JP2013068157A - 可変圧縮比エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮比の変更と同時にピストンに作用する側面荷重を低減させ、燃料消費量を低減する。
【解決手段】回転中心から偏心した位置に軸受孔を備える軸受ハウジング13をクランクケース内に回転自在に配置し、ピストンと軸受孔に回転自在に支持したクランクシャフト19とをコネクティングロッド26によって連結し、軸受ハウジングの回転に応じてクランクシャフトの回転中心を移動させ、圧縮比を変更する可変圧縮比エンジンにおいて、軸受ハウジングの回転中心C1とクランクシャフトの回転中心C2とを夫々シリンダボアの中心線に対してピストンのスラスト40側ヘオフセットさせ、軸受ハウジングの回転角度を、クランクシャフトの回転中心がシリンダボア中心線に沿う方向でシリンダボア側へ近づくにつれてクランクシャフトの回転中心とシリンダボア中心線との間隔が減少する範囲に設定したことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

この発明は可変圧縮比エンジンに係り、特に、エンジンの圧縮比を可変にすると共に、クランクシャフトのオフセット量を最適化する可変圧縮比エンジンに関する。
エンジンには、クランクシャフトの回転中心を移動させ、圧縮比を変更する可変圧縮比エンジンがある。また、エンジンには、シリンダボア中心線に対してクランクシャフトの回転中心をピストンのスラスト側ヘオフセットさせて(オフセットクランクシステム)、膨張行程において燃焼ガス圧力(燃焼荷重)によってピストンの側壁部にかかる側面荷重(スラスト圧)を低減させる構造が公知であり、量産エンジンにも採用されている。
前記可変圧縮比エンジンには、偏心した軸受孔を有する偏心ディスクをシリンダブロックに回転可能に保持し、偏心ディスクの軸受孔にクランクシャフトを回転可能に軸支し、偏心ディスクをアクチュエータで回転させてクランクシャフトを半径方向に平行移動させ、圧縮比を変化するものがある。(特開2006−153005号公報)
特開2006−153005号公報
しかし、従来の可変圧縮比エンジンにおいては、クランクシャフトの回転中心を移動させることで圧縮比を変更する一方で、クランクシャフトのオフセット量は一定であった。
このため、慣性力より燃焼荷重が支配的な低回転時には側面加重の低減に効果的であっても、慣性力が燃焼荷重より支配的な高回転時には逆効果(フリクションが増加する)な面があった。
この発明は、クランクシャフトの回転中心を移動させる可変圧縮比エンジンについて、圧縮比の変更と同時にピストンに作用する側面荷重を低減させ、燃料消費量を低減することを目的とする。
この発明は、その回転中心から偏心した位置に軸受孔を備える軸受ハウジングをクランクケース内に回転自在に配置し、前記軸受孔にクランクシャフトを回転自在に支持し、シリンダボア内を往復運動するピストンと前記クランクシャフトとをコネクティングロッドによって連結し、前記軸受ハウジングの回転に応じて前記クランクシャフトの回転中心を移動させ、圧縮比を変更する可変圧縮比エンジンにおいて、前記軸受ハウジングの回転中心と前記クランクシャフトの回転中心とを夫々前記シリンダボアの中心線に対して前記ピストンのスラスト側ヘオフセットさせ、前記軸受ハウジングの回転角度を、前記クランクシャフトの回転中心が前記シリンダボア中心線に沿う方向で前記シリンダボア側へ近づくにつれて前記クランクシャフトの回転中心と前記シリンダボア中心線との間隔が減少する範囲に設定したことを特徴とする。
この発明の可変圧縮比エンジンは、エンジンの運転状態が高負荷低回転時には、圧縮比を低くすると同時にシリンダボア中心線に対するクランクシャフトの回転中心のオフセット量を増加させることができる。この際、圧縮比を低くすることでエンジンのノッキングを防止し、かつ燃焼ガス圧力の影響が大きくなるピストンの側面荷重を低減することができる。
この発明の可変圧縮比エンジンは、エンジンの運転状態が低負荷低回転時および低負荷高回転時には、圧縮比を高くすると同時にシリンダボア中心線に対するクランクシャフトの回転中心のオフセット量を減少させることができる。この際、圧縮比を高くすることによりエンジンの出力を増加させることができ、特にエンジンの低負荷高回転時にはピストンの往復運動にともなう慣性力の影響が大きくなるピストンの側面荷重を低減することができる。
