JP2013068258A - 車両用オイルポンプシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】極低温下で吸入管内の油面が下がっていても、より迅速に油圧供給を開始し得る車両用オイルポンプシステムを提案する。
【解決手段】当該車両用オイルポンプシステムは、エンジンENにより駆動される機械式オイルポンプ1と、機械式オイルポンプ1がオイルパンOPからオイルを吸い上げるための吸入管1aの所定部位に連通した吸引管2aを有する電動式オイルポンプ2と、吸入管1a内のエアを吸い出すように電動式オイルポンプ2を制御する制御装置3と、を含んで構成される。
【選択図】図1

Description

車両において油圧を発生するオイルポンプに関する技術が以下に開示される。
例えば特許文献1に開示されるように、エンジンやトランスミッションに使用される潤滑用のオイルは、氷点下10℃や20℃にまで気温が下がる寒冷地で極低温に冷えた場合、粘度が増して、油圧を発生するオイルポンプの負荷が増すことが知られている。
特開2011−000978号公報
エンジンにより駆動されて油圧を発生するメインポンプである機械式オイルポンプは、吸入管(ストレーナ)を介してオイルパンからオイルを吸い上げる。この吸入管において、動作開始時にオイルの粘度が増していると、吸入管内油面と機械式オイルポンプとの間に溜まったエアを機械式オイルポンプが吸い出して、実際にオイルを吸い上げ始めるまでに、より長い時間がかかる。すなわち、機械式オイルポンプが動作開始時にエアを吸って空回りする時間が長くなり、必要な油圧が供給されるまでに平常時よりも時間を要する原因となる。
当課題を解決するべく提案する車両用オイルポンプシステムは、
エンジンにより駆動される機械式オイルポンプと、
前記機械式オイルポンプがオイルパンからオイルを吸い上げるための吸入管の所定部位に連通した吸引管を有する電動式オイルポンプと、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを制御する制御装置と、を含んで構成される。
上記提案に係る車両用オイルポンプシステムは、電動式オイルポンプによって機械式オイルポンプの吸入管からエアを吸引することができ、機械式オイルポンプの吸うエアを減らして機械式オイルポンプが空回りする時間を短縮することができる。これにより、動作開始後の機械式オイルポンプからより迅速に油圧を発生して供給開始することが可能となる。
車両用オイルポンプシステムの第1実施形態を示した概略図。 車両用オイルポンプシステムの第2実施形態を示した概略図。 制御装置が実行するエア抜き処理の第1例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第2例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第3例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第4例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第5例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第6例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第7例を示したフローチャート。 制御装置が実行するエア抜き処理の第8例を示したフローチャート。
当実施形態では、エンジン以外の動力源により駆動される補助オイルポンプとして、電動式オイルポンプを利用する。例えば、ハイブリッド車両の場合、エンジンを停止させているときに必要な油圧を維持するため、電気モータにより駆動される電動式オイルポンプを備えている。すなわち、ハイブリッドエンジンにより駆動されるメインの機械式オイルポンプに対して電動式オイルポンプを補助的に並列設置し、エンジン停止中は電動式オイルポンプにてオイルパンから必要な油圧を供給する(例えば前述の特許文献1参照)。また、ハイブリッドエンジンではなくても、アイドリングストップ機能を備えている場合は、やはりエンジンを停止させているときに必要な油圧を維持するために電動式オイルポンプを備えている。当実施形態では、このような電動式オイルポンプを、機械式オイルポンプの吸入管エア抜き用に使用し、制御する。
図1は、車両用オイルポンプシステムの第1実施形態を示す。
機械式オイルポンプ1は、クラッチCLを介してエンジンENと連結されており、エンジンENにより駆動されて油圧を発生し、車両の各油圧装置ODへ提供する。エンジンENと機械式オイルポンプ1とを連結するクラッチCLは、油圧によりクラッチをつなぐノーマリOFF型のものと、油圧によりクラッチを離すノーマリON型のものがあって、いずれのタイプも本実施形態に適用可能である。また、クラッチCLを介さずにエンジンENと機械式オイルポンプ1とを直結したタイプもあるが、これも適用可能である。
