JP2013069666A - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料側電極に設けられた緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタの表面に導電性セラミックス膜が設けられたSOFCであって、「インターコネクタと導電性セラミックス膜との界面」の接合状態に関し、剥離が発生し難いものの提供。
【解決手段】SOFC100の燃料側電極110には、ランタンクロマイト(LC)からなるインターコネクタ140が設けられ、インターコネクタの表面には導電性セラミックス膜であるP型半導体膜150が形成される。「インターコネクタとP型半導体膜とを含む断面における両者の界面に対応する線(境界線)」上において「両者が接触している複数の部分の長さ」のうちの最大値(最大接合幅)が40μm以下であると、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池に関する。
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:SOFC)(の発電部)は、燃料側電極に、固体電解質からなる電解質膜、空気側電極を順に積層することで形成される。このSOFC(の発電部)に対して、燃料側電極に燃料ガス(水素ガス等)を供給するとともに空気側電極に酸素を含むガス(空気等)を供給することにより、電解質膜の両面の酸素ポテンシャル差に基づいて燃料側電極と空気側電極との間に電位差が発生する。
SOFCでは、通常、燃料側電極と空気側電極の何れか一方又は両方のそれぞれにインターコネクタ(集電用の導電性接続部材)が電気的に接続されるように設けられる。この(これらの)インターコネクタを介して前記電位差に基づく電力が外部に取り出される。
このようにインターコネクタが設けられたSOFCに関し、特許文献1では、燃料側電極に緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタが設けられ、このインターコネクタの表面にP型半導体膜が設けられたSOFCが記載されている。このように緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタの表面にP型半導体を設けると、理由は明確ではないが電流を効率良く流すことができる(即ち、導電性が向上する)、と記載されている。
特許第4146738号明細書
一般に、緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタの表面に「P型半導体膜やN型半導体膜などの導電性セラミックス膜」が設けられる場合、先ず、緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタが焼成により形成される。その後、その緻密なインターコネクタの表面に導電性セラミックス膜の前駆体であるグリーン成形体(膜)が形成される。そして、このグリーン成形体が焼成されることにより、緻密なインターコネクタの表面に導電性セラミックス膜が形成される。
このように、緻密なインターコネクタが形成された後においてその表面に導電性セラミックス膜が焼成により形成される場合、導電性セラミックス膜は多孔質となる。これは、緻密層(導電性セラミックス膜の焼成時には収縮しない)の上に形成された導電性セラミックス膜の前駆体であるグリーン成形体の体積が所謂焼成収縮により減少する際にグリーン成形体の内部に多数の気孔が形成されることに基づく(詳細は後述)、と考えられる。即ち、この場合、インターコネクタと導電性セラミックス膜との界面は、緻密層と多孔質層との境界となる。
本発明者は、このように、緻密層と多孔質層との境界となる「インターコネクタと導電性セラミックス膜との界面」に着目した。そして、本発明者は、この界面の接合状態(接触状態)に関し、剥離が発生し難くなる条件を見出した。
即ち、本発明は、燃料側電極に設けられた緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタの表面に多孔質の導電性セラミックス膜が設けられたSOFCであって、「インターコネクタと導電性セラミックス膜との界面」の接合状態に関し、剥離が発生し難いものを提供することを目的とする。
本発明に係るSOFCは、燃料ガスと接触して前記燃料ガスを反応させる燃料側電極と、前記燃料側電極に設けられた固体電解質からなる電解質膜と、前記酸素を含むガスを反応させる空気側電極であって前記電解質膜を前記燃料側電極と空気側電極とで挟むように前記電解質膜に設けられた空気側電極と、からなる固体酸化物形燃料電池の発電部と、前記燃料側電極に電気的に接続されるように設けられた緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタと、前記インターコネクタの表面に形成された多孔質の導電性セラミックス膜と、を備える。
ここにおいて、前記インターコネクタの材質として、化学式La1−xCr1−y−z(ただし、A:Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類の元素、B:Co,Ni,Mg,Alから選択される少なくとも1種類の元素、xの範囲:0.05〜0.2、yの範囲:0.02〜0.22、zの範囲:0〜0.05)で表わされるランタンクロマイト(LC)が好適である。これは、燃料側電極のインターコネクタ(端子電極)の一端(内側)が還元雰囲気に曝され且つ他端(外側)が酸化雰囲気に曝されることに基づく。酸化・還元の両雰囲気で安定な導電性セラミックスとしては、現状では、LCが優れている。
