の下限は、特に限定するものではないが、強いて好ましい値を例示すれば、20kg/m3以上であることが好ましく、より好ましくは30kg/m3以上、さらには40kg/m3以上、特には50kg/m3以上が好ましい。密度が小さすぎる場合は、例えば、クッションとして使用する際、圧縮により底付きする場合がある。
本発明の発泡性液状樹脂組成物を発泡させることにより得られる発泡体は、25℃における豆腐用硬度計((株)大場計器製作所製)での硬度が0.80N以下、より好ましくは0.50以下、さらには0.30以下、特には0.25以下である発泡体と成すことも可能である。
本発明の発泡性液状樹脂組成物を発泡させることにより得られる発泡体は、単位密度当りの硬度が1.00mN/(kg/m3)以下であることが好ましく、より好ましくは0.95mN/(kg/m3)以下、さらには0.90mN/(kg/m3)以下が好ましい。当該範囲であれば柔軟性の優れた発泡体であるといえる。尚、本発明における単位密度当りの硬度は、豆腐用硬度計を用いた硬度を密度で除した値のことである。
本発明の発泡体の形態としては、特に限定するものではないが、例えば板状、シート状、不定形塊状、ビーズ状、あるいは袋状や衣服の形態に成形したもの等が挙げられる。また、発泡体は単独で用いても良く、ウレタン発泡体等の他種発泡体やゲル、プラスチック、ゴム、フィルム、布や不織布等の繊維製品、紙等の素材と一体として用いても良い。
またさらには、本発明の発泡体の表面に綿、アクリル繊維、毛、ポリエステル繊維等でできた布や不織布を、適宜、接着剤を使って貼り合わせても良い。この様に貼り合わせることで、発泡体の触感をさらに良好にしたり、運動時や高温・多湿時の発汗時にこの張り合わされた生地によって吸汗作用を施すことができる。
本発明の発泡体の形状としては、特に限定されるものではないが、長方形、正方形、円形、楕円形、ひし形等の多角形や、表面に任意の凹凸を付けたもの等が挙げられる。また、通気性を持たせるために、適宜貫通孔をあけても良い。
本発明の発泡体は、イソシアネートを使用しておらず、触感と柔軟性が良い上に、圧縮残留ひずみが小さいので、防音材、制振材、クッション材等様々な用途に使用することが可能である。具体的には、輸送機器、寝具・寝装品、家具、各種機器、トイレタリー、履物、各種雑貨、衣料、スポーツ用品、玩具・遊具、建材、包装材、医療・介護等の用途に好適に利用できる。
本発明の発泡体の優れた触感や柔軟性を有効に発揮できる用途として、例えば輸送機器用途としては、自動車・建築機械・鉄道車両・船舶・航空機等の座席、チャイルドシート、ヘッドレスト、アームレスト、フットレスト、ヘッドライナー、バイク・自転車等のサドル・ライダークッション、カスタムカー用のベッドマット、キャンピングカー用クッション等のクッション材や表皮材・表皮裏打ち材、天井材、ハンドル、ドアトリム、インストルメントパネル、ダッシュボード、ドアパネル、ピラー、コンソールボックス、クォータートリム、サンバイザー、フレキシブルコンテナー、フロントミラー、ハーネス、ダストカバー等の芯材や表皮材・表皮裏打ち材、フロアクッション等の制振吸音材、ヘルメット内張り、クラッシュパッド、センタピラガーニッシュ等の緩衝材、エネルギー吸収バンパー、ガード防音材、車両ワックス用スポンジ等が挙げられる。
寝具・寝装品用途としては、枕、掛け布団、敷布団、ベッド、マットレス、ベッドマット、ベッドパッド、クッション、ベビーベッド、ベビー用首まくら等のクッション材や表皮材・表皮裏打ち材等が挙げられる。
家具用途としては、椅子、座イス、座布団、ソファー、ソファークッション・シートクッション等の各種クッション、カーペット・マット類、コタツ敷・掛け布団、便座マット等のクッション材や表皮材・表皮裏打ち材等が挙げられる。
各種機器用途としては、液晶、電子部品等のシール・緩衝材、ロボットの皮膚、導電性クッション材、帯電防止性クッション材、圧力感知材等が挙げられる。
各種洗浄用スポンジ用途としては、清掃用クリーナー、食器洗浄用クリーナー、身体洗浄用クリーナー、靴磨クリーナー、洗車用クリーナー等が挙げられる。
トイレタリー用途としては、オムツ、生理用ナプキン等の吸収材、サイドギャザーや各種液体フィルター等が挙げられる。
履物用途としては、靴の表皮材、裏打ち、中敷、靴擦れ防止パッド、各種靴パッド、インナブーツ、スリッパ、スリッパ芯、サンダル、サンダル中敷等が挙げられる。
