〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態による遊技機について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技者が遊技盤に向かって見た方向を指すものとする。
図1を参照して、本発明の第1実施形態による遊技機1を説明する。図1は、遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放すれば、遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放すれば、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図4参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図4参照)と、を備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を回転駆動するように制御される。
なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図4参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図3参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図3参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図3参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの入力操作を受け付けるための演出ボタン17(操作部)が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
演出ボタン17の左右両脇には、遊技者が操作可能なセレクトボタン29が配設されている。セレクトボタン29は、各種条件等を選択する時に使用されるボタンである。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の板部材である。遊技盤30の表面には、区画部材としてのガイドレール32が配設され、略円形状の遊技領域31が区画形成される。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口30a(図5参照)が形成され、センターケース34はその開口30aに遊技盤30の前方から嵌装される。遊技領域31は、センターケース34によって左右の遊技領域に隔てられており、遊技球がセンターケース34の右側方を流下可能な右遊技領域と、遊技球がセンターケース34の左側方を流下可能な左遊技領域とから構成されている。
センターケース34には、左遊技領域を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路80と、ワープ通路80を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を再び遊技領域31へと誘導するステージ部90とが設けられる。
遊技盤30の裏面には、変動表示装置35を備える制御ベースユニット60(図5参照)が配設される。変動表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示画面35aを有する。制御ベースユニット60は、動作演出や発光演出を実行可能な可動装飾ユニット70、発光演出装置100(図18参照)、画面分割装置200(図18参照)等をさらに備えている。これら可動装飾ユニット70や発光演出装置100、画面分割装置200の詳細構成については後述する。
センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示画面35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示画面35aはセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。変動表示装置35の表示画面35aは任意の画像を表示可能な液晶表示画面であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示画面35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの表示領域)を有しており、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。
センターケース34の右側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36(遊技球検出部)が配設される。普図始動ゲート36は、センターケース34に一体形成されている。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bと、を備える。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材37cを備えている。開閉部材37cは、いわゆる普通電動役物であって、通常状態においては閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図3参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい入賞容易状態(遊技者にとって有利な状態)となる。開閉部材37cは、遊技制御装置600(図3)によって制御される。遊技制御装置600は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、特定遊技状態としての普電サポート状態を発生させる。
始動入賞口37の左側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口33が三つ配設され、始動入賞口37の右側方の遊技領域31には遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口33が一つ配設される。
第1始動入賞口37aと右側の一般入賞口33との間の遊技領域31には、変動入賞装置38が設けられる。変動入賞装置38は、大入賞口と、大入賞口ソレノイド28(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して大入賞口を開放可能とするアタッカ形式の開閉扉38aと、を備える。変動入賞装置38は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するように構成されている。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口37等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車や障害釘等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口39が配設される。
また、遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)における特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームにおける普図の変動表示、普図変動表示ゲームの始動記憶数としての普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数等を表示する状態表示器40が配設される。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール32の内周壁に沿って区画された発射球案内通路41を通って遊技領域31内に発射され、障害釘等の方向変換部材に衝突して落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路41はガイドレール32と内レール42とによって形成されており、発射球案内通路41の出口に位置する内レール42の端部には弁体43が設けられる。弁体43の下端は内レール42に固定され、弁体43は発射球案内通路41の出口を塞ぐように配設される。弁体43は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路41から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路41への遊技球の逆流を規制する。
遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の左側を通って流下するように打ちだすこと)又は右打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の右側を通って流下するように打ちだすこと)を行うように構成されている。遊技機1では、遊技開始直後等の通常遊技状態では遊技者によって左打ちが行われ、大当り遊技状態や普電サポート状態、時短状態では遊技者によって右打ちが行われる。
左打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の左側遊技領域を流下して、第1始動入賞口37aや第1始動入賞口37aの左側方に配設された一般入賞口33に入賞するか、アウト口39から遊技機1の外部に排出される。ワープ通路80を通ってステージ部90に導かれた遊技球も第1始動入賞口37aに入賞したり、第1始動入賞口37aの左側方の一般入賞口33に入賞したりする。なお、一般入賞口33や第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
第1始動入賞口37aに遊技球が入賞すると、状態表示器40で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35の表示画面35aには、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームや飾り特図変動表示ゲームに関する画像等が表示される。
第1始動入賞口37aへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、飾り特図変動表示ゲームは三つの識別情報が揃った状態で停止する。この場合には、変動入賞装置38の開閉扉38aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。
大当り遊技状態中は、遊技球を変動入賞装置38の大入賞口へ入賞させるために、遊技者は右打ちを行うことになる。右打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の右遊技領域を流下する。変動入賞装置38の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、第1特図変動表示ゲームが大当りとなった場合にはラウンド数は例えば2回に設定される。
なお、大当り遊技状態後に遊技状態が普電サポート状態や時短状態となる場合にも、遊技機1では右打ちが行われる。時短状態は、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲーム)が所定回数行われるまで継続される。
右遊技領域を流下した遊技球が普図始動ゲート36を通過すると、状態表示器40で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート36への遊技球の通過が所定タイミングでなされた場合には普図変動表示ゲームの結果が当りとなる。この場合には、普電ソレノイド27(図3参照)によって開閉部材37cが開かれ、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、状態表示器40で第2特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35の表示画面35aには、三つの数字等で構成される識別情報が順に変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームや飾り特図変動表示ゲームに関する画像等が表示される。
第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、飾り特図変動表示ゲームは三つの識別情報が揃った状態で停止する。この場合には、変動入賞装置38の開閉扉38aが開いて、大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。第2特図変動表示ゲームが大当りとなった場合には、ラウンド数は例えば15回に設定される。
なお、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞すると、対応する数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
上記の通り、遊技機1では、遊技者が左打ち又は右打ちを行いながら遊技が進行する。変動表示装置35の表示画面35aには、遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように左打ち又は右打ちの指示が表示される。
次に、図3及び図4を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。
図3は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図4は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図3に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630と、を備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口33に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ25及びガラス枠開放検出スイッチ26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器40等から構成される一括表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの総変動表示時間(実行時間)、演出内容、リーチ発生の有無等を規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な変動表示装置35を有し、変動表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチとは、変動表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチに含まれる。また、リーチ状態とは、変動表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示画面35aにおける左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ(リーチ状態)となる。この他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ノーマルロングリーチ(Nロングリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアムリーチ等が設定されている。リーチ演出の信頼度は、リーチなし<Nリーチ<Nロングリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるように設定されている。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(各種の乱数値等)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は変動入賞装置38の開閉扉38a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器40等から構成されている。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、ドライバ633cはポート631dと接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、ドライバ633bはポート631cと接続している。一括表示装置のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800と接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチを備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図4に示すように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備える。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に対して出力映像の内容の指示をしたり、音源LSI705への再生音の指示をしたりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める各種演出装置70、100、200等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ入力回路750、及び上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
図5を参照して、遊技機1のセンターケース34及び制御ベースユニット60について説明する。図5は、遊技盤30、センターケース34、及び制御ベースユニット60の斜視図である。
図5に示すように、センターケース34は遊技盤30の前面に配設され、制御ベースユニット60は遊技盤30の裏面に配設される。
制御ベースユニット60は、遊技盤30の裏面に取り付けられる枠状の制御ベース61と、制御ベース61の裏面に設置される変動表示装置35と、制御ベース61の前面に設置される可動装飾ユニット70、発光演出装置100、画面分割装置200(図18参照)とを備える。
制御ベース61には、可動装飾ユニット70や発光演出装置100、画面分割装置200が収容される収容部61aと、変動表示装置35の表示画面35aが臨む開口部61bとが形成される。
センターケース34は、開口部34aを有する異形リング状部材であり、合成樹脂によって形成されている。センターケース34は、遊技盤30に形成された開口30a(取付開口部)を介して遊技盤30の前面に取り付けられる。
遊技盤30にセンターケース34及び制御ベースユニット60が設置されて状態では、変動表示装置35の表示画面35aは開口部34a及び開口部61bを介して視認可能となっている。
<センターケース>
図6〜図11を参照して、センターケース34の詳細について説明する。
図6は、センターケース34の前方斜視図である。図7は、センターケース34の一部分解斜視図である。図8(A)はセンターケース34が設置される遊技盤30の正面図であり、図8(B)は遊技盤30の膨出部30b近傍の拡大図である。図9(A)は普図始動ゲート36の上方位置における遊技機1の水平断面図であり、図9(B)は露出開口52近傍のセンターケース34の後方斜視図である。図10(A)及び図10(B)は、センターケース34に設けられる装飾部材55の前方斜視図及び後方斜視図である。図11は、装飾部材55の縦断面図である。
図6及び図7に示すように、センターケース34は、遊技盤30に形成された開口30a(図5参照)に嵌装される嵌装部34bと、嵌装部34bに対して鍔状に形成される鍔部34cと、遊技球が転動可能なガイド部34dと、遊技状態に応じて発光演出を実行可能なロゴユニット34eと、を備える。センターケース34は、鍔部34cよりも前側が遊技領域31内に配設される。
上記したセンターケース34は、右側遊技領域の一部を構成するように遊技盤30の表面を覆う被覆部51と、遊技球が転動可能な転動面91を有するステージ部90と、左側遊技領域を流下する遊技球をステージ部90に導くワープ通路80と、をさらに備える。
被覆部51は、センターケース34の右側部に一体的に設けられており、右側遊技領域の所定範囲における遊技盤30の表面を覆うように形成される。被覆部51の下部には、遊技球が通過可能な普図始動ゲート36が一体形成される。
普図始動ゲート36の上方位置における被覆部51には、遊技盤30を露出させるための露出開口52が形成される。
図8(A)及び図8(B)に示すように、遊技盤30は、被覆部51の露出開口52に対応する位置に、開口30aの内側縁から中央に膨出する膨出部30bを有している。遊技盤30にセンターケース34を設置した状態では、露出開口52に位置する部分の膨出部30bが露出する。このように露出開口52を介して露出した膨出部30bには、遊技球の流下方向を変換可能な障害釘53が配設される。図8(B)においては障害釘53は3本配設されているが、障害釘53の配設本数は3本に限られず必要に応じて任意の数に設定される。また、障害釘53ではなく、流下方向変換部材の一つである風車等を配設してもよい。
このように普図始動ゲート36の上方の被覆部51に露出開口52を形成し、露出開口52を介して露出した膨出部30bに障害釘53を設けるので、普図始動ゲート36等を一体的に備える大型のセンターケース34を遊技盤30に設置した場合であっても、普図始動ゲート36に流入する直前の遊技球の流下方向を変更でき、遊技球の流下が単調になることを防止することができる。これにより遊技機1における遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、センターケース34に普図始動ゲート36を一体的に備えるようにしたが、例えば、第1始動入賞口37aをセンターケース34に一体的に備えるようにしてもよい。ただし、この場合、第1始動口スイッチ601はセンターケース34に備えずに、他の入賞口スイッチ等とまとめて設けるようにしてもよい。
膨出部30bは被覆部51の露出開口52よりも大きく形成されており、図9(A)に示すように、露出開口52の周囲の被覆部51は遊技盤30の膨出部30bと重なるようになっている。そして、露出開口52の左右両側に位置する被覆部51と膨出部30bとの重なり部分において、センターケース34の被覆部51と遊技盤30の膨出部30bとがねじ止めされる。図9(B)に示すように、露出開口52の左右両側に位置する被覆部51には、ねじを挿入するための挿入孔51aが形成されている。
このように露出開口52の左右両側で被覆部51を膨出部30bにねじ止めすることで、露出開口52の開口縁と膨出部30bとの間に浮きが生じることを防止でき、露出開口52を通過する遊技球を滑らかに流下させることができる。
なお、図2及び図6に示すように、センターケース34の右側であって露出開口52よりも上方の被覆部51は、遊技球が右側遊技領域の外縁に沿って流下可能なように、遊技球一つ分が通過可能な幅を持って形成されている。これによりセンターケース34をできる限り大型化しつつ、センターケース34の右側遊技領域を確保することができる。
また、図6及び図7に示すように、普図始動ゲート36の下方の被覆部51には、遊技球が転動可能な転動壁54が立設されている。転動壁54は、下向きに凸となるように円弧状に形成された壁部材である。転動壁54に流下した遊技球は、転動壁54の上面を転動し、変動入賞装置38(図2参照)の右上方の遊技領域31に誘導される。転動壁54よりも下方の被覆部51には装飾部材55が設置される。
図10(A)及び図10(B)に示すように、装飾部材55は、転動壁54の前面を装飾する装飾部55aと、転動壁54に下側から当接して転動壁54を支持する支持部55bと、を備える。図11に示すように、装飾部材55の支持部55bは上向きに凸となるように円弧状に形成されており、装飾部材55が被覆部51に設置された状態では支持部55bの円弧面の一部が転動壁54の下面に当接する。なお、装飾部材55の支持部55bが転動壁54に当接する位置は、普図始動ゲート36を通過した遊技球が転動壁54に落下する位置と対応するように設定されている。
このように転動壁54の下方に装飾部材55を配設することで、装飾部55aによって転動壁54の装飾性を改善しつつ、支持部55bによって転動壁54の部材強度を高めることができる。
次に、図6、図7、図12〜図15を参照して、センターケース34に設けられるワープ通路80及びステージ部90について説明する。
図12(A)及び図12(B)は、センターケース34に設置されるワープ通路80の側面図及び背面図である。図13(A)は、ステージ部90と案内部材85の正面図である。図13(B)は案内部材85を設置した場合におけるステージ部90の平面図であり、図13(C)は案内部材85を取り外した場合におけるステージ部90の平面図である。図14(A)は、案内部材85の平面図である。図14(B)は案内部材85の側面図であり、図14(C)は図14(B)のC−C面における案内部材85の縦断面図である。図15は、センターケース34の後方斜視図である。
図6及び図7に示すように、ワープ通路80は、遊技領域31を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くように通路状に形成された部材であって、センターケース34の左側部に配設される。
図7、図12(A)、及び図12(B)に示すように、ワープ通路80は、遊技領域31を流下している遊技球が流入可能な流入口81と、流入口81から流入した遊技球が流下する流下通路82と、流下通路82を通過した遊技球をステージ部90側に排出する排出口83と、を備える。
流入口81は、センターケース34の左側の遊技領域31を流下する遊技球を受け入れるため、左斜め上方に向けて開口している。流下通路82は、通過する遊技球の転動の勢いを弱めるために、蛇行して形成される。排出口83は、ステージ部90の左端に配設される案内部材85に遊技球を排出するように形成される。排出口83から排出された遊技球は、案内部材85を介して、ステージ部90の転動面91上に導かれる。
図7、図13(A)、及び図13(C)に示すように、ステージ部90は、センターケース34の下部中央に配設される。ステージ部90は、左右方向に延設され、遊技球が転動可能な転動面91を備える。
ステージ部90の転動面91は、左右両端と中央とが高くなるように波状に形成されている。転動面91の中央には前方に下り傾斜する第1案内部92が形成され、第1案内部92の左右側方には前方に下り傾斜する第2案内部93が形成される。第1案内部92は第1始動入賞口37aの直上方に配設されており、第2案内部93は第1始動入賞口37aの左右側にずれて配設されている(図2参照)。
ステージ部90の左端には、ワープ通路80を通過してきた遊技球をステージ部90の転動面91上に案内する案内部材85が着脱自在に取り付けられる。
図14(A)〜図14(C)に示すように、案内部材85は、ワープ通路80の排出口83から排出された遊技球を受け入れる入口部85aと、入口部85aを介して流入してきた遊技球を流下させる流下通路85bと、流下通路85bの下流側底面に開口形成される出口部85cと、を備える。
流下通路85bの底面には、流下する遊技球が衝突することで遊技球の流下勢を低下させる突起85dが、遊技球の流下方向に離間した状態で2つ形成される。上流側の突起85dは流下通路85bの後方壁から前方に突出しており、下流側の突起85dは流下通路85bの前方壁から後方に突出している。
