JP2013074153A - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

多層配線基板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ビルドアップや多層配線基板の貼りあわせを行わなくても高密度配線が可能なことにより、低コスト化と歩留まり確保を可能にした多層配線基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の配線層と、これらの配線層の間に配置された絶縁層と、前記配線層同士を電気的に接続する層間接続とを有する多層配線基板であって、前記複数の配線層が、表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層とを有し、前記層間接続が、表層配線層から前記複数の高密度配線層に到る非貫通孔を有する多層配線基板及びその製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、高密度配線が可能な多層配線基板及びその製造方法に関する。
バックボード等の用途に用いられる多層配線板においては、高密度化に伴って、配線層が20層を超えるような高多層化が進み、多層配線基板の厚さも3mmを超えるような高板厚となっている。このような高板厚で高多層の多層配線基板では、両面に配線層やこれらの配線層の層間接続を形成した内層板を、必要な配線層の数に対応する枚数だけ積層一体化して積層板を形成した後、この積層板の全体を貫通するスルーホールを明け、スルーホールめっきを行うことで層間接続を形成したものが一般的である(以下、このような製造方法を、「従来工法」という。)。
しかし、近年では、さらに高密度化が求められており、この要求に応える方法として、スルーホールの孔径を微細化し、スルーホールめっきの付き回りを改善する方法や(特許文献1)、上述した従来工法で形成した多層配線基板の上に、いわゆるビルドアップ工法を用いて配線層とIVH(Interstitial Via Hole)を形成する方法(特許文献2)、あるいは、従来工法で形成した多層配線板同士を貼りあわせる方法(特許文献3)、さらに、等が開示されている。
特開2010−275603号公報 特開2004−069692号公報 特開平06−326466号公報
しかしながら、特許文献1の多層配線基板では、配線層が20層を超えるような高多層で、多層配線基板の厚さが3mmを超えるような高板厚の多層配線基板である場合、多層配線基板の板厚全体を貫通するスルーホールを形成するための孔明け方法は、ドリルに限られ、形成できる孔径(ドリル径)は、最小で直径0.2mm程度が限界となっている。また、このような小径のスルーホールの場合には、スルーホールめっきの付き回りの問題もあり、直径の0.2mm程度のスルーホールの場合、板厚は3mm程度(アスペクト比としては、15程度。)が限界となっている。したがって、スルーホールの微細化によるこれ以上の高密度化は難しい。
特許文献2の多層配線基板では、従来工法で形成した多層配線基板の上に、ビルドアップ層を設けるので、層間接続をスルーホールだけでなく、IVHを用いて形成することができるので、高密度化を図ることができる。しかし、従来工法に比べて、ビルドアップ工法は、歩留まりが低下する傾向があり、比較的高価な高多層配線基板においては、コスト上大きな問題となる。
特許文献3の多層配線基板では、従来工法で形成した多層配線基板同士を貼りあわせるので、その際に、それぞれの多層配線基板に形成されたスルーホールが、貼りあわせ後の多層配線基板におけるIVHとなる。このため、板厚全体を貫通するスルーホールで層間接続を形成するよりは、高密度化を図ることができる。しかし、貼りあわせるための多層配線基板をそれぞれ別々に作製したり、貼りあわせた後の多層配線基板に対してもスルーホールやめっきを形成するため、やはり、従来工法に比べると、大幅に工数が増加する問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ビルドアップや多層配線基板の貼りあわせを行わなくても高密度配線が可能なことにより、低コスト化と歩留まり確保を可能にした多層配線基板及びその製造方法を提供する。
本発明は、以下に関する。
