JP2007005200A - 固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
MTiO系のセラミックス(Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちの少なくとも一つ)のインターコネクタの導電性を改善し、セルの効率を向上させる。
【解決手段】
固体電解質型燃料電池は、複数のセル6と隣接する一方のセル6と他方のセル6とを電気的に接続するインターコネクタ7とを具備する。セル6は、電解質膜4と空気極5と燃料極3とを備える。インターコネクタ7は、(M1−X)TiOで示される材料を含む。Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から選択される。Dは、希土類、Al及びCrからなる群から選択される。Xは、0<X≦0.2である。インターコネクタ7は、平均結晶粒径が5μm以上である。
【選択図】図2

Description

本発明は固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法に関し、特にインターコネクタを改善した固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法に関する。
水素と酸素とが電気化学的反応をすることによって発電する燃料電池が知られている。燃料電池の一つとして、作動温度が約900〜1000℃の固体酸化物形燃料電池が知られている。
図1は、従来の固体酸化物形燃料電池100の断面図である。公知のこの固体酸化物形燃料電池100は、円筒状の基体管101の外表面102に設けられた複数のセル106と、隣接するセル106同士を電気的に直列に接続するインターコネクタ107とを備えている。それぞれのセル106は、燃料極103、固体酸化物である電解質膜104、空気極105を備える。燃料極103、電解質膜104及び空気極105は、層をなすように接合されている。一つのセル106の燃料極103とそれに隣接する他のセル106の空気極105とは、インターコネクタ107によって電気的に接続されている。基体管101、燃料極103、空気極105は多孔質である。インターコネクタ107及び電解質膜104は緻密である。
インターコネクタ107には、電子導電性に優れること、ガスタイトであること、酸化還元のいずれにも耐久性があること、熱膨張係数が他の構成材料(空気極105、燃料極103、電解質膜104)のそれと近い値であることなどの特性が必要とされる。上記の要求を満たす材料として、LaCrO系が知られている。LaCrO系のセラミックスは、緻密質にするための焼結温度が非常に高いため、他の材料(例示:基体管、電解質膜、燃料極)と一体に焼結することが困難である。
LaCrO系のセラミックスと比較して焼結温度が低く電解質膜や燃料極と容易に一体に焼結することが可能な材料として、MTiO系のセラミックスが知られている。M=Mg、Ca、Sr又はBaである。例えば、MTiO系のセラミックスに関する技術として、特開2003−323906号公報に固体酸化物形燃料電池が開示されている。この固体酸化物形燃料電池は、セルを接続するインターコネクタがセルと一体焼成型である。インターコネクタは、一般式:A1−X1−Yの材料からなる。ただし、0≦X≦0.2、0≦Y≦0.2(X=0、Y=0のときと0<X≦0.2、0<Y≦0.2の範囲とを除く)であって、X=0、0<Y≦0.2のとき、A成分はMg、Ca、Sr又はBaのいずれか、C成分はTi、D成分はTa、または、A成分はMg、C成分はTi、D成分はNb又はTaである。0<X≦0.2、Y=0のとき、A成分はMg、B成分は希土類のいずれか又はAl又はCr、C成分はTi、または、A成分はMg、Ca、Sr又はBaのいずれか、B成分はLa、C成分はTiである。
このようなMTiO系のセラミックスは、LaCrO系のセラミックスと比較して焼結温度が低いので、電解質膜や燃料極と一体に容易に焼結することができる。しかし、LaCrO系のセラミックスと比較して導電性が低いため、セルの効率が相対的に低くなる恐れがある。MTiO系のセラミックスの導電性を改善することが可能な技術が望まれれる。
特開2003−323906号公報
本発明の目的は、MTiO系のセラミックス(Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちの少なくとも一つ)のインターコネクタの導電性を改善することが可能な固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、MTiO系のセラミックス(Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちの少なくとも一つ)のインターコネクタを用いたセルの効率を向上することが可能な固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法を提供することである。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物形燃料電池は、複数のセル(6)と、複数のセル(6)のうちの隣接する一方のセル(6)と他方のセル(6)とを電気的に接続するインターコネクタ(7)とを具備する。複数のセル(6)の各々は、電解質膜(4)と、電解質膜(4)の一方の面に接続された空気極(5)と、電解質膜(4)の他方の面に接続された燃料極(3)とを備える。インターコネクタ(7)は、一般式:(M1−X)TiOで示される材料を含む。Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から少なくとも一つ選択される。Dは、希土類、Al及びCrからなる群から少なくとも一つ選択される。Xは、0<X≦0.2である。第1面(7a)を一方のセル(6)の燃料極(3)に、第2面(7b)を他方のセル(6)の空気極(5)にそれぞれ接続される。インターコネクタ(7)は、平均結晶粒径が5μm以上である。
