JP2013069726A - 波長変換部材およびそれを用いた太陽光発電モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】耐湿性、耐酸素透過性を持つだけでなく、表面耐傷性が高く、保護ガラスが不要な波長変換部材を安価で簡便な方法で得るだけでなく、さらに光閉じ込め効果により発電効率が高くなる太陽光発電モジュールを提供する。
【解決手段】波長変換層1と波長変換層1を被覆したバリア層2を設けた波長変換部材であって、波長変換層1が蛍光発光材料を含有し、バリア層2がポリシラザン含有液の塗布膜に改質処理を施した層である。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐湿性、耐酸素透過性、表面耐傷性が高い波長変換部材、さらに光閉じ込め効果により発電効率がさらに高い太陽光発電モジュールに関する。
現在、太陽光発電モジュールとしては、結晶シリコン太陽電池・アモルファスシリコン太陽電池等のシリコン系太陽電池、GaAs・CdS/CdTeやCIS、CIGSなどの化合物半導体系の太陽電池、色素増感太陽電池・有機薄膜太陽電池等の有機太陽電池等、様々なタイプの太陽光発電モジュールが用いられているが、紫外線領域の光はほとんど発電に寄与していないことが多い。そこで紫外線領域の光を蛍光発光材料で発電に寄与できる波長域の光に変換し、太陽光発電モジュールの発電効率をあげることが多数提案されている。
しかし、ここで用いられる蛍光発光材料は、酸素や水分等により劣化しやすく、経時で発光効率が低下してしまうことが知られている。そこでこの蛍光発光材料の劣化を防止する手段として、例えば酸素バリア性フィルムと水蒸気バリア性フィルムの2層構成の封止フィルムで保護する方法(例えば、特許文献1)や、蛍光粒子自身にシリカガラス等を被覆する方法(例えば、特許文献2)が用いられている。これらの方法で、酸素バリア性や水蒸気バリア性は得られるが、特に屋外に設置される太陽光発電モジュールでは、表面の耐傷性や汚れ付着防止のために、最外層に保護ガラスを設置することが一般的である(例えば、特許文献2)。
特開2007−273498号公報 特開2010−34502号公報
上記のように、保護ガラスを用いると太陽光発電モジュールが重くなり、コストも高くなり、さらに太陽光発電モジュールのフレキシブル性がなくなる。さらに、特許文献1に記載の封止フィルムで保護する方法では、酸素や水分を十分に遮蔽するためには20μm以上の厚みが必要となり、波長変換層と封止フィルムの熱膨張係数を合わせないと保存しているうちに膜はがれが生じる問題が起こる。一方、特許文献2の方法では、被覆層を形成するため追加の工程が必要で、粒子が大きくなってしまい、変換効率が低下しコスト高になってしまう。
また、これらの波長変換材料を用いた太陽光発電モジュールは、波長変換された光の一部が太陽光発電モジュールの外に出ていくことや、横方向に導光していくことにより、発電効率に寄与出来ずに、十分な発電効率が得られない問題があることがわかった。
本願発明の目的は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、耐湿性、耐酸素透過性を持つだけでなく、表面耐傷性が高く、保護ガラスが不要な波長変換部材を安価で簡便な方法で得るだけでなく、さらに光閉じ込め効果により発電効率が高くなる太陽光発電モジュールを提供することである。
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
1、波長変換層と前記波長変換層を被覆したバリア層を設けた波長変換部材であって、前記波長変換層が蛍光発光材料を含有し、前記バリア層がポリシラザン含有液の塗布膜に改質処理を施した層であることを特徴とする波長変換部材。
2、前記改質処理が波長200nm以下の真空紫外光を照射する改質処理であることを特徴とする前記1に記載の波長変換部材。
3、前記ポリシラザン含有液の塗布膜の改質処理を施した層が複数の層からなることを特徴とした前記1または2に記載の波長変換部材。
4、前記蛍光発光材料を含有する波長変換層が異なる蛍光発光材料からなる複数層で構成されていることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
5、前記1〜4のいずれか1項に記載の波長変換部材を用いた太陽光発電モジュール。
本発明により、耐湿性、耐酸素透過性、表面耐傷性が高く、安価で簡便な波長変換部材を得ることができ、また光閉じ込め効果が高いバリア層を形成することで、より発電効率の高い太陽光発電モジュールを提供することができる。
本発明の波長変換部材を厚さ方向から見た一例を示す概略図である。 本発明の波長変換部材を厚さ方向から見た一例を示す概略図である。 本発明の波長変換部材を厚さ方向から見た一例を示す概略図である。 プラズマCVD法に用いられる装置の例を示す概略断面図である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、波長変換層と波長変換層を被覆したバリア層を設けた波長変換部材であって、前記波長変換層が蛍光材料を含有し、前記バリア層がポリシラザン含有液の塗布膜に改質処理を施した層であることにより、耐湿性、耐酸素透過性、表面耐傷性が高く、安価で簡便な波長変化部材を実現することができるだけでなく、ポリシラザン塗布膜の改質処理により、表面にN成分の多いSi層が形成されることで表面層の屈折率が高くなり、波長変換層で変換された光が系外に出てしまうことを防止できることにより、より発電効率の高い太陽光発電モジュールが得られることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の各構成要件について詳細に説明する。
《波長変換部材》
本願発明における波長変換部材とは、蛍光発光材料を含む波長変換層とポリシラザン含有液の塗布膜に改質処理を施したバリア層で前記波長変換層を被覆した部材である。
本発明における被覆とは、図1のように波長変換層上にバリア層が存在するものをいい、図2のように波長変換層上に加えて側面にもバリア層が存在するものや、図3のように波長変換層の周りを取り囲むようにバリア層が存在するものも含む。
〔波長変換層〕
本願発明における波長変換層は、蛍光発光材料を含有していれば特に制限はないが、例えば、蛍光発光材料とバインダーで構成される。蛍光発光材料のみで構成されていても構わない。
また、波長変換層は、例えば、蛍光発光材料とバインダーと溶媒とを含んでなる塗布液を塗布、乾燥することで形成することができる。
溶媒としては、材料に合わせて、水系、溶剤系溶媒を適宜選んで利用できる。例えば、水や、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等の有機溶媒を用いることができる。
塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法等従来公知の方法を用いることができる。
塗布した後、溶媒を揮発させるために適宜乾燥処理を施す。乾燥処理の条件として特に制限はなく、蛍光発光材料、バインダー、基材が損傷しない範囲の温度で乾燥処理することが好ましい。
また、波長変換層と基材を同時にキャスト成膜しても良い。
波長変換層中のバインダーに対する蛍光発光材料の比率は、バインダー100質量%に対して0.01〜50質量%であることが好ましく、0.05〜30質量%であることがより好ましく、0.1〜15質量%であることが最も好ましい。蛍光発光材料の比率が当該範囲にある場合、変換効率の向上が見込まれるためである。
波長変換層は、2層以上の複数の層で構成されていても良い。その場合、各層に含有される蛍光発光材料は同一のものでも良いが、より効率良く発光領域を稼ぐには、異なる蛍光発光材料を含有していることがより好ましい。
波長変換層の膜厚としては特に制限はないが、例えば、塗布により形成する場合は、1層あたり0.1μm〜50μmであることが好ましく、0.5μm〜20μmであることがより好ましい。
さらに、本願発明における波長変換層には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、活性剤等の添加剤を加えても良い。
〔蛍光発光材料〕
本願発明における蛍光発光材料は、太陽光発電モジュールの発電効率を高くできるように、感度特性に合わせて発光する材料であれば特に限定されず、例えば無機酸化物蛍光発光体、量子ドット蛍光発光体、有機蛍光発光色素、有機蛍光発光錯体、高分子蛍光発光体等が挙げられ、これらを単独で使用してもよく、また、2種以上併用してもよい。特に、波長特性を制御しやすい無機酸化物蛍光発光体、有機蛍光発光色素、有機蛍光発光錯体であることが好ましく、平板状無機蛍光発光体が上下方向への発光が多いためより好ましい。
(無機酸化物蛍光発光体)
本願発明における無機酸化物蛍光発光体は、酸化物系の母結晶中に賦活剤として発光イオンを含有したものを表す。無機酸化物蛍光発光体の材料としては、光を吸収して蛍光を発する材料であれば、特に限定はされないが、例えば、母結晶となる酸化物としては、Mg、K、Ca、Sr、Y、Ba、Zn、Ga、In、Al、La、Gd、V、B、P、Siの酸化物やこれらの複合酸化物をあげることができる。
賦活剤としての発光イオンには、Mn、Ag、Ce、Nd、Eu、Tb、Dy、Ho、Tm、Sm、Bi等が1種類以上用いられている無機酸化物蛍光微粒子をあげることができる。中でも、近紫外光を吸収することから、Eu、Tb、Dy、Ho、Sm、Mnのいずれか1種類以上が少なくとも用いられていることが好ましく、さらに、近紫外光の吸収が大きく、また、多くの太陽電池において感度の高い600nm前後に発光を有するEuが少なくとも用いられていることが最も好ましい。また、母結晶の結晶構造を崩さないように、母結晶中の元素が同族の発光イオンに置換されている無機蛍光体が好ましい。特にEuが賦活剤として用いられる場合、Y、Laを少なくとも1種類以上含有してなる母結晶であることが好ましく、合成の容易さ、耐候性の高さ、太陽電池の効率向上の高さから少なくともEuが賦活されたY系の酸化物であることが最も好ましい。
無機酸化物蛍光発光体の平均粒径としては、20nmから500nmが好ましく、20nmから100nmがより好ましい。