1. 複数の配線層と、これらの配線層の間に配置された絶縁層と、前記配線層同士を電気的に接続する層間接続とを有する多層配線基板であって、前記複数の配線層が、表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層とを有し、前記層間接続が、表層配線層から前記複数の高密度配線層に到る非貫通孔を有する多層配線基板。
2. 項1において、表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層が信号層であり、前記高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層がV/G層である多層配線基板。
3. 項1または2において、表層配線層から高密度配線層まで形成された非貫通孔の深さ方向先端が、配線層または絶縁層に位置する多層配線基板。
4. 表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層と、を有する多層配線基板を作製する工程と、前記多層配線基板の表層配線層から前記複数の高密度配線層に到る非貫通孔を形成する工程と、前記非貫通孔にめっきを行うことにより層間接続を形成する工程と、を有する多層配線基板の製造方法。
5. 項4において、非貫通孔を形成する工程では、レーザまたはドリルによる孔明けを用いる多層配線基板の製造方法。
本発明によれば、ビルドアップや多層配線基板の貼りあわせを行わなくても高密度配線が可能なことにより、低コスト化と歩留まり確保を可能にした多層配線基板及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施例1の多層配線基板の断面図である。 本発明の実施例2の多層配線基板の断面図である。 本発明の実施例1及び2の多層配線基板の信号層及びV/G層の平面図である。
本発明の多層配線基板の第1の実施形態を、図1に示す。第1の実施形態は、複数の配線層2、3、7と、これらの配線層2、3、7の間に配置された絶縁層4、5と、前記配線層2、3、7同士を電気的に接続する層間接続11とを有する多層配線基板1であって、前記複数の配線層2、3、7が、表層配線層7と、この表層配線層7側の内層に配置された複数の高密度配線層2と、この高密度配線層2よりも内層側に配置された低密度配線層3とを有し、前記層間接続11が、表層配線層7から前記複数の高密度配線層2に到る非貫通孔9を有する多層配線基板である。この第1の実施形態では、表層配線層から高密度配線層まで形成された非貫通孔の深さ方向先端が、配線層に位置している。また、本発明の多層配線基板の第2の実施形態を、図2に示す。この第2の実施形態では、表層配線層7から高密度配線層2まで形成された非貫通孔9の深さ方向先端が、絶縁層4、5に位置している。
本発明における配線層とは、電子部品等を搭載したり、この搭載した電子部品等との電気的な導通を図るものをいい、金属箔やめっきをエッチングすること等により形成することができる。配線層は、表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層とを有している。
絶縁層とは、配線層の間に配置され、配線層同士の絶縁性を保持したり、配線層を支持するものをいう。一般の多層配線基板に用いられるものであれば、特に制限なく使用することができ、このようなものとして、補強材を有するガラスエポキシやガラスポイリイミド、補強材を有しないエポキシ接着シート等が挙げられる。
層間接続とは、異なる配線層同士を電気的に接続するものをいう。一般の多層配線基板で用いられる、非貫通孔を用いたバイアホールや、貫通孔を用いたスルーホールが挙げられる。非貫通孔や貫通孔は、一般の多層配線基板の製造で用いられるレーザやドリル、パンチ加工等によって形成することができ、この非貫通孔や貫通孔の内壁にめっき処理を施したり、非貫通孔や貫通孔内にめっきや導電性ペーストを充填すること等により、層間接続を形成することができる。
表層配線層とは、本発明の多層配線基板が有する複数の配線層のうち、最も外側に配置された配線層をいい、外層回路ともいう。表層配線層は、表面実装型の電子部品を搭載するための接続端子や、挿入部品を搭載するためのランド等に加え、これらの接続端子やランドを電気的に接続するための配線(信号線)を有している。