案内部材85がステージ部90に設置された状態では、案内部材85の出口部85cとステージ部90の転動面91との間には遊技球が落下可能な間隔が設定されている。なお、案内部材85の出口部85cから転動面91上に落下した遊技球が落下直後に転動面91から遊技領域31に跳び出さないようするため、図13(A)及び図13(B)に示すように、遊技球落下位置におけるステージ部90の前端には跳出防止壁94が形成される。
図6及び図13(B)に示すように、ワープ通路80を通って案内部材85に導かれた遊技球は、突起85dによって流下勢が弱められながら流下通路85bを流下し、出口部85cからステージ部90の転動面91上に落下する。突起85dによって遊技球の流下勢を弱め、さらに出口部85cから遊技球を鉛直方向に落下させるので、転動面91転動前において遊技球の左右方向の流下速度を低減しておくことができる。遊技機1ではステージ部90の近傍に発光演出装置100や可動装飾ユニット70等が配設され(図5参照)、ステージ部90の転動面91の転動範囲が狭くなっているが、案内部材85によってステージ部90に流入する遊技球の速度を極力抑えるので、転動面91上を転動する遊技球の転動時間を長くすることができる。これにより、遊技球の転動演出が単調になることを防止でき、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、案内部材85はステージ部90とは別部材としたので、流下通路85bの底面の傾き等を変更した種々の案内部材85を各種用意しておくことで、遊技機1ごとに遊技球の流下速度を調整することもできる。
ステージ部90に導かれた遊技球は、転動面91上を転動した後、第1案内部92から遊技領域31に排出されるか、又は第2案内部93から遊技領域31へと排出される。第1案内部92は第1始動入賞口37aの直上方に配設されるのに対して第2案内部93は第1始動入賞口37aの左右側にずれて配設されるため(図2参照)、第1案内部92から排出される遊技球の方が第2案内部93から排出される遊技球よりも第1始動入賞口37aへ誘導される確率が高くなる。
図7及び図15に示すように、ステージ部90の裏面には、転動面91上を転動する遊技球が後方に流入することを防止するための仕切壁95が設けられる。仕切壁95の上側部分は透明な透明部95aとして形成され、下側部分は照射された光を散乱させる散乱部95bとして形成されている。
仕切壁95の後方には、発光演出装置100の発光部110が配設されている(図5参照)。発光部110は、仕切壁95の散乱部95bの後方にあって視認不能な状態となる下限位置(初期位置)と、仕切壁95の透明部95aの後方にあって視認可能な状態となる上限位置との間で移動可能に構成されている。発光部110が下限位置にある場合には発光部110が散乱部95bに光を照射することで散乱部95bを介した補助的な発光演出が行われ、発光部110が上限位置にある場合には発光部110が遊技者に視認されることで発光部110を介した直接的な発光演出が行われる。これにより、バリエーションに富んだ遊技演出を実現することが可能となる。
次に、図6、図15〜図17を参照して、センターケース34の装飾ユニット56について説明する。
図15は、センターケース34の後方斜視図である。図16(A)はLED基板59を設置した状態の装飾ユニット56の裏面図であり、図16(B)はLED基板59を取り外した状態の装飾ユニット56の裏面図である。図17(A)はセンターケース34の正面図であり、図17(B)は図17(A)のB−B面におけるセンターケース34の横断面図である。図17(C)は、接触防止壁96と仕切壁95との連結について説明する図面である。
図6に示すように、装飾ユニット56は、センターケース34の右側部に配設される。
図6及び図16(A)に示すように、装飾ユニット56は、表面に模様が形成された装飾板57と、装飾板57の左側に隣接するように配設されるレンズ部材58と、装飾板57の裏面に配設されるLED基板59と、を備える。
装飾板57は、透光性を有する樹脂によって形成されている。装飾板57の左端には、上下方向に延設される柱形状のレンズ部材58が固定される。レンズ部材58は、照射された光を拡散させるように透明樹脂によって形成されている。
装飾板57の裏面には、複数のLEDを備えたLED基板59が取り付けられる。LED基板59は、レンズ部材58とはほとんど重ならないように配置されている。また、装飾板57とLED基板59との間には、図16(B)に示すように、光を拡散させるためのレンズシート57aが設けられる。したがって、LED基板59のLEDから発せられた光は、レンズシート57a及び装飾板57を介して遊技者に視認されることとなる。
なお、センターケース34の裏面には、図15に示すように、装飾板57の裏側に設置されたLED基板59やロゴユニット34eの裏側に設置されたLEDを覆うカバー部材34fが取り付けられる。
図5に示すように、センターケース34の装飾ユニット56の後方には、可動装飾ユニット70を構成する第1可動装飾装置300(可動演出装置)の右可動部材310が配設されている。右可動部材310の第1可動部320及び第2可動部330は、装飾ユニット56の後方にあって視認不能な状態となる初期位置と、変動表示装置35の表示画面35aの中央寄りの最大回動位置との間で回動可能に構成されている。
第1可動部320及び第2可動部330が初期位置にある場合には第1可動部320が装飾ユニット56のレンズ部材58の後方に位置しており、第1可動部320が発光することでレンズ部材58を介した補助的な発光演出が行われる。この時、第2可動部330は装飾ユニット56の装飾板57及びLED基板59の後方に位置している。
装飾ユニット56の装飾板57においては装飾ユニット56自体が備えるLED基板59を用いて発光演出が行われ、装飾ユニット56のレンズ部材58においては第1可動装飾装置300の第1可動部320を用いて発光演出が行われる。これにより、バリエーションに富んだ発光演出を実現することが可能となる。
第1可動装飾装置300の第1可動部320及び第2可動部330は初期位置と最大回動位置との間で回動するが(図40参照)、この回動の際に第1可動部320及び第2可動部330はステージ部90の右端上方を通過する。第1可動部320及び第2可動部330の下面とステージ部90の転動面91との間は、1個分の遊技球が通過可能な間隔となるように設定されている。
このように第1可動装飾装置300の第1可動部320及び第2可動部330はステージ部90の転動面91の右端上方を通過するので、ステージ部90の裏面右端には、図15に示すように転動面91上を転動する遊技球と第1可動部320及び第2可動部330との接触を防止するための接触防止壁96が設置される。
図15及び図17(B)に示すように、接触防止壁96は、ステージ部90の転動面91の上方において左右方向に延設される区画部材である。
図17(C)に示すように、接触防止壁96の後端には、ステージ部90に設置される仕切壁95と連結される連結部96aが形成される。接触防止壁96の連結部96aと仕切壁95とはねじ止めされ、接触防止壁96の一端はステージ部90の裏面にねじ止めされる。このように接触防止壁96と仕切壁95とを連結することで、遊技球が流入する隙間を確実に無くすことができる。
また、接触防止壁96の前端には、板状の装飾部96bが形成される。装飾部96bは、接触防止壁96の連結部96aが視認不能となるように構成されている。装飾部96bによって連結部96aを隠蔽するので、遊技者によって視認される位置に接触防止壁96を配置しても装飾性を低下させることがない。
<制御ベースユニット>
図18〜図20を参照して、制御ベースユニット60の構成について説明する。
図18は、制御ベースユニット60の前方斜視図である。図19は、制御ベースユニット60の分解斜視図である。図20は、制御ベースユニット60の分解裏面図である。
図18に示すように、制御ベースユニット60は、制御ベース61の収容部61a内に、可動装飾ユニット70や発光演出装置100、画面分割装置200等の各種演出装置を収容するように構成されている。
図19及び図20に示すように、画面分割装置200の各種構成部材は略矩形状の枠体である取付ベース62に配設されており、可動装飾ユニット70及び発光演出装置100の各種構成部材は略矩形状の枠体である設置ベース63に配設されている。
取付ベース62及び設置ベース63は、制御ベース61の開口部61bに対応する位置に開口部62b及び開口部63bを備えている。画面分割装置200が設置された状態の取付ベース62は、可動装飾ユニット70及び発光演出装置100が設置された状態の設置ベース63の裏面に固定される。取付ベース62と設置ベース63は、9カ所でねじ止めされ(図20参照)、相互に固定される。
取付ベース62には可動装飾ユニット70が備える駆動モータ340、530及び発光演出装置100が備える駆動モータ120を前後方向に通過させる切欠部62aが形成され、設置ベース63には画面分割装置200が備える駆動モータ212、232、242を前後方向に通過させる切欠部63aが形成される。このような構成とすることで、設置ベース63と取付ベース62との間には画面分割装置200の各種構成部材を配置可能な程度のスペースのみが形成され、設置ベース63と取付ベース62との間に無駄なスペースが生じることを抑制できる。なお、切欠部62a、63aは、駆動モータ等から出る熱を逃す放熱部としても機能する。
組み付けられて一体となった取付ベース62及び設置ベース63は制御ベース61の収容部61a内に収容され、取付ベース62と制御ベース61とがねじ(図示省略)により固定される。
上記の通り、制御ベースユニット60では、制御ベース61の前面に画面分割装置200が設置された取付ベース62が配設され、取付ベース62の前面に可動装飾ユニット70及び発光演出装置100が設置された設置ベース63が配設される。制御ベース61の裏面には変動表示装置35が設置されるが、図18に示すように、変動表示装置35の表示画面35aは各開口部61b、62b、63bを介して視認可能となっている。
<画面分割装置>
図21〜図23を参照して、画面分割装置200の構成について説明する。
図21は、初期状態における画面分割装置200の正面図である。図22(A)は九分割動作時における画面分割装置200の正面図であり、図22(B)は画面分割装置200の各バー部材211、221、231、241の挿入片211b、221b、231b、241bの動きを示す図である。図23(A)は上バー部材211の先端をガイドするガイド部材214の左側面図であり、図23(B)はガイド部材214の横断面図である。
図21及び図22(A)に示すように、画面分割装置200は、予告演出の実行や遊技状態に応じてバー部材を移動させ、バー部材を介して変動表示装置35の表示画面35aを二以上の分割画面に分割する演出装置である。画面分割装置200は、上バーユニット210と、下バーユニット220と、右バーユニット230と、左バーユニット240と、から構成されている。ここで、予告演出とは、音声、画像、ランプによる光、送風装置による風、振動装置による振動等により、遊技(変動表示ゲーム)の開始前や実行中などに遊技の結果、遊技の進行態様、現在の遊技状態等を示唆するものである。
上バーユニット210は、表示画面35aの上部前方に配設される上バー部材211と、上バー部材211を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ212と、駆動モータ212の駆動力を上バー部材211に伝達する動力伝達機構213と、上バー部材211の先端をガイドするガイド部材214と、を備える。
上バー部材211は、左右方向に延設された部材であって、その表面には装飾が施されている。上バー部材211は、表示画面35aの前方において、当該表示画面35aの上縁部である初期位置と当該上縁部より下方の下限位置との間で移動可能に構成されている。
上バー部材211の基端(左端)には、動力伝達機構213のラックギア部材213aに連結される固定板211aが取り付けられる。
動力伝達機構213は、取付ベース62の左側に配設されるギア群である。動力伝達機構213は、ラックギア部材213a(スライド部材)と、ラックギア部材213aと噛合する従動ギア213bと、従動ギア213bと噛合する主動ギア213cと、から構成されている。
ラックギア部材213aは、取付ベース62の前面において、上下方向にスライド移動可能に配設されている。ラックギア部材213aの左側に形成されたギア部に従動ギア213bが噛合する。
従動ギア213bは、取付ベース62の前面に固定されたピンに回転自在に配設されている。従動ギア213bに噛合する主動ギア213cは、取付ベース62に設置された駆動モータ212の出力軸に固定される。
駆動モータ212が駆動されると、その駆動力が主動ギア213c、従動ギア213b、ラックギア部材213aを介して上バー部材211に伝達され、上バー部材211は上下方向に移動する。
ガイド部材214は、上バー部材211の先端(右端)をガイドする部材であって、取付ベース62の右上部に上下方向に沿って配設される。ガイド部材214は、図23(A)及び図23(B)に示すように、長手方向に沿って形成されるガイド溝214aを有している。
上バー部材211の先端には、ガイド部材214のガイド溝214aに挿入される挿入片211bが固定される。上バー部材211が移動する場合には、図22(B)に示すように挿入片211bがガイド溝214aに沿って上下方向にガイドされるので、上バー部材211の先端が前後方向にばたつかず、滑らかな上下方向移動を実現することができる。
上バー部材211の挿入片211bは、ガイド溝214a内に挿入される部分が上バー部材211の先端から画面外側に向かって上方向に延設されるように構成されている。これにより挿入片211bのガイド溝214aに対する挿入領域を拡大でき、挿入片211bの移動が安定する。また、挿入片211bの挿入部分を画面外側に向かって延設したので、挿入片211bが遊技者によって視認されにくく、上バー部材211の美観を損ねることがない。
なお、ガイド部材214のガイド溝214aは、表示画面35aの上縁部から、表示画面35a中央までの範囲において上下方向に形成されている。したがって、上バー部材211は、表示画面35aの上縁部(初期位置)と、表示画面35aの中央位置との間で上下移動することとなる。
下バーユニット220は、表示画面35aの下部前方に配設される下バー部材221と、下バー部材221を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、駆動モータ222の駆動力を下バー部材221に伝達する動力伝達機構223と、下バー部材221の先端をガイドするガイド部材224と、を備える。
下バー部材221は、左右方向に延設された部材であって、その表面には装飾が施されている。下バー部材221は、表示画面35aの前方において、当該表示画面35aの下縁部である初期位置と当該下縁部より上方の上限位置との間で移動可能に構成されている。
下バー部材221の基端(右端)には、動力伝達機構223のラックギア部材223aに連結される固定板221aが取り付けられる。
動力伝達機構223は、取付ベース62の右側に配設されるギア群である。動力伝達機構223は、ラックギア部材223a(スライド部材)と、ラックギア部材223aと噛合する従動ギア223bと、従動ギア223bと噛合する主動ギア223cと、から構成されている。
ラックギア部材223aは、取付ベース62の前面において、上下方向にスライド移動可能に配設されている。ラックギア部材223aの右側に形成されたギア部に従動ギア223bが噛合する。
従動ギア223bは、取付ベース62の前面に固定されたピンに回転自在に配設されている。従動ギア223bに噛合する主動ギア223cは、取付ベース62に設置された駆動モータ222の出力軸に固定される。
駆動モータ222が駆動されると、その駆動力が主動ギア223c、従動ギア223b、ラックギア部材223aを介して下バー部材221に伝達され、下バー部材221は上下方向に移動する。
ガイド部材224は、下バー部材221の先端(左端)をガイドする部材であって、取付ベース62の左下部に上下方向に沿って配設される。ガイド部材224は、図23(A)に示したガイド部材214と同じ構成であって、長手方向に沿って形成されるガイド溝224a(図22(B)参照)を有している。
下バー部材221の先端には、ガイド部材224のガイド溝224aに挿入される挿入片221bが固定される。下バー部材221が移動する場合には、図22(B)に示すように挿入片221bがガイド溝224aに沿ってガイドされるので、下バー部材221の先端が前後方向にばたつかず、滑らかな上下方向移動を実現することができる。
下バー部材221の挿入片221bは、ガイド溝224a内に挿入される部分が下バー部材221の先端から画面外側に向かって下方向に延設されるように構成されている。これにより挿入片221bのガイド溝224aに対する挿入領域を拡大でき、挿入片221bの移動が安定する。また、挿入片221bの挿入部分を画面外側に向かって延設したので、挿入片221bが遊技者によって視認されにくく、下バー部材221の美観を損ねることがない。
なお、ガイド部材224のガイド溝224aは、表示画面35aの下縁部から、表示画面35a中央までの範囲において上下方向に形成されている。したがって、下バー部材221は、表示画面35aの下縁部と、表示画面35aの中央位置との間で上下移動することとなる。
右バーユニット230は、表示画面35aの右部前方に配設される右バー部材231と、右バー部材231を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ232と、駆動モータ232の駆動力を右バー部材231に伝達する動力伝達機構233と、右バー部材231の先端をガイドするガイド部材234と、を備える。
右バー部材231は、上下方向に延設された部材であって、その表面には装飾が施されている。右バー部材231は、表示画面35aの前方において、当該表示画面35aの右縁部である初期位置と当該右縁部より左側方の左限位置との間で移動可能に構成されている。右バー部材231は、表示画面35aの前方で上バー部材211及び下バー部材221と交差可能なように、上バー部材211及び下バー部材221の後方に配置されている。
右バー部材231の基端(下端)には、動力伝達機構233のラックギア部材233aに連結される固定板231aが取り付けられる。
動力伝達機構233は、取付ベース62の下側に配設されるギア群である。動力伝達機構233は、ラックギア部材233a(スライド部材)と、取付ベース62に設置された駆動モータ232の出力軸に固定される主動ギア233cと、ラックギア部材233aと主動ギア233cとの間に配設される4つの従動ギア233bと、から構成されている。
ラックギア部材233aは、取付ベース62の前面において、左右方向にスライド移動可能に配設されている。ラックギア部材233aの下側に形成されたギア部に従動ギア233bの一つが噛合する。
4つの従動ギア233bは、取付ベース62の前面に一列に配設される。従動ギア233bは、取付ベース62に固定されたピンに回転自在に取り付けられる。これら従動ギア233bは、隣接するギア同士が噛合するように構成されている。また、一番左側の従動ギア233bはラックギア部材233aに噛合し、一番右側の従動ギア233bは主動ギア233cに噛合している。
駆動モータ232が駆動されると、その駆動力が主動ギア233c、4つの従動ギア233b、ラックギア部材233aを介して右バー部材231に伝達され、右バー部材231は左右方向に移動する。
ガイド部材234は、右バー部材231の先端(上端)をガイドする部材であって、取付ベース62の右上部に左右方向に沿って配設される。ガイド部材234は、図23(A)に示したガイド部材214と同じ構成であって、長手方向に沿って形成されるガイド溝234a(図22(B)参照)を有している。
右バー部材231の先端には、ガイド部材234のガイド溝234aに挿入される挿入片231bが固定される。右バー部材231が移動する場合には、図22(B)に示すように挿入片231bがガイド溝234aに沿ってガイドされるので、右バー部材231の先端が前後方向にばたつかず、滑らかな左右方向移動を実現することができる。
右バー部材231の挿入片231bは、ガイド溝234a内に挿入される部分が右バー部材231の先端から画面外側に向かって右方向に延設されるように構成されている。これにより挿入片231bのガイド溝234aに対する挿入領域を拡大でき、挿入片231bの移動が安定する。また、挿入片231bの挿入部分を画面外側に向かって延設したので、挿入片231bが遊技者によって視認されにくく、右バー部材231の美観を損ねることがない。
なお、ガイド部材234のガイド溝234aは、表示画面35aの右縁部から、表示画面35a中央までの範囲において左右方向に形成されている。したがって、右バー部材231は、表示画面35aの右縁部と、表示画面35aの中央位置との間で左右移動することとなる。
左バーユニット240は、表示画面35aの左部前方に配設される左バー部材241と、左バー部材241を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ242と、駆動モータ242の駆動力を左バー部材241に伝達する動力伝達機構243と、左バー部材241の先端をガイドするガイド部材244と、を備える。
左バー部材241は、上下方向に延設された部材であって、その表面には装飾が施されている。左バー部材241は、表示画面35aの前方において、当該表示画面35aの左縁部である初期位置と当該左縁部より右側方の右限位置との間で移動可能に構成されている。左バー部材241は、表示画面35aの前方で上バー部材211及び下バー部材221と交差可能なように、上バー部材211及び下バー部材221の後方に配置されている。なお、各バー部材211〜241が表示画面35aの前方で交差可能なように、各バー部材211〜241を前後方向に順番に配設してもよい。
左バー部材241の基端(上端)には、動力伝達機構243のラックギア部材243aに連結される固定板241aが取り付けられる。
動力伝達機構243は、取付ベース62の上側に配設されるギア群である。動力伝達機構243は、ラックギア部材243a(スライド部材)と、取付ベース62に設置された駆動モータ242の出力軸に固定される主動ギア243cと、ラックギア部材243aと主動ギア243cとの間に配設される4つの従動ギア243bと、から構成されている。
ラックギア部材243aは、取付ベース62の前面において、左右方向にスライド移動可能に配設されている。ラックギア部材243aの上側に形成されたギア部に従動ギア243bの一つが噛合する。
4つの従動ギア243bは、取付ベース62の前面に一列に配設される。従動ギア243bは、取付ベース62に固定されたピンに回転自在に取り付けられる。これら従動ギア243bは、隣接するギア同士が噛合するように構成されている。また、一番右側の従動ギア243bはラックギア部材243aに噛合し、一番左側の従動ギア243bは主動ギア243cに噛合している。
駆動モータ242が駆動されると、その駆動力が主動ギア243c、4つの従動ギア243b、ラックギア部材243aを介して左バー部材241に伝達され、左バー部材241は左右方向に移動する。
ガイド部材244は、左バー部材241の先端(下端)をガイドする部材であって、取付ベース62の左下部に左右方向に沿って配設される。ガイド部材244は、図23(A)に示したガイド部材214と同じ構成であって、長手方向に沿って形成されるガイド溝244a(図22(B)参照)を有している。
左バー部材241の先端には、ガイド部材244のガイド溝244aに挿入される挿入片241bが固定される。左バー部材241が移動する場合には、図22(B)に示すように挿入片241bがガイド溝244aに沿ってガイドされるので、左バー部材241の先端が前後方向にばたつかず、滑らかな左右方向移動を実現することができる。
左バー部材241の挿入片241bは、ガイド溝244a内に挿入される部分が左バー部材241の先端から画面外側に向かって左方向に延設されるように構成されている。これにより挿入片241bのガイド溝244aに対する挿入領域を拡大でき、挿入片241bの移動が安定する。また、挿入片241bの挿入部分を画面外側に向かって延設したので、挿入片241bが遊技者によって視認されにくく、左バー部材241の美観を損ねることがない。
なお、ガイド部材244のガイド溝244aは、表示画面35aの左縁部から、表示画面35a中央までの範囲において左右方向に形成されている。したがって、左バー部材241は、表示画面35aの左縁部と、表示画面35aの中央位置との間で左右移動することとなる。
図21及び図22(A)に示すように、取付ベース62の左上部には、上バー部材211が初期位置にあることを検出するため、略コ字形状の光電センサ215が配設される。ラックギア部材213aの上端には、上バー部材211が初期位置にある時に光電センサ215の凹部に位置して光電センサ215の発射光を遮光する遮光板216が形成されている。光電センサ215が遮光状態であることを検知することによって、上バー部材211が初期位置にあることを検出することができる。また、光電センサ215の下方の取付ベース62には、左バー部材241が初期位置にあることを検出するため、略コ字形状の光電センサ245が配設される。ラックギア部材243aの左端には、左バー部材241が初期位置にある時に光電センサ245の凹部に位置して光電センサ245の発射光を遮光する遮光板246が形成されている。光電センサ245が遮光状態であることを検知することによって、左バー部材241が初期位置にあることを検出することができる。
画面分割装置200では、光電センサ215及び光電センサ245を取付ベース62の左上部にまとめて並設したので、センサ配線の取りまとめが容易になる。
一方、取付ベース62の右下部には、下バー部材221が初期位置にあることを検出するため、略コ字形状の光電センサ225が配設される。ラックギア部材223aの下端には、下バー部材221が初期位置にある時に光電センサ225の凹部に位置して光電センサ225の発射光を遮光する遮光板226が形成されている。光電センサ225が遮光状態であることを検知することによって、下バー部材221が初期位置にあることを検出することができる。また、光電センサ225の上方の取付ベース62には、右バー部材231が初期位置にあることを検出するため、略コ字形状の光電センサ235が配設される。ラックギア部材233aの右端には、右バー部材231が初期位置にある時に光電センサ235の凹部に位置して光電センサ235の発射光を遮光する遮光板236が形成されている。光電センサ235が遮光状態であることを検知することによって、右バー部材231が初期位置にあることを検出することができる。
画面分割装置200では、光電センサ225及び光電センサ235を取付ベース62の右下部にまとめて並設したので、センサ配線の取りまとめが容易になる。
次に、図24〜図26を参照して、画面分割装置200による画面分割演出の一例について説明する。
図24(A)は初期状態における変動表示装置35の表示画面35aの正面図であり、図24(B)は二分割時の表示画面35aの正面図である。図25(A)及び図25(B)は、三分割時の表示画面35aの正面図である。図26(A)は四分割時の表示画面35aの正面図であり、図26(B)は九分割時の表示画面35aの正面図である。なお、図24(A)〜図26(B)は、画面分割演出の理解を容易にするために、各バー部材211〜241と変動表示装置35のみを模式的に示した図面である。
画面分割装置200の演出動作は演出制御装置700(図4参照)によって制御される。演出制御装置700は、各駆動モータ212〜242を駆動制御することで、各バー部材211〜241を移動させる。なお、各駆動モータ212〜242及び各動力伝達機構213〜243は、各バー部材211〜241を移動させるための駆動機構を構成している。