無機酸化物蛍光発光体の平均粒径は、各無機酸化物蛍光発光体の直径の数平均値であり、この値は電子顕微鏡観察により求めることができる。すなわち無機酸化物蛍光発光体の電子顕微鏡観察から、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる無機酸化物蛍光発光体をランダムに200個以上観察し、各無機酸化物蛍光発光体の粒径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。ここで、本発明に係る平均粒径とは、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる無機酸化物蛍光発光体の外縁を2本の平行線で挟んだ距離の内最小の距離を指す。なお、平均粒径を測定する際、明らかに無機酸化物蛍光発光体の側面などを表しているものは測定しない。
以下に本発明に使用される無機酸化物蛍光発光体の具体的な化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
[青色発光蛍光体化合物]
SrAl1425:Eu2+
BaMgAl1017:Eu2+
CaCl:Eu2+
[緑色発光蛍光体化合物]
SiO:Ce3+,Tb3+
BaSiO:Eu2+
GdS:Tb
LaS:Tb
Al12:Ce3+
SrGe12:Ce3+
YVO:Bi3+
[赤色発光蛍光体化合物]
S:Eu3+
S:Eu3+,Bi3+
LaS:Eu3+
YVO:Eu3+
YVO:Eu3+,Bi3+
:Eu3+
:Eu3+、Bi3+
La:Eu3+
SiO:Eu3+
BaMgSi:Ce、Mn
BaSrMgSi:Ce,Mn。
〈無機蛍光発光体の製法〉
本願発明における無機酸化物蛍光発光体の製法としては、従来公知の固相法、液相法、噴霧熱分解法、水熱合成法等、種々の製法を適用することができるが、特に、無機酸化物蛍光発光体の粒径のそろった小さい粒子を得るには液相法、噴霧熱分解法、水熱合成法を適用することが好ましく、液相法の中でも反応晶析法により合成する方法が最も好ましい。
また本願発明における無機酸化物蛍光発光体の製法は、蛍光発光前駆体を調製する工程と、蛍光発光前駆体を焼成して蛍光発光体を得る焼成工程と、焼成後、冷却を行う冷却工程を有することが好ましい。必要に応じて粒子の表面処理の工程を有してもよい。
反応晶析法とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的又は化学的な環境の変化、或は化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場合等において液相中から固相を析出させることであり、一般に晶析現象と言われているが、この様な晶析現象発生を誘引する物理的、化学的操作を施す製造方法を意味する。
また、反応晶析法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、過飽和度制御のしやすさの観点から水が好ましい。複数の反応原料を用いる場合は、原料の添加順序は同時でも異なってもよく、活性によって適切な順序を適宜組み立てることができる。
反応晶析法を用いて作製した粒子では、晶析中に、保護コロイドや吸着物質を注意深く共存させることで、粒子の形状を制御することが可能となり、平板状粒子を形成することが可能となる。平板粒子の形状には円盤、楕円状、多角形、多角形の一部または全部の角が欠けているものまたは一部・すべての角に微粒子がエピタキシャル成長したものなどさまざまな形状が含まれる。この中でも四角形平板、六角形平板からなる蛍光発光体は高輝度であり、好ましく用いられる。
本願発明において、反応晶析法で前駆体を合成する場合、反応中は温度、添加速度、攪拌速度、pHなどを制御してもよく、反応中に超音波を照射してもよい。粒径制御のために界面活性剤、ポリマー、ゼラチンなどを添加してもよい。原料を添加し終ったら必要に応じて液を濃縮、及び/または熟成することも好ましい態様の1つである。
反応晶析法で前駆体を合成した後、必要に応じてろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で回収した後に好ましくは洗浄を行い、更に乾燥、焼成等の諸工程を施してもよく、分級してもよい。
乾燥温度は特に制限は無いが、乾燥温度は使用した溶媒が気化する温度付近以上の温度であることが好ましく、具体的には50〜300℃の範囲であることが好ましい。焼成温度についても特に制限は無いが、一般に600〜1800℃の範囲を好ましく使用できる。
乾燥温度が高い場合は乾燥と同時に焼成が施されることがある。焼成は還元雰囲気下、酸化雰囲気下、または硫化物存在下、不活性ガス等のどの条件下でも良く、適宜選択することができる。焼成方法は現在知られているあらゆる方法を用いてもよいが、回転型のキルンを用いることが好ましい。更に、必要に応じて焼成の後に還元処理または酸化処理等を施しても良い。また、蛍光発光体の組成や反応条件等によっては焼成を行う必要が無い場合があり、その場合は焼成工程を省いても構わない。焼成にあたり焼結防止剤を混合してもよい。
添加する焼結防止剤は、アルミナやシリカなどの金属酸化物、界面活性剤や、ポリマーなどの有機物、など一般的なものが使用できる。
また、別な合成方法として、水熱合成によるEuを賦活したY系酸化物の合成法を述べる。母結晶となるイットリウム化合物を水熱溶液に対して、0.02から0.2mol/lの範囲で高分子テンプレートであるエチレングルコールモノイソプロピルエーテル(水熱溶液に対して3%から15%の範囲)等に混合した後、活性中心となるEu3+化合物を母結晶に対して1%から10%の範囲で添加して水熱反応させる。
この場合、水を加えて更に撹拌した後、100℃から250℃の範囲で1時間から12時間の間で水熱反応を行うことにより、Eu3+がドープされたナノシート状の蛍光発光水酸化物粒子を得ることができる。蛍光発光水酸化物は、所定の熱処理を行うことにより、酸化物にすることができ、ナノシート状の酸化物蛍光発光粒子とすることが可能となる。熱処理の条件は、600℃から1400℃の範囲である。
本発明に用いるイットリウム源としては、好適には、例えば、塩化イットリウム、硫酸イットリウム、シュウ酸イットリウム、酢酸イットリウム、イットリウムイソプロポキシド等が例示され、これらの適当なイットリウム化合物が使用される。また、ユーロピウム源としては、好適には、例えば、硝酸ユーロピウム、塩化ユーロピウム、ユーロピウムイソプロポキシド等が例示され、それらの適当なユーロピウム塩が使用される。これらは水溶性であることが好適である。
上記のイットリウムイオン、ユーロピウムイオンの個々の溶液又は混合溶液は、余り極端なアルカリ性や酸性にならぬように、pH調整することも必要である。ここで、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水が好適である。更に、水熱反応中に、高分子テンプレートとして、析出する粒子の成長をシート状に進展させるための添加剤として、エチレングルコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコール、ジプロピレングリコール等が用いられる。
本願発明における無機酸化物蛍光発光体は、平板状粒子であっても、アスペクト比2以上が好ましく、アスペクト比が5以上であることがより好ましく、10以上であることが最も好ましい。ここで言うアスペクト比とは平板状粒子の厚さに対する直径の比で示される。さらに粒子の直径とは粒子を投影面積と等しい面積を有する円の直径を指すもの(以下、投影面積径と呼ぶ。)とする。また、厚みは平板粒子を構成する二つの平行な面の距離で示される。
本発明における平板状無機酸化物蛍光発光体は厚みが20nm〜2μm、投影面積径としては、100nm〜10μmであることが好ましい。
(有機蛍光発光色素)
本願発明における有機蛍光発光色素は、特に限定されないが、例えば、アリールアミン誘導体、アントラセン誘導体(フェニルアントラセン誘導体)、ペンタセン誘導体、アゾール誘導体(オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾアザトリアゾール誘導体)、チオフェン誘導体(オリゴチオフェン誘導体)、カルバゾール誘導体、ジエン系(シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体)、スチリル誘導体、(ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、スチルベン誘導体)、シロール誘導体、スピロ化合物、トリフェニルアミン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピラゾール誘導体(ピラゾリン誘導体)、ピリジン環化合物、ピロール誘導体(ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体)、フルオレン誘導体、フェナントロリン誘導体、ピレン誘導体(フェナントレン誘導体)、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、フェニレン化合物、ローダミン類、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ベンゾオキサジノン誘導体、キナゾリノン誘導体、キノフタロン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、シアニン系化合物を1種類以上含む有機蛍光発光色素が挙げられる。