化粧用具用途としては、化粧用パフ、アイカラーチップ等が挙げられる。
各種雑貨用途としては、バスピロー等の風呂用品、マッサージ用パフ、マウスパッド、キーボード用アームレスト、滑り止めクッション、文具(ペングリップ、浸透印材)、デスク用小まくら、耳栓、綿棒、ホットパック用シート、コールドパック用シート、湿布、めがねパッド、水中眼鏡用パッド、顔面プロテクター、腕時計パッド、ヘッドホーンイヤーパット、イヤホン、氷枕カバー、折りたたみまくら等の芯材、クッション材や表皮材・表皮裏打ち材、両面テープ基材、芳香剤、スタンプ台等の吸着媒体等が挙げられる。
衣料用途としては、肩・ブラジャー等のパッド材や、防寒材等のライナーや断熱材等が挙げられる。
スポーツ用品用途としては、スポーツ用プロテクター類、ボルダリング(高さ2〜3m程度の岩を登るクライミング・ミニ岩登り)マット、ビート板、高飛び用のクッション材、体操競技や運動用の着地マット、キッズマット等のクッション材や表皮材・表皮裏打ち材、スキーブーツ、スノーボードブーツ等のライナー等が挙げられる。
玩具・遊具用途としては、ハンドエクササイザー、ヒーリンググッズ、キーホルダー、ぬいぐるみ、マネキンボデイー、ボール、マッサージボール等のクッション材や詰め物、表皮材・表皮裏打ち材、装飾品や怪獣等の特殊形状物、各種物品形状の型取りやモデル作製用等の注型材料、注型法における物品形状の型取り材料、型からのモデルサンプル作製材料、装飾品作製材料、怪獣の特殊造型・造型物等が挙げられる。
医療・介護用途としては、再生医療用細胞シート、人工皮膚、人工骨、人工軟骨、人工臓器、その他生体適合材料、薬液染み出しパッド、止血パッド、気液分離フィルター(留置針フィルター)、貼布剤、医療用液体吸収用具、マスク、圧迫パッド、手術用ディスポ製品、低周波治療器用電極パッド、床ずれ予防マットレス、体位変換クッション、車椅子用クッション、車椅子の座面、シャワー椅子等の介護用品、入浴介護用枕、拘縮用手のひらプロテクター、テーピング、ギブス用ライナー、義肢・義足用ライナー、入れ.歯台、その他.歯科用品、衝撃吸収パッド、ヒッププロテクター、肘・膝用プロテクター、創傷被覆材等にも利用できるものである。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、及び比較例中の測定、評価は、次の条件・方法により行った。なお、合成例、組成物の作成においては特に断りがない場合、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」を示す。
<発泡体の密度>
得られた発泡体から30mm角程度の立方体を切り出し、3辺のサイズを測定して体積を算出し、測定した重さから除することにより、密度を算出した。なお、発泡体作製後に発泡体が収縮し、密度測定不可のものは「収縮」と記載した。
<触感>
得られた発泡体を手で圧縮した際の触感を、以下の基準で評価し、△以上で合格とした。
○:指で底づき感を感じるまで押して、横にずらした際に、小さい力で横ずり変形ができる(ゲル素材と同等)
○△:指で底づき感を感じるまで押して、横にずらした際に、中程度の力で横ずり変形ができる
△:指で底づき感を感じるまで押して、横にずらした際に、横ずり変形には大きな力が必要である
△×:指で底づき感を感じるまで押して、横にずらした際に、大きな力を加えると横ずり変形ができるが、変形量が少ない
×:指で底づき感を感じるまで押して、横にずらした際に、大きな力を加えても横ずり変形ができない。
<ブリードアウト>
得られた発泡体を手で触り、ブリード物の手への付着の有無を以下の基準で評価し、△以上で合格とした。
○: ブリード物の付着が全く無い
○△:ブリード物の付着が僅かにある
△: ブリード物の付着が少しある
△×:ブリード物の付着がある
×: ブリード物の付着が多量にある。
<硬度・硬度変化率>
得られた発泡体を30mm角の立方体に切り出し、豆腐用硬度計((株)大場計器製作所製)を用いて発泡体作製後の硬度を評価し、柔軟性の目安とした。また、発泡体を100℃に設定したオーブンで1週間加熱養生を行った後、豆腐用硬度計を用いて加熱養生後の硬度を評価し、
硬度変化率(%)=(加熱養生後の硬度−発泡体作製後の硬度)/発泡体作製後の硬度×100
の式から硬度変化率を算出した。
<単位密度当りの硬度>
豆腐用硬度計で測定した硬度を密度で除することで単位密度当りの硬度を算出した。