図24(A)に示すように、画面分割装置200が初期状態である場合には、上バー部材211は変動表示装置35の表示画面35aの上縁部前方の初期位置にあり、下バー部材221は表示画面35aの下縁部前方の初期位置にあり、右バー部材231は表示画面35aの右縁部前方の初期位置にあり、左バー部材241は表示画面35aの左縁部前方の初期位置にある。このように各バー部材211〜241が初期位置にある場合には、表示画面35aは分割されておらず一画面となっている。
図24(B)に示すように、所定の予告演出の実行時や特図変動表示ゲームの実行時、所定の遊技状態では、画面分割装置200の上バー部材211が初期位置から下降し、画面略中央の下限位置で停止する。このように上バー部材211が停止することで、変動表示装置35の表示画面35aは上下に二分割される。表示画面35aの各分割画面では、対応する予告演出として大当りとなる期待感を高める演出や識別情報等が表示される。
上バー部材211が初期位置から移動した場合には、初期位置に対応する表示画面35aに上バー部材211を模したバー画像Aが表示される。上バー部材211は画面上縁を装飾する部材でもあるため、上バー部材211が移動すると画面上縁における装飾性が悪化してしまう。本実施形態では、上バー部材211移動後の初期位置に対応してバー画像Aを表示するようにしたので、上バー部材211移動時における表示画面35aの装飾性の悪化を抑制することができる。
なお、図24(B)では、上バー部材211を下限位置まで下降させて表示画面35aを二分割したが、下バー部材221を上限位置まで上昇させて表示画面35aを二分割してもよい。また、右バー部材231を左限位置まで移動させて表示画面35aを左右に二分割したり、左バー部材241を右限位置まで移動させて表示画面35aを左右に二分割したりしてもよい。各バー部材221、231、241の移動後には、各バー部材221、231、241の初期位置に対応する表示画面35aにバー画像Aが表示される。
図25(A)に示すように、所定の予告演出の実行時や特図変動表示ゲームの実行時、所定の遊技状態では、上バー部材211が初期位置から下降して初期位置と下限位置との略中間位置で停止し、下バー部材221が初期位置から上昇して初期位置と上限位置との略中間位置で停止する。このように上バー部材211及び下バー部材221が停止することで、変動表示装置35の表示画面35aは上下方向に三分割される。表示画面35aの各分割画面では、対応する予告演出として大当りとなる期待感を高める演出や識別情報等が表示される。また、上バー部材211及び下バー部材221の初期位置に対応する表示画面35aには、それぞれバー画像Aが表示される。
なお、図25(A)の状態から、右バー部材231又は左バー部材241を画面中央まで移動させて、表示画面35aを六分割するようにしてもよい。
図25(B)に示すように、所定の予告演出の実行時や特図変動表示ゲームの実行時、所定の遊技状態では、右バー部材231が初期位置から左方向に移動して初期位置と左限位置との略中間位置で停止し、左バー部材241が初期位置から右方向に移動して初期位置と右限位置との略中間位置で停止する。このように右バー部材231及び左バー部材241が停止することで、変動表示装置35の表示画面35aは左右方向に三分割される。表示画面35aの各分割画面では、対応する予告演出として大当りとなる期待感を高める演出や識別情報等が表示される。また、右バー部材231及び左バー部材241の初期位置に対応する表示画面35aには、それぞれバー画像Aが表示される。
なお、図25(B)の状態から、上バー部材211又は下バー部材221を画面中央まで移動させて、表示画面35aを六分割するようにしてもよい。
図26(A)に示すように、所定の予告演出の実行時や特図変動表示ゲームの実行時、所定の遊技状態では、下バー部材221が初期位置から上昇して上限位置で停止し、右バー部材231が初期位置から左方向に移動して左限位置で停止する。このように下バー部材221及び右バー部材231が停止することで、変動表示装置35の表示画面35aは四分割される。表示画面35aの各分割画面は等しい大きさに分割され、各分割画面では対応する予告演出として大当りとなる期待感を高める演出や識別情報等が表示される。また、下バー部材221及び右バー部材231の初期位置に対応する表示画面35aには、それぞれバー画像Aが表示される。
なお、図26(A)の破線に示すように、下バー部材221を初期位置と上限位置との間の中間位置で停止し、右バー部材231を初期位置と左限位置との間の中間位置で停止して、左上の分割画面が最も大きな分割画面となるように表示画面35aを分割してもよい。
また、図26(A)においては、下バー部材221及び右バー部材231を用いて表示画面35aを四分割したが、上バー部材211及び左バー部材241を用いて表示画面35aを四分割するようにしてもよい。
図26(B)に示すように、所定の予告演出の実行時や特図変動表示ゲームの実行時、所定の遊技状態では、上バー部材211、下バー部材221、右バー部材231、及び左バー部材241が初期位置から移動し、表示画面35aが九分割される。表示画面35aの各分割画面は等しい大きさに分割され、各分割画面では対応する予告演出として大当りとなる期待感を高める演出や識別情報等が表示される。また、各バー部材211〜241の初期位置に対応する表示画面35aには、それぞれバー画像Aが表示される。なお、バー画像Aは、バー部材211〜241が初期位置にある状態では視認困難となるが常に表示するのでもよいし、対応するバー部材が移動した場合にのみ表示するのでもよいし、特定の予告演出が行われる場合にのみ表示するようにしてもよい。
なお、図26(B)の破線に示すように、各バー部材211〜241を画面中央寄りの位置で停止して、四隅の分割画面が最も大きな分割画面となるように表示画面35aを分割してもよい。
上述の通り、画面分割装置200では、予告演出の実行や遊技状態に応じて各バー部材211〜241の少なくとも一つを初期位置から移動させることで、移動後の各バー部材211〜241によって表示画面35aを二以上の分割画面に仕切ることができる。表示画面35aに表示される画像を分割するのではなく、各バー部材211〜241を用いて表示画面35aを分割するので視覚的演出性を高めることができる。また、各バー部材211〜241を個別に移動させることで、表示画面35aの分割パターンを変更でき、単調な分割演出になることを防止できる。これにより、遊技機1の遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、変動表示ゲームの結果に対する期待度が高い場合には、画面分割装置200の各バー部材211〜241を移動させて分割演出を実行し、変動表示ゲームの結果に対する期待度が低い場合には、各バー部材211〜241を初期位置に停止したまま、バー画像Aを移動させて表示画面35aを所定数に分割するようにしてもよい。バー画像Aは、図24(B)〜図26(B)で示した各バー部材211〜241と同様に移動するように設定される。期待度に応じて各バー部材211〜241による分割演出又はバー画像Aによる分割演出を実行することで、分割演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣をさらに向上させることが可能となる。
ところで、近年の一般的な遊技機では、表示画面で実行される飾り特図変動表示ゲームにおいて、1つの始動記憶に対応して複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を複数回実行するいわゆる疑似連演出等が行われるため、1回分の変動表示ゲームが終了したのか継続中であるのかを判断しにくい。そのため、このような遊技機では、変動表示ゲーム実行中に、1回の始動条件の成立(1つの始動記憶)に基づく変動表示ゲームが継続していることを報知する報知画像を表示画面に表示している。比較的多数の遊技者は、この報知画像が表示されていることを意識して遊技することはないが、演出の進行態様等に強い関心を持って遊技する一部の遊技者は、この報知画像を確認することで演出の進行態様を正確に把握することができる。
本実施形態の遊技機1も変動表示装置35の表示画面35aに報知画像を表示するが、遊技機1は従来の遊技機とは異なり報知画像を二つ表示するように構成されている。
図27〜図29を参照して、変動表示装置35の表示画面35aに表示される報知画像B(第1報知画像B1及び第2報知画像B2)について説明する。なお、図27〜図29では特図1変動表示ゲームに対応する報知画像について説明しているが、特図2変動表示ゲームに対応する報知画像を別途設ける場合にも従来の遊技機とは異なり報知画像を二つ表示するようにする。その場合には、特図1変動表示ゲームに対応する報知画像が二つ、特図2変動表示ゲームに対応する報知画像が二つとなり、合計で四つの報知画像が表示されることになる。
図27(A)は初期状態における変動表示装置35の表示画面35aの正面図であり、図27(B)は下バー部材221移動時における表示画面35aの正面図である。図28(A)は左バー部材241移動時における表示画面35aの正面図であり、図28(B)は下バー部材221及び左バー部材241の停止後における表示画面35aの正面図である。図29(A)及び図29(B)は、各バー部材211〜241が同時に移動した場合における表示画面35aの正面図である。
図27(A)に示すように、特図変動表示ゲームが開始されると、変動表示装置35の表示画面35aの左側、中央、右側の3つの表示領域で識別情報が変動表示(スクロール表示)される。また、表示画面35aには、1回分の変動表示ゲームが継続していることを報知する第1報知画像B1及び第2報知画像B2が表示される。
第1報知画像B1及び第2報知画像B2は、円形ドット画像であって、1回の変動表示ゲームが継続している間点灯又は点滅表示される。第1報知画像B1は表示画面35aの左上部に表示され、第2報知画像B2は表示画面35aの右下部に表示される。
第1報知画像B1及び第2報知画像B2は、移動した各バー部材211〜241によって同時に隠蔽されないように、表示画面35aの異なる位置に表示される。つまり、第1報知画像B1及び第2報知画像B2の表示位置は、第1報知画像B1と初期位置にある上バー部材211の距離が第2報知画像B2と初期位置にある下バー部材221の距離と異なり、かつ第1報知画像B1と初期位置にある左バー部材241の距離が第2報知画像B2と初期位置にある右バー部材231の距離と異なるように設定される。
図27(B)〜図28(B)を参照して、変動表示装置35の表示画面35aを四分割する場合における第1報知画像B1及び第2報知画像B2の表示について説明する。
図27(B)に示すように、表示画面35aの四分割演出が開始されると、下バー部材221が初期位置から上昇し始める。下バー部材221が第2報知画像B2の前方を通過している時には、下バー部材221によって第2報知画像B2は隠蔽され、報知画像Bのうち第1報知画像B1のみが視認可能な状態となる。
その後、下バー部材221がさらに上昇すると、図28(A)に示すように、第2報知画像B2が視認可能な状態となる。この時、左バー部材241が初期位置から移動し第1報知画像B1の前方を通過しているので、左バー部材241によって第1報知画像B1は隠蔽されている。
左バー部材241がさらに右方向に移動すると、図28(B)に示すように、第1報知画像B1及び第2報知画像B2はともに視認可能な状態となる。
各バー部材211〜241を用いて表示画面35aを分割する場合に報知画像Bを一つだけ表示したのでは、各バー部材211〜241が移動した時に報知画像Bが隠蔽されていまい、1回分の変動表示ゲームが継続しているのか否かが判断できなくなることがある。本実施形態では、第1報知画像B1及び第2報知画像B2が、各バー部材211〜241によって同時に隠蔽されないように表示画面35aの異なる位置に表示されるので、第1報知画像B1及び第2報知画像B2の少なくとも一方は常に視認可能な状態となり、1回の変動表示ゲームが継続中であるか否かを容易に判断することが可能となる。
図29(A)及び図29(B)を参照して、変動表示装置35の表示画面35aを九分割する場合における第1報知画像B1及び第2報知画像B2の表示について説明する。
図29(A)に示すように、表示画面35aの九分割演出が開始されると、各バー部材211〜241が初期位置から同時に移動し始める。第2報知画像B2は、下バー部材221及び右バー部材231に近い位置に表示されているので、第1報知画像B1よりも先に下バー部材221及び右バー部材231によって隠蔽される。この時、第1報知画像B1は視認可能な状態にある。
さらに、各バー部材211〜241が移動すると、図29(B)に示すように、第2報知画像B2が視認可能な状態となり、第1報知画像B1が上バー部材211及び左バー部材241によって隠蔽される。なお、各バー部材211〜241がさらに画面中央寄りの位置まで移動すると、第1報知画像B1及び第2報知画像B2はともに視認可能な状態となる。
本実施形態では、第1報知画像B1及び第2報知画像B2の表示位置は、第1報知画像B1と初期位置にある上バー部材211の距離が第2報知画像B2と初期位置にある下バー部材221の距離と異なり、かつ第1報知画像B1と初期位置にある左バー部材241の距離が第2報知画像B2と初期位置にある右バー部材231の距離と異なるように設定されている。そのため、各バー部材211〜241を同時に移動させた場合であっても、第1報知画像B1及び第2報知画像B2の少なくとも一方は常に視認可能な状態となり、1回の変動表示ゲームが継続中であるか否かを容易に判断することが可能となる。特に、本実施形態では、前述の疑似連演出等の実行に伴って各バー部材211〜241を制御する場合があり得るため、第1報知画像B1及び第2報知画像B2の少なくとも一方は常に視認可能な状態となるようにしている。
また、上記したように特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームにそれぞれ対応して合計で四つの報知画像を表示する場合には、実行している特図変動表示ゲームに対応する報知画像の少なくとも一方が常に視認可能な状態となるようにしてもよいし、実行していない特図変動表示ゲームを含み各特図変動表示ゲームに対応する報知画像の少なくとも一方が常に視認可能な状態となるようにしてもよい。
なお、画面分割装置200の演出動作及び変動表示装置35の表示内容は演出制御装置700によって制御されており、演出制御装置700は、変動表示装置35の表示画面35aを分割するように各バー部材211〜241を制御する画面分割制御手段と、表示画面35aにバー画像Aを表示するバー画像表示手段と、表示画面35aに第1報知画像B1及び第2報知画像B2を表示する報知画像表示手段と、を含んでいる。
<発光演出装置>
図18、図30〜図32を参照して、発光演出装置100の構成について説明する。
図30は、設置ベース63に配設された発光演出装置100及び可動装飾ユニット70の斜視図である。図31(A)は前方から見た時の発光演出装置100の分解斜視図であり、図31(B)は後方から見た時の発光演出装置100の分解斜視図である。図32は、発光演出装置100の発光部110の分解斜視図である。
図18及び図30に示すように、設置ベース63は略矩形状枠体であって、上辺及び右辺を構成する第1設置ベース64と、左辺を構成する第2設置ベース65と、下辺を構成する第3設置ベース66とに分割可能に構成されている。可動装飾ユニット70の第1可動装飾装置300は第1設置ベース64に設置され、可動装飾ユニット70の第2可動装飾装置500は第2設置ベース65に設置され、発光演出装置100は第3設置ベース66に設置される。
図30、図31(A)、及び図31(B)に示すように、発光演出装置100は、第3設置ベース66の前面に昇降可能に配設される発光部110と、発光部110を駆動させるための駆動力を発生させる駆動モータ120と、駆動モータ120の駆動力を発光部110に伝達する動力伝達機構130と、を備える。
図32に示すように、発光部110は、各種部材が配設されるベース部111と、複数のLEDを有しておりベース部111の前面に設置されるLED基板112と、LED基板112の前面を覆うようにベース部111に取り付けられるレンズシート113と、LED基板112及びレンズシート113を覆うようにベース部111に設置されるレンズカバー114と、を備える。
レンズカバー114は、その前面に装飾が施されており、一部が透光性を有する部材によって形成されている。LED基板112のLEDから発せられた光は、レンズシート113で拡散され、レンズカバー114の透光部分を介して遊技者等に視認される。
図31(A)及び図31(B)に示すように、発光部110のベース部111の裏面には、動力伝達機構130の一部であるラックギア部材131が連結する連結部111aと、第3設置ベース66に形成されたガイド溝66aを前後方向に挿通する突起111bとが形成される。
動力伝達機構130は、第3設置ベース66の前面に上下移動可能に配設されるラックギア部材131と、ラックギア部材131のギア部131aに噛合する従動ギア132と、従動ギア132に噛合するように駆動モータ120の出力軸121に固定される主動ギア133と、を備える。
ラックギア部材131は左側部にギア部131aを有する部材であり、ラックギア部材131の前面には発光部110の連結部111aに連結される連結軸131bが形成されている。連結部111aと連結軸131bをねじにより締結することで、発光部110とラックギア部材131とが相互に固定される。
従動ギア132は、第3設置ベース66の前面に固定されたピンに回転自在に取り付けられる。従動ギア132は、ラックギア部材131のギア部131a及び主動ギア133に噛合する。
駆動モータ120は、出力軸121が第3設置ベース66の前方に突出するように、第3設置ベース66の裏面に設置される(図31(B)参照)。主動ギア133は、駆動モータ120の出力軸121の先端に固定される。
なお、第3設置ベース66の前面には、主動ギア133及び従動ギア132の前方を覆うカバー部材134が設置される(図31(A)及び図33(B)参照)。
次に、図33及び図34を参照して、発光演出装置100の演出動作について説明する。発光演出装置100の演出動作は演出制御装置700によって制御される。
図33(A)は発光部110が初期位置にある時の発光演出装置100の正面図であり、図33(B)は発光部110が上限位置にある時の発光演出装置100の正面図である。図34は初期位置にある発光部110の後方斜視図である。
所定の予告演出を実行していない時や遊技状態が通常遊技状態等である場合には、図33(A)及び図34に示すように、発光演出装置100は初期状態にあり、発光部110は初期位置で停止している。この時、発光部110は、ステージ部90の裏面に配設される仕切壁95の散乱部95bの後方に位置しており、散乱部95bによって隠蔽され視認不能となっている。この状態でLED基板112のLEDが発光制御され、発光部110を用いた間接的な発光演出が実行される。間接的な発光演出では、発光部110から発せられた光は散乱部95bを介して遊技者等に視認される。
なお、仕切壁95の散乱部95bの上縁は発光部110の上部外形と対応するように形成されており(図34参照)、初期位置にある発光部110と仕切壁95の散乱部95bとの一体感を高めている。
所定の予告演出を実行する時や特図変動表示ゲームの実行時、遊技状態が所定遊技状態(例えば、確率変動状態)になると、図33(B)に示すように、発光演出装置100による動作演出が開始される。ラックギア部材131が上昇するように駆動モータ120が制御され、ラックギア部材131の上昇に伴って発光部110も上方に移動する。この時、発光部110のベース部111の突起111bは、第3設置ベース66のガイド溝66aに沿ってガイド溝66aの下端から上端に移動する。
発光部110が上限位置で停止している場合には、発光部110は仕切壁95の透明部95a(図15参照)の後方に位置しており、発光部110のほぼ全体が視認可能となる。この状態でLED基板112のLEDが発光制御され、発光部110を用いた直接的な発光演出が実行される。直接的な発光演出では、発光部110から発せられた光は透明部95aを介して遊技者等に視認される。
なお、図31(B)に示すように、発光演出装置100の発光部110のLED基板112の配線Wは、ベース部111の配線引出口111cから引き出され、第3設置ベース66に形成された貫通口66bを介して第3設置ベース66の裏側に導かれている。配線引出口111cと突起111bの間のベース部111には、壁部111dが上下方向に延設されている。この壁部111dによって、配線Wの突起111b側への移動を規制するので、ガイド溝66a内を上下動する突起111bと配線Wとの絡まりを防止することができる。
<可動装飾ユニット>
図18及び図30に示すように、可動装飾ユニット70は、第1設置ベース64に配設される第1可動装飾装置300と、第2設置ベース65に配設される第2可動装飾装置500と、から構成されている。
以下では、まず第2可動装飾装置500について説明し、その後に第1可動装飾装置300について説明する。
<第2可動装飾装置>
図35及び図36を参照して、可動装飾ユニット70の一部である第2可動装飾装置500の構成について説明する。
図35は、第2可動装飾装置500の前方斜視図である。図36は、第2可動装飾装置500の分解斜視図である。
図35及び図36に示すように、第2可動装飾装置500は、第2設置ベース65に回動可能に配設される可動装飾部材510と、可動装飾部材510の回動に伴って可動するリンク部材520と、可動装飾部材510を駆動するための駆動力を発生させる駆動モータ530と、駆動モータ530の駆動力を可動装飾部材510に伝達する動力伝達機構540と、を備える。
可動装飾部材510は、各種部材が配設されるベース部511と、ベース部511の上部前面に配設される装飾板512と、複数のLEDを有しベース部511の下部前面に配設されるLED基板513と、LED基板513の前面を覆うようにベース部511に設置されるレンズシート514と、LED基板513及びレンズシート514の前方を覆うようにベース部511に設置されるレンズ部515と、から構成されている。
装飾板512は、バラの蔦の形状を模した装飾部材であり、不透光性の樹脂によって形成されている。
レンズ部515は、バラの花びらの形状を模した装飾部材であり、透光性の樹脂によって形成されている。LED基板513のLEDから発せられた光は、レンズシート514で拡散され、レンズ部515を介して遊技者等に視認される。
ベース部511の上端裏面には、後述する動力伝達機構540の回動ギア541が固定されている。回動ギア541が回動することで、可動装飾部材510は、第2設置ベース65の前面において変動表示装置35の表示画面35aの左縁部(初期位置:図18参照)と表示画面35aの中央位置(最大回動位置:図53参照)との間で回動する。
ベース部511の下端寄りの裏面には、係合軸511a(図36参照)が突出形成されている。係合軸511aは、リンク部材520の係合溝521に摺動自在に係合する。
リンク部材520は略S字状の部材であって、リンク部材520の下端は第2設置ベース65の下部に固定されたピン65aに回動自在に支持される。リンク部材520の上部には、ベース部511の係合軸511aが摺動可能な係合溝521が設けられる。係合溝521は、リンク部材520の軸方向に延設される長孔として形成されている。
リンク部材520の下端寄りの裏面には、リンク部材520の回動範囲を規定する軸522が突出形成されている。リンク部材520の軸522は、第2設置ベース65に形成されたガイド溝65bに挿入される。ガイド溝65bは、ピン65aの左上方において円弧状に形成されている。可動装飾部材510が初期位置にある場合にはリンク部材520の軸522はガイド溝65bの下端に位置し、可動装飾部材510が最大回動位置にある場合にはリンク部材520の軸522はガイド溝65bの上端に位置する。
動力伝達機構540は、可動装飾部材510のベース部511に固定される回動ギア541と、回動ギア541に噛合する従動ギア542と、従動ギア542に噛合するように駆動モータ530の出力軸に固定される主動ギア543と、から構成される。
回動ギア541は扇状に形成された部材であって、回動ギア541の角部は第2設置ベース65の上部に設けられた回動軸65cに回動可能に支持される。回動ギア541の外周にはギア部541aが形成されており、ギア部541aに従動ギア542が噛合する。
従動ギア542は、第2設置ベース65に固定されたピンに回転自在に取り付けられている。
駆動モータ530は出力軸が第2設置ベース65の前方に突出するように第2設置ベース65の裏面に取り付けられており(図20参照)、駆動モータ530の先端には従動ギア542に噛合する主動ギア543が固定される。
所定の予告演出を実行していない時や遊技状態が通常遊技状態等である場合には、第2可動装飾装置500は初期状態にあり、可動装飾部材510及びリンク部材520は初期位置で停止している(図18参照)。初期位置にある可動装飾部材510及びリンク部材520は、センターケース34の後方に位置にしており、視認不能な状態となっている。
所定の予告演出を実行する時や特図変動表示ゲームの実行時、遊技状態が所定遊技状態になると駆動モータ530が駆動され、可動装飾部材510は、回動軸65cを中心として初期位置から最大回動位置(図53参照)まで反時計回りに回動する。この可動装飾部材510の回動に伴って、可動装飾部材510のベース部511の係合軸511a(図36参照)と係合するリンク部材520も回動する。リンク部材520は、ピン65aを中心として初期位置から最大回動位置(図53参照)まで時計回りに回動する。可動装飾部材510及びリンク部材520が最大回動位置まで回動することで、可動装飾部材510及びリンク部材520のほぼ全体が視認可能な状態となる(図53及び図54参照)。
<第1可動装飾装置>
図30及び図37を参照して、可動装飾ユニット70を構成する第1可動装飾装置300について説明する。図37は、第1可動装飾装置300の前方斜視図である。
図30及び図37に示すように、可動装飾ユニット70の第1可動装飾装置300は、第1設置ベース64に配設される。第1可動装飾装置300は、第1設置ベース64の右部前面に回動可能に配設される右可動部材310と、第1設置ベース64の上部前面に回動可能に配設される上可動部材400と、右可動部材310及び上可動部材400を同期駆動するための駆動力を発生させる駆動モータ340と、駆動モータ340の駆動力を右可動部材310及び上可動部材400に伝達する動力伝達機構350と、を備える。
図38及び図39を参照して、第1可動装飾装置300の右可動部材310の構成について説明する。図38は、第1設置ベース64に設置される右可動部材310の斜視図である。図39は、右可動部材310の分解斜視図である。
図38及び図39に示すように、右可動部材310は、第1可動部320と、第1可動部320の後方に隣接して配設される第2可動部330と、を備える。
第2可動部330は、各種部材が配設されるベース部331と、複数のLEDを有しベース部331の前面に配設されるLED基板332と、LED基板332の前方を覆うようにベース部331に配設されるレンズシート333と、LED基板332及びレンズシート333の前方を覆うようにベース部331に取り付けられるレンズ部334と、から構成されている。
レンズ部334は、バラの花びらの形状を模した装飾部材であって、透光性を有する樹脂によって形成されている。LED基板332のLEDから発せられた光は、レンズシート333で拡散され、レンズ部334を介して遊技者等に視認される。