本発明では、平均結晶粒径が所定の大きさ以上なので、インターコネクタ(7)の導電率を所望の値にすることができる。それにより、インターコネクタ(7)における電力の損失を低減し、燃料電池の効率を向上することができる
上記の固体酸化物形燃料電池において、インターコネクタ(7)は、第1面(7a)から第2面(7b)へ達する粗大な結晶粒(11)を含む。
本発明では、結晶粒界に邪魔されない柱状の粗大な結晶粒(11)を介した電流の経路があるので、電力損失を更に低減できる。加えて、インターコネクタ(7)の結晶粒界の量をより低減することができるので、インターコネクタ(7)を介した物質の拡散を抑制することも可能となる。
上記の固体酸化物形燃料電池において、インターコネクタ(7)は、第1面(7a)と第2面(7b)との距離が、10μm以上、50μm以下である。第1面(7a)と第2面(7b)との間の結晶粒界(13)の数が5個以下である。
本発明では、所望のインターコネクタ(7)の膜厚に対して最適な結晶粒界の数にすることで、電力の損失を低減できる。
上記課題を解決するために、本発明のインターコネクタ材料の製造方法は、(a)一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料と一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料とを混合した混合原料を生成するステップと、(b)混合原料の平均粒径を第1粒径範囲に造粒するステップと、(c)造粒後の混合原料を、一般式:(M1−X)TiOで示される第3材料とTiOの共晶温度以上融点未満の第1温度範囲内で熱処理するステップとを具備する。Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から少なくとも一つ選択される。Dは、希土類、Al及びCrからなる群から少なくとも一つ選択される。Xは、0<X≦0.2である。Yは、0<Y≦0.1である。
本発明では、第1材料と第2材料との組み合わせて用いることで、第3材料の融点以上の温度で熱処理を行わなくても、結晶粒径の大きな材料を得ることができる。
上記のインターコネクタ材料の製造方法において、(d)熱処理後の混合原料と、熱処理後の混合原料の平均粒径よりも小さい第2粒径範囲の平均粒径を有する第3材料とを混合するステップとを更に具備する。
本発明では、粒径の小さな粉末を混合することで、インターコネクタ(7)の形成の際、より緻密且つ高導電率にインターコネクタ(7)を形成することができる。
上記課題を解決するために、本発明のインターコネクタ材料の製造方法は、(e)一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料の平均粒径を第3粒径範囲に造粒するステップと、(f)造粒後の第1材料と、第3粒径範囲の平均粒径よりも小さい第4粒径範囲の平均粒径を有する一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料とを混合した混合原料を生成するステップとを具備する。Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から少なくとも一つ選択される。Dは、希土類、Al及びCrからなる群から少なくとも一つ選択される。Xは、0<X≦0.2である。Yは、0<Y≦0.1である。
本発明では、第1材料と第2材料との組み合わせておくことで、インターコネクタ(7)の形成の際、第3材料の融点以上の温度で熱処理を行わなくても、結晶粒径の大きなインターコネクタ(7)を得ることができる。
上記のインターコネクタ材料の製造方法において、(e)ステップは、(e1)造粒後の第1材料を、一般式:(M1−X)TiOで示される第3材料とTiOの共晶温度以上融点未満の第1温度範囲内で熱処理するステップを備える。
本発明では、第1材料を造粒後に一度熱処理しているので、より大きな結晶粒径を有する第1材料を得ることができる。それにより、インターコネクタ(7)の形成の際、結晶粒径のより大きなインターコネクタ(7)を得ることができる。
上記課題を解決するために、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法は、(g)上記各項のいずれか一項に記載のインターコネクタ材料の製造方法でインターコネクタ材料を製造するステップと、(h)インターコネクタ材料を用いたインターコネクタ(7)を、電解質膜に接続された燃料極上に形成するステップとを具備する。
本発明では、上述のインターコネクタ材料を用いているので、従来に比較して非常に大きな結晶粒を形成することができる。それにより、インターコネクタ(7)の導電率が向上し、電力損失を低減することが可能となる。
上記の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、(h)ステップは、(h1)インターコネクタ材料を用いたインターコネクタ材料膜を、電解質材料を用いた電解質材料膜に接続された燃料極材料を用いた燃料極材料膜上に形成するステップと、(h2)インターコネクタ材料膜、電解質材料膜及び燃料極材料膜を一体に焼成するステップとを備える。