高密度配線層とは、いわゆる信号層のことをいい、信号層とは、信号線を有する配線層をいう。具体的には、多層配線基板に搭載した電子部品等との間で電気信号を伝えるための配線をいう。したがって、電子部品等を搭載した表層配線層と層間接続によって電気的に接続する必要があるのは、主にこの高密度配線層である。信号層は、一般に、V/G層(電源/グランド層)に比べて、ライン/スペースが微細であり、例えば、図3(A)に示すように、0.4mmピッチで直径0.15mmの非貫通孔を有する場合において、信号線の線幅(ライン)が0.067mmで、ランドとの間隙(スペース)が0.092mmであるものが挙げられる。
高密度配線層は、表層配線層側の内層に配置される。好ましくは、表層配線層に隣接し、かつ連続して複数の層が配置される。また、高密度配線層は、多層配線基板の一方の表面配線層側の内側に設けてもよいし、両方の表層配線層の内側に設けてもよい。これにより、電子部品等を搭載した表層配線層と高密度配線層とが近い配線層に位置することになるので、表層配線層と高密度配線層とを層間接続するのに、わざわざ貫通孔を形成する必要はない。このため、全ての配線層に貫通孔のためのスペースを設ける必要がなく、貫通孔のスペースを配線のために用いることができるので、その分、高密度化を図ることができる。また、表層配線層から高密度配線層に到る、比較的浅い非貫通孔を形成すればよい。したがって、非貫通孔内へのめっきの付きまわりがよいので、層間接続の形成が容易となる。
低密度配線層とは、いわゆるV/G層(電源/グランド層)のことをいう。V/G層とは、電気回路の共通の電源や、接地電位、シールド等のための共通の基準として用いられる配線層をいう。V/G層は、一般に、信号層に比べて、線幅が大きく、例えば、図3(B)に示すような、非貫通孔9及び貫通孔10とクリアランス15を除くベタ状の配線層が挙げられる。
低密度配線層は、表層配線層よりも内層側に配置される。これにより、電子部品等を搭載した表層配線層と高密度配線層とが近い配線層に位置することになるので、表層配線層と高密度配線層とを層間接続するのに、わざわざ貫通孔を形成する必要はない。このため、全ての配線層に貫通孔のためのスペースを設ける必要がなく、貫通孔のスペースを配線のために用いることができるので、その分、高密度化を図ることができる。また、表層配線層から高密度配線層に到る、比較的浅い非貫通孔を形成すればよい。したがって、非貫通孔内へのめっきの付きまわりがよいので、層間接続の形成が容易となる。
層間接続は、表層配線層から複数の高密度配線層に到る非貫通孔を有する。このように表層配線層から、直接、内層に配置された複数の高密度配線層までの層間接続が形成されるので、従来のように、歩留まりの低下し易いビルドアップ層を必要としないため、高歩留まり化を図ることができる。また、表層配線層と層間接続したい配線層が、表層配線層と隣接しておらず、離れていても、従来のビルドアップ方式のように、バイアホールを積み上げる必要がなく、従来のように多層配線基板同士を貼り合わせる必要もないため、工数が少なく、低コスト化を図ることができる。
表層配線層から高密度配線層まで形成された非貫通孔の深さ方向先端は、配線層または絶縁層に位置する。非貫通孔の深さ方向先端が、配線層に位置するようにするには、レーザ加工が有利ではあるが、加工深さを制御したドリル加工によっても可能である。また、非貫通孔の深さ方向先端が、絶縁層に位置するようにするには、加工深さを制御したドリル加工により可能となる。
本発明の多層配線基板の製造方法としては、表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層と、を有する多層配線基板を作製する工程と、前記多層配線基板の表層配線層から前記複数の高密度配線層に到る非貫通孔を形成する工程と、前記非貫通孔にめっきを行うことにより層間接続を形成する工程と、を有する多層配線基板の製造方法が挙げられる。非貫通孔を形成する工程では、レーザまたはドリルによる孔明けを用いることができる。
(実施例1)
まず、絶縁層となるコア材の両面に、厚さ18μmの銅箔を貼り合わせた、縦:510mm×横:615mm、板厚0.1mmのMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、製品名)を必要な配線層に対応する枚数だけ準備した。ドライフィルムとして、フォテックSL−1329(日立化成工業株式会社製、製品名、「フォテック」は登録商標。)を用いてエッチングレジストを形成し、塩化第二鉄エッチング液によるエッチングを行って、高密度配線層及び低密度配線層を有する内層板をそれぞれ形成した。ここで、高密度配線層では、直径0.15mmの孔が0.4mmピッチで配置され、この0.4mmピッチの孔の間に配線が1本形成されている。最も狭い箇所のライン/スペースは、0.067mm/0.092mmである。低密度配線層では、V/G線が形成されている。高密度配線層及び低密度配線層の厚みは、何れも仕上がりで15μmであった。