<圧縮残留ひずみ>
JIS K 6400−4 C法に準拠し、得られた発泡体を30mm角の立方体に切り出し、75%(7.5mmの厚さになるまで)圧縮し、40℃のオーブンにて、8時間加熱した。その後取り出して室温で圧縮を解放し後30分後の厚さを測定して元の厚さに対する厚さの低下率を算出した。
<圧縮残留ひずみ(30回)>
圧縮残留ひずみの繰り返し変化を評価するため、上記の圧縮残留ひずみ評価を1サイクルとし、これを30回繰り返して評価した。
<実使用における圧縮残留ひずみと硬さ変化率>
幅400mm奥行き400mm厚さ30mmのウレタン発泡体(ERG−H、イノアックコーポレーション製)の上に実施例で作製した200mm×200mm×50mmの発泡体を4枚並べて幅400mm、奥行き400mm、となるように敷き重ねて厚さ80mmのクッション材とした。着座面は実施例で作製した発泡体である。このクッション材にカバーを被せてクッションとし、被験者6名が各人概ね一日に6時間〜12時間クッション材を用いた事務椅子に着座した着座試験を行い、クッションの厚さと硬さを測定して厚さと硬さの変化率を求めた。ここで着座日数とは、実際に被験者が着座した日数である。硬さはJIS K 6400−2 A法に準拠して測定し、得られた硬さから硬さ変化率を下記の計算式により算出した。
硬さ変化率(%)=(各着座日数での硬さ−評価開始時の硬さ)/評価開始時の硬さ×100。
<使用原料>
実施例・比較例においては、表1に示す原料を用いた。
Figure 2013076047
(硬化剤(A−2)の合成)
(―Si−O−)繰り返しユニットを平均して10個もつ両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサンに白金触媒存在下全ヒドロシリル基量の0.5当量のα―メチルスチレンを添加し、1分子中に平均5個のヒドロシリル基を有する化合物(硬化剤(A−1)を得た。この化合物の数平均分子量Mnは1190、ヒドロシリル基当量は238g/molであった(化合物を30%エタノール性水酸化カリウムに添加して発生した水素量をWS型湿式ガスメーターにて測定し、化合物中のヒドロシリル基当量を見積った。)。
(重合体(B)の合成)
苛性アルカリを用いた重合法により、数平均分子量3000のオキシプロピレン重合体グリコールを得た。得られたオキシプロピレン重合体グリコールを開始剤として複合金属シアン化物錯体触媒(亜鉛ヘキサシアノコバルテート)を用いてプロピレンオキシドを重合し、数平均分子量20000の重合物を得た。
この重合物に対して、ナトリウムメチラートの28%メタノール溶液と塩化アリルを使用して末端をアリル基に変換した後、脱塩精製して、1分子中に概ね2個のアリル基末端を有するポリオキシプロピレン重合体(重合体(B−1))を得た。得られた重合体のアリル基当量を測定し(JIS K 1557に準拠した方法でアリル基量を滴定にて測定)、その結果から1分子中に含まれるアルケニル基は2.4であることが判った。
(可塑剤(F)の合成)
苛性アルカリを用いた重合法により、数平均分子量3000のオキシプロピレン重合体グリコールを得た。得られたオキシプロピレン重合体グリコールを開始剤として複合金属シアン化物錯体触媒(亜鉛ヘキサシアノコバルテート)を用いてプロピレンオキシドを重合し、1分子中にアルケニル基数を0個有する数平均分子量20000の重合物を得た。
(実施例1〜10)、(比較例1〜6)
1Lディスポカップ中で重合体(B)100部に対して、表1に示す耐光性安定剤−1と耐光性安定剤−2、および紫外線吸収剤をそれぞれ1.0部、発泡剤(D)をそれぞれ5.0部(重量比率:重曹/クエン酸=1)添加し、十分混合した後に、3本ペイントロール[(株)小平製作所製]で練りこみ、マスターバッチを作成した。このマスターバッチに貯蔵安定性改良剤を0.02部、触媒(C)を0.02部添加して十分に混合した。その後、表2に記載の硬化剤(A)と潤滑剤(E)、可塑剤(F)を混合して発泡性液状樹脂組成物を得た。
得られた組成物を上部が開放されたフッ素樹脂で被覆した鉄製型(200mm×200mm×50mm)に発泡体の養生後の厚さが概ね50mmになるように充填量を計算して注入し、100℃に設定したオーブンで60分加熱硬化し、発泡体を得た。得られた発泡体を型から外して、120℃に設定したオーブンで120分加熱養生した後、発泡体の密度、触感、硬度、圧縮残留、圧縮残留ひずみ(30回)ひずみの評価を行った。また、経時変化として、前記発泡体を100℃に設定したオーブンで1週間加熱養生を行い、触感、硬度を評価した。表2に示す。なお、実使用における圧縮残留ひずみ硬さの変化率は、実施例5で得られた発泡体を用いた。表3に結果を示す。
