JP5638855B2 - クッション材 - Google Patents

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Description

本発明は、褥瘡防止効果に優れたクッション材に関する。詳しくは、褥瘡の原因のひとつとして注目されているずれ力を緩和する性能を持ち、座り心地が良好であるクッション材に関する。
近年、高齢化社会を迎え、長期療養施設や在宅医療の場において、褥瘡(床ずれ)が社会問題となっている。2002年には、医療機関における褥瘡対策未実施減算が施行されるなど、褥瘡予防対策が浸透しつつある。臥位で使用する寝具(ベッド、布団、マットレス)のみならず、座位での椅子、車いすにおいても長時間の使用により、褥瘡が発生することが知られている。褥瘡の発生要因としては、3つの応力と時間が挙げられる。
3つの応力とは、皮膚表面に対して垂直な力である圧縮応力、皮膚表面のずれにより発生するせん断応力(この力をずれ力と定義する)、身体の内部において引っ張られることにより発生する引張応力である。このうち、圧縮応力については、圧縮応力集中を防ぎ、体圧分散性を良くすることで排除できると言われ、体圧分散性を謳った製品が多数販売されている。
椅子や車いすの座位では、臥位に比べて体重を受ける面積が小さく、臀部に応力が集中する。また、座位では姿勢によって坐骨結節部や尾骨に大きな圧縮応力がかかり、座位姿勢の悪化や座り直し、足こぎなどによって、臥位よりもさらに大きなずれ力がかかる。
上記の用途に用いられるクッション材としては、エアークッション材、ウレタン発泡体からなるクッション材、ゲル状物からなるクッション材などが挙げられる。エアークッション材は体圧分散性に優れているが体位保持性能が低いという問題点がある。また、ウレタン発泡体からなるクッション材は、一定水準の体圧分散性を有するが、先述のずれ力緩和機能が低いことが知られている。一方、ゲル状物からなるクッション材は、ずれ力緩和性能が高いと言われているが、体圧分散性能が低いと言われている。
これに対して、体圧分散性能とずれ力緩和性能を両立するクッション材として、軟質ポリウレタン発泡体の一種であるゲル状構造を有する低反発ウレタン発泡体からなるクッション材が提案されている(特許文献1、2)。また、アンカーの形状を規定し、ずれ力緩和性能を保持し、着座姿勢が崩れにくいクッション材が提案されている(特許文献3)。しかし、上記のクッション材は、実際の着座のように圧縮応力印加後において、ずれ力緩和性能が高いとは言えない。
特開2006−51067号公報 特開2006−188629号公報 特開2009−000406号公報
本発明の目的は、褥瘡発生要因のひとつであるずれ力を緩和する性能が高く、座り心地が良好であるクッション材を提供することである。
本発明は以下の構成を有するものである。
1). 動的粘弾性測定装置を用いて発泡体の厚み方向の見かけ発泡倍率が1になるように厚さ1mmに圧縮して測定したときの25℃におけるせん断弾性率が0.35MPa未満である素材(1)を使用し、少なくとも1層の別の部材(2)に積層させてなり、少なくとも2層構造からなることを特徴とするクッション材。
2). 素材(1)において、シリコーン成分を含む重合体を基材樹脂とすることを特徴とする請求項1に記載のクッション材。
3). 基材樹脂が、分子鎖中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭化水素系単位、または、オキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、を含んでなる樹脂組成物を硬化させた樹脂成形体であることを特徴とする2)に記載のクッション材。
4). 重合体(B)が、数平均分子量が10000以上の重合体であることを特徴とする3)に記載の樹脂成形体を用いたクッション材。
5). 基材樹脂が発泡剤(D)を含み、発泡樹脂成形体であることを特徴とする2)〜4)のいずれかに記載のクッション材。
6). 全体の厚さが15mm以上100mm以下であることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のクッション材。
7). 部材(2)が、繊維、海綿、軟質樹脂成形体、発泡樹脂成形体および軟質ゴムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のクッション材。
8). 厚さが1mm以上100mm以下であるアンカー(3)を積層させたことを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載のクッション材。
9). アンカーが傾斜構造となっていることを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載のクッション材。
10). アンカーが樹脂成形体、発泡樹脂成形体および軟質ゴムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1)〜9)のいずれかに記載のクッション材。
11). 車いす用であることを特徴とする1)〜10)のいずれかに記載のクッション材。
本発明のクッション材は、ずれ力緩和性能に優れ、座り心地が良好であり、座位における褥瘡の発生を予防することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。
