以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態(高確率状態)、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体32(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体32の前面にガイドレール33で囲まれた略円形状の遊技領域31を有している。また、遊技盤本体32の前面であってガイドレール33の外側には、前面構成部材(サイドケース)が取り付けられている。さらに、遊技領域31の右下側の前面構成部材は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレートで覆われている。そして、このガイドレール33で囲まれた遊技領域31内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース34が取り付けられている。センターケース34に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(表示装置)35が配置されている。変動表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース34の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域31のセンターケース34の右側には、可動役物(演出装置)70が備えられている。可動役物70は、拳銃を模した形状となっており、グリップに相当する部位に設けられた取付部72によって取付ベース71に取り付けられている。可動役物70は、取付部72を中心に回動可能に構成されている。そして、所定の条件を満たした場合には、図示しないモータによって所定の演出実行時にセンターケース方向に回動し、弾丸が発射される演出などが実行される。また、可動役物70の内部に発光装置74(図4参照)を備え、演出態様に応じて所定の色に発光する。可動役物70の詳細な動作については、後述する。
遊技領域31のセンターケース34の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、所定領域)36が設けられている。普図始動ゲート36の内部には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)603(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過(所定条件の成立)すると、普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)が実行される。
さらに、センターケース34の左下側には、三つの一般入賞口40が配置され、センターケース34の右下側には、一つの一般入賞口40が配置されている。また、一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口40に備えられた入賞口スイッチ(SW)604a〜604m(図3参照)によって検出される。
また、センターケース34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域、始動口1)37aが設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37cを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、始動口2)37bが配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37a及び第2始動入賞口37bが当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。
第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37bの上方には、第1始動入賞口37aが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
さらに遊技領域31の第2始動入賞口37bの下方には、大入賞口ソレノイド28(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置41が設けられている。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ605(図3参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、及び特別変動入賞装置41の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口42が設けられている。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、変動表示装置35における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート36への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示(特定識別情報を変動表示)する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図1保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図2保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置640によって制御される払出ユニットから、前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出される。
前述のように、普図始動ゲート36内には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート36は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値(所定の乱数、普図乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。なお、当り判定用乱数値についての詳細は後述する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート36への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37bは、内蔵されている普電ソレノイド27(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材37cが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37aへの入賞球及び第2始動入賞口37bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ601(図3参照)と第2始動口スイッチ602(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース34の変動表示装置35においても表示される。このように、遊技制御装置600は、始動記憶を記憶保持する始動入賞記憶手段として機能する。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して変動表示装置35の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置41は、大入賞口ソレノイド28(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置41に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。なお、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第1特図始動記憶、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第2特図始動記憶とする。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37a内の第1始動口スイッチ601、第2始動入賞口37b内の第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠5に前面枠開放検出スイッチ25やガラス枠6に設けられたガラス枠開放検出スイッチ26には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図3及び図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図4は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12、一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置690に発射許可信号を出力する。発射制御装置690は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置50は、遊技状態報知LED12及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図4に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
盤演出装置770には、可動役物70が含まれる。可動役物70には、装飾部73、LEDなどの発光装置(発光源)74、取付部72を中心に可動役物70を回動させるための駆動機構(駆動源)75が含まれる。このとき、装飾部73を透明又は半透明の部材で構成し、発光装置74を制御することによって指定された色彩で発光させる。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカー10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図6は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(ステップA1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1010及びステップA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、ステップA1012及びステップA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1016の結果が「N」)、図6のステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6のステップA1017〜ステップA1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1020の結果が「N」)、ステップA1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1040)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(ステップA1042)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、ステップA1023B又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1030の結果が「N」)、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1030の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1112)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1108)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置41内に設けられたカウントスイッチ605によって当該特別変動入賞装置41に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1204の結果が「N」)、ステップA1216以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図13にて後述する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉41aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1216)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1217)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1218)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1219)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37a(第1始動口)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。