本発明では、上述のインターコネクタ材料を用いているので、低い導電率を維持しながら、電解質材料膜及び燃料極材料膜とインターコネクタ材料膜とを一体焼成することが可能となる。
上記の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、(h1)ステップは、(h11)インターコネクタ材料膜を、多孔質の基体管上に設けられた燃料極材料膜上に形成するステップを含む。(h2)ステップは、(h21)インターコネクタ材料膜、電解質材料膜、燃料極材料膜及び基体管を一体に焼成するステップを含む。
本発明では、上述のインターコネクタ材料を用いているので、低い導電率を維持しながら、更に、基体管、電解質材料膜及び燃料極材料膜とインターコネクタ材料膜とを一体焼成することが可能となる。
本発明により、MTiO系のセラミックス(Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaのうちの少なくとも一つ)のインターコネクタの導電性を改善することができ、セルの効率を向上することが可能となる。
以下、固体酸化物形燃料電池、インターコネクタ材料の製造方法及び固体酸化物形燃料電池の製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の固体酸化物形燃料電池の第1の実施の形態の構成について説明する。
図2は、本発明の固体酸化物形燃料電池の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。固体酸化物形燃料電池10は、基体管1と、基体管1の外表面に設けられた複数のセル6と、隣接するセル6を電気的に直列に接続するインターコネクタ7とを備えている。それぞれのセル6は、燃料極3、電解質膜4及び空気極5を備える。燃料極3、電解質膜4及び空気極5は、基体管1の表面にこの順に積層されている。インターコネクタ7は、一つのセル6の空気極5と他のセル6の燃料極3とを電気的に接続する。
基体管1は、円筒状である。基体管1の主成分は、ZrO−Y(YSZ)あるいはZrO―CaO(CSZ)のようなジルコニア(ZrO)系複合酸化物に例示される。厚みは、必要な強度に応じて設定される。本実施の形態では、3mmである。基体管1は、多孔質である。
燃料極3の主成分は、NiO−YSZのような酸化ニッケルと他の金属酸化物の混合物に例示される。燃料極3の厚みは、必要な電気抵抗の大きさに基づいて設定される。電気抵抗の面から100μm以上が好ましく、500μm以上がより好ましい。一方、ガス拡散抵抗の面から1.0mm以下が好ましい。燃料極3は多孔質である。
電解質膜4の主成分は、ZrO−Y(YSZ)のようなジルコニア(ZrO)系酸化物に例示される。電解質膜の厚みは、薄ければ薄いほどよいが、製造上ピンホールや割れが出来難い10μm以上が好ましい。一方、電気抵抗の面から0.2mm以下が好ましい。より好ましくは0.1mm以下である。電解質膜4は、緻密膜であり、気体のガスは透過しない。
空気極5の主成分は、LaQCoO(Q=Sr、Ca)のようなランタンコバルタイト(LaCoO)系酸化物やLaQMnO3のようなランタンマンガネート(LaMnO)系酸化物に例示される。空気極5の厚みは、必要な電気抵抗の大きさに基づいて設定される。電気抵抗の面から0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1.0mm以上である。一方、ガス拡散抵抗の面から2.0mm以下が好ましい。空気極5は多孔質である。
インターコネクタ7は、下側の面(第1面)を一方のセル6の燃料極3上に、上側の面(第2面)を隣接する他方のセル6の空気極5にそれぞれ接続されている。隣り合うセル6間の電流は、この第1面と第2面との間を流れる。インターコネクタ7は、主成分として一般式:(M1−X)TiOで示される材料を含んでいる。主成分とは、ここでは90%以上の成分であることを示す。ここで、Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から選択される。ただし、2種類以上の元素を同時に含んでいても良い。Dは、希土類、Al及びCrからなる群から選択される。La、Y、Sm、Cr、Alがより好ましい。Xは、導電率を高くすることから、0<X≦0.2が好ましい。より好ましくは、0.05≦X≦0.15である。インターコネクタ7は、第1面と第2面との距離が、製造上ピンホールや割れが出来難い10μm以上が好ましい。一方、導電率の面から40μm以下が好ましい。より好ましくは20μm以下である。
インターコネクタ7は、第1面における任意の第1点と、第2面における第1点に最短の第2点との間を直線で結んだとき、その直線と交叉する結晶粒界の数ができるだけ少ないことが好ましい。ここで、その直線は電流の経路に対応する。結晶粒界の数を少なくするのは、以下の理由による。一般的にMTiO系のセラミックスは、結晶粒界における抵抗が高い(例えば、BaTiOについて、社団法人日本化学会編集 化学総説 No.37 機能性セラミックスの設計性 p22に記載)。したがって、インターコネクタ7の導電率を高く(抵抗を低く)するためには、電流の通る方向に対する結晶粒界の数をできるだけ少なくすることが好ましい。それにより、導電率の高い結晶粒内に電流を通すことができるので、インターコネクタ7の導電率を高くすることができるからである。