本発明のクッション材に用いる素材(1)は、動的粘弾性測定装置を用いて発泡体の厚み方向の見かけ発泡倍率が1になるように厚さ1mmに圧縮して測定したときの25℃におけるせん断弾性率が0.001MPa以上0.35MPa未満であることが好ましい。本発明において、見かけ発泡倍率が1になるように厚さ1mmに圧縮するとは、例えば発泡倍率が2倍のものについては、元厚さを2mmとして1mmに圧縮し、3倍の場合は元厚さ3mmを1mmに圧縮することと定義した。褥瘡発生要因のであるずれ力緩和性能の観点から、より好ましくは、0.001MPa以上0.30MPa未満、さらに好ましくは0.005MPa以上0.25MPa未満である。
なお、せん断弾性率の測定には、動的粘弾性測定装置を用いて評価することができ、測定時の周波数は10Hzとする。このような測定装置としては、例えば、動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユー・ビー・エム製)、動的粘弾性測定装置DVA−200(アイティー計測制御製)などがある。
本発明のクッション材における素材(1)は、特に制限するものではないが、物性の観点から、シリコーン成分を含む重合体を基材樹脂とすることが好ましい。さらに好ましくは、安全性の点から、シリコーン系重合体を基材樹脂とするクッション材である。
本発明のクッション材における素材(1)に用いうるシリコーン系成分を含む重合体は、分子骨格中にシロキサン単位を有した樹脂であれば、特に制限されるものではないが、例えば、ヒドロシリル基を有する化合物、アルケニル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒を含んでなる樹脂組成物を硬化してなる樹脂を用いることが、成形性や機械物性などの諸物性のバランスに優れることから好ましい。より好ましくは、ヒドロシリル基を有する化合物として「分子鎖中に平均して少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)」、前記アルケニル基を有する化合物として「分子鎖中に少なくとも平均して1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭化水素系単位、または、オキシアルキレン系単位からなる重合体(B)」および「ヒドロシリル化触媒(C)」を含んでなる樹脂組成物を硬化させたものであることが好ましい。
前記「分子鎖中に平均して少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)」(以下、単に、硬化剤(A)と称す場合がある)は、前記「分子鎖中に少なくとも平均して1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭化水素系単位、または、オキシアルキレン系単位からなる重合体(B)」(以下、単に、重合体(B)と称す場合がある)の硬化剤として作用する。硬化剤(A)は、分子鎖中には平均して少なくとも2個のヒドロシリル基を有することが好ましいが、より好ましくは2個以上80個以下、さらに好ましくは2個以上60個以下、特に好ましくは3個以上50個以下のヒドロシリル基を有し、そのため、それぞれのヒドロシリル基が重合体(B)に存在するアルケニル基と反応して硬化する。
分子鎖中のヒドロシリル基の数が2個より少ないと、樹脂組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる場合の硬化速度が遅くなり、硬化不良を起こす場合がある。また、分子鎖中のヒドロシリル基の個数が80個より多くなると、硬化剤(A)の安定性、即ち樹脂組成物の安定性が悪くなり、その上、硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化した樹脂組成物中に残存しやすくなり、クラックの原因となる場合がある。
硬化剤(A)の分子量は、成形性などの点から、数平均分子量(Mn)で30000以下であることが好ましく、20000以下、15000以下であることがより好ましい。重合体(B)との反応性や相溶性まで考慮すると、300〜10000が特に好ましい。
前記のごとき硬化剤(A)の構造について特に制限はないが、例えば、炭化水素系硬化剤やポリシロキサン系硬化剤が例示できる。
炭化水素系硬化剤とは、
一般式(1):R
(式中、Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含む基、Rは炭素数2〜150の1〜4価の炭化水素基、aは1〜4から選ばれる整数、ただし、Xに1個のヒドロシリル基しか含まれない場合、aは2〜4から選ばれる整数)
で示される。
本発明における重合体(B)は、分子鎖中に平均して少なくとも1個のアルケニル基を有する化合物であれば、特に限定するものでは無いが、数平均分子量が10000以上の重合体が好適に使用される。重合体(B)は、硬化剤(A)とヒドロシリル化反応して硬化する成分であり、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状となり、硬化する。
重合体(B)に含まれるアルケニル基の数は、硬化剤(A)とヒドロシリル化反応するという点から少なくとも平均して1個以上、10個未満であることが好ましい。硬化後の硬さの観点から、重合体Bに含まれるアルケニル基の数は、少なくとも平均して1個以上、5個未満であることがさらに好ましい。
本発明のヒドロシリル化触媒(C)としては、ヒドロシリル化触媒として働くものである限り、特に制限はなく、任意のものを使用し得る。