機械式オイルポンプ1は、吸入管(ストレーナ)1aを使用してオイルパンOPからオイルを吸い上げる。この吸入管1a先端の吸入口付近には、異物除去用フィルタとしてメッシュ1bが設けられている。
電動式オイルポンプ2は、機械式オイルポンプ1停止中の補助として油圧を発生し、油圧装置ODへ提供する。この電動式オイルポンプ2は、電気モータを駆動源としており、制御装置3により制御される。電動式オイルポンプ2の吸引管2aは、機械式オイルポンプ1の吸入管1aと連通し、通常運転時は、吸入管1aを通してオイルパンOPからオイルを吸い上げる。すなわち、吸引管2aは先端吸引口が吸入管1a内に開口し、吸引管1a内のオイルを吸引する。
図1の第1実施形態において、吸引管2aは、オイルパンOPの油面よりも下の部位で吸入管1aに連通する。具体的には、車両の傾きや走行旋回時のオイルの偏りなどで油面が傾いたときでも、吸引管2aの吸引口は吸入管1a中の油面下に位置している(油面から上に出ない)ように考慮した上で、平常時の吸入管1a中油面より下の部位に連通させる。このように、吸引管2aを連通させる吸入管1aの部位は、油面よりも下であって且つメッシュ1bの上又は下とすることができるが、メッシュ1bの上(油面側)に連通させると、メッシュ1bの圧力損失を考慮したときに好ましい。また、この場合の吸引管2aの下限位置については、車両の想定使用温度範囲(あるいはオイルポンプの動作保証温度範囲)において機械式オイルポンプ1が油圧供給を開始するまでに許容される遅延時間に基づいて求められる油面の高さを考慮する。例えば、想定内の最も低い油温のときに、許容遅延時間内で機械式オイルポンプ1がオイルを吸入開始することのできる油面の高さを考慮する。
図2は、車両用オイルポンプシステムの第2実施形態を示す。第2実施形態は、電動式オイルポンプ2の吸引管について、第1の吸引管2bと第2の吸引管2cとの並列構造を採用した形態である。これ以外の機械式オイルポンプ1、その吸引管1a、電動式オイルポンプ2、制御装置3等は、第1実施形態と同じである。
第2実施形態において、第1の吸引管2bはオイルパンOPの油面よりも下の部位で吸入管1aに連通し、第2の吸引管2cはオイルパンOPの油面よりも上の部位で吸入管1aに連通する。第1の吸引管2bを連通させる吸入管1aの部位は、第1実施形態同様、油面よりも下であって且つメッシュ1bの上又は下とすることができる。
エンジン動作中に循環するオイルは、主にミッション内部品の回転に伴い攪拌されることでエアをかみ込む。オイルパンOPに戻ったオイルからはそのかみ込んだエアが放出されるが、当該エアが吸入管1a内で放出されると、吸入管1aの上方に溜まってエア溜まりを生成し得る。機械式オイルポンプ1が動作中であれば、この放出エアともどもオイルを吸い上げるので吸入動作に影響はないが、両オイルポンプ1,2が停止したときには、オイル中から放出されたエアが吸入管1aの上方に溜まってエア溜まりを生成し、吸入管1a内の油面を、オイルパンOPの油面以下に押し下げ得る。また、オイルにかみ込まれたエアは、オイルの粘度が低ければオイル中からすぐに抜け出るので、動作している機械式オイルポンプ1により次々に排出されていき、残留し難い。しかし、オイルの粘度が高いと、機械式オイルポンプ1の停止後(多くの場合はエンジン停止に伴う)までオイル中に残留し、ゆっくりと抜けていくため、オイルポンプ停止後の吸入管1a内に溜まりやすく、エア溜まりがより大きくなる。
例えば前述のように寒冷地でオイルの粘度が増すと、上記のようにエア溜まりが生成され易くなるので、図1及び図2において点線で示すごとく、エア溜まりが大きくなってポンプ停止中の吸入管1a内で油面が下がり、油面と機械式オイルポンプ1との間が開く。すると、機械式オイルポンプ1は、動作開始後しばらくの間、そのエア溜まりが解消するまで、エアばかり吸い込んで空回りすることになる。オイルの粘度が低ければ(油温が高ければ)、吸入抵抗が低いことから容易に油面が上昇してエアは早期に排出されるが、オイルの粘度が高いと(油温が低いと)、吸入抵抗が高い(オイルが流動し難い)ため、油面が上昇し難くエアの排出が遅れる。そこで、制御装置3が電動式オイルポンプ2を制御し、迅速にエア溜まりを解消する。すなわち、電動式オイルポンプ2によって機械式オイルポンプ1の吸入管1aからエアを吸引し、負圧により油面を上昇させて、機械式オイルポンプ1がエアを吸って空回りする時間を短縮する。これにより、エンジンENの始動時に機械式オイルポンプ1から迅速に油圧を発生して供給開始することが可能となる。
電動式オイルポンプ2を制御する制御装置3は、内蔵したプログラムに従うマイコン等で構成され、エンジンENの始動時、暖機運転前に、図3に示すフローチャートに従う処理を実行し、吸入管1a内のエアを吸い出すように電動式オイルポンプ2を制御する。