図3は、本発明におけるインターコネクタ7付近を示す断面図である。インターコネクタ7は、燃料極3と空気極5との間にあり、膜厚がdである。インターコネクタ7は、第1面7aで燃料極3と接し、第2面7bで空気極5と接している。この図に示す例では、第1面7aにおける任意の第1点A2と、第1点A2に最短の第2面7bにおける第2点B2との間とを直線15bで結んだとき、その直線15bと交叉する結晶粒界13が1個である。すなわち、直線15bは、二つの結晶粒11b及び11cを通る。直線15bは、電流の経路に概ね対応する。このように電流の通過する結晶粒界13(結晶粒11)の数を少なくすることで、インターコネクタ7の導電率を向上させることができる。
また、この図に示す他の例では、第1面7aにおける任意の第1点A1と、第2面7bにおける第1点A1に最短の第2点B1との間を直線15aで結んだとき、その直線15aと交叉する結晶粒界13は0である。すなわち、直線15aの通る結晶粒11aは、第1面7aから第2面7bへ達する粗大な結晶粒である。直線15aは、電流の経路に概ね対応することから、このように電流の通過する結晶粒界13(結晶粒11)の数を無くすことで、インターコネクタ7の導電率を更に向上させることができる。粗大な結晶粒は、例えば全体の50%以上あることが好ましく、より好ましくは80%以上である。
図4は、インターコネクタ7の平均粒径と900℃導電率との関係を示すグラフである。例として、インターコネクタ材料(Sr0.9La0.1)TiOを用いている。縦軸は900℃導電率を示し、横軸は平均粒径を示す。(Sr、La)TiOの単結晶の導電率は数10S/cmであること、及び、平均粒径が大きくなり粒界が減少するに連れて導電率が増加することから、この(Sr0.9La0.1)TiO系インターコネクタの抵抗の大部分は粒界によるものと考えられる。すなわち、結晶粒径を大きくし、電流経路から粒界を少なくする、望ましくは結晶粒界を無くしてしまうことが導電率の向上に有効である。
この図において、900℃導電率は、平均粒径が大きくなるほど高くなることが分かる。900℃導電率の許容値を0.1S/cm以上とすれば、平均粒径は5μm以上にする必要がある。すなわち、インターコネクタ7の平均粒径はできるだけ大きいことが好ましく、最低5μm以上であることが好ましい。より好ましくは10μm以上である。このとき、インターコネクタ7の膜厚dを30μmとした場合、結晶粒界の平均の個数は5個以下となる。より好ましくは2個以下である。すなわち、インターコネクタ7の平均結晶粒径は、第1面と第2面との距離の1/5以上である。インターコネクタ7の平均粒径は、結晶粒が粗大となるようにインターコネクタ7の膜厚dと同程度以上であることがより好ましい。この傾向は、Mが他の元素の場合も同様である。
結晶粒界が減少することは、燃料電池運転中に発生するインターコネクタ7を介した物質の相互拡散を抑制する点でも好ましい。例えば、空気極5の材料(元素)がインターコネクタ7を介して燃料極3へ拡散する場合、そのほとんどは粒界拡散による。したがって、インターコネクタ7の結晶粒界が減少することは粒界拡散する材料(元素)の量を抑制することができる。
さらに、平均結晶粒径がインターコネクタ7の膜厚d程度以上になり、結晶が粗大になると、上述のように電流の流れが結晶粒界に妨害されなくなる。すなわち、燃料電池運転中に結晶粒界に物質(例示:燃料極3の元素)が拡散し高抵抗な物質に変質したとしても、電流はほとんど高抵抗な結晶粒界を通過しないので、燃料電池の長期安定性に関しても有効である。
上述のように、インターコネクタ7の導電率を向上するには結晶粒径を大きくすることが好ましいが、結晶粒径を大きくすることは難しい。図5は、三元系MTiOの状態図を示す図である。ここで、MTiOは本発明における(M1−X)TiOに対応する。すなわち、M=(M1−X)である。一般に、MTiOの粉末の材料を焼結すると、概ね粉末の粒子の平均粒径と同程度の平均粒径を有する焼結体が形成される。これは、粉末を造粒して焼結しても同様である。したがって、結晶粒径をより大きくするためには、粉末をMTiOの融点T2以上の温度に上げて、その一部又は全部を溶融させてから冷却することにより、結晶成長させる必要がある。すなわち、焼結温度をMTiOの融点T2以上に設定する必要がある。この場合、MTiOの融点T2が非常に高い場合には、装置やエネルギーコストが高く、時間もかかるプロセスになる。更に、他の材料(例示:基体管材料、燃料極材料、電解質材料)と一体焼結をしようとする場合、熱処理温度が非常に高いため、その制御は大変な困難を伴う可能性が有る。
しかし、本発明では、MTiOの焼結体を生成するために、MTiOの粉末を用いるのではなく、M1+αTiO(M−rich MTiO)の粉末とM1−βTiO(Ti−rich MTiO)の粉末とを用いる。ただし、M−rich MTiOは、ペロブスカイト構造のAサイトが化学量論比より多い(M−rich)な材料である。Ti−rich MTiOは、ペロブスカイト構造のBサイトが化学量論比より多い(Ti−rich)な材料である。それにより、MTiOの融点T2と比較して焼結温度を低く(図中、T1)することができる。したがって、装置やエネルギーコストを低く、プロセスの時間を短く抑えることができる。加えて、他の材料(例示:基体管材料、燃料極材料、電解質材料)との一体焼結を容易に行うことができる。