さらに、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1302)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1303)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図11にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(ステップA1304)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1305の結果が「Y」)、ステップA1308以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(ステップA1306)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1307)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、ステップA1306及びステップA1307の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(ステップA1307の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(ステップA1307の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA1308)。さらに、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1309)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1310)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1303、ステップA1310)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401、ステップA1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1406、ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(ステップA1409、ステップA1410)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(ステップA1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1415)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1410の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1432)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1433)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(ステップA1431の結果が「N」)、又は、ステップA1433のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(ステップA1423)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かをチェックし(ステップA1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポートなし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。
遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1502の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1502の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ、普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、ステップA1503の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1504)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1504の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(ステップA1507)。そして、ステップA1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1504の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(ステップA1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はステップA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1508)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(ステップA1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(ステップA1511)。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1512)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(ステップA1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1514)。
後半変動パターン設定処理(ステップA1513)及び変動パターン設定処理(ステップA1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA1515)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(ステップA1516)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1517)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA1518)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1519)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA1515及びステップA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、ステップA1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
以上、遊技制御装置600における制御について説明した。続いて、演出制御装置700による制御について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(ステップB1002)、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1006)、割込みを許可する(ステップB1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(ステップB1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理については、図13にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカー10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1017)。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1018)、ステップB1008の処理に戻る。以降、ステップB1008からステップB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1012)の詳細について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1101)。テスト中モードの場合には(ステップB1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1102の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(ステップB1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1104の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(ステップB1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、停電復旧処理を実行する(ステップB1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1110)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、変動中処理を実行する(ステップB1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図17にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「図柄停止コマンド」の場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、ファンファーレ処理を実行する(ステップB1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、ラウンド中処理を実行する(ステップB1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、インターバル処理を実行する(ステップB1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、エンディング処理を実行する(ステップB1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1118)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1119)。