尚、エンジンの低負荷低回転時には、燃焼ガス圧力がそれほど高くないため、シリンダボア中心線に対するクランクシャフトの回転中心のオフセット量を減少させてもピストンの側面荷重に及ぼす影響は少ない。
よって、この発明の可変圧縮比エンジンは、エンジンの負荷と回転数とに応じて圧縮比と、シリンダボア中心線に対するクランクシャフト回転中心のオフセット量とを最適な値に設定でき、可変圧縮比エンジンの燃料消費量を低減することができる。
図1は可変圧縮比エンジンの断面図である。(実施例) 図2は可変圧縮比エンジンの一部破断斜視図である。(実施例) 図3は可変圧縮比エンジンの分解図である。(実施例) 図4は可変圧縮比エンジンの軸受ハウジング及びクランクシャフト斜視図である。(実施例) 図5(A)は可変圧縮比エンジンの高圧縮比時の断面図、図5(B)は可変圧縮比エンジンの低圧縮比時の断面図である。(実施例) 図6は軸受ハウジングの回転範囲を示す図である。(実施例) 図7は運転領域による圧縮比とクランクシャフトの回転中心のオフセット量の変更内容を示す表である。(実施例) 図8はエンジン回転数に対する圧縮比及びオフセット量の変更状態を示すマップである。(実施例)
以下、図面に基づいて実施例を説明する。
図1〜図8は、この発明の実施例を示すものである。図1〜図4において、1は可変圧縮比エンジン、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はクランクケースである。シリンダブロック2はシリンダ部2Aとその下部に連結されるスカート部2Bとを備える。可変圧縮比エンジン1は、シリンダ部2Aにこの実施例においては2つのシリンダボア5を並べて形成し、シリンダ部2Aの上端にシリンダヘッド3を取り付けて燃焼室6を形成している。
また、可変圧縮比エンジン1は、スカート部2Bの下端にクランクケース4の上端を取り付けてこれら両者の内側にクランク室7を形成している。クランク室7は、2つのシリンダボア5の配列方向を長手方向とする略円筒形状に形成される。クランク室7は、長手方向両端をスカート部2B及びクランクケース4に取り付けたフロントエンドカバー8及びリアエンドカバー9により閉鎖される。
前記シリンダブロック2及びクランクケース4には、クランク室7の長手方向において各シリンダボア5の両外側とシリンダボア5の間とに、それぞれ半円筒内周面形状で対となるブロック側ハウジング支持部10及びケース側ハウジング支持部11を形成している。ブロック側ハウジング支持部10及びケース側ハウジング支持部11は、シリンダブロック2のスカート部2Bにクランクケース4を取り付けて対となることで、それぞれ内周面が円筒形状の支持孔12を形成する。各支持孔12の中心線は、2つのシリンダボア5の中心線Dと直交している。
前記シリンダブロック2及びクランクケース4内には、この実施例では3つの軸受ハウジング13を回転自在に配置している。軸受ハウジング13は、それぞれ半円板形状のハウジング部14・14を固定ボルト15(図3参照)で連結することで円板形状に形成している。円板形状の軸受ハウジング13は、支持孔12の中心線と同軸の回転中心C1を有し、外周に円筒外周面形状のハウジング側外周部16を備え、回転中心C1から偏心した位置に内周面が円筒形状の軸受孔17を備えている。
各軸受ハウジング13は、連結部18により連結して一体化している。連結部18は、後述するコネクティングロッド26の運動軌跡と干渉しないように円弧形状に形成され、ハウジング側外周部16を連結している。一体化した3つの軸受ハウジング13は、各々のハウジング側外周部16をシリンダブロック2及びクランクケース4の各支持孔12に回転自在に支持される。
前記スカート部2B及びクランクケース4内のクランク室7には、このクランク室7の長手方向に沿って延びるクランクシャフト19を回転自在に配置している。クランクシャフト19は、前記軸受ハウジング13の回転中心C1から距離eだけオフセットさせた回転中心C2を有する3つのクランクジャーナル部20と、これらクランクジャーナル部20の互いに対向する端部から径方向に突出した対となるクランクウェブ21・21と、各対となるクランクウェブ21・21の先端を連結するクランクピン22とを備えている。クランクシャフト19は、各クランクジャーナル部20をベアリングメタル23を介して前記軸受ハウジング13の各軸受孔17に回転自在に支持される。