焼結温度を低く(図中、T1)することができる理由は以下のとおりである。図6は、本発明におけるMTiOの焼結の様子を示す概略図である。M−rich(粉末)は、M−rich MTiOの粉末を示す。Ti−rich(粉末)は、Ti−rich MTiOの粉末を示す。焼結温度が図6における温度T0(MTiOとTiOの共晶温度)までは、図6(a)に示すように、両粉末は混合され互いに接しているが独立した状態である。しかし、焼結温度が図6における温度T1(共晶温度T0以上融点T2未満の温度)になると、Ti−rich粉末は状態図中のP1の領域に入る(例示:点E)。ここでは、固相のMTiO(点E1)と液相のM1−γTiO(β<γ)(点E2)とが形成される。すなわち、図6(b)に示すように、Ti−rich粉末の一部(M1−γTiO)が溶け出し、隣接するM−rich粉末の周辺に流れ込み一体化すると考えられる。これにより、MTiOの融点T2以下の温度で熱処理を行っているにもかかわらず、これらM−rich粉末とTi−rich粉末とは、大きな結晶粒に成長することが可能となる。
本発明のインターコネクタ材料としてのMTiOの焼結体を形成するときには、M−rich粉末として一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料と、Ti−rich材料として一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料とを用いる。ただし、Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から選択される。Mは2種類以上の元素を含んでいても良い。Dは、希土類、Al及びCrからなる群から選択される。La、Y、Sm、Cr、Alがより好ましい。この第1材料及び第2材料において、Xは、0<X≦0.2である。このXの範囲は、材料の導電率が高くなる範囲として設定されている。Yは、上述のα、βに対応し、0<Y≦0.1である。このYの範囲は、上述の平均結晶粒径が増大する範囲として設定されている。Mの材料によって異なる。
次に、本発明のインターコネクタ材料の製造方法の第1の実施の形態について説明する。図7は、本発明のインターコネクタ材料の製造方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。ここでは、インターコネクタ材料である(M1−X)TiOとして、(Sr0.9La0.1)TiOについて説明する。これは、インターコネクタの導電性を高めるために、SrTiOのSrサイトにLaを10%置換したものである。ただし、M、Dが上述の他の元素を用いた場合でも、状態図に基づいて温度の変動はあるが、同様に製造可能である。
まず、上述した一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料を生成する。始めに、SrCO、La(OH)及びTiOの粉末を所望の割合で混合する(ステップS21)。ここでは、上記一般式で、M=Sr、D=La、X=0.1、Y=0.05である(Sr0.9La0.11.05TiOとなるように各粉末の割合を決定する。続いて、混合された粉末について1400℃−4時間の熱処理を行い、焼結された(Sr0.9La0.11.05TiOを得る(ステップS22)。そして、焼結された(Sr0.9La0.11.05TiOを粉砕し、粉末の粒子の平均粒径が約1μmである(Sr0.9La0.11.05TiO粉末(第1材料:M−rich粉末)を得る(ステップS23)。
次に、上述した一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料を生成する。始めに、SrCO、La(OH)及びTiOの粉末を所望の割合で混合する。ここでは、上記一般式で、M=Sr、D=La、X=0.1、Y=0.05である(Sr0.9La0.10.95TiOとなるように各粉末の割合を決定する(ステップS24)。続いて、混合された粉末について1400℃−4時間の熱処理を行い、焼結された(Sr0.9La0.10.95TiOを得る(ステップS25)。そして、焼結された(Sr0.9La0.10.95TiOを粉砕し、粉末の粒子の平均粒径が約1μmである(Sr0.9La0.10.95TiO粉末(第2材料:Ti−rich粉末)を得る(ステップS26)。
続いて、平均結晶粒径が大きく且つ粉末の粒子が粗い粗大粒の(M1−X)TiOを生成する。始めに、(Sr0.9La0.11.05TiO(第1材料:M−rich粉末)と(Sr0.9La0.10.95TiO(第2材料:Ti−rich粉末)とを同重量で混合した混合原料を生成する(ステップS27)。続いて、混合原料をスプレードライ法で処理して、平均粒径が20〜30μmの造粒粉を生成する(ステップS28)。そして、この造粒粉を1500〜1600℃−40時間の熱処理を行い、平均結晶粒径が10〜20μmの粗大粒粉末の(Sr0.9La0.1)TiOを得る(ステップS29)。この1500〜1600℃は、(Sr0.9La0.1)TiO(第3材料)のT0(1400℃)以上融点T2(2080℃)融点未満の第1温度範囲内にある。この熱処理において、図5及び図6に関連して説明したM−rich粉末(第1材料)とTi−rich粉末(第2材料)との反応により、平均結晶粒径の大きい粗大粒の粉末を得ることが可能となる。