先読みコマンド受信処理は、事前演出図柄コマンドなどに基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンド)を受信し、受信したコマンドに基づいて保留表示演出等を設定する処理である。なお、先読みコマンドと事前判定コマンドは同じコマンドを示している。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔先読みコマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB1119)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、事前判定コマンド(先読みコマンド)受信待ちの始動記憶の存在を確認し(ステップB1401)、該当する始動記憶が存在するか否かを判定する(ステップB1402)。そして、該当する始動記憶が存在しない場合には(ステップB1402の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、該当する始動記憶は存在する場合には(ステップB1402の結果が「Y」)、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1403)。事前判定コマンドを受信していない場合には(ステップB1403の結果が「N」)、本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、事前判定コマンドを受信した場合には(ステップB1403の結果が「Y」)、受信した事前判定コマンドの内容を対応する始動記憶領域にセーブする(ステップB1404)。
さらに、主制御用マイコン710は、既に受信している始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得する(ステップB1405)。そして、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(ステップB1406)。
主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には(ステップB1406の結果が「Y」)、事前演出を振り分けるためテーブルとして、はずれ用の先読み予告振分テーブル1をセットする(ステップB1407)。一方、変動表示ゲームの結果がはずれでない場合、すなわち、大当りの場合には(ステップB1406の結果が「N」)、大当り用の先読み予告振分テーブル2をセットする(ステップB1408)。先読み予告振分テーブルについては、図16にて後述する。
続いて、主制御用マイコン710は、既に受信した始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する(ステップB1409)。さらに、ステップB1407又はステップB1408の処理で設定されたテーブル及びリーチ系統情報から先読み予告態様を選択する(ステップB1410)。最後に、選択された事前演出態様を、選択された始動記憶領域に表示するように設定する(ステップB1411)。先読み予告態様については、図15にて後述する。
〔先読み予告〕
ここで、先読み予告の態様について説明する。本発明の第1の実施の形態の先読み予告では、変動表示装置35に表示される始動記憶表示の態様を変化させる。図15は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告態様の一例を示す図である。
図15に示すように、先読み予告態様は、対応する始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの信頼度(期待度)に応じて、第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告の3種類の態様が定義されている。具体的には、第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告の順で信頼度(期待度)が高くなるように設定されている。
また、各先読み予告の態様は、始動記憶表示の色が異なっている。なお、始動記憶の色以外にも形状を変更したり、点滅等させたりしてもよい。
始動記憶表示の制御は、演出制御装置700によって実行されており、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの期待度(信頼度)を示唆するように始動記憶表示の態様を制御する始動記憶表示手段として機能する。
続いて、先読み予告振分(選択)テーブルについて説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の先読み予告振分テーブルの一例を示す図である。(A)は該当する始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれの場合、(B)は大当りの場合である。
先読み予告振分テーブルには、リーチ系統情報ごとに、先読み予告態様及び対応する先読み予告態様の選択率が設定されている。
また、リーチの信頼度が高いほど期待度の高い先読み予告態様が選択されやすくなるように構成されている。また、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、より信頼度の高い先読み予告が実行されやすいようになっている。
〔変動中処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB1111)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1201の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、演出ボタン(PB、プッシュボタン)情報をクリアする(ステップB1202)。演出ボタン情報とは、演出ボタン17による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、可動体リクエストをセットする(ステップB1203)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明9や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1204)。変動パターン情報設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。
その後、主制御用マイコン710は、始動記憶消化演出設定処理を実行する(ステップB1205)。始動記憶消化演出設定処理は、可動役物70と連動した事前演出(先読み演出、先読み予告)の実行を制御するための処理である。始動記憶消化演出設定処理の詳細については、図18にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1206)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1207)。
さらに、主制御用マイコン710は、変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップB1208)、演出リクエストフラグをクリアする(ステップB1209)。その後、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1201の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(ステップB1211)。
主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(ステップB1211の結果が「Y」)、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1212)。その後、変動中処理を終了する。
〔始動記憶消化演出設定処理〕
続いて、前述した変動中処理における始動記憶消化演出設定処理(ステップB1205)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶消化演出設定処理の手順を示すフローチャートである。始動記憶消化演出設定処理では、役物と連動して先読み予告(事前演出)を実行するための制御を行う。
主制御用マイコン710は、まず、消化する始動記憶に対応する始動記憶表示で第3先読み予告が実行中であるかを確認し(ステップB1501)、第3先読み予告が実行中であるか否かを判定する(ステップB1502)。
主制御用マイコン710は、消化する始動記憶に対応する始動記憶表示で第3先読み予告が実行中でない場合には(ステップB1502の結果が「N」)、消化する始動記憶に対応する変動情報を確認する(ステップB1503)。そして、当該変動情報が大当り変動であるか否かを判定する(ステップB1504)。
主制御用マイコン710は、大当り変動が実行されない場合には(ステップB1504の結果が「N」)、始動記憶消化演出(始動記憶関連報知)の態様を選択するためのテーブルとして、第1演出選択テーブルを設定する(ステップB1505)。
一方、主制御用マイコン710は、比較的信頼度の高い第3先読み予告が実行中の場合(ステップB1502の結果が「Y」)、又は、大当り変動が実行される場合には(ステップB1504の結果が「Y」)、第2演出選択テーブルを設定する(ステップB1506)。
第1演出選択テーブル及び第2演出選択テーブルは、始動記憶消化演出(始動記憶関連報知)を通常消化領域(特定表示部)で実行するか、又は、役物消化領域(可動役物、演出装置)で実行するかを選択するためのテーブルである。なお、後述するように、第2演出選択テーブルのほうが第1演出選択テーブルよりも信頼度の高い演出が実行されやすいように構成されている。第1演出選択テーブル及び第2演出選択テーブルの具体例については、図19にて後述する。
最後に、主制御用マイコン710は、設定されたテーブルに基づいて始動記憶消化演出態様を選択する(ステップB1507)。その後、本処理を終了する。
〔演出選択テーブル〕
図19は、本発明の第1の実施の形態の演出選択テーブルを示す図である。(A)は第1演出選択テーブル、(B)は第2演出選択テーブルである。
(A)に示す第1演出選択テーブルは、前述のように、第3先読み予告が実行されておらず、かつ、大当り変動でない場合に選択される。すなわち、変動表示ゲームの期待度が小さい場合に選択されるため、始動記憶の消化が役物で行われない選択パターン1が70%の確率で選択され、(B)に示す第2演出選択テーブルが設定される場合よりも期待度(信頼度)の高い演出が実行されにくくなるように構成されている。
さらに、役物が非作動(弾丸を発射する演出を実行せずに回動のみ行う)、かつ、役物消化領域で始動記憶が消化される選択パターン2、役物が第1動作を行い、かつ、役物消化領域で始動記憶が消化される選択パターン3、役物が第2動作を行い、かつ、役物消化領域で始動記憶が消化される選択パターン4が実行される。各選択パターンの選択率は、15%、10%、5%となっている。
(B)に示す第2演出選択テーブルは、前述のように、大当りとなる期待度の高い第3先読み予告が実行されている場合、又は、大当り変動が実行される場合に選択される。すなわち、変動表示ゲームが大当りとなる期待度が高いことが報知されている場合、及び、大当りとなることが確定している場合に選択されるため、第1演出選択テーブルと比較して、期待度の高い演出が実行されやすくなっている。