前記シリンダブロック2の2つのシリンダボア5内には、それぞれピストン24をシリンダボア5の中心線Dの方向に往復運動自在に内蔵している。ピストン24は、ピストンピン25によりコネクティングロッド26の小端部27に回動可能に連結している。コネクティングロッド26は、大端部28を前記クランクシャフト19のクランクピン22に回転自在に連結している。ピストン24の往復運動は、コネクティングロッド26により回転運動に変換され、クランクシャフト19に伝達される。
前記クランクシャフト19の前記リアエンドカバー9側の軸端部には、クランクシャフト19の回転中心C2と同軸の外歯車29が連結されている。前記リアエンドカバー9には、外歯車29を囲むような円筒形状の軸受支持部30を備えている。軸受支持部30には、出力軸31を軸受ハウジング13の回転中心C1と同軸にベアリング32により回転可能に軸支している。出力軸31は、オイルシール33によりリアエンドカバー9とのすき間をシールされる。
前記出力軸31は、クランクシャフト19側の端部に、軸受ハウジング13の回転中心C1と同軸の内歯車34を備えている。内歯車34は、その回転中心C1が前記外歯車29の回転中心C2に対して距離eだけ偏心した状態で前記外歯車29と噛み合わされる。クランクシャフト19の回転運動は、外歯車29、内歯車34の噛み合いにより出力軸31に伝達され、外部に出力される。
前記スカート部2B及びクランクケース4のリアエンドカバー9側の支持孔12に軸支された軸受ハウジング13には、リアエンドカバー9側の端部であって軸受支持部30より外側に外歯付リングギヤ35を備えている。外歯付リングギヤ35は、前記出力軸受部30の外周に設けた円環筒形状のリングギヤ用窪部36内に配置されている。外歯付リングギヤ35には、外部駆動源37の駆動ギヤ38が噛み合っている。連結部18により一体化した3つの軸受ハウジング13は、外部駆動源37により駆動ギヤ38、外歯付リングギヤ35を介して回転される。
これにより、可変圧縮比エンジン1は、軸受ハウジング13の回転に応じてクランクシャフト19の回転中心C2を回転移動させ、クランクシャフト19にコネクティングロッド26を介して連結されたピストン24の上死点を移動させ、圧縮比を変更すると同時に、クランクシャフト19のオフセット量を調整し、ピストン24の側面荷重を変更する。
ここで、前記シリンダボア5内を往復運動するピストン24の動きを説明する。図5に示すように、クランクシャフト19が矢印R方向に回転する場合において、ピストン24の下降行程、特に燃焼行程時の上死点近傍においては、シリンダボア5の中心線Dに対して左側のボア内壁39に燃焼ガス圧力(燃焼荷重)によってピストン24から大きな側圧荷重(スラスト圧)F1が作用する。この大きなスラスト圧F1が作用するピストン24の左側の壁部を、スラスト側壁部40と言う。つまり、シリンダボア5の中心線Dを挟んで、クランクシャフト19の矢印R方向の回転が上昇する側(図5において左側)にあるピストン24の壁部を、スラスト側壁部40と言う。
これに対して、ピストン24の上昇行程中の上死点近傍においては、シリンダボア5の中心線Dに対して右側のボア内壁41に前記側圧荷重(スラスト圧)F1よりも小さい側圧荷重(スラスト圧)F2が作用する(F1>F2)。この小さなスラスト圧F2が作用するピストン24の右側の壁部を、反スラスト側壁部42と言う。つまり、シリンダボア5の中心線Dを挟んで、クランクシャフト19の矢印R方向の回転が下降する側(図5において右側)にあるピストン24の壁部を、反スラスト側壁部42と言う。
この可変圧縮比エンジン1は、図5に示すように、軸受ハウジング13の回転中心C1とクランクシャフト19の回転中心C2とを、夫々シリンダボア5の中心線Dに対してピストン24のスラスト壁部40側ヘオフセットさせている。軸受ハウジング13の回転中心C1のシリンダボア5の中心線Dに対するオフセット量G2は軸受ハウジング13の回転中心C1とクランクシャフト19の回転中心C2との間の距離eよりも大きい。可変圧縮比エンジン1は、軸受ハウジング13の回転角度θを、クランクシャフト19の回転中心C2がシリンダボア5の中心線Dに沿う方向で、シリンダボア5側へ近づくにつれてクランクシャフト19の回転中心C2とシリンダボア5の中心線Dとの間隔が減少する範囲に設定している。