ベース部331の上端は、第1設置ベース64の右上部に固定された回動軸64aに回動可能に支持される。
ベース部331の裏面には、後方に突出する軸331aが形成されている。軸331aは、回動軸64aよりも下方の第1設置ベース64に形成された円弧状のガイド溝64bに挿入される。また、ベース部331の左側には、後述する第1可動部320の駆動軸321bが挿入される円弧状のガイド溝331bが形成されている。
第1可動部320は、各種部材が配設されるベース部321と、複数のLEDを有しベース部321の下部前面に配設されるLED基板322と、LED基板322の前方を覆うようにベース部321に配設されるレンズシート323と、LED基板322及びレンズシート323の前方を覆うようにベース部321の下部に取り付けられるレンズ部324と、ベース部321の上部に取り付けられる装飾板325と、から構成されている。
装飾板325は、バラの蔦の形状を模した装飾部材であって、不透光性の樹脂によって形成されている。
レンズ部324は、バラの花びらの形状を模した装飾部材であって、透光性を有する樹脂によって形成されている。LED基板322のLEDから発せられた光は、レンズシート323で拡散され、レンズ部324を介して遊技者等に視認される。
ベース部321の上端は、第1設置ベース64の回動軸64aに回動可能に支持される。第1可動部320は、第2可動部330の前方に位置するように回動軸64aに設置されている。
ベース部321の右上裏面には係合軸321aが後方に突出形成されており、ベース部321の中央裏面には駆動軸321bが後方に突出形成されている。ベース部321の係合軸321aは後述する動力伝達機構350の回動ギア360の係合孔362(図38参照)に挿入され、ベース部321の駆動軸321bは第2可動部330のベース部331のガイド溝331bに挿入される。
図38に示すように、動力伝達機構350の回動ギア360は、扇形状の部材であって、回動軸64aに回動可能に支持されている。回動ギア360の扇部361の前面には係合孔362が形成されており、扇部361の外周にはギア部363が形成されている。また、回動軸64aに軸支される回動ギア360の基端部364の外周には、ギア部365が形成されている(図45(B)参照)。
回動ギア360のギア部363には、駆動モータ340の出力軸341に固定された主動ギア351(図45(B)参照)が噛合する。駆動モータ340は、出力軸341が第1設置ベース64の前方に突出するように第1設置ベース64の裏面に固定されている。
駆動モータ340が駆動されて回動ギア360が回動することで、右可動部材310の第1可動部320及び第2可動部330は、第1設置ベース64の前面において変動表示装置35の表示画面35aの右縁部(初期位置:図18参照)と表示画面35aの中央位置(最大回動位置:図53参照)との間で回動する。
所定の予告演出を実行していない時や遊技状態が通常遊技状態等である場合には、第1可動装飾装置300は初期状態にあり、右可動部材310の第1可動部320及び第2可動部330は初期位置で停止している。この時、図38に示すように、第2可動部330の軸331aは第1設置ベース64のガイド溝64bの右端に位置しており、第1可動部320の駆動軸321bは第2可動部330のガイド溝331bの右端に位置している。
初期位置にある第1可動部320及び第2可動部330は、センターケース34の後方に位置にしており、視認不能な状態となっている。
所定の予告演出を実行する時や特図変動表示ゲームの実行時、遊技状態が所定遊技状態になると駆動モータ340が駆動され、回動ギア360が図38において時計周りに回動し、回動ギア360の係合孔362に係合する係合軸321aを介して第1可動部320も時計周りに回動する。このように第1可動部320が回動し始めると、第1可動部320の駆動軸321bが第2可動部330のガイド溝331b内をガイド溝331bの左端に向かって移動する。第1可動部320の駆動軸321bがガイド溝331bに沿って移動している間は、駆動モータ340の駆動力は第2可動部330には伝達されず、第2可動部330は初期位置で停止している。
第1可動部320がある程度回動し、第1可動部320の駆動軸321bが第2可動部330のガイド溝331bの左端に当接すると、第1可動部320の駆動軸321bを介して第2可動部330に駆動力が伝達され、第1可動部320の回動に伴って第2可動部330も時計周りに回動する。第1可動部320の駆動軸321bが第2可動部330のガイド溝331bの左端に当接した後は、第1可動部320及び第2可動部330は一体的に回動し、第2可動部330の軸331aがガイド溝64bの左端に当接する最大回動位置で停止する。
このように、第1可動装飾装置300の右可動部材310は、第1可動部320が先に初期位置から回動し始め、その後第2可動部330が回動するように構成されている。そして、第1可動部320及び第2可動部330が最大回動位置まで回動することで、第1可動部320及び第2可動部330のほぼ全体が視認可能な状態となる(図53及び図54参照)。
上記の通り、第1可動装飾装置300の右可動部材310の第1可動部320及び第2可動部330は初期位置と最大回動位置との間で回動するが、この回動の際に第1可動部320及び第2可動部330は、図40に示すようにステージ部90の転動面91の右端上方を通過する。なお、ステージ部90には、転動面91上を転動する遊技球と第1可動部320及び第2可動部330との接触を防止するための接触防止壁96が設置されている。
次に、図38、図41〜図47を参照して、第1可動装飾装置300の上可動部材400の構成について説明する。
図41は、第1可動装飾装置300を構成する上可動部材400の分解斜視図である。図42(A)及び図42(B)は、前方及び後方から見た時の前側可動部410の分解斜視図である。図43(A)及び図43(B)は、前方及び後方から見た時の中央可動部420の分解斜視図である。図44(A)及び図44(B)は、前方及び後方から見た時の後側可動部430の分解斜視図である。図45(A)は各可動部410〜430の配置関係を示す斜視図であり、図45(B)は動力伝達機構350の一部を拡大した斜視図である。図46は、各可動部410〜430の配置関係を示す後方斜視図である。図47(A)は前側可動部410と中央可動部420を組付けた時の上可動部材400の裏面図であり、図47(B)は各可動部410〜430を組付けた時の上可動部材400の後方斜視図である。
図38及び図41に示すように、第1可動装飾装置300の上可動部材400は、前側可動部410と、前側可動部410の後方に隣接して配設される中央可動部420と、中央可動部420の後方に隣接して配設される後側可動部430と、を備える。これら可動部410〜430は、変動表示装置35の表示画面35aの上縁部(初期位置)と表示画面35aの中央(最大回動位置)との間で回動可能に構成されている。
図41、図42(A)、及び図42(B)に示すように、前側可動部410は、各種部材が配設されるベース部411と、複数のLEDを有しベース部411の前面に配設されるLED基板412と、LED基板412の前方を覆うようにベース部411に配設されるレンズ413と、レンズ413の前方に配設されるレンズシート414と、レンズシート414の前方を覆うようにベース部411に取り付けられるレンズカバー415と、から構成されている。
レンズカバー415は、バラの花びらの形状を模した装飾部材であって、透光性を有する樹脂によって形成されている。LED基板412のLEDから発せられた光は、レンズ413及びレンズシート414で拡散され、レンズカバー415を介して遊技者等に視認される。
図45(B)に示すように、ベース部411の裏面には、後述する中央可動部420の軸受部421a(図41参照)に支持される回動軸411aと、後述するアーム部材440(図45(A)参照)の一端に固定される固定軸411bとが設けられている。前側可動部410は、回動軸411aを介して、中央可動部420の前面に回動可能に配設される。
図41、図43(A)、及び図43(B)に示すように、中央可動部420は、各種部材が配設されるベース部421と、複数のLEDを有しベース部421の前面に配設されるLED基板422と、LED基板422の前方を覆うようにベース部421に配設されるレンズシート423と、レンズシート423の前方を覆うようにベース部421に取り付けられるレンズカバー424と、から構成されている。
レンズカバー424の左側は、バラの花びらの形状を模した装飾部であって、透光性の樹脂によって形成されている。レンズカバー424の右側は、バラの蔦の形状を模した装飾部であって、不透光性の樹脂によって形成されている。LED基板422のLEDから発せられた光は、レンズシート423で拡散され、レンズカバー424を介して遊技者等に視認される。
ベース部421の右端は、第1設置ベース64の回動軸64d(図45(A)参照)に回動可能に支持される。これにより中央可動部420は第1設置ベース64に対して回動可能となる。
ベース部421の右端寄りの裏面には、後述する動力伝達機構350のリンク部材370(図45(A)参照)と係合する係合軸421bが突出形成される。
また、ベース部421の中央下部には前側可動部410の回動軸411aを回転自在に支持する軸受部421aが形成されており、ベース部421の左端には前側可動部410の固定軸411bが移動可能な円弧状の切欠421cが形成されている。
図41、図44(A)、及び図44(B)に示すように、後側可動部430は、各種部材が配設されるベース部431と、複数のLEDを有しベース部431の前面に配設されるLED基板432と、LED基板432の前方を覆うようにベース部431に配設されるレンズシート433と、レンズシート433の前方を覆うようにベース部431に取り付けられるレンズカバー434と、から構成されている。
レンズカバー434は、バラの花びらの形状を模した装飾部材であって、透光性を有する樹脂によって形成されている。LED基板432のLEDから発せられた光は、レンズシート433で拡散され、レンズカバー434を介して遊技者等に視認される。
ベース部431の右端は、第1設置ベース64の回動軸64dに回動可能に支持される。これにより後側可動部430は第1設置ベース64に対して回動可能となる。
ベース部431の中央上部の裏面には、第1設置ベース64の上部に形成された円弧状のガイド溝64e(図45(A)参照)に挿入される第1軸431aが設けられる。また、ベース部431の中央下部の裏面には、中央可動部420のベース部421の裏面に取り付けられるガイド部材425(図47(B)参照)のガイド溝425cに挿入される第2軸431bが設けられる。
次に、図45〜図47を参照して、各可動部410〜430の配置及び各可動部材410〜430と動力伝達機構350等との連結について説明する。図45〜図47では、各可動部410〜430の配置の様子を分りやすくするため、各可動部材410〜430のベース部411〜431を中心に記載している。
図45(A)及び図46に示すように、ベース部421及びベース部431が第1設置ベース64の回動軸64dに取り付けられることで、中央可動部420及び後側可動部430は第1設置ベース64に対して回動可能に配設される。
図45(A)及び図45(B)に示すように、第1設置ベース64の回動軸64dには、動力伝達機構350の一部を構成するリンク部材370も回動可能に取り付けられている。
回動軸64dに軸支される側のリンク部材370の端部には、回動ギア360の基端部364のギア部365に噛合するギア部371が形成されている。リンク部材370の先端(自由端)には、中央可動部420のベース部421の係合軸421bと係合する係合孔372が形成されている。したがって、駆動モータ340が駆動されて回動ギア360が回動すると、リンク部材370は回動軸64dを中心に回動し、リンク部材370の回動に伴って中央可動部420も回動軸64dを中心に回動する。
なお、図47(A)に示すように、回動軸64dにはコイルバネ373が介装されており、コイルバネ373の一端はリンク部材370に固定されている。コイルバネ373は、図47(A)において反時計回り方向にリンク部材370を付勢している。
図45(A)及び図47(B)に示すように、中央可動部420のベース部421の裏面には、ガイド部材425が取り付けられる。ガイド部材425は、ベース部421の下部裏面に突出形成された固定軸421d(図43(B)参照)を介して、ベース部421に固定される。
図47(B)に示すように、ガイド部材425は、ベース部421の裏面から後方に延設される底壁部425aと、底壁部425aの後端から上方に立設される立設部425bと、を備える。立設部425bには、前後方向に貫通するガイド溝425cが設けられる。ガイド溝425cは、上下方向にわたって円弧状に形成されている。
ガイド部材425の立設部425bの前面と中央可動部420のベース部421の裏面との間は、後側可動部430の前後方向幅よりも大きく設定される。後側可動部430は、ガイド部材425の立設部425bと中央可動部420のベース部421との間の空間に位置するように配設される。この時、後側可動部430のベース部431の第2軸431bは、ガイド部材425のガイド溝425cに挿入される。
なお、後側可動部430が第1設置ベース64の前面に配設された状態では、図46に示すように、後側可動部430のベース部431の第1軸431aは、第1設置ベース64の上部に形成されたガイド溝64eに挿入される。
図45(A)及び図46に示すように、前側可動部410は、ベース部411の回動軸411aが中央可動部420の軸受部421aに軸受されることで、中央可動部420の前面に回動可能に配設される。
前側可動部410のベース部411の裏面に形成される回動軸411a及び固定軸411bは、中央可動部420の裏面側に配設されるアーム部材440に連結される。アーム部材440は、略コ字状に形成された部材である。
アーム部材440の一端部441には、中央可動部420の切欠421cを介して中央可動部420の後方に突出した前側可動部410の固定軸411bの先端が固定される。アーム部材440の他端部442寄りの角部443には、中央可動部420の軸受部421aを介して中央可動部420の後方に突出した前側可動部410の回動軸411aの先端が回転自在に固定される。
また、アーム部材440の他端部442は、第1設置ベース64の前面に回動可能に配設されたリンク部材450(図45(A)参照)に連結される。
リンク部材450の一端は、回動軸64dの下方の第1設置ベース64に設けられた回動軸64cに軸支されている。リンク部材450の他端は、アーム部材440の他端部442に形成された軸442a(図46参照)に軸支されている。
次に、図18、図48〜図52を参照して、第1可動装飾装置300の上可動部材400の動作演出について説明する。
図48は、最大回動位置への移動途中の上可動部材400の斜視図である。図49は、最大回動位置への移動途中の上可動部材400の裏面図である。図50は、最大回動位置で停止している上可動部材400の斜視図である。図51は、最大回動位置で停止している上可動部材400の裏面図である。図52(A)〜図52(C)は、初期位置から最大回動位置まで移動する時の前側可動部410の動きを示す図である。なお、図48〜図52では、各部材の動作の理解を容易にするため、適宜構成部材の記載を省略している。
図18に示すように、所定の予告演出を実行していない時や遊技状態が通常遊技状態等である場合には、第1可動装飾装置300は初期状態にあり、上可動部材400の前側可動部410、中央可動部420、及び後側可動部430は前後方向に重なった状態で、変動表示装置35の表示画面35aの上縁部(初期位置)に停止している。
この時、後側可動部430の第1軸431aは第1設置ベース64のガイド溝64eの上端に位置しており、後側可動部430の第2軸431bは中央可動部420のガイド部材425のガイド溝425cの下端に位置している(図47(B)参照)。後側可動部430は自重により下方に回動するように構成されているが、初期位置においては後側可動部430の第2軸431bがガイド部材425のガイド溝425cの下端に当接しているため、後側可動部430は初期位置から下方に回動することが規制される。つまり、後側可動部430は、第2軸431bを介して、中央可動部420に支持された状態となっている。
なお、初期位置にある各可動部410〜430は、センターケース34の後方に位置にしており視認困難となっている。
所定の予告演出を実行する時や特図変動表示ゲームの実行時、遊技状態が所定遊技状態になると駆動モータ340が駆動され、図48及び図49に示すように各可動部410〜430は最大回動位置に向かって下方に回動する。
駆動モータ340が駆動されて回動ギア360が図48において時計周りに回動すると、リンク部材370が回動軸64dを中心に反時計回りに回動し、リンク部材370の回動に伴って中央可動部420も回動軸64dを中心に反時計回りに回動する。
このように中央可動部420が回動すると、中央可動部420によって支持されている前側可動部410及び後側可動部430も回動軸64dを中心に回動する。
後側可動部430が初期位置から回動すると、図49に示すように、後側可動部430の第1軸431aは、第1設置ベース64のガイド溝64eに沿って下降し、ガイド溝64eの下端に向かって移動する。この時、後側可動部430及び中央可動部420は同期して回動しているため、後側可動部430の第2軸431bは中央可動部420のガイド部材425のガイド溝425cの下端に当接したままとなっている。
中央可動部420がさらに回動すると、後側可動部430は、第1軸431aが第1設置ベース64のガイド溝64eの下端に当接した状態で停止する。
図50及び図51に示すように、後側可動部430停止後も、前側可動部410及び中央可動部420は最大回動位置に向かって回動する。後側可動部430が停止した後に中央可動部420が回動すると、中央可動部420のガイド部材425は、後側可動部430の第2軸431bがガイド溝425cの上端に近づくように移動する。中央可動部420が最大回動位置に到達し停止した時には、後側可動部430の第2軸431bはガイド溝425cの上端に位置している。
上述の通り、各可動部410〜430は回動軸64dを中心として回動するが、さらに前側可動部410は、図52(A)〜図52(C)に示すように、中央可動部420の軸受部421aに支持される回動軸411aを中心として回動する。
図52(A)及び図52(B)に示すように、中央可動部420が初期位置から最大回動位置に向かって回動すると、前側可動部410も中央可動部420と一体的に回動軸64dを中心に回動する。前側可動部410の回動軸411a及び固定軸411bはアーム部材440に連結されており、このアーム部材440の他端部442は、第1設置ベース64の回動軸64cに軸支されたリンク部材450の先端に連結されている。なお、リンク部材450の先端とアーム部材440の他端部442とは、アーム部材440の他端部442に形成された軸442aを介して連結される。
ここで、第1設置ベース64の回動軸64dと前側可動部410の回動軸411aの軸間距離は、第1設置ベース64の回動軸64cとアーム部材440の軸442aとの軸間距離よりも長くなるように設定されている。このように設定することで、中央可動部420回動時における前側可動部410の回動軸411aの回動軸64dに対する回動量が、アーム部材440の軸442aの回動軸64cに対する回動量よりも小さくなる。したがって、中央可動部420が回動すると、図52(B)及び図52(C)に示すように、アーム部材440の軸442aが前側可動部410の回動軸411aを中心に時計回り方向に旋回し、前側可動部410の固定軸411bと連結するアーム部材440の一端部441も前側可動部410の回動軸411aを中心に時計回り方向に旋回する。これにより前側可動部410は、回動軸411aを中心として、中央可動部420に対して回動する。したがって、初期位置では前側可動部410は中央可動部420の前方に位置するが(図18参照)、最大回動位置では前側可動部410は中央可動部420の前方からずれ変動表示装置35の表示画面35aの略中央に位置する(図50及び図53参照)。
次に、図53及び図54を参照して、最大回動時における可動装飾ユニット70について説明する。図53は、センターケース34等を設置していない場合における可動装飾ユニット70の正面図である。図54は、センターケース34等を設置した場合における可動装飾ユニット70の正面図である。
可動装飾ユニット70の第1可動装飾装置300において、回動ギア360が時計周りに回動するように駆動モータ340(図38参照)が駆動されると、上可動部材400の前側可動部410、中央可動部420、及び後側可動部430が各最大回動位置まで回動し、これと同期して右可動部材310の第1可動部320及び第2可動部330が各最大回動位置まで回動する。
可動装飾ユニット70の第2可動装飾装置500では、駆動モータ340の駆動制御に対応して駆動モータ530(図35参照)が駆動制御され、可動装飾部材510が初期位置から最大回動位置まで回動する。
最大回動位置で停止した前側可動部410、中央可動部420、後側可動部430、第1可動部320、第2可動部330、及び可動装飾部材510は、変動表示装置35の表示画面35aの前方に位置し、それぞれが一体となって一つのバラの花を模した装飾体を構成する。このような動作演出の後、各駆動モータ340、530が再び駆動制御され、前側可動部410、中央可動部420、後側可動部430、第1可動部320、第2可動部330、及び可動装飾部材510は初期位置(図18参照)まで戻る。
以下では、第1実施形態による遊技機1の遊技制御装置600及び演出制御装置700で実行される各種制御について説明する。
<メイン処理(遊技制御装置)>
図55及び図56を参照して、遊技制御装置600によって実行されるメイン処理について説明する。図55は、遊技制御装置600が実行するメイン処理の前半部のフローチャートである。図56は、遊技制御装置600が実行するメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生した時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。ステップA1003の処理後、遊技制御装置600は、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで、例えば4ミリ秒間待機する(ステップA1005)。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。ステップA1006の処理後、遊技制御装置600は、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(ステップA1007)、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
ステップA1008の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時等に確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合(ステップA1009の結果が「N」)には、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶されている。
ステップA1010及びステップA1011の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。ステップA1012及びステップA1013の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合(ステップA1013の結果が「Y」)には、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合(ステップA1016の結果が「N」)には、遊技制御装置600は図56のステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。この初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合(ステップA1016の結果が「Y」)には、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図56のステップA1017〜ステップA1023)。
遊技制御装置600は、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。つまり、遊技制御装置600は、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、遊技制御装置600は、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
ステップA1019の処理後、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。
高確率でないと判定された場合(ステップA1020の結果が「N」)には、遊技制御装置600はステップA1023以降の処理を実行する。一方、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合(ステップA1020の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。その後、遊技制御装置600は、一括表示装置に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
そして、ステップA1023では、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定領域に記憶されている。このように特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができる。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機1を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。そして、遊技制御装置600は、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアし(ステップA1040)、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
その後、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定し(ステップA1042)、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
ステップA1023又はステップA1043の処理が終了すると、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。そして、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路は、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
ステップA1027の処理後、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
ステップA1028の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。