具体的な例としては、Lumogen F シリーズ(製造元:BASF)、7−Diethylamino−4a,8a−dihydro−chromen−2−one、7−Diethylamino−4−trifluoromethyl−chromen−2−one、7−Diethylamino−3−phenyl−chromen−2−one、1,4−Bis−[2−(4−fluoro−phenyl)−vinyl]−2,5−bis−octyloxy−benzene、[4−[2−(4−Fluoro−phenyl)−vinyl]−phenyl]−diphenyl−amine、Diphenyl−(4−styryl−phenyl)−amine、5−tert−Butyl−2−(2−(4−(2−(5−tert−butylbenzoxazol−2−yl)vinyl)phenyl)vinyl)benzoxazole(テクノケミカル株式会社)、新規有機蛍光色素シリーズ(製造元:ハリマ化成株式会社)、シンロイヒカラーシリーズ(販売元:シンロイヒ株式会社)、TINOPAL OB、TINOPAL OB−one(販売元:チバ・ジャパン株式会社)等が挙げられる。中でも特に、Lumogen F Violet570やBlue650(製造元:BASF)は、紫外領域から可視領域の入り口にかけての広い励起帯を有し、量子収率が高く、励起光と放出光との重なりが少ないため特に好ましい。
(有機蛍光発光錯体)
本願発明における有機蛍光発光錯体は、配位結合や水素結合によって、一種以上の発光中心に、配位子が配位して形成された分子性化合物を指す。特に限定はされないが、錯体の発光中心には、例えば、遷移金属元素、典型元素、非典型元素等が用いられる。配位子には、蛍光発光する構造体を用いても良い。これらの錯体は、発光中心を1分子以上含んでもよく、種類も一種類以上含んでも良い。典型元素ではBeが、非典型元素ではBが、遷移金属元素ではAl、Fe、Cu、Zn、Ru、Ir、Pt、Au、Re、Os等が含まれている錯体は、配位子を交換することで所望の発光特性を持たせることができ、比較的安価に入手することができるため好ましい。更に、遷移金属元素中の希土類であるGd、Yb、Y、Eu、Tb、Yb、Nd、Er、Sm、Dy、Ce等の何れかが含まれている錯体は、励起光と放出光との重なりが小さく、配位子に強く依存しない半値幅の狭い発光を持つため好ましい。特に、Eu錯体は量子収率も高くより好ましい。中でも特に、Eu(TTA)3phen(販売元:東京化成工業株式会社)は、量子収率も高く、励起光と放出光と波長の差が非常に大きく重なりが無く、励起光の帯域が広いため好ましい。
(量子ドット蛍光発光体)
本願発明における量子ドット蛍光発光体は、原子が数百個から数千個集まったナノスケールの塊で、3次元全ての方向から電子を閉じ込めた構造を有したものを指す。量子ドット蛍光発光体は、粒径を変更することで任意の吸収・励起・放出光特性を付与することができ、且つ粒径が小さく入射光を散乱させないため好ましい。種類は特に限定されないが、例えば、Cd、Se、Te、Pb等の何れかの組み合わせからなるコア層と、Zn、S等からなるシェル層からなるコアシェル構造体や、Cd、Se、Te、Pb、Zn、S等の何れかの組み合わせからなる構造体が用いることができる。量子ドット蛍光発光体の例としては、CdSe/ZnSコアシェルエヴィドット、PbSコアエヴィドット(販売元:オーシャンフォトニクス株式会社)、Qdot ナノクリスタル(販売元:ライフテクノロジーズジャパン株式会社)等が挙げられる。
(高分子蛍光発光体)
本願発明における高分子蛍光発光体は、分子内の主鎖あるいは側鎖に、上述の有機蛍光色素や有機蛍光錯体を導入されたものや、2量体、3量体やそれ以上に連なった重合体やデンドリマー等が用いられ、各々が任意に導入された共重合体でもよい。例えば、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレノン誘導体、ポリキノキサリン誘導体、ポリチオフェン誘導体及びそれらの共重合体等が挙げられる。
〔バインダー〕
本願発明の波長変換層に用いられるバインダーとしては、波長変換層に用いられる発光蛍光材料との親和性が良ければ、特に限定されない。有機バインダー、無機バインダー、有機無機ハイブリッドバインダーなどいずれも利用可能だが、太陽光発電モジュールに用いられる場合には、耐候性の観点から無機系のバインダーであることが好ましい。無機系のバインダーの具体例としては、サポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイトなどのスメクタイト群、バーミキュライト群、カオリナイト、ハロイサイトなどのカオリナイト−蛇紋石群、セピオライトなどの天然粘土鉱物の他、コロイダルシリカ、コロイダルアルミおよびこれらの変性物や合成無機高分子化合物などが挙げられる。
有機バインダーとしては、特に限定されないが、透明性及び耐候性の観点からアクリル系やビニル系、エポキシ系の樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂、ブチラール樹脂等を単独あるいは複数併用して用いることができる。また、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの紫外線硬化、あるいは熱硬化型樹脂を用いてもよい。
〔基材〕
本願発明の波長変換部材に用いられる基材は透明基材である。透明基材としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はない。例えば、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムや薄膜ガラスを用いることが好ましい。
透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等の二軸延伸ポリエステル系フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
本発明に用いられる透明基材には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
〔バリア層〕
本願発明におけるバリア層は、ポリシラザン含有液を塗布し、塗布膜を形成した後、熱や紫外線照射等で改質処理を施した層のことである。なかでも後ほど述べる高屈折率化による光閉じ込め効果が高くなることから真空紫外光で改質処理する方法がより好ましい。
本願発明におけるバリア層は、単層でも良いが、複数の層を重ねた方が高いガスおよび水蒸気バリア性が得られることから好ましい。このとき下層のバリア層は物理蒸着法や化学蒸着法で形成してもよいが、光閉じ込め効果がより高くなることからポリシラザン含有液を塗布した後に真空紫外光で処理する層であることが最も好ましい。重ねる層数は、多く重ねすぎると膜厚が厚くなり、透明性が損なわれるため、2〜4層程度がよい。
また、バリア層と波長変換層の間や複数のバリア層の間には、各種機能を有する中間層を設けてもよい。中間層としては例えば、接着性向上のためのアンカーコート剤層、表面をより平坦にするための平滑層等が挙げられる。
(アンカーコート層)
アンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、及びアルキルチタネート等を一又は二種以上併せて使用することができる。
これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により支持体上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することによりアンカーコーティングすることができる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5.0g/m(乾燥状態)程度が好ましい。
また、アンカーコート層は、物理蒸着法または化学蒸着法といった気相法により形成することもできる。例えば、特開2008−142941号公報に記載のように、接着性等を改善する目的で酸化珪素を主体とした無機膜を形成することもできる。あるいは、特開2004−314626号公報に記載されているようなアンカーコート層を形成することで、その上に気相法により無機薄膜を形成する際に、基材側から発生するガスをある程度遮断して、無機薄膜の組成を制御するといった目的でアンカーコート層を形成することもできる。
(平滑層)
本発明に用いられる平滑層は突起等が存在する透明樹脂フィルム支持体の粗面を平坦化し、あるいは、透明樹脂フィルム支持体に存在する突起により透明無機化合物層に生じた凹凸やピンホールを埋めて平坦化するために設けられる。このような平滑層は、基本的には感光性材料、または、熱硬化性材料を硬化させて作製される。
平滑層の感光性材料としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
熱硬化性材料として具体的には、クラリアント社製のトゥットプロムシリーズ(有機ポリシラザン)、セラミックコート株式会社製のSP COAT耐熱クリアー塗料、アデカ社製のナノハイブリッドシリコーン、DIC株式会社製のユニディックV−8000シリーズ、EPICLON EXA−4710(超高耐熱性エポキシ樹脂)、信越化学社製の各種シリコン樹脂、日東紡社製の無機・有機ナノコンポジット材料SSGコート、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。この中でも特に耐熱性を有するエポキシ樹脂ベースの材料であることが好ましい。
平滑層の形成方法は、特に制限はないが、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法等のウエットコーティング法、あるいは、蒸着法等のドライコーティング法により形成することが好ましい。
平滑層の形成では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、平滑層の積層位置に関係なく、いずれの平滑層においても、成膜性向上及び膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
平滑層の平滑性は、JIS B 0601で規定される表面粗さで表現される値で、最大断面高さRt(p)が、10nm以上、30nm以下であることが好ましい。この範囲よりも値が小さい場合には、後述のケイ素化合物を塗布する段階で、ワイヤーバー、ワイヤレスバー等の塗布方式で、平滑層表面に塗工手段が接触する場合に塗布性が損なわれる場合がある。また、この範囲よりも大きい場合には、ケイ素化合物を塗布した後の凹凸を平滑化することが難しくなる場合がある。
(上層または単層バリア層)