具体的には、通常消化領域で始動記憶が消化される選択パターン1の選択率が15%となり、役物消化領域で始動記憶が消化される選択パターン2〜5の選択率が85%となっている。また、第2演出選択テーブルでは、大当りとなる期待度が非常に高い選択パターン5を選択可能となっている。なお、各選択パターンに対応する通常消化領域及び役物消化領域の態様の具体例については、図20〜図25を参照しながら説明する。
〔始動記憶関連報知の具体例〕
図20は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知における選択パターン1の一例を示す図である。
図20には、変動表示装置35の表示部35a及び可動役物(演出装置)70を示している。表示部35aには、第1始動記憶表示領域(所定の表示部)81、第2始動記憶表示領域(所定の表示部)82、通常消化領域(特定表示部)83、識別図柄表示領域85が表示される。可動役物(演出装置)70については、図21にて後述する。
第1始動記憶表示領域81は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによって発生した(第1)始動記憶を表示する領域である。同様に、第2始動記憶表示領域82は、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって発生した(第2)始動記憶を表示する領域である。
通常消化領域83は、所定の表示部(第1始動記憶表示領域81、第2始動記憶表示領域82)に表示された始動記憶が消化される際に対応する始動記憶消化演出(始動記憶関連報知)を行う特定表示部である。具体的には、変動表示ゲームの結果に対する期待度に応じて表示態様を切り替え、例えば、始動記憶表示とは異なる色で表示したり、特定の形状(アイテム、文字など)に変更したりする。識別図柄表示領域85には、変動表示ゲームにおける識別情報(図柄)が表示される。
始動記憶が消化される際に、消化対象となる始動記憶の表示を所定の表示部(第1始動記憶表示領域81又は第2始動記憶表示領域82)から消去するとともに、通常消化領域83にて、又は、可動役物によって始動記憶消化演出(始動記憶関連報知)を実行する。このように、演出制御装置700は、始動記憶表示手段として機能するとともに、始動記憶表示領域から始動記憶表示を消去する始動記憶表示消去手段としても機能する。また、演出制御装置700は、特定表事務の態様を制御する特定表示部制御手段として機能し、始動記憶関連報知全体の制御を行う始動記憶関連報知制御手段をなしている。
図21は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知における選択パターン2〜5共通の動作を示す図である。
選択パターン2〜5による始動記憶関連報知では、始動記憶を消化するときに、識別図柄(識別情報)の揺れ変動を行うとともに、可動役物70によって演出が実行され、その後、変動が開始される。すなわち、可動役物70による始動記憶関連報知では、通常の変動表示を行う前に、識別図柄の揺れ変動を行うように制御され、演出制御装置700は識別情報制御手段として機能する。
また、可動役物70による演出では、可動役物70が動作するか否かにかかわらず、対象の始動記憶が消化されるときに、可動役物70に備えられる発光装置74によって保留表示に対応した色で発光する。このとき、始動記憶表示の色よりも期待度の高いことを示す色で発光させるようにしてもよい。
また、表示部35aと可動役物70との間にLEDなどの発光部材を配置し、消化される始動記憶が可動役物70に誘導される演出を行うようにしてもよい。また、導火線のように、LEDが可動役物70に向かって順次点灯(及び消灯)して、始動記憶が移動するような演出を行ってもよい。
図22は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知における選択パターン2の動作を示す図である。
選択パターン2では、拳銃を模した可動役物70の発光装置74による発光を継続した後、可動役物70を表示部35aの方向に回動させ、画像による弾丸を表示し、当該弾丸を発射しようとする表示演出を実行する。このとき、弾丸が発射されずに、空砲となる演出が実行される。そのため、選択パターン2では、弾丸が発射される演出が実行される選択パターン3〜5の演出よりも期待度が小さくなっている。
図23は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知における選択パターン3の動作を示す図である。
選択パターン3では、拳銃を模した可動役物70が表示部35aの方向に回動し、通常の弾丸が発射される演出が実行される。このとき、発光装置74による発光は継続される。また、弾丸発射時には、スピーカー10から発射音が出力されるとともに、硝煙(弾丸発射時に生じる煙)が表示部35aに表示される。このとき、硝煙を立体表示し、立体深度を可動役物と表示部35aの表面との距離に基づいて決定することによって、より興趣を高めることができる。
また、弾丸発射後には、反動を示す演出を実行し、表示部35aとは反対の方向に回動させ、元の発射位置に戻すように構成してもよいし、徐々に発射位置に戻すようにしてもよい。
図24は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知における選択パターン4の動作を示す図である。
選択パターン4では、選択パターン3と同様に、拳銃を模した可動役物70が表示部35aの方向に回動し、弾丸が連射される演出が実行される。このとき、期待度に応じて発射される弾丸の数を変更してもよく、弾丸の装填数が遊技者に認識できるようにしてもよい。また、弾丸の発射と同期させるように発光装置74による発光を点滅させるようにしてもよい。さらに、発射される弾丸の数に合わせてスピーカー10から発射音を出力し、硝煙の数も発射される弾丸の数に合わせるようにする。また、反動を示す演出についても同様に発射された弾丸の数分だけ実行する。
図25は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知における選択パターン5の動作を示す図である。
選択パターン5では、選択パターン3と同様に、拳銃を模した可動役物70が表示部35aの方向に回動し、弾丸が連射される演出が実行されるが、発射される弾丸の威力が大きくなる演出が実行される。また、弾丸発射時に通常(例えば、選択パターン2の場合)よりも発射音を大きくしたり、発光装置74による発光時の光量を大きくするようにしてもよい。さらに、硝煙を大きく表示し、立体表示している場合には、役物よりも手前に硝煙が表示されるようにしてもよい。また、選択パターン2の場合と比較して大きな反動を示す演出を実行する。
さらに、可動役物70に備えられた発光装置74による点灯は、変動表示ゲームが終了するまで継続するようにしてもよい。また、実行中の変動表示が疑似連続変動の場合には、変動が開始されるたびに弾丸を発射するようにしてもよい。また、弾丸が発射されるたびに発光色を変更するようにしてもよい。
以上が本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知の態様である。さらに、上記で説明した始動記憶関連報知の別の表示例について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知の別の表示例を示す図である。
(A)は、通常消化領域83と、可動役物70の両方で始動記憶関連報知を行う例である。始動記憶が消化されるときに、通常消化領域83における始動記憶関連報知と可動役物70による始動記憶関連報知が並行して実行される。このように、可動役物(演出装置)による始動記憶関連報知以外にも、通常消化領域(特定表示部)83の表示態様の変化による予告演出を発生させることによって、始動記憶発生から始動記憶消化までの演出のバリエーションを多彩にすることが可能となり、興趣を高めることができる。
このとき、通常消化領域83における始動記憶関連報知と可動役物70による始動記憶関連報知とを関連付けて実行するようにしてもよい。例えば、通常消化領域83に向かって弾丸を発射する演出を実行し、命中した場合には大当りになるような演出を実行してもよい。
(B)は、通常消化領域83と、可動役物70とが連動して始動記憶関連報知を行う例である。始動記憶が消化されると、まず、通常消化領域83における始動記憶関連報知を実行し、その後(もしくは同時に)、通常消化領域83で可動役物70による始動記憶関連報知が実行されることを報知する。その後、可動役物70による始動記憶関連報知を実行する。
(C)は、可動役物70による始動記憶関連報知が実行される場合に、可動役物70が表示部35aの前面に移動し、識別情報や通常消化領域83の一部を隠す又は視認困難にするように制御する。このとき、可動役物70は取付ベース71と共に左右に移動可能に構成してもよいし、取付ベース71上を可動役物70が左右に移動可能となるようにしてもよい。
なお、図26(C)に示すように、始動記憶表示領域(81、82)及び通常消化領域83も同時に移動するようにしてもよく、このとき、通常消化領域83における始動記憶関連報知を連動させるようにしてもよい。このように構成することによって、可動役物70による演出をより着目させることが可能となる。
以上が始動記憶関連報知の具体的な態様の一例である。このように構成することによって、始動記憶関連報知が実行されていることを遊技者に認識させやすくできる。最後に、始動記憶関連報知による演出を、タイムチャートを参照しながら時系列順に説明する。
〔タイムチャート〕
図27は、本発明の第1の実施の形態の始動記憶関連報知の実行過程を説明するタイムチャートである。(A)は選択パターン1に対応し、(B)は選択パターン2〜5に対応する。
選択パターン1の始動記憶関連報知が実行される場合には、(A)に示すように、時刻t1に識別図柄の変動が開始されると共に、始動記憶が1つ消化される。そして、通常消化領域において時刻t1からt2の間、図20にて前述したように、始動記憶関連報知が実行される。その後、時刻t3において再び次の始動記憶が消化され、同様に、通常消化領域における始動記憶関連報知が実行される。
選択パターン2〜5の可動役物による始動記憶関連報知が実行される場合には、(B)に示すように、時刻t1に識別図柄の変動が開始されると共に、始動記憶が1つ消化される。識別図柄の変動は、最初に揺れ変動を開始し、その後、変動表示を行う。
また、識別図柄の揺れ変動を開始するタイミングで可動役物(演出装置)70を作動させる。可動役物70による始動記憶関連報知は、内部に備えられた発光装置74による演出と、駆動機構75によって作動する演出とがある。可動役物70による演出では、まず、発光装置74による演出が実行され、その後、駆動機構75によって役物を作動させる。なお、選択パターン2の場合には、駆動機構75によって役物を作動させる演出を実行しない。
さらに、揺れ変動中に弾丸を発射する演出を実行し、弾丸を発射するタイミングで識別図柄の変動表示を開始する(図23〜図25)。
〔第1の実施の形態の効果〕
本発明の第1の実施の形態によれば、第3先読み予告が実行されているか、開始される変動表示ゲームの結果が大当りであるかなどの条件に基づいて、変動開始時において始動記憶表示領域から始動記憶表示が消去された後にバリエーションに富んだ演出態様が実行されるため、始動記憶表示がされてから対応する始動記憶が消化されるまでに行われる演出の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、始動記憶表示に対する先読み予告(事前報知)によって期待感が高まっている状態で、さらに、始動記憶関連報知が実行されるので、始動記憶発生から始動記憶消化までの一連の演出による演出の興趣をより一層高めることができる。特に実物の演出装置によって始動記憶関連報知が実行されるので期待感を認識しやすく、説得力のある演出となる。