次に、平均結晶粒径が小さく且つ粉末の粒子が微粒の(M1−X)TiOを生成する。始めに、SrCO、La(OH)及びTiOの粉末を所望の割合で混合する。ここでは、上記一般式で、M=Sr、D=La、X=0.1である(Sr0.9La0.1)TiOとなるように各粉末の割合を決定する(ステップS30)。続いて、混合された粉末について1400℃−4時間の熱処理を行い、焼結された(Sr0.9La0.1)TiOを得る(ステップS31)。そして、焼結された(Sr0.9La0.1)TiOを粉砕し、粉末の粒子の平均粒径が約1μmである平均結晶粒径の小さい微粒の粉末の(Sr0.9La0.1)TiO(第3材料:Ti−rich粉末)を得る(ステップS32)。
その後、大きな平均結晶粒径を有し且つ緻密な(M1−X)TiOを生成することが可能なインターコネクタ材料を生成する。すなわち、粗大粒の(Sr0.9La0.1)TiO粉末と微粒の(Sr0.9La0.1)TiOの粉末とを同重量で混合する(ステップS33)。これにより、本発明のインターコネクタ材料が生成される。
本発明において、このインターコネクタ材料は平均結晶粒径が従来に比較して非常に大きい。そのため、このインターコネクタ材料を用いたインターコネクタ7は、その融点T2よりも低い温度で焼結されるにもかかわらず、非常に大きい平均結晶粒径を有することができる。したがって、インターコネクタ7において、導電率の低い結晶粒界が減少するので、導電性を高く改善することが可能となる。
なお、ステップS21〜S29までの材料のみにより、インターコネクタ7を製造することは可能である。ただし、ステップS30〜S32の微粒の粉末を加えることは、より緻密で高導電率なインターコネクタ7を製造するためにより好適である。
次に、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法の第1の実施の形態について説明する。
図8は、本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法の第1の実施の形態を示すフロー図である。まず、基体管材料を押出成形機により、円筒型の円筒管に形成し、乾燥させる(ステップS41)。次に、円筒管の所定の位置に燃料極材料を塗付(印刷)し乾燥させて燃料極材料膜を形成する(ステップS42)。更に、燃料極材料の外表面に電解質材料を塗付し乾燥させて電解質材料膜を形成する(ステップS43)。
次いで、一方のセル用の燃料極材料の端部と他方のセル用の電解質材料の端部とを覆うように第1材料を塗付し乾燥してインターコネクタ材料膜を形成する(ステップS44)。第1材料は、上記のインターコネクタ材料の製造方法で製造されたインターコネクタ材料((M1−X)TiO)を含むスラリーである。ここでは、(Sr0.9La0.1)TiOである。
基体管材料と、その外表面に積層された燃料極材料膜、電解質材料膜、インターコネクタ材料膜について、所定の温度で一度に一体に焼結(焼成)する(ステップS45)。この焼成温度は、この1400〜1500℃であり(Sr0.9La0.1)TiO(第3材料)の共晶温度T0(1400℃)以上融点T2(2080℃)未満の第1温度範囲内にある。これにより、基体管1、燃料極3、電解質膜4、インターコネクタ7が完成する。このとき、インターコネクタ7を本発明のインターコネクタ材料を用いて製造しているので、インターコネクタ7が緻密(ガスタイト)で且つ高導電率を有するように形成することができる。
次に、電解質膜4の外表面とインターコネクタ7の一部とを覆うように空気極材料を塗付し乾燥させて空気極材料膜を形成する(ステップS46)。その後、再度所定の温度で焼結する(ステップS47)。これにより、図2の固体酸化物形燃料電池10が完成する。
なお、ステップS45を省略し、円筒管、燃料極材料膜、電解質材料膜、インターコネクタ材料膜及び空気極材料膜を一度に一体に焼結することも可能である。
本発明において、導電性を高く改善したインターコネクタ7を用いているので、インターコネクタ7における電力の損失を低減することができる。それにより、複数のセル6を有する固体酸化物形燃料電池の効率を向上することが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の固体酸化物形燃料電池の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、インターコネクタ材料の製造方法の点で第1の実施の形態と異なる。
本発明の固体酸化物形燃料電池の第2の実施の形態の構成は、図2に示す第1の実施の形態の場合と同様であるのでその説明を省略する。
次に、本発明のインターコネクタ材料の製造方法の第2の実施の形態について説明する。図9は、本発明のインターコネクタ材料の製造方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。ここでは、インターコネクタ材料である(M1−X)TiOとして、(Sr0.9La0.1)TiOについて説明する。これは、インターコネクタの導電性を高めるために、SrTiOのSrサイトにLaを10%置換したものである。ただし、M、Dが上述の他の元素を用いた場合でも、状態図に基づいて温度の変動はあるが、同様に製造可能である。
まず、一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料を生成する。始めに、SrCO、La(OH)及びTiOの粉末を所望の割合で混合する(ステップS01)。ここでは、上記一般式で、M=Sr、D=La、X=0.1、Y=0.05である(Sr0.9La0.11.05TiOとなるように各粉末の割合を決定する。続いて、混合された粉末について1400℃−4時間の熱処理を行い、焼結された(Sr0.9La0.11.05TiOを得る(ステップS02)。そして、焼結された(Sr0.9La0.11.05TiOを粉砕し、粉末の粒子の平均粒径が約1μmである(Sr0.9La0.11.05TiO粉末(第1材料:M−rich粉末)を得る(ステップS03)。