本発明における発泡剤(D)としては、特に限定するものではないが、例えば、通常、ポリウレタン、フェノール、ポリスチレン、ポリオレフィン等の有機発泡体に用いられる、揮発性液体や気体の物理発泡剤、加熱分解もしくは化学反応により気体を発生させる化学発泡剤、ヒドロシリル基と反応して水素を発生させる活性水素基含有化合物などが挙げられる。発泡剤(D)としては、物理発泡剤、化学発泡剤、活性水素化合物より選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
物理発泡剤としては、ヒドロシリル化反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、発泡性、および作業性と安全性の点から、物理発泡剤の沸点は、100℃以下であることが好ましく、50℃以下がより好ましい。具体的には、炭化水素、フロン、塩化アルキル、エーテルなどの有機化合物、二酸化炭素、窒素、空気などの無機化合物が挙げられるが、環境適合性の観点から、炭化水素、エーテル、二酸化炭素、窒素、空気から選ばれる化合物を用いることが好ましい。
前記化学発泡剤としては、ヒドロシリル化反応を阻害しないものであれば特に限定はないが、例えば、重曹、などの無機系化学発泡剤や、アゾジカルボンアミド、4、4‘‐オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などの有機系化学発泡剤などが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物としては、ヒドロシリル基と反応して水素を発生する活性水素基を含有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、1級飽和炭化水素アルコール、カルボン酸または水が好ましく用いられる。これらの活性水素基含有化合物のなかでも、反応性や取り扱い性の点から、水、アルコール、およびポリエーテルポリオールよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることが好ましく、また、柔軟性や透湿性付与の観点から、酸素が直接炭素に結合している化合物または水が好ましい、即ち水、エタノール、ポリエチレングリコールが好ましい。
その他に、本発明の基材樹脂には、必要に応じて、さらに、充填剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、ポリジメチルシロキサン―ポリアルキレンオキシド系界面活性剤あるいは有機界面活性剤(ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル等)などの整泡剤、酸あるいは塩基性化合物(ヒドロシリル基とヒドロキシル基との反応調整のための添加剤であり、酸で縮合反応を抑制し、塩基で加速する。)、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、分解促進剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤などを、本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
また、整泡性や、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)の相溶性を向上する目的で、界面活性剤を添加することもできる。
さらには、硬化剤(A)、重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、発泡剤(D)成分からなる本発明の組成物に、必要であれば貯蔵安定性を改良するために貯蔵安定性改良剤を添加してもよい。貯蔵安定性改良剤としては、硬化剤(A)の貯蔵安定剤として知られている通常の安定剤で所期の目的を達成するものであれば使用することができる。
本発明のクッション材全体の厚さは5mm以上120mm以下が好ましい。さらに好ましくは、10mm以上120mm以下である。最も好ましくは、ずれ力緩和性能および座り心地の観点から、15mm以上100mm以下である。ここでクッション材全体の厚さとは、傾斜構造を持つアンカー(3)を用いた場合、最大の厚さとなる部分を言う。
本発明のクッション材に少なくとも1層積層させる部材(2)としては、一般的にクッション材に使用可能な材料であればよい。具体的には、繊維、(各種天然繊維、各種合成繊維)、海綿、軟質樹脂成形体、これら発泡樹脂成形体、軟質ゴムなどをあげることができる。これらのうち、褥瘡防止に優れた効果を発揮できるものとしては、軟質樹脂成形体ではポリウレタンゲル、シリコンゲル、発泡樹脂成形体では、ポリウレタン発泡体、ポリオレフィン発泡体、ポリスチレン発泡体などが好ましく用いられる。
なお、発泡気泡形態としては、独立気泡や連続気泡のいずれでも良いが、緩衝部材としての性能をより発揮するためには、連続気泡(独立気泡のセル壁が破れて連続気泡状態になっているような混在系も含む)のものが好ましい。本発明のクッション材に少なくとも1層積層させる部材(2)の厚さとしては、10μm以上100mm以下が好ましい。さらに好ましくは、取扱性の観点から、50μm以上、90mm以下である。最も好ましくは、10mm以上80mm以下である。