さらに、本発明の第1の実施の形態によれば、変動表示ゲームの結果が大当りとなるか否かによっても、始動記憶関連報知の実行態様が異なるように構成されているため、始動記憶関連報知が遊技者にとって重要な報知となり、始動記憶発生から始動記憶消化までの一連の演出のうち、特に、始動記憶が消化されるタイミングでの演出の興趣を高めることができる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、変動表示ゲームの結果が大当りとならない場合にも始動記憶関連報知が実行される、いわゆるガセが一定確率で発生すること、及び、始動記憶関連報知の態様としても大当りとなる信頼度が異なる複数の態様があるため、始動記憶関連報知の興趣を高めることができる。
(第1の実施の形態の変形例)
次に、第1の実施の形態の変形例について説明する。第1の実施の形態では、変動を開始する始動記憶に対して可動役物70による始動記憶関連報知を実行していたが、変形例では、始動記憶表示されている始動記憶の1つについて始動記憶関連報知を実行する。すなわち、実行前の変動表示ゲームの結果を示唆する先読み予告として機能する。
図28は、本発明の第1の実施の形態の変形例の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。なお、ステップB1410の処理までは、第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理と同じである。
主制御用マイコン710は、ステップB1410の処理で先読み予告振分テーブル及びリーチ系統情報に基づいて事前演出態様を選択すると、始動記憶表示位置を選択する抽選を行う(ステップB1421)。このとき、通常消化領域83又は可動役物70を使用せずに始動記憶表示の態様を変化させる通常の先読み予告(通常表示)を実行するか、通常消化領域83又は可動役物70を利用する先読み予告を実行するかについても決定する。
次に、主制御用マイコン710は、通常表示の先読み予告を実行するか否かを判定する(ステップB1422)。通常表示の先読み予告を実行する場合には(ステップB1422の結果が「Y」)、選択された事前演出態様を始動記憶領域に表示するように設定する(ステップB1411)。
一方、主制御用マイコン710は、通常表示の先読み予告を実行しない場合には(ステップB1422の結果が「N」)、選択された事前演出態様に基づいて、通常消化領域83又は可動役物70に始動記憶関連報知(先読み予告演出の表示)を設定する(ステップB1423)。さらに、始動記憶関連報知の対象となった始動記憶を明示するための補助表示を行う(ステップB1424)。
続いて、本発明の第1の実施の形態の変形例の始動記憶関連報知の態様について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の変形例の始動記憶関連報知の態様を示す図である。(A)は通常の先読み予告、(B)は演出装置(可動役物70)による先読み予告を示す。
(A)では、従来の先読み予告と同様に、第1始動記憶表示領域81の左側の始動記憶表示が網掛けとなっており、当該始動記憶表示に対応する変動表示ゲームにおいて期待度が高いことが報知されている。
(B)では、(A)の場合と同様に、第1始動記憶表示領域81の左側の始動記憶表示が先読み予告の対象となっており、対象となる始動記憶表示が点線で表示されている。さらに、可動役物70で先読み予告表示が行われていることを示すための補助表示として可動役物70の方向に向いている矢印が付されている。このとき、可動役物70は、発光装置74によって期待度に応じた色で発光している。また、先読み予告の対象となる始動記憶に基づく変動表示が開始されるタイミングで拳銃から弾丸が発射される演出が実行される。なお、変動開始時に発光装置74による発光色を変更するようにしてもよいし、先読み予告が実行される対象の始動記憶の前に始動記憶が消化されるたびに発光色を変更するように制御してもよい。
〔第1の実施の形態の変形例の効果〕
以上のように、本発明の第1の実施の形態の変形例によれば、始動記憶に基づく変動表示の開始時だけでなく、先読み予告として可動役物を利用した演出を実行することができる。したがって、表示装置と可動役物とが連動した演出を変動表示ゲームの期待度に関連させて実行することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、通常消化領域83又は可動役物70によって始動記憶関連報知を実行していたが、第2の実施の形態では、通常消化領域83における始動記憶関連報知の実行態様を拡張する実施形態について説明する。なお、以下では、前述した第1の実施の形態と相違する点を中心に説明し、第1の実施の形態と同一の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
〔先読みコマンド受信処理〕
図30は、本発明の第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。なお、ステップB1430の通常消化領域制御処理が最後に実行される以外は、第1の実施の形態の変形例の先読みコマンド受信処理(図28)と同じである。
主制御用マイコン710は、ステップB1411の処理又はステップB1424の処理が終了すると、通常消化領域制御処理を実行する(ステップB1430)。通常消化領域制御処理は、通常消化領域83における始動記憶関連報知の実行態様を制御する処理であり、先読みコマンド受信処理が実行されるごとに実行される。通常消化領域制御処理の詳細については、図31にて後述する。
〔通常消化領域制御処理〕
図31は、本発明の第2の実施の形態の通常消化領域制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、始動記憶数を確認し(ステップB1601)、始動記憶数が所定数(例えば、3)以上であるか否かを判定する(ステップB1602)。本発明の第2の実施の形態の通常消化領域制御処理では、所定数以上の始動記憶がある場合に通常消化領域に対する演出を実行する。したがって、主制御用マイコン710は、始動記憶数が所定数よりも少ない場合には(ステップB1602の結果が「N」)、本処理を終了する。
一方、主制御用マイコン710は、始動記憶数が所定数以上の場合には(ステップB1602の結果が「Y」)、各始動記憶に対応する始動口入賞演出図柄コマンドから各始動記憶の図柄情報を取得する(ステップB1603)。
さらに、主制御用マイコン710は、現在の通常消化領域の態様を確認し(ステップB1604)、現在の通常消化領域の態様が通常態様以外の態様(特定表示態様)であるか否かを判定する(ステップB1605)。
主制御用マイコン710は、現在の通常消化領域の態様が通常態様以外(特定表示態様)の場合には(ステップB1605の結果が「Y」)、態様変化中の通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1606)。この場合、既に特定表示態様となっている状態から別の種類の特定表示態様に変化する制御が行われる場合があるため、始動記憶関連報知が実行される通常消化領域の表示態様への遊技者の興味を持続させることができる。このように、演出制御装置700(主制御用マイコン710)は、変化中の通常消化領域の態様をさらに切り替えるか否かを判定する切替判定手段をなしている。
一方、主制御用マイコン710は、現在の通常消化領域の態様が通常態様の場合には(ステップB1605の結果が「N」)、大当りとなる始動記憶が含まれているか否かを判定する(ステップB1607)。大当りとなる始動記憶が含まれている場合には(ステップB1607の結果が「Y」)、大当り時の通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1608)。このとき、大当りとなる始動記憶が複数含まれている場合もあるが、少なくとも一つの始動記憶が大当りとなっていればよい。
主制御用マイコン710は、大当りとなる始動記憶が含まれていない場合には(ステップB1607の結果が「N」)、先読み予告を実行中かを確認し(ステップB1609)、先読み予告を実行中であるか否かを判定する(ステップB1610)。なお、複数の始動記憶で先読み予告が実行されている場合もあるが、少なくとも一つの始動記憶で先読み予告が実行されているか否かを判定すればよい。
主制御用マイコン710は、先読み予告を実行中でない場合には(ステップB1610の結果が「N」)、各始動記憶に対応する始動口入賞演出コマンドからリーチ系統情報を取得する(ステップB1611)。そして、所定のリーチが実行されるか否かを判定する(ステップB1612)。所定のリーチとは、比較的期待度の高いリーチであり、例えば、SP1リーチ以上のリーチである。所定のリーチが実行されない場合には(ステップB1612の結果が「N」)、期待度が高い始動記憶が存在しないため、始動記憶関連報知をせずに本処理を終了する。
主制御用マイコン710は、先読み予告を実行中の場合(ステップB1610の結果が「Y」)、又は、所定のリーチが実行される場合には(ステップB1612の結果が「Y」)、通常態様中の通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1613)。
以上の処理によって通常消化領域態様選択テーブルの設定が完了する。通常消化領域態様選択テーブルの詳細については、図32及び図33にて後述する。
続いて、主制御用マイコン710は、設定されたテーブルに基づいて、通常消化領域態様選択抽選を実行する(ステップB1614)。このように、演出制御装置700(主制御用マイコン710)は、通常消化領域の態様の種類を選択する種類選択手段をなしている。
さらに、主制御用マイコン710は、選択された態様で通常消化領域を表示する(ステップB1615)。最後に、記憶されている始動記憶を変化終了始動記憶として設定する(ステップB1616)。
以上のように、本発明の第2の実施の形態では、先読みコマンド受信処理が実行されるたびに通常消化領域制御処理が実行され、所定の条件に従って通常消化領域の態様を変化させるか否かが判断される。続いて、通常消化領域の態様について説明する。
〔通常消化領域態様〕
図32は、本発明の第2の実施の形態の通常消化領域83の態様の一覧を示す図である。本発明の第2の実施の形態の通常消化領域には、5種類の態様が定義されており、各態様では、通常消化領域83を変形させたり、移動させたりすることによって遊技者に報知する。
続いて、各態様について具体的に図37を参照しながら説明する。図37は、本発明の第2の実施の形態の通常消化領域の態様の一例を示す図である。通常消化領域態様1は、通常消化領域83を点滅させる(図37(A))。このとき、通常消化領域全体を点滅させてもよいし、通常消化領域に表示されている内容などを点滅させるようにしてもよい。通常消化領域態様2は、通常消化領域83を拡大させる(図37(B))。このとき、通常消化領域だけを拡大してもよいし、通常消化領域に表示されている内容と共に拡大してもよい。このように、通常消化領域83を拡大することによって視認しやすくなり、通常消化領域83が通常態様でないことを遊技者に認識させやすくなる。
通常消化領域態様3は、通常消化領域83を変形させる(図37(C))。大当りの期待度などに応じて形状を複数用意してもよい。通常消化領域態様4は、通常消化領域83を移動させる(図37(D))。例えば、識別図柄の上方に移動させてもよいし、表示部35aの内部を周回してもよいし、ランダムに移動するようにしてもよい。
通常消化領域態様5は、通常消化領域83の数を増加させる(図37(E))。本実施形態では、大当り確定の態様としているが、新たに追加された通常消化領域83に期待度を示す表示をしてもよいし、追加される通常消化領域83の数を期待度に応じて設定してもよい。例えば、もともと存在する通常消化領域83及び新たに追加された通常消化領域83のいずれかに始動記憶表示が移動するように制御し、特定の通常消化領域83で始動記憶が表示される演出が実行される場合に期待度が高くなるようにして、保留消化時の興趣を高めるようにしてもよい。