なお、前記インターコネクタの材質として、化学式(A1−x,B1−z(Ti1−y,D)O(ただし、A:アルカリ土類元素から選択される少なくとも1種類の元素、B:Sc,Y,及びランタノイド元素から選択される少なくとも1種類の元素、D:第4周期、第5周期、第6周期の遷移金属、及びAl,Si,Zn,Ga,Ge,Sn,Sb,Pb,Biから選択される少なくとも1種類の元素、xの範囲:0〜0.5、yの範囲:0〜0.5、zの範囲:−0.05〜0.05)で表わされるチタン酸化物も好適である。チタン酸化物としては、例えば、AとしてストロンチウムSrが使用された「ストロンチウムチタネートSrTiO」が採用され得る。SrTiOも酸化・還元の両雰囲気で安定である。
本発明に係るSOFCの特徴は、「前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜とを含む断面における前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜との界面に対応する線である境界線」上において「前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜とが接触している複数の部分の長さ」のうちの最大値(最大接合幅)が45μm以下であることにある。
後述するように、本発明者は、「最大接合幅」が45μm以下である場合、「最大接合幅」が45μmより大きい場合と比べて、「インターコネクタと導電性セラミックス膜との界面における最大接合幅に対応する部分」において、剥離が発生し難いことを見出した。
具体的には、前記導電性セラミックス膜がP型半導体膜である場合、前記最大接合幅が40μm以下であることが好適である。前記P型半導体膜の材質としては、ランタンストロンチウムコバルトフェライトLSCF、ランタンストロンチウムマンガナイトLSM等のペロブスカイト型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物、或いは、マンガンコバルタイトMnCo、銅マンガナイトCuMn等のスピネル型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物が好適である。
ここにおいて、「前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜(P型半導体膜)とを含む断面における前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜(P型半導体膜)との界面に対応する線である境界線の長さ」に対する、「前記境界線上において前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜(P型半導体膜)とが接触している複数の部分の長さの合計」の割合である「接合率」は、21〜75%であることが好適である。
一方、前記導電性セラミックス膜がN型半導体膜である場合、前記最大接合幅が45μm以下であることが好適である。前記N型半導体膜の材質としては、ランタンニッケルフェライトコバルタイトLa(Ni,Fe,Cu)Oが好適である。ここにおいて、前記接合率は、18〜65%であることが好適である。
本発明の第1実施形態に係るSOFCの構成を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係るインターコネクタとP型半導体膜とを含む断面を電子顕微鏡で1000倍に拡大して得られた図であり、「接合率」及び「接合幅」を説明するための図である。 インターコネクタとP型半導体膜とを含む断面において、インターコネクタとP型半導体膜の界面に剥離が発生する様子を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る図1に対応する図である。 本発明の第2実施形態に係る図2に対応する図である。
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係るSOFC(のセル)100の構成を示す。SOFC100は、燃料側電極110と、燃料側電極110の上面に積層された電解質膜120と、電解質膜120の上面に積層された空気側電極130を備える。これらの3層からなる積層体は、SOFC100の発電部を構成している。なお、燃料側電極110の内部に燃料ガスを流す流路が設けられていても良い。
また、SOFC100では、燃料側電極100の下面にインターコネクタ140が電気的に接続されるように設けられている(接合されている)。インターコネクタ140の下面にはP型半導体からなる導電膜(P型半導体膜)150が形成されている。
SOFC100を上方からみた形状は、例えば、1辺が1〜30cmの正方形、長辺が5〜30cmで短辺が3〜15cmの長方形、又は直径が1〜30cmの円形である。SOFC100全体の厚さは、0.1〜3mmである。なお、インターコネクタ140は、燃料側電極110の下面の全面に設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。また、P型半導体膜150は、インターコネクタ140の下面の全面に設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。また、空気側電極130の上面にインターコネクタが設けられていてもよい。