制御装置3は、エンジン始動、つまりイグニッションスイッチのONがあると、ステップS1で、オイルパンOPにあるオイルの現在の油温を、温度センサTSの出力値により判断する。該油温判断は、エア抜き処理を開始する条件判断で、油温が所定温度以上で粘度が低く、負圧によって容易に吸い上げることができる場合、すなわち、エア溜まりの影響が少なく、エア抜きの必要性が低いときには、エア抜き処理不要と判断する。したがって、ステップS1で油温が、オイルの特性に応じて決まる所定温度以上のときにはステップS6へ跳んでエア抜き完了とし、直ちに機械式オイルポンプ1による油圧供給へ移行する。このように制御装置3は、吸入管1a中のエア抜き処理が必要か否か判定し、エア抜き処理が必要と判定したときに、電動式オイルポンプ2を駆動してエア抜きを実行する。
なお、このステップS1の油温判断における他の判断例として、温度範囲、すなわち[低温側の所定温度<油温<高温側の所定温度]を判断するようにしてもよい。油温があまりにも低すぎると、電動式オイルポンプ2の回転不足が懸念される場合があるので、このときには電動式オイルポンプ2を使用したエア抜き処理を省略する。また、油温を検知する油温センサの故障が検出されている場合は、フェイルセーフとして、エア抜き処理を必ず実施するように制御するのがよい。
ステップS1で油温が所定温度を下回るときには、ステップS2で制御装置3は、電動式オイルポンプ2を駆動して、吸引管1a内のエアを吸い出す処理を開始する。制御装置3は、電動式オイルポンプ2の駆動を開始すると、その駆動電流の変化を監視してエア抜きの完了を判断するが、電動式オイルポンプ2の駆動電流は、一般的に起動時に過渡的変化を伴うので、この過渡状態をエア抜き完了と誤認することのないようにする。このために制御装置3は、ステップS3で、過渡期に相当する所定時間の経過を待つ(つまり判断のマスク時間)。この間、例えば数ミリ秒〜数秒の間の制御装置3は、駆動電流の変化をエア抜き完了の条件として判断しない。
所定時間が経過すると制御装置3は、ステップS4で、電動式オイルポンプ2の駆動電流がしきい値以上になるか否かを監視する。駆動電流は、電動式オイルポンプ2の負荷に応じて変化する。すなわち、電動式オイルポンプ2が吸引管2aを通してエアを吸い出しているときの負荷は軽いが、エアが抜けきって吸引管2aを通してオイルを吸い上げ始めると、負荷は急激に増加する。制御装置3は、この負荷変動に応じた駆動電流の変化を監視しており、駆動電流がポンプ特性により決まるしきい値以上に達したときにエア抜き完了を判断する。したがって、制御装置3は、駆動電流がしきい値以上になるとステップS5で電動式オイルポンプ2を停止させ、ステップS6でエア抜き完了過程を実行して終了する。
ステップS6のエア抜き完了過程は、電動式オイルポンプ2の制御をエンジンの運転状況に応じた制御へ移行する処理を含む。また、このとき、機械式オイルポンプ1のタイプに応じて、機械式オイルポンプ1がエンジンENと直結(クラッチCL無し)されているタイプの場合は、イグニッションスイッチのONと共に機械式オイルポンプ1が動作を開始しているので、その動作を維持して油圧供給へ移行する。クラッチCLを介しエンジンENと連結された機械式オイルポンプ1がノーマリON型の場合も、イグニッションスイッチのONと共に機械式オイルポンプ1が動作を開始しているので、その動作を維持して油圧供給へ移行する。この場合、油圧供給開始でクラッチOFFが可能となる。一方、クラッチCLを介しエンジンENと連結された機械式オイルポンプ1がノーマリOFF型の場合は、エア抜き完了過程まで機械式オイルポンプ1を動作させずにおいて、ステップS2〜S5で電動式オイルポンプ2を先行動作させることができる。そして、ステップS6のエア抜き完了過程で電動式オイルポンプ2を停止させると共に機械式オイルポンプ1を動作させ、油圧供給を開始する。あるいは、ステップS5で電動式オイルポンプ2を停止せずにおいて動作を継続させ、ステップS6で機械式オイルポンプ1の動作を開始して油圧センサにより油圧が確認された後、電動式オイルポンプ2を停止させる過程としてもよい。
なお、ステップS5の電動式オイルポンプ2の停止までの時間を長くするように設定しておくと、その間に電動式オイルポンプ2による油圧供給を実行することができるので、オイルの暖機運転を実施することも可能となる。また、電動式オイルポンプ2に関し、低温時はポンプクリアランスによる容積効率変化は少ないので、負圧をより大きく発生できる仕様はクリアランスMAX(フリクション小)であり、これによってより高回転まで回転させてエアを多く吸い出させるようにすることができる。