続いて、第1材料(M−rich粉末)を粉末の粒子が粗い粗大粒にする。まず、粉末の粒子の平均粒径が約1μmの(Sr0.9La0.11.05TiO(第1材料:M−rich粉末)をスプレードライ法で処理して、平均粒径が20〜30μmの造粒粉を生成する(ステップS04)。そして、この造粒粉を1500〜1600℃−40時間の熱処理を行い、粉末の粒子の平均粒径が10〜20μm(平均結晶粒径は約5μm以下)の粗大粒の粉末(Sr0.9La0.11.05TiO(第1材料:M−rich粉末)を得る(ステップS05)。
次に、一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料を生成する。始めに、SrCO、La(OH)及びTiOの粉末を所望の割合で混合する。ここでは、上記一般式で、M=Sr、D=La、X=0.1、Y=0.05である(Sr0.9La0.10.95TiOとなるように各粉末の割合を決定する(ステップS06)。続いて、混合された粉末について1400℃−4時間の熱処理を行い、焼結された(Sr0.9La0.10.95TiOを得る(ステップS07)。そして、焼結された(Sr0.9La0.10.95TiOを粉砕し、粉末の粒子の平均粒径が約1μmの(Sr0.9La0.10.95TiO(第2材料:Ti−rich粉末)を得る(ステップS08)。
その後、緻密、且つ、所定の導電性を得るのに十分に大きな平均粒径を有する(M1−X)TiOを生成可能なインターコネクタ材料を生成する。すなわち、粗大粒の粉末(Sr0.9La0.11.05TiOと微粒の粉末(Sr0.9La0.10.95TiOとを同重量で混合する(ステップS09)。これにより、本発明のインターコネクタ材料が生成される。
本発明の固体酸化物形燃料電池の製造方法の第2の実施の形態は、インターコネクタ材料としてインターコネクタ材料の製造方法の第2の実施の形態のものを用いる他は、図8に示す第1の実施の形態と同様である。したがって、その説明を省略する。
第1の実施の形態では、インターコネクタ材料が、所定の導電性を得るのに十分に大きな平均粒径を既に有している(Sr0.9La0.1)TiOである。一方、第2の実施の形態では、インターコネクタ材料が、粗大粒のM−rich粉末(Sr0.9La0.11.05TiOと微粒のTi−rich粉末(Sr0.9La0.10.95TiOとの混合物である。そして、既述のように、所定の導電性を得るのに十分に大きな平均粒径をまだ有していない。この点で、第1の実施の形態と異なっている。
本実施の形態におけるインターコネクタ材料の場合、固体電解質型燃料電池の製造方法におけるインターコネクタ材料膜の焼成の段階(図8におけるステップS45)において、図5及び図6に関連して説明したM−rich粉末(第1材料)とTi−rich粉末(第2材料)との反応が起こる。そして、この反応により、融点T2よりも低い焼成温度であるにもかかわらず、平均結晶粒径の大きい粗大粒の粉末を得ることが可能となる。そして、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、ステップS04〜S05、又は、ステップS05を除いて製造された材料により、インターコネクタ7を製造することは可能である。その場合、インターコネクタ材料(第1材料と第2材料との混合物)は、その平均結晶粒径が実質的に1μm程度と考えられる。しかし、インターコネクタ材料膜の焼成の段階(図8におけるステップS45)において、図5及び図6に関連して説明したM−rich粉末(第1材料)とTi−rich粉末(第2材料)との反応により、所望の大きさの平均結晶粒径を得ることができる。
また、ステップS04〜S05、又は、ステップS05を加えることは、より大きい平均結晶粒径を有し緻密で高導電率なインターコネクタ7を製造するためにより好適である。
図1は、従来の固体電解質型燃料電池の断面図である。 図2は、本発明の固体電解質型燃料電池の実施の形態の断面図である。 図3は、本発明におけるインターコネクタ付近を示す断面図である。 図4は、インターコネクタの平均粒径と900℃導電率との関係を示すグラフである。 図5は、三元系MTiOの状態図を示す図である。 図6は、本発明のMTiOの焼結の様子を示す概略図である。 図7は、本発明のインターコネクタ材料の製造方法の第1の実施の形態を示すフローチャートである。 図8は、本発明の固体電解質型燃料電池の製造方法の実施の形態を示すフロー図である。 図9は、本発明のインターコネクタ材料の製造方法の第2の実施の形態を示すフローチャートである。
符号の説明
1、101 基体管
3、103 燃料極
4、104 電解質
5、105 空気極
6、106 セル
7、107 インターコネクタ
7a 第1面
7b 第2面
15a、15b 直線
11a、11b、11c 結晶粒
13 結晶粒界
10、100 固体電解質型燃料電池

Claims (10)

  1. 複数のセルと、
    前記複数のセルのうちの隣接する一方のセルと他方のセルとを電気的に接続するインターコネクタと
    を具備し、
    前記複数のセルの各々は、
    電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に接続された空気極と、
    前記電解質膜の他方の面に接続された燃料極と
    を備え、
    前記インターコネクタは、