本発明のクッション材に少なくとも1層積層させる部材(2)は、素材(1)とは異なるものであり、素材(1)よりも硬いことが好ましい。ここで、硬さはJISK6400−2A法に準拠して算出するものである。少なくとも1層積層させる部材(2)と本発明のクッション材に用いる素材(1)の硬さの差としては、好ましくは5N以上300N未満である。さらに好ましい硬さの差としては、10N以上200N未満である。
本発明においては、最下部に骨盤の前方への傾斜を防ぐ目的で、厚さが1mm以上100mm以下であるアンカー(3)を積層させることが好ましい。さらに好ましい厚さは、取扱い性の観点から、5mm以上70mm以下である。最も好ましくは5mm以上30mm以下である。
本発明におけるアンカー(3)は傾斜構造を持たせることができる。この傾斜構造とは、膝方向の前面が高く、背部方向の後面が低い構造を意味する。好ましい傾斜は、座位姿勢を安定させる観点から、前面と後面の厚さの差が3mm以上50mm以下である。さらに好ましくは、厚さの差が5mm以上30mm以下である。最も好ましくは、5mm以上20mm以下である。アンカーとしては、樹脂成形体、発泡樹脂成形体および軟質ゴムから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
素材(1)、部材(2)、アンカー(3)はそれぞれ、着座面からみて、素材(1)部材(2)、あるいは素材(1)部材(2)アンカー(3)の順に積層してクッション材とすることが好ましい。さらには、素材(1)部材(2)アンカー(3)の順に積層してクッション材とすることが好ましい。
アンカー(3)としては、特に制限されるものではないが、骨盤の傾斜を防ぐ観点から、素材(1)あるいは部材(2)に比較して、硬いものが好ましい。
本発明のクッション材の用途としては、特に制限されるものではないが、座位用であることが好ましい。さらに好ましくは、長時間の座位となる可能性が高い車いす用である。最も好ましくは、座位において大きなずれ力がかかると考えられる、足こぎで使用する車いす用である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例中の測定、評価は、次の条件・方法により行った。なお、特にことわりがない場合、実施例および比較例の部や%は重量基準である。
(1)硬さ測定方法:JISK6400−2 A法に準拠して算出した。
(2)せん断弾性率測定:動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユー・ビー・エム製)を用い、5mm×5mm、厚さは1mmとし、発泡している場合は測定時の厚み方向の見かけ発泡倍率が1になるように厚さを決定した試験片を2個用い、周波数10Hz、せん断ひずみ0.16%、測定温度範囲―50℃から80℃、昇温速度を4℃/minとして測定を行い、25℃のせん断弾性率の値を読み取った。
(3)座り心地評価:座り心地については、「ずれ力緩和性」、「底づき感」、「安定感」について、一般パネラー10人に実際にクッション材に着座してもらい、身体を前後左右に揺らすなどし、官能評価により行った。評価基準は以下の通りである。パネラーの採点から平均値を算出し、評価点とした。
「ずれ力緩和性」:
3点:身体を揺らしたときも皮膚が引っ張られる感覚がなく、ずれ力緩和性があるように感じる。
2点:どちらともいえない。
1点:身体を揺らすと臀部が動かし辛く、皮膚が引っ張られる感覚があり、ずれ力緩和性がないように感じる。
「底づき感」:
3点:底づき感がない。
2点:どちらともいえない。
1点:坐骨部がクッションの下の椅子の硬さを拾い、底づき感がある。
「安定感」:
3点:安定感がある。
2点:どちらともいえない。
1点:ふわふわして安定感がない。
<使用化合物>
実施例・比較例においては、表1に示す化合物を用いた。
Figure 0005638855
(実施例1)
100重量部の重合体B(カネカサイリルACX022、カネカ製)に対して、発泡剤D−1(エタノール)を7.7重量部、触媒C(Pt−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(3重量%イソプロパノール溶液)、エヌ・イー・ケムキャット製)を0.03225重量部加えて十分に混合し、さらに、硬化剤A(KF−99、信越化学工業製)を12重量部添加してすばやく攪拌した。
この混合物を400×400mmの上部開放の型内に、得られる発泡成形体の厚さが概ね40mmになるように注入し、40℃に設定したオーブンで60分加熱硬化してシリコーン成分を含む重合体を基材樹脂とする発泡成形体を得た。得られた発泡樹脂成形体の自由発泡した面側に比較例1の軟質ウレタン発泡体の厚さ30mmと重ね、合計70mmのクッション材とした。発泡樹脂成形体を着座面とした座り心地評価で得られた結果と、発泡樹脂成形体の特性を表2に示す。
(実施例2)
100重量部の重合体B(カネカサイリルACX022、カネカ製)に対して、発泡剤D−2(FE−507、永和化成工業製)と助剤E−1(IRGANOX245)、助剤E−2(TINUVIN400)、E−3(TINUVIN123、以上チバ・ジャパン製)をそれぞれ1.0部、E−4(セルボンSC−C、永和化成工業製)を5.0部加え、3本ロールで練りこみ、マスターバッチを作った。このマスターバッチにさらに触媒C((Pt−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(3重量%イソプロパノール溶液)、エヌ・イー・ケムキャット製)を0.02部、助剤E−5(MBO、和光純薬工業製)を0.02部加えて十分に混合し、硬化剤A(KF−99、信越化学工業製)を12.0部、加えてすばやく攪拌した。