本発明に係る上層のバリア層または単層のバリア層は、前記した波長変換層の上かまたは下記する下層バリア層の上にポリシラザン化合物を含有する塗布液を積層塗布することにより形成される。 塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。
具体例としては、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗膜の厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、塗膜の厚さは、乾燥後の厚さが好ましくは1nm〜10μm程度、さらに好ましくは10nm〜10μm程度、最も好ましくは30nm〜1μm程度となるように設定され得る。
(ポリシラザン化合物を含有する塗布液)
本発明で用いられる「ポリシラザン化合物」とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Siおよび両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
フィルム基材を損なわないように塗布するためには、特開平8−112879号公報に記載されているように比較的低温でセラミック化してシリカに変性する化合物が好ましい。
シリカに変性する化合物としては、下記の構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2013069726
式中、R1、R2、R3は、各々水素原子,アルキル基,アルケニル基,シクロアルキル基,アリール基,アルキルシリル基,アルキルアミノ基,アルコキシ基を表す。
本発明では、得られるバリア層の、膜としての緻密性の観点からは、R1、R2およびR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。
用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは直鎖構造と6および8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。
その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり、分子量により異なる。
これらは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミック化するポリシラザン化合物の別の例としては、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液を調製する有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは好ましくない。
具体的には、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。他にも、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリコロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等がある。
これらの溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度、等目的にあわせて選択し、複数の溶剤を混合しても良い。
ポリシラザン化合物含有塗布液中のポリシラザン化合物の濃度は目的とするバリア性層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
ポリシラザン化合物は、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換された誘導体であってもよい。
アルキル基、特に最も分子量の少ないメチル基を有することにより下地基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいシリカ膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる。
酸化珪素化合物への変性を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製 アクアミカ NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液中には、必要に応じて、反応触媒を添加してもよいが、触媒による過剰なシラノール形成、および膜密度の低下、膜欠陥の増大のなどを避けるため、ポリシラザン化合物に対する触媒の添加量を2質量%以下に調整することが好ましい。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液には、ポリシラザン化合物以外にも無機前駆体化合物を含有させることができる。ポリシラザン化合物以外の無機前駆体化合物としては、塗布液の調製が可能であれば特に限定はされない。
具体的には、例えば、珪素を含有する化合物としては、ポリシロキサン、ポリシルセスキオキサン、テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,1−ジメチル−1−シラシクロブタン、トリメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリールアミノトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、メチルトリアセトキシシラン、アリールオキシジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ジアリールジメトキシシラン、ブチルジメトキシビニルシラン、トリメチル−3−ビニルチオプロピルシラン、フェニルトリメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルイソペンチロキシビニルシラン、2−アリールオキシエチルチオメトキシトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アリールアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルエチキシフェニルシラン、ベンゾイロキシトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメチル−p−トリルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルメチルフェニルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、デシルメチルジメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、フェニルトリビニルシラン、テトラアリールオキシシラン、ドデシルトリメチルシラン、ジアリールメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジアセトキシジフェニルシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジアリールジフェニルシラン、オクタデシルトリメチルシラン、メチルオクタデシルジメチルシラン、ドコシルメチルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アセトキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を挙げることができる。
ポリシロキサンとしては、反応性の高いSi−Hを有するものが好ましく、メチル・ハ
イドロジェンポリシロキサンが好ましい。メチル・ハイドロジェンポリシロキサンとしては、モメンティブ社製のTSF484を挙げることができる。
ポリシルセスキオキサンとしては、かご状、ラダー状、ランダム状のいずれの構造のものも好ましく用いることができる。かご状のポリシルセスキオキサンとしては、例えば、Mayaterials社製Q8シリーズのOctakis(tetramethylammonium)pentacyclo−octasiloxane−octakis(yloxide)hydrate;Octa(tetramethylammonium)silsesquioxane、Octakis(dimethylsiloxy)octasilsesquioxane、Octa[[3−[(3−ethyl−3−oxetanyl)methoxy]propyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane;Octaallyloxetane silsesquioxane、Octa[(3−Propylglycidylether)dimethylsiloxy]silsesquioxane;Octakis[[3−(2,3−epoxypropoxy)propyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[[2−(3,4−epoxycyclohexyl)ethyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[2−(vinyl)dimethylsiloxy]silsesquioxane;Octakis(dimethylvinylsiloxy)octasilsesquioxane、Octakis[(3−hydroxypropyl)dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octa[(methacryloylpropyl)dimethylsilyloxy]silsesquioxane、Octakis[(3−methacryloxypropyl)dimethylsiloxy]octasilsesquioxaneを挙げることができる。かご状・ラダー状・ランダム状の構造が混合して存在すると考えられるポリシルセスキオキサンとしては、小西化学社製のポリフェニルシルセスキオキサンである、SR−20、SR−21、SR−23、ポリメチルシルセスキオキサンである、SR−13、ポリメチル・フェニルシルセスキオキサンである、SR−33を挙げることができる。また、スピンオングラス材料として市販されているポリハイドロジェンシルセスキオキサン溶液である東レ・ダウコーニング社製のFoxシリーズも好ましく用いることができる。