燃料側電極110(アノード電極)は、酸化ニッケルNiO及び/又はニッケルNiとイットリア安定化ジルコニアYSZとから構成される多孔質の薄板状の焼成体である。燃料側電極110の厚さは0.1〜3mmである。SOFC100の各構成部材の厚さのうち燃料側電極110の厚さが最も大きく、燃料側電極110は、SOFC100の支持体(支持基板、最も剛性が高い部材)として機能している。
なお、燃料側電極110(アノード電極)は、酸化ニッケルNiO及び/又はニッケルNiとイットリアYとから構成されていてもよい。また、燃料側電極110は、燃料極集電層(インターコネクタ側)と燃料極活性層(電解質膜側)との2層によって構成されていてもよい。この場合、燃料極活性部は、例えば、酸化ニッケルNiOとイットリア安定化ジルコニアYSZ(8YSZ)とから構成され得る。或いは、酸化ニッケルNiOとガドリニウムドープセリアGDCとから構成されてもよい。燃料極集電部は、例えば、酸化ニッケルNiOとイットリア安定化ジルコニアYSZ(8YSZ)とから構成され得る。或いは、酸化ニッケルNiOとイットリアYとから構成されてもよいし、酸化ニッケルNiOとカルシア安定化ジルコニアCSZとから構成されてもよい。燃料極活性部の厚さは、5〜30μmであり、燃料極集電部の厚さは、50〜500μmである。
このように、燃料極集電部は、電子伝導性を有する物質を含んで構成される。燃料極活性部は、電子伝導性を有する物質と酸素イオン伝導性を有する物質とを含んで構成される。燃料極活性部における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」は、燃料極集電部における「気孔部分を除いた全体積に対する酸素イオン伝導性を有する物質の体積割合」よりも大きい。
電解質膜120は、YSZから構成される緻密な薄板状の焼成体である。電解質膜120の厚さは3〜30μmである。
空気側電極130(カソード電極)は、ランタンストロンチウムコバルトフェライトLSCF(La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8)からなる多孔質の薄板状の焼成体である。空気側電極130の厚さは5〜50μmである。空気側電極130は、LSCFからなる第1層(電解質膜側)とランタンストロンチウムマンガナイトLSM(La0.8Sr0.2MnO)又はランタンストロンチウムコバルタイトLSC(La0.8Sr0.2CoO)からなる第2層(第1層の上面に積層された層)との2層によって構成されてもよい。
なお、SOFC作製時又は作動中のSOFC100内において電解質膜120内のYSZと空気側電極130内のストロンチウムとが反応して電解質膜120と空気側電極130との間の電気抵抗が増大する現象の発生を抑制するために、電解質膜120と空気側電極130との間に反応防止層が介装されてもよい。反応防止層は、セリアからなる緻密な薄板状の焼成体であることが好ましい。セリアとしては、具体的には、GDC(ガドリニウムドープセリア)、SDC(サマリウムドープセリア)等が挙げられる。
インターコネクタ140は、導電性セラミックからなる緻密な薄板状の導電性接続部材である。インターコネクタ140の厚さは1〜100μmである。インターコネクタ140の気孔率は、5%以下である。導電性セラミックとしては、例えば、化学式が下記(1)式で表されるランタンクロマイト(LC)が採用される。下記(1)式において、Aは、Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類の元素である。Bは、Co,Ni,Mg,Alから選択される少なくとも1種類の元素である。xの範囲は、0.05〜0.2であり、yの範囲は、0.02〜0.22であり、zの範囲は、0〜0.05である。δは0を含む微小値である。
La1−xCr1−y−z3−δ …(1)
P型半導体膜150は、P型半導体からなる多孔質の薄板状の導電膜である。P型半導体膜150の厚さは1〜100μmである。P型半導体膜の気孔率は、20〜50%である。P型半導体としては、例えば、空気側電極130と同じ材料であるLSCF、LSC、LSM等が採用される。なお、P型半導体膜150の内部にてP型半導体の材料が50体積%以上含まれる限りにおいて、P型半導体膜150の内部に、焼結性改善のための絶縁性材料(例えば、ガラス)や導電性改善のための貴金属材料(例えば、白金)等が添加されていてもよい。
このSOFC100に対して、燃料側電極110に燃料ガス(水素ガス等)を供給するとともに空気側電極130に酸素を含むガス(空気等)を供給することにより、下記(2)、(3)式に示す化学反応が発生する。これにより、燃料側電極110と空気側電極130との間に電位差が発生する。この電位差は、電解質膜120の両面の酸素ポテンシャル差に基づく。
(1/2)・O+2e→O2− (於:空気側電極130) …(2)
+O2−→HO+2e (於:燃料側電極110) …(3)
この電位差に起因して、SOFC100において、電流は、P型半導体膜150→インターコネクタ(LC)140→燃料側電極110→電解質膜120→空気側電極130の方向に流れる(電子は、空気側電極130→電解質膜120→燃料側電極110→インターコネクタ(LC)140→P型半導体膜150の方向に流れる)。そして、インターコネクタ(LC)140(及び、空気側電極130に設けられた図示しないインターコネクタ)を介して、前記電位差に基づく電力がSOFC100の外部に取り出される。