この混合物を400×400mmの上部開放の型内に、得られる発泡成形体の厚さが概ね40mmになるように注入し、100℃に設定したオーブンで60分加熱硬化してシリコーン成分を含む重合体を基材樹脂とする発泡樹脂成形体を得た。得られた発泡樹脂成形体の自由発泡した面側に比較例1の軟質ウレタン発泡体の厚さ30mmと重ね、合計70mmのクッション材とした。発泡樹脂成形体を着座面とした座り心地評価で得られた結果と、発泡樹脂成形体の特性を表2に示す。
(実施例3)
実施例2で作製した発泡樹脂成形体を、さらに100℃に設定したオーブンで5時間加熱養生した以外は、実施例2と同様の方法によりクッション材とし、実施例2と同様の方法で評価した。その結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1のクッション材の軟質ウレタン発泡体側に400×400mm、前方の厚さ20mm、後方の厚さ10mmとなるような傾斜構造を持つように切り出したビーズ法発泡ポリオレフィン系樹脂成形体(エペランPP15倍品、カネカ製)を積層し、発泡樹脂成形体を着座面として座り心地を評価し、その結果を表2に示す。なお、このビーズ法発泡ポリオレフィン系樹脂成形体のJISK6767により測定した圧縮硬さは0.25MPaである。
(比較例1)
軟質ウレタン発泡体(ERG−H、イノアックコーポレーション製)を400×400mm、厚さ70mmに切り出し、座り心地を評価した結果を表2に示す。
(比較例2)
車いす用クッションとして市販されているEXBO(日東メディカル製)の着座面に配されたゲルフォームの特性と、EXBOそのものの座り心地評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1と同様の方法で、400×400mmの上部開放の型により厚さが概ね70mmのシリコーン成分を含む重合体を基材樹脂とする発泡樹脂成形体を作成し、座り心地評価を行い、得られた結果と発泡樹脂成形体の特性を表2に示す。

上記結果より、実施例の素材(1)は、動的粘弾性測定装置を用いて発泡体の厚み方向の見かけ発泡倍率が1になるように厚さ1mmに圧縮して測定したときの25℃におけるせん断弾性率が0.35MPa未満であり、少なくとも1層の別の部材(2)と積層させることで座り心地が良好となることがわかった。さらにアンカー(3)を設けることでより座り心地が改良できていることが判る。
本発明によって、褥瘡発生要因のひとつであるずれ力を緩和する性能が高いクッション材を提供することが明らかになった。
Figure 0005638855

Claims (11)

  1. 動的粘弾性測定装置を用いて発泡体の厚み方向の見かけ発泡倍率が1になるように厚さ1mmに圧縮して測定したときの25℃におけるせん断弾性率が0.35MPa未満である素材(1)を使用し、少なくとも1層の別の部材(2)に積層させてなり、少なくとも2層構造からなることを特徴とするクッション材であって、
    素材(1)が着座面であり、
    部材(2)が、繊維、海綿、軟質樹脂成形体、発泡樹脂成形体および軟質ゴムから選ばれる少なくとも1種であるクッション材。
  2. 素材(1)において、シリコーン成分を含む重合体を基材樹脂とすることを特徴とする請求項1に記載のクッション材。
  3. 基材樹脂が、分子鎖中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する硬化剤(A)、分子鎖中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭化水素系単位、または、オキシアルキレン系単位からなる重合体(B)、ヒドロシリル化触媒(C)、を含んでなる樹脂組成物を硬化させた樹脂成形体であることを特徴とする請求項2に記載のクッション材。
  4. 重合体(B)が、数平均分子量が10000以上の重合体であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂成形体を用いたクッション材。
  5. 基材樹脂が発泡剤(D)を含み、発泡樹脂成形体であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のクッション材。
  6. 全体の厚さが15mm以上100mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のクッション材。
  7. 部材(2)は素材(1)よりも硬く、硬さの差が5N以上300N未満である、請求項1〜6のいずれかに記載のクッション材。
  8. 厚さが1mm以上100mm以下であるアンカー(3)を積層させたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のクッション材。
  9. アンカーが傾斜構造となっていることを特徴とする請求項に記載のクッション材。
  10. アンカーが樹脂成形体、発泡樹脂成形体および軟質ゴムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8または9に記載のクッション材。
  11. 車いす用であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のクッション材。
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