上記に示した化合物の中でも、常温で固体である無機ケイ素化合物が好ましく、水素化シルセスキオキサンがより好ましい。 〈ポリシラザン改質方法〉
本願発明におけるポリシラザン含有塗布膜の改質方法としては、熱または紫外線照射による改質方法等が好ましい。特に、バリア層表面によりNの多いSi層を形成することができ、表面高屈折率になることから波長が200nm以下の真空紫外線を照射する方法がより好ましい。
熱による改質方法としては、常温状態に置いておいても良いが、改質までに非常に時間がかかるため、加熱処理することが好ましい。このときの加熱温度は、樹脂基材や有機化合物の熱分解が起こらないようにするために、60℃〜200℃、更に好ましくは70℃〜160℃である。加熱時間は、好ましくは5秒〜24時間程度、更に好ましくは10秒〜2時間程度である。 加熱処理は、酸素ガスおよび水蒸気を含む空気中での加熱が好ましいが、空気の代わりに酸素ガス含有窒素ガス、水蒸気含有窒素ガス、酸素ガスと水蒸気含有窒素ガスを使用してもよい。
紫外線照射による改質方法としては、波長が200nm以下の真空紫外線を照射する方法が好ましい。
真空紫外線照射による処理は、化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみによる作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で、膜の形成を行う方法である。なかでもエキシマ光が特に好ましい。 〈200nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射〉
本発明において、好ましい方法として、真空紫外線照射による改質処理が挙げられる。真空紫外線照射による処理は、化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみによる作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で、膜の形成を行う方法である。なかでもエキシマ光が特に好ましい。
特に、本発明の好ましい方法であるポリシラザン膜の処理において、単層を塗布してから、雰囲気を一定に保ってエキシマ照射処理を行なうとポリシラザン層の膜厚方向に組成の異なる2層の改質膜が形成される。機構は明確にはなっていないが、表面に近い改質層の密度が高いこと、処理時間によって表面に近い改質層の膜厚が変化する等のことから、本発明者らは光エネルギーによるシラザン化合物の直接切断と、気相で生成する活性酸素やオゾンによる表面酸化反応が同時に進行し、改質処理の表面側と内側で改質速度差が生じ、その結果連続する2層の改質層が形成されるものと推定している。
これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスの原子は化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電などによりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
Figure 2013069726
となり、励起されたエキシマ分子であるXe*が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。加えて発光効率が他の希ガスよりも高いことや大面積へ照射するためのランプを石英ガラスで作製できることからXeエキシマランプを好ましく使用することが出来る。
エネルギーの観点だけからだとArエキシマ光(波長126nm)が最も高く、高いポリシラザン層の改質効果が期待される。しかし、Arエキシマ光は石英ガラスでの吸収が無視できないほど大きくなるため、二酸化珪素ガラスではなく炭酸カルシウムガラスを用いる必要がある。しかし、炭酸カルシウムガラスは非常に割れやすく大面積を照射するランプとしては製造が困難であるのが実情である。
Xeエキシマランプは波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。したがって、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板などへの照射を可能としている。
本発明者らの検討によれば、エキシマ照射処理時の環境としては酸素濃度が0.001〜5%であると好ましい。さらには0.01〜3%であると性能が安定して好ましい。酸素濃度が5%を超えると結合の切断よりも活性酸素等を発生させる方にエネルギーを使用してしまい、0.001%以下に下げてもエキシマ光の照射効率は殆ど変化せず、改質効率および膜の組成制御性も変化しないため、雰囲気の置換時間を余計に要するため生産性の向上が見込みにくい。また、ステージ温度については熱をかけるとより反応が進み好ましい。その場合の温度は50度以上、基板のTg+80度以下の温度が好ましく、基板Tg+30度以下が基板を痛めずに反応性が良好になるために更に好ましい。
各層の膜厚は透過型電子顕微鏡による断面観察により、各層が画像濃度の違いとして検出することが可能であるため、この画像から計測する。また、各層内の酸素原子と窒素原子の比率は、Arスパッタにより膜面から深さ方向へガスバリア性の膜を削りながらX線光電子分光法(XPS)により深さ方向の組成比プロファイルのデータから算出が可能である。
〈高照射強度処理と最大照射強度〉
照射強度が高ければ、光子とポリシラザン内の化学結合が衝突する確率が増え、改質反応を短時間化することができる。また、内部まで侵入する光子の数も増加するため改質膜厚も増加および/または膜質の良化(高密度化)が可能である。但し、照射時間を長くしすぎると平面性の劣化やバリア性フィルムの他の材料にダメージを与える場合がある。一般的には、照射強度と照射時間の積で表される積算光量で反応進行具合を考えるが、酸化珪素の様に組成は同一でも、様々な構造形態をとる材料に於いては、照射強度の絶対値が重要になる場合もある。
従って、本発明では真空紫外線照射工程において、少なくとも1回は100〜200mW/cmの最大照射強度を与える改質処理を行うことが好ましい。100mW/cm以上とすることにより、急激に改質効率が劣化することなく、処理時間を短期間にでき、200mW/cm以下とすることにより、ガスバリア性能を効率よく持たせることができ(200mW/cmを超えて照射してもガスバリア性の上昇は鈍化する)、基板へのダメージばかりでなく、ランプやランプユニットのその他の部材へのダメージも抑えることができ、ランプ自体の寿命も長期化できる。
〈真空紫外線の照射時間〉
照射時間は、任意に設定可能であるが、基板ダメージや膜欠陥生成の観点およびガスバリア性能のバラつき低減の観点から高照度工程での照射時間は0.1秒〜3分間が好ましい。より好ましくは0.5秒〜1分である。
〈真空紫外光照射時の酸素濃度〉
本発明における、真空紫外光照射時の酸素濃度は10ppm〜50000ppm(5%)とすることが好ましい。より好ましくは、1000ppm〜30000ppm(3%)である。前記の濃度範囲より酸素濃度が高いと、酸素過多のガスバリア膜となり、ガスバリア性が劣化する。また前記範囲より低い酸素濃度の場合、大気との置換時間が長くなり生産性を落とすのと同時に、ロール・トゥ・ロールの様な連続生産を行う場合はウエッブ搬送によって真空紫外光照射庫内に巻き込む空気量(酸素を含む)が多くなり、多大な流量のガスを流さないと酸素濃度を調整できなくなってくる。
発明者らの検討によると、ポリシラザン含有塗膜中には、塗布時に酸素および微量の水分が混入し、更には塗膜以外の支持体にも吸着酸素や吸着水があり、照射庫内に敢えて酸素を導入しなくとも改質反応に要する酸素を供給する酸素源は十分にあることが分かった。むしろ、酸素ガスが多く(5〜10%レベル)含まれる雰囲気で真空紫外光を照射した場合、改質後のガスバリア膜が酸素過多の構造となり、ガスバリア性が劣化する。また、前述した様に172nmの真空紫外光が酸素により吸収され膜面に到達する172nmの光量が減少してしまい、光による処理の効率を低下することになる。すなわち、真空紫外光照射時には、できるだけ酸素濃度の低い状態で、真空紫外光が効率良く塗膜まで到達する状態で改質処理することが好ましい。
真空紫外光照射時にこれら酸素以外のガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
(下層バリア層)
下層のバリア層としては、物理蒸着法や化学蒸着法でも良いが、光閉じ込め効果が高いことから、前記上層のバリア層と同様にポリシラザン含有液を塗布した後に真空紫外光で処理する層であることがより好ましい。
本発明に係る下層のガスバリア層の構成としては、SiOまたはSiNであることが好ましい。SiOにおいては、x≧0、y≦0.5であり、かつx<yの関係であることが好ましい。
一般に、基材上に機能性薄膜を形成する方法としては、大別して、物理気相成長法及び化学気相成長法(化学蒸着法)が挙げられ、物理的気相成長法は、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質(例えば、炭素膜等)の薄膜を堆積する方法であり、これらの方法としては、蒸着(抵抗加熱法、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシー)法、イオンプレーティング法、スパッタ法等がある。一方、化学気相成長法(化学蒸着法、Chemical Vapor Deposition)は、基材上に、目的とする薄膜の成分を含む原料ガスを供給し、基板表面或いは気相での化学反応により膜を堆積する方法である。また、化学反応を活性化する目的で、プラズマなどを発生させる方法などがあり、熱CVD法、触媒化学気相成長法、光CVD法、プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法など公知のCVD方式等が挙げられるが、本発明においては、いずれも有利に用いることができる。特に限定されるものではないが、成膜速度や処理面積の観点からプラズマCVD法が好ましい。