なお、本第1実施形態では、膜の気孔率は、以下のように測定された(後述する第2実施形態でも同様)。先ず、膜の気孔内に樹脂が進入するようにその膜に対して所謂「樹脂埋め」処理がなされた。その「樹脂埋め」処理された膜の表面に対して機械研磨がなされた。機械研磨された表面の微構造を走査型電子顕微鏡を用いて観察して得られた画像に対して画像処理を行うことによって、気孔の部分(樹脂が進入している部分)と気孔でない部分(樹脂が進入していない部分)の面積がそれぞれ算出された。その比率が膜の気孔率とされた。
(製造方法)
次に、図1に示したSOFC100の製造方法の一例について説明する。
先ず、燃料側電極110の前駆体(焼成前)が以下のように形成された。即ち、NiO粉末とYSZ粉末とが混合され、この混合物にバインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)が添加されてスラリーが作製された。このスラリーがスプレードライヤーで乾燥・造粒され、燃料側電極用の粉末が得られた。この粉末が金型プレス成形法により成形されて、燃料側電極110の前駆体が形成された。
次に、電解質膜120の前駆体(焼成前)が、以下のように燃料側電極110の前駆体の上面に形成された。即ち、YSZ粉末に水とバインダーが加えられ、この混合物がボールミルで24時間混合されてスラリーが作製された。このスラリーが、燃料側電極110の前駆体の上面に塗布・乾燥されて、電解質膜120の前駆体(膜)が形成された。なお、燃料側電極110の前駆体の上面に電解質膜120の前駆体(膜)を形成するに際し、テープ積層法、印刷法等が用いられてもよい。
次いで、インターコネクタ140の前駆体(焼成前)が、ランタンクロマイト粉末を用いて、印刷法、テープ積層法、スラリーディップ法、プラズマ溶射法、或いはエアロゾルデポジション法等を利用して、燃料側電極110の前駆体の下面に形成された。
以上より、燃料側電極110の前駆体、電解質膜120の前駆体、及びインターコネクタ140の前駆体の3層からなる積層体(焼成前)が形成された。この積層体(焼成前)が、1300〜1600℃で2時間共焼結されて、多孔質の燃料側電極110、緻密な電解質膜120、及び緻密なインターコネクタ140の3層からなる積層体(焼成後)が得られた。
次に、空気側電極130が、以下のように前記積層体の電解質膜120の上面に形成された。即ち、LSCF粉末に水とバインダーが加えられ、この混合物がボールミルで24時間混合されてスラリーが作製された。このスラリーが、電解質膜120の上面に塗布・乾燥され、電気炉(酸素含有雰囲気中)で空気中にて1000℃で1時間焼成されて、電解質膜120の上面に多孔質の空気側電極130が形成された。
次に、P型半導体膜150が、以下のようにインターコネクタ140の下面に形成された。即ち、LSCF粉末に水とバインダーが加えられ、この混合物がボールミルで24時間混合されてスラリーが作製された。そのスラリーを利用して、インターコネクタ140の下面にスプレー法等によって膜が形成された。この膜を1000〜1400℃で2時間焼成することにより、インターコネクタ140の下面に多孔質のP型半導体膜150が形成された。
P型半導体膜の形成方法としては、印刷法、テープ積層法、スラリーディップ法も適用可能である。なお、P型半導体膜の焼成が空気側電極の焼成と同じ温度で実行される場合、P型半導体膜と空気側電極とが同時に焼成されてもよい。また、P型半導体膜の焼成が空気側電極の焼成より高い温度で実行される場合、P型半導体膜の焼成は、空気側電極の焼成の前に実行されてもよいし、インターコネクタの焼成と同時に実行されてもよい。
なお、このように、緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタが形成(完成)された後に、その表面にP型半導体膜が焼成により形成される場合、P型半導体膜は多孔質となる。これは、以下の理由に基づくと考えられる。即ち、P型半導体膜の前駆体である前記スラリー(グリーン成形体)の焼成の際、グリーン成形体(焼成前)が所謂焼成収縮により収縮しようとする一方で、既に焼成済みの緻密層(インターコネクタ)は収縮しない。即ち、グリーン成形体全体の体積が減少しようとする一方で、グリーン成形体における緻密層との界面近傍の部分では、所謂アンカー効果により、平面方向(界面に沿う方向)における寸法の減少が妨げられる。この結果、グリーン成形体の内部に多数の気孔が形成される。即ち、焼成体であるP型半導体膜は多孔質となる。以上、インターコネクタ140とP型半導体膜150との界面は、緻密層と多孔質層との境界となる。
以上により、SOFC100を構成する部材の積層が完了する。ここで、燃料側電極110は導電性を有する必要がある。従って、焼成後の燃料側電極110(焼成体)に対して、800℃の高温下にて還元ガスを供給する熱処理(還元処理)が行われる。この還元処理により、NiOがNiへと還元されて、燃料側電極110は導電性を獲得する。以上、図1に示したSOFC100の製造方法の一例について説明した。
以下、材料がP型半導体であるかN型半導体であるかの判別手法について付言する。この判別は、ゼーベック係数に基づいてなされ得る。一般に、ゼーベック係数が正であるものがP型半導体であり、負であるものがN型半導体であると判定され得る。