以上のエア抜き処理が実行される結果、図1及び図2中に示すように、吸入管1a中のエアが吸い出されて、矢示のごとく吸入管1a内の油面が上昇する。図1の場合は、電動式オイルポンプ2がエアを吸い出すことにより吸入管1a内で、吸引管2aの位置まで油面が上昇する。このときは、吸引管2aがオイルパンOPの油面下の部位に設けられているので、当該部位までの上昇となる。したがって、吸引管2aを連通させる吸入管1aの部位は、オイルパンOPの油面に近い方が好ましい。オイルパンOPの油面と同等レベルまで吸入管1a内の油面が上昇するので、機械式オイルポンプ1は、平常時同様にオイルを吸い上げて油圧供給を開始することができる。一方、図2の場合は、電動式オイルポンプ2がエアを吸い出すことにより吸入管1a内で、オイルパンOPの油面より上の吸引管2cの位置まで油面が上昇する。オイルパンOPの油面よりも上に、機械式オイルポンプ1の本体近くまで吸入管1a内の油面が上昇するので、機械式オイルポンプ1は、より迅速にオイルを吸い上げて油圧供給を開始することができる。
図4は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第2例を示す。
図4のフローチャートにおいて、制御装置3が実行するステップS1〜S6は図3の第1例と同じである。第2例では、ステップS4の判断において駆動電流がしきい値に到達しないときに、制御装置3は、ステップS10で、所定の故障判断時間が経過するか否かを判断し、経過しないうちはステップS4へ戻って駆動電流を判断する。ステップS10で故障判断時間の経過が判断された場合、制御装置3は、ステップS11で、電動式オイルポンプ2の故障、例えば吸引管2aの損傷等と決定し、電動式オイルポンプ2を使用不可に設定して機械式オイルポンプ1のみによる油圧供給とするフェイルセーフを実施する。
ステップS11における故障決定は、例えば、ステップS10で故障と判断したときに故障フラグをたてて、ステップS11から一旦ステップS1へ戻って各ステップを繰り返すこととし、この繰り返しにより、ステップS11において故障フラグが所定回数に達した場合に、故障決定とすることもできる。あるいは、ステップS11の後に油温を確認するステップを追加し、故障判定用に別途定めた故障決定しきい値温度と現在の油温を比較した結果に基づいて、故障決定とすることもできる。すなわち、当該追加ステップにおいて、油温が故障決定しきい値温度を下回っていれば、再度ステップS1から繰り返す一方、油温が故障決定しきい値温度以上であれば故障を決定する。つまり、油温が上昇しているにも関わらず駆動電流が変化しない場合に故障を確定する制御を追加する。このように、複数回の故障確認や温度確認を実行することにより、いっそう確実な故障判定を実行できる。
図5は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第3例を示す。
図5のフローチャートにおいて、制御装置3が実行するステップS1〜S6は図3の第1例と同じである。第3例では、ステップS4の判断において駆動電流がしきい値に到達しないときに、制御装置3は、ステップS20で、ステップS1と同じ所定温度に油温が達するか否かを判断し、油温が所定温度を下回る間はステップS4へ戻って駆動電流を判断する。一方、油温が所定温度に達していた場合、制御装置3は、エア抜き完了として、ステップS6のエア抜き完了過程を実行する。油温上昇が早くてエア抜きが不要となったときには、エア抜き処理の途中であっても早期に機械式オイルポンプ1による油圧供給へ移行する。
図6は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第4例を示す。
図6のフローチャートにおいて、制御装置3が実行するステップS2〜S6は図3の第1例と同じである。第4例では、エア抜き処理を開始する判断条件が第1例と異なる。すなわち、第4例のステップS1−Aで、制御装置3は、機械式オイルポンプ1の吐出側に設けられた油圧センサPSの出力を監視し、吐出側油圧の上昇が検知されるか否かを判断する。油圧上昇が確認されればエアを抜く必要はないので、エア抜き完了として(ステップS6)、油圧供給へ移行する。一方、油圧上昇が検知されなければ、制御装置3は、ステップS2以降のエア抜き処理を実行する。
図7は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第5例を示す。
図7のフローチャートにおいて、制御装置3が実行するステップS2〜S6は図3の第1例と同じである。第5例では、エア抜き処理を開始する条件判断(ステップS1)を行わず、エンジン始動の度、常にステップS2〜S6のエア抜き処理を実行する。吸入管1aには少量でもエアが入り込むので、エンジン始動の度にエア抜きを実施する方式としてもよい。
図8は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第6例を示す。