次に、内層板と内層板の間、及び内層板と表層配線層となる銅箔(厚さ18μm)との間に、それぞれプリプレグとして、GEA−679(日立化成工業株式会社製、製品名)を挟んで、成形温度175℃、圧力2.5MPa、成形時間126minの条件で加熱プレスを行った。これにより、配線層が38層で、板厚4.0mm、表層配線層の直下の絶縁層厚みが0.06mmの多層配線板を作製した。
次に、ドリル加工を行うNCマシンであるND−2RS410(日立ビアメカニクス株式会社製、製品名)を用い、直径0.15mmの非貫通孔の深さ方向先端を、所望の配線層(最大深さ:0.15mm)まで形成した。非貫通孔の深さ方向先端を所望の配線層まで形成する方法としては、表面配線層となる銅箔に電流を流し、この銅箔にドリルの先端が触れ、銅箔とドリルとが導通を開始した高さ位置を原点とし、設定された深さまでドリル加工する方法により行った。また、多層配線基板の厚さ方向全体を貫通する直径0.25mmの貫通孔をドリル加工した。
次に、無電解銅めっきにて、NCマシンにより開口した非貫通孔に、厚30μmの銅めっきを形成した。次に、銅めっきを形成した非貫通孔に、穴埋め樹脂であるTHP−100 DX1−450Ps(太陽インキ製造株式会社製、製品名)を真空印刷機を用いて充填し、硬化した後、表面を研磨して余分な穴埋め樹脂を除去するとともに、表面を平坦にした。次に、無電解銅めっきにて、穴埋め樹脂上等へ、蓋めっきとして、めっき厚15μmの銅めっきを形成した。
ドライフィルムとして、フォテックSL−1329(日立化成工業株式会社製、製品名、「フォテック」は登録商標。)を用いてエッチングレジストを形成し、塩化銅エッチング液によるエッチングを行って表層配線層を形成し、図1に示す多層配線基板1を形成した。このときの表層配線層7(外層回路)の厚みは、仕上がりで50μmであった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、配線層が38層で、板厚4.0mm、表層配線層の直下の絶縁層厚みが0.06mmの多層配線板を作製した。次に、実施例1と同様にして、直径0.15mmの非貫通孔を形成したが、非貫通孔の深さ方向先端が絶縁層(最大深さ:0.15mm)となるようにした。これ以降は、実施例1と同様にして、図2に示す多層配線基板1を作製した。
1.多層配線基板
2.高密度配線層(信号層)
3.低密度配線層(V/G層)
4.絶縁層(プリプレグ)
5.絶縁層(コア材)
6.層間接続
7.表層配線層(外層回路)
9.非貫通孔
10.貫通孔
11.層間接続
12.信号線
13.ランド
14.V/G
15.クリアランス

Claims (5)

  1. 複数の配線層と、これらの配線層の間に配置された絶縁層と、前記配線層同士を電気的に接続する層間接続とを有する多層配線基板であって、前記複数の配線層が、表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層とを有し、前記層間接続が、表層配線層から前記複数の高密度配線層に到る非貫通孔を有する多層配線基板。
  2. 請求項1において、表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層が信号層であり、前記高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層がV/G層である多層配線基板。
  3. 請求項1または2において、表層配線層から高密度配線層まで形成された非貫通孔の深さ方向先端が、配線層または絶縁層に位置する多層配線基板。
  4. 表層配線層と、この表層配線層側の内層に配置された複数の高密度配線層と、この高密度配線層よりも内層側に配置された低密度配線層と、を有する多層配線基板を作製する工程と、
    前記多層配線基板の表層配線層から前記複数の高密度配線層に到る非貫通孔を形成する工程と、
    前記非貫通孔にめっきを行うことにより層間接続を形成する工程と、
    を有する多層配線基板の製造方法。
  5. 請求項4において、非貫通孔を形成する工程では、レーザまたはドリルによる孔明けを用いる多層配線基板の製造方法。
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