具体的には、例えば、以下のように判定がなされる。先ず、材料の粉末を一軸プレスを用いて成形し、その成形体を1400℃×2時間で焼成し、焼結体を得る。得られた焼結体から、φ3.0mm、L=10mmの試験片を作製し、ULVAC理工のZME−3シリーズの評価装置を用いてゼーベック係数の測定を行う。この測定は、例えば、不活性ガスの雰囲気下、750℃で行われる。この測定の結果、ゼーベック係数が正となったものがP型半導体、負となったものがN型半導体と判定され得る。上述のP型半導体膜150ではゼーベック係数が正となる。
(インターコネクタとP型半導体膜との界面)
以下、インターコネクタ140とP型半導体膜150との界面、即ち、緻密層と多孔質層との境界に着目する。図2は、本発明の第1実施形態に係るインターコネクタ140とP型半導体膜150とを含む断面(積層方向に沿う断面、各要素(各膜)の平面方向に垂直の断面)を電子顕微鏡で1000倍に拡大して観察した様子を示す。
本明細書では、この断面においてインターコネクタ140(緻密層)とP型半導体膜150(多孔質層)との界面に対応する線(図2に示した例では、線分L)を「境界線」と呼ぶ。この境界線は、例えば、以下のように定義され得る。即ち、断面上において、多孔質層に含まれる多数の気孔のうちで緻密層に面して存在する複数の気孔が抽出される。抽出された複数の気孔のそれぞれについて、気孔内に対応する領域において最も緻密層側の点(図2に示した例では、気孔内に対応する領域において最も下側の点)がプロットされる(図2に示した例では、複数の黒いドットを参照)。プロットされた複数の点と周知の統計的手法の一つ(例えば、最小二乗法)とを用いて、プロットされた複数の点のそれぞれの近傍を通る線(直線、又は曲線)が決定される。この線(図2に示した例では、線分L)が「境界線」となる。なお、図2に示した例では、インターコネクタが平板状であるために「境界線」が直線になっているが、例えば、インターコネクタが反っていたり湾曲している場合には「境界線」は曲線となる。また、「境界線」が、直線と曲線との組み合わせで構成されていてもよい。
このように定義された「境界線」に対して、「接合率」、及び「最大接合幅」を以下のように定義する。「接合率」は、「境界線」の長さ(図2に示した例では、図中の線分Lの長さ)に対する、「境界線」上においてインターコネクタ140とP型半導体膜150とが接触している「複数の部分」(気孔に対応しない複数の部分)の長さの合計の割合、と定義される。「最大接合幅」は、上記「複数の部分」の長さのうちの最大値、と定義される。
本発明者は、この第1実施形態において、「最大接合幅」が40μm以下である場合、「最大接合幅」が40μmより大きい場合と比べて、「インターコネクタとP型半導体膜との界面における最大接合幅に対応する部分」において、剥離が発生し難いことを見出した。図3は、最大接合幅Aが40μmより大きいことに起因して、前記界面における最大接合幅Aに対応する部分において剥離が発生している様子を示した模式図である。以下、このことを確認した試験Aについて説明する。
(試験A)
試験Aでは、本第1実施形態に係るSOFCの一部である、インターコネクタとP型半導体膜との接合体(以下、「接合体」と呼ぶ。)について、インターコネクタの材質、P型半導体膜の材質、及び、「接合率」の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表1に示すように、18種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して20個のサンプル(N=20)が作製された。
各サンプル(接合体)としては、上方からみた形状が円形(直径:約2cm)で厚さが約1mmのインターコネクタと、上方からみた形状が円形(直径:約1cm)で厚さが約100μmのP型半導体膜と、が積層された積層体が使用された。各サンプル(接合体)は、焼成により既に完成したインターコネクタの表面にP型半導体膜が焼成により形成されることで作製された。「接合率」及び「最大接合幅」の調整は、P型半導体膜の焼成に使用される粉末(LSCF粉末等)の粒径及び比表面積、有機成分(バインダー、造孔材)の量、及び、P型半導体膜の焼成温度等を調整することにより達成された。
具体的には、粉末の平均粒径は、0.5〜5μmの範囲内で調整された。粉末の比表面積は、3〜30m/gの範囲内で調整された。有機成分の量(重量)は、粉体の全重量に対して10〜50%の範囲内で調整された。造孔材としては、セルロース、カーボン、PMMA等が使用された。焼成温度は、850〜1300℃の範囲内で調整された。焼成時間は、1〜20時間の範囲内で調整された。
なお、水準13〜18では、P型半導体膜の材質として、スピネル型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物(MnCo)が使用されている。これらの焼成の際、スピネル系材料を構成する2種類の金属元素(Mn、Co)のそれぞれの粉末が出発原料として使用され、この粉末が焼成時に酸化させられることで、スピネル型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物が形成された。
そして、各サンプル(接合焼成体)について、インターコネクタとP型半導体膜との界面における剥離の有無が確認された。この確認は、各サンプルについて、「接合率」や「最大接合幅」の測定に使用された「インターコネクタとP型半導体膜とを含む断面」を肉眼及び光学顕微鏡を使用して観察することによってなされた。