図8のフローチャートにおいて、制御装置3は、図3の第1例と同じステップS1,S2,S5,S6を実行する。第6例では、エア抜き処理を完了する判断条件(ステップS3〜S4)が第1例と異なる。すなわち、第6例のステップS4−Aで、制御装置3は、予め決められたエア抜き時間が経過するか否か判断し、当該エア抜き時間が経過した場合に、エア抜き処理を完了としてステップS5へ進む。エア抜き時間は、電動式オイルポンプ2の容量と吸入管1aの容積とから予め算出することができる。
図9は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第7例を示す。
図9のフローチャートにおいて、制御装置3は、図3の第1例と同じステップS1,S2,S5,S6を実行する。第7例も、エア抜き処理を完了する判断条件(ステップS3〜S4)が第1例と異なる。すなわち、第7例のステップS4−Bで、制御装置3は、所定の回数以上、電動式オイルポンプ2が回転したか否かを判断し、ポンプ回転が所定の回数以上になったときに、エア抜き処理を完了としてステップS5へ進む。判断基準となる所定の回数は、1回転あたりのポンプ吐出量と吸入管1aの容積とから予め算出することができる。
図10は、制御装置3が実行するエア抜き処理の第8例を示す。
図10のフローチャートにおいて、制御装置3は、図3の第1例と同じステップS1,S2,S5,S6を実行する。第8例も、エア抜き処理を完了する判断条件(ステップS3〜S4)が第1例と異なる。すなわち、第8例のステップS4−Cで、制御装置3は、機械式オイルポンプ1の吐出側に設けられた油圧センサの出力を監視し、油圧の上昇が検知されるか否かを判断する。油圧上昇が確認されればエアを抜き処理を完了としてステップS5へ進む。
以上の第1例〜第8例のフローチャートは、適宜組み合わせて実行することも可能である。
上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項1に記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記電動式オイルポンプの吸引管は、
前記オイルパンの油面よりも下の部位で前記吸入管に連通する第1の吸引管と、
前記オイルパンの油面よりも上の部位で前記吸入管に連通する第2の吸引管と、
を有する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、機械式オイルポンプ1のより近くまで吸入管内の油面を上昇させられるので、機械式オイルポンプは、いっそう迅速にオイルを吸い上げて油圧供給を開始することができる。
(ロ)請求項3記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管中のエア抜き処理が必要か否かを、前記オイルの油温に基づいて判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、油温が高く粘度が低い、つまりエア溜まりの影響が少なくエア抜きの必要性が低い条件のときには、直ちに機械式オイルポンプによる油圧供給へ移行することができる。
(ハ)請求項3記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管中のエア抜き処理が必要か否かを、前記機械式オイルポンプ吐出側の油圧上昇に基づいて判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、機械式オイルポンプの吐出側油圧上昇が確認されればエア溜まりの影響は無いと判断でき、エアを抜く必要がないので、直ちに機械式オイルポンプによる油圧供給へ移行することができる。
(ニ)請求項1記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記エンジンの始動時に、前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを制御する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、油温に関係なくエンジン始動の度にエア抜きが実施され、吸入管中にエアが入っていれば吸い出される。
(ホ)請求項1〜3又は(イ)〜(ニ)のいずれかに記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを駆動し、該電動式オイルポンプの駆動電流に基づいて、前記吸入管のエア抜き完了を判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、制御装置は、電動式オイルポンプの駆動電流を監視し、負荷に応じて変化する駆動電流を例えばしきい値と比較することによって、吸入管のエア抜きが完了したか否かを判断することができる。
(ヘ)請求項(ホ)記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記電動式オイルポンプの駆動を開始した後、所定時間が経過する前は、前記駆動電流の変化を判断しない、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、電動式オイルポンプの起動時過渡電流を、負荷による駆動電流の変化と誤認しないように、マスク時間を設けることができる。