Figure 2013076047
Figure 2013076047
表2および表3より、ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)を併用し、潤滑剤(E)、可塑剤(F)を配合した発泡性液状樹脂組成物から得られる発泡体は、ブリードアウトが少なく、触感と柔軟性が良好な発泡体が得られることが判る。
また、発泡性液状樹脂組成物中のヒドロシリル基含有量をアルケニル基1モル当り1.2モル以上5.0モル以下モルあることにより、得られる発泡体は圧縮残留ひずみが低く、経時変化による触感や柔軟性に大きな変化が無く、長期間の使用に問題がない事が判る。また、30回繰り返し圧縮残留ひずみは実使用よりも高い温度である40℃での評価であることから、開始から1年を経ても圧縮残留ひずみは5%以下であることが推測される。実使用における評価において、硬さは評価開始後30日程度で硬さが20%程度低下しているが、その後120日経過までほぼ変化しておらず、また圧縮残留ひずみは120日経過の時点で3%程度とそれぞれ小さい状態が維持できている。

Claims (12)

  1. ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる発泡性液状樹脂組成物であり、該発泡性液状樹脂組成物中のヒドロシリル基含有量がアルケニル基1モル当り1.1モル以上5.0モル以下である発泡性液状樹脂組成物。
  2. 重合体(B)が、数平均分子量10000以上100000以下である請求項1に記載の発泡性液状樹脂組成物。
  3. 重合体(B)の主鎖を構成する繰り返し単位がオキシプロピレンである 請求項1または2に記載の発泡性液状樹脂組成物。
  4. 発泡剤(D)が、加熱により分解して無機ガスを発生する化学発泡剤である請求項1〜3何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
  5. 潤滑剤(E)が、動粘度(25℃)が30mm2/s以上10000mm2/s以下のシリコーン系潤滑剤である請求項1〜4何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
  6. 可塑剤(F)が、数平均分子量1000以上30000以下である請求項1〜5何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
  7. 可塑剤(F)の主鎖を構成する繰り返し単位がオキシプロピレンである請求項1〜請求項6何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物。
  8. ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる請求項1〜7何れか一項に記載の発泡性液状樹脂組成物を発泡してなる発泡体。
  9. 密度が20kg/m3以上350kg/m3以下である請求項8に記載の発泡体。
  10. 40℃、8時間条件下で75%圧縮したときの圧縮残留ひずみが10%以下である請求項8または9に記載の発泡体。
  11. ヒドロシリル基当量が30g/mol以上180g/mol未満の硬化剤(A−1)とヒドロシリル基当量が180g/mol以上700g/mol以下の硬化剤(A−2)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)、潤滑剤(E)、分子鎖中に平均して1個未満のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系単位からなる可塑剤(F)からなる発泡性液状樹脂組成物を発泡させることを特徴とする請求項8〜10何れか一項に記載の発泡体の製造方法。
  12. 発泡性液状樹脂組成物を40℃以上150℃以下の温度で硬化、発泡させることを特徴とする請求項11に記載の発泡体の製造方法。
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