以下、プラズマCVD法について具体的に説明する。 図4の符号101は、一般的なプラズマCVD装置の一例を示している。
このプラズマCVD装置101は、真空槽102を有しており、真空槽102の内部の底面側には、サセプタ105が配置されている。
真空槽102の内部の天井側には、サセプタ105と対向する位置にカソード電極103が配置されている。
真空槽102の外部には、熱媒体循環系106と、真空排気系107と、ガス導入系108と、高周波電源109が配置されている。
熱媒体循環系106内には熱媒体が配置されている。
熱媒体循環系106には、熱媒体を移動させるポンプと、熱媒体を加熱する加熱装置と、冷却する冷却装置と、熱媒体の温度を測定する温度センサと、熱媒体の設定温度を記憶する記憶装置とを有する加熱冷却装置160が設けられている。
加熱冷却装置160は、熱媒体の温度を測定し、熱媒体を記憶された設定温度まで加熱又は冷却し、サセプタ105に供給するように構成されている。供給された熱媒体はサセプタ105の内部を流れ、サセプタ105を加熱又は冷却して加熱冷却装置160に戻る。このとき、熱媒体の温度は、設定温度よりも高温又は低温になっており、加熱冷却装置160は熱媒体を設定温度まで加熱又は冷却し、サセプタ105に供給する。かくて冷却媒体はサセプタと加熱冷却装置160の間を循環し、サセプタ105は、供給された設定温度の熱媒体によって加熱又は冷却される。
真空槽102は真空排気系107に接続されており、このプラズマCVD装置101によって成膜処理を開始する前に、予め真空槽102の内部を真空排気すると共に、熱媒体を加熱して室温から設定温度まで昇温させておき、設定温度の熱媒体をサセプタ105に供給する。サセプタ105は使用開始時には室温であり、設定温度の熱媒体が供給されると、サセプタ105は昇温される。
一定時間、設定温度の熱媒体を循環させた後、真空槽102内の真空雰囲気を維持しながら真空槽102内に成膜対象の基板110を搬入し、サセプタ105上に配置する。
カソード電極103のサセプタ105に対面する面には多数のノズル(孔)が形成されている。
カソード電極103はガス導入系108に接続されており、ガス導入系108からカソード電極103にCVDガスを導入すると、カソード電極103のノズルから真空雰囲気の真空槽102内にCVDガスが噴出される。
カソード電極103は高周波電源109に接続されており、サセプタ105と真空槽102を接地電位に接続されている。
ガス導入系108から真空槽102内にCVDガスを供給し、加熱冷却装置160から一定温度の熱媒体をサセプタ105に供給しながら高周波電源109を起動し、カソード電極103に高周波電圧を印加すると、導入されたCVDガスのプラズマが形成される。
プラズマ中で活性化されたCVDガスがサセプタ105上の基板110の表面に到達すると、基板110の表面に薄膜が成長する。
薄膜成長中は、加熱冷却装置160から一定温度の熱媒体がサセプタ105に供給されており、サセプタ105は、熱媒体によって加熱又は冷却され、一定温度に維持された状態で薄膜が形成される。一般に、薄膜を形成する際の成長温度の下限温度は、薄膜の膜質から決まっており、上限温度は基板110上に既に形成されている薄膜のダメージの許容範囲で決まっている。
下限温度や上限温度は形成する薄膜の材質や、既に形成されている薄膜の材質等によって異なるが、ハイバリアフィルム等に用いられるSiN膜やSiON膜を形成する場合は、膜質を確保するために下限温度が50℃であり、上限温度は基材の耐熱温度以下である。
プラズマCVD方法で形成される薄膜の膜質と成膜温度の相関関係と、成膜対象物(基板110)が受けるダメージと成膜温度の相関関係とは予め求めておく。例えば、プラズマCVDプロセス中の基板110の下限温度は50℃、上限温度は250℃。
更に、カソード電極103に13.56MHz以上の高周波電圧を印加してプラズマを形成した場合の、サセプタ105に供給する熱媒体の温度と基板110温度の関係が予め測定されており、プラズマCVDプロセス中に基板110温度を、下限温度以上、上限温度以下に維持するために、サセプタ105に供給する熱媒体の温度が求められている。
例えば、下限温度が(ここでは50℃)が記憶され、下限温度以上の温度に温度制御された熱媒体がサセプタ105に供給されるように設定されている。サセプタ105から還流された熱媒体は、加熱又は冷却され、50℃の設定温度の熱媒体がサセプタ105に供給される。例えば、CVDガスとして、シランガスとアンモニアガスと窒素ガスの混合ガスが供給され、基板110が、下限温度以上、上限温度以下の温度に維持された状態でSiN膜が形成される。
プラズマCVD装置101の起動直後は、サセプタ105は室温であり、サセプタ105から加熱冷却装置160に還流された熱媒体の温度は設定温度よりも低い。従って、起動直後は、加熱冷却装置160は還流された熱媒体を加熱して設定温度に昇温させ、サセプタ105に供給することになる。この場合、サセプタ105及び基板110は熱媒体によって加熱、昇温され、基板110は下限温度以上、上限温度以下の範囲に維持される。
複数枚の基板110に連続して薄膜を形成すると、プラズマから流入する熱によってサセプタ105が昇温する。この場合、サセプタ105から加熱冷却装置160に還流される熱媒体は下限温度(50℃)よりも高温になっているため、加熱冷却装置160は熱媒体を冷却し、設定温度の熱媒体をサセプタ105に供給する。これにより、基板110を下限温度以上、上限温度以下の範囲に維持しながら薄膜を形成することができる。
このように、加熱冷却装置160は、還流された熱媒体の温度が設定温度よりも低温の場合には熱媒体を加熱し、設定温度よりも高温の場合は熱媒体を冷却し、いずれの場合も設定温度の熱媒体をサセプタに供給しており、その結果、基板110は下限温度以上、上限温度以下の温度範囲が維持される。
薄膜が所定膜厚に形成されたら、基板110を真空槽102の外部に搬出し、未成膜の基板110を真空槽102内に搬入し、上記と同様に、設定温度の熱媒体を供給しながら薄膜を形成する。
〈その他の添加剤〉
本願発明におけるバリア層には、上記説明した各化合物の他に、必要に応じて、酸化防止剤、可塑剤、マット剤、重合禁止剤、蛍光剤、着色剤、活性剤、防汚剤等の添加剤を加えることができる。 《太陽光発電モジュール》
本発明で使用可能な太陽電池の種類は特に制限されることはなく、結晶シリコン太陽電池・アモルファスシリコン太陽電池等のシリコン系太陽電池、GaAs・CdS/CdTeやCIS、CIGSなどの化合物半導体系の太陽電池、色素増感太陽電池・有機薄膜太陽電池等の有機太陽電池等、すべての太陽電池に適用することができる。
〈シリコン系太陽電池〉
シリコン系太陽電池は、シリコンを用いた太陽電池のことで、200μm〜300μmの薄いシリコンの単結晶基板を用いる単結晶型や粒径が数mm程度の多結晶シリコン基板を用いる多結晶型の結晶シリコン太陽電池や、アモルファス(非晶質)シリコンや結晶シリコンを化学気相成長(CVD)法などでガラス等の基板上に数μmの非常に薄い膜を形成する薄膜シリコン太陽電池がある。
〈CdS/CdTe太陽電池〉
CdS/CdTe太陽電池は、透明ガラス基板の一方の面にCdS膜およびCdTe膜がこの順に形成されており、CdTe膜には集電体膜と正電極となるAgIn膜が形成されており、CdS膜には負電極となるAgIn膜が形成されている。
CdS膜は、CdS粉とCdCl粉とを重量比で4:1のプロピレングリコールと水の混合溶液に、重量比で100:12:30の割合で分散してなるCdSペーストを透明ガラス基板に印刷し、乾燥を行った後、690℃の窒素ガス気流下で約60分加熱し焼結処理を行って作成した。
CdTe膜は、CdとTeを水中で粉砕し、乾燥した粉とCdCl2粉をエチレングリコールモノフェニルエーテルに、重量比で100:0.5:30の割合で分散してなるCdTeペーストを透明ガラス基板上に形成したCdS膜上に印刷し、乾燥を行った後、620℃の窒素ガス気流下で約20分加熱し焼結処理を行って作製した。
本実施例では、CdS膜、CdTe膜、集電体膜およびAgIn膜で構成される基本セルを印刷パターニングでガラス基板に4個直列に接続したCdS/CdTe太陽電池を用いた。CdS膜の膜厚は8〜10μmであり、CdTe膜の膜厚は15〜20μmである。
〈有機薄膜太陽電池〉
以下、有機光電変換素子において好ましい構成として、それぞれの構成要素についてより詳細に説明する。 有機薄膜太陽電池に使われる有機物質は一般的に紫外線に弱く、通常は最外層に紫外線吸収剤を用いることが多く、紫外線領域の光を有効に利用できていない。そこで本発明における波長変換部材を用いると紫外線領域の光を有効活用できる。
(基板)
基板は、順次積層された第1電極、好ましく用いられる第1の電荷輸送層、光電変換層、第2の電荷輸送層、及び第2電極を保持する部材である。本実施形態では、少なくとも第1電極または第2電極、更には両方の電極から光電変換される光が透過することが可能なように、光電変換すべき光の波長に対して透明な基板であることが望ましい。
基板(以下、透明基板とも呼ぶ)は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適な例として挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることがより好ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基材には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基材と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。
易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。また、透明基材にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
(第1電極)
第1電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができる。光電変換層において光電変換される光を透過させることが可能な電極であることが好ましく、300〜800nmの光を透過する電極であることがより好ましい。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、導電性高分子を用いることができる。