(ト)請求項1〜3又は(イ)〜(ニ)のいずれかに記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを駆動し、予め決められたエア抜き時間が経過したときに、前記吸入管のエア抜き完了を判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、制御装置は、電動式オイルポンプの容量と吸入管の容積とから算出可能なエア抜き時間に基づいて、吸入管のエア抜きが完了したか否かを判断することができる。
(チ)請求項1〜3又は(イ)〜(ニ)のいずれかに記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを駆動し、所定の回数以上、前記電動式オイルポンプが回転したときに、前記吸入管のエア抜き完了を判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、制御装置は、電動式オイルポンプの1回転あたりの吐出量と吸入管の容積とから算出可能なポンプの回転回数に基づいて、吸入管のエア抜きが完了したか否かを判断することができる。
(リ)請求項1〜3又は(イ)〜(ニ)のいずれかに記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを駆動し、前記機械式オイルポンプの吐出側油圧上昇が認められたときに、前記吸入管のエア抜き完了を判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、制御装置は、機械式オイルポンプの吐出側に設けられた油圧センサの出力値に基づいて、吸入管のエア抜きが完了したか否かを判断することができる。
(ヌ)請求項1〜3又は(イ)〜(リ)のいずれかに記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを駆動してから、前記吸入管のエア抜き完了を判断するまでの間に、故障判定時間が経過するか否かを判断し、該故障判定時間が経過したときは故障と判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、制御装置は、電動式オイルポンプの故障を判定することができ、故障した電動式オイルポンプの使用を停止するよう判断することができる。この場合の制御装置は、より確実に故障を判定すべく、故障と判断した回数が所定回数となったとき、あるいは、所定の温度以上の油温において故障が判断されたときに、故障を決定することもできる。
(ル)請求項1〜3又は(イ)〜(リ)のいずれかに記載の車両用オイルポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、
前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを駆動してから、前記吸入管のエア抜き完了を判断するまでの間に、前記オイルの油温が所定温度に達するか否か判断し、該所定温度に達したときは、前記吸入管のエア抜き完了を判断する、車両用オイルポンプシステム。
このオイルポンプシステムによると、制御装置は、オイルの油温上昇が早くてエア抜きが不要となったときには、エア抜き処理の途中であっても早期に機械式オイルポンプによる油圧供給へ移行することができる。
1 機械式オイルポンプ
1a 吸入管
1b メッシュ(フィルタ)
2 電動式オイルポンプ
2a 吸引管
2b 第1の吸引管
2c 第2の吸引管
3 制御装置
OP オイルパン

Claims (3)

  1. エンジンにより駆動される機械式オイルポンプと、
    前記機械式オイルポンプがオイルパンからオイルを吸い上げるための吸入管の所定部位に連通した吸引管を有する電動式オイルポンプと、
    前記吸入管内のエアを吸い出すように前記電動式オイルポンプを制御する制御装置と、
    を含んで構成される車両用オイルポンプシステム。
  2. 前記電動式オイルポンプの吸引管は、前記オイルパンの油面よりも下の部位で前記吸入管に連通する、
    請求項1記載の車両用オイルポンプシステム。
  3. 前記制御装置は、
    前記吸入管中のエア抜き処理が必要か否か判断し、エア抜き処理が必要と判断したときに、前記電動式オイルポンプを動作させる、
    請求項1又は請求項2記載の車両用オイルポンプシステム。
JP2011206520A 2011-09-21 2011-09-21 車両用オイルポンプシステム Expired - Fee Related JP5607010B2 (ja)

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