また、通常消化領域態様5では、通常消化領域83の態様を変化させることとなった始動記憶を増加した通常消化領域83で消化させるようにしてもよい。また、増加した通常消化領域83の態様に通常消化領域態様1〜4のいずれか又は重複して適用するようにしてもよい。
なお、本実施形態では、通常消化領域態様1から通常消化領域態様5まで順に期待度が高くなるように設定されており、前述のように、通常消化領域態様5では大当り確定となっている。
なお、その他の態様として、通常消化領域83を消滅させる態様としてもよい。このとき、第1の実施の形態のように、可動役物、すなわち、役物消化領域で始動記憶を消化するようにして、プレミアパターンとして大当り確定報知としてもよい。
このように、通常消化領域83の態様によって大当りとなる信頼度が異なるように構成されているため、始動記憶表示が変更されてから対応する始動記憶が消化されるまでに行われる演出の興趣をより一層高めることができる。
〔通常消化領域態様選択テーブル〕
次に、通常消化領域態様選択テーブルについて説明する。図33は、本発明の第2の実施の形態の通常消化領域態様選択テーブルの一例を示す図である。(A)は通常態様中、(B)は大当り時、(C)は既に通常消化領域の態様が変化している場合(変化中)を示している。
通常態様の場合は、大当りとなる始動記憶が含まれておらず、かつ、先読み予告が実行されていない状態であるため、すなわち、はずれが確定している状態であるため、(A)に示すように、90%の選択率で態様が変化しないように制御される。
(B)に示すように、大当り時の場合には、はずれの場合よりも期待度の高い態様で通常消化領域が変化しやすくなる。具体的には、60%の選択率で態様が変化する。大当り確定報知となる通常消化領域態様5の選択率を5%として、その他の態様については期待度が高い態様が選択されやすくなっている。
(C)に示すように、既に通常消化領域の態様が変化している場合には、実行中の態様と同じか期待度が高くなるように制御されやすくなっている。このように、期待度(信頼度)が高くなるように設定することで遊技者の期待感を減退させないようにすることが可能となる。なお、本実施形態では、確率は低いが、期待度が低くなるように変化することも起こりうるように設定されている。
〔変動中処理〕
次に、第2の実施の形態の変動中処理について説明する。図34は、本発明の第2の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。第1の実施の形態との相違点は、所定のタイミングで変動開始時に通常消化領域の態様を変化させる点である。
まず、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1201)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1201の結果が「Y」)、第1の実施の形態と同様に、ステップB1202からステップB1209までの処理を実行する。そして、ステップB1209の処理が終了すると、通常消化領域の態様を変化させる通常消化領域変動開始時制御処理を実行する(ステップB1220)。通常消化領域変動開始時制御処理の詳細については、図35にて後述する。
また、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1201の結果が「N」)、第1の実施の形態と同様に、ステップB1211及びステップB1212の処理を実行する。その後、大当り変動が終了するタイミングであるか否かを判定する(ステップB1230)。
主制御用マイコン710は、大当り変動が終了したのではない場合には(ステップB1230の結果が「N」)、終了した変動の始動記憶が変化終了始動記憶であったかを確認する(ステップB1231)。変化終了始動記憶とは、通常消化領域が変化した後に、通常態様に戻る契機となる始動記憶である。通常消化領域の態様を変化させる演出は、前述のように、所定数以上の始動記憶数となった場合に、所定の条件で実行され、演出開始時の始動記憶がすべて消化されると、通常の態様に戻される。
主制御用マイコン710は、終了した変動の始動記憶が変化終了始動記憶であったか否かを判定し(ステップB1232)、変化終了始動記憶でなかった場合には(ステップB1232の結果が「N」)、そのまま処理を継続するため、呼び出し元の処理に戻る。
一方、主制御用マイコン710は、大当り変動が終了した場合(ステップB1232の結果が「N」)、又は、消化した始動記憶が変化終了始動記憶であった場合には(ステップB1232の結果が「Y」)、通常消化領域を通常態様で表示する(ステップB1233)。
〔通常消化領域変動開始時制御処理〕
続いて、第2の実施の形態における変動中処理のステップB1220で実行される通常消化領域変動開始時制御処理について説明する。図35は、本発明の第2の実施の形態の通常消化領域変動開始時制御処理の手順を示すフローチャートである。この通常消化領域変動開始時制御処理を変動中処理において実行することで、変動開始のタイミングでも、通常消化領域の表示態様を変化させることができる。
主制御用マイコン710は、まず、現在の通常消化領域の態様を確認する(ステップB1701)。そして、通常消化領域の演出が通常態様以外の態様で実行中か否かを判定する(ステップB1702)。通常消化領域の演出が通常態様以外の態様で実行されている場合には(ステップB1702の結果が「Y」)、本処理を終了し、変動中処理に戻る。
一方、主制御用マイコン710は、通常消化領域が通常態様の場合には(ステップB1702の結果が「N」)、始動記憶数を確認する(ステップB1703)。そして、始動記憶数が所定数以下であるか否かを判定する(ステップB1704)。始動記憶数が所定数よりも多い場合には(ステップB1704の結果が「Y」)、通常消化領域制御処理によって通常消化領域の態様を変化させるため、本処理を終了し、変動中処理に戻る。
一方、主制御用マイコン710は、始動記憶数が所定数以下の場合には(ステップB1704の結果が「N」)、開始する変動の情報を確認する(ステップB1705)。そして、開始する変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB1706)。
主制御用マイコン710は、開始する変動表示ゲームの結果が大当りである場合には(ステップB1706の結果が「Y」)、大当り変動開始時の通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1707)。一方、開始する変動表示ゲームの結果が大当りでない場合には(ステップB1706の結果が「N」)、はずれ変動開始時の通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1708)。通常消化領域態様選択テーブルの詳細については、図36にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、設定された通常消化領域態様選択テーブルに基づいて、通常消化領域態様選択抽選を実行する(ステップB1709)。そして、選択された態様で通常消化領域を表示する(ステップB1710)。最後に、今回消化する始動記憶を変化終了始動記憶として設定する(ステップB1711)。
〔通常消化領域態様選択テーブル〕
続いて、通常消化領域の態様を選択するための通常消化領域態様選択テーブルについて説明する。図36は、本発明の第2の実施の形態の通常消化領域態様選択テーブルの一例を示す図である。(A)は、はずれ変動開始時、(B)は、大当り変動開始時の通常消化領域態様選択テーブルを示す。
(A)に示すように、はずれ変動開始時の場合には90%の選択率で通常態様のままで通常消化領域の表示を維持する。一方、大当り変動開始時には、70%の選択率で通常態様のままとし、30%の選択率で期待度の高い態様に変化させる。
変動開始時に通常消化領域の態様を変化させる場合には、始動記憶数が所定数以下で先読み演出が実行されていない場合に限られている。そして、先読みコマンドによる演出と異なり、対応する始動記憶の内容に基づいて当該変動の間だけ演出が実行されるように構成されている。
〔第2の実施の形態の効果〕
本発明の第2の実施の形態によれば、変動表示ゲームを実行前に対応する始動記憶に基づいて、変動開始時において始動記憶表示が消去された後の演出(始動記憶関連報知)が実行される領域の表示態様が変更されるので、始動記憶表示がなされてから対応する始動記憶が消化されるまでに行われる演出の興趣を高めることができる。
特に、複数の始動記憶が記憶されている場合に始動記憶関連報知が行われる場合には、いずれの始動記憶の実行情報に基づいて通常消化領域の態様が変更されたか認識しづらいので、当該複数の始動記憶全てに対して期待感を遊技者に持たせることができる。
さらに、複数の始動記憶が記憶されている場合に始動記憶関連報知を行うため、始動記憶関連報知を実行した時点で、いずれの始動記憶に基づく事前報知であるか認識しづらくなっており、特に、特定表示部の表示態様が通常表示態様から特定表示態様に切替わったタイミングで記憶されていた始動記憶が全て消化されるまでは特定表示態様が維持されるので、遊技者に期待感を持続させることができる。
(第2の実施の形態の変形例)
第2の実施の形態では、通常消化領域の態様を変化させることによって先読み予告を行っていた。第2の実施の形態の変形例では、大当り終了後、高確率状態で所定回数(ST回数、例えば、100回)の特図変動表示ゲームが実行されると、高確率状態から低確率状態に移行する、いわゆるST機を対象とする。そして、通常消化領域とともにST回数を表示する領域の態様を変化させることによって先読み予告を実行する。
〔先読みコマンド受信処理〕
図38は、本発明の第2の実施の形態の変形例の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態の変形例の先読みコマンド受信処理では、ステップB1410の処理の後に、ST回数報知態様制御処理(ステップB1440)を実行する点で第2の実施の形態と相違する。その他の処理については、図30に示した第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理と同じである。
なお、ST状態終了時に確率状態が高確率状態から低確率状態に変更されるため、始動記憶表示による先読み予告を実行しないように制御する。
ST回数報知態様制御処理では、高確率状態において通常消化領域制御処理と同様に、領域の態様を変化させる。具体的な処理の手順については、図39にて後述する。ST回数報知態様の具体例については、図42にて後述する。
図39は、本発明の第2の実施の形態のST回数報知態様制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技状態が高確率状態(ST状態)か否かを判定する(ステップB1801)。高確率状態でない場合には(ステップB1801の結果が「N」)、ST回数報知領域が非表示の状態になっているため、本処理を終了する。本実施形態では、ST状態の期間のみST回数報知領域が表示される。
一方、主制御用マイコン710は、遊技状態が高確率状態(ST状態)となっている場合には(ステップB1801の結果が「Y」)、発生した始動記憶の内容を確認する(ステップB1802)。このとき確認する始動記憶の内容は、ST状態で消化される始動記憶のみである。
そして、主制御用マイコン710は、当該始動記憶が大当りとなるか否かを判定する(ステップB1803)。大当りとなる場合には(ステップB1803の結果が「Y」)、大当り時のST回数報知態様選択テーブルを設定する(ステップB1804)。ST回数報知態様選択テーブルは、ST回数報知領域の態様を選択するためのテーブルである。ST回数報知態様選択テーブルの詳細については、図41にて後述する。