停電監視信号がオフであって停電していない場合(ステップA1030の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合(ステップA1030の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合(ステップA1031の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンである場合には、遊技制御装置600はチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
一方、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合(ステップA1031の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電が発生したものとみなして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、遊技制御装置600は、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
ステップA1035の処理後、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。
ステップA1037の処理後、遊技制御装置600は、RWMの内容が変更されないようにRWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源遮断前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
<タイマ割込み処理(遊技制御装置)>
図57を参照して、遊技制御装置600によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図57は、遊技制御装置600が実行するタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによって、レジスタを退避させる(ステップA1101)。
なお、本実施形態の遊技機1では、遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることで、ステップA1101の処理を実行することが可能となる。
ステップA1101の処理後、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、カウントスイッチ605等が含まれる。入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
そして、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御等を行うための情報である。制御対象となるソレノイドには、例えば大入賞口ソレノイド28や普電ソレノイド27が含まれる。出力処理では、遊技機1における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
ステップA1103の処理後、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
ステップA1104の処理後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタ等)の値を1ずつ加算する。
そして、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視する。エラーの監視は、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないか等を対象としている。
ステップA1107の処理後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については図58を参照して後述する。
ステップA1108の処理後、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。そして、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば一括表示装置)に出力するためのパラメータを編集する。
ステップA1110の処理後、遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10aや下スピーカ10b等から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりする等して外部に報知する。
そして、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(ステップA1112)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。
ステップA1113の処理後、遊技制御装置600は、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了してメイン処理に復帰する。
<特図ゲーム処理>
図58を参照して、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(図57のステップA1108)の詳細について説明する。図58は、遊技制御装置600が実行する特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、大当り乱数等の各種乱数の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図59を参照して後述する。
ステップA1201の処理後、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、変動入賞装置38に設けられたカウントスイッチ605によって当該変動入賞装置38に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
ステップA1202の処理後、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマの値が0になった場合にタイムアップしたと判定する。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合(ステップA1204の結果が「N」)には、遊技制御装置600はステップA1216以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合(ステップA1204の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。その後、遊技制御装置600は、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップA1206)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
ゲーム処理番号が「0」の場合(ステップA1208の結果が「0」)には、遊技制御装置600は特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や、特図変動表示ゲームの特図を変動表示させる総変動表示時間の設定、特図変動表示ゲームにおける演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「1」の場合(ステップA1208の結果が「1」)には、遊技制御装置600は特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合(ステップA1208の結果が「2」)には、遊技制御装置600は特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
ゲーム処理番号が「3」の場合(ステップA1208の結果が「3」)には、遊技制御装置600はファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「4」の場合(ステップA1208の結果が「4」)には、遊技制御装置600は大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
ゲーム処理番号が「5」の場合(ステップA1208の結果が「5」)には、遊技制御装置600は大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉38aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
ゲーム処理番号が「6」の場合(ステップA1208の結果が「6」)には、遊技制御装置600は大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ステップA1204、ステップA1209〜ステップA1215のいずれかの処理を実行した後、遊技制御装置600は、状態表示器40において図柄(特図1)の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA1216)、特図1に関する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1217)。
その後、遊技制御装置600は、状態表示器40において図柄(特図2)の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA1218)、特図2に関する図柄変動制御処理を実行して(ステップA1219)、特図ゲーム処理を終了する。
<始動口スイッチ監視処理>
図59を参照して、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(図58のA1201)の詳細について説明する。図59は、遊技制御装置600が実行する始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留(始動記憶)の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。
A1301の処理後、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図60を参照して後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普通電動役物(第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中であるか否か、すなわち開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを確認する(ステップA1303)。
開閉部材37cが作動中である場合(ステップA1303の結果が「Y」)には、遊技制御装置600はA1306以降の処理を実行する。
一方、開閉部材37cが作動中でない場合(ステップA1303の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1304及びステップA1305)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。そのため閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。ステップA1304及びステップA1305の処理では、遊技制御装置600は、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合(ステップA1305の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合(ステップA1305の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1306)、特図始動口スイッチ共通処理を実行して(ステップA1307)、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、ステップA1307の特図始動口スイッチ共通処理は、ステップA1302の特図始動口スイッチ共通処理と同じ処理である。
<特図始動口スイッチ共通処理>
図60を参照して、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1302、ステップA1307)の詳細について説明する。図60は、遊技制御装置600が実行する特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401及びステップA1402)。
監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合(ステップA1402の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合(ステップA1402の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。
ステップA1403の処理後、遊技制御装置600は、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
ステップA1404の処理後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1406及びステップA1407)。
始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA1407の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、更新後の始動口信号出力回数の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
ステップA1408の処理が終了した後、又は始動口信号出力回数がオーバーフローする場合(ステップA1407の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かをチェックする(ステップA1409及びステップA1410)。
特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA1410の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1423)、コマンド設定処理を実行して(ステップA1424)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、特図保留数が上限値未満の場合(ステップA1410の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、遊技制御装置600は、更新対象の特図保留数(例えば特図1保留数)を1加算して更新する(ステップA1411)。
ステップA1411の処理後、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA1412)、その後特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(ステップA1413)。そして、遊技制御装置600は、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1414)。
ステップA1414の処理後、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1415)。そして、遊技制御装置600は、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。その後、遊技制御装置600は、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA1417)、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。
ステップA1418の処理後、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。ステップA1419の処理後、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1421)。変動パターン乱数1〜3は、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
ステップA1421の処理後、遊技制御装置600は、ステップA1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数等をロードし、特図保留情報判定処理を実行して(ステップA1422)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図61を参照して後述する。
<特図保留情報判定処理>
図61を参照して、前述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(図60のステップA1422)の詳細について説明する。図61は、遊技制御装置600が実行する特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングよりも前に、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず先読み演出の実行条件を満たしているか否かをチェックし(ステップA1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポートなし、かつ特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には、常に先読み演出の実行条件を満たす。なお、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が所定回数未満(例えば8回未満)の場合には、先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。
ステップA1502において先読み演出の実行条件を満たしている場合(ステップA1502の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、先読み演出の実行条件を満たしていない場合(ステップA1502の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成されている。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
ステップA1503の処理後、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1504)。
大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA1504の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定し(ステップA1507)、ステップA1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合(ステップA1504の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを、大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
ステップA1505の処理後、遊技制御装置600は、設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(ステップA1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はステップA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから、図柄情報を取得して、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1508)。
ステップA1508の処理後、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA1509)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(ステップA1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する監視対象のテーブルを準備する(ステップA1511)。
ステップA1511の処理後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1512)。続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(ステップA1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1514)。
後半変動パターン設定処理(ステップA1513)及び変動パターン設定処理(ステップA1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
ステップA1514の処理後、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA1515)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備し(ステップA1516)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1517)。
ステップA1517の処理後、遊技制御装置600は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA1518)、コマンド設定処理を実行して(ステップA1519)、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置600は、ステップA1515及びステップA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらにステップA1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知するように構成されている。
図62及び図63を参照して、遊技制御装置600による各種演出の振り分けについて説明する。図62は、特図変動表示ゲームにおける大当り遊技演出の種類を示す図である。図63は、各遊技状態における演出モード(演出態様)を示す図である。
図62に示すように、遊技制御装置600は、特図1変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には図示した選択率に基づいて15R確変A、15R確変B、及び15R通常のいずれかの大当りを選択し、特図2変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には図示した選択率に基づいて15R確変B又は15R通常の大当りを選択するように構成されている。
特図1変動表示ゲームにより15R通常の大当りとなった場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける三つの識別情報は所定飾り図柄(1、2、4〜6、8、9のいずれか)で揃って停止する。特図1変動表示ゲームによる15R通常では、最大出玉数が500個に設定されている。また、大当り遊技状態後の遊技状態は通常遊技状態に設定され、普電サポートは抑制状態(普電サポートなし)に設定される。
特図2変動表示ゲームにより15R通常の大当りとなった場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける三つの識別情報は所定飾り図柄(1、2、4〜6、8、9のいずれか)で揃って停止する。特図2変動表示ゲームによる15R通常では、最大出玉数が500個に設定されている。また、大当り遊技状態後の遊技状態は時短状態に設定され、普電サポートは促進状態(普電サポートあり)に設定される。
15R確変Aの大当りでは、飾り特図変動表示ゲームにおける三つの識別情報は所定飾り図柄(1、2、4〜6、8、9のいずれか)で揃って停止する。15R確変Aでは、最大出玉数が500個に設定されている。また、大当り遊技状態後の遊技状態は潜伏確変状態に設定され、普電サポートは抑制状態(普電サポートなし)に設定される。潜伏確変状態では、特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が通常遊技状態よりも高く設定されるが、高確率状態になっていることは遊技者に対して伏せられる。
15R確変Bの大当りでは、飾り特図変動表示ゲームにおける三つの識別情報は確変飾り図柄(3又は7)で揃って停止する。15R確変Bでは、最大出玉数が2000個に設定されている。また、大当り遊技状態後の遊技状態は確変状態に設定され、普電サポートは促進状態(普電サポートあり)に設定される。確変状態には、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の特図変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。また、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設けて当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
なお、特図2変動表示ゲームによる大当りでは、特図1変動表示ゲームによる大当りの場合と比較して確変状態(15R確変B)の選択確率が高く設定されている。
上記の通り、遊技制御装置600は、各種遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段としての機能も含んでいる。
図63に示すように、遊技制御装置600は、遊技状態に応じて所定の演出モード(演出態様)で遊技演出を実行する。
遊技制御装置600は、遊技状態が確変状態である場合には確変状態であることが認識可能な演出態様(確変演出モード)で各種演出を実行し、遊技状態が時短状態である場合には時短状態であることが認識可能な演出態様(時短演出モード)で各種演出を実行する。
一方、遊技状態が通常遊技状態及び潜伏確変状態である場合には、遊技制御装置600は通常演出モード又はスロット演出モード(特定演出モード)を実行する。通常遊技状態及び潜伏確変状態で選択される演出モードの種類を同じにすることで、遊技の興趣を高めることができる。
通常演出モードでは、遊技者による演出ボタン17(図1参照)の操作に関わらず、飾り特図変動表示ゲームにおけるリーチ演出態様が選択される。このように通常演出モードは、リーチ演出態様が選択される過程に遊技者が参加できないように構成されている。
スロット演出モードでは、遊技者の演出ボタン17の操作に基づいて、飾り特図変動表示ゲームにおけるリーチ演出態様が選択される。このようにスロット演出モードは、リーチ演出態様が選択される過程に遊技者が参加できるように構成されている。スロット演出モードは、遊技者が演出ボタン17を操作することで三つの識別情報(飾り図柄)の変動開始や各識別情報の停止を行うことが可能となっており、いわゆるスロット遊技機の遊技に似た演出を実行する演出モード(特定演出モード)である。
以上、遊技制御装置600における制御について説明した。続いて、演出制御装置700による制御について説明する。
<1stCPUメイン処理(演出制御装置)>
図64を参照して、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図64は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