また、可変圧縮比エンジン1は、図5に示すように、軸受ハウジング13の回転中心C1を通りシリンダボア5の中心線Dと平行な直線を第1直線L1とし、軸受ハウジング13の回転中心C1を通り前記第1直線L1と直交する直線を第2直線L2とした場合、軸受ハウジング13の回転によりクランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域を、図6に示すように、軸受ハウジング13の回転中心C1からシリングボア5と反対側へ延びる第1直線L1と軸受ハウジング13の回転中心C1からシリンダボア5の中心線D側へ延びる前記第2直線L2とに挟まれる領域E1とするよう軸受ハウジング13の回転角度θを設定し、または、軸受ハウジング16の回転中心C1からシリンダボア5の中心線Dと反対側へ延びる第2直線L2と軸受ハウジング16の回転中心C1からシリンダボア5側へ延びる第1直線L1とに挟まれる領域E2とするよう軸受ハウジング16の回転角度θを設定する。
回転角度θは、軸受ハウジング13の回転中心C1を通りシリンダボア5の中心線Dと平行な第1直線L1と、軸受ハウジング13の回転中心C1を通り第1直線L1と直交する第2直線L2とで挟まれる角度の90度としている。
次に作用を説明する。
この可変圧縮比エンジン1は、図8に示すように、運転領域が高負荷低回転領域S1の場合、図7に示すように、ピストン24の側面荷重(スラスト圧)を支配する要因が燃焼ガス圧力(燃焼荷重)であり、図6に示すように、クランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域をA1−B1の間の領域E1とすると、外部駆動源37により軸受ハウジング13を回転させ、クランクシャフト19の回転中心C2を領域E1のA1からB1(軸受ハウジング13の回転中心C1の下方)に移動することで、図5(B)に示すように、ピストン24の上死点を下げて圧縮比を低くし、クランクシャフト19の回転中心C2の移動量(オフセット量)を大きな値G2にすることができる。
これに対して、可変圧縮比エンジン1は、図8に示すように、運転領域が低負荷低回転および低負荷高回転領域S2の場合、図7に示すように、ピストン24の側面荷重(スラスト圧)を支配する要因が慣性力であり、図6に示すように、クランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域をA1−B1の間の領域E1とすると、外部駆動源37により軸受ハウジング13を回転させ、クランクシャフト19の回転中心C2を領域E1のB1からA1(軸受ハウジング13の回転中心C1の右方)に移動することで、図5(A)に示すように、ピストン24の上死点を上げて圧縮比を高くし、クランクシャフト19の回転中心C2の移動量(オフセット量)を小さな値G1にすることができる。
これにより、可変圧縮比エンジン1は、図7に示すように、運転領域が高負荷低回転領域S1では圧縮比を低くしてクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を大きくすることができ、低負荷低回転および低負荷高回転領域S2では圧縮比を高くしてクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を小さくすることができる。
このように、可変圧縮比エンジン1は、軸受ハウジング13の回転中心C1とクランクシャフト19の回転中心C2とを夫々シリンダボア5の中心線Dに対してピストン24のスラスト壁部40側ヘ距離eだけオフセットさせ、軸受ハウジング13の回転角度θをクランクシャフト19の回転中心C2がシリンダボア5の中心線Dに沿う方向でシリンダボア5側へ近づくにつれてクランクシャフト19の回転中心C2とシリンダボア5の中心線Dとの間隔が減少する範囲に設定している。
これにより、エンジンの運転状態が高負荷低回転時には、圧縮比を低くすると同時にシリンダボア5の中心線Dに対するクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を増加させることができる。この際、圧縮比を低くすることでノッキングを防止し、かつ燃焼ガス圧力の影響が大きくなるピストン24の側面荷重(スラスト圧)を低減することができる。