(第2電極)
対電極の第2電極は、金属(例えば、金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素、あるいは第1電極の材料等を用いることができるが、これに限らない。
(光電変換層)
光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを一様に混合したバルクヘテロジャンクション層を有して構成される。p型半導体材料は相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
本発明に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。 共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーの内、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、更には特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、国際公開第08/664号パンフレット、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
更に、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、更にポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号公報に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
n型半導体材料としては、比較的高い光電変換効率を実現するために、例えば、フラーレン誘導体化合物等が用いられる。
具体例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物が挙げられる。
中でも、フラーレン含有高分子化合物が好ましい。フラーレン含有高分子化合物としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等を骨格に持つ高分子化合物が挙げられる。フラーレン含有高分子化合物では、フラーレンC60を骨格に持つ高分子化合物(誘導体)が好ましい。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、本発明においては塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。そして、光電変換層は光電変換率を向上すべく、製造工程中において所定の温度でアニール処理され、微視的に一部結晶化されている。
(電荷輸送層)
電荷輸送層としては、具体的には正孔輸送層、電子輸送層が挙げられる。
〈正孔輸送層〉
これらの層を構成する材料としては、例えば、正孔輸送層(電子ブロック層)としては、スタルクヴイテック製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、国際公開第06/19270号パンフレット等に記載のシアン化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。
また、バルクヘテロジャンクション層(光電変換層)に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
〈電子輸送層〉
また、電子輸送層(正孔ブロック層)としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。
また、バルクヘテロジャンクション層(光電変換層)に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、本発明においては溶液塗布法である。
(タンデム型構成)
太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、有機光電変換素子を積層したタンデム型の構成としてもよい。タンデム型構成の場合、基板上に順次透明電極、第1の光電変換層を積層した後、電荷再結合層を積層した後、第2の光電変換層、次いで対電極を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。第2の光電変換層は、第1の光電変換層の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。また、電荷再結合層の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ化合物を用いた層であることが好ましく、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等が好ましい。
(封止)
また、作製した有機光電変換素子が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)を直接堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔試料1の作製〕
[波長変換層1]
40℃に加温した純水250mlに硝酸イットリウム(Y(NO33・6H2O)65.5gと硝酸ユーロピウム(Eu(NO33・6H2O)4.0gを加え、よく撹拌して完全に溶解させ、アンモニアでpH8に調製した液をA液とする。次いで、40℃に加温した純水250ml中にシュウ酸((COOH)2・2H2O)34.0gを加え、よく撹拌して完全に溶解させた液をB液とする。
A液とB液を50℃で図4に示すY字型反応装置を用いて混合した。混合液を、50℃に保温し熟成した後、循環量30l/minで分離膜Romicon HF 2−20−PM10(分画分子量10,000)に反応液容量が一定になるように純水を添加しながら循環させ、混合液の伝導度が2mS/mになるまで脱塩を行った。次いで、前記液を噴霧熱分解装置を用いて、1000℃窒素雰囲気中に噴霧し、20秒間滞留させて蛍光発光材料1を作製した。
透明基材ゼオノアZF14−100(日本ゼオン社製、膜厚100μm)に下記組成の蛍光発光材料塗布液1を、アプケータを用いて乾燥膜厚が10μmになるように塗布した後、120℃のオーブンで10分乾燥して、波長変換層1を作製した。
蛍光発光材料塗布液1
トルエン 70g
メチルエチルケトン 10g
ポリメチルメタクリレート 20g
蛍光発光材料1 5g
[バリア層1]
前記波長変換層1上に、下記ポリシラザン化合物を含有するバリア層形成用塗布液1を、ワイヤレスバーを用いて、乾燥後の膜厚が200nmとなる条件で塗布し、100℃で2分乾燥した後、下記の改質処理条件で真空紫外線照射を行って、バリア層1を形成した。
(バリア層形成用塗布液1)
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NN120−20)と、アミン触媒を固形分で5質量%含有するパーヒドロポリシラザンの20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ NAX120−20)を、アミン触媒が固形分として1質量%になるように調整した後、総固形分量が5質量%になるようにジブチルエーテルで希釈して、バリア層形成用塗布液1を作製した。
(改質処理条件)
実質的に水蒸気を除去し、酸素濃度が0.1%に維持されるように窒素と酸素を適量供給した装置チャンバー内に、バリア層を形成した試料を80℃、移動速度0.6mm/minで供給し、172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプを照射距離3mm、最大照度90mW/cm、積算照射エネルギー2000mJ/cmになるようにして改質処理した。
このときの積算照射エネルギーの測定は、浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025 UV POWER METERを用い、前記改質処理と同条件で行った。
また、測定及び改質処理に先立ち、Xeエキシマランプの照度を安定させるため、Xeエキシマランプ点灯後に10分間のエージング時間を設けた。 (太陽光発電モジュール試料1の作製)
バリア層付PENフィルムのバリア層側に、それぞれ、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗10Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィー技術と湿式エッチングとを用いて2mm幅にパターニングし第1の電極を形成した。パターン形成した第1の電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を(平均)膜厚が30nmになるように塗布乾燥した後、150℃で30分間熱処理させ正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、基板を窒素チャンバー中に持ち込み、窒素雰囲気下で作製した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を150℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)とPCBM(フロンティアカーボン社製:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)を3.0質量%になるように1:0.8で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら(平均)膜厚が100nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、150℃で15分間加熱処理を行い、光電変換層を製膜した。