    一般式:(M1−X)TiOで示される材料を含み、
    前記Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から少なくとも一つ選択され、
    前記Dは、希土類、Al及びCrからなる群から少なくとも一つ選択され、
    前記Xは、0<X≦0.2であり、
    第1面を前記一方のセルの前記燃料極に、第2面を前記他方のセルの前記空気極にそれぞれ接続され、
    平均結晶粒径が5μm以上である
    固体酸化物形燃料電池。
  2. 請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記インターコネクタは、前記第1面から前記第2面へ達する柱状の結晶粒を含む
    固体酸化物形燃料電池。
  3. 請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池において、
    前記インターコネクタは、
    前記第1面と前記第2面との距離が、10μm以上、50μm以下であり、
    前記第1面と前記第2面との間の結晶粒界の数が5個以下である
    固体酸化物形燃料電池。
  4. (a)一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料と一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料とを混合した混合原料を生成するステップと、
    (b)前記混合原料の平均粒径を第1粒径範囲に造粒するステップと、
    (c)前記造粒後の前記混合原料を、一般式:(M1−X)TiOで示される第3材料とTiOの共晶温度以上融点未満の第1温度範囲内で熱処理するステップと
    を具備し、
    前記Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から少なくとも一つ選択され、
    前記Dは、希土類、Al及びCrからなる群から少なくとも一つ選択され、
    前記Xは、0<X≦0.2であり、
    前記Yは、0<Y≦0.1である
    インターコネクタ材料の製造方法。
  5. 請求項4に記載のインターコネクタ材料の製造方法において、
    (d)前記熱処理後の前記混合原料と、前記熱処理後の前記混合原料の平均粒径よりも小さい第2粒径範囲の平均粒径を有する前記第3材料とを混合するステップと
    を更に具備する
    インターコネクタ材料の製造方法。
  6. (e)一般式:(M1−X1+YTiOで示される第1材料の平均粒径を第3粒径範囲に造粒するステップと、
    (f)前記造粒後の前記第1材料と、前記第3粒径範囲の平均粒径よりも小さい第4粒径範囲の平均粒径を有する一般式:(M1−X1−YTiOで示される第2材料とを混合した混合原料を生成するステップと
    を具備し、
    前記Mは、Mg、Ca、Sr、及びBaからなる群から少なくとも一つ選択され、
    前記Dは、希土類、Al及びCrからなる群から少なくとも一つ選択され、
    前記Xは、0<X≦0.2であり、
    前記Yは、0<Y≦0.1である
    インターコネクタ材料の製造方法。
  7. 請求項6に記載のインターコネクタ材料の製造方法において、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記造粒後の前記第1材料を、一般式:(M1−X)TiOで示される第3材料とTiOの共晶温度以上融点未満の第1温度範囲内で熱処理するステップを備える
    インターコネクタ材料の製造方法。
  8. (g)請求項4乃至7のいずれか一項に記載のインターコネクタ材料の製造方法でインターコネクタ材料を製造するステップと、
    (h)前記インターコネクタ材料を用いたインターコネクタを、電解質膜に接続された燃料極上に形成するステップと
    を具備する
    固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  9. 請求項8に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、
    前記(h)ステップは、
    (h1)前記インターコネクタ材料を用いたインターコネクタ材料膜を、電解質材料を用いた電解質材料膜に接続された燃料極材料を用いた燃料極材料膜上に形成するステップと、
    (h2)前記インターコネクタ材料膜、前記電解質材料膜及び前記燃料極材料膜を一体に焼成するステップと
    を備える
    固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  10. 請求項9に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法において、
    前記(h1)ステップは、
    (h11)前記インターコネクタ材料膜を、多孔質の基体管上に設けられた前記燃料極材料膜上に形成するステップを含み、
    前記(h2)ステップは、
    (h21)前記インターコネクタ材料膜、前記電解質材料膜、前記燃料極材料膜及び前記基体管を一体に焼成するステップを含む
    固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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