表1から理解できるように、「最大接合幅」が40μmより大きい場合、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し易い。一方、「最大接合幅」が40μm以下である場合、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難い。これは、理由は明確ではないが、以下のように考えられる。
即ち、本第1実施形態では、上述のように、インターコネクタ(焼成後)の上にP型半導体膜の前駆体であるグリーン成形体(焼成前)が形成され、このグリーン成形体が焼成されて、P型半導体膜(焼成後)がインターコネクタ(焼成後)の上に形成される。このグリーン成形体の焼成の際、グリーン成形体が所謂焼成収縮により収縮しようとする一方で、既に焼成済みのインターコネクタは収縮しない。この結果、グリーン成形体におけるインターコネクタとの界面近傍の領域では、所謂アンカー効果により、平面方向(界面に沿う方向)における寸法の減少が妨げられる。換言すれば、前記領域では、大きな歪が発生しながら(大きな引張応力を受けながら)グリーン成形体の焼結が進行していく。このとき、前記領域において、アンカー効果による平面方向の拘束幅(即ち、接合幅)が或る値より大きい部分が存在すると、その部分において、「剥離」という現象を伴って前記歪(引張応力)が解放されるものと考えられる。
表1では、「接合率」が21〜75%の範囲内における結果が示されている。係る観点からは、「接合率」が21〜75%であり、且つ、「最大接合幅」が40μm以下の場合に、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難い、ということもできる。なお、「接合率」が21〜75%である場合、「接合率」が21〜75%でない場合と比べて、界面における引張強度が大きいことが、別途確認されている。
なお、この試験A(表1)では、インターコネクタの材質としてランタンクロマイトLCのみが採用されているが、「発明の概要」の欄で述べた「チタン酸化物」が採用された場合も、LCが採用された場合と同じ結果が得られることが確認されている。加えて、P型半導体膜の材質としての「スピネル型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物」として、MnCoのみが採用されているが、CuMnが採用された場合も、MnCoが採用された場合と同じ結果が得られることが確認されている。
以上の内容、並びに、表1の結果より、より具体的には、インターコネクタの材質としてLC又はチタン酸化物が採用され、且つ、P型半導体膜の材質としてLSM、LSCF等の「ペロブスカイト型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物」又はMnCo、CuMn等の「スピネル型結晶構造を有する遷移金属複合酸化物」が採用された場合において、「接合率」が21〜75%であり、且つ、「最大接合幅」が40μm以下であると、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難い、ということができる。
なお、本発明は上記第1実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第1実施形態では、燃料側電極110内に燃料ガスの流路が形成されていないが、燃料側電極内に燃料ガスの流路が形成されていてもよい。加えて、SOFC100を構成する積層体は、単独で存在しているが(図1を参照)、この積層体が、或る装置全体の一部分として存在していてもよい。
また、「最大接合幅が40μm以下」(及び接合率が21〜75%)は、インターコネクタ及びP型半導体膜を含む任意の1つの断面について成立していればよい。或いは、「最大接合幅が40μm以下」(及び接合率が21〜75%)は、インターコネクタ及びP型半導体膜を含む任意の複数の断面(例えば、或る方向に平行な2つの断面と、その方向に直交する方向に平行な2つの断面)のそれぞれについて成立している必要がある。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るSOFC(のセル)100について、図4、及び図5を参照しながら説明する。図1と図4との比較から理解できるように、この第2実施形態は、インターコネクタ140の下面にN型半導体からなる導電膜(N型半導体膜)150が形成されている点においてのみ、「インターコネクタ140の下面にP型半導体膜150が形成されている上記第1実施形態」と異なる。以下、この相違点について主として説明していく。
第2実施形態のSOFC100において、インターコネクタ140の下面に形成されたN型半導体膜150(図4を参照)は、N型半導体からなる多孔質の薄板状の導電膜である。N型半導体膜150の厚さは1〜100μmである。N型半導体膜の気孔率は、20〜50%である。N型半導体としては、例えば、ランタンニッケルフェライトコバルタイトLa(Ni,Fe,Cu)O等が採用される。なお、N型半導体膜150の内部にてN型半導体の材料が50体積%以上含まれる限りにおいて、N型半導体膜150の内部に、焼結性改善のための絶縁性材料(例えば、ガラス)や導電性改善のための貴金属材料(例えば、白金)等が添加されていてもよい。