次に、上記層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、1×10−4Pa以下まで真空蒸着装置内を減圧した後、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、2mm幅のシャドウマスクを通して(受光部が2×2mmに成るように直行させて蒸着)、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを100nm積層することで第2の電極を形成した。得られた有機光電変換素子を窒素チャンバーに移動し、封止用キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が2×2mmサイズの太陽光発電素子を作製した。
次に太陽光発電素子の上に、波長変換層1とバリア層1を積層したシクロオレフィンポリマーフィルムをエポキシ系光硬化型接着剤で貼り合わせて、太陽光発電モジュール試料1を作製した。
〔試料2の作製〕
試料1のポリシラザンの改質を、真空紫外線の代わりに電気炉で150℃30分間加熱した以外は同様にして、太陽光発電モジュール試料2を作製した。
〔試料3の作製〕
バリア層の形成を、公知の真空蒸着法により、酸化珪素を主成分とする無機膜を40nmの膜厚で下層バリア層を形成した後、試料1のバリア層1の形成方法で上層バリア層を形成した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料3を作製した。
〔試料4の作製〕
試料3の下層バリア層を下記バリア層3の形成方法で形成した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料4を作製した。
バリア層3形成方法
27.12MHzの高周波電源、電極間距離20mmの真空プラズマCVD装置を用いて、シランガスを流量として7.5sccm、アンモニアガスを流量として50sccm、水素ガスを流量として200sccmの条件で真空チャンバー内へ導入し、成膜開始時の基材温度を100℃で、ガス圧4Paで窒化珪素を主成分とする無機膜30nmを形成した後、ガス圧を30Paに変更して、窒化珪素を主成分とする無機膜30nm、全膜厚60nmのバリア層3を形成した。
〔試料5の作製〕
試料3の下層バリア層を試料1のバリア層1と同様に形成した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料5を作製した。
〔試料6の作製〕
試料5の波長変換層1を下記波長変換層2に変更した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料6を作製した。
(波長変換層2)
前記試料1の蛍光発光材料1の代わりに蛍光発光材料1の作製で用いたY字型反応装置へのA液とB液の供給速度を蛍光発光材料の粒径が110nmになるように変化させて作製した蛍光発光材料2を用いた以外は同様にして、波長変換層2を作製した。
〔試料7の作製〕
試料5の波長変換層1を下記波長変換層3に変更した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料7を作製した。
(波長変換層3)
前記試料1の波長変換層1における蛍光発光材料塗布液1の代わりに、下記蛍光発光材料塗布液3を用いた以外は同様にして、波長変換層3を作製した。
蛍光発光材料塗布液3
トルエン 70g
メチルエチルケトン 10g
ポリメチルメタクリレート 20g
有機蛍光染料(ルモゲンFオレンジ240、BASF社製) 1.2g
〔試料8の作製〕
試料7で作成した波長変換層3の上層に試料1の波長変換層1を用いた波長変換上層を設けた以外は同様にして、太陽光発電モジュール試料8を作製した。
〔試料9の作製〕
試料8の波長変換上層を下記波長変換層4に変更した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料9を作製した。
(波長変換層4)
前記試料1の波長変換層1における蛍光発光材料1の代わりに、下記蛍光発光材料4を用いた以外は同様にして、波長変換層4を作製した。
蛍光発光材料4
40℃に保温した低分子量ゼラチン(平均分子量約1万)10% 溶液400mlを激しく攪拌している中に、硝酸イットリウム0.171mol、硝酸ユーロピウム0.009mol、硝酸ビスマス0.005molを純水に溶解した40℃保温溶液300mlと、シュウ酸0.27molを純水に溶解した40℃保温溶液300mlを同時に等速で10分間かけて添加し、得られた白色沈殿物をろ過・乾燥した後、1050℃で3時間焼成して蛍光発光材料4を得た。得られた粒子は厚みが0.6μm、投影面積径が3μmの四角平板状であった。
〔試料10の作製〕
試料1のバリア層1を試料3のバリア層2に変更した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料10を作製した。
〔試料11の作製〕
試料6のバリア層1、3の代わりに、波長変換層上層に厚み50μmのポリ塩化ビニリデンフィルムと厚み50μmのナイロン6フィルムをラミネート装置で加熱被覆した以外は同様にして太陽光発電モジュール試料11を作製した。
〔試料12の作製〕
4,4,4−トリフルオロ−1−(チエニル)−1,3−ブタンジオン(TTA)200mgを7mlのエタノールに溶解し、ここへ1Mの水酸化ナトリウム1.1mlを加え混合した。7mlのエタノールに溶かした62mgの1,10−フェナントロリンを先の混合溶液に加え、1時間攪拌した後、EuCl・6HO 103mgの3.5ml水溶液を加え、沈殿物を得る。これを濾過分離し、エタノールで洗浄し、乾燥する。ヘキサン−エチルアセテートにより再結晶精製をし、蛍光発光粒子Eu(TTA)3Phenを得た。次いで、テトラエトキシシラン(TEOS)/水/エタノール/ジメチルホルムアミド(DMF)/アンモニアをモル比で1/35/75/4/4で混合したゾルゲル溶液中に、上記で得られた蛍光発光粒子Eu(TTA)3PhenをTEOS1モルに対して1/160モル混合し、10分間攪拌を行った。次に、ガラス基板上にキャスト法で塗布して、120℃、1時間の条件で加熱処理を行い、保護被覆蛍光発光材料を作製した。
得られた保護被覆蛍光発光材料を電子顕微鏡で観察を行い、一次粒子径の測定を行ったところ220nmだった。
試料1の蛍光発光材料1の代わりに上記作製した保護被覆蛍光発光材料を用いて、波長変換層を作製し、さらにバリア層を設けなかった以外は同様にして、太陽光発電モジュール試料12を作製した。
〔試料13の作製〕
試料12の太陽光発電モジュール試料12のさらに最表面に3mm厚の保護ガラスを設けた以外は同様にして、太陽光発電モジュール13を作製した。
Figure 2013069726
《太陽光発電モジュールの評価》
上記作成した各太陽光発電モジュールについて、下記の特性値の測定及び性能評価を行った。
[評価方法]
(太陽発電効率)
上記方法で作製した太陽光発電モジュールについて、ソーラーシミュレーターにより、AM1.5Gフィルタ、100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターFFをそれぞれ測定し、〔式1〕に従ってエネルギー変換効率η(%)を求め、太陽光発電モジュール1のエネルギー変換効率に対する相対値を求め表2に示した。
Figure 2013069726
(バリア性評価)
メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を使用し、試料面放射強度:2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度63℃、相対湿度:50%、照射時間500時間の条件で耐候性試験を行い、その後、温度85℃、湿度85%RH環境で3000時間保存した加速試験後の発電効率を初期の発電効率に対する残存比率を求め、下記の基準で評価した。
5:90%以上
4:70%以上、90%未満
3:40%以上、70%未満
2:20%以上、40%未満
1:20%未満
評価結果を表2に示した。
また、同時に目視により耐光試験後の太陽光発電モジュール表面の膜状態を観察した結果を表2に示した。
(表面硬度(SW耐性))
表面硬度の評価にはスチールウールテスト(以下SW耐性)が用いられる。SW耐性はは、太陽光発電モジュール表面に、ヘイドン社製の荷重変動型摩擦摩耗試験システムHHS2000を用いて500gの荷重になるように設定しスピード500mm/ms、距離50mm、10往復を行い、傷を目視で評価した。なお、スチールウール#0000番を使用した。評価は下記の基準を用いて行い、結果を表2に示した。
◎:ほぼキズがない
○:1〜2本のわずかにキズがある
△:5〜10本のキズがはっきりわかる
×:SW往復部全体がキズで白くなる
Figure 2013069726
表2の結果からわかるように、本願発明の太陽光発電モジュールは発電効率も高く、高温高湿度下に長時間放置した後でも、発電効率の低下や膜はがれ等の問題も起こらずに、塗膜強度も高い太陽光発電モジュールを作製出来ることがわかる。
1 波長変換層
2 バリア層
101 プラズマCVD装置
102 真空槽
103 カソード電極
105 サセプタ
106 熱媒体循環系
107 真空排気系
108 ガス導入系
109 高周波電源
160 加熱冷却装置

Claims (5)

  1. 波長変換層と前記波長変換層を被覆したバリア層を設けた波長変換部材であって、前記波長変換層が蛍光発光材料を含有し、前記バリア層がポリシラザン含有液の塗布膜に改質処理を施した層であることを特徴とする波長変換部材。
  2. 前記改質処理が波長200nm以下の真空紫外光を照射する改質処理であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 前記ポリシラザン含有液の塗布膜の改質処理を施した層が複数の層からなることを特徴とした請求項1または2に記載の波長変換部材。
  4. 前記蛍光発光材料を含有する波長変換層が異なる蛍光発光材料からなる複数層で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長変換部材を用いた太陽光発電モジュール。
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