メイン処理の実行が開始されると、演出制御装置700は、まず割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、演出制御装置700は、作業領域であるRAM711を0クリアし(ステップB1002)、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。そして、演出制御装置700は、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
ステップB1005の処理後、演出制御装置700は、所定のタイミング(例えば1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1006)、割込みを許可する(ステップB1007)。このように割込みが許可されることで、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
ステップB1007の処理後、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、ステップB1003のCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
ステップB1008の処理後、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン17(図1参照)の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。その後、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
ステップB1010の処理後、演出制御装置700は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査するための処理である。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、演出制御装置700は、ステップB1010の遊技制御コマンド解析処理において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。なお、1stシーン制御処理の詳細については、図65を参照して後述する。
ステップB1012の処理後、演出制御装置700は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合等に、警報音の報知等の所定処理を実行する。
ステップB1013の処理後、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1014)。
ステップB1014の処理後、演出制御装置700は、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。そして、演出制御装置700は、LED等の装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1016)、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9等の演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1017)。
ステップB1017の処理後、演出制御装置700は、演出用の乱数等を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1018)、ステップB1008の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、ステップB1008からステップB1018までの処理を繰り返す。
<1stシーン制御処理>
図65を参照して、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(図64のステップB1012)の詳細について説明する。図65は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する1stシーン制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1101)。
遊技機1がテスト中モードである場合(ステップB1101の結果が「Y」)には、実際に演出制御を行う必要がないため、演出制御装置700は1stシーン制御処理を終了する。
一方、遊技機1がテスト中モードでない場合(ステップB1101の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1102)。
シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB1102の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1107以降の処理を実行する。一方、シーン変更コマンドを受信している場合(ステップB1102の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、更新する現在の遊技状態を取得し(ステップB1103)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1104)。具体的には、演出制御装置700は、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否か等を判定する。
有効なコマンドを受信していない場合(ステップB1104の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1107以降の処理を実行する。
一方、有効なコマンドを受信した場合(ステップB1104の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定領域にセーブし(ステップB1105)、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、ステップB1111の変動中処理において演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
ステップB1106の処理後、演出制御装置700は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1107)。
受信したコマンドが電源投入コマンドである場合には、演出制御装置700は電源投入処理を実行する(ステップB1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが停電復旧コマンドである場合には、演出制御装置700は停電復旧処理を実行する(ステップB1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが客待ちデモコマンドである場合には、演出制御装置700は客待ち処理を実行する(ステップB1110)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが変動パターンコマンドである場合には、演出制御装置700は変動中処理を実行する(ステップB1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については、図69を参照して後述する。
受信したコマンドが図柄停止コマンドである場合には、演出制御装置700は図柄停止処理を実行する(ステップB1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる等の制御を行う。
受信したコマンドがファンファーレコマンドである場合には、演出制御装置700はファンファーレ処理を実行する(ステップB1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する等の制御を行う。
受信したコマンドが大入開放n回目コマンドである場合には、演出制御装置700はラウンド中処理を実行する(ステップB1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出等の制御を行う。
受信したコマンドがインターバルコマンドである場合には、演出制御装置700はインターバル処理を実行する(ステップB1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出等の制御を行う。
受信したコマンドがエンディングコマンドである場合には、演出制御装置700はエンディング処理を実行する(ステップB1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出等の制御を行う。
ステップB1108〜ステップB1116のいずれかの処理の実行後、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信される図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれている。
ステップB1117の処理後、演出制御装置700は、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1118)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて保留表示等を更新する。
続いて、演出制御装置700は、先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1119)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンド)に基づいて保留表示演出等を設定する処理である。なお、先読みコマンド受信処置の詳細については図66を参照して後述する。
ステップB1119の処理後、演出制御装置700は、確率情報コマンド受信処理を実行して(ステップB1120)、1stシーン制御処理を終了する。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて内部確率等の遊技状態を設定する処理である。
〔先読みコマンド受信処理〕
図66を参照して、前述した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(図65のステップB1119)の詳細について説明する。図66は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する先読みコマンド受信処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず現在の演出モードがスロット演出モードあるか否かを判定する(ステップB1401及びステップB1402)。
現在の演出モードがスロット演出モードである場合(ステップB1402の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、先読み予告演出を実行することなく、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、現在の演出モードがスロットモード演出ではない場合(ステップB1402の結果が「N」)には、演出制御装置700は、事前判定コマンド(先読みコマンド)を受信待ちしている始動記憶の存在を確認し(ステップB1403)、該当する始動記憶が存在するか否かを判定する(ステップB1404)。
該当する始動記憶が存在しない場合(ステップB1404の結果が「N」)には、演出制御装置700は先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、該当する始動記憶が存在する場合(ステップB1404の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB1405)。
事前判定コマンドを受信していない場合(ステップB1405の結果が「N」)には、演出制御装置700は先読みコマンド受信処理を終了する。一方、事前判定コマンドを受信した場合(ステップB1405の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、受信した事前判定コマンドの内容を、対応する始動記憶領域にセーブする(ステップB1406)。
ステップB1406の処理後、演出制御装置700は、既に受信している始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得し(ステップB1407)、当該始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(ステップB1408)。
特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(ステップB1408の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、先読み予告演出(事前演出)を振り分けるためテーブルとして、はずれ用の先読み予告振分テーブル1をセットする(ステップB1409)。一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB1408の結果が「N」)には、先読み予告演出(事前演出)を振り分けるためテーブルとして、大当り用の先読み予告振分テーブル2をセットする(ステップB1410)。なお、先読み予告振分テーブル1及び先読み予告演出テーブル2の詳細については、図68を参照して後述する。
ステップB1409又はステップB1410の処理後、演出制御装置700は、既に受信した始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得し(ステップB1411)、取得したリーチ系統情報及び先読み予告振分テーブルから先読み予告演出態様を選択する(ステップB1412)。なお、先読み予告演出態様の詳細については、図67を参照して後述する。
ステップB1412の処理後、演出制御装置700は、選択された先読み予告演出態様を、選択された始動記憶領域に表示するように設定し(ステップB1413)、先読みコマンド受信処理を終了する。
なお、先読みコマンド受信処理は、スロット演出モードが実行されている場合には先読み予告演出の設定を行わないように構成されているが(ステップB1402)、通常時とは異なる態様の先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
また、演出モードが通常演出モードからスロット演出モードに切り替わる場合において、通常演出モード時に実行された先読み予告演出がスロット演出モードへの切替後にも残っている場合には、ステップB1402においてスロット演出モードが実行されていると判定される時に当該先読み予告演出を終了するようにしてもよい。
<先読み予告演出>
図67を参照して、先読み予告演出の態様について説明する。図67は、先読み予告演出の態様の一例を示す図である。
先読み予告演出は、変動表示装置35の表示画面35aに表示される始動記憶の表示態様を変化させることによって行われる。
図67に示すように、先読み予告演出の表示態様は、対応する始動記憶に基づいて実行される特図変動表示ゲームの信頼度(期待度)に応じて、第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告の3種類の態様が定義されている。第1先読み予告、第2先読み予告、第3先読み予告の順で信頼度(期待度)が高くなるように設定されている。
第1〜第3先読み予告では、それぞれ始動記憶の表示色が異なるように設定されている。第1先読み予告の始動記憶の表示色は青色、第2先読み予告の始動記憶の表示色は黄色、第3先読み予告の始動記憶の表示色は赤色となっている。
なお、始動記憶の色以外にも、始動記憶の形状を変更したり、始動記憶を点滅状態を変更したりしてもよい。また、遊技状態に応じて先読み予告演出の態様を異ならせ、通常遊技状態における第1〜第3先読み予告、確変状態における第1〜第3先読み予告、時短状態における第1〜第3先読み予告等を設定してもよい。
始動記憶の表示制御は演出制御装置700によって実行されており、演出制御装置700は特図変動表示ゲームの期待度(信頼度)を示唆するように始動記憶表示の態様を制御する始動記憶表示手段としても機能する。
次に、図68を参照して、先読み予告振分テーブル1及び先読み予告振分テーブル2について説明する。図68(A)は先読み予告振分テーブル1を例示した図であり、図68(B)は先読み予告振分テーブル2を例示した図である。
先読み予告振分テーブル1及び先読み予告振分テーブル2には、リーチ系統情報ごとに、先読み予告の演出態様及び対応する先読み予告演出態様の選択率が設定されている。
先読み予告振分テーブル1及び先読み予告振分テーブル2は、リーチの信頼度が高いほど、期待度の高い先読み予告演出態様が選択されやすくなるように設定されている。また、大当り用の先読み予告振分テーブル2は、はずれ用の先読み予告振分テーブル1よりも、信頼度の高い先読み予告が実行されやすいように設定されている。
<変動中処理>
図69を参照して、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(図65のステップB1111)の詳細について説明する。図69は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動中処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1201)。
演出リクエストフラグが設定されている場合(ステップB1201の結果が「Y」)には、演出制御装置700はステップB1202〜ステップB1209の処理を実行する。
一方、演出リクエストフラグが設定されていない場合(ステップB1201の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1211以降の処理を実行する。
ステップB1201の結果が「Y」の場合には、演出制御装置700は、演出ボタン関連情報をクリアする(ステップB1202)。演出ボタン関連情報とは、遊技者が演出ボタン17(図1参照)を操作した時の入力操作情報等である。
ステップB1202の処理後、演出制御装置700は、可動体リクエストをセットする処理を実行する(ステップB1203)。この処理により、演出装置等の動作態様が演出内容に応じて設定される。
ステップB1203の処理後、演出制御装置700は、遊技状態に応じた演出モードを設定する演出モード制御処理を実行する。演出モード制御処理の詳細については、図70を参照して後述する。
続いて、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて予告演出を設定したりする変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1205)。
ステップB1205の処理後、演出制御装置700は、演出内容の決定等に使用される乱数のシードを初期化する乱数シード初期化処理を実行し(ステップB1206)、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1207)。
ステップB1207の処理後、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの実行時間(総変動表示時間)を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップB1208)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB1209)、変動中処理を終了する。
ところで、ステップB1201において演出リクエストフラグが設定されていないと判定された場合(ステップB1201の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置700は、更新タイマが0、すなわちタイムアップしたか否かを判定する(ステップB1211)。
更新タイマがタイムアップした場合(ステップB1211の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定して(ステップB1212)、変動中処理を終了する。
更新タイマがタイムアップしていない場合(ステップB1211の結果が「N」)には、演出制御装置700は、演出ボタン17の操作に基づいて飾り特図変動表示ゲームの識別情報(飾り図柄)の表示制御等を行うスロット演出モード中処理を実行して(ステップB1213)、変動中処理を終了する。スロット演出モード中処理の詳細については、図72を参照して後述する。
<演出モード制御処理>
図70を参照して、前述した変動中処理における演出モード制御処理(図69のステップB1204)の詳細について説明する。図70は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する演出モード制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、設定されている遊技状態を確認し(ステップB1301)、遊技状態が確変状態又は時短状態であるか否かを判定する(ステップB1302)。遊技状態には、通常遊技状態、潜伏確変状態、確変状態、時短状態等がある(図63参照)。
遊技状態が確変状態又は時短状態である場合には、演出制御装置700は、当該遊技状態に対応して演出モードを確変演出モード又は時短演出モードに設定し(ステップB1303)、演出モード制御処理を終了する。
一方、遊技状態が通常遊技状態又は潜伏確変状態である場合には、演出制御装置700は、演出モード移行抽選テーブルに基づいて演出モード移行抽選を実行する(ステップB1304)。演出モード移行抽選テーブルの詳細については、図71を参照して後述する。
ステップB1304の処理後、演出制御装置700は、演出モードを、演出モード移行抽選の結果に基づき通常演出モード又はスロット演出モードに設定する(ステップB1305)。演出制御装置700は演出モードを通常演出モード又はスロット演出モードに切り替えるモード切替手段として機能する。
続いて、演出制御装置700は、設定された演出モードがスロット演出モードであるか否かを判定する(ステップB1306)。
設定された演出モードがスロット演出モードではなく通常遊技モードである場合(ステップB1306の結果が「N」)には、演出制御装置700は演出モード制御処理を終了する。
一方、設定された演出モードがスロット演出モードである場合(ステップB1306の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、変動パターン設定パラメータとしてスロットモード情報を設定する(ステップB1307)。スロットモード情報は、変動中処理の変動パターン情報設定処理(図69のステップB1205)で使用される情報であって、飾り特図変動表示ゲームでのスロット演出に関する情報を含んでいる。スロットモード情報には、例えば、飾り特図変動表示ゲームの開始時に三つの識別情報(飾り図柄)を変動表示させるのではなく揺動状態で停止させておくようなコマンドが含まれる。
ステップB1307の処理後、演出制御装置700は、今回開始する特図変動表示ゲームの結果情報を確認し(ステップB1308)、当該結果情報が第1特図変動表示ゲームによる15R確変Aの大当り(図62参照)であるか否かを判定する(ステップB1309)。
第1特図変動表示ゲームによる15R確変Aの大当りでない場合(ステップB1309の結果が「N」)には、演出制御装置700は、当該結果情報が第1特図変動表示ゲームによる15R通常の大当り(図62参照)であるか否かを判定する(ステップB1310)。
第1特図変動表示ゲームによる15R通常の大当りでない場合(ステップB1310の結果が「N」)には、演出制御装置700は演出モード制御処理を終了する。ここで、ステップB1307でスロットモード情報が設定されていれば、スロット演出モードを開始することとなる。
特図変動表示ゲームの結果情報が第1特図変動表示ゲームの15R確変A又は15R通常の大当りである場合(ステップB1309又はステップB1310の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大当り遊技状態後の演出モードをスロット演出モードに設定し(ステップB1311)、演出モード制御処理を終了する。大当りが第1特図変動表示ゲームによる15R確変A及び15R通常となる場合に、大当り遊技状態後の演出モードをスロット演出モードに設定することで、大当り後の遊技の興趣を高めることができ、大当り後の遊技状態が潜伏確変状態なのか通常遊技状態なのかを判断しにくくすることができる。
<演出モード移行抽選テーブル>
図71を参照して、演出モード移行抽選で使用される演出モード移行抽選テーブルについて説明する。図71は、演出モード移行抽選テーブルの一例を示す図である。
演出モード移行抽選は、通常遊技状態及び潜伏確変状態において特図変動表示ゲームが実行されるごとに行われる。演出モード移行抽選では、演出モード移行抽選テーブルに基づいて通常演出モード又はスロット演出モードのいずれかが選択される。
演出モード移行抽選テーブルには、現在の遊技状態及び演出モードに応じて、選択される演出モードの選択率が設定されている。
演出モード移行抽選テーブルは、基本的に、スロット演出モードよりも通常演出モードが選択されやすく構成されている。スロット演出モードのような特殊な演出の実行頻度を少なくすることで、遊技者のスロット演出モードに対する関心を持続させることができ、飽きにくい遊技演出を実現することが可能となる。
演出モード移行抽選テーブルは、同一遊技状態では、現在の演出モードがスロット演出モードである場合の方が通常演出モードである場合よりも、スロット演出モードの選択率が高くなるように設定されている。したがって、一度スロット演出モードが選択されると、次もスロット演出モードが選択される確率が高くなる。
また、演出モード移行抽選テーブルは、同一演出モードでは、遊技状態が潜伏確変状態の方が通常遊技状態よりも、スロット演出モードの選択率が高くなるように設定されている。潜伏確変状態のように特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる確率が高い場合に、スロット演出モードが選択されやすく構成することで、遊技者のスロット演出モードに対する関心を高めることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<スロット演出モード中処理>
図72及び図73を参照して、前述した変動中処理におけるスロット演出モード中処理(図69のステップB1213)の詳細について説明する。
図72は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するスロット演出モード中処理を示すフローチャートである。図73は、スロット演出モードにおける特図変動表示ゲームの識別情報等の表示状態を示すタイミングチャートである。
演出制御装置700は、現在設定されている演出モードを確認し(ステップB1501)、演出モードがスロット演出モードであるか否かを判定する(ステップB1502)。
スロット演出モードでない場合(ステップB1502の結果が「N」)には、演出制御装置700はスロット演出モード中処理を終了する。
一方、スロット演出モードである場合(ステップB1502の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、スロット演出に関連する演出態様決定情報があるか否かを判定する。