この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様、電流は、N型半導体膜150→インターコネクタ(LC)140→燃料側電極110→電解質膜120→空気側電極130の方向に流れる(電子は、空気側電極130→電解質膜120→燃料側電極110→インターコネクタ(LC)140→N型半導体膜150の方向に流れる)。
N型半導体膜150は、以下のようにインターコネクタ140の下面に形成される。即ち、La(Ni,Fe,Cu)O粉末に水とバインダーが加えられ、この混合物がボールミルで24時間混合されてスラリーが作製された。そのスラリーを利用して、インターコネクタ140の下面にスプレー法等によって膜が形成された。この膜を1000〜1400℃で2時間焼成することにより、インターコネクタ140の下面に多孔質のN型半導体膜150が形成された。
N型半導体膜の形成方法としては、印刷法、テープ積層法、スラリーディップ法も適用可能である。なお、N型半導体膜の焼成が空気側電極の焼成と同じ温度で実行される場合、N型半導体膜と空気側電極とが同時に焼成されてもよい。また、N型半導体膜の焼成が空気側電極の焼成より高い温度で実行される場合、N型半導体膜の焼成は、空気側電極の焼成の前に実行されてもよいし、インターコネクタの焼成と同時に実行されてもよい。
なお、このように、緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタが形成(完成)された後に、その表面にN型半導体膜が焼成により形成される場合、N型半導体膜は多孔質となる。これは、上記第1実施形態のP型半導体膜150の場合と同じ理由に基づく。従って、インターコネクタ140とN型半導体膜150との界面は、緻密層と多孔質層との境界となる。
(第2実施形態におけるインターコネクタとN型半導体膜との界面)
以下、上記第1実施形態と同様、第2実施形態におけるインターコネクタ140とN型半導体膜150との界面、即ち、緻密層と多孔質層との境界に着目する。図5は、第2実施形態に係るインターコネクタ140とN型半導体膜150とを含む断面(積層方向に沿う断面、各要素(各膜)の平面方向に垂直の断面)を電子顕微鏡で1000倍に拡大して観察した様子を示す、図2に対応する図である。この第2実施形態においても、上記第1実施形態と同じ手法によって、「境界線」(図5に示した例では、線分L)、並びに、「接合率」、及び「最大接合幅」が定義される。
本発明者は、第2実施形態において、「最大接合幅」が45μm以下である場合、「最大接合幅」が45μmより大きい場合と比べて、「インターコネクタとN型半導体膜との界面における最大接合幅に対応する部分」において、剥離が発生し難いことを見出した。以下、このことを確認した試験Bについて説明する。
(試験B)
試験Bでは、第2実施形態に係るSOFCの一部である、インターコネクタとN型半導体膜との接合体(以下、「接合体」と呼ぶ。)について、インターコネクタの材質、N型半導体膜の材質、及び、「接合率」の組み合わせが異なる複数のサンプルが作製された。具体的には、表2に示すように、10種類の水準(組み合わせ)が準備された。各水準に対して20個のサンプル(N=20)が作製された。なお、表2の「N型半導体膜の材質」の欄において、「LNFC」は、La(Ni,Fe,Cu)Oを表す。
各サンプル(接合体)としては、上方からみた形状が円形(直径:約2cm)で厚さが約1mmのインターコネクタと、上方からみた形状が円形(直径:約1cm)で厚さが約100μmのN型半導体膜と、が積層された積層体が使用された。各サンプル(接合体)は、焼成により既に完成したインターコネクタの表面にN型半導体膜が焼成により形成されることで作製された。「接合率」及び「最大接合幅」の調整は、N型半導体膜の焼成に使用される粉末(La(Ni,Fe,Cu)Oの粉末等)の粒径及び比表面積、有機成分(バインダー、造孔材)の量、及び、N型半導体膜の焼成温度等を調整することにより達成された。
具体的には、粉末の平均粒径は、0.5〜5μmの範囲内で調整された。粉末の比表面積は、3〜30m/gの範囲内で調整された。有機成分の量(重量)は、粉体の全重量に対して10〜50%の範囲内で調整された。造孔材としては、セルロース、カーボン、PMMA等が使用された。焼成温度は、1000〜1300℃の範囲内で調整された。焼成時間は、1〜20時間の範囲内で調整された。
そして、各サンプル(接合焼成体)について、インターコネクタとN型半導体膜との界面における剥離の有無が確認された。この確認は、各サンプルについて、「接合率」や「最大接合幅」の測定に使用された「インターコネクタとN型半導体膜とを含む断面」を肉眼及び光学顕微鏡を使用して観察することによってなされた。
表2から理解できるように、「最大接合幅」が45μmより大きい場合、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し易い。一方、「最大接合幅」が45μm以下である場合、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難い。これも、明確ではないが、上述した第1実施形態にて発生する剥離の場合と同じ理由に基づく、と考えられる。
表2では、「接合率」が18〜65%の範囲内における結果が示されている。係る観点からは、「接合率」が18〜65%であり、且つ、「最大接合幅」が45μm以下の場合に、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難い、ということもできる。なお、「接合率」が18〜65%である場合、「接合率」が18〜65%でない場合と比べて、界面における引張強度が大きいことが、別途確認されている。