また、主制御用マイコン710は、当該始動記憶が大当りとならない場合には(ステップB1803の結果が「N」)、現在のST回数報知領域の態様を確認する(ステップB1805)。そして、通常態様以外の演出を実行中であるか否かを判定する(ステップB1806)。通常態様以外の演出を実行中の場合には(ステップB1806の結果が「Y」)、本処理を終了し、呼び出し元の先読みコマンド受信処理に戻る。
一方、主制御用マイコン710は、ST回数報知領域の態様が通常態様の場合には(ステップB1806の結果が「N」)、先読み予告が実行中であるか確認し(ステップB1807)、先読み予告を実行中であるか否かを判定する(ステップB1808)。
主制御用マイコン710は、先読み予告を実行中でない場合には(ステップB1808の結果が「N」)、各始動記憶に対応する始動口入賞演出コマンドから各始動記憶のリーチ系統情報を取得する(ステップB1809)。そして、所定のリーチ(例えば、SP1リーチ以上)を実行するか否かを判定し(ステップB1810)、実行しない場合には(ステップB1810の結果が「N」)、本処理を終了し、呼び出し元の先読みコマンド受信処理に戻る。
一方、主制御用マイコン710は、先読み予告を実行中である場合(ステップB1808の結果が「Y」)、又は、所定のリーチを実行する場合には(ステップB1810の結果が「Y」)、通常態様中のST回数報知態様選択テーブルを設定する(ステップB1811)。
主制御用マイコン710は、ST回数報知態様選択テーブルが設定されると、設定されたテーブルに基づいて、ST回数報知態様選択抽選を実行する(ステップB1812)。そして、対象となる始動記憶が消化されるまで、選択された態様でST回数を報知する(ステップB1813)。
〔ST回数報知態様〕
図40は、本発明の第2の実施の形態の変形例のST回数報知領域の態様の一覧を示す図である。本発明の第2の実施の形態の変形例のST回数報知領域には、通常消化領域の場合と同様に、5種類の態様が定義されている。
ST回数報知態様1は、ST回数報知領域を点滅させる。このとき、ST回数報知領域全体を点滅させてもよいし、ST回数報知領域に報知されている数字(ST回数)を点滅させるようにしてもよい。ST回数報知領域態様2は、ST回数報知領域を拡大させる。このとき、このとき、ST回数報知領域だけを拡大してもよいし、ST回数と共に拡大してもよい。
ST回数報知領域態様3は、ST回数報知領域を変形させる。大当りの期待度などに応じて形状を複数用意してもよい。ST回数報知領域態様4は、ST回数報知領域を移動させる。例えば、表示部35aの内部の各角を移動するようにしてもよいし、ランダムに移動するようにしてもよい。
ST回数報知領域態様5は、ST回数の表示を∞にする。ST回数報知領域態様5は大当りの確定を示す報知としている。なお、本実施形態では、ST回数報知領域態様1からST回数報知領域態様5まで順に期待度が高くなるように設定されている。
〔ST回数報知領域態様選択テーブル〕
続いて、ST回数報知領域の態様を選択するためのST回数報知領域態様選択テーブルについて説明する。図41は、本発明の第2の実施の形態の変形例のST回数報知領域態様選択テーブルの一例を示す図である。(A)は通常態様中、(B)は大当り時のST回数報知領域態様選択テーブルを示す。本発明の第2の実施の形態の変形例では、ST回数報知領域の態様を変化させると決定した場合には、必ず態様を変更するように制御される。
(A)に示すように、通常態様中の場合には、大当りの期待度が低いため、ST回数報知態様1が選択される可能性が高くなる。一方、大当り時の場合には、(B)に示すように、期待度の高い態様が選択されやすくなっている。なお、ST回数報知態様5は大当り確定のプレミアム演出であるため、選択率は低く設定されている。
〔ST回数報知領域態様表示〕
図42は、本発明の第2の実施の形態の変形例のST回数報知領域86の態様の一例を示す図である。第2の実施の形態の変形例では、表示部35aの左上部にST回数報知領域86が配置されており、図41に示したST回数報知領域態様選択テーブルに基づいて選択された態様にST回数報知領域86の態様を変化させる。具体的な変化の態様については、図37に示した通常消化領域83の態様と同様である。
〔第2の実施の形態の変形例の効果〕
本発明の第2の実施の形態の変形例によれば、ST回数報知領域86の態様を変化させることによって、第2の実施の形態と同様に、遊技者の期待感を高めることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、通常消化領域83(変形例にてST回数報知領域)における始動記憶関連報知の実行態様を拡張する実施形態について説明したが、第3の実施の形態では、さらに、通常消化領域の態様が始動記憶の期待度に対応して変化するように構成される。
〔通常消化領域態様〕
まず、図43及び図44を参照しながら、本発明の第3の実施の形態の通常消化領域の態様について説明する。本実施形態では、消化された保留の期待度に応じて態様が変化する。
図43は、本発明の第3の実施の形態の通常消化領域の態様の一例を示す図である。本実施形態の通常消化領域には、3種類の態様が定義されている。また、通常消化領域の位置は、第1又は第2の実施形態のように移動可能に構成してもよいが、本実施形態では固定とする。また、図44は、本発明の第3の実施の形態の通常消化領域の態様の移行パターンを示す図である。
通常消化領域態様6は、三角形の形状となっており、消化された始動記憶による変動表示ゲームでリーチとなる期待度の高い特性を有している。通常消化領域態様7は、五角形の形状となっており、消化された始動記憶による変動表示ゲームで大当りとなる期待度の高い特性を有している。通常消化領域態様8は、星形の形状となっており、消化された始動記憶による変動表示ゲームで確変大当りとなる期待度の高い特性を有している。なお、通常態様は、正方形となっている(図44参照)。
図44を参照しながら移行パターンについて説明すると、通常態様からは通常消化領域態様6及び通常消化領域態様8に移行可能となっている。また、通常態様から通常消化領域態様7には移行しないように制御される。同様に、通常消化領域態様6から通常消化領域態様8、通常消化領域態様7から通常態様、通常消化領域態様8から通常消化領域態様6には移行できないようになっている。
なお、通常消化領域態様に対応して状態の確定報知(例えば、大当り確定の報知)を行う場合には、移行可能な態様にあらかじめ態様を変化させておくように制御する必要がある。
〔先読みコマンド受信処理〕
図45は、本発明の第3の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。第3の実施の形態の先読みコマンド受信処理では、ステップB1431の通常消化領域制御処理の前に、確率状態を確認し(ステップB1450)、確率状態が高確率状態でない場合にのみ通常消化領域制御処理を実行する点で第2の実施の形態と相違する。その他の処理については、図30に示した第2の実施の形態の先読みコマンド受信処理と同じである。
このように、第3の実施の形態では、確率状態が高確率状態でない場合には、第2の実施の形態と同様に通常消化領域制御処理を実行し、高確率状態の場合には、前述のように消化された始動記憶による変動表示ゲームの期待度によって通常消化領域の態様を変化させる演出を行っている。
〔変動中処理〕
次に、第3の実施の形態の変動中処理について説明する。図46は、本発明の第3の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態との相違点は、変動開始時に当該変動の期待度に応じて通常消化領域の態様を変化させる通常消化領域制御処理2を毎回実行する点である。
すなわち、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1201の結果が「Y」)、第2の実施の形態と同様に、ステップB1202からステップB1220までの処理を実行する。そして、ステップB1220の処理が終了すると、変動表示ゲームの期待度に応じて通常消化領域の態様を変化させる通常消化領域制御処理2を実行する(ステップB1220)。通常消化領域制御処理2の詳細については、図47にて後述する。
また、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(ステップB1201の結果が「N」)、第2の実施の形態と同様に、ステップB1211からステップB1233の処理を実行する。
〔通常消化領域制御処理2〕
図47は、本発明の第3の実施の形態の通常消化領域制御処理2の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、現在の確率状態を確認する(ステップB1901)。そして、確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップB1902)。そして、本実施形態では、高確率状態でない場合(ステップB1902の結果が「N」)、通常消化領域の態様を始動記憶の期待度に対応して移行させる処理は行わないため、本処理を終了し、変動中処理に戻る。
一方、主制御用マイコン710は、確率状態が高確率状態である場合には(ステップB1902の結果が「Y」)、各始動記憶に対応する事前演出コマンドを確認する(ステップB1903)。そして、大当りとなる始動記憶が含まれているか否かを判定する(ステップB1904)。
主制御用マイコン710は、大当りとなる始動記憶が含まれている場合には(ステップB1904の結果が「Y」)、大当りの種類が確変大当りであるか否かを判定する(ステップB1905)。
主制御用マイコン710は、大当りの種類が確変大当りである場合には(ステップB1905の結果が「Y」)、確変大当り用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1906)。一方、大当りの種類が確変大当りでない場合には(ステップB1905の結果が「N」)、通常大当り用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1907)。確変大当り用及び通常大当り用の確変中通常消化領域態様選択テーブルの詳細については、図49にて説明する。
また、主制御用マイコン710は、大当りとなる始動記憶が含まれていない場合には(ステップB1904の結果が「N」)、リーチを発生させる始動記憶が含まれているか否かを判定する(ステップB1908)。リーチを発生させる始動記憶が含まれている場合には(ステップB1908の結果が「Y」)、リーチあり用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1909)。リーチを発生させる始動記憶が含まれていない場合には(ステップB1908の結果が「N」)、リーチなし用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1910)。なお、リーチあり用及びリーチなし用の確変中通常消化領域態様選択テーブルの詳細については、図48にて説明する。
主制御用マイコン710は、確変中通常消化領域態様選択テーブルの設定が完了すると、設定されたテーブルに基づいて、通常消化領域態様選択抽選を実行する(ステップB1911)。さらに、選択された態様で通常消化領域の表示を更新する(ステップB1912)。
〔確変中通常消化領域態様選択テーブル〕
続いて、図48及び図49を参照しながら、確変中通常消化領域態様選択テーブルについて説明する。図48は、本発明の第3の実施の形態の始動記憶に大当りが含まれていない場合の確変中通常消化領域態様選択テーブルの一例を示す図である。(A)はリーチが発生しない場合、(B)はリーチが発生する場合を示している。
図49は、本発明の第3の実施の形態の始動記憶に大当りが含まれている場合の確変中通常消化領域態様選択テーブルの一例を示す図である。(A)は通常大当りが発生する場合、(B)は確変大当りが発生する場合を示している。