演出態様決定情報がある場合(ステップB1503の結果が「Y」)には、演出制御装置700はステップB1521の処理を実行する。ステップB1521以降の処理については後述する。
一方、演出態様決定情報がない場合(ステップB1503の結果が「N」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの変動表示時間の残時間を確認する(ステップB1504)。この残時間は、遊技制御装置600によって決定される特図変動表示ゲームの総変動表示時間から、特図変動表示ゲーム開始後に経過した経過時間を差し引くことによって算出される。なお、特図変動表示ゲームの総変動表示時間とは、特図変動表示ゲームの開始から終了までの時間である。
ステップB1504の処理後、演出制御装置700は、変動表示時間の残時間が基準時間以下、例えば5秒以下か否かを判定する(ステップB1505)。
変動表示時間の残時間が基準時間以下である場合(ステップB1505の結果が「Y」)には、演出制御装置700はステップB1518の処理を実行する。ステップB1518以降の処理については後述する。
一方、変動表示時間の残時間が基準時間以下でない場合(ステップB1505の結果が「N」)には、演出制御装置700は、飾り特図変動表示ゲームの識別情報(飾り図柄)の変動表示開始に関連する変動開始情報があるか否かを判定する(ステップB1506)。
変動開始情報がない場合(ステップB1506の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技者による変動開始操作があったか否かを判定する(ステップB1507)。特図変動表示ゲーム開始後に遊技者が演出ボタン17(図1参照)を操作した場合に、変動開始操作有りと判定される。
変動開始操作があった場合(ステップB1507の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、変動開始情報を設定し(ステップB1508)、飾り特図変動表示ゲームにおける三つの識別情報(飾り図柄)の変動表示(スクロール表示)を開始させる(ステップB1509)。
スロット演出では、図73に示すように、特図変動表示ゲームの開始時には飾り特図変動表示ゲームにおける三つの識別情報(第1〜第3飾り図柄)は揺れ変動した状態で停止しており、遊技者が演出ボタン17を操作した時点で三つの識別情報の変動表示が開始される。
図72のステップB1509の処理後、演出制御装置700は特別演出実行制御処理を実行し(ステップB1510)、スロット演出モード中処理を終了する。特別演出実行制御処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであることを報知する特別演出の実行を制御する処理である。特別演出実行制御処理の詳細については、図77を参照して後述する。
ステップB1506で変動開始情報があると判定された場合(ステップB1506の結果が「Y」)又はステップB1507で変動開始操作がないと判定された場合(ステップB1507の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第1停止操作情報があるか否かを判定する(ステップB1511)。第1停止操作情報は、変動表示装置35の表示画面35aの左側領域で変動表示されている識別情報(第1飾り図柄)を停止させるための情報である。
第1停止操作情報がない場合(ステップB1511の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技者による第1停止操作があったか否かを判定する(ステップB1512)。変動開始操作後に遊技者が演出ボタン17を操作した場合に、第1停止操作有りと判定される。
第1停止操作があった場合(ステップB1512の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、第1停止操作情報を設定し(ステップB1513)、左側領域の識別情報(第1飾り図柄)の変動表示を停止する(ステップB1514)。
スロット演出では、図73に示すように、飾り特図変動表示ゲームの三つの識別情報(第1〜第3飾り図柄)の変動開始後、遊技者が演出ボタン17を操作(第1停止操作)した時点で第1飾り図柄が停止する。
図72のステップB1514の処理後、演出制御装置700は特別演出実行制御処理を実行し(ステップB1515)、スロット演出モード中処理を終了する。ステップB1515の特別演出実行制御処理は、ステップB1510の特別演出実行制御処理と同じ処理である。
ステップB1511で第1停止操作情報があると判定された場合(ステップB1511の結果が「Y」)又はステップB1512で第1停止操作がないと判定された場合(ステップB1512の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第2停止操作があったか否かを判定する(ステップB1516)。第1停止操作後に遊技者が演出ボタン17を操作した場合に、第2停止操作有りと判定される。
第2停止操作がない場合(ステップB1516の結果が「N」)には、演出制御装置700はスロット演出モード中処理を終了する。
一方、第2停止操作があった場合(ステップB1516の結果が「Y」)には、演出制御装置700は操作完了情報を設定する(ステップB1517)。操作完了情報は、遊技者による演出ボタン17の操作に基づく演出参加が終了したことを示す情報である。
スロット演出では、図73に示すように、第2停止操作があった時に表示画面35aの右側領域で変動している識別情報(第2飾り図柄)が停止する。第1飾り図柄及び第2飾り図柄が停止した後は、後述する演出態様決定処理で決定された演出態様に基づいてリーチ演出等が実行され、表示画面35aの中央領域で変動している識別情報(第3飾り図柄)が停止して、特図変動表示ゲームが終了する。
なお、遊技者による第2停止操作があった時にリーチ演出等を実行するため、演出表示として予めプログラムされている映像データだけではリーチ演出等を実行できない虞もある。そのような場合には、静止画像による予告演出(リーチ開始表示など)の実行時間や、演出と演出の間に行うカットイン予告などを適宜制御して対応する。
図72のステップB1517の処理後、演出制御装置700は、スロット演出に関連する演出態様を決定するための演出態様決定処理を実行する(ステップB1518)。演出態様決定処理の詳細については、図74を参照して後述する。
ステップB1518の処理後、演出制御装置700は、演出態様決定処理で決定された演出態様に基づいて演出態様決定情報を設定する(ステップB1519)。そして、演出制御装置700は、特別演出実行制御処理を実行し(ステップB1520)、スロット演出モード中処理を終了する。ステップB1520の特別演出実行制御処理は、ステップB1510及びステップB1515の特別演出実行制御処理と同じ処理である。
ところで、ステップB1503において演出態様決定情報があると判定された場合(ステップB1503の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、演出態様決定処理で設定される演出タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップB1521)。演出タイマがダウンカウントされ、0になった場合にタイムアップしたと判定される。
演出タイマがタイムアップしていない場合(ステップB1521の結果が「N」)には、演出制御装置700はスロット演出モード中処理を終了する。一方、演出タイマがタイムアップした場合(ステップB1521の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、演出態様決定情報に基づいて、変動表示装置35の表示画面35aの中央領域で変動表示している識別情報(第3飾り図柄)を停止表示する(ステップB1522)。
ステップB1522の処理後、演出制御装置700は、スロット演出に関連する各種情報(変動開始情報や第1停止操作情報、操作完了情報等)をクリアし(ステップB1523)、スロット演出モード中処理を終了する。
上記の通り、演出制御装置700は、変動開始操作や第1停止操作、第2停止操作等に基づき各飾り図柄の変動態様を制御する変動態様制御手段を含んでいる。
<演出態様決定処理>
図74を参照して、前述したスロット演出モード中処理における演出態様決定処理(図72のステップB1518)の詳細について説明する。図74は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する演出態様決定処理を示すフローチャートである。
演出態様決定処理が開始されると、演出制御装置700は、まず操作完了情報があるか否かを判定する(ステップB1601)。
操作完了情報がない場合(ステップB1601の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1610以降の処理を実行する。ステップB1610以降の処理については後述する。
一方、操作完了情報がある場合(ステップB1601の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、実行中の特図変動表示ゲームの結果情報を確認し(ステップB1602)、特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB1603)。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合(ステップB1603の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、演出態様決定テーブル1を参照し、第2停止操作が行われた時点での特図変動表示ゲームの変動表示時間の残時間に基づいて大当り用のリーチ演出態様を決定する(ステップB1604)。演出態様決定テーブル1の詳細については図76(A)を参照して後述する。
一方、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合(ステップB1603の結果が「N」)には、演出制御装置700は、演出態様決定テーブル2を参照し、第2停止操作が行われた時点での変動表示時間の残時間に基づいてはずれ用のリーチ演出態様を決定する(ステップB1605)。演出態様決定テーブル2の詳細については図76(B)を参照して後述する。
上記の通り、演出制御装置700は、変動表示時間の残時間に対応して演出態様(表示内容)を決定する表示内容決定手段を含んでいる。
ステップB1604又はステップB1605の処理後、演出制御装置700は、決定されたリーチ演出態様がリーチ演出を実行するパターンであるか否かを判定する(ステップB1606)。
リーチ演出が実行される場合(ステップB1606の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、変動表示装置35の表示画面35aの右側領域で変動表示されている識別情報(第2飾り図柄)を、左側領域で既に停止表示されている識別情報(第1飾り図柄)と同じ図柄となるように停止表示して、所定のリーチ演出を開始する(ステップB1607)。
一方、リーチ演出が実行されない場合(ステップB1606の結果が「N」)には、演出制御装置700は、表示画面35aの右側領域で変動表示されている識別情報(第2飾り図柄)を、左側領域で既に停止表示されている識別情報(第1飾り図柄)とは異なる図柄で停止表示する(ステップB1608)。
なお、後述するように演出態様決定テーブル1(図76(A)参照)には、大当りとなる場合であっても、リーチ演出を実行しない演出態様が設定されている。このような演出態様では、ステップB1608において第2飾り図柄が第1飾り図柄とは異なる図柄で停止表示され、一旦はずれ結果態様が導出される。その後、第1飾り図柄及び第2飾り図柄は再変動し、第1〜第3飾り図柄が所定時間変動した後に、三つの飾り図柄が揃った状態で停止して大当り結果態様となる。
ステップB1607又はステップB1608の処理後、演出制御装置700は、決定した演出態様に対応する演出タイマを設定し(ステップB1609)、演出態様決定処理を終了する。演出タイマには、所定演出を実行するために必要な時間が設定される。
ところで、ステップB1601で操作完了情報がないと判定された場合(ステップB1601の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信された特図変動表示ゲームの総変動表示時間を確認し(ステップB1610)、当該特図変動表示ゲームが短時間変動パターンのゲームであるか否かを判定する(ステップB1611)。演出制御装置700は、図75に示すような総変動表示時間が4秒や10秒の特図変動表示ゲームを、短時間変動パターンの特図変動表示ゲームであると判定する。
特図変動表示ゲームが短時間変動パターンである場合(ステップB1611の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、遊技者の演出ボタン17の操作によらず、当該特図変動表示ゲームの結果情報に基づいて第1〜第3飾り図柄が停止表示されるように各飾り図柄を設定する(ステップB1612)。
特図変動表示ゲームが短時間変動パターンでない場合(ステップB1611の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1613の処理を実行する。操作完了情報がなく、かつ短時間変動パターンではない場合とは、スロット演出において特図変動表示ゲームの変動表示時間の残時間がステップB1505の基準時間(5秒)以下となるまでの間に、遊技者が変動開始操作、第1停止操作、及び第2停止操作の一連の操作を行わなった場合である。
このような場合には、演出制御装置700は、第1〜第3飾り図柄特図を「?」等の曖昧飾り図柄に変更して、最終的に停止表示された図柄の種類が認識できないように設定する(図81参照)。この際、大当りかはずれかについての結果は、変動表示装置35の表示画面35aに表示される。停止時の各飾り図柄の種類が曖昧となるため、大当り時には大当り遊技状態終了後にどのような遊技状態になるかが分りにくくなる。このように遊技者がスロット演出に参加しない場合には、曖昧飾り図柄を使用して飾り特図変動表示ゲームを終了するため、スロット演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
<リーチ演出態様>
図75及び図76を参照して、通常演出モード及びスロット演出モードでのリーチ演出態様について説明する。
図75は、遊技制御装置600が決定する特図変動表示ゲームの総変動表示時間と、演出制御装置700は選択する通常演出モードでのリーチ演出態様の一例を示す図である。図76(A)はスロット演出モードにおける演出態様決定テーブル1の一例を示す図であり、図76(B)はスロット演出モードにおける演出態様決定テーブル2の一例を示す図である。
特図変動表示ゲームにおける総変動表示時間は遊技制御装置600によって決定され、遊技制御装置600から演出制御装置700に送信される。このように遊技制御装置600は総変動表示時間を設定する変動表示時間設定手段として機能する。
図75に示すように、遊技制御装置600は、4秒、10秒、20秒、35秒、60秒、90秒、120秒の7種類から総変動表示時間を決定する。これら7種類の時間は一例であり、疑似連演出や始動記憶数に基づく演出等の各種演出に応じた総変動時間を別途設定してもよい。
演出モードが通常演出モードである場合には、演出制御装置700は、総変動表示時間が長くなるほど信頼度(期待度)の高いリーチ演出態様を選択する。
演出モードがスロット演出モードである場合には、演出制御装置700は、図76(A)の演出態様決定テーブル1又は図76(B)の演出態様決定テーブル2を参照してリーチ演出態様(リーチ演出なしも含む)を選択し、選択されたリーチ演出態様でリーチ演出を実行する。
図76(A)の演出態様決定テーブル1はスロット演出モードでの大当り時におけるリーチ演出態様を決定するためのテーブルであり、図76(B)の演出態様決定テーブル2はスロット演出モードでのはずれ時におけるリーチ演出態様を決定するためのテーブルである。
演出態様決定テーブル1及び演出態様決定テーブル2には、特図変動表示ゲームの総変動表示時間ごとに、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間に対応したリーチ演出が設定されている。
演出態様決定テーブル1及び演出態様決定テーブル2は、総変動表示時間が長くなるほど、信頼度(期待度)の高いリーチ演出が実行可能となるように構成されている。また、演出態様決定テーブル1及び演出態様決定テーブル2には、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間内で実行可能なリーチ演出態様が設定されている。同一総変動表示時間においては、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間が長くなるほど、信頼度(期待度)の高いリーチ演出が実行される。
但し、演出態様決定テーブル1は、演出態様決定テーブル2よりも、信頼度(期待度)の高いリーチ演出が選択される残時間の判定度合いが緩やかに設定されている。また、演出態様決定テーブル1は、総変動時間が20秒の場合、残時間によらずNリーチ演出を実行するように設定されている。さらに、演出態様決定テーブル1は、総変動時間が120秒であって残時間が100秒から120秒の間である場合には、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることを報知するプレミアムリーチ演出を実行するように設定されている。
なお、スロット演出モードでは、総変動時間が4秒や10秒等の短時間変動パターンの特図変動表示ゲームのリーチ演出態様は、演出態様テーブル1、2を用いて決定せず、演出態様決定処理(図74参照)のステップB1612において特図変動表示ゲームの結果情報に応じた所定態様に設定される。
<特別演出実行制御処理>
図77を参照して、前述したスロット演出モード中処理における特別演出実行制御処理(図72のステップB1510、ステップB1515、ステップB15120)の詳細について説明する。図77は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する特別演出実行制御処理を示すフローチャートである。
特別演出実行制御処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであることを報知する特別演出の実行を制御する処理である。特別演出実行制御処理は、遊技者による変動開始操作、第1停止操作、及び第2停止操作に対応して実行される。
特別演出実行態様決定処理が開始されると、演出制御装置700は、特図変動表示ゲーム中に既に特別演出が実行されたか否かを判定する(ステップB1701)。
特別演出が実行済みである場合(ステップB1701の結果が「Y」)には、演出制御装置700は特別演出実行制御処理を終了する。
一方、特別演出が実行されていない場合(ステップB1701の結果が「N」)には、演出制御装置700は、現在実行している特図変動表示ゲームの結果情報を確認し(ステップB1702)、特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB1703)。
特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(ステップB1703の結果が「N」)には、演出制御装置700は特別演出実行制御処理を終了する。
一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB1703の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特別演出を実行するか否かの抽選を実行する(ステップB1704)。特別演出実行抽選の当選割合は10%に設定され、落選割合は90%に設定されている。これら割合は、必要に応じて任意に設定される値である。
なお、特別演出実行制御処理は、変動開始操作後、第1停止操作後、第2停止操作後の3回実施されるが(図72のステップB1510、ステップB1515、ステップB15120参照)、特別演出実行抽選の当選割合は、変動開始操作後、第1停止操作後、第2停止操作後の順に高くなるように設定してもよい。
ステップB1704の処理後、演出制御装置700は、特別演出実行抽選に当選したか否かを判定する(ステップB1705)。
特別演出実行抽選に落選した場合(ステップB1705の結果が「N」)には、演出制御装置700は特別演出実行制御処理を終了する。
一方、特別演出実行抽選に当選した場合(ステップB1705の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであることを報知する特別演出を実行する(ステップB1706)。特別演出では、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから所定音が発せられ、変動表示装置35の表示画面35aに所定の演出表示が表示される。
ステップB1706の処理後、演出制御装置700は、特別演出実行情報を設定して(ステップB1707)、特別演出実行制御処理を終了する。特別演出実行情報は、特別演出が実行された場合に設定される情報であって、特図変動表示ゲームの終了時にクリアされる。
上記の通り、演出制御装置700は、変動開始操作、第1停止操作、及び第2停止操作に対応して、特図変動表示ゲームの結果が大当りであることを報知する特別結果報知手段を含んでいる。
<各種演出の具体例>
図78〜図81を参照して、通常演出モード及びスロット演出モードにおける各種演出の具体例について説明する。
図78は、通常演出モードにおける飾り特図変動表示ゲームを示す図である。図79(A)〜(D)は、スロット演出モードにおける飾り特図変動表示ゲームの流れを示す図である。図80(A)は、通常演出モードにおけるリーチ演出の一例を示す図である。図80(B)はスロット演出モードにおける大当り時のリーチ演出の一例を示す図であり、図80(C)はスロット演出モードにおけるはずれ時のリーチ演出の一例を示す図である。図81は、飾り特図変動表示ゲームの識別情報が曖昧飾り図柄に変更された場合を示す図である。
図78及び図80(A)を参照して、通常演出モードにおける特図変動表示ゲームについて説明する。
図78に示すように、演出モードが通常演出モードである場合には、変動表示装置35の表示画面35aの左上部に「通常演出モード」の文字が表示される。また、表示画面35aの左下部には第1始動記憶を表示可能な第1表示領域35bが表示され、表示画面35aの右下部には第2始動記憶を表示可能な第2表示領域35cが表示される。第1表示領域35bと第2表示領域35cの間の表示画面35aには、始動記憶を消化する消化領域35dが表示される。
第1表示領域35bは、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによって発生した始動記憶を表示する領域である。第2表示領域35cは、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって発生した始動記憶を表示する領域である。
消化領域35dは、第1表示領域35b又は第2表示領域35cに表示された始動記憶が消化(使用)される際に、対応する始動記憶消化演出を行う領域である。特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図変動表示ゲームに対応する始動記憶が第1表示領域35b又は第2表示領域35cから消化領域35dに移動し、その後消化領域35dで消滅する演出が実行される。
第1表示領域35bの始動記憶が消化されて第1特図変動表示ゲームが開始されると、表示画面35aの中央において飾り特図変動表示ゲームが開始され、三つの識別情報(第1〜第3飾り図柄)が変動表示される。
通常演出モードにおける特図変動表示ゲームが総変動表示時間90秒かつ大当りに設定されている場合には、図80(A)に示すように、特図変動表示ゲームの開始後所定時間経過したタイミングで第1、第2飾り図柄が揃った状態で停止し、リーチが発生する。普通演出モードにおいて総変動表示時間が90秒である場合にはリーチ演出態様としてSP2リーチ演出が選択されるので(図75参照)、表示画面35aではNリーチからSP2リーチに発展した後にSP2リーチ演出が実行される。リーチ形成後、Nリーチ、SP1リーチを経てSP2リーチに発展させるようにしてもよい。
その後、第3飾り図柄が第1、第2飾り図柄と同じ図柄で停止し、第1〜第3飾り図柄が特別結果態様を形成して、大当りとなる。
次に、図79(A)〜(D)及び図80(B)を参照して、スロット演出モードにおける特図変動表示ゲームについて説明する。
図79(A)に示すように、演出モードがスロット演出モードである場合には、変動表示装置35の表示画面35aの左上部に「スロット演出モード」の文字が表示される。
第1表示領域35bの始動記憶が消化されて第1特図変動表示ゲームが開始されると、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームが開始される。この時、表示画面35aの中央には三つの識別情報(第1〜第3飾り図柄)が揺動状態で停止表示され、表示画面35aの上部には第1〜第3飾り図柄の変動表示を開始可能であることを報知する「START OK」の文字が表示される。
図79(B)に示すように、遊技者が演出ボタン17(図1参照)を押すと、変動開始操作があったとして、第1〜第3飾り図柄の変動表示が開始される。この時、表示画面35aの上部には、第1飾り図柄の変動表示を停止可能であることを報知する「STOP OK」の文字が表示される。
なお、実際のパチスロ遊技機では、ドラムが回転してからドラム回転速度がある程度に達するまでは、ドラム停止操作が不能となる停止無効期間が設定されている。そこで、遊技機1のスロット演出においても同様に、第1〜第3飾り図柄が変動を開始してから所定期間は第1停止操作を受け付けない第1停止操作無効期間を設定してもよい。これにより、遊技機1におけるスロット演出を、実際のスロット遊技機の演出に近づけることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
図79(C)に示すように、遊技者が演出ボタン17を押すと、第1停止操作があったとして、表示画面35aの左側領域の第1飾り図柄が停止表示される。この時、表示画面35aの上部には、第2飾り図柄の変動表示を停止可能であることを報知する「STOP OK」の文字が表示される。
図79(D)に示すように、遊技者が演出ボタン17を押すと、第2停止操作があったとして、表示画面35aの右側領域の第2飾り図柄が停止表示される。
スロット演出モードにおける特図変動表示ゲームが総変動表示時間60秒かつ大当りに設定されている場合には、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間に応じてリーチ演出態様が決定される(図76(A)参照)。総変動表示時間60秒かつ大当りの場合では、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間により、リーチなし演出、Nリーチ演出、Nロングリーチ演出、SP1リーチ演出、SP2リーチ演出のいずれかが実行される。
図80(B)に示すように、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間が50秒から60秒までの間であった場合には、第2停止操作後に第2飾り図柄が第1飾り図柄と同じ図柄で停止してリーチとなり、表示画面35aにおいてNリーチからSP2リーチに発展した後にSP2リーチ演出が実行される。リーチ形成後、Nリーチ、SP1リーチを経てSP2リーチに発展させるようにしてもよい。