また、エンジンの運転状態が低負荷低回転時および低負荷高回転時には、圧縮比を高くすると同時にシリンダボア5の中心線Dに対するクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を減少させることができる。この際、圧縮比を高くすることによりエンジンの出力を増加させることができ、特にエンジンの低負荷高回転時にはピストン24の往復運動にともなう慣性力の影響が大きくなるピストン24の側面荷重を低減することができる。
尚、エンジンの運転状態の低負荷低回転時には、燃焼ガス圧力(燃焼荷重)がそれほど高くないため、シリンダボア5の中心線Dに対するクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を減少させてもピストン24の側面荷重に及ぼす影響は少ない。
よって、この可変圧縮比エンジン1は、エンジンの負荷と回転数とに応じて圧縮比と、シリンダボア5の中心線Dに対するクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量とを最適な値に設定でき、燃料消費量を低減することができる。
また、可変圧縮比エンジン1は、軸受ハウジング13の回転によりクランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域を、軸受ハウジング13の回転中心C1からシリングボア5と反対側へ延びる第1直線L1と軸受ハウジング13の回転中心C1からシリンダボア5の中心線D側へ延びる前記第2直線L2とに挟まれるA1−B1の間の領域E1とするよう軸受ハウジング13の回転角度θを設定している。回転角度θは、第1直線L1とこの第1直線L1と直交する第2直線L2とで挟まれる角度の90度としている。
これにより、この可変圧縮比エンジン1は、軸受ハウジング13の回転角度範囲を90度以下の狭い範囲としたため、圧縮比とオフセット量変更時の応答性を向上させることができる。
なお、上述実施例においては、軸受ハウジング13の回転によりクランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域をA1−B1の間の領域E1とするよう軸受ハウジング13の回転角度θを設定しているが、軸受ハウジング16の回転中心C1からシリンダボア7の中心線Dと反対側へ延びる第2直線L2と軸受ハウジング16の回転中心C1からシリンダボア7側へ延びる第1直線L1とに挟まれるA2−B2の間の領域E2とするよう軸受ハウジング16の回転角度θを設定することもできる。
この場合、可変圧縮比エンジン1は、図8に示すように、運転領域が高負荷低回転領域S1の場合、図7に示すように、ピストン24の側面荷重(スラスト圧)を支配する要因が燃焼ガス圧力(燃焼荷重)であり、図6に示すように、クランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域をA2−B2の間の領域E2とすると、外部駆動源37により軸受ハウジング13を回転させ、クランクシャフト19の回転中心C2を領域E2のA2からB2(軸受ハウジング13の回転中心C1の左方)に移動することで、図5(B)に示すように、ピストン24の上死点を下げて圧縮比を低くし、クランクシャフト19の回転中心C2の移動量(オフセット量)を大きな値G2にすることができる。
これに対して、可変圧縮比エンジン1は、図8に示すように、運転領域が低負荷低回転および低負荷高回転領域S2の場合、図7に示すように、ピストン24の側面荷重(スラスト圧)を支配する要因が慣性力であり、図6に示すように、クランクシャフト19の回転中心C2が移動する領域をA2−B2の間の領域E2とすると、外部駆動源37により軸受ハウジング13を回転させ、クランクシャフト19の回転中心C2を領域E2のB2からA2(軸受ハウジング13の回転中心C1の上方)に移動することで、図5(A)に示すように、ピストン24の上死点を上げて圧縮比を高くし、クランクシャフト19の回転中心C2の移動量(オフセット量)を小さな値G1にすることができる。