確変中通常消化領域態様選択テーブルは、現在の態様、移行先の態様(移行先モード)及び振分(選択率)によって構成される。図44にて説明したように、現在の態様からすべての態様に移行可能ではなく、特定の態様にのみ移行可能となっている。
図48(A)は、始動記憶に大当りが含まれておらず、さらに、リーチが発生しない場合に設定される確変中通常消化領域態様選択テーブルである。この場合には、遊技者の期待感をいたずらに煽らないように、通常態様に移行する確率が高くなるように振分が設定されている。例えば、現在の態様が通常態様の場合には、他の態様に移行せずに、85%の振り分けで通常態様のままとなる。通常消化領域態様6及び通常消化領域態様8の場合についても80%の振り分けで通常態様に移行する。なお、通常態様に直接移行できない通常消化領域態様7の場合には、50%の確率で通常消化領域態様7を維持するように設定されている。
図48(B)は、始動記憶に大当りが含まれていないが、リーチが発生する場合に設定される確変中通常消化領域態様選択テーブルである。この場合は、通常消化領域態様6に対応するため、通常消化領域態様6に移行する確率が高くなるように振り分けが設定されている。なお、通常消化領域態様6に直接移行できない通常消化領域態様8の場合には、変動表示ゲームの結果がはずれになるため、遊技者の期待感を煽りすぎないように、通常態様に80%の確率で移行するように設定されている。
図49(A)は、始動記憶に通常大当りが含まれている場合に設定される確変中通常消化領域態様選択テーブルである。この場合には通常消化領域態様7に対応するが、図48に示した変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合と比較して態様が維持される場合が多くなっている。例えば、通常消化領域態様6及び通常消化領域態様8の場合には、態様を変化させない場合が最も高くなるように振り分けが設定されている。また、通常消化領域態様7に移行できない通常態様の場合には、大当りとなる場合にはリーチが発生するので、通常消化領域態様6に移行する確率が高く設定されている。
図49(B)は、始動記憶に通常大当りが含まれている場合に設定される確変中通常消化領域態様選択テーブルである。この場合には通常消化領域態様8に対応するが、通常大当りの場合と同様に、比較的態様が維持される場合が多くなるように設定されている。また、通常態様の場合には、確変大当りを示唆する通常消化領域態様8よりも高い確率でリーチが発生することを示唆する通常消化領域態様6に移行する。
〔画面遷移〕
続いて、本発明の第3の実施の形態の画面遷移について図50及び図51を参照しながら説明する。図50及び図51は、本発明の第3の実施の形態の始動記憶関連報知の画面遷移の一例を示す図である。
本発明の第3の実施の形態では、高確率状態の場合に通常消化領域83の態様を変化させる演出を行うため、図50及び図51に示す画面遷移は高確率状態におけるものとなっている。また、高確率状態であるため、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞しやすくなっており、特図2変動表示ゲームが実行されやすくなっている。
(A)では、新たに始動記憶が消費され、変動表示ゲームが開始された状態である。このとき、通常消化領域83の態様は通常態様となっており、(B)に示すように、通常消化領域83の態様は変化しない。そして、(C)において第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し、始動記憶が追加される。
続いて、(D)に示すように、次の変動表示ゲームが開始される直前に、通常消化領域83の態様が通常態様から通常消化領域態様6に変化し、次に実行される変動表示ゲームでリーチが発生する可能性が高いことを報知する。その後、(E)及び(F)に示すように、変動表示ゲームが実行される。
〔第3の実施の形態の効果〕
以上のように、本発明の第3の実施の形態によれば、高確率状態の場合に変動表示ゲームが開始される直前に通常消化領域の態様を変化させることによって当該変動表示ゲームの期待度を報知することによって、遊技者に期待感を与えることができる。また、高確率状態でない場合には、第2の実施の形態と同様に通常消化領域の態様を変化させることによって実行中の変動表示ゲームではなく、すべての始動記憶に対する期待度の報知を行うことができる。したがって、高確率状態のように各始動記憶に対する期待度が高い場合には個別の報知を可能としながら、期待度の低い通常状態の場合には始動記憶全体に対する期待度の報知を行うことが可能となる。
(第3の実施の形態の変形例)
以上説明した第3の実施の形態の普図ゲーム反映演出の他にも様々な変形例が考えられ、以下、これらの変形例について説明する。
〔第1変形例〕
図52は、本発明の第3の実施の形態の第1変形例の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。第3の実施の形態の先読みコマンド受信処理とは、現在の確率状態が高確率状態の場合に(ステップB1451の結果が「Y」)、通常消化領域制御処理3を実行する(ステップB1452)点で相違する。通常消化領域制御処理3は、通常消化領域制御処理2と同様の処理を実行するが、先読みコマンド受信処理で実行されるため、保留発生直後(始動入賞口に遊技球が入賞した直後)に通常消化領域の態様が変化する。通常消化領域制御処理3の詳細は、図53にて後述する。
図53は、本発明の第3の実施の形態の第1変形例の通常消化領域制御処理3の手順を示すフローチャートである。本発明の第3の実施の形態の第1変形例では、1回の変動表示ゲームで頻繁に通常消化領域の態様が変化すると、遊技者が混乱してしまうおそれがあるため、通常消化領域の態様が変化した後、実行中の変動表示ゲームが終了するまでは通常消化領域の態様が再度変化されることを禁止する。
主制御用マイコン710は、まず、通常消化領域の態様の変化が禁止されているか否かを判定する(ステップB1920)。通常消化領域の態様の変化が禁止されている場合には(ステップB1920の結果が「Y」)、本処理を終了し、先読みコマンド受信処理に戻る。
主制御用マイコン710は、通常消化領域の態様の変化が禁止されていない場合には(ステップB1920の結果が「N」)、今回発生した始動記憶に対応する事前演出コマンドの内容を確認する(ステップB1921)。そして、当該始動記憶による変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB1922)。
主制御用マイコン710は、今回発生した始動記憶が大当りとなる場合には(ステップB1922の結果が「Y」)、大当りの種類が確変大当りであるか否かを判定する(ステップB1923)。
主制御用マイコン710は、大当りの種類が確変大当りである場合には(ステップB1923の結果が「Y」)、確変大当り用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1924)。一方、大当りの種類が確変大当りでない場合には(ステップB1923の結果が「N」)、通常大当り用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1925)。
また、主制御用マイコン710は、今回発生した始動記憶が大当りでない場合には(ステップB1922の結果が「N」)、リーチを発生させるか否かを判定する(ステップB1926)。リーチを発生させる場合には(ステップB1926の結果が「Y」)、リーチあり用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1927)。リーチを発生させる始動記憶が含まれていない場合には(ステップB1926の結果が「N」)、リーチなし用の確変中通常消化領域態様選択テーブルを設定する(ステップB1928)。なお、確変中通常消化領域態様選択テーブルについては、図48及び49に示した第3の実施形態の場合と同様である。
主制御用マイコン710は、確変中通常消化領域態様選択テーブルの設定が完了すると、設定されたテーブルに基づいて、通常消化領域態様選択抽選を実行する(ステップB1929)。さらに、選択された態様で通常消化領域の表示を更新する(ステップB1930)。最後に、実行中の変動表示ゲームにおいて通常消化領域の態様が再度変化されることを禁止する(ステップB1931)。なお、実行中の変動表示ゲームが終了すると、変更の禁止が解除される。
このように、第3の実施の形態の第1変形例では、保留発生直後に通常消化領域の態様が変化するため、変動表示ゲームが開始される前に発生した始動記憶に対する期待度を高めることができる。なお、第3の実施の形態の第1変形例では、第3の実施の形態と同様の確変中通常消化領域態様選択テーブルを利用することとしているが、異なる確変中通常消化領域態様選択テーブルを使用して、保留発生直後に通常消化領域の態様を変更する場合と、変動開始時に通常消化領域の態様を変更する場合とで報知する精度を変更するようにしてもよいし、別の領域を用意してそれぞれ並行して報知を行うようにしてもよい。
〔第2変形例〕
続いて、第2の変形例について説明する。第2の変形例では、通常消化領域の態様を変化させるとともに、先読み予告の態様を変化させる。そして、通常消化領域と先読み予告の態様を組み合わせることによって1の態様を形成する。
図54は、本発明の第3の実施の形態の第2変形例における通常消化領域及び先読み予告の態様の一例を示す図である。(A)は通常消化領域の態様、(B)は先読み予告の態様である。また、図55は、本発明の第3の実施の形態の第2変形例における通常消化領域と先読み予告とを組み合わせた態様の一例を示す図である。
図55(A)に示すように、通常消化領域が通常消化領域態様9に変化した場合には、第4先読み予告態様に始動記憶表示が変化することによって、星形の形状となり、期待度が高くなる。同様に(B)に示すように、先読み予告態様と、通常消化領域態様とで一の態様をなす場合には期待度が高くなるように構成されている。
また、(C)に示すように、一連の文字列が完成すると期待度が高くなるようにしてもよい。また、文字列の内容に応じて期待度を変更するようにしてもよく、「大当り」の文字列が完成した場合には、これを大当り確定報知としてもよいし、期待度に応じた文字列を用意してもよい。
〔第3変形例〕
続いて、第3の変形例について説明する。第3の変形例では、第2の変形例と同様に、通常消化領域の態様を変化させるとともに、先読み予告の態様を変化させる。そして、通常消化領域と先読み予告の態様を組み合わせることによって一の態様を形成するが、特定の組合せの場合に期待度が高くなるようになっている
図56は、本発明の第3の実施の形態の第3変形例における通常消化領域及び先読み予告の態様の一例を示す図である。(A)は通常消化領域の態様、(B)は先読み予告の態様である。
図56に示すように、通常消化領域態様12には分割された領域の一方にキャラクタが表示され、他方の領域にカップルとなるキャラクタに対応する第7先読み予告のキャラクタが表示されることによって期待度が高くなるようになっている。
同様に、通常消化領域態様13には動物の胴体部分が表示され、先読み予告において胴体に対応する頭部が表示されると、1体の動物となる。図56では、パンダの胴体に対して、パンダの顔の態様となっている第9先読み予告が表示されると期待度が高くなる。
〔第3の実施の形態の第2変形例及び第3変形例の効果〕
以上のように、第2変形例及び第3変形例によれば、通常消化領域の態様が変化した後、さらに、始動記憶表示の態様がどのように変化するかを遊技者に期待させることができ、興趣をより高めることが可能となる。
また、始動記憶表示と始動記憶関連報知が実行される領域とが組み合わされることによって一の表示態様を認識可能となるため、始動記憶関連報知が実行されていることを遊技者に認識させやすくなる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。