なお、スロット演出モードにおける特図変動表示ゲームが総変動表示時間60秒かつはずれに設定されている場合には、リーチなし演出、Nリーチ演出、Nロングリーチ演出、SP1リーチ演出、SP2リーチ演出のいずれかが実行される(図76(B)参照)。例えば、第2停止操作時点での変動表示時間の残時間が45秒から55秒までの間であった場合には、第2停止操作後に第2飾り図柄が第1飾り図柄と同じ図柄で停止してリーチとなり、表示画面35aにおいてNリーチからSP1リーチに発展した後にSP1リーチ演出が実行される。
ここで、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合には、SP1リーチ演出等の期待度の高いリーチに発展しないようにしてもよい。この場合には、図80(C)に示すように、第2停止操作によって形成されたリーチ後に第1飾り図柄及び第2飾り図柄を再変動させ、第1飾り図柄及び第2飾り図柄を再度リーチ態様で停止させ、Nロングリーチ演出を実行して、SP1リーチに発展しないようにする。
次に、図81を参照して、曖昧飾り図柄を用いた飾り特図変動表示ゲームについて説明する。
図81に示すように、スロット演出モードにおいて特図変動表示ゲームの変動表示時間の残時間が基準時間(5秒)以下となるまでの間に、遊技者が変動開始操作、第1停止操作、及び第2停止操作の一連の操作(所定操作)を行わなった場合には、第1〜第3飾り図柄が曖昧飾り図柄「?」となって停止する(図74のステップB1613参照)。そのため、遊技者は、最終的に停止表示された図柄の種類を特定することができない。
特図変動表示ゲームの結果が大当りであった場合には変動表示装置35の表示画面35aに「大当り」の文字が表示されるが、停止時の各飾り図柄の種類が曖昧となるため、大当り遊技状態終了後にどのような遊技状態になるのかが分りにくくなる。このように遊技者がスロット演出に参加しない場合には、曖昧飾り図柄を使用して飾り特図変動表示ゲームを終了するため、スロット演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
図82(A)〜図82(C)を参照して、飾り特図変動表示ゲームの変形例について説明する。
図82(A)に示すように、スロット演出モードでは、変動表示装置35の表示画面35aの上下で二つの飾り特図変動表示ゲームを実行し、実際のスロット遊技機に近いスロット演出を行うようにしてもよい。
第1停止操作があった場合には左側領域で変動している上下二つの第1飾り図柄を停止させ(図82(A)参照)、その後第2停止操作があった場合には右側領域で変動している上下二つの第2飾り図柄を停止させる(図82(B)及び図82(C)参照)。
なお、図82(B)は下側の飾り特図変動表示ゲームがリーチとなる場合を例示したものであり、図82(C)は上側の飾り特図変動表示ゲームがリーチとなる場合を例示したものである。
上下二つの飾り特図変動表示ゲームが同時にリーチ状態とならないように、左側領域で変動する第1飾り図柄の数字の並びと、右側領域で変動する第2飾り図柄の数字の並びとが異なるように設定されている。つまり、第1飾り図柄は上側の数字よりも下側の数字が大きくなるような並びとなっており、第2飾り図柄は上側の数字よりも下側の数字が小さくなるような並びとなっている。第3飾り図柄の数字の並びは、第1飾り図柄又は第2飾り図柄に合わせられる。
このように制御することで、例えば、リーチの種類によって、上下二つの飾り特図変動表示ゲームが同時にリーチ状態となるいわゆるダブルリーチに対応する演出を行う場合以外は、上下二つの飾り特図変動表示ゲームが同時にリーチ状態とならないように制御することができる。
本実施形態の遊技機1は、スロット演出モードでの特図変動表示ゲーム中にスロット演出を実行し、遊技者による変動開始操作、第1停止操作、第2停止操作の一連の操作があった時の変動表示時間の残時間に対応して、複数のリーチ演出態様から一のリーチ演出態様を選択するように構成されている。これにより、リーチ演出態様の選択過程に遊技者が参加することができ、リーチ演出等に対する遊技者の満足感を高めることが可能となる。
なお、本実施形態の遊技機1は、一つの演出ボタン17で変動開始操作、第1停止操作、第2停止操作等の一連の操作を行うように構成されているが、実際のスロット遊技機と同様に変動開始ボタン、第1停止ボタン、第2停止ボタン、第3停止ボタンを備えるようにしてもよい。遊技機1のスロット演出では、第3飾り図柄は遊技者のボタン操作によらず停止するため、第3停止ボタンは必ずしも必要ではないが、セレクトボタン等として活用してもよい。このように遊技機1に4つのボタンを配設することで、実際のスロット遊技機に似た雰囲気を実現でき、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、遊技者の停止操作に基づいて各飾り図柄を停止させるようにしているが、停止させる飾り図柄の種類は予め決定しておいたものとしてもよいし、停止操作が行われた時に通過しようとしている飾り図柄を停止させるのでもよいし、停止操作が行われた時に停止させる飾り図柄の種類を抽選により決定して停止させるのでもよい。ただし、何れの場合においても、第2飾り図柄を停止させる際は、図74の演出態様決定処理におけるステップB1606で行った処理のように、リーチを発生させるか否かによって停止させる第2飾り図柄の種類を制御する必要がある。
さらに、飾り停止図柄を停止させる順番は、上記に限らず右中左や左中右などの順番でもよく、停止させる順番を遊技者が選択できてもよいし、信頼度などに応じて制御するようにしてもよい。
〔第2実施形態〕
図83〜図85を参照して、本発明の第2実施形態による遊技機1について説明する。第2実施形態による遊技機1は、演出制御装置700が実行するスロット演出モード中処理の内容において、第1実施形態の遊技機と相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
図83は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するスロット演出モード中処理を示すフローチャートである。図84は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するフリーズ演出制御処理を示すフローチャートである。図85は、遊技制御装置600が決定する特図変動表示ゲームの総変動表示時間と、通常演出モードでのリーチ演出態様の一例を示す図である。
図85に示すように、本実施形態の遊技機1においては遊技制御装置600が設定可能な特図変動表示ゲームの総変動表示時間が8種類となっており、第1実施形態(図75参照)との相違は総変動表示時間が150秒となるパターンが追加されている点である。
通常演出モードでは、特図変動表示ゲームの総変動表示時間が150秒である場合、変動表示装置35においてプレミアムリーチ演出が実行される。プレミアムリーチ演出では、特図変動表示ゲームの結果が大当りになることが報知される。
一方、スロット演出モードでは、特図変動表示ゲームの総変動表示時間が150秒である場合、変動表示装置35においてフリーズ演出が実行される。
図83及び図84を参照して、スロット演出モードにおけるフリーズ演出について説明する。
図83に示すスロット演出モード中処理は、ステップB1524のフリーズ演出制御処理を除いて、図72のスロット演出モード中処理と同じである。ステップB1507の処理後、演出制御装置700は、フリーズ演出制御処理を実行する(ステップB1524)。
図84に示すように、フリーズ演出制御処理が開始されると、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信された特図変動表示ゲームの総変動表示時間を確認し(ステップB1801)、総変動表示時間がプレミアムリーチ演出用の時間(150秒)であるか否かを判定する(ステップB1802)。
総変動表示時間がプレミアムリーチ演出用時間(150秒)以外の時間である場合(ステップB1802の結果が「N」)には、演出制御装置700は、フリーズ演出制御処理を終了して、図83のステップB1508の処理を実行する。
一方、総変動表示時間がプレミアムリーチ演出用時間(150秒)である場合(ステップB1802の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、遊技者による変動開始操作があった時点での変動表示時間の残時間を確認し(ステップB1803)、残時間が基準時間(5秒)以下であるか否かを判定する(ステップB1804)。
変動開始操作があった時点での変動表示時間の残時間が基準時間以下である場合(ステップB1804の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、フリーズ演出制御処理を終了して、図83のステップB1508の処理を実行する。
一方、変動開始操作があった時点での変動表示時間の残時間が基準時間以下でない場合(ステップB1804の結果が「N」)には、演出制御装置700は、スロット演出における演出態様としてフリーズ演出を設定する(ステップB1805)。
フリーズ演出は、変動開始操作があった場合であっても所定時間経過するまでは三つの識別情報(第1〜第3飾り図柄)の変動を開始せず、所定時間経過してから第1〜第3飾り図柄を変動させ、遊技者による停止操作によらず所定の大当り結果態様で停止させる演出である。フリーズ演出は、特図変動表示ゲームの結果が大当りになることを報知するものである。
ステップB1805の処理後、演出制御装置700は、フリーズ演出設定情報に基づいて演出態様決定情報を設定し(ステップB1806)、フリーズ演出制御処理を終了する。
本実施形態の遊技機1は、特図変動表示ゲームの総変動表示時間として最も長い時間(プレミアムリーチ演出用時間)が選択された場合、スロット演出モードでの特図変動表示ゲーム中にフリーズ演出を実行し、特図変動表示ゲームが大当りになることを報知するように構成されている。スロット演出モードにおいて、遊技者が演出ボタン17を操作しても遊技演出に介入できないパターンを設定することにより、スロット演出の興趣を高めることが可能となる。
なお、上記したフリーズ演出を第1〜第3飾り図柄全てを停止させたあとに実行するようにしてもよく、その場合には、第1〜第3飾り図柄をはずれ態様で仮停止状態としておき、所定の演出により特図変動表示ゲームの結果が大当りになることを報知した後、各飾り図柄を再変動させ、大当りを示す態様を導出させるようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
図86及び図87を参照して、本発明の第3実施形態による遊技機1について説明する。第3実施形態による遊技機1は、演出制御装置700が実行する変動中処理の処理内容において、第1実施形態及び第2実施形態の遊技機と相違する。以下では、その相違点を中心に説明する。
図86は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動中処理を示すフローチャートである。図87は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する演出モード選択処理を示すフローチャートである。
本実施形態の遊技機1は、遊技者が演出モードをスロット演出モードに設定することができるように構成されている。スロット演出モードの選択に関する処理は、図86のステップB1214で実行される。
図86に示す変動中処理は、ステップB1214の演出モード選択処理を除いて、図69のスロット演出モード中処理と同じである。ステップB1213の処理後、演出制御装置700は演出モード選択処理を実行し(ステップB1214)、変動中処理を終了する。
図87に示すように、演出モード選択処理が実行されると、演出制御装置700は、演出モードをスロット演出モードに設定するか否かを遊技者に確認中であることを示す実行確認中情報があるか否かを判定する(ステップB1901)。
実行確認中情報がある場合(ステップB1901の結果が「Y」)には、演出制御装置700はステップB1909以降の処理を実行する。ステップB1909以降の処理については後述する。
一方、実行確認中情報がない場合(ステップB1901の結果が「N」)には、演出制御装置700は、現在の演出モードを確認し(ステップB1902)、スロット演出モード中であるか否かを判定する(ステップB1903)。
演出モードがスロット演出モードである場合(ステップB1903の結果が「Y」)には、演出制御装置700は演出モード選択処理を終了する。
一方、演出モードがスロット演出モード以外である場合(ステップB1903の結果が「N」)には、演出制御装置700は、前回の実行確認中情報の設定から、特図変動表示ゲームが所定回数(例えば100回)実行されたか否かを判定する(ステップB1904)。
特図変動表示ゲームが所定回数実行されていない場合(ステップB1904の結果が「N」)には、演出制御装置700は演出モード選択処理を終了する。
特図変動表示ゲームが所定回数実行された場合(ステップB1904の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲーム実行回数が所定回数経過するまでの間の遊技者の演出ボタン17の操作回数を確認し(ステップB1905)、ボタン操作回数が基準回数以上であるか否かを判定する(ステップB1906)。この基準回数は、各種遊技演出において遊技者が積極的に演出に参加していたこと示す指標となるものであって、数十回程度に設定される。
ボタン操作回数が基準回数以上でない場合(ステップB1906の結果が「N」)には、演出制御装置700は演出モード選択処理を終了する。
一方、ボタン操作回数が基準回数以上である場合(ステップB1906の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、スロット演出モード実行確認報知処理を実行する(ステップB1907)。スロット演出モード実行確認報知処理では、変動表示装置35の表示画面35aに、演出モードをスロット演出モードに設定するか、現在の演出モードを継続するかを確認する確認画像が表示される。
ステップB1907の処理後、演出制御装置700は、スロット演出モードに設定するか否かを遊技者に確認中であるとして実行確認中情報を設定し(ステップB1908)、演出モード選択処理を終了する。
ところで、ステップB1901で実行確認中情報があると判定された場合(ステップB1901の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、遊技者がセレクトボタン29(図1参照)及び演出ボタン17を操作して、スロット演出モードを選択したか否かを判定する(ステップB1909)。
スロット演出モードが選択されなかった場合(ステップB1909の結果が「N」)には、演出制御装置700は演出モード選択処理を終了する。
一方、スロット演出モードが選択された場合(ステップB1909の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、演出モードをスロット演出モードに設定する(ステップB1910)。
ステップB1910の処理後、演出制御装置700は、変動パターン設定パラメータとしてスロットモード情報を設定し(ステップB1911)、演出モード選択処理を終了する。
本実施形態の遊技機1は、所定条件が成立した場合にスロット演出モード実行確認報知処理を実行し、演出モードをスロット演出モードに設定するか否かを遊技者に対して確認するように構成されている。これにより、遊技者の意志を反映した演出モードを実行することができるようになり、遊技の興趣を高めることが可能となる。
本発明は、上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。
図88〜図91を参照して、各実施形態による遊技機1において実行されるその他の演出例について説明する。
図88は、遊技機1の変動表示装置35の表示画面35aに表示される消化領域35dにおける演出態様の一例を示す図である。この演出態様では、特図変動表示ゲームの期待度(信頼度)に応じて、消化領域35dの表示態様を変化させている。
遊技機1では、特図変動表示ゲームが実行される場合、特図変動表示ゲームに対応する始動記憶表示が第1表示領域35b又は第2表示領域35cから消化領域35dに移動し、その後消化領域35dで消滅する演出が実行される。
消化領域35dに移動してきた始動記憶が消滅する時に、図88(A)に示すように、消化領域35dを点滅させるようにしてもよい。消化領域35dの全体を点滅させてもよいし、消化領域35dに表示されている内容等を点滅させるようにしてもよい。
図88(B)に示すように、始動記憶消化時に、消化領域35dを拡大させるようにしてもよい。消化領域35dだけを拡大してもよいし、消化領域35dに表示されている内容と共に拡大してもよい。このように消化領域35dを拡大することによって視認しやすくなり、消化領域35dが通常態様でないことを遊技者に認識させやすくなる。
図88(C)に示すように、始動記憶消化時に、消化領域35dの形状を変化させるようにしてもよい。特図変動表示ゲームの結果に対する期待度等に応じて形状を複数用意してもよい。
図88(D)に示すように、始動記憶消化時に、消化領域35dを移動させるようにしてもよい。消化領域35dは、識別情報(飾り図柄)の上方に移動させてもよいし、表示画面35aの内部を周回してもよいし、ランダムに移動するようにしてもよい。
図88(E)に示すように、始動記憶消化時に、消化領域35dの数を増加させるようにしてもよい。図88(E)では、大当り確定の態様としているが、新たに追加された消化領域35dに期待度を示す情報等を表示してもよいし、追加される消化領域35dの数を期待度に応じて設定してもよい。例えば、もともと存在する消化領域35d及び新たに追加された消化領域35dのいずれかに始動記憶表示が移動するように制御し、特定の消化領域35dで始動記憶が表示される演出が実行される場合に期待度が高くなるようにして、保留消化時の興趣を高めるようにしてもよい。
また、増加した消化領域35dの態様として、図88(A)〜図88(D)の態様のいずれか又は重複して適用するようにしてもよい。
なお、遊技機1においては、通常消化領域態様1から通常消化領域態様5の順に、特図変動表示ゲームの結果に対する期待度が高くなるように設定されており、通常消化領域態様5では大当り確定となっている。
ここで、遊技機1は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、前記変動表示ゲームの停止結果が予め定めた特別結果となった場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、前記始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、前記変動表示ゲームの実行に関連する乱数を抽出し該変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段と、前記始動入賞記憶手段に始動記憶として記憶されている乱数から、該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する事前判定手段と、前記始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対する前記事前判定手段の判定結果に応じて、該始動記憶に基づいて実行される変動表示ゲームの実行情報を事前報知する事前報知手段と、前記始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に対応する始動記憶表示を所定の表示部に表示する始動記憶表示手段と、前記始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶に基づく前記変動表示ゲームが開始されるときに、前記所定の表示部から当該始動記憶に対応する始動記憶表示を消去する始動記憶表示消去手段と、前記始動記憶表示消去手段によって前記所定の表示部から消去された始動記憶表示に対応し、前記変動表示ゲームの進行に関連する始動記憶関連報知を前記表示装置に設けられる特定表示部において実行する始動記憶関連報知制御手段と、を備え、前記事前報知手段は、前記始動入賞記憶手段に所定数の始動記憶が記憶されている場合に、前記事前報知として、前記特定表示部の表示態様を通常表示態様から特定表示態様に変更する表示態様変更制御を実行可能な表示態様制御手段を有することとなる。
このように遊技機1は消化領域35dの態様によって大当りとなる期待度が異なるように構成されているため、始動記憶表示が変更されてから対応する始動記憶が消化されるまでに行われる演出の興趣をより一層高めることができる。
図89(A)及び図89(B)は、遊技機1の変動表示装置35の表示画面35aに表示される消化領域35dにおける演出態様の他の例を示す図である。図89(A)は消化領域35dの表示態様を示す図であり、図89(B)は先読み予告の態様を示す図である。
図89(A)に示すように、通常消化領域態様Aでは、消化領域35dが二分割されており、分割された領域の一方には所定のキャラクタが表示される。そして、始動記憶が他方の領域に移動して消化される時に、他方の領域には図89(B)の先読み予告A〜Dに示す態様のキャラクタが表示される。
始動記憶消化時において、通常消化領域態様Aの消化領域35dの他方の領域に、カップルとなるキャラクタに対応する先読み予告Aのキャラクタ(図89(B)参照)が表示された場合に、期待度が高くなるようになっている。
また、図89(A)の通常消化領域態様Bに示すように、動物キャラクタの頭部に対応する位置を消化領域35dとしてもよい。この場合には、始動記憶が消化領域35dに移動して消化される時に、図89(B)の先読み予告A〜Dに示す態様のキャラクタの顔が表示される。通常消化領域態様Bではパンダの胴体が表示されているため、消化領域35dにパンダの頭部となる先読み予告Cのキャラクタ(図89(B)参照)が表示された場合に、期待度が高くなるようになっている。
図89(A)に示すように消化領域35dの態様が変化した場合には、始動記憶消化時において始動記憶表示の態様がどのように変化するかを遊技者に期待させることができ、興趣をより高めることが可能となる。また、始動記憶表示と始動記憶関連報知が実行される領域とが組み合わされることによって一の表示態様を認識可能となるため、始動記憶関連報知が実行されていることを遊技者に認識させやすくなる。
図90(A)及び図90(B)は、スロット演出モード時における画面分割装置200による画面分割演出の一例を示す図である。
図90(A)に示すように、遊技機1は、スロット演出モードで特図変動表示ゲームが開始された時に、画面分割装置200の各バー部材211〜241によって表示画面35を九分割し、分割された領域を用いて飾り特図変動表示ゲームを行うように構成してもよい。
この場合には、左バー部材241よりも左側の領域で第1飾り図柄が変動し、右バー部材231よりも右側の領域で第2飾り図柄が変動し、左バー部材241と右バー部材231の間の領域で第3飾り図柄が変動する。これら第1〜第3飾り図柄は、所定時間変動した後に、上バー部材211と下バー部材221の間における左側領域、右側領域、中央領域で停止する。
また、各バー部材211〜241の初期位置に対応する表示画面35aにはバー画像Aが表示され、左上の分割画面には「スロット演出モード」の文字が表示される。
このようにスロット演出モード時に画面分割装置200によって表示画面35aを九分割することで、実際のスロット遊技機に似た雰囲気を実現でき、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、図90(B)に示すように、遊技機1は、スロット演出モードで特図変動表示ゲームが開始された時に、画面分割装置200の各バー部材211〜241によって表示画面35を左右に三分割し、分割された領域を用いて飾り特図変動表示ゲームを行うように構成してもよい。
この場合には、左バー部材241よりも左側の領域で第1飾り図柄が変動し、右バー部材231よりも右側の領域で第2飾り図柄が変動し、左バー部材241と右バー部材231の間の領域で第3飾り図柄が変動する。そして、第1〜第3飾り図柄は、所定時間変動した後に各領域の中央で停止する。
また、右バー部材231及び左バー部材241の初期位置に対応する表示画面35aには、バー画像ではなく、「スロット演出モード」の文字が縦書き表示される。
このようにスロット演出モード時に画面分割装置200によって表示画面35aを左右に三分割することで、実際のスロット遊技機に似た雰囲気を実現でき、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、スロット演出モードから通常演出モードに切り替わる時には、各バー部材211〜241が通常演出モードにおける飾り特図変動表示ゲーム等の演出を阻害しないように、各バー部材211〜241が初期位置まで戻った後に通常演出モードの各種演出が実行される。
図91(A)及び図91(B)は、スロット演出モード時における画面分割装置200による画面分割演出の他の例を示す図である。
図91(A)に示すように、遊技機1は、スロット演出モードで特図変動表示ゲームが開始された時に、画面分割装置200の下バー部材221及び右バー部材231によって表示画面35を四分割し、左下分割画面を始動記憶を表示する表示領域35eとし、右下分割画面を始動記憶を消化する消化領域35dとして設定するように構成してもよい。
この場合には、最も大きな画面となる左上分割画面において飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。また、下バー部材221及び右バー部材231の初期位置に対応する表示画面35aには、バー画像Aが表示される。
このように、画面分割装置200のバー部材211〜241により分割した分割画面を利用して表示領域35e及び消化領域35dを形成するので、画面分割装置200による分割演出のバリエーションを増加させることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、図91(B)に示すように、遊技機1は、スロット演出モードで特図変動表示ゲームが開始された時に、画面分割装置200の下バー部材221、右バー部材231、及び左バー部材241によって表示画面35を六分割し、左下分割画面をメッセージを表示可能なメッセージ領域35fとし、中央下分割画面を始動記憶を表示する表示領域35eとし、右下分割画面を始動記憶を消化する消化領域35dとして設定するように構成してもよい。この場合には、上側の三つの分割画面で、飾り特図変動表示ゲームの第1〜第3飾り図柄が変動する。
メッセージ領域35fには、飾り特図変動表示ゲームの第1〜第3飾り図柄の変動開始操作を促す「START」の文字や各飾り図柄の停止操作を促す「STOP」の文字等が表示される。
また、消化領域35dには、コイン投入口を模した画像を表示される。特図変動表示ゲームが開始される際には、表示領域35eの始動記憶表示が消化領域35dに移動し、コイン投入口に投入される演出が行われる。このように消化領域35dにコイン投入口の画像を表示することで、実際のスロット遊技機の演出に近づけることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
なお、下バー部材221、右バー部材231、及び左バー部材241の初期位置に対応する表示画面35aには、バー画像Aが表示されるが、バー画像Aに代えてスロット遊技機の筐体に似せた枠画像を表示してもよい。