これにより、可変圧縮比エンジン1は、図8に示すように、運転領域が高負荷低回転領域S1では圧縮比を低くしてクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を大きくすることができ、低負荷低回転および低負荷高回転領域S2では圧縮比を高くしてクランクシャフト19の回転中心C2のオフセット量を小さくすることができる。
以上のように、この可変圧縮比エンジン1では、圧縮比の変化に連動して、クランクシャフト19のオフセット量も変化させることができる。クランクシャフト19のオフセット量の最適値は、ピストン24に作用する慣性力に支配されるので、図8に示すようにエンジン回転数に応じて変化させるのが理想である。また、圧縮比は、ノッキングが発生しやすい低回転高負荷時に低圧縮比とし、高回転低負荷になるに従い高圧縮比とする。
この可変圧縮比エンジン1は、圧縮比と連動してクランクシャフト19のオフセット量を変化させ、図5のようなジオメトリをとることで、ほぼ理想的なクランクシャフト19のオフセット量をとることができる。
また、この可変圧縮比エンジン1では、複数の軸受ハウジング13の軸受孔17の同軸度を確保するため、軸受ハウジング13を各気筒間で一体化することが望ましい。実施例においては、各軸受ハウジング13を連結部18によって連結して一体化している。連結部18は、コネクティングロッド26の運動軌跡の干渉を避ける必要があるが、この実施例では軸受ハウジング13を比較的小さい角度である90度回転させるのみであるので、連結部18はコネクティングロッド26の運動軌跡に対する干渉に対し、余裕をもって回避できる。
この発明は、可変圧縮比エンジンについて、圧縮比の変更と同時にピストンに作用する側面荷重を低減させ、燃料消費量を低減することができるものであり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンに適用できる。
1 可変圧縮比エンジン
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
4 クランクケース
8 フロントエンドカバー
9 リアエンドカバー
12 支持孔
13 軸受ハウジング
16 ハウジング側外周部
17 軸受孔
18 連結部
19 クランクシャフト
20 クランクジャーナル部
24 ピストン
26 コネクティングロッド
29 外歯車
31 出力軸
34 内歯車
35 外歯付リングギヤ
37 外部駆動源
38 駆動ギヤ
40 スラスト側壁部
42 反スラスト側壁部

Claims (2)

  1. その回転中心から偏心した位置に軸受孔を備える軸受ハウジングをクランクケース内に回転自在に配置し、前記軸受孔にクランクシャフトを回転自在に支持し、シリンダボア内を往復運動するピストンと前記クランクシャフトとをコネクティングロッドによって連結し、前記軸受ハウジングの回転に応じて前記クランクシャフトの回転中心を移動させ、圧縮比を変更する可変圧縮比エンジンにおいて、前記軸受ハウジングの回転中心と前記クランクシャフトの回転中心とを夫々前記シリンダボアの中心線に対して前記ピストンのスラスト側ヘオフセットさせ、前記軸受ハウジングの回転角度を、前記クランクシャフトの回転中心が前記シリンダボア中心線に沿う方向で前記シリンダボア側へ近づくにつれて前記クランクシャフトの回転中心と前記シリンダボア中心線との間隔が減少する範囲に設定したことを特徴とする可変圧縮比エンジン。
  2. 前記軸受ハウジングの回転中心を通り前記シリンダボア中心線と平行な直線を第1直線とし、前記軸受ハウジングの回転中心を通り前記第1直線と直交する直線を第2直線とした場合、前記軸受ハウジングの回転により前記クランクシャフトの回転中心が移動する領域を、前記軸受ハウジングの回転中心から前記シリングボアと反対側へ延びる前記第1直線と前記軸受ハウジングの回転中心から前記シリンダボア中心線側へ延びる前記第2直線とに挟まれる領域とするか、または、前記軸受ハウジングの回転中心から前記シリンダボア中心線と反対側へ延びる前記第2直線と前記軸受ハウジングの回転中心から前記シリンダボア側へ延びる第1直線とに挟まれる領域とするよう前記軸受ハウジングの回転角度を設定したことを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比エンジン。
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