なお、この試験B(表2)では、インターコネクタの材質としてランタンクロマイトLCのみが採用されているが、「発明の概要」の欄で述べた「チタン酸化物」が採用された場合も、LCが採用された場合と同じ結果が得られることが確認されている。
以上の内容、並びに、表2の結果より、より具体的には、インターコネクタの材質としてLC又はチタン酸化物が採用され、且つ、N型半導体膜の材質としてLa(Ni,Fe,Cu)Oが採用された場合において、「接合率」が18〜65%であり、且つ、「最大接合幅」が45μm以下であると、界面における最大接合幅に対応する部分において剥離が発生し難い、ということができる。
なお、本発明は上記第2実施形態にも限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第2実施形態では、燃料側電極110内に燃料ガスの流路が形成されていないが、燃料側電極内に燃料ガスの流路が形成されていてもよい。加えて、SOFC100を構成する積層体は、単独で存在しているが(図4を参照)、この積層体が、或る装置全体の一部分として存在していてもよい。
また、「最大接合幅が45μm以下」(及び接合率が18〜65%)は、インターコネクタ及びN型半導体膜を含む任意の1つの断面について成立していればよい。或いは、「最大接合幅が45μm以下」(及び接合率が18〜65%)は、インターコネクタ及びN型半導体膜を含む任意の複数の断面(例えば、或る方向に平行な2つの断面と、その方向に直交する方向に平行な2つの断面)のそれぞれについて成立している必要がある。
100…SOFC、110…燃料側電極、120…電解質膜、130…空気側電極、140…インターコネクタ、150…P型半導体膜、N型半導体膜

Claims (7)

  1. 燃料ガスと接触して前記燃料ガスを反応させる燃料側電極と、前記燃料側電極に設けられた固体電解質からなる電解質膜と、前記酸素を含むガスを反応させる空気側電極であって前記電解質膜を前記燃料側電極と空気側電極とで挟むように前記電解質膜に設けられた空気側電極と、からなる固体酸化物形燃料電池の発電部と、
    前記燃料側電極に電気的に接続されるように設けられた緻密な導電性セラミックからなるインターコネクタと、
    前記インターコネクタの表面に形成された多孔質の導電性セラミックス膜と、
    を備えた固体酸化物形燃料電池において、
    前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜とを含む断面における前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜との界面に対応する線である境界線上において前記インターコネクタと前記導電性セラミックス膜とが接触している複数の部分の長さのうちの最大値である最大接合幅が45μm以下である、固体酸化物形燃料電池。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記多孔質の導電性セラミックス膜は、多孔質のP型半導体膜であり、
    前記最大接合幅が40μm以下である、固体酸化物形燃料電池。
  3. 請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記境界線の長さに対する前記複数の部分の長さの合計の割合である接合率が21〜75%である、固体酸化物形燃料電池。
  4. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記多孔質の導電性セラミックス膜は、多孔質のN型半導体膜であり、
    前記最大接合幅が45μm以下である、固体酸化物形燃料電池。
  5. 請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記境界線の長さに対する前記複数の部分の長さの合計の割合である接合率が18〜65%である、固体酸化物形燃料電池。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記インターコネクタは、
    化学式La1−xCr1−y−z(ただし、A:Ca,Sr,Baから選択される少なくとも1種類の元素、B:Co,Ni,Mg,Alから選択される少なくとも1種類の元素、xの範囲:0.05〜0.2、yの範囲:0.02〜0.22、zの範囲:0〜0.05)で表わされるランタンクロマイトからなる、固体酸化物形燃料電池。
  7. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記インターコネクタは、
    化学式(A1−x,B1−z(Ti1−y,D)O(ただし、A:アルカリ土類元素から選択される少なくとも1種類の元素、B:Sc,Y,及びランタノイド元素から選択される少なくとも1種類の元素、D:第4周期、第5周期、第6周期の遷移金属、及びAl,Si,Zn,Ga,Ge,Sn,Sb,Pb,Biから選択される少なくとも1種類の元素、xの範囲:0〜0.5、yの範囲:0〜0.5、zの範囲:−0.05〜0.05)で表わされるチタン酸化物からなる、固体酸